IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両の制御装置 図1
  • 特許-車両の制御装置 図2
  • 特許-車両の制御装置 図3
  • 特許-車両の制御装置 図4
  • 特許-車両の制御装置 図5
  • 特許-車両の制御装置 図6
  • 特許-車両の制御装置 図7
  • 特許-車両の制御装置 図8
  • 特許-車両の制御装置 図9
  • 特許-車両の制御装置 図10
  • 特許-車両の制御装置 図11
  • 特許-車両の制御装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20220202BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20220202BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20220202BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20220202BHJP
   B60W 30/00 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/09 H
G08G1/16 A
B60W40/04
B60W40/06
B60W30/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017162534
(22)【出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2019040452
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 毅
(72)【発明者】
【氏名】家永 寛史
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】阪口 晋一
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-208080(JP,A)
【文献】特開2008-234044(JP,A)
【文献】特開2005-004371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 ~ 1/16
B60W 30/00 ~ 60/00
G01C 21/26 ~ 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の外部の複数の外部装置によりそれぞれ検出される検出情報及び前記外部装置の各々の位置に関する位置情報を取得する取得部と、
複数の前記検出情報から車両制御に用いられる制御情報を選択する選択部と、
を備え、
前記選択部は、前記検出情報の種類、及び前記位置情報に基づいて前記制御情報を選択する、
車両の制御装置。
【請求項2】
前記位置情報は、前記外部装置が位置する車線に関する車線情報を含み、
前記選択部は、前記検出情報が路面の状態に関する路面情報である場合、前記車線情報に基づいて前記制御情報を選択する、
請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記検出情報が前記路面情報である場合、前記自車両の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択する、
請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記検出情報が前記路面情報である場合、前記自車両の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報が取得されていない場合には、前記自車両の走行車線と隣接する同一方向の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択する、
請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記路面情報は、路面の摩擦係数、路面の勾配、又は路面上の障害物の有無を含む、
請求項2~4のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記位置情報は、前記自車両と前記外部装置との相対距離を示す距離情報を含み、
前記選択部は、前記検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、前記距離情報に基づいて前記制御情報を選択する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記検出情報が前記環境情報である場合、前記自車両との相対距離が短い前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択する、
請求項6に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
前記選択部は、前記検出情報が前記環境情報である場合、前記自車両の走行車線と立体交差する走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報の候補として用いる、
請求項7に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
前記環境情報は、天候、外気温又は風速を含む、
請求項6~8のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両が他車両や路上に設置される路上センサ等の外部装置から送信される情報を受信可能な通信システムが提案されている。さらに、このような通信システムにおいて、外部装置により検出される検出情報を取得し、取得した検出情報を自車両の車両制御に用いられる制御情報として適用する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-301485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の通信システムにおいて、検出情報を検出可能な外部装置は複数存在し得るので、互いに異なる外部装置によりそれぞれ検出された複数の検出情報が自車両により取得される場合がある。このような場合、複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を選択し、制御情報として選択された検出情報を車両制御に用いることが考えられる。ここで、検出情報の検出元がいずれの外部装置であるかに応じて、検出情報の制御情報としての適性が異なり得る。ゆえに、複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を適切に選択することが望ましいと考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を適切に選択することが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、自車両の外部の複数の外部装置によりそれぞれ検出される検出情報及び前記外部装置の各々の位置に関する位置情報を取得する取得部と、複数の前記検出情報から車両制御に用いられる制御情報を選択する選択部と、を備え、前記選択部は、前記検出情報の種類、及び前記位置情報に基づいて前記制御情報を選択する、車両の制御装置が提供される。
