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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】尿受け具
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20220202BHJP
   E03D 13/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
E03D9/00 F
E03D13/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021104222
(22)【出願日】2021-06-23
(62)【分割の表示】P 2019071474の分割
【原出願日】2019-04-03
(65)【公開番号】P2021152332
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2021-08-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506423350
【氏名又は名称】岩淵 貞義
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩淵 貞義
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-279667(JP,A)
【文献】特開2016-209083(JP,A)
【文献】特開2006-068438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0225937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00
E03D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記尿受け部は、前記駆動部の駆動によって手前側の一端が下がることにより、位置が前記使用状態に変化する、尿受け具。
【請求項2】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記尿受け部の内部の尿が流れ込む尿ポットを有する、尿受け具。
【請求項3】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記尿受け部は、内部に消臭剤、凝固剤、又は芳香剤の少なくとも一つを有する、尿受け具。
【請求項4】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記基部は、洋式便器の便鉢縁に係止して設置されるか、又は便器近傍の床面に設置さ
れる、尿受け具。
【請求項5】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記駆動部は、伸縮するシリンダを用いて前記尿受け部を駆動する、尿受け具。
【請求項6】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記尿受け部は、前記使用状態において小便器のリップ部又は洋式便器の便鉢縁に隣り合う位置に配置され
記駆動部は、伸縮するシリンダを用いて前記尿受け部を駆動する、尿受け具。
【請求項7】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記尿受け部は、前記使用状態において小便器のリップ部又は洋式便器の便鉢縁に隣り合う位置に配置され
記駆動部は、対象者の荷重を受ける踏み板と、前記踏み板の受ける前記荷重を前記尿受け部に伝達する伝達部材とを有し、
前記尿受け部は、前記踏み板から荷重の伝達を受けると位置が前記使用状態に変化する、尿受け具。
【請求項8】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
記駆動部は、洋式便器の蓋の開閉による駆動力を前記尿受け部に伝達し、
前記尿受け部は、前記駆動力により前記待機状態から前記使用状態へと変化する、尿受け具。
【請求項9】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記尿受け部は、前記使用状態において小便器のリップ部又は洋式便器の便鉢縁に隣り合う位置に配置され
記駆動部は、洋式便器の蓋の開閉による駆動力を前記尿受け部に伝達し、
前記尿受け部は、前記駆動力により前記待機状態から前記使用状態へと変化する、尿受け具。
【請求項10】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記基部は、前記尿受け部が回動して前記位置が変化するよう、前記尿受け部を軸支し、
ンドルを有し、
前記駆動部は、前記ハンドルの操作による駆動力を前記尿受け部に伝達し、
前記尿受け部は、前記駆動力により前記待機状態から前記使用状態へと変化する、尿受け具。
