(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】回転検出装置
(51)【国際特許分類】
G01F 1/00 20220101AFI20220202BHJP
G01F 1/06 20060101ALI20220202BHJP
G01F 15/06 20220101ALI20220202BHJP
【FI】
G01F1/00 G
G01F1/06 Z
G01F1/00 Y
G01F15/06
(21)【出願番号】P 2018008229
(22)【出願日】2018-01-22
(62)【分割の表示】P 2017204650の分割
【原出願日】2017-10-23
【審査請求日】2020-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】五明 智夫
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 博
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-195585(JP,A)
【文献】特開2013-003032(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02262602(GB,A)
【文献】特開平10-267708(JP,A)
【文献】特開平06-036181(JP,A)
【文献】特表2009-521057(JP,A)
【文献】実開平06-028616(JP,U)
【文献】米国特許第04628313(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0118708(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0086195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00,1/06,1/20,3/22,
G01F 15/00-15/18,
G01D 4/00,
G01R 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計
のうち透光板に覆われる文字盤上で流体の流量に応じて回転する針の位置を
前記透光板の外側から検出する回転検出装置であって、
前記透光板の外面に重ねられ、前記針の回転方向で分割された3つ以上の複数のセグメントを有して、それらセグメントを光を透過させる透過状態と透過させない非透過状態とに切り替え可能な遮蔽板と、
前記文字盤に向けて光を照射しかつその反射光を受光すると共に、前記照射から前記受光までの光路の途中に前記複数のセグメントが位置するように前記透光板との間に前記遮蔽板を挟んで配置される測定部と、を備え、
前記測定部により前記透過状態の前記セグメントと前記非透過状態の前記セグメントの位置が異なる2種類以上の透過パターンで前記照射及び前記受光を行う位置検出測定を実行
し、各種類の透過パターンの前記受光の強度の相違に基づいて前記針の位置を検出する回転検出装置。
【請求項2】
前記複数のセグメントは、前記遮蔽板を前記針の回転方向で均等に分割してなる請求項1に記載の回転検出装置。
【請求項3】
前記測定部は、前記流量計が計測可能な最大流量の流体が流れたときに前記針の回転周期を前記複数のセグメントの総数で除した時間より短い間隔で、前記位置検出測定を実行する請求項2に記載の回転検出装置。
【請求項4】
前記複数のセグメントは、前記遮蔽板を前記針の回転方向に4等分してなる請求項2又は3に記載の回転検出装置。
【請求項5】
前記測定部の発光部位と受光部位とが、前記針の回転方向で180度離れて配置される請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載の回転検出装置。
【請求項6】
前記測定部の発光部位及び受光部位と前記針との間に配置される光拡散板を有する請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計に取り付けられて、流体の流量に応じて回転する針の位置を検出する回転検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の回転検出装置は、発光素子から針の裏側の文字盤に向けて光を照射し、その文字盤からの反射光を受光素子で検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許公報第547879号(FIG1,2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の回転検出装置では、光が照射されるポイントに針が存在するか否かが分かるだけであるため、光が1箇所に照射される場合には、照射箇所から外れた針の位置を検出することが困難であった。