IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 宏裕汽車股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-分離式電池サイドシルプレート 図1
  • 特許-分離式電池サイドシルプレート 図2
  • 特許-分離式電池サイドシルプレート 図3
  • 特許-分離式電池サイドシルプレート 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】分離式電池サイドシルプレート
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20220202BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220202BHJP
【FI】
B60R13/02 Z
H01M50/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021015300
(22)【出願日】2021-02-02
【出願変更の表示】U 2021000117の変更
【原出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2021138358
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】109107454
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511314784
【氏名又は名称】宏裕汽車股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】蕭瑩燈
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3223482(JP,U)
【文献】特開2020-066420(JP,A)
【文献】特開2006-062580(JP,A)
【文献】特開2014-067840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナーベース及び着脱可能カバーを備えた、分離式電池サイドシルプレートであって、
前記インナーベースは、長尺状の内面ケースと、底部に結合された防水シールプレートと、を有し、
前記内面ケースと前記防水シールプレートとの間には、密閉空間が形成され、前記密閉空間内には、少なくとも1組のLEDを含む基板と、導光板と、少なくとも1つの電池と、が配設され、
前記内面ケースは、前記導光板に光を透過させる発光部が上面に設けられ、複数のフックが両側縁部に設けられ、
前記内面ケース上には、少なくとも1つの電池孔が形成され、前記電池孔には、電池カバーが組み合わされ、
前記着脱可能カバーは、外枠に結合される銘板を含み、前記銘板の中央部には、光を透過させる文字透光部が設けられ、前記外枠内には、中空部が形成され、前記中空部の周辺には、前記インナーベースの周辺に設けられた複数の係合部に対応した複数のフックが設けられ、前記フックは、前記係合部に係合され、強制的に取り外し得て、
前記着脱可能カバーの両端にそれぞれ設けられた磁石により、前記着脱可能カバーの両端がサイドシルに直接吸着されることを特徴とする、分離式電池サイドシルプレート。
【請求項2】
前記着脱可能カバーの前記外枠の枠内には、沈降ステップが形成され、
前記沈降ステップの両端には、凹部がそれぞれ設けられ、
前記凹部内には、磁石が配設され、前記銘板が前記沈降ステップ上に粘着されて前記凹部が密閉されることを特徴とする請求項1に記載の分離式電池サイドシルプレート。
【請求項3】
前記銘板は、シート状金属板からなり、
前記銘板の文字透光部には、貫通した穿孔が形成され、対応した前記内面ケースの前記発光部は、対応した立体の文字形状であり、穿孔と組み合わされることを特徴とする請求項1に記載の分離式電池サイドシルプレート。
【請求項4】
前記銘板は、シート状透光プラスチック板からなり、
前記銘板の中央部は、遮光印刷により文字透光部が抜かれ、対応した前記内面ケースの前記発光部は平坦状であることを特徴とする請求項1に記載の分離式電池サイドシルプレート。
【請求項5】
前記着脱可能カバーの前記外枠の底部両端には、ガイドピンがそれぞれ設けられ、
前記インナーベースの前記内面ケースの両端には、前記ガイドピンに対応したガイド孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の分離式電池サイドシルプレート。
【請求項6】
前記インナーベースの底部は、前記サイドシルに固定されることを特徴とする請求項1に記載の分離式電池サイドシルプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離式電池サイドシルプレートに関し、特に、電池により給電し、電源を外付けする必要が無い上、電池を交換する際、容易に着脱することができる、分離式電池サイドシルプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のサイドシル上には、トレードマーク、車種などを表す発光ステッププレートが取り付けられているが、これは既に必要不可欠な標準装備となっている。
【0003】
電源ケーブルにより車両の給電システムに接続しなければならなかった従来又は初期の発光ステッププレートと比べ、電池が内蔵されて電源に外付けする必要の無い発光ステッププレートは、取付け及びメンテナンスが容易である長所を有する上、車両用回路に接続して干渉する虞もないため、現在の主流な製品となっている。
【0004】
しかし、従来このような電池発光ステッププレートは、ステッププレート全体が一体成形されていたため、電池を交換する場合、電池発光ステッププレート全体をサイドシルから取り外してから、電池発光ステッププレートの底部から電池カバーを開くことができるため、電池交換が容易である。
