(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】定電圧電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 1/10 20060101AFI20220202BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20220202BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
H02J1/10
H02M3/00 W
G06F1/26 303
(21)【出願番号】P 2018027573
(22)【出願日】2018-02-20
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500091520
【氏名又は名称】株式会社アイケイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100088948
【氏名又は名称】間宮 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084962
【氏名又は名称】中村 茂信
(72)【発明者】
【氏名】今井 尊史
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-219651(JP,A)
【文献】特開2000-252914(JP,A)
【文献】特開2015-126662(JP,A)
【文献】特開2014-99995(JP,A)
【文献】特開2013-090517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/10
H02M 3/00
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流設定値と電流出力計測値とを入力に受けて両入力を比較算出する電流比較出力信号回路、電圧設定値と電圧出力計測値とを入力に受けて両入力を比較算出する電圧比較出力信号回路、前記電流比較出力信号回路から出力される電流出力信号と前記電圧比較出力信号回路から出力される電圧出力信号とを入力に受けて、電圧出力信号が0より大きいときは電圧出力信号を、そうでないときは電流出力信号を選択して選択出力信号を出力する出力信号比較選択回路、ならびに、この出力信号比較選択回路から出力される選択出力信号により出力増減を制御してパワー出力するパワー出力回路を有する第1の回路と、
電流設定値と電流出力計測値とを入力に受けて両入力を比較算出する電流比較出力信号回路、電圧設定値と電圧出力計測値とを入力に受けて両入力を比較算出する電圧比較出力信号回路と、前記電流比較出力信号回路から出力される電流出力信号と前記電圧比較出力信号回路から出力される電圧出力信号とを入力に受けて、電圧出力信号が0より大きいときは電圧出力信号を、そうでないときは電流出力信号を選択して選択出力信号を出力する出力信号比較選択回路、ならびに、この出力信号比較選択回路から出力される選択出力信号により出力増減を制御してパワー出力するパワー出力回路を有する第2の回路と、
を備えた定電圧電源装置において、
前記第1の回路の前記出力信号比較選択回路と第1の回路の前記パワー出力回路との間に第2の出力信号比較選択回路を介設するとともに、前記第2の回路の前記出力信号比較選択回路と第2の回路の前記パワー出力回路との間に第2の出力信号比較選択回路を介設し、
前記第1の回路の前記出力信号比較選択回路から出力される選択出力信号を、第1の回路の前記第2の出力信号比較選択回路および前記第2の回路の前記第2の出力信号比較選択回路にそれぞれ入力するとともに、前記第2の回路の前記出力信号選択回路から出力される選択出力信号を、第2の回路の前記第2の出力信号比較選択回路および前記第1の回路の前記第2の出力信号比較選択回路にそれぞれ入力して、前記第1の回路の前記第2の出力信号比較選択回路から第1の回路の前記パワー出力回路へ、第1の回路の出力信号比較選択回路からの選択出力信号および前記第2の回路の前記出力信号比較選択回路からの選択出力信号のうちのいずれか小さい方の選択出力信号を選択して第2の選択出力信号を出力するとともに、前記第2の回路の前記第2の出力信号比較選択回路から第2の回路の前記パワー出力回路へ、前記第1の回路の前記出力信号比較選択回路からの選択出力信号および第2の回路の出力信号比較選択回路からの選択出力信号のうちのいずれか小さい方の選択出力信号を選択して第2の選択出力信号を出力し得るようにしたことを特徴とする定電圧電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、出力電圧を一定にする定電圧電源装置、特に、第1および第2の回路(コンバータ)が並設された構成を有する定電圧電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、定電圧電源装置の一般的なものとして、
