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▶ ハイペリオン セミコンダクターズ オサケユイチアの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】半導体論理素子および論理回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20220202BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20220202BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20220202BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20220202BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
H01L27/092 A
H01L27/04 F
H01L27/088 331E
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019501557
(86)(22)【出願日】2017-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 FI2017050537
(87)【国際公開番号】W WO2018011472
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】20160183
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517247413
【氏名又は名称】ハイペリオン セミコンダクターズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】アルット アウロラ
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-188201(JP,A)
【文献】特開2016-076285(JP,A)
【文献】特開2014-007398(JP,A)
【文献】特表平08-507177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8238
H01L 27/088
H01L 27/04
H01L 27/088
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソース、第1ドレイン、第1ゲートおよび第1チャネルを備える、第1FETと以下で呼ぶ第1導電型電界効果トランジスタと、
第2ソース、第2ドレイン、第2ゲートおよび第2チャネルを備える、第2FETと以下で呼ぶ第2導電型電界効果トランジスタと、
を備える第1半導体論理素子であって、
前記第1半導体論理素子は、第1内部ノードを備え、
該第1内部ノードは、前記第1ドレインおよび前記第2ゲートで少なくとも部分的に形成されており、
前記第1ゲートは、以下で、第1入力と呼ばれ、
前記第1入力は、第1入力論理電位、または、第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
前記第2ドレインは、第1出力と呼ばれ、
前記第2ソースは、前記第1半導体論理素子のソースであり、
前記第1半導体論理素子は、前記第1ソースが第1ソース電位にあるようにアレンジされるとき、および、前記第2ソースが第1出力論理電位にあるとき、および、前記第1入力が前記第1入力論理電位にあるとき、前記第1チャネルは、前記第1内部ノードを、前記第2チャネルを非導電状態にあるようにさせる電位に調整し、これにより、前記第1出力を、前記第1出力論理電位または第2出力論理電位のいずれかであり得ることを可能にする非導電状態にあるようにアレンジされるように構成され、
前記第1半導体論理素子は、さらに、前記第1ソースが前記第1ソース電位にあるようにアレンジされるとき、および、前記第2ソースが前記第1出力論理電位にあるとき、および、前記第1入力が前記第2入力論理電位にあるとき、前記第1チャネルは、前記第1内部ノードが電位を、前記第2チャネルに導電状態にあるように調整することを可能にし、それによって前記第1出力を前記第1出力論理電位に調整する非導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成される、
第1半導体論理素子。
【請求項2】
前記第1内部ノードは、前記第1ドレインおよび、前記第2ゲートの少なくとも部分の両方として作用する単一のドープ領域と、前記第1ドレインおよび前記第2ゲートを接続する配線と、のうちの1つを備える、請求項1に記載の第1半導体論理素子。
【請求項3】
前記第1FETと、前記第2FETとのうちの少なくとも1つは、空乏モード電界効果トランジスタである、請求項1または2に記載の第1半導体論理素子。
【請求項4】
前記第1FETと前記第2FETとのうちの少なくとも1つは、エンハンスメント型電界効果トランジスタである、請求項1または2に記載の第1半導体論理素子。
【請求項5】
前記第1FETは、接合型電界効果トランジスタ、導電体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導電体半導体電界効果トランジスタのうちの1つである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子。
【請求項6】
前記第2FETは、接合電界効果トランジスタと、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタと、導体半導体電界効果トランジスタと、のうちの1つである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子。
【請求項7】
前記第1FETと、前記第2FETとのうちの少なくとも1つは、外部ゲートに対応する補助ゲートと、ゲートに対応するバックゲートドーピングとを備える空乏モード導体絶縁半導体電界効果トランジスタである、請求項3ないし6のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子。
【請求項8】
前記第1FETが、空乏モード導体絶縁半導体電界効果トランジスタである場合、
前記第1FETの前記補助ゲートは、移動性第2導電型電荷キャリアの層が、前記第1入力が前記第1入力論理電位に、または、前記第2入力論理電位に、バイアスされるか否かにかかわらず、前記第1FETの外部ゲートの下の絶縁体半導体界面に確立されるように、バイアスされるように構成され、
前記第1ゲートの部分として動作し、
第2導電型バックゲートドーピングとは反対側から前記第1チャネルを制御する移動性第2導電型電荷キャリアの前記層と、前記第2FETが、前記第2FETの補助ゲートは、前記第1入力が前記第1入力論理電位に、または、前記第2入力論理電位に、バイアスされるか否かにかかわらず、移動性第1導電型電荷キャリアの層が、第2FETの外部ゲートの下にある絶縁体半導体界面に確立されるように、バイアスされるように構成される、空乏モード導体絶縁半導体電界効果トランジスタである場合、
移動性第1導電型電荷キャリアの前記層が、前記第2ゲートの部分として動作し、
第1導電型バックゲートドーピングとは反対側から前記第2チャネルを制御する、
請求項7に記載の第1半導体論理素子。
【請求項9】
空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは、外部ゲートおよびバックゲートドーピングの両方を含み、