【0007】
前記位置情報は、前記外部装置が位置する車線に関する車線情報を含み、前記選択部は、前記検出情報が路面の状態に関する路面情報である場合、前記車線情報に基づいて前記制御情報を選択してもよい。
【0008】
前記選択部は、前記検出情報が前記路面情報である場合、前記自車両の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択してもよい。
【0009】
前記選択部は、前記検出情報が前記路面情報である場合、前記自車両の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報が取得されていない場合には、前記自車両の走行車線と隣接する同一方向の走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択してもよい。
【0010】
前記路面情報は、路面の摩擦係数、路面の勾配、又は路面上の障害物の有無を含んでもよい。
【0011】
前記位置情報は、前記自車両と前記外部装置との相対距離を示す距離情報を含み、前記選択部は、前記検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、前記距離情報に基づいて前記制御情報を選択してもよい。
【0012】
前記選択部は、前記検出情報が前記環境情報である場合、前記自車両との相対距離が短い前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報として優先的に選択してもよい。
【0013】
前記選択部は、前記検出情報が前記環境情報である場合、前記自車両の走行車線と立体交差する走行車線上に位置する前記外部装置により検出された前記検出情報を前記制御情報の候補として用いてもよい。
【0014】
前記環境情報は、天候、外気温又は風速を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を適切に選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る制御装置が搭載される自車両が属する通信システムの概略構成の一例を示す模式図である。
図2】同実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る制御装置が行う選択制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】同実施形態に係る制御装置が搭載される自車両の周囲を走行する他車両の様子の第1の例を示す説明図である。
図5】同実施形態に係る制御装置が搭載される自車両の周囲を走行する他車両の様子の第2の例を示す説明図である。
図6】同実施形態に係る制御装置が搭載される自車両の周囲を走行する他車両の様子の第3の例を示す説明図である。
図7】同実施形態に係る制御装置が行う第1の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】同実施形態に係る制御装置が行う第2の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】同実施形態に係る制御装置が行う第3の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】同実施形態に係る制御装置が行う第4の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】同実施形態に係る制御装置が行う第5の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】同実施形態に係る制御装置が行う第6の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
<1.通信システムの構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置150が搭載される車両である自車両10が属する通信システム1の構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る制御装置150が搭載される自車両10が属する通信システム1の概略構成の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る制御装置150の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
通信システム1は、例えば、図1に示されるように、自車両10と、他車両20と、路上センサ30と、基地局40と、管理サーバ50とを含む。図1では、他車両20の例として、他車両20a、他車両20b及び他車両20cが示されている。また、図1では、路上センサ30の例として、路上センサ30a及び路上センサ30bが示されている。また、図1では、基地局40の例として、基地局40a及び基地局40bが示されている。なお、通信システム1に属する他車両20、路上センサ30、基地局40及び管理サーバ50の数は、図1に示される例に限定されない。
【0021】
自車両10は、例えば、通信装置110と、カーナビゲーション装置130と、制御装置150とを備える。
【0022】
通信装置110は、自車両10の外部の各装置と通信を行う。具体的には、通信装置110は、通信システム1において、他車両20、路上センサ30及び基地局40と通信を行う。例えば、図1に示される例では、通信装置110は、他車両20a、路上センサ30a及び基地局40aと通信可能である。また、通信装置110は、受信した情報を制御装置150へ出力する。
【0023】
カーナビゲーション装置130は、ドライバによる入力操作に応じてドライバが所望する目的地までの経路、距離及び到達時間等を予測し、それらを示す情報を表示する。また、カーナビゲーション装置130は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信すること等によって自車両10の現在位置を算出し得る。また、カーナビゲーション装置130は、予測した情報及び算出した情報を制御装置150へ出力する。