【請求項11】
尿を受ける尿受け部と、
上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、
前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有し、
前記尿受け部は、前記使用状態において小便器のリップ部又は洋式便器の便鉢縁に隣り合う位置に配置され
ンドルを有し、
前記駆動部は、前記ハンドルの操作による駆動力を前記尿受け部に伝達し、
前記尿受け部は、前記駆動力により前記待機状態から前記使用状態へと変化する、尿受け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿受け具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洋式便器に関する技術が開示されている。同文献の実施例中、段落[0010]において、「洋風便器1は、さらに、尿受10と、駆動手段と、検知手段22と、制御手段23と、を備えている。」と記載され、段落[0015]において、「尿受10は、尿受面14を上方に向け、かつその後側を下方に傾けた姿勢で、後述する駆動手段に取り付けられている。そして、駆動手段により、便器本体2に対して収納された状態、又は出っ張った状態に設けられる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-209083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に男性が立って用を足す場合に、尿が飛散したり、勢いを失った尿が便器の外に垂れ落ちたりして、床部分を汚すことがある。
【0005】
特許文献1に記載された技術では、尿受けが洋式便器に内蔵されているため、尿受けを設置するために便器全体を交換する必要があり、経済的及び時間的コストが増大する。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、簡便に尿による床汚れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る尿受け具は、尿を受ける尿受け部と、上方が開口し便器正面に張り出した位置に配置される使用状態と、前記使用状態とは異なる位置に配置される待機状態とに変更可能に前記尿受け部を支持する基部と、前記尿受け部の位置を変更するよう駆動する駆動部と、を有する。
【0008】
前記駆動部は、対象者の荷重を受ける踏み板と、前記踏み板の受ける前記荷重を前記尿受け部に伝達する伝達部材とを有し、前記尿受け部は、前記踏み板から荷重の伝達を受けると位置が前記使用状態に変化してもよい。
【0009】
前記駆動部は、前記荷重を用いて伸縮するシリンダを前記伝達部材として前記尿受け部を駆動してもよい。
【0010】
前記尿受け部は、前後方向に延在する長穴が側面に形成され、前記シリンダの先端が、伸縮開始時に前記長穴を移動することにより、前記荷重を受けたタイミングから遅延して位置が変化してもよい。
【0011】
上記いずれかの尿受け具において、前記基部は、前記便器の左右方向の軸周りに回動して位置が変化するよう前記尿受け部を軸支するとともに、回動速度を制御する速度制御機構を有してもよい。
【0012】
上記いずれかの尿受け具において、前記尿受け部は、前記使用状態において小便器のリップ部又は洋式便器の便鉢縁に隣り合う位置に配置されてもよい。
【0013】
上記いずれかの尿受け具において、前記基部は、洋式便器の便鉢縁に係止して設置されるか、又は便器近傍の床面に設置されてもよい。
【0014】
前記駆動部は、洋式便器の蓋の開閉による駆動力を前記尿受け部に伝達し、前記尿受け部は、前記駆動力により前記待機状態から前記使用状態へと変化してもよい。
【0015】
前記尿受け具において、センサーを用いて対象者を検知する検知部を有し、前記駆動部は、前記検知部が前記対象者を検知すると、モーターを用いて前記尿受け部を回動させて位置を前記使用状態に変化させてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡便に尿による床汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態における尿受け具の外観の一例を示す図である。図1(A)は、第1の実施形態における尿受け具の右側面図の一例を示す。図1(B)は、第1の実施形態における尿受け具の正面図の一例を示す。