ここで、光の照射ポイントを移動させたり、画像認識させたりすれば、針の詳細な位置を検出可能となるが、装置が複雑になるという別の問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で針の位置を従来よりも詳細に検出可能な回転検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、流量計のうち透光板に覆われる文字盤上で流体の流量に応じて回転する針の位置を前記透光板の外側から検出する回転検出装置であって、前記透光板の外面に重ねられ、前記針の回転方向で分割された3つ以上の複数のセグメントを有して、それらセグメントを光を透過させる透過状態と透過させない非透過状態とに切り替え可能な遮蔽板と、前記文字盤に向けて光を照射しかつその反射光を受光すると共に、前記照射から前記受光までの光路の途中に前記複数のセグメントが位置するように前記透光板との間に前記遮蔽板を挟んで配置される測定部と、を備え、前記測定部により前記透過状態の前記セグメントと前記非透過状態の前記セグメントの位置が異なる2種類以上の透過パターンで前記照射及び前記受光を行う位置検出測定を実行し、各種類の透過パターンの前記受光の強度の相違に基づいて前記針の位置を検出する回転検出装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記複数のセグメントは、前記遮蔽板を前記針の回転方向で均等に分割してなる請求項1に記載の回転検出装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記測定部は、前記流量計が計測可能な最大流量の流体が流れたときに前記針の回転周期を前記複数のセグメントの総数で除した時間より短い間隔で、前記位置検出測定を実行する請求項2に記載の回転検出装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記複数のセグメントは、前記遮蔽板を前記針の回転方向に4等分してなる請求項2又は3に記載の回転検出装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記測定部の発光部位と受光部位とが、前記針の回転方向で180度離れて配置される請求項1乃至4のうち何れか1の請求項に記載の回転検出装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記測定部の発光部位及び受光部位と前記針との間に配置される光拡散板を有する請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の回転検出装置である。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
本発明の回転検出装置は、流量計のうち透光板に覆われる文字盤上で回転する針の位置を、透光板の外側から検出するために、透光板の外面に重ねられる遮蔽板と透光板との間に遮蔽板を挟んで配置される測定部とを備える。測定部は、文字盤に向けて光を照射しかつその反射光を受光する。遮蔽板は、針の回転方向で分割された3つ以上の複数のセグメントを有し、それらセグメントは透過状態と非透過状態とに切り替え可能であると共に、測定部による照射から受光までの光路の途中に位置している。そして、測定部により透過状態のセグメントと非透過状態のセグメントの位置が異なる2種類以上の透過パターンで照射及び受光を行う位置検出測定が実行されて、各種類の透過パターンの受光の強度の相違に基づいて針の位置が検出される。このように、本発明によれば、簡易な構成を採用して、透光板の外側から透光板の内側の針の位置を従来よりも詳細に検出することが可能となる。
【0013】
[請求項2の発明]
本発明では、遮蔽板を透過する光の量が透過状態のセグメントの数に比例することになるので、文字盤に照射する光の量の制御が容易となる。
【0014】
[請求項3の発明]
本発明では、前回の位置検出測定と今回の位置検出測定の間に針が回転できる範囲がセグメント1つ分の範囲に収まるので、セグメントの境界を跨いで針が回転したときに、その針の回転方向が時計方向と反時計方向の何れであるかを判別可能となる。即ち、本発明によれば、針の位置だけでなく針の回転方向も検出することが可能となる。
【0015】
[請求項4の発明]
本発明によれば、位置検出測定の回数を少なくすることが可能となる。
【0016】
[請求項5の発明]
本発明では、文字盤からの反射光を測定部の受光部位に検出させ易くなる。
【0017】
[請求項6の発明]
本発明によれば、測定部の発光部位からの光を文字盤に安定的に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】回転検出装置が取り付けられる水道メータの斜視図