【0024】
制御装置150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0025】
また、制御装置150は、自車両10に搭載される各装置と通信を行う。制御装置150と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。例えば、制御装置150は、通信装置110及びカーナビゲーション装置130と通信を行う。本実施形態に係る制御装置150が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
【0026】
制御装置150は、例えば、取得部151と、選択部152と、制御部153とを備える。
【0027】
取得部151は、制御装置150が行う処理において用いられる各種情報を取得する。また、取得部151は、取得した情報を選択部152へ出力する。
【0028】
例えば、取得部151は、通信装置110及びカーナビゲーション装置130と通信することによって、各装置から出力される情報を取得する。具体的には、取得部151は、他車両20及び路上センサ30から送信され通信装置110により受信される情報を通信装置110から取得する。それにより、取得部151は、他車両20及び路上センサ30により検出される検出情報と、他車両20の現在位置を示す情報と、路上センサ30の設置位置を示す情報とを取得し得る。また、取得部151は、自車両10の現在位置及び目的地までの予測経路を示す情報をカーナビゲーション装置130から取得する。
【0029】
また、例えば、取得部151は、通信装置110及びカーナビゲーション装置130から取得した情報に対してさらに演算処理を施すことによって情報を取得してもよい。具体的には、取得部151は、他車両20の現在位置を示す情報に基づいて、他車両20の位置に関する位置情報を取得する。また、取得部151は、路上センサ30の設置位置を示す情報に基づいて、路上センサ30の位置に関する位置情報を取得する。
【0030】
位置情報は、例えば、他車両20又は路上センサ30が位置する車線に関する車線情報を含む。取得部151は、車線の位置情報を含む地図情報と他車両20の現在位置又は路上センサ30の設置位置を示す情報とを比較することによって、車線情報を取得し得る。地図情報は、例えば、制御装置150の記憶素子又はカーナビゲーション装置130に記憶され得る。また、位置情報は、例えば、自車両10と他車両20又は路上センサ30との相対距離を示す距離情報を含む。取得部151は、自車両10の現在位置を示す情報と他車両20の現在位置又は路上センサ30の設置位置を示す情報とを比較することによって、距離情報を取得し得る。
【0031】
なお、取得部151は、自車両10の外部の各装置と通信を行う機能を有していてもよく、その場合、自車両10の構成から通信装置110は省略され得る。
【0032】
選択部152は、取得部151により取得される複数の検出情報から制御部153が行う車両制御に用いられる制御情報を選択する。また、選択部152は、制御情報として選択した検出情報を示す情報を制御部153へ出力する。
【0033】
このように、制御装置150では、具体的には、取得部151及び選択部152によって、制御情報を選択する選択制御が実行される。
【0034】
制御部153は、自車両10に搭載される各装置に対して動作指令を出力することにより各装置の動作を制御することによって、車両制御を実行する。具体的には、制御部153は、選択部152により選択された制御情報に基づいて車両制御を実行する。車両制御は、例えば、駆動力配分制御、制駆動力制御、自動停止制御、オートクルーズ制御、冷却制御又は姿勢安定化制御等の種々の車両に関する制御を含み得る。また、各車両制御の間で、用いられる制御情報の種類は異なり得る。なお、各車両制御については、後述にて詳細に説明する。
【0035】
他車両20及び路上センサ30は、車両制御に用いられ得る情報を検出情報として検出する外部装置の一例に相当する。なお、検出情報を検出する外部装置として、他車両20及び路上センサ30と異なる装置が用いられてもよい。
【0036】
検出情報は、具体的には、各車両の外部環境に関する環境情報である。ゆえに、検出情報は、検出される位置である検出位置に応じて異なり得る情報である。例えば、検出情報は、路面の状態に関する路面情報と、路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報とに大別される。路面情報は、例えば、路面の摩擦係数、路面の勾配、又は路面上の障害物の有無を含む。路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報は、例えば、天候、外気温又は風速を含む。なお、路面情報及び路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報は、このような例に特に限定されない。
【0037】
他車両20は、各時刻における走行位置についての検出情報を検出する。他車両20は、例えば、各種情報を検出可能なセンサを備え、センサを利用して検出情報を検出する。他車両20は、センサによる検出結果自体を検出情報として検出してもよく、センサによる検出結果に対してさらに演算処理を施すことにより得られる情報を検出情報として検出してもよい。
【0038】
また、他車両20は、検出した検出情報を通信可能な範囲内に位置する車両及び基地局40へ送信する。さらに、他車両20は、当該他車両20の現在位置を示す情報を通信可能な範囲内に位置する車両及び基地局40へ送信する。他車両20は、GPS衛星からの電波を受信すること等によって当該他車両20の現在位置を算出し得る。例えば、図1に示される例では、他車両20aは、自車両10及び他車両20bと通信可能である。他車両20bは、他車両20aと通信可能である。また、他車両20cは、基地局40bと通信可能である。
【0039】
路上センサ30は、路上に設置され、設置位置についての検出情報を検出する。
【0040】
また、路上センサ30は、検出した検出情報を通信可能な範囲内に位置する車両及び基地局40へ送信する。さらに、路上センサ30は、当該路上センサ30の設置位置を示す情報を通信可能な範囲内に位置する車両及び基地局40へ送信する。設置位置を示す情報は、各路上センサ30に予め記憶され得る。例えば、図1に示される例では、路上センサ30aは、自車両10と通信可能である。また、路上センサ30bは、基地局40bと通信可能である。
【0041】
基地局40は、管理サーバ50と有線又は無線の通信ネットワークN1を介して相互に通信可能である。管理サーバ50は、基地局40を介して他車両20及び路上センサ30から送信される情報を受信し、記憶する。基地局40は、管理サーバ50に記憶される情報を各車両へ送信する。