図2】第1の実施形態における尿受け具の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図2(A)は、待機状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図2(B)は、使用状態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図3】第1の実施形態の第1の変形例における尿受け具の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図3(A)は、待機状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図3(B)は、使用状態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図4】第1の実施形態の第2の変形例における尿受け具の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図4(A)は、待機状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図4(B)は、使用状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図4(C)は待機状態における尿受け部の右側面の拡大図である
図5】第2の実施形態における尿受け具の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図5(A)は、待機状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図5(B)は、使用状態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図6】第3の実施形態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図7】第4の実施形態における尿受け具の外観の一例を示す図である。
図8】第4の実施形態の変形例における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図9】第5の実施形態における尿受け具の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図9(A)は、待機状態における尿受け具の右側面図の一例を示し、図9(B)は、使用状態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
図10】第6の実施形態における尿受け具の右側面図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
【0020】
図1は、第1の実施形態における尿受け具1の外観の一例を示す図である。図1(A)は、第1の実施形態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図1(B)は、第1の実施形態における尿受け具1の正面図の一例を示す。
【0021】
本実施形態における尿受け具1は、対象者が便器を使用する際の使用状態と、使用状態以外の待機状態とで尿を受ける部分の位置が変化する。図1(A)及び図1(B)に示す尿受け具1は、いずれも使用状態における尿受け具1である。また、図1(A)及び図1(B)には、尿受け具1以外に便器tを図示しており、対象者の図示は省略している。
【0022】
尿受け具1は、尿受け部10と、基部20と、駆動部30とを有する。尿受け部10は、使用状態において上方が開口している有底形状の部材である。尿受け部10は、便器正面側(図1(A)におけるz方向)に張り出した位置に配置される。尿受け部10は、飛散した尿や、勢いを失って下方向に垂れる尿を、上方の開口部分から受ける。なお、図1(A)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。
【0023】
一例として、尿受け部10は、使用状態において、奥側(図1(A)における-z側)の側面の少なくとも一部が開口している。また例えば、尿受け部10は、図1(A)に示すように、使用状態において手前側(図1(A)におけるz方向)の一部が上側から下側に向かうにつれて傾斜し、受けた尿を尿受け部10の底方向に導いてもよい。
【0024】
なお、図1に記載する便器tは床置き型の男性用小便器であるが、便器の形状はこれに限られず、例えば壁掛け型の男性用小便器であってもよいし、洋式便器であってもよいし、便鉢縁が床面より高くなるよう設置される段差式の和式便器であってもよい。尿受け具1を男性用小便器に設置する際には、使用状態において尿受け部10が小便器のリップ部(タレ受け部ともいう)の正面方向(手前方向)に隣り合う位置に配置される。
【0025】
基部20は、使用状態と待機状態とに変更可能に尿受け部10を支持する。本実施形態において、基部20は、便器近傍の床面に設置され、回転軸21と、側板22とを有する。回転軸21は、便器tの左右方向(x-x方向)に延伸する軸である。本実施形態において、基部20は、回転軸21の軸周りに回動して位置が変化するよう尿受け部10を軸支する。
【0026】