空乏モード導体半導体電界効果トランジスタを含む場合、前記ゲートは外部ショットキーゲートとバックゲートドーピングの両方を含み、
フロントゲートドーピングおよびバックゲートドーピングを有する空乏モード接合電界効果トランジスタを含む場合、前記ゲートは前記フロントゲートドーピングおよび前記バックゲートドーピングの両方を含む、
請求項3ないし6のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子。
【請求項10】
空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは外部ゲートまたはバックゲートドーピングのいずれかに対応し、前記ゲートは、該ゲートが位置する側からのみチャネルを制御し、
空乏モード導体半導体電界効果トランジスタを含む場合、前記ゲートは外部ショットキーゲートまたはバックゲートドーピングのいずれかに対応し、前記ゲートは該ゲートが位置する側からのみ前記チャネルを制御し、
フロントゲートドーピングおよびバックゲートドーピングを有する空乏モード接合電界効果トランジスタを含む場合、前記ゲートは前記フロントゲートドーピングまたは前記バックゲートドーピングのいずれかに対応し、前記ゲートは該ゲートが位置する側面からのみ前記チャネルを制御する、
請求項3ないし6のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子。
【請求項11】
前記第2FETは、エンハンスメントモード導体絶縁半導体電界効果トランジスタに対応し、
前記第2FETのゲートは、外部ゲートに対応し、
前記第1FETは、チャネルを少なくとも両側から閉じ込めるゲートおよび、ゲートがショットキーゲートとバックゲートドーピングとに対応する、
空乏モード導電体半導体電界効果トランジスタを含む空乏モード接合電界効果トランジスタと、
- 移動性第2導電型電荷キャリアの層が、前記第1入力が前記第1入力論理電位に、または、前記第2入力論理電位に、バイアスされるか否かの事実に関係なく、第1FETの外部ゲートの下の絶縁体半導体界面に確立されるようにバイアスされるように構成される補助ゲートに対応する外部ゲート、および、前記第1ゲートの部分として動作し、
第2導電型バックゲートドーピングとは反対側から前記第1チャネルを制御する移動性第2導電型電荷キャリアの前記層と、
- 外部ゲートおよびバックゲートドーピングに対応するゲートと、の構成のうちの1つを組み込む空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタと、
のいずれかに対応する、請求項1または2に記載の第1半導体論理素子。
【請求項12】
- 第3ソース、第3ドレイン、第3ゲート、および、第3チャネルを備える第3FETと以下で呼ぶpタイプの電界効果トランジスタと、
- 第4ソース、第4ドレイン、第4ゲート、および、第4チャネルを備える第4FETと以下で呼ぶnタイプの電界効果トランジスタと、
を備える第2半導体論理素子であって、
前記第2半導体論理素子は、第2内部ノードを備え、
前記第2内部ノードは、前記第3ドレインおよび前記第4ゲートで少なくとも部分的に形成されており、
前記第3ゲートは、第2入力と以下で呼ばれ、
前記第2入力は、第3入力論理電位または第4入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
前記第4ドレインは、第2出力と呼ばれ、
前記第4ソースは、前記第2半導体論理素子のソースであり、
前記第2半導体論理素子は、前記第3ソースが第3ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第4ソースが第3出力論理電位にあるとき、および、前記第2入力が前記第3入力論理電位にあるとき、前記第3チャネルは、前記第2内部ノードを、前記第4チャネルを非導電状態にさせる電位に調整させ、したがって、前記第2出力を、前記第3出力論理電位または第4出力論理電位のいずれかにすることができる非導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成され、
前記第2半導体論理素子は、さらに、前記第3ソースが前記第3ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第4ソースが前記第3出力論理電位にあるとき、および、前記第2入力が前記第4入力論理電位にあるとき、前記第3チャネルは、前記第2内部ノードを、前記第4チャネルを導電状態にさせる電位に調整することを可能にし、それによって前記第2出力を前記第3出力論理電位に調整する非導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成される、
第2半導体論理素子。
【請求項13】
- 第5ソース、第5ドレイン、第5ゲート、および、第5チャネルを含む第5FETと以下で呼ぶnタイプの電界効果トランジスタと、
- 第6ソース、第6ドレイン、第6ゲート、および、第6チャネルを含む第6FETと以下で呼ぶpタイプの電界効果トランジスタと、
を備える第3半導体論理素子であって、
前記第3半導体論理素子は、第3内部ノードを備え、
該第3内部ノードは、前記第5ドレインおよび前記第6ゲートで少なくとも部分的に形成されており、
前記第5ゲートは、第3入力と以下で呼ばれ、
前記第3入力は、第5入力論理電位または第6入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
前記第6ドレインは、第3出力と呼ばれ、
前記第6ソースは、前記第3半導体論理素子のソースであり、
前記第3半導体論理素子は、前記第5ソースが第5ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第6ソースが第5出力論理電位にあるとき、および、前記第3入力が前記第5入力論理電位にあるとき、前記第5チャネルは、前記第3内部ノードを、前記第6チャネルを非導電状態にさせる電位に調整させ、したがって、前記第3出力を、前記第5出力論理電位または第6出力論理電位のいずれかにすることができる非導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成され、
前記第3半導体論理素子は、前記第5ソースが第5ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第6ソースが前記第5出力論理電位にあるとき、および、前記第3入力が前記第6入力論理電位にあるとき、前記第5チャネルは、前記第3内部ノードを、前記第6チャネルを導電状態にさせる電位に調整することを可能にし、それによって前記第3出力を前記第5出力論理電位に調整する非導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成される、
第3半導体論理素子。
【請求項14】
少なくとも1つの、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子、および、少なくとも1つの第4半導体論理素子を備える論理回路であって、
前記第4半導体論理素子は、第7ソース、第7ドレイン、第7ゲートおよび第7チャネルを備える第7FETと以下で呼ぶ前記第2導電型電界効果トランジスタと、
第8ソース、第8ドレイン、第8ゲートおよび第8チャネルを備える第8FETと以下で呼ぶ前記第1導電型電界効果トランジスタと、を含み、
前記第4半導体論理素子は、第4内部ノードを含み、
前記第4内部ノードは、少なくとも部分的に、前記第7ドレインと前記第8ゲートで形成され、
前記第7ゲートは、第4入力と以下で呼ばれ、
前記第4入力は、第7入力論理電位または第8入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