図6に示すように、電流設定値Isetaと電流計測器IMaによる電流出力計測値Iaとを入力に受けて両入力を比較算出する電流比較出力信号回路Icaと、電圧設定値Vsetaと電圧計測器VMaによる電圧出力計測値Vaとを入力に受けて両入力を比較算出する電圧比較出力信号回路Vcaと、電流比較出力信号回路Icaから出力される電流出力信号Ia1と電圧比較出力信号回路Vcaから出力される電圧出力信号Va1とを入力に受けて、電圧出力信号Va1および電流出力信号Ia1のうちのいずれかを選択して出力する出力信号比較選択回路Ca1と、この出力信号比較選択回路Ca1から出力される選択出力信号Pa1を受けてパワー出力するパワー出力回路PWMaとからなる第1の回路、ならびに、第1の回路と同様の構成を有する第2の回路から構成され、第1の回路および第2の回路の各出力が共通接続された定電圧電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の定電圧電源装置のように、第1の回路(コンバータA)と第2の回路(コンバータB)とを並列に接続した場合には、
1)電圧の低い状態では、コンバータAおよびコンバータBはそれぞれ定電流(CC)制御を行う。
2)電圧が上昇し、コンバータAおよびコンバータBがそれぞれ定電圧(CV)制御を行うようになると、コンバータA、Bの個体差があるために定電圧制御が正常に実施されない。
3)電圧設定値をVseta=Vsetbとして稼動させた場合において、電圧出力計測値がVa>Vbである場合を考えると、
(i)コンバータAはコンバータBより早く定電圧制御になる。
(ii)コンバータAは、この時点で定電圧制御であるため負荷に電流を多く流し、電圧を上昇させる。
(iii)電圧が上昇し、コンバータBも定電圧制御に移行する。
(iv)この状態で、コンバータAは定電圧制御を行っているが、コンバータAのパワー出力回路PWMaは電圧の差分、すなわち〔Va―Vb〕の分だけ常に出力が減少し、次第に出力は0になる。
といった、問題点がある。
【0005】
この発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、従来のような出力低下が起こらず、正常に稼動する定電圧電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記目的を達成するために定電圧電源装置を以下のように構成した。理解し易くするために、後述する
図1で使用する符号を構成要素に付して説明すると、この発明に係る定電圧電源装置は、第1の回路および第2の回路を備え、第1の回路および第2の回路がそれぞれ、電流設定値Iseta、Isetbと電流出力計測値Ia、Ibとを入力に受けて両入力を比較算出する電流比較出力信号回路Ica、Icbと、電圧設定値Vseta、Vsetbと電圧出力計測値Va、Vbとを入力に受けて両入力を比較算出する電圧比較出力信号回路Vca、Vcbと、前記電流比較出力信号回路Ica、Icbから出力される電流出力信号Ia1、Ib1と前記電圧比較出力信号回路Vca、Vcbから出力される電圧出力信号Va1、Vb1とを入力に受けて、電圧出力信号Va1、Vb1が0より大きいときは電圧出力信号Va1、Vb1を、そうでないときは電流出力信号Ia1、Ib1を選択して選択出力信号Pa1、Pb1を出力する出力信号比較選択回路Ca1、Cb1と、この出力信号比較選択回路Ca1、Cb1から出力される選択出力信号Pa1、Pb1により出力増減を制御してパワー出力するパワー出力回路PWMa、PWMbとを有して構成された定電圧電源装置において、前記第1の回路および前記第2の回路の各出力信号比較選択回路Ca1、Cb1と各パワー出力回路PWMa、PWMbとの間にそれぞれ第2の出力信号比較選択回路Ca2、Cb2を介設し、前記第1の回路の出力信号比較選択回路Ca1から出力される選択出力信号Pa1、および、前記第2の回路の出力信号選択回路Cb1から出力される選択出力信号Pb1を、第1の回路の第2の出力信号比較選択回路Ca2および第2の回路の第2の出力信号比較選択回路Cb2にそれぞれ入力して、前記第1の回路の第2の出力信号比較選択回路Ca2からパワー出力回路PWMaへ、第1の回路の出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1および前記第2の回路の出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1のうちのいずれか小さい方の選択出力信号を選択して第2の選択出力信号Pa2を出力するとともに、前記第2の回路の第2の出力信号比較選択回路Cb2からパワー出力回路PWMbへ、前記第1の回路の出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1および第2の回路の出