なお、一例として、回転軸21は、後述する一対の側板22に各々独立して設けられる。また、回転軸21は、尿受け部10の回転角度を制限していてもよく、尿受け部10が使用状態を越えて回動すること、及び待機状態を超えて回動することを防いでもよい。
【0027】
回転軸21は、回動速度を制御する速度制御機構を有していてもよい。一例として、速度制御機構には、ロータリーダンパーが用いられる。
【0028】
側板22は、便器の左右方向に位置する一対の部材であって、各々に回転軸21が設けられる。側板22を構成する一対の部材は、床に置くことができる。図1(A)及び図1(B)における尿受け具1は、左右各々1枚ずつの板状の側板22を有しているが、側板22の形状はこれに限られず、例えば回転軸21を有する筋状の部材であってもよい。
【0029】
駆動部30は、尿受け部10の位置を変更するよう駆動する。駆動部30は、踏み板31と、弾性部材32と、伝達部材33とを有する。踏み板31は、対象者からの荷重を受ける部材である。尿受け部10は、踏み板31からの荷重の伝達を受けると位置が使用状態に変化する。弾性部材32は、踏み板31の下部に設けられ、尿受け部10が待機状態になるように踏み板31を付勢する。例えば、尿受け具1の弾性部材32は、踏み板31を上方向に付勢する。
【0030】
伝達部材33は、踏み板31の受ける荷重を尿受け部10に伝達する部材である。本実施形態において、伝達部材33は踏み板31と尿受け部10とを連結するロッドである。図1(B)において、尿受け具1は左右一対の伝達部材33を有し、伝達部材33は各々尿受け部10を狭持する位置に設けられる。同図に示す伝達部材33は、各々その一端が尿受け部10に連結し、他端が踏み板31の奥側の一端に連結している。しかしながら、伝達部材33の数及び設置位置はこれに限定されない。例えば、ロッドの端部は、尿受け部10、踏み板31、又は他のロッドに回動可能に連結されていてもよい。
【0031】
図2は、第1の実施形態における尿受け具1の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図2(A)は、待機状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図2(B)は、使用状態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図2(A)及び図2(B)では、説明のため側板22を点線で示している。また、図2(A)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。また、図2(B)において、対象者の図示を省略している。
【0032】
図2(A)に示す待機状態では、対象者がいないため踏み板31は未だ踏まれていない。待機状態において、尿受け部10は使用状態とは異なる位置に配置される。尿受け部10は奥側の側面の少なくとも一部が下方向に開口し、尿受け部10内部の尿が便鉢内部へと流れ込むよう構成される。
【0033】
図2(B)において、踏み板31が対象者の荷重を受けると(矢印a方向に荷重)、伝達部材33が荷重を尿受け部10に伝達する。より具体的には、踏み板31が対象者の荷重を受けることにより、尿受け部10の伝達部材33との連結部分が下方向に牽引される。これにより、尿受け部10が図2に示す反時計回り(矢印b方向)に回動する。その結果、尿受け部10の手前側の一端が下がり、尿受け部10が尿を受ける位置、即ち使用状態の位置に配置される。
【0034】
なお、回転軸21が速度制御機構を有する場合、尿受け部10の回動速度が制御される。これにより、例えば回転軸21の回転角度の限界に達する際、尿受け部10が減速して停止する。従って、尿受け部10が急に回動を停止することによる衝撃音の発生や、尿受け部10が跳ね返って待機状態方向へと回動することを防止することができる。
【0035】
対象者が排尿を終え、踏み板31から降りると、弾性部材32の付勢により踏み板31が上方向に移動する。踏み板31の移動に伴って尿受け部10の伝達部材33との連結部分が上方向に移動する。これにより、尿受け部10が図2に示す時計回りに回動し、尿受け部10の手前側の一端が上がる。即ち、尿受け部10の受けた尿が便鉢内部に流れ込む。
【0036】
なお、図2(B)に示すように、使用状態において、尿受け部10の底面は便鉢内部に向けて傾斜していてもよい。この場合、使用状態であっても尿受け部10の受けた尿は傾斜により便鉢へと導かれる。なお、本実施形態において、待機状態で尿受け部10の内部の尿が便鉢に流れ込むよう構成されているため、使用状態において尿受け部10の底面が便鉢内部に傾斜していなくてもよい。
【0037】
また、本実施形態において、尿受け部10の奥側の側面は開口していなくてもよい。その場合、管理者が尿受け部10を基部20から取り外し、内部の尿を廃棄してもよい。尿受け部10は、内部に消臭剤や凝固剤、又は芳香剤等を有していてもよい。これにより、尿受け部10の内部の尿の廃棄や掃除が容易になる。また、尿受け部10を基部から取り外し、他の尿受け部10と交換してもよい。