前記第8ドレインは、前記第4半導体論理素子の出力と呼ばれ、
前記第8ソースは、前記第4半導体論理素子のソースであり、
前記第4半導体論理素子は、前記第7ソースが第7ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第8ソースが第7出力論理電位にあるとき、および、前記第4入力が前記第7入力論理電位にあるとき、前記第7チャネルは、前記第4内部ノードを、前記第7ソース電位に調整し、それにより、前記第8チャネルに導電状態にあるようにさせ、したがって、第4出力を、前記第7出力論理電位または第8出力論理電位のいずれかにすることができる導電状態にあるようにアレンジされる、ように構成され、
前記第4半導体論理素子は、前記第7ソースが前記第7ソース電位においてアレンジされるとき、および、前記第8ソースが前記第7出力論理電位にあるとき、および、前記第4入力が前記第8入力論理電位にあるとき、前記第7チャネルは、前記第4内部ノードを、前記第8チャネルを導電状態にさせる電位に調整することを可能にし、それによって前記第4出力を前記第7出力論理電位に調整する非導電状態にあるようにアレンジされるようにさらに構成される、
論理回路。
【請求項15】
- 前記第7入力論理電位は、前記第2入力論理電位に対応し、
- 前記第8入力論理電位は、前記第1入力論理電位に対応し、
- 前記第7出力論理電位は、前記第2出力論理電位に対応し、
- 前記第8出力論理電位は、前記第1出力論理電位に対応する、
請求項14に記載の論理回路。
【請求項16】
前記論理回路はインバータ構成として動作するものであり、該論理回路は、
- 前記第2ソースは前記第1出力論理電位に接続されており、
- 前記第8ソースは前記第2出力論理電位に接続されており、
- 前記第1入力および前記第4入力は、前記インバータ構成の入力として互いに接続されており、
- 前記第1出力および前記第4出力は、インバータ構成の出力として一緒に接続されており、
- 前記インバータ構成の前記入力は、前記第1入力論理電位または前記第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
- 前記インバータ構成の入力が、前記第1入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第2出力論理電位に設定され、
- 前記インバータ構成の前記入力が、前記第2入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第1出力論理電位に設定されるようにインバータ構成として動作するように構成される、
請求項15に記載の論理回路。
【請求項17】
前記第1入力論理電位は、前記第1出力論理電位と同じであり、前記第2入力論理電位は、前記第2出力論理電位と同じである、請求項14または15に記載の論理回路。
【請求項18】
少なくとも1つの、請求項12に記載の第2半導体論理素子と、
少なくとも1つの、請求項13に記載の第3半導体論理素子と
を備える論理回路。
【請求項19】
- 請求項12に記載の第2半導体論理素子と、
- 請求項13に記載の第3半導体論理素子と
を備える論理回路であって、
- 前記第5入力論理電位は、前記第4入力論理電位に対応し、
- 前記第6入力論理電位は、前記第3入力論理電位に対応し、
- 前記第5出力論理電位は、前記第4出力論理電位に対応し、
- 前記第6出力論理電位は、前記第6出力論理電位に対応する、
論理回路。
【請求項20】
前記論理回路はインバータ構成として動作するものであり、該論理回路は、
- 第4ソースが前記第3出力論理電位に接続されており、
- 前記第6ソースは前記第4出力論理電位に接続されているようにインバータ構成として動作するように構成され、
- 第2入力および前記第3入力が、前記インバータ構成の入力として互いに接続されており、
- 第2出力および前記第3出力が、前記インバータ構成の出力として互いに接続されており、
- 前記インバータ構成の前記入力は、前記第3入力論理電位または前記第4入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
- 前記インバータ構成の前記入力が、前記第3入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第4出力論理電位に設定され、
- 前記インバータ構成の前記入力が、前記第4入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第3出力論理電位に設定される、
請求項19に記載の論理回路。
【請求項21】
前記第3入力論理電位は、前記第3出力論理電位と同じであり、前記第4入力論理電位は、前記第4出力論理電位と同じである、請求項19または20に記載の論理回路。
【請求項22】
少なくとも1つの、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子と、
第1導電型電界効果トランジスタに対応する少なくとも1つの相補型半導体論理素子と
を備える論理回路。
【請求項23】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の第1半導体論理素子と、
第1導電型ソース、第1導電型ドレイン、ゲート、および、チャネルを備える第1導電型電界効果トランジスタと、
を備える論理回路であって、
前記第2ソースは前記第1出力論理電位に接続されており、
第1導電型電界効果トランジスタにおいて、前記第1導電型ソースが前記第2出力論理電位に接続しており、
前記第1導電型電界効果トランジスタの前記第1導電型ドレインおよび前記第1出力が、インバータ構成の出力として互いに接続され、
前記第1導電型電界効果トランジスタの前記ゲートおよび前記第1出力が、前記インバータ構成の出力として互いに接続され、
前記インバータ構成の入力は、前記第1入力論理電位または前記第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、
前記インバータ構成の前記入力が前記第1入力論理電位に結合されるとき、前記第1導電型電界効果トランジスタの前記チャネルは、前記インバータ構成の前記出力は、前記第2出力論理電位に設定されるように導電性であり、
前記インバータ構成の前記入力が前記第2入力論理電位に結合されるとき、前記第1導電型電界効果トランジスタのチャネルは、前記インバータ構成の前記出力を前記第1出力論理電位にさせるように非導電性である、
論理回路。
【請求項24】
前記第1導電型電界効果トランジスタは、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、接合電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つである、請求項23に記載の論理回路。
【請求項25】
前記第1入力論理電位は、前記第1出力論理電位と同じであり、前記第2入力論理電位は、前記第2出力論理電位と同じである、請求項23または24に記載の論理回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は半導体ソリューションに関する。より具体的には、本願発明は、相補バイナリ論理における従来の半導体論理素子を少なくとも部分的に置き換える半導体論理素子に関する。
【背景技術】
【0002】
本願開示を明確にするために、注釈を入れる。本願明細書において、相補バイナリ論理という用語は、入力および出力をそれぞれ有する半導体論理素子、または、相補半導体論理素子のいずれかに対応する論理素子のセットを含む論理回路を指す。相補型バイナリ論理回路における定常状態の間、入力または出力における電位は、論理電位と呼ばれる2つの異なる値のみを持つことができ、異なる電位にある一組の半導体論理素子内のノード間に導電経路が存在しないため、定常状態での低消費電力が可能になる。