【
図3】(A)回転検出装置の内部構造を示す断面図、(B)第1支持部と遮蔽板の配置を示す平面図
【
図5】遮蔽板の(A)第1の透過パターンを模式的に示す図、(B)第2の透過パターンを模式的に示す図
【
図6】針の位置と各透過パターンにおける針の見え方との関係を示すテーブル
【
図7】他の実施形態に係る回転検出装置における遮蔽板の透過パターンを模式的に示す図
【
図8】他の実施形態に係る回転検出装置における遮蔽板の透過パターンを模式的に示す図
【
図9】他の実施形態に係る回転検出装置における遮蔽板の透過パターンを模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本実施形態の回転検出装置10が取り付けられる流量計としての水道メータ50が示されている。水道メータ50は、メータ本体51の下部に流入口51Aと流出口51Bを備えている。メータ本体51の上部には、メータ表示部60が備えられている。メータ表示部60は、水道の積算使用量などが表示される表示盤であり、ガラス板52で覆われている。回転検出装置10は、メータ表示部60に上側から重なるように水道メータ50に取り付けられる。
【0020】
図2に示されるように、メータ表示部60は、積算カウンタ61、1リットル指示部62、10リットル指示部63及び通水パイロット64を備えている。積算カウンタ61は、水道の積算使用量を表示する。1リットル指示部62は、0~9までの数字が時計方向に記された円形の文字盤62Bと、文字盤62Bの中心を通る回転軸62Jを有する指針62Sと、を備え、指針62Sは、10リットルの通水で1回転する。10リットル指示部63は、0~9までの数字が時計方向に記された円形の文字盤63Bと、文字盤63Bの中心を通る回転軸63Jを有する指針63Sと、を備え、指針63Sは、100リットルの通水で1回転する。通水パイロット64は、メータ表示部60に垂直な回転軸64Jを有し、通水に応じて回転する。なお、水道メータ50の流入口51Aから流出口51Bへと水が流れるとき(
図1参照)、通水パイロット64は時計方向に回転する。
【0021】
図3(A)に示されるように、回転検出装置10は、1リットル指示部62に対向配置され、1リットル指示部62の文字盤62Bへ向けて光を照射するための発光素子11と、文字盤62Bからの反射光を検出するための受光素子12と、を備えている。発光素子11と受光素子12は、文字盤62Bの周方向(即ち、指針62Sの回転方向)で180度ずれて配置され、発光素子11と文字盤62Bとの間隔は、受光素子12と文字盤62Bとの間隔と略同じになっている。
【0022】
回転検出装置10には、発光素子11及び受光素子12と1リットル指示部62の指針62Sとの間に配置される遮蔽板13が備えられている。遮蔽板13は、例えば、液晶で構成され、光を透過する透過状態と光を透過させない非透過状態とに変化する。
【0023】
詳細には、
図3(B)に示されるように、遮蔽板13は、文字盤62Bよりも大径な円形状に形成され、文字盤62Bと同心に配置される。遮蔽板13は、指針62Sの回転方向で複数のセグメント13Sに分割され、各セグメント13Sが透過状態と非透過状態に変化する。本実施形態では、遮蔽板13は、4つのセグメント13Sに均等に分割されている。
【0024】
ここで、4つのセグメント13Sを、時計方向に並ぶ順に、第1セグメント13A、第2セグメント13B、第3セグメント13C、第4セグメント13Dと、適宜称して区別することにすると、第1セグメント13Aは、その周方向の中心が文字盤62Bの「0」の指標と重なる。第2セグメント13Bは、その周方向の中心が文字盤62Bの「2」と「3」の指標の真ん中と重なる。第3セグメント13Cは、その周方向の中心が文字盤62Bの「5」の指標と重なる。第4セグメント13Dは、その周方向の中心が文字盤62Bの「7」と「8」の指標の真ん中と重なる。なお、セグメント13Sの配置は上記したものに限定されるものでなく、例えば、第1セグメント13Aが文字盤62Bの指標の0~2.5の範囲と重なり、第2セグメント13Bが指標の2.5~5の範囲と重なり、第3セグメント13Cが指標の5~7.5の範囲と重なり、第4セグメント13Dが指標の7.5~0の範囲と重なってもよい。
【0025】
図3(A)に示されるように、回転検出装置10には、発光素子11及び受光素子12と1リットル指示部62の指針62Sとの間に配置される光拡散板14が備えられている。光拡散板14は、表面が粗面となった透明な板材で構成され、発光素子11から照射される光のムラを緩和する。本実施形態では、光拡散板14は、遮蔽板13に対して発光素子11及び受光素子12と反対側に配置されている。なお、光拡散板14は、遮蔽板13と同様に、文字盤62Bより大径な円形状に形成されている。