【0042】
通信システム1において、自車両10は、他車両20及び路上センサ30の各々と直接的に通信可能な場合、直接的な通信を行うことによって、他車両20及び路上センサ30の各々から送信される情報を取得し得る。例えば、自車両10は、他車両20aと直接的に通信を行うことによって、他車両20aから送信される検出情報及び他車両20aの現在位置を示す情報を取得し得る。また、例えば、自車両10は、路上センサ30aと直接的に通信を行うことによって、路上センサ30aから送信される検出情報及び路上センサ30aの設置位置を示す情報を取得し得る。
【0043】
また、通信システム1において、自車両10は、他車両20及び路上センサ30の各々と直接的に通信可能でない場合であっても、他の装置を介した間接的な通信を行うことによって、他車両20及び路上センサ30の各々から送信される情報を取得し得る。例えば、自車両10は、他車両20aと通信を行うことによって、他車両20bから送信される検出情報及び他車両20bの現在位置を示す情報を取得し得る。また、例えば、自車両10は、基地局40aと通信を行うことによって、他車両20cから送信される検出情報及び他車両20cの現在位置を示す情報を取得し得る。また、例えば、自車両10は、基地局40aと通信を行うことによって、路上センサ30bから送信される検出情報及び路上センサ30bの設置位置を示す情報を取得し得る。
【0044】
なお、通信システム1において、自車両10が各時刻における走行位置についての検出情報を検出可能であってもよい。その場合、自車両10は、検出した検出情報及び自車両10の現在位置を示す情報を通信可能な範囲内に位置する車両及び基地局40へ送信する。例えば、図1に示される例では、自車両10は、検出した検出情報及び自車両10の現在位置を示す情報を他車両20b及び基地局40aへ送信し得る。自車両10から送信される情報は、基地局40aから管理サーバ50へ送信され、管理サーバ50に記憶される。ゆえに、自車両10から送信された情報は、各基地局40を介して各他車両20へ送信され得る。
【0045】
<2.制御装置の動作>
続いて、図3図12を参照して、本実施形態に係る制御装置150の動作について説明する。
【0046】
(選択制御)
まず、図3図6を参照して、制御装置150が行う選択制御について説明する。
【0047】
図3は、本実施形態に係る制御装置150が行う選択制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。図4は、本実施形態に係る制御装置150が搭載される自車両10の周囲を走行する他車両20の様子の第1の例を示す説明図である。図5は、本実施形態に係る制御装置150が搭載される自車両10の周囲を走行する他車両20の様子の第2の例を示す説明図である。図6は、本実施形態に係る制御装置150が搭載される自車両10の周囲を走行する他車両20の様子の第3の例を示す説明図である。
【0048】
以下では、理解を容易にするために、複数の他車両20によりそれぞれ検出される複数の検出情報が自車両10における制御情報の候補として用いられる例について説明するが、制御情報の候補として用いられる検出情報の検出元はこのような例に限定されない。例えば、複数の路上センサ30によりそれぞれ検出される複数の検出情報が自車両10における制御情報の候補として用いられてもよい。さらに、1以上の他車両20及び1以上の路上センサ30の双方によりそれぞれ検出される複数の検出情報が自車両10における制御情報の候補として用いられてもよい。
【0049】
図3に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、取得部151は、複数の他車両20について、検出情報及び位置情報を取得する。具体的には、取得部151は、複数の他車両20によりそれぞれ検出される検出情報及び各他車両20の位置情報を取得する。
【0050】
次に、ステップS503において、選択部152は、取得された検出情報が路面の状態に関する路面情報であるか否かを判定する。取得された検出情報が路面情報であると判定された場合(ステップS503/YES)、ステップS505へ進む。一方、取得された検出情報が路面情報ではない(換言すると、取得された検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である)と判定された場合(ステップS503/NO)、ステップS513へ進む。
【0051】
例えば、ステップS501での検出情報の取得処理において、路面の摩擦係数、路面の勾配、又は路面上の障害物の有無を示す情報が検出情報として取得された場合、取得された検出情報が路面情報であると判定される。一方、例えば、天候、外気温又は風速を示す情報が検出情報として取得された場合、取得された検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報であると判定される。
【0052】
ステップS505において、選択部152は、自車両10の走行車線である自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されているか否かを判定する。自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されていると判定された場合(ステップS505/YES)、ステップS507へ進む。一方、自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されていないと判定された場合(ステップS505/NO)、ステップS509へ進む。
【0053】
例えば、選択部152は、地図情報と自車両10の現在位置を示す情報とを比較することによって、自車線L10がいずれの車線であるかを示す情報を取得し得る。この場合、選択部152は、自車両10が現在走行している車線を自車線L10として判別し得る。また、例えば、選択部152は、カーナビゲーション装置130から取得されるドライバが所望する目的地までの経路の予測結果に基づいて、自車線L10がいずれの車線であるかを示す情報を取得し得る。この場合、選択部152は、自車両10が現在走行している車線に加えて今後において走行すると予測された経路と対応する車線を自車線L10として判別し得る。
【0054】
ステップS507において、選択部152は、自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択する。
【0055】
ここで、図4に示される例では、自車線L10は、自車両10の走行車線である。自車線L10上には、他車両20d及び他車両20eが位置している。また、隣接車線L20は、自車線L10と隣接する同一方向の走行車線である。隣接車線L20上には、他車両20f及び他車両20gが位置している。また、対向車線L30は、自車線L10と反対方向の走行車線である。対向車線L30上には、他車両20hが位置している。