【0003】
さらに、相補型バイナリ論理では、他の論理素子の入力に接続された論理素子の出力を有する論理素子のネットワークを確立することのみが可能であり、論理素子の入力/出力は、ネットワーク全体で同じである2つの異なる電位でのみバイアスされる。
【0004】
論理という用語は、半導体論理素子および半導体論理素子を含む論理回路をアナログ調整素子/回路から分離することに留意することが重要である。本願明細書では、バイナリ論理、相補論理、および論理という用語は、本願明細書では、他の論理型は検討されていないので、一般に相補バイナリ論理を指す文脈で使用されることにも留意すべきである。さらに、本願明細書では、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)論理は、より広く、より正確な範囲のために、従来型相補型導体絶縁体半導体(CCIS)論理と呼ばれる。同様に、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ(CISFET)と呼ばれる。従来のCCIS論理は、2つの逆の型のエンハンスメントモードCISFETに基づいている。
【0005】
図2は、2つの対向型エンハンスメントモードCISFETの概略レイアウトを示す。そして、図1は、図2の破線271に沿った2つの対向型エンハンスメントモードCISFETの概略断面図を示している。図1および図2のバックスラッシュ線は第1導電型を指し、スラッシュ線は第2導電型を指す。2つの異なる導電型は、p型とn型を指すが、どちらをアレンジするかは関係ない。
【0006】
左側のCISFETは、ソースに対応する第1導電型ソースドーピング111、ドレインおよび出力に対応する第1導電型ドレインドーピング113、ゲートおよび出力に対応する外部ゲート125、外部ゲートを取り囲むゲート絶縁材料161の層(ゲートコンタクトの位置を除く)、第2導電型バックゲートドーピング147、および、バックゲートドーピング147に対する第2導電型コンタクトドーピング117を含む。右側のCISFETは、ソースに対応する第2導電型ソースドーピング112、ドレインおよび出力に対応する第2導電型ドレインドーピング114、ゲートおよび入力に対応する外部ゲート126、外部ゲートを取り囲むゲート絶縁材料層161(ゲートコンタクトの位置を除く)、第1導電型バックゲートドーピング148、および、バックゲートドーピング148に対する第1導電型コンタクトドーピング118を含む。CISFETとコンタクトドーピングの両方は、絶縁体トレンチ162によって囲まれている。CISFETの下には、いずれかの導電型の半導体基板100がある。
【0007】
バックゲートドーピングは、補助ゲートノードと呼ばれる別個のノードに接続することができ、補助ゲートノード上の電位は、対応するCISFETの閾値電圧を調整するために使用することができる。CISFETのバックゲートドーピングが半導体基板と同じ導電型である場合、補助ゲートノードはこの型のすべてのCISFETに共通である。CISFETのバックゲートドーピングが基板とは反対の導電型の場合、この型のCISFETは個々の補助ゲートノードを有する。CISFETの下に絶縁体層を組み込むことによって、および、この絶縁体層に達する十分に深いトレンチを組み込むことによって、両方の型のCISFETに対して個々の補助ゲートノードを有することが可能であるが、これはコストを増大させる。他の選択肢は、同じ導電型のバックゲートドーピングから基板を分離するために使用することができる基板とは反対のドーピング型の適切なウェルドーピングを提供することである。バックゲートドーピングは、対応するCISFETのソースにも接続することができるが、この場合、閾値電圧を調整する能力は失われる。ソース、入力、および出力を含む右側の第2型のCISFETは、ソース、入力、および出力を含む従来の半導体論理素子に対応する。同様に、ソース、入力、および出力を含む左側の第1型のCISFETは、前述のソース、入力、および出力を有する従来の相補型半導体論理素子に対応する。従来の半導体論理素子および従来の相補型半導体論理素子は、論理演算を実行することができる従来の相補型バイナリ論理の実現を可能にする。その結果、前記2つの反対型のCISFETは、論理演算を実行することができる従来のCCIS論理の実現を可能にする。
【0008】
従来のCCIS論理では、従来の半導体論理素子および従来の相補型半導体論理素子の組において、従来の半導体論理素子の第2導電型ソースが第1論理電位に接続され、従来の相補型半導体論理素子における第1導電型ソースが第2論理電位に接続され、ゲート126は入力として機能し、ドレイン114は従来の半導体論理素子の出力として機能し、従来の相補型半導体論理素子において、ゲート125は入力としておよびドレイン113は出力として機能し、そして、従来型の半導体論理素子および相補型半導体論理素子の入力および出力は、第1論理電位または第2論理電位でのみ定常状態の間にあり得るのが一般的なアレンジである。さらに、従来の半導体論理素子では、ソースとドレインとを接続するチャネルは、
- ソースおよび入力が第1論理電位にあるときには非導電性であり、
- ソースが第1論理電位にあり入力が第2論理電位にあるときは導電性である。
同様に、従来の相補型半導体論理素子では、ソースとドレインとを接続するチャネルは、
- ソースと入力が第2論理電位にあるときは非導電性であり、
- ソースが第2論理電位にあり、入力が第2論理電位にあるときは導電性である。
前述の従来のCCIS論理では、論理演算を実行するために前記共通のアレンジが利用されている。従来のCCIS論理における前述のアレンジの重要な動作上の特徴は、入力が従来の半導体論理素子の、または従来の相補型半導体論理素子のソースと同じ論理電位にあるとき、出力はいずれの論理電位(第1論理電位または第2論理電位)にもなり得ることである。すなわち、入力は出力を制御しない。一方、入力とソースが異なる論理電位にあるとき、出力はソースと同じ論理電位に設定される、すなわち入力は出力上の論理電位を決定する。
【0009】
従来のCCIS論理の優れた独自の利点は、消費電力が非常に少ないことある。これは、定常状態にある従来のCCIS論理回路の一部において異なる電位にある2つのノード間に導電性電流経路が存在しないという事実によるものである。すなわち、定常状態中の電力消費は漏洩のみによるものである。これは、他の公表されている半導体論理アレンジメントには当てはまらない。従来のCCIS論理の大きな利点はまた、対応する従来の半導体論理素子および従来の相補型半導体論理素子が、非常に小さな面積しか消費せず、したがって多くの回路を小さな面積に詰め込むことができ、低コストになることである。従来のCCIS論理のもう1つの大きな利点は、導電段階ではチャネルが可動電荷キャリアの反転層に対応することである。つまり、チャネルに大量の電荷を詰め込むことができ、高速動作が可能になる。低消費電力、低コスト、および高速動作に加えて、従来のCCIS論理は、しかしながら、未公開の特許出願PCT/FI2016/050014に記載されている多数の問題も有している。この特許出願は、本願明細書に参照として含まれる。特に、従来の相補型半導体論理素子と同様に従来の半導体論理素子の問題は、単一の欠陥は、少なくとも2つの論理ライン(入力に接続されている1つの論理ラインと出力に接続されているもう一方の論理ライン)の間で永久的な導電性経路の形成をもたらす可能性があり、少なくとも2つの論理ラインを同時に破損しているということである。