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1のうちのいずれか小さい方の選択出力信号を選択して第2の選択出力信号Pb2を出力し得るようにしたことを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記構成を有する本発明に係る定電圧電源装置においては、第1の回路の出力信号比較選択回路Ca1とパワー出力回路PWMaとの間に第2の出力信号比較選択回路Ca2が介挿して設けられ、また、第2の回路の出力信号比較選択回路Cb1とパワー出力回路PWMbとの間に第2の出力信号比較選択回路Cb2が介挿して設けられており、第1の回路および第2の回路の各第2の出力信号比較選択回路Ca2、Cb2ではそれぞれ、第1の回路の出力信号比較選択回路Ca1から出力された選択出力信号Pa1と第2の回路の出力信号比較選択回路Cb1から出力された選択出力信号Pb1とが比較され、両選択出力信号Pa1、Pb1のうちの小さい方の信号が選択されて、第2の選択出力信号Pa2、Pb2が第2の出力信号比較選択回路Ca2、Cb2からパワー出力回路PWMa、PWMbへ出力される。したがって、例えば第1の回路の電圧出力計測値Va>第2の回路の電圧出力計測値Vbである場合、第1の回路の選択出力信号値Pa1>第2の回路の選択出力信号値Pb1となり、第2の回路にあっては、第2の出力信号比較選択回路Cb2からパワー出力回路PWMbへ選択出力信号Pb1が第2の選択出力信号Pb2として出力されることになるので、従来の制御と同等の制御が行われる。一方、第1の回路にあっては、第1の回路の第2の選択出力信号値Pa2=第2の回路の選択出力信号値Pb1となり、第2の出力信号比較選択回路Ca2からパワー出力回路PWMaへ第2の回路の選択出力信号Pb1が第2の選択出力信号Pa2として出力されることになって、定電圧制御が行われることとなる。このように、第1の回路および第2の回路のいずれにおいても、常に、第2の出力信号比較選択回路Ca2、Cb2からパワー出力回路PWMa、PWMbへ出力される第2の選択出力信号Pa2、Pb2として、第1の回路の選択出力信号Pa1および第2の回路の選択出力信号Pb1のうちのいずれか小さい方の信号が選択され、その第2の選択出力信号Pa2、Pb2により出力増減が制御されて、出力Ia・Va、Ib・Vbが調整される。
したがって、この発明に係る定電圧電源装置は、従来のような出力低下が起こらず、正常に稼動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の1実施形態を示す定電圧電源装置のブロック構成図である。
【
図2】
図1に示した定電圧電源装置の第1の回路における動作の一部を説明するためのフロー図である。
【
図3】同じく定電圧電源装置の第2の回路における動作の一部を説明するためのフロー図である。
【
図4】同じく定電圧電源装置の第1の回路における動作の一部を説明するためのフロー図である。
【
図5】同じく定電圧電源装置の第2の回路における動作の一部を説明するためのフロー図である。
【
図6】従来の定電圧電源装置の1例を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態により、この発明をさらに詳細に説明する。
図1は、この発明の1実施形態に係る定電圧電源装置の概略構成を示す回路ブロック図である。
【0010】
図1に示すように、この定電圧電源装置は、第1の回路(コンバータA)と第2の回路(コンバータB)とにより並列給電するような構成となっている。コンバータAは、電流計測器IMaによる電流出力計測値Iaと電流設定値Isetaとを比較する電流比較出力信号回路Ica、電圧計測器VMaによる電圧出力計測値Vaと電圧設定値Vsetaとを比較する電圧比較出力信号回路Vca、電流出力信号Ia1および電圧出力信号Va1を入力に受けて選択出力信号Pa1を出力する出力信号比較選択回路Ca1、選択出力信号Pa1および下記のコンバータBの出力信号比較選択回路Cb1から出力される選択出力信号Pb1を受けて、第2の選択出力信号Pa2を出力する第2の出力信号比較選択回路Ca2、ならびに、第2の出力信号比較選択回路Ca2から出力される第2の選択出力信号Pa2を受けてパワー出力するPWM(パルス幅変調)タイプパワー出力回路PWMaから構成されている。出力信号比較選択回路Ca1は、電圧出力信号Va1が0より大きいか否かにより電圧出力信号Va1および電流出力信号Ia1のうちのいずれかを選択して、すなわち後記するように、電圧出力信号Va1が0より大きい(Va1>0)ときは電圧出力信号Va1を選択し、そうでない(Va1≦0)ときは電流出力信号Ia1を選択して、その選択出力信号Pa1(=Va1またはIa1)を出力する。また、第2の出力信号比較選択回路Ca2は、コンバータAの出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1がコンバータBの出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1より小さいか否かにより選択出力信号Pa1および選択出力信号Pb1のうちのいずれかを選択して、すなわち後記するように、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1より小さい(Pa1<Pb1)ときは選択出力信号Pa1を選択し、そうでない(Pa1≧Pb1)ときは選択出力信号Pb1を選択して(換言すれば選択出力信号Pa1、Pb1のうちの小さい値の方を選択して)、第2の選択出力信号Pa2(=Pa1またはPb1)を出力する。