【0056】
例えば、図4に示される例において、他車両20d、他車両20e、他車両20f、他車両20g及び他車両20hの各々について路面情報が検出情報として取得されている場合、選択部152は、他車両20d及び他車両20eにより検出された検出情報から制御情報を選択する。選択部152は、自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報が複数ある場合、例えば、複数の検出情報のうち自車両10との相対距離が短い他車両20により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択する。図4に示される例では、自車両10と他車両20eとの相対距離は、自車両10と他車両20dとの相対距離と比較して短い。ゆえに、選択部152は、具体的には、他車両20eにより検出された検出情報を制御情報として選択する。
【0057】
ステップS509において、選択部152は、隣接車線L20上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されているか否かを判定する。隣接車線L20上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されていると判定された場合(ステップS509/YES)、ステップS511へ進む。一方、隣接車線L20上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されていないと判定された場合(ステップS509/NO)、ステップS513へ進む。
【0058】
ステップS511において、選択部152は、隣接車線L20上に位置する他車両20により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択する。
【0059】
ここで、図5に示される例では、自車線L10上には、他車両20が位置していない。ゆえに、この場合は、自車線L10上に位置する他車両20により検出された検出情報が取得されない場合に相当する。また、隣接車線L20上には、他車両20f及び他車両20gが位置している。また、対向車線L30上には、他車両20hが位置している。
【0060】
例えば、図5に示される例において、他車両20f、他車両20g及び他車両20hの各々について路面情報が検出情報として取得されている場合、選択部152は、他車両20f及び他車両20gにより検出された検出情報から制御情報を選択する。選択部152は、隣接車線L20上に位置する他車両20により検出された検出情報が複数ある場合、例えば、複数の検出情報のうち自車両10との相対距離が短い他車両20により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択する。図5に示される例では、自車両10と他車両20gとの相対距離は、自車両10と他車両20fとの相対距離と比較して短い。ゆえに、選択部152は、具体的には、他車両20gにより検出された検出情報を制御情報として選択する。
【0061】
このように、選択部152は、検出情報が路面情報である場合、他車両20が位置する車線に関する車線情報に基づいて制御情報を選択する。
【0062】
ステップS513において、選択部152は、自車両10との相対距離が短い他車両20により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択する。
【0063】
例えば、図4に示される例では、自車両10と他車両20hとの相対距離は、他車両20hと異なる他車両20についての自車両10との相対距離と比較して短い。ゆえに、図4に示される例において、他車両20d、他車両20e、他車両20f、他車両20g及び他車両20hの各々について路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報が検出情報として取得されている場合、選択部152は、対向車線L30上に位置する他車両20hにより検出された検出情報を制御情報として選択する。
【0064】
また、選択部152は、自車線L10と立体交差する走行車線上に位置する他車両20により検出された検出情報を制御情報の候補として用いてもよい。
【0065】
ここで、図6に示される例では、車線L40は、自車線L10と立体交差する走行車線である。車線L40上には、他車両20jが位置している。また、対向車線L30上には、他車両20iが位置している。なお、車線L50は、例えば、車線L40に対する対向車線である。
【0066】
例えば、図6に示される例において、他車両20i及び他車両20jの各々について路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報が検出情報として取得されている場合、選択部152は、自車線L10と立体交差する車線L40上に位置する他車両20jにより検出された検出情報を制御情報の候補として用いてもよい。図6に示される例では、自車両10と他車両20jとの相対距離は、自車両10と他車両20iとの相対距離と比較して短い。ゆえに、選択部152は、具体的には、他車両20jにより検出された検出情報を制御情報として選択する。
【0067】
このように、選択部152は、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、自車両10と他車両20との相対距離を示す距離情報に基づいて制御情報を選択する。
【0068】
ステップS507、ステップS511又はステップS513の後に、図3に示される制御フローは終了する。
【0069】
上記で図3に示される制御フローを参照して説明したように、選択部152は、検出情報及び外部装置の位置情報に基づいて制御情報を選択する。具体的には、選択部152は、検出情報の種類及び外部装置の位置情報に基づいて制御情報を選択する。
【0070】
なお、他車両20等の外部装置により検出される検出情報には検出日時が紐付けられ得る。その場合、選択部152は、取得される複数の検出情報のうち検出日時が現時点より基準時間以上前である検出情報を、制御情報の候補から除外してもよい。基準時間は、検出日時から時間が経過することに起因して検出情報の制御情報として適性が顕著に低下すると判定し得る時間に適宜設定され得る。それにより、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として効果的に選択することができる。
【0071】
(車両制御)
次に、図7図12を参照して、制御装置150が行う車両制御について説明する。
【0072】