【0010】
従来の半導体論理素子および従来の相補型半導体論理素子を、接合電界効果トランジスタ(JFET)および/または金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)に基づいて実現するためのCISFET以外のあまり有益でない方法もあることに留意する。これは、PCT/FI2016/050014に記載の通りである。MESFETは、本願明細書において以降、導体半導体電界効果トランジスタ(CSFET)と呼ばれる。
【0011】
特許出願PCT/FI2016/050014には、相補論理を実現するための代替方法が記載されている。特にこの特許出願では、従来の半導体論理素子に取って代わることができる新規な半導体論理素子を作り出す方法、ならびに従来の相補型半導体論理素子に取って代わることができる新しい相補型半導体論理素子を作り出す方法について述べている。新規な半導体論理素子ならびに新規な相補型半導体論理素子の利点は、単一の欠陥が、(一方の論理線が入力に接続され、他方の論理線が他方に接続される)2つの論理線の間に永久的な導電経路を形成するという結果にならないことである。
【0012】
新規な半導体論理素子は、第1電界効果トランジスタ(FET)と第2FETとを含み、新規な相補型半導体論理素子は、相補型の第1FETと相補型の第2FETとを含む。新規な半導体論理素子において、入力は第1FETのゲートに対応し、出力は第2FETのドレインに対応する。さらに、第1FETのドレインならびに第2FETのゲートに対応する内部ノードがある。新規な相補形半導体論理素子では、入力は相補形の第1FETのゲートに対応し、出力は相補形の第2FETのドレインに対応する。さらに、相補型の第1FETのドレインおよび相補型の第2FETのゲートに対応する内部ノードがある。さらに、新規の半導体論理素子においても新規の相補型半導体論理素子においても、入力と内部ノードとの間の「引きずり」コンデンサを利用することが有利である。さらなる詳細については、参照として本願明細書に参照として開示されている前述の特許出願PCT/FI2016/050014を参照のこと。
【0013】
PCT/FI2016/050014による半導体論理素子が、空乏モード第2FETを含み、第2FETのゲートとソースとの間にpnおよび/またはショットキー接合が存在する場合、入力が第1の入力論理電位から第2の入力論理電位にするようにされるとき、半導体論理の内部ノードは、入力がクランプ開始電位に達すると、第1の出力論理電位にクランプされる。入力がクランプ開始電位から第2入力論理電位にされた結果は、最終結果、すなわち、内部ノードが第2FETのソースがバイアスされる第1出力論理電位にほぼ安定した後に第2FETのチャネルがどの程度導電性になるかには影響しない。これは、内部ノードのクランプがスイッチングの間に不要な電流を発生させ、それが出力に接続されている論理ラインの充電をスピードアップするのではなく、対応する回路のスイッチング関連電力消費を増加させるだけであることを意味する。第2チャネルの導電率に加えて、第2出力論理電位から第1出力論理電位への出力の充電速度は、第1出力論理電位および第2出力論理電位の間の電位差だけでなく、出力に取り付けられる配線の抵抗および静電容量にも依存する。
【0014】
したがって、PCT/FI2016/050014による半導体論理素子が、第2FETのゲートとソースとの間にpn接合および/またはショットキー接合が存在する空乏モード第2FETを含む場合、内部ノードの第1出力論理電位へのクランプは、速度を改善することなく前記半導体論理素子のスイッチング関連の電力消費を増加させる。さらに、半導体論理素子の出力に接続された論理線は、他の半導体論理素子および相補型半導体論理素子のいくつかの入力に接続されてもよく、そこでクランプも行われてもよい。したがって、第2チャネルは、実質的なクランプ関連容量性負荷を充電する可能性があり、これは、クランプにより第2チャネル内の電流がかなり増大し、それによって回路全体のスイッチング関連電力消費が著しく増大する可能性がある。
【0015】
PCT/FI2016/050014号による半導体論理素子において、第2FETが空乏モードまたはエンハンスメントモード電界効果トランジスタであるかどうかという事実とは無関係に、スイッチング中に生じる可能性があるさらなる問題は、短絡電流誘導スイッチング関連電力消費である。それは、論理線がPCT/FI2016/050014による半導体論理素子の出力とPCT/FI2016/050014に従った相補型半導体論理素子、従来の相補型半導体論理素子のうちの少なくとも1つの出力とに接続されるときに起こる。この場合、スイッチング中に、異なる電位にバイアスされている2つのノード間(例えば、第2FETの第2ソースと相補型の第2FETの第2ソースとの間)に導電経路が存在し得る。この短絡スイッチングに関連した電力消費は激しくなる可能性があり、クランピングに起因するスイッチングに関連した電力消費を実質的に超えることさえあり得る。
【0016】
また、入力に関連する容量を小さくすると、入力に接続されている論理ラインでスイッチング中に流れる電流が小さくなることを理解することも重要である。これは、入力関連の容量を減らすことができるほど、スイッチング関連の電力消費を小さくできることを意味する。
【0017】
特に、モバイルおよびモノのインターネット(IoT)用途では、電池の交換または充電の間の期間を長くするために、半導体ベースの論理のスイッチング関連の電力消費を最小限に抑えることが非常に望ましい。
【発明の概要】
【0018】
以下では、様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために簡略化された要約を提示する。この要約は本願発明の広範な概要ではない。本願発明のキーとなる要素または重要な要素を特定することも、本願発明の範囲を描写することも意図するものではない。以下の要約は、本願発明の例示的な実施形態のより詳細な説明の前置きとして、本願発明のいくつかの概念を単純化された形で単に提示するものである。
【0019】
本願発明の目的は、PCT/FI2016/050014に記載されている対応する半導体論理素子よりも低いスイッチング関連電力消費を提供する、新規な半導体論理素子および回路を導入することである。
【0020】
本願発明の他の目的は、従来の相補型論理において従来の半導体論理素子を置き換えることができる新規な半導体論理素子を提供することである。本願発明のさらに別の目的は、従来の相補型論理回路における相補型の従来型半導体論理素子を置き換えることができる新規な相補型半導体論理素子を提供することである。
【0021】
本願発明の目的は、それぞれの独立形式の請求項よって定義される半導体論理素子によって達成される。
【0022】