【0038】
付言すれば、尿受け部10の内側又は外側に、広告を掲載してもよい。尿受け部10を交換可能に構成すれば、契約期間が途過した広告が付された尿受け部10を回収し、新たに契約された広告を付した尿受け部10を設置することができる。
【0039】
本実施形態により、便器の設置位置よりも尿受け部10が正面方向に張り出して配置されるため、尿受け部10が飛散する尿や垂れる尿を受けることとなり、便器周辺の床を汚すことを防ぐことができる。また、対象者は排尿の際、日常的に便器から一定距離を保って立つが、尿受け部10は対象者が踏み板31を踏んでから移動するため、尿受け部10と対象者との距離はより短くなる。このため、より効率的に尿を受けることができる。
【0040】
また、尿受け部10の位置を変更させるために電気を必要としないため、環境負荷を抑制し、電池交換等の保守作業も省力化できる。
【0041】
なお、基部20による尿受け部10の支持方法、駆動部30による尿受け部10の駆動方法、及び尿受け部10の移動方向は、図1及び図2に示す例に限定されない。踏み板31が対象者の荷重を受けると、尿受け部10の位置が待機状態から使用状態に変更するものであればよい。なお、尿受け部10の位置が変更するということは、尿受け部10の所在場所が変更することのほか、尿受け部10が姿勢を変更することも含む。
【0042】
例えば、基部20又は尿受け部10のどちらか一方に、前後方向に延在する溝を設け、他方に溝と勘合する部材を設けることにより、基部20が尿受け部10を支持してもよい。その場合、待機状態において、尿受け部10は使用状態よりも前方又は後方に位置するよう構成する。踏み板31に荷重がかかると、尿受け部10が前方向又は後方向にスライドし、小便器のリップ部に隣り合う位置に移動する。即ち、スライド移動により、尿受け部10の位置が待機状態から使用状態へと変化する。
【0043】
付言すれば、尿受け部10が図示しないハンドルを有し、対象者がハンドルを操作して、排尿時に尿受け部10を待機状態から使用状態に移動させ、排尿後に使用状態から待機状態に移動させるものであってもよい。
【0044】
<第1の実施形態の第1の変形例>
【0045】
図3は、第1の実施形態の第1の変形例における尿受け具1の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図3(A)は、待機状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図3(B)は、使用状態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図3(A)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0046】
本変形例では、使用状態から待機状態へと位置が変更する際の尿受け具1の回転方向が、上述の実施形態と異なる。具体的には、図3(A)に示す待機状態の尿受け具1は、尿受け部10の手前側の一端が使用状態の場合よりも下方に位置する。
【0047】
図3(B)において、踏み板31が対象者の荷重を受けると(矢印a方向に荷重)、尿受け部10の伝達部材33との連結部分が下方に牽引されることにより、尿受け部10が図3に示す時計回り(矢印b方向)に回動する。その結果、尿受け部10の手前側の一端が上がり、使用状態の位置に配置される。
【0048】
対象者が排尿を終え、踏み板31から降りると、弾性部材32の付勢により踏み板31が上方向に移動する。踏み板31の移動に伴って尿受け部10の伝達部材33との連結部分が上方向に移動する。これにより、尿受け部10が図3に示す反時計回りに回動し、尿受け部10の手前側の一端が下がる。即ち、尿受け部10の位置が待機状態に戻る。
【0049】
なお、本変形例においても、図3(B)に示すように、使用状態において、尿受け部10の底面が便鉢内部に向けて傾斜していてもよい。これにより、使用状態において尿受け部10の受けた尿は傾斜により便鉢へと導かれる。付言すれば、本変形例における尿受け部10は奥側の側面が開口しておらず、管理者が尿受け部10を基部20から取り外し、内部の尿を廃棄してもよい。
【0050】
<第1の実施形態の第2の変形例>
【0051】
図4は、第1の実施形態の第2の変形例における尿受け具1の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図4(A)は、待機状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図4(B)は、使用状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図4(C)は待機状態における尿受け部10の右側面の拡大図である。図4(A)及び図4(C)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0052】