なお、以下では、制御装置150が行う車両制御の例として、第1の車両制御~第6の車両制御についてそれぞれ説明するが、制御装置150が行う車両制御は、外部装置により検出される検出情報を用いる制御であればよく、このような例に特に限定されない。例えば、制御装置150は、第1の車両制御~第6の車両制御の少なくとも1つを実行してもよく、第1の車両制御~第6の車両制御と異なる車両制御を実行してもよい。また、車両制御の内容と車両制御に用いられる検出情報の種類の組み合わせは、以下で説明する例に特に限定されない。
【0073】
図7は、本実施形態に係る制御装置150が行う第1の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0074】
第1の車両制御は、駆動力配分制御である。具体的には、第1の車両制御では、前後輪の駆動力配分が路面の摩擦係数に基づいて制御される。このように、第1の車両制御では、制御情報として、路面情報である路面の摩擦係数が用いられる。
【0075】
第1の車両制御は、例えば、自車両10が前輪と後輪との間で互い異なる駆動源を有する車両である場合に実行される。制御部153は、例えば、前輪の駆動源及び後輪の駆動源の動作を制御することにより、前後輪の駆動力配分を制御し得る。
【0076】
図7に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS711において、制御部153は、制御情報として選択されている路面の摩擦係数が基準摩擦係数より小さいか否かを判定する。制御情報として選択されている路面の摩擦係数が基準摩擦係数より小さいと判定された場合(ステップS711/YES)、ステップS713へ進む。一方、制御情報として選択されている路面の摩擦係数が基準摩擦係数以上であると判定された場合(ステップS711/NO)、ステップS715へ進む。
【0077】
基準摩擦係数は、具体的には、自車両10の走行路面が凍結している路面等の低μ路であるか否かを判定し得る値に適宜設定される。基準摩擦係数は、例えば、制御装置150の記憶素子に予め記憶される。
【0078】
ステップS713において、制御部153は、自車両10の前後輪の駆動力配分を4輪駆動状態の配分へ切り替える。それにより、摩擦係数が比較的低い低μ路の走行時に、走行安定性の向上を重視した走行を実現することができる。
【0079】
ステップS715において、制御部153は、自車両10の前後輪の駆動力配分を2輪駆動状態の配分へ切り替える。それにより、摩擦係数が比較的高い高μ路の走行時に、燃費の向上を重視した走行を実現することができる。
【0080】
ステップS713又はステップS715の次に、図7に示される制御フローは終了する。
【0081】
図8は、本実施形態に係る制御装置150が行う第2の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0082】
第2の車両制御は、制駆動力制御である。具体的には、第2の車両制御では、自車両10に作用する制駆動力が路面の勾配に基づいて制御される。このように、第2の車両制御では、制御情報として、路面情報である路面の勾配が用いられる。
【0083】
制御部153は、例えば、駆動輪の駆動源の動作を制御することにより、自車両10に作用する駆動力を制御し得る。また、制御部153は、例えば、各車輪に対して制動力を付与するブレーキ装置の動作を制御することにより、自車両10に作用する制動力を制御し得る。
【0084】
図8に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS721において、制御部153は、アクセル操作量及びブレーキ操作量に基づいて制駆動力の目標値を算出する。
【0085】
次に、ステップS723において、制御部153は、制御情報として選択されている路面の勾配に基づいて制駆動力の目標値を調整する。それにより、自車両10に作用する制駆動力が路面の勾配に起因してドライバの意図する制駆動力と相違することを抑制することができる。
【0086】
次に、ステップS725において、制御部153は、調整後の目標値を用いて制駆動力を制御する。
【0087】
次に、図8に示される制御フローは終了する。
【0088】
図9は、本実施形態に係る制御装置150が行う第3の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0089】
第3の車両制御は、自動停止制御である。具体的には、第3の車両制御では、自車両10を自動で停止させる自動停止制御が路面上の障害物の有無に基づいて制御される。このように、第3の車両制御では、制御情報として、路面情報である路面上の障害物の有無が用いられる。
【0090】
制御部153は、例えば、各車輪に対して制動力を付与するブレーキ装置の動作を制御することにより、自動停止制御を実行し得る。
【0091】
図9に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS731において、制御部153は、制御情報として選択されている路面上の障害物の有無に基づいて、路面上に障害物があるか否かを判定する。路面上に障害物があると判定された場合(ステップS731/YES)、ステップS733へ進む。一方、路面上に障害物がないと判定された場合(ステップS731/NO)、図9に示される制御フローは終了する。
【0092】
ステップS733において、制御部153は、自動停止制御を実行する。それにより、自車両10が路面上の障害物と衝突することを回避することができる。
【0093】
次に、図9に示される制御フローは終了する。
【0094】
図10は、本実施形態に係る制御装置150が行う第4の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0095】
第4の車両制御は、オートクルーズ制御である。具体的には、第4の車両制御では、自車両10と先行車両との車間距離が基準距離に維持されるように自車両10を自動で走行させるオートクルーズ制御が天候に基づいて制御される。基準距離は、先行車両との衝突が回避され得るような距離に設定される。このように、第4の車両制御では、制御情報として、路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である天候が用いられる。
【0096】
第4の車両制御は、例えば、自車両10が自車両10と先行車両との車間距離を測定可能な測距センサ又は自車両10の前方を撮像可能な車載カメラを有する車両である場合に実行される。制御部153は、例えば、車載カメラにより撮像された画像に画像処理を施すことによって、自車両10と先行車両との車間距離を算出し得る。制御部153は、測距センサ又は車載カメラを用いることにより得られる自車両10と先行車両との車間距離に基づいて制駆動力を制御することによって、オートクルーズ制御を実行し得る。