【0026】
図4に示されるように、回転検出装置10は、遮蔽板13における各セグメント13Sの状態を制御する制御基板15を備えている。制御基板15は、発光素子11と受光素子12にも接続され、発光素子11に光を照射させるための制御信号を発信し、受光素子12から検出信号を受信する。そして、制御基板15は、発光素子11と遮蔽板13(複数のセグメント13S)とを制御して、1リットル指示部62の指針62Sの位置を検出するための位置検出測定を実行する。位置検出測定の結果は、送受信器16を介して外部に送信される。
【0027】
なお、制御基板15は、位置検出測定に先立ってバックグラウンド測定を実行する。バックグラウンド測定では、発光素子11に光を照射させないで受光素子12が検出する光の量が測定される。バックグラウンド測定は、測定周期T1ごとに行われてもよいし、位置検出測定が所定の回数(例えば、100回)実行されるごとに行われてもよい。
【0028】
制御基板15は、複数のセグメント13Sの状態を制御して、遮蔽板13に複数の透過パターンを形成し、各透過パターンにおいて位置検出測定を実行する。透過パターンは、指針62Sの回転方向で連続する2以上のセグメント13Sが共に透過状態又は非透過状態となるように形成される。
【0029】
本実施形態では、制御基板15が形成する透過パターンは、
図5(A)と
図5(B)に示される2つとなっている。
図5(A)に示される第1の透過パターンでは、第2セグメント13Bと第3セグメント13Cが透過状態となり、第1セグメント13Aと第4セグメントDが非透過状態となる。
図5(B)に示される第2の透過パターンでは、第1セグメント13Aと第2セグメント13Bが透過状態となり、第3セグメント13Cと第4セグメント13Dが非透過状態となる。なお、
図5(A)及び
図5(B)では、非透過状態のセグメント13Sにハッチングが施されている。
【0030】
図6には、指針62Sの位置と各透過パターンにおける指針62Sの見え方の関係が示されている。同図における「指針の位置」は、文字盤62B(
図3(B)参照)の指標の位置に対応している。即ち、指針62Sの位置が1.5であるとは、指針62Sが文字盤62Bの「1」と「2」の指標の真ん中に配置されていることを意味する。
【0031】
また、
図6における「指針の見え方」は、受光素子12が検出する光の量に対応している。即ち、指針62Sの全体が透過状態のセグメント13Sと重なる場合、受光素子12によって検出される光の量は指針62Sによって減少される。指針62Sの全体が非透過状態のセグメント13Sと重なる場合、検出される光の量は指針62Sによって減少されない。指針62Sが透過状態のセグメント13Sと非透過状態のセグメント13Sの境界と重なる場合、検出される光の量は指針62Sの一部によって若干減少される。同図において、受光素子12によって検出される光の量が減少されない場合は、指針62Sが検出されなかったとして「0」で表され、検出される光の量が若干減少する場合は、指針62Sの一部が検出されたとして「0.5」で表され、検出される光の量が減少する場合は、指針62Sの全体が検出されたとして「1」で表されている。
【0032】
図6に示されるように、指針62Sの位置が0~1.25又は8.75~0の範囲にある場合、第1の透過パターンでは指針62Sが検出されず、第2の透過パターンで指針62Sが検出される。指針62Sの位置が1.25~3.75の範囲にある場合、第1の透過パターンと第2の透過パターンの両方で指針62Sの全体が検出される。指針62Sの位置が3.75~6.25の範囲にある場合、第1の透過パターンで指針62Sの全体が検出され、第2の透過パターンでは指針62Sが検出されない。指針62Sの位置が6.25~8.75の範囲にある場合、第1の透過パターンと第2の透過パターンの両方で指針62Sが検出されない。以上から、第1の透過パターンと第2の透過パターンのそれぞれにおける指針62Sの検出・非検出によって、指針62Sが文字盤62Bのどの範囲に存在するかが分かる。
【0033】
ここで、例えば、第1の透過パターンで指針62Sの一部が検出される場合、その透過パターンでの検出結果だけからでは、指針62Sが、第1セグメント13Aと第2セグメント13Bの境界に存在するのか、又は、第3セグメント13Cと第4セグメント13Dの境界に存在するのか、が不明となるが、第2の透過パターンでの検出結果と合わせることで、何れの境界に指針62Sが存在するのかを特定できる。同様に、第2の透過パターンで指針62Sの一部が検出せれる場合も、第1の透過パターンでの検出結果と合わせることで指針62Sの位置を特定することができる。
【0034】