本変形例における尿受け部10は、孔11を有する。また、本変形例における尿受け具1は、尿ポット41を有する。尿ポット41は、例えば一部が側板22に連結している。なお、尿ポット41は側板22から独立し、床に載置されていてもよい。
【0053】
図4に示す踏み板31は、軸23を中心に揺動可能であって、待機状態において、弾性部材32は踏み板31の手前側の端部を上方向に付勢する。対象者が踏み板の手前側に体重をかけると、踏み板31は軸23を中心に回動し、踏み板31の奥側の端部が上方向に移動し、使用状態となる。
【0054】
尿受け部10は、図4(B)に示す使用状態において、上端が便器tの便鉢縁と略同じ高さに位置するよう構成される。尿受け部10は、手前側の一部が上側から下側に向かうにつれて傾斜し、受けた尿を尿受け部10の底方向に導く。底方向に導かれた尿は、尿受け部10の底に溜まる。
【0055】
対象者が踏み板31から降りると、伝達部材33が尿受け部10の一端を下方向に牽引することにより、尿受け部10が回動し、手前側の一端が下方向に移動する。即ち、尿受け具1は図4(A)に示す待機状態となる。
【0056】
図4(C)によると、尿受け部10は、待機状態において底となる部分の一部に孔11が位置するよう構成される。使用状態で尿受け部10の底に溜まった尿は、待機状態で孔11から排出され、尿ポット41内に落ちる。管理者が尿ポット41内の尿を廃棄することにより、簡便に尿受け具1の保守を行うことができる。なお、尿ポット41内部には、尿により固化する凝固剤や消臭剤、又は芳香剤を設置してもよい。
【0057】
本変形例において、孔11は尿受け部10の傾斜部分に設けられる。孔11は、使用状態において、尿受け部10の底から遠い位置であって、傾斜角度が急である位置、即ち傾斜角度が垂直に近い部分の位置に設けられることが望ましい。
【0058】
なお、本変形例において、尿受け部10は孔11を有さなくてもよい。その場合、使用状態において尿受け部10の底に溜まった尿が、待機状態に尿受け部10の縁から尿ポット41に落ちるよう構成する。また、本変形例においても、尿受け部10を基部20から取り外して交換してもよいし、尿受け部10に広告を掲載してもよい。
【0059】
<第2の実施形態>
【0060】
図5は、第2の実施形態における尿受け具1の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図5(A)は、待機状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図5(B)は、使用状態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図5(A)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0061】
本変形例における尿受け具1は、尿受け部10に前後方向に延在する長穴12が側面に少なくとも1つ形成される。また、本変形例では、伝達部材にシリンダ35が用いられ、シリンダ35はペダル34と接続している。ペダル34は図示しないポンプを内蔵しており、シリンダに対して加圧又は吸引する。
【0062】
シリンダ35は、ポンプからの加圧又は吸引によりピストン部分を伸縮させる。ピストン部分の先端は、尿受け部10の長穴12に嵌まり、長穴12に沿って移動が可能である。一例として、シリンダ35はポンプからの加圧又は吸引を受けてピストン部分を伸縮させるエアシリンダ、又はオイルシリンダである。
【0063】
例えば、シリンダ35は少なくとも一部が側板22に固定される。本実施形態におけるシリンダ35は、軸の先端に支点36を有し、支点36を中心に回動が可能である。
【0064】
図5(A)の待機状態において、尿受け部10の手前側の一端は上方向を向いている。本実施形態における待機状態のシリンダ35は、ピストンが縮んでおり、ピストンの先端は長穴12の奥側の一端付近に位置している。なお、図5(A)に示す尿受け部10は、奥側の少なくとも一部が開口し、待機状態において内部の尿が尿ポット41に流れ込む。
【0065】
対象者がペダル34を踏むと、ポンプがシリンダ35に対して加圧し、シリンダ35のピストンが伸び始める。ピストンの先端が長穴12の手前側の一端に到達するまで、尿受け部10は移動しないか、又は移動度合い(例えば移動角度や移動距離)が制限される。ピストンの先端が長穴12の手前側の一端に到達すると、尿受け部10は回転軸21を中心に回動し、図5(B)に示す使用状態の位置に到達する。
【0066】
排尿終了後、対象者がペダル34から足を放すと、ポンプが吸引を開始する。ポンプの吸引により、シリンダ35のピストンが縮み始める。ピストン部分の先端が、長穴12の手前側の一端付近から、奥側の端に到達する。その間、尿受け部10は移動しないか、又は移動度合いが制限される。ピストン部分の先端が、長穴12の奥側の一端に到達すると、尿受け部10は回転軸21を中心に回動し、図5(A)に示す待機状態の位置に到達する。