【0005】
しかし、このような従来の電池ステッププレート及びその電池交換方式には、以下(1)及び(2)の欠点があった。
(1)サイドシルからステッププレート全体を着脱する際、一般にユーザが加える力・角度が不適切である場合、引張力、捻じれ力によりステッププレート内の弱い基板、導光板などの弱い素子及び積層組立構造が破壊されてしまう虞があった。
(2)電池カバーがステッププレートの底部に設けられていたため、水分が長時間溜まり、水分により電池カバーの外側が汚染され、サイフォン効果により水分が浸透して発光ユニットが損壊してしまう虞があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、迅速かつ安全に着脱可能カバーを取り外して電池を交換することができ、発光モジュール本体を取り外さなく、サイドシルプレート全体の構造の安全性を高める分離式電池サイドシルプレートを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上部に設けられた電池孔及び電池カバーにより、プレートの底部に溜まった水分が発光モジュールに浸入することを防ぐ分離式電池サイドシルプレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、インナーベース及び着脱可能カバーを備えた、分離式電池サイドシルプレートであって、前記インナーベースは、長尺状の内面ケースと、底部に結合された防水シールプレートと、を有し、前記内面ケースと前記防水シールプレートとの間には、密閉空間が形成され、前記密閉空間内には、少なくとも1組のLEDを含む基板と、導光板と、少なくとも1つの電池と、が配設され、前記内面ケースは、前記導光板に光を透過させる発光部が上面に設けられ、複数のフックが両側縁部に設けられ、前記内面ケース上には、少なくとも1つの電池孔が形成され、前記電池孔には、電池カバーが組み合わされ、前記着脱可能カバーは、外枠に結合される銘板を含み、前記銘板の中央部には、光を透過させる文字透光部が設けられ、前記外枠内には、中空部が形成され、前記中空部の周辺には、前記インナーベースの周辺に設けられた複数の係合部に対応した複数のフックが設けられ、前記フックは、前記係合部に係合され、強制的に取り外し得て、前記着脱可能カバーの両端にそれぞれ設けられた磁石により、前記着脱可能カバーの両端がサイドシルに直接吸着されることを特徴とする、分離式電池サイドシルプレートが提供される。
【0008】
前記着脱可能カバーの前記外枠の枠内には、沈降ステップが形成され、前記沈降ステップの両端には、凹部がそれぞれ設けられ、前記凹部内には、磁石が配設され、前記銘板が前記沈降ステップ上に粘着されて前記凹部が密閉されることが好ましい。
【0009】
前記銘板は、シート状金属板からなり、前記銘板の文字透光部には、貫通した穿孔が形成され、対応した前記内面ケースの前記発光部は、対応した立体の文字形状であり、穿孔と組み合わされることが好ましい。
【0010】
前記銘板は、シート状透光プラスチック板からなり、前記銘板の中央部は、遮光印刷により文字透光部が抜かれ、対応した前記内面ケースの前記発光部は平坦状であることが好ましい。
【0011】
前記着脱可能カバーの前記外枠の底部両端には、ガイドピンがそれぞれ設けられ、前記インナーベースの前記内面ケースの両端には、前記ガイドピンに対応したガイド孔が形成されていることが好ましい。
【0012】
前記インナーベースの底部は、前記サイドシルに固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の分離式電池サイドシルプレートは、以下(1)及び(2)の効果を有する。
(1)迅速かつ安全に着脱可能カバーを取り外して電池を交換することができ、発光モジュール本体を取り外さなく、サイドシルプレート全体の構造の安全性を高めることができる。
(2)上部に設けられた電池孔及び電池カバーにより、プレートの底部に溜まった水分が発光モジュールに浸入することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る分離式電池サイドシルプレートを示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る分離式電池サイドシルプレートの発光ステッププレートを示す分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る分離式電池サイドシルプレートがサイドシルに取付けられた状態を示す説明図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る分離式電池サイドシルプレートが自動車のサイドシルに取付けられ、電池交換の状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の目的、特徴及び効果をより分かりやすくするために、具体的な実施形態について図に基づいて詳しく説明する。
【0016】
図1図3を参照する。図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る分離式電池サイドシルプレートは、電源を外付けする必要の無い分離式電池サイドシルプレートAである。サイドシルプレートAは、着脱可能なインナーベース1及び着脱可能カバー2により構成され、サイドシルBに取付けられ、自動車のドアを開くと文字透光部221が発光し、ドアを閉じると文字透光部221が消灯する電池式サイドシルプレート機能を有する。
【0017】