第1態様によれば、以後第1FETと呼ぶ第1導電型の電界効果トランジスタと、以後第2FETと呼ぶ第2導電型の電界効果トランジスタとを備える半導体論理素子が提供され、半導体回路素子は内部ノードを含み、内部ノードは少なくとも部分的に、第1FETのドレインおよび第2FETのゲートで形成され、第1FETのゲートは以後、半導体論理素子の入力と呼ばれる。ここで、入力は、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、第2FETのドレインは半導体論理素子の出力と呼ばれ、第2FETのソースは半導体論理素子のソースである。半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされているとき、第2FETのソースが第1出力論理電位にあり、かつ入力が第1入力論理電位にあるとき、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間に非導電性チャネルが確立され、第2FETのソース間にチャネルを生じさせる電位に内部ノードを調整し、第2FETのドレインを非導通状態にして、半導体論理素子の出力を第1出力論理電位または第2出力論理電位にすることができるように構成される。ここで、半導体論理素子はさらに、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされるとき、第2FETのソースが第1出力論理電位にあり、かつ、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間のチャネルは、第2FETのソースと第2FETのドレインとの間に可動第2導電型電荷キャリアを含む導電チャネルを確立する電位に調整するために、内部ノードを動作可能にする非導電状態にあるようにアレンジされるように構成される。それにより、第2FETおよび第2FETのドレインは、出力を第1出力論理電位に調整する。
【0023】
内部ノードは、第1ドレインおよび第2ゲートの少なくとも一部の両方として作用する単一のドープ領域、第1ドレインドーピングおよび第2ゲートのうちの1つを含むことができる。
【0024】
さらに、第1FET、第2FETのうち少なくとも1つは、空乏モード電界効果トランジスタであり得る。あるいは、または、さらに、第1FET、第2FETのうちの少なくとも1つは、エンハンスメントモード電界効果トランジスタであり得る。第1FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。
【0025】
第2FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。
【0026】
第1FET、第2FETのうち少なくとも1つは、外部ゲートに対応する補助ゲートと、ゲートに対応するバックゲートドーピングとを含み得る空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタとすることができる。第1FETが、空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタである場合、第1FETの補助ゲートは、バイアスされるように構成されてもよく、その結果、可動第2導電型電荷キャリアの層は、入力が、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれにバイアスされているかにかかわらず、第1FETの外部ゲートの下の絶縁体半導体界面に確立される。可動第2導電型電荷キャリアの前記層が、第1ゲートの一部として動作し、第2導電型バックゲートドーピングの反対側から第1チャネルを制御する。一方、第2FETが空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタである場合、第2FETの補助ゲートはバイアスされるように構成され、それによって、可動第1導電型電荷キャリアの層が、入力が第1入力論理電位にバイアスされるか第2入力論理電位にバイアスされるかにかかわらず、第2FETの外部ゲートの下にある絶縁体半導体界面に確立される。可動第1導電型電荷キャリアの前記層が、第2のゲートの一部として動作し、第1導電型バックゲートドーピングの反対側から第2のチャネルを制御する。
【0027】
さらに、半導体論理素子が空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは外部ゲートとバックゲートドーピングの両方を含むことができる。あるいは、半導体論理素子が空乏モード導体半導体電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは、外部ショットキーゲートとバックゲートドーピングの両方を含み得る。最後に、半導体論理素子がフロントゲートドーピングおよびバックゲートドーピングを有する空乏モード接合型電界効果トランジスタを含む場合、ゲートはフロントゲートドーピングおよびバックゲートドーピングの両方を含み得る。
【0028】
さらに、半導体論理素子が空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは外部ゲートまたはバックゲートドーピングのいずれかに対応することができ、ゲートはゲートが位置する側からのみチャネルを制御する。さらに、半導体論理素子が空乏モード導体半導体電界効果トランジスタを含む場合、このゲートは、外部ショットキーゲートまたはバックゲートドーピングのいずれかに対応することができ、ゲートはゲートが位置する側からのみチャネルを制御する。最後に、半導体論理素子が、フロントゲートドーピングおよびバックゲートドーピングを有する空乏モード接合電界効果トランジスタを含む場合、ゲートは、フロントゲートドーピングまたはバックゲートドーピングのいずれかに対応することができ、そのゲートは、ゲートがある側からのみチャネルを制御する。
【0029】
第2FETはエンハンスメントモード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタに対応することができ、第2FETのゲートは外部ゲートに対応し、第1FETは、チャネルを少なくとも両側から閉じ込めるゲートおよび、ゲートがショットキーゲートとバックゲートドーピングに対応する空乏モード導電体半導体電界効果トランジスタを含む空乏モード接合電界効果トランジスタと、可動第2導電型電荷キャリアの層は、前記入力が第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれにバイアスされているか否かの事実に関係なく、第1FETの外部ゲートの下の絶縁体半導体界面に確立されるようにバイアスされるように構成された補助ゲートに対応する外部ゲートと、第1ゲートの一部として動作し、第2導電型バックゲートドーピングの反対側から第1チャネルを制御する、可動第2導電型電荷キャリアの前記層とのいずれか1つに対応する可能性がある空乏モード導体絶縁体半導体電界効果トランジスタと、もしくは、外部ゲートおよびバックゲートドーピングに対応するゲートと、のうちの1つに対応することができる。
【0030】
第1導電型はp型であり、第2導電型はn型であり得る。
【0031】
あるいは、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とすることができる。
【0032】
さらなる態様によれば、上記で開示した少なくとも1つの半導体論理素子と上記で開示した少なくとも1つの半導体論理素子とを含む論理回路が、提供され得る。
【0033】
またさらなる態様によれば、上に開示された第1半導体論理素子と、上に開示された第2半導体論理素子とを備える論理回路を提供することができる。ここで、第2半導体論理素子の第1入力論理電位は、第1半導体論理素子の第2入力論理電位に対応し、第2半導体論理素子の第2入力論理電位は、第1半導体論理素子の第1入力論理電位に対応し、第2半導体論理素子の第1出力論理電位は、第1半導体論理素子の第2出力論理電位に対応し、第2半導体論理素子の第2出力論理電位は、第1半導体論理素子の第1出力論理電位に対応する。
【0034】