【0067】
本実施形態により、伝達部材にシリンダ35を用いた場合にも、尿受け部10を適切に移動することができる。また、シリンダ35の先端が、伸縮開始時に長穴を移動することにより、ペダル34が荷重を受けたタイミングから遅延して尿受け部10の位置が変化する。これにより、突然に尿受け部10が動くことによる対象者へのストレスを軽減することができる。
【0068】
なお、本実施形態におけるシリンダ35は側板22に設置され、尿受け部10に設けられた長穴12にピストンの先端が嵌まるよう構成されているが、シリンダ35が尿受け部10に設けられ、長穴12が側板22に設けられていてもよい。また、本実施形態では、尿受け部10の位置が、ピストンが伸びると待機状態から使用状態に変化し、ピストンが縮むと使用状態から待機状態に変化したが、ピストンの伸縮と尿受け部10の位置との関係が逆(即ち、ピストンが伸びると使用状態から待機状態に変化し、ピストンが縮むと待機状態から使用状態に変化)であってもよい。
【0069】
また、本実施形態においても、回転軸21に速度制御機構を有していてもよい。また、本実施形態における尿受け部10は、図2又は図3に示す尿受け部10と同様に、待機状態又は使用状態において内部の尿を便鉢内部に導く位置に配置されてもよい。その場合、尿受け具1は尿ポット41を有していなくてもよい。
【0070】
また、本実施形態において、長穴12は必須ではない。また、長穴12が軸周りに湾曲し、ピストンの先端が長穴12に沿って移動することにより、尿受け部10が軸周りに回動し、尿受け部10の位置が使用状態と待機状態とに変化するよう構成されていてもよい。
【0071】
<第3の実施形態>
【0072】
図6は、第3の実施形態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。以下、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態における尿受け具1は、センサー42を有する。また、本実施形態における駆動部30は、踏み板31やペダル34、及び伝達部材33を有さず、尿受け部10を移動させる図示しないモーターを有する。
【0073】
センサー42は、対象者を検知する検知部として機能する。センサー42には赤外線式、超音波式など、各種検知器を用いることができる。図6において、センサー42は側板22に設置されているが、センサー42の設置位置は限定されない。センサー42は、対象者を検知すると、モーターを駆動させる制御装置に通知する。
【0074】
制御装置の制御によりモーターが駆動することにより、回転軸21に設けられたギアが回転し、尿受け部10が回動する。その結果、尿受け部10の位置が待機状態から使用状態へと変化する。センサー42が対象者の検知を終了すると、制御装置に通知することによりモーターが駆動し、尿受け部10の位置が待機状態へと変化する。
【0075】
なお、尿受け部10の位置及び移動方向は、図6に示す例に限定されない。また、センサー42が対象者を検知すると、制御装置はシリンダ35を制御することにより、尿受け部10の位置を変更してもよい。
【0076】
本実施形態では、モーターの駆動力で尿受け部10の位置が変更するため、より簡便に尿受け具1を設置することができる。
【0077】
<第4の実施形態>
【0078】
図7は、第4の実施形態における尿受け具1の外観の一例を示す図である。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本図に示す尿受け具1は、使用状態の位置に尿受け部10が配置されている。本図において、対象者、便座、及び便蓋の図示は省略している。本実施形態における尿受け具1の基部20は、洋式便器の便鉢縁に係止して設置され、尿受け部10を軸支している。
【0079】
本実施形態における尿受け具1の基部20は、側板22に代わって係止部材24を有する。係止部材24は、その一部に回転軸21が固定され、便鉢縁に係止する。尿受け部10は、係止部材24に軸支され、使用状態において便鉢縁に隣り合う位置に配置される。一例として、尿受け部10は、上端が便鉢縁と略同じ高さになるよう構成される。
【0080】
踏み板31が荷重を受けると、伝達部材33の伝達により尿受け部10が回転軸21の軸周りに回動し、位置が待機状態から使用状態に変化する。なお、本実施形態における伝達部材33には、シリンダ35を用いてもよい。また、本実施形態では、管理者が尿受け部10を基部20から取り外して内部の尿を廃棄してもよいし、尿受け部10が回動して内部の尿を便鉢内部に流し込むよう構成されていてもよい。なお、本実施形態では、待機状態において、便座に座って用を足すこともできる。
【0081】
<第4の実施形態の変形例>
【0082】