本実施形態の回転検出装置10では、一定の測定周期T1ごとに、第1の透過パターンと第2の透過パターンの両方についての位置検出測定が実行される。ここで、水道メータ50を流れる水の最大流量は予め決まっている。そして、測定周期T1は、水道メータ50に最大流量の水が流れたときに指針62Sが文字盤62Bを1周するのに要する最短周回時間T2の4分の1以下となっている。従って、測定周期T1の間に指針62Sが回転できる範囲がセグメント13S1つ分の範囲に収まり、指針62Sがセグメント13Sの境界を跨いで回転したときに、その指針62Sの回転方向が時計方向と反時計方向の何れであるかを判別可能となる。即ち、本実施形態の回転検出装置10によれば、指針62Sの位置だけでなく指針62Sの回転方向も検出することが可能となる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の回転検出装置10は、遮蔽板13のセグメント13Sを透過状態又は非透過状態にして第1透過パターンと第2透過パターンを形成し、それぞれの透過パターンで位置検出測定を行うことで、指針62Sの位置を検出する。このように、回転検出装置10によれば、簡易な構成を採用して、指針62Sの位置を従来よりも詳細に検出することが可能となる。
【0036】
しかも、回転検出装置10では、遮蔽板13が4つのセグメント13Sに分割されているので、透過パターンを2つ形成するだけで指針62Sの位置を検出することが可能となり、位置検出測定の回数を少なくすることができる。
【0037】
また、回転検出装置10では、複数のセグメント13Sが遮蔽板13を均等に分割してなるので、遮蔽板13を透過する光の量が透過状態のセグメント13Sの数に比例することになり、文字盤62Bに照射する光の量の制御が容易となる。
【0038】
さらに、回転検出装置10では、遮蔽板13が4つのセグメント13Sに均等に分割され、測定周期T1が、最大流量の水が水道メータ50に流れたときに指針62Sが文字盤62Bを1周するのに要する最短周回時間T2の4分の1以下になっているので、指針62Sの位置だけでなく回転方向も検出することが可能となる。
【0039】
なお、本実施形態では、指針62Sが本発明の「針」に相当し、制御基板15が本発明の「測定部」に相当する。
【0040】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0041】
(1)上記実施形態において、光拡散板14は、遮蔽板13に対して発光素子11及び受光素子12と同じ側に配置されてもよい。また、上記実施形態において、光拡散板14を備えない構成としてもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、回転検出装置10が水道メータ50に取り付けられる例を示したが、流量に応じて回転する指針を備えた流量計に取り付けられればよく、例えば、ガスメータに取り付けられてもよい。
【0043】
(3)上記実施形態において、1つのセグメント13Sを非透過状態にし、残りのセグメント13Sを透過状態にすることで、透過パターンを形成し、非透過状態にするセグメント13Sを替えることで、4つの透過パターンを形成してもよい。この場合、測定周期T1ごとに全ての透過パターンについて位置検出測定が行われる。
【0044】
(4)上記実施形態において、遮蔽板13は、3つのセグメント13Sに均等に分割されてもよいし、5つ以上のセグメントに均等に分割されてもよい。3つのセグメント13Sに分割される場合には、例えば、
図7(A)~
図7(C)に示される3つの透過パターンを形成することで、指針62Sの位置を検出することができる。また、5つのセグメント13Sに分割される場合には、例えば、
図8(A)~
図8(C)に示される3つの透過パターンを形成することで、指針62Sの位置を検出することができる。なお、何れの場合においても、最短周回時間T2をセグメントの数で除した時間以下に測定周期T1を設定すれば、指針62Sの回転方向を判別することができる。
【0045】
(5)上記実施形態において、遮蔽板13が均等に分割されず、複数のセグメント13Sが異なる大きさであってもよい。この場合であっても、
図9(A)及び
図9(B)に示される第1と第2の透過パターンで位置検出測定が行われることで、指針62Sの位置を検出することができる。なお、複数のセグメント13Sが異なる大きさになると、複数の透過パターンの間で透過状態のセグメント13Sの面積に差が生じるため、その面積の差を考慮して、検出される光量を補正すればよい。また、周方向に最も短いセグメント13Sに合わせて測定周期T1を設定すれば、指針62Sの回転方向を判別することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 回転検出装置
11 発光素子
12 受光素子
13 遮蔽板
15 制御基板(測定部)
50 水道メータ(流量計)
60 メータ表示部
62 1リットル指示部
62B 文字盤
62S 指針(針)