論理回路は、以下のようにインバータ構成として動作するように構成することができる。第1半導体論理素子において、第2ソースは第1半導体論理素子の第1出力論理電位に接続されている。第2半導体論理素子において、第2ソースは第1半導体論理素子の第2出力論理電位に接続されている。ここで、第1半導体論理素子および第2半導体論理素子の入力が、インバータ構成の入力として一緒に接続され、第1半導体論理素子および第2半導体論理素子の出力が、インバータ構成の出力として一緒に接続され、インバータ構成の入力は、第1半導体論理素子の第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合される。ここで、前記インバータ構成の前記入力が前記第1半導体論理素子の前記第1入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第1半導体論理素子の前記第2出力論理電位に設定され、前記インバータ構成の前記入力が前記第1半導体論理素子の前記第2入力論理電位に結合されるとき、前記インバータ構成の前記出力は、前記第1半導体論理素子の前記第1出力論理電位に設定される。
【0035】
第1半導体論理素子の第1入力論理電位は第1半導体論理素子の第1出力論理電位と同じであり得、第1半導体論理素子の第2入力論理電位は第1半導体論理素子の第2出力論理電位と同じであり得る。
【0036】
さらに、上に開示されたような少なくとも1つの半導体論理素子と、第1導電型電界効果トランジスタに対応する少なくとも1つの相補型半導体論理素子とを含む論理回路が提供され得る。
【0037】
また、さらなる態様によれば、上記の半導体論理素子と、第1導電型電界効果トランジスタとを備える論理回路を、提供することができる。ここで、この電界効果トランジスタは、第1導電型ソース、第1導電型ドレイン、およびゲートを含み、半導体論理素子において、第2ソースは半導体論理素子の第1出力論理電位に接続され、第1導電型電界効果トランジスタにおいて、そのソースは半導体論理素子の第2出力論理電位に接続される。電界効果トランジスタの第1導電型ドレインと半導体論理素子の出力とは、インバータ構成の出力として互いに接続され、電界効果トランジスタのゲートと半導体論理素子の入力とは、インバータ構造の入力として互いに接続されている。インバータ構成の入力は、半導体論理素子の第1または第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成される。インバータ構成の入力が、半導体論理素子の第1入力論理電位に結合されるとき、可動第1導電型電荷キャリアを含む導電チャネルが、電界効果トランジスタのソースとドレインとの間に、インバータ構成の出力が半導体論理素子の第2出力論理電位に設定されるように確立され、インバータ構成の入力が、半導体論理素子の第2入力論理電位に結合されるとき、第1導電型電界効果トランジスタのチャネルは非導電性であり、インバータ構成の出力を半導体論理素子の第1出力論理電位にする。
【0038】
論理回路内の電界効果トランジスタは、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、接合電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。半導体論理素子の第1入力論理電位は、半導体論理素子の第1出力論理電位と同じであり得、半導体論理素子の第2入力論理電位は、半導体論理素子の第2出力論理電位と同じであり得る。
【0039】
またさらなる態様によれば、上で開示されたような第1および第2論理回路を備えるマルチレベル論理回路を提供することができる。ここで、第1論理回路において、第1論理回路の第1出力論理電位、第1論理回路の第2出力論理電位のうちの少なくとも1つは、第1論理回路の第1および第2入力論理電位に対して第1方向に向かってシフトすることができ、第2論理回路において、第1および第2入力論理電位は、第1論理回路の第1および第2入力論理電位に対して第1方向に向かってシフトすることができる。また、第2論理回路の第1出力論理電位、第2論理回路の第2出力論理電位のうち少なくとも1つは、第2論理回路の第1および第2出力論理電位に対して第1方向に向かってシフトすることができる。
【0040】
上で開示されたように、第1、第2、および第3論理回路を含むマルチレベル論理回路もまた提供され得る。ここで、第1論理回路において、第1論理回路の第1出力論理電位、第2出力論理電位のうちの少なくとも1つは、第1論理回路の第1および第2入力論理電位に対して第1方向に向かってシフトされることができる。第2論理回路において、第1および第2入力論理電位は、第1論理回路の第1および第2入力論理電位に対して第1方向に向かってシフトされることができる。第2論理回路の第1出力論理電位、第2論理回路の第2出力論理電位のうち少なくとも1つは、第2論理回路の第1および第2入力論理電位に対して、第1方向にシフトすることができる。第3論理回路において、第1および第2入力論理電位は、第2論理回路の第1および第2入力論理電位に対して第1方向に向かってシフトされることができる。そして、第3論理回路の第1出力論理電位、第3論理回路の第2出力論理電位のうち少なくとも1つは、第3論理回路の第1および第2出力論理電位に対して、第1方向にシフトすることができる。
【0041】
本願明細書では、「備える(comprise)」および「含む(include)」という動詞は、列挙されていない機能の存在を排除も要求もしないオープンな制限として使用されている。従属請求項に記載されている特徴は、他に明示的に述べられていない限り、互いに自由に組み合わせることができる。さらに、この文書全体を通して「1つの(a)」または「1つの(an)」、すなわち単数形を使用することは複数を排除するものではないことを理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、右側に従来技術の半導体論理素子の、左側に従来技術の相補型半導体論理素子の断面図を示し、両方とも従来のCCIS論理に対応する。
図2図2は、右側に先行技術の半導体論理素子の、および、左側に先行技術の相補型半導体論理素子の概略レイアウトを示す。
図3図3は、半導体論理素子の概略断面図である。
図4図4は、図3による半導体論理素子の概略レイアウトを示す。
図5図5は、クランプ耐性半導体論理素子の動作電位図である。
図6図6は、図5と同じクランプ耐性半導体論理素子の他の動作電位図を示す。
図7図7は、図5と同じクランプ耐性半導体論理素子のさらに他の動作電位図を示す。
図8図8は、図5のクランプ耐性型半導体論理素子と相補的なクランプ耐性型半導体論理素子の動作電位図を示す。
図9図9は、図8と同じクランプ耐性半導体論理素子の他の動作電位図を示す。
図10図10は、図8と同じクランプ耐性半導体論理素子のさらに他の動作電位図を示す。
図11図11は、半導体論理素子の概略断面図である。
図12図12は、図11による半導体論理素子の概略レイアウトを示す。
図13A図13Aは、図11および図12に対応する半導体論理素子の可能なバイアス構成を示す。
図13B図13Bは、図11および図12に対応する他の半導体論理素子の可能なバイアス構成を示す。
図13C図13Cは、図13Aおよび図13Bによるインバータ構成を示す。
図14図14は、半導体論理素子の概略断面図である。
図15図15は、図14による半導体論理素子の概略レイアウトを示す。
図16A図16Aは、図14および図15に対応する半導体論理素子の可能なバイアス構成を示す図である。
図16B図16Bは、図14および図15に対応する他の半導体論理素子の可能なバイアス構成を示す。
図16C図16Cは、図16Aおよび図16Bによるインバータ構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
下に記載された特定の例は、添付の特許請求の範囲のスコープおよび/または適用性を限定するものとして解釈されるべきではない。以下の説明で提供される例のリストおよびグループは、特に明記しない限り網羅的なものではない。
【0044】
既に述べたように、本願明細書では、相補型バイナリ論理という用語は、半導体論理素子または相補型半導体論理素子のいずれかに対応する1組の論理素子を含む論理回路を指し、それらはそれぞれ入力および出力を有する。相補型バイナリ論理回路における定常状態の間、