図8は、第4の実施形態の変形例における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図8に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本変形例における尿受け具1は、基部20が便鉢縁に係止せず、便器近傍の床面に設置される。本実施形態における尿受け部10は、図4に示す第1の実施形態の第2の変形例の尿受け具1と同様に、側板22に軸支される。また、尿受け部10は孔11を有し、待機状態において内部の尿が尿ポット41に流れ込むよう構成される。
【0083】
<第5の実施形態>
【0084】
図9は、第5の実施形態における尿受け具1の使用状態及び待機状態を説明するための図である。図9(A)は、待機状態における尿受け具1の右側面図の一例を示し、図9(B)は、使用状態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。図9(A)に示す尿受け部10は、内壁部分を点線で表示している。本実施形態における尿受け具1は、洋式便器に対して設置される。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。
【0085】
本実施形態における係止部材24は、伝達部材としてシリンダ35を有する。本実施形態におけるシリンダ35は、管37を介してポンプ38と接続している。ポンプ38は、駆動部30として機能し、便蓋fと接続している。ポンプ38は、便蓋fを開ける力、及び閉じる力を駆動力として、シリンダ35に対し加圧又は吸引する。
【0086】
一例として、シリンダ35は便蓋fの開閉による加圧及び吸引を受けてシリンダ35を伸縮させるエアシリンダ又はオイルシリンダであって、ポンプ38は、便蓋fの開閉によりシリンダ35に加圧又は吸引する。即ち、シリンダ35は洋式便器の便蓋fの開閉による駆動力を尿受け部10に伝達する。シリンダ35の少なくとも一部は係止部材24に固定される。シリンダ35は、軸の先端に支点36を有し、支点36を中心に回動が可能であってもよい。
【0087】
図9(A)の待機状態において、尿受け部10の手前側の一端は下方向を向いている。本実施形態における待機状態のシリンダ35は、ピストンが縮んでいる。ピストンの先端は、尿受け部10の外側面に前後方向に延在するよう設けられた溝(図示せず)に嵌まっていてもよい。
【0088】
対象者が便蓋fを持ち上げると(矢印aの方向に圧力)、持ち上げた際の圧力により、ポンプ38がシリンダ35に加圧し、シリンダ35のピストンが伸びる。ピストンの先端が尿受け部10を持ち上げることにより、尿受け部10は回転軸21を中心に図9に示す時計回り(矢印b方向)に回動し、図9(B)に示す使用状態の位置に到達する。排尿終了後、対象者が便蓋fを下げると、ポンプ38の吸引によりシリンダ35のピストンが縮み、尿受け部10は待機状態に位置を変更する。
【0089】
本実施形態によれば、便蓋fの開閉が尿受け部10の駆動に用いられるため、踏み板31を必要としない。即ち、便器tの設置スペースに制限がある場合等に特に有用である。なお、本実施形態においても、尿受け部10は係止部材24に代わって側板22に軸支されていてもよい。その場合、シリンダ35は側板22に固定されていてもよい。
【0090】
<第6の実施形態>
【0091】
図10は、第6の実施形態における尿受け具1の右側面図の一例を示す。以下、上述の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態における尿受け具1は、洋式便器に対して設置される。本実施形態における尿受け具1は、図6に示す第3の実施形態の尿受け具1と同様に、図示しないセンサーを有する。また、本実施形態における駆動部30は、踏み板31やペダル34、及び伝達部材33を有さず、尿受け部10を移動させる図示しないモーターを有する。センサー及び駆動部30の構成は、第3の実施形態と同様である。
【0092】
また、本実施形態における尿受け部10は、便鉢縁に係止する基部20と接続する係止部材24により軸支される。なお、本実施形態におけるモーターは係止部材24に固定されていてもよい。センサーが対象者を検知すると、モーターが駆動して尿受け部10の位置が変化する点についても、第3の実施形態と同様である。
【0093】
本実施形態によれば、尿受け具1を洋式便器に用いる場合においても、モーターの駆動力で尿受け部10の位置を変更することができる。従って、より簡便に尿受け具1を設置することができる。
【0094】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1:尿受け具、10:尿受け部、11:孔、12:長穴、20:基部、21:回転軸、22:側板、24:係止部材、30:駆動部、31:踏み板、32:弾性部材、33:伝達部材、34:ペダル、35:シリンダ、36:支点、37:管、38:ポンプ、41:尿ポット、42:センサー、a・b:矢印、f:便蓋、t:便器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10