【0011】
また、コンバータBは、上記コンバータAと同様に、電流計測器IMbによる電流出力計測値Ibと電流設定値Isetbとを比較する電流比較出力信号回路Icb、電圧計測器VMbによる電圧出力計測値Vbと電圧設定値Vsetbとを比較する電圧比較出力信号回路Vcb、電流出力信号Ib1および電圧出力信号Vb1を入力に受けて選択出力信号Pb1を出力する出力信号比較選択回路Cb1、選択出力信号Pb1および上記のコンバータAの出力信号比較選択回路Ca1から出力される選択出力信号Pa1を受けて、第2の選択出力信号Pb2を出力する第2の出力信号比較選択回路Cb2、ならびに、第2の出力信号比較選択回路Cb2から出力される第2の選択出力信号Pb2を受けてパワー出力するPWMタイプパワー出力回路PWMbから構成されている。出力信号比較選択回路Cb1は、電圧出力信号Vb1が0より大きいか否かにより電圧出力信号Vb1および電流出力信号Ib1のうちのいずれかを選択して、すなわち後記するように、電圧出力信号Vb1が0より大きい(Vb1>0)ときは電圧出力信号Vb1を選択し、そうでない(Vb1≦0)ときは電流出力信号Ib1を選択して、その選択出力信号Pb1(=Vb1またはIb1)を出力する。また、第2の出力信号比較選択回路Cb2は、コンバータAの出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1がコンバータBの出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1より小さいか否かにより選択出力信号Pa1および選択出力信号Pb1のうちのいずれかを選択して、すなわち後記するように、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1より小さい(Pa1<Pb1)ときは選択出力信号Pa1を選択し、そうでない(Pa1≧Pb1)ときは選択出力信号Pb1を選択して(換言すれば選択出力信号Pa1、Pb1のうちの小さい値の方を選択して)、第2の選択出力信号Pb2(=Pa1またはPb1)を出力する。
【0012】
次に、上記したように回路構成された定電圧電源装置における処理動作について、
図2および
図4に示すコンバータAのフロー図、ならびに、
図3および
図5に示すコンバータBのフロー図を参照して説明する。
【0013】
処理が開始されると、まずステップST1aにおいて、コンバータAの電流値(電流設定値)Isetaが設定され、同様に、ステップST1bにおいて、コンバータBの電流値(電流設定値)Isetbが設定される。また、ステップST2aにおいて、コンバータAの電圧値(電圧設定値)Vsetaが設定され、同様に、ステップST2bにおいて、コンバータBの電圧値(電圧設定値)Vsetbが設定される。
【0014】
次に、ステップST3aにおいて、コンバータAの電流計測器IMaにより出力電流値(電流出力計測値)Iaが計測され、同様に、スッテップST3bにおいて、コンバータBの電流計測器IMbにより出力電流値(電流出力計測値)Ibが計測される。また、ステップST4aにおいて、コンバータAの電圧計測器VMaにより出力電圧値(電圧出力計測値)Vaが計測され、同様に、ステップST4bにおいて、コンバータBの電圧計測器VMbにより出力電圧値(電圧出力計測値)Vbが計測される。
【0015】
次に、ステップST5a、ST5bへ移行し、コンバータAの電流比較出力信号回路Icaにおいて出力電流値Iaと電流設定値Isetaとが比較され、電流出力信号Ia1=Iseta―Iaが計算され、同様に、コンバータBの電流比較出力信号回路Icbにおいて出力電流値Ibと電流設定値Isetbとが比較され、電流出力信号Ib1=Isetb-Ibが計算される。また、ステップST6a、ST6bへ移行し、コンバータAの電圧比較出力信号回路Vcaにおいて出力電圧値Vaと電圧設定値Vsetaとが比較され、電圧出力信号Va1=Vseta―Vaが計算され、同様に、コンバータBの電圧比較出力信号回路Vcbにおいて出力電圧値Vbと電圧設定値Isetbとが比較され、電圧出力信号Vb1=Vsetb-Vbが計算される。
【0016】