【0097】
図10に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS741において、制御部153は、制御情報として選択されている天候が悪天候に該当するか否かを判定する。制御情報として選択されている天候が悪天候に該当すると判定された場合(ステップS741/YES)、ステップS743へ進む。一方、制御情報として選択されている天候が悪天候に該当しないと判定された場合(ステップS741/NO)、図10に示される制御フローは終了する。
【0098】
悪天候に該当する天候として、具体的には、測距センサ又は車載カメラを用いて取得される自車両10と先行車両との車間距離の精度が過剰に低くなると予想される天候が適用される。悪天候に該当する天候を示す情報は、例えば、制御装置150の記憶素子に予め記憶される。
【0099】
ステップS743において、制御部153は、オートクルーズ制御を禁止する。それにより、車間距離の精度が過剰に低くなることに起因してオートクルーズ制御を適切に実行することが困難な場合に、オートクルーズ制御が実行されることを抑制することができる。
【0100】
次に、図10に示される制御フローは終了する。
【0101】
図11は、本実施形態に係る制御装置150が行う第5の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0102】
第5の車両制御は、冷却制御である。具体的には、第5の車両制御では、自車両10に搭載されるバッテリ等の冷却対象を冷却する冷却制御が外気温に基づいて制御される。このように、第5の車両制御では、制御情報として、路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である外気温が用いられる。
【0103】
第5の車両制御は、例えば、自車両10が自車両10の外部の外気を冷却対象に送風可能な冷却ファンを有する車両である場合に実行される。制御部153は、例えば、冷却ファンの動作を制御することにより、外気の冷却対象への送風を実行し得る。
【0104】
図11に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS751において、制御部153は、制御情報として選択されている外気温に基づいて、冷却ファンのデューティー比を決定する。
【0105】
冷却ファンのデューティー比は、単位時間あたりの冷却ファンの駆動時間である。デューティー比が増大するに伴い、冷却対象を冷却する能力が増大する一方で、冷却ファンの駆動に伴う消費電力が増大する。
【0106】
ステップS753において、制御部153は、冷却ファンを決定したデューティー比で駆動させる。それにより、外気の送風により冷却対象を冷却する能力を適切に確保しつつ、冷却ファンの駆動に伴う消費電力の増大を抑制することができる。
【0107】
次に、図11に示される制御フローは終了する。
【0108】
図12は、本実施形態に係る制御装置150が行う第6の車両制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された設定時間おきに繰り返される。
【0109】
第6の車両制御は、姿勢安定化制御である。具体的には、第6の車両制御では、自車両10の剛性を増大させることによって、外力を受けることに起因する自車両10の姿勢の変化を安定化する姿勢安定化制御が風速に基づいて制御される。このように、第6の車両制御では、制御情報として、路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である風速が用いられる。
【0110】
第6の車両制御は、例えば、サスペンションの減衰率を調整可能な減衰率調整機構を有する車両である場合に実行される。制御部153は、例えば、減衰率調整機構の動作を制御することによりサスペンションの減衰率を増大させることによって、自車両10の剛性を増大させる姿勢安定化制御を実行し得る。
【0111】
図12に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS761において、制御部153は、制御情報として選択されている風速の車体左右方向の成分が基準風速より大きいか否かを判定する。風速の車体左右方向の成分が基準風速より大きいと判定された場合(ステップS761/YES)、ステップS763へ進む。一方、風速の車体左右方向の成分が基準風速以下であると判定された場合(ステップS761/NO)、図12に示される制御フローは終了する。
【0112】
基準風速は、具体的には、自車両10の姿勢が過剰に不安定になる程度に風速の車体左右方向の成分が大きいか否かを判定し得る値に適宜設定される。基準風速は、例えば、制御装置150の記憶素子に予め記憶される。
【0113】
ステップS763において、制御部153は、姿勢安定化制御を実行する。それにより、横風を受けることにより自車両10の姿勢が不安定になることを抑制することができる。
【0114】
次に、図12に示される制御フローは終了する。
【0115】
<3.制御装置の効果>
続いて、本実施形態に係る制御装置150の効果について説明する。
【0116】
本実施形態に係る制御装置150では、自車両10の外部の複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報が選択される。また、検出情報及び外部装置の位置情報に基づいて制御情報が選択される。ここで、検出情報の検出元がいずれの外部装置であるかに応じて、検出情報の制御情報としての適性が異なり得る。具体的には、検出情報の制御情報としての適性は、検出情報の検出位置に応じて異なり得る。さらに、検出情報の検出位置と検出情報の制御情報としての適性との間の関係性は、検出情報の種類に応じて異なり得る。ゆえに、検出情報及び外部装置の位置情報に基づいて制御情報を選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として選択することができる。よって、複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を適切に選択することできる。
【0117】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面の状態に関する路面情報である場合、外部装置が位置する車線に関する車線情報に基づいて制御情報が選択され得る。ここで、路面の状態は車線に応じて異なり得る。ゆえに、検出情報が路面情報である場合、検出情報が検出される車線がいずれの車線であるかに応じて、検出情報の制御情報としての適性が異なり得る。よって、検出情報が路面情報である場合において、車線情報に基づいて制御情報を選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として適切に選択することができる。例えば、図7図9を参照して説明した駆動力配分制御、制駆動力制御及び自動停止制御のように制御情報として路面情報が用いられる車両制御について、制御情報を適切に選択することができる。