図2を参照する。図2に示すように、上述した着脱可能カバー2は、長尺状の外枠21を含む。外枠21の内輪には、沈降ステップ211が設けられ、中央部に1つの中空部212を有する。中空部212の長辺両側には、複数のフック213がそれぞれ設けられる。沈降ステップ211は、両端にそれぞれ設けられた凹部214と、底部両端に下向きに突設したガイドピン215と、を有する。
【0018】
銘板22は、シート状金属板又は透光プラスチック板からなり、底部にリング状に塗布された粘着剤を有し、外枠21の沈降ステップ211上に粘着されて組み込まれる。銘板22の中央部には、光透過の文字透光部221が設けられる。
【0019】
上述した銘板22の文字透光部221は、シート状金属板を使用する状況下では、穿孔が形成された文字透光部221が設けられ、透光プラスチック板を使用する場合、遮光印刷により透光可能な文字透光部221が残留する。
【0020】
上述した沈降ステップ211の両端には、凹部214がそれぞれ設けられる。凹部214内には、磁石23が設置され、銘板22を粘着して密閉し、サイドシルプレートA全体がサイドシルBに取付けられると、サイドシルBの磁性吸引力が両端に発生する。
【0021】
上述した中空部212は、インナーベース1と結合したときに対応した係合状態となる複数のフック213を両側に有する。
【0022】
上述した外枠21は、着脱可能カバー2とインナーベース1とを係合するときに、ガイドして位置決めするために、ガイドピン215を底部両端に有する。
【0023】
図2を参照する。図2に示すように、上述したインナーベース1は、長尺状の内面ケース11と、底部に結合された防水シールプレート12と、を含む。内面ケース11と防水シールプレート12との間には、密閉空間が形成される。密閉空間内には、LEDを含む基板13と、導光板14と、複数の電池15と、が配設される。
【0024】
上述したLEDを含む基板13の両端には、電池導電片131がそれぞれ設けられる。
【0025】
上述した内面ケース11は、プラスチック材料により一体形成され、光を透過させる発光部111を中央部に有する。内面ケース11の両側縁部には、前述したフック213に対応した複数の係合部112が設けられ、押し入れて係合させるか、引っ張って外すことができる。
【0026】
銘板22は、シート状金属板からなり、銘板22の文字透光部221には、貫通した穿孔が形成され、対応した内面ケース11の発光部111は、対応した立体の文字形状であり、穿孔と組み合わされる。銘板22は、シート状透光プラスチック板で構成される。銘板22の中央部は、遮光印刷により文字透光部221が抜かれる。対応した内面ケース11の発光部111は平坦状である。
【0027】
上述した内面ケース11の両端部上には、少なくとも1つの電池孔114が形成される。電池孔114には、電池カバー16が組み合わされ、電池15を着脱させることができる上、密閉防水機能を有する。
【0028】
上述した内面ケース11の両端部には、前述したガイドピン215に対応したガイド孔113が形成される。ガイド孔113は、上が大きくて下が小さい貫通孔でもよい。
【0029】
図3を参照する。図3に示すように、インナーベース1と着脱可能カバー2とを結合すると、サイドシルBに取付けるサイドシルプレートAが成形される。文字透光部221は、ドアを開くと感応スイッチ132により発光され、ドアを閉めると消灯する。
【0030】
前述した中空部212両側に設けられた複数のフック213は、インナーベース1に係合され、両端の磁石23に設置され、端部が磁気吸引力を有するため、サイドシルプレートAの両端部がサイドシルB上に吸着される。
【0031】
サイドシルプレートAは、一定期間使用して電池15の電力を使い果たすと、電池を交換しなければならないが、本発明は電池交換が容易となるように、図4に示すように、着脱可能カバー2の一端又は両端を引っ張り上げ、その引っ張り上げる力が、サイドシルBに吸着される磁石23の磁気吸引力、フック213と係合部112との係合力より大きくなると、着脱可能カバー2全体を引き起こすことができる。
【0032】
インナーベース1は、底部が両面粘着又は係合方式によりサイドシルBに固定されているため、着脱可能カバー2を取り除いた後でもインナーベース1が依然としてサイドシルB上に固定され、電池カバー16が表面に露出され、電池カバー16を引き起こすだけで、電池15を交換することができる。電池カバー16及び着脱可能カバー2を順次蓋すると、使用可能な状態に戻る。
【0033】
図2を参照する。図2に示すように、ガイドピン215及びガイド孔113は、着脱可能カバー2とインナーベース1とを組み合わせる際、案内して位置決めさせることができる。
【0034】
上述したことから分かるように、本発明に係る分離式電池サイドシルプレートAは、インナーベース1及び着脱可能カバー2を備え、サイドシルBに取付けられた後に電池15を交換する場合、着脱可能カバー2及び電池カバー16を取り外すだけで、電池15を容易に交換することができるため、電池15を取り外す際に電子発光ユニットのインナーベース1が損壊することを防ぐことができる。また、電池カバー16がインナーベース1の上表面に位置し、着脱可能カバー2により覆われるため、ステッププレートの底部に水分が溜まっても、インナーベース1内の発光モジュールに水分が浸入することを防ぐことができる。
【0035】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
1 インナーベース
2 着脱可能カバー
11 内面ケース
12 防水シールプレート
13 LEDを含む基板
14 導光板
15 電池
16 電池カバー
21 外枠
22 銘板
23 磁石
111 発光部
112 係合部
113 ガイド孔
114 電池孔
131 電池導電片
132 感応スイッチ
211 沈降ステップ
212 中空部
213 フック
214 凹部
215 ガイドピン
221 文字透光部
A サイドシルプレート
B サイドシル
図1
図2
図3
図4