続いて、ステップST7a、ST7bへ移行し、コンバータAの出力信号比較選択回路Ca1において、電圧出力信号Va1が0より大きいか否かが判定される。そして、電圧出力信号Va1が0か0より小さい(Va1≦0)ときはステップST8aへ移行し、出力信号比較選択回路Ca1の出力Pa1として電流出力信号Ia1を選択し、電流出力信号Ia1を選択出力信号Pa1とする(Pa1=Ia1)。一方、電圧出力信号Va1が0より大きい(Va1>0)ときはステップST9aへ移行し、出力信号比較選択回路Ca1の出力Pa1として電圧出力信号Va1を選択し、電圧出力信号Va1を選択出力信号Pa1とする(Pa1=Va1)。
【0017】
上記と同様に、コンバータBの出力信号比較選択回路Cb1において、電圧出力信号Vb1が0より大きいか否かが判定される(ステップST7b)。そして、電圧出力信号Vb1が0か0より小さい(Vb1≦0)ときはステップST8bへ移行し、出力信号比較選択回路Cb1の出力Pb1として電流出力信号Ib1を選択し、電流出力信号Ib1を選択出力信号Pb1とする(Pb1=Ib1)。一方、電圧出力信号Vb1が0より大きい(Vb1>0)ときはステップST9bへ移行し、出力信号比較選択回路Cb1の出力Pb1として電圧出力信号Vb1を選択し、電圧出力信号Vb1を選択出力信号Pb1とする(Pb1=Vb1)。
【0018】
次に、ステップST10a、ST10bへ移行し、コンバータAの第2の出力信号比較選択回路Ca2において、出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1がコンバータBの出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1より小さいか否かが判定される。そして、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1と等しいかPb1より大きい(選択出力信号Pb1が選択出力信号Pa1と等しいかPa1より小さい)(Pa1≧Pb1)ときはステップST11aへ移行し、第2の出力信号比較選択回路Ca2の出力Pa2として選択出力信号Pb1を選択し、選択出力信号Pb1を第2の選択出力信号Pa2とする(Pa2=Pb1)。一方、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1より小さい(Pa1<Pb1)ときはステップST12aへ移行し、第2の出力信号比較選択回路Ca2の出力Pa2として選択出力信号Pa1を選択し、選択出力信号Pa1を第2の選択出力信号Pa2とする(Pa2=Pa1)。
【0019】
上記と同様に、コンバータBの第2の出力信号比較選択回路Cb2において、コンバータAの出力信号比較選択回路Ca1からの選択出力信号Pa1が出力信号比較選択回路Cb1からの選択出力信号Pb1より小さいか否かが判定される(ステップST10b)。そして、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1と等しいかPb1より大きい(選択出力信号Pb1が選択出力信号Pa1と等しいかPa1より小さい)(Pa1≧Pb1)ときはステップST11bへ移行し、第2の出力信号比較選択回路Cb2の出力Pb2として選択出力信号Pb1を選択し、選択出力信号Pb1を第2の選択出力信号Pb2とする(Pb2=Pb1)。一方、選択出力信号Pa1が選択出力信号Pb1より小さい(Pa1<Pb1)ときはステップST12bへ移行し、第2の出力信号比較選択回路Cb2の出力Pb2として選択出力信号Pa1を選択し、選択出力信号Pa1を第2の選択出力信号Pb2とする(Pb2=Pa1)。
【0020】
ステップST11aおよびステップST12aの処理に続いてステップST13aへ移行する。そして、PWMタイプパワー出力回路PWMaにおいて、第2の出力信号比較選択回路Ca2から出力された第2の選択出力信号Pa2を、設定値との差分Pa2として出力Ia、Vaの増減が制御され、コンバータAから出力する。この場合において、差分Pa2の値が正であるときは出力を増大し、差分Pa2の値が負であるときは出力を減少する。また、ステップST11bおよびステップST12bの処理に続いてステップST13bへ移行する。そして、PWMタイプパワー出力回路PWMbにおいて、第2の出力信号比較選択回路Cb2から出力された第2の選択出力信号Pb2を、設定値との差分Pb2として出力Ib、Vbの増減が制御され、コンバータBから出力する。この場合において、差分Pb2の値が正であるときは出力を増大し、差分Pb2の値が負であるときは出力を減少する。そして、以上のステップST3a~ST13a、ステップST3b~ST13bの動作を繰り返し行う。
【符号の説明】
【0021】
IMa、IMb 電流計測器
VMa、VMb 電圧計測器
Ica、Icb 電流比較出力信号回路
Vca、Vcb 電圧比較出力信号回路
Ca1、Cb1 出力信号比較選択回路
Ca2、Cb2 第2の出力信号比較選択回路
PWMa、PWMb PWMタイプパワー出力回路