【0118】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面情報である場合、自車両10の走行車線である自車線上に位置する外部装置により検出された検出情報が制御情報として優先的に選択され得る。ここで、検出情報が路面情報である場合、自車線において検出される検出情報の制御情報としての適性は、自車線と異なる車線において検出される検出情報と比較して高い。ゆえに、検出情報が路面情報である場合において、自車線上に位置する外部装置により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として効果的に選択することができる。
【0119】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面情報である場合、自車線上に位置する外部装置により検出された検出情報が取得されていない場合には、自車線と隣接する同一方向の走行車線である隣接車線上に位置する外部装置により検出された検出情報が制御情報として優先的に選択され得る。ここで、自車両10は、走行中において、先行車両を追い越す目的等により、隣接車線へ車線変更する場合がある。ゆえに、検出情報が路面情報である場合、隣接車線において検出される検出情報の制御情報としての適性は、自車線を除く車線のうち隣接車線と異なる車線において検出される検出情報と比較して高い。よって、検出情報が路面情報であり、自車線上に位置する外部装置により検出された検出情報が取得されていない場合において、隣接車線上に位置する外部装置により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報としてより効果的に選択することができる。
【0120】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、自車両10と外部装置との相対距離を示す距離情報に基づいて制御情報が選択され得る。ここで、路面の状態と異なる外部環境は、車線に依存しにくく、絶対位置に応じて異なり得る。ゆえに、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、自車両10と検出情報の検出位置との相対距離に応じて、検出情報の制御情報としての適性が異なり得る。よって、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合において、距離情報に基づいて制御情報を選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として適切に選択することができる。例えば、図10図12を参照して説明したオートクルーズ制御、冷却制御及び姿勢安定化制御のように制御情報として路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報が用いられる車両制御について、制御情報を適切に選択することができる。
【0121】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、自車両10との相対距離が短い外部装置により検出された検出情報が制御情報として優先的に選択され得る。ここで、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、検出情報の制御情報としての適性は、検出情報の検出位置が自車両10に対して近いほど高い。ゆえに、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合において、自車両10との相対距離が短い外部装置により検出された検出情報を制御情報として優先的に選択することによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として効果的に選択することができる。
【0122】
また、本実施形態に係る制御装置150では、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、自車線と立体交差する走行車線上に位置する外部装置により検出された検出情報が制御情報の候補として用いられ得る。ここで、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合、上述したように、検出情報の制御情報としての適性は、検出情報の検出位置が自車両10に対して近いほど高い。自車線と立体交差する走行車線が存在する場合、自車線と立体交差する走行車線上に位置する外部装置が自車両10に対して最も近い外部装置である可能性がある。ゆえに、検出情報が路面の状態と異なる外部環境に関する環境情報である場合において、自車線と立体交差する走行車線上に位置する外部装置により検出された検出情報を制御情報の候補として用いることによって、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報としてより効果的に選択することができる。
【0123】
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態によれば、自車両10の外部の複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報が選択される。また、検出情報及び外部装置の位置情報に基づいて制御情報が選択される。ここで、検出情報の制御情報としての適性は、検出情報の検出位置に応じて異なり得る。さらに、検出情報の検出位置と検出情報の制御情報としての適性との間の関係性は、検出情報の種類に応じて異なり得る。ゆえに、本実施形態によれば、制御情報としての適性が比較的高い検出情報を制御情報として選択することができる。よって、複数の外部装置によりそれぞれ検出される複数の検出情報から車両制御に用いられる制御情報を適切に選択することできる。
【0124】
なお、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0125】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0126】
1 通信システム
10 自車両
20 他車両
30 路上センサ
40 基地局
50 管理サーバ
110 通信装置
130 カーナビゲーション装置
150 制御装置
151 取得部
152 選択部
153 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12