- 入力または出力における電位は、論理電位と呼ばれる2つの異なる値のみを有することができ、
- 異なる電位にある一組の半導体論理素子において、ノード間に導電経路は存在せず、
したがって、低い定常状態電力消費を可能にする。
【0045】
さらに、相補型バイナリ論理では、他の論理素子の入力に接続された論理素子の出力を有する論理素子のネットワークを確立することのみが可能であり、論理素子の入力/出力は、ネットワーク全体で同じである2つの異なる電位でのみバイアスされる。
【0046】
論理という用語は、半導体論理素子および半導体論理素子を含む論理回路を、アナログ調整素子/回路から分離することに留意することが重要である。本願明細書において、バイナリ論理、相補論理、および論理という用語は、本願明細書では、他の論理型は検討されていないので、一般に相補バイナリ論理を指す文脈で使用されることにも留意する。
【0047】
本願発明による半導体論理素子は、第1導電型電界効果トランジスタを含み、ここで、第1導電型はソースおよびドレインの可動多数電荷キャリアを指し、すなわち、ソースおよびドレインは第1導電型である。以下、第1導電型電界効果トランジスタ(FET)を、第1型第1FETまたは単に第1FETと称する。さらに、半導体論理素子は、以下、第2型の第2FETまたは、単に第2FETと呼ばれる第2導電型の第2電界効果トランジスタを含む。
【0048】
以下、第1FETの第1導電型のソースを、第1ソースと呼ぶ。第1ソースノードは、第1ソースおよび任意の関連配線を含み、それは任意の配線を介してまたは他の手段を介して第1ソース電位に結合されるように構成される。以下、第1FETのゲートを第1ゲートと呼ぶ。第1ゲートノードは、第1ゲートと任意選択の関連配線とを含む。第1ゲートノードは入力ノードまたは単に入力とも呼ばれ、任意の配線を介してまたは他の手段を介して、少なくとも第1入力論理電位または第2入力論理電位に結合されるように構成される。第1FETの第1導電型ドレインを、以下、第1ドレインと呼ぶ。第1FETのチャネルは、以下、第1チャネルと呼ばれ、第1導電型の移動電荷キャリアを搬送することができる。
【0049】
第2FETの第2導電型のソースを、以下、第2ソースと呼ぶ。第2ソースノードは、第2ソースおよび任意選択の関連配線を含み、配線を介してまたは他の手段を介して第1出力論理電位に結合されるように構成され得る。以下、第2FETのゲートを第2ゲートという。第2FETの第2導電型のドレインを、以下、第2ドレインと呼ぶ。第2ドレインノードは、第2ドレインと任意選択の関連配線とを含む。第2ドレインノードはまた、出力ノードまたは単に出力とも呼ばれる。出力電位とは、出力ノードの電位をいう。第2FETのチャネルは、以下、第2チャネルと呼ばれ、可動第2導電型の電荷キャリアを搬送することができる。
【0050】
第1ドレインと第2ゲートは実体として電気的に一緒に接続されており、これを以下、内部ノードと呼ぶ。内部ノードという名称は、発明された半導体論理素子の他のノードの場合とは異なり、このノードへの外部接続がないという事実に由来する。第1ドレインと第2ゲートが半導体材料の内部で電気的に接続されていない場合には、配線を用いてそれらを単一のものとして互いに接続する。第1ドレインと第2ゲートが単一のものとして半導体材料の内部で互いに電気的に接続されている場合、配線はそれらを互いに接続するのに必要とされない。内部ノード電位という用語は、内部ノードの電位を指す。
【0051】
入力が第1入力論理電位にあるとき、第1チャネルは非導電性であり、内部ノードは、第2ソース/ドレインが第1または第2出力論理電位にバイアスされるかどうかに関係なく第2チャネルを非導電性にする電位に調整される。第2ドレインおよび/またはソースが、第1または第2出力論理電位のいずれかに(状態間の遷移が考慮されない場合)バイアスされるので、(遷移が考慮されない場合)入力が第1の入力論理電位にあるとき第2ソースと第2ドレインとの間に導電経路はない。これは、第2ソースノードが第1出力論理電位にあるとき、出力は、第1出力論理電位または第2出力論理電位にあることができる、すなわち、入力は出力電位を制御できないことを意味する。一方、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1チャネルも非導電性であるが、第2ソースノードが第1出力論理電位に接続されるとき、内部ノードは第2チャネルを導電性にする電位に調整される。その結果、出力は第1出力論理電位に設定される。
【0052】
前述の半導体論理素子は、以下、入力容量最小化半導体論理素子と呼ばれ、その際立った特徴は、
- 入力が第1入力論理電位または第2入力論理電位にあるとき、第1チャネルは非導電性であること、
- 入力が第1入力論理電位にあるとき、第2チャネルは非導電性であること、
- 入力が第2入力論理電位にあるとき、第2チャネルは導電性であること
である。
【0053】
入力容量最小化半導体論理素子と相補的な半導体論理素子は、後で、入力容量最小化相補型半導体論理素子と呼ばれる。
【0054】
導電性チャネルという用語は、チャネルが、チャネルを構成するFETに対応するソース/ドレインの多数キャリアと同じ種類のものであるモバイル電荷キャリアを含む場合の状況を指す。非導電という用語は、チャネルを構成するFETに対応するソース/ドレインの多数キャリアと同じ型の移動性電荷キャリアをチャネルが本質的に含まないときの状況を指す。たとえチャネルが非導電性であっても、異なる非導電性チャネル状態を、導電性の低いまたはより導電性の高い期間と比較することができる。これは、チャネル内にまだいくらかの量の移動電荷キャリアが存在するためである。第1非導電状態ではあるが、移動電荷キャリアの10億分の1の部分がチャネル内に存在し、第2非導電状態にある。チャネルに存在する移動電荷キャリアの1兆分の1の部分がある。それでも、第1非導電状態は第2非導電状態よりも導電性が高いと言える。同様に、第2非導電状態は第1非導電状態よりも導電性が低いと言える。
【0055】
以下、期間クランプ耐性半導体論理素子を追従半導体論理素子と呼ぶ。第1導電型の電界効果トランジスタを含む半導体論理素子を、以下、第1FETと呼び、第2導電型の空乏型電界効果トランジスタを、以下、第2FETと呼ぶ。ここで、半導体論理素子は内部ノードを含み、内部ノードは少なくとも部分的に、第1FETのドレインおよび第2FETのゲートで形成され、第1FETのゲートは、以後、半導体論理素子の入力と呼ばれる。ここで、入力は、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、第2FETのドレインは、半導体論理素子の出力と呼ばれる。第2FETのソースは半導体論理素子のソースである。ここで、この半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされるとき、第2FETのソースが第1出力論理電位にあるとき、入力が第1入力論理電位にあるとき、内部ノードは第2FETのソースと第2FETのドレインとの間のチャネルを、非導通状態にする電位にあり、したがって、半導体論理素子の出力を、第1出力論理電位または第2出力論理電位にすることができるように構成され、半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされるとき、および、第2FETのソースが第1出力論理電位にあるとき、および、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間のチャネルが、第2FETのソースと第2FETのドレインとの間で可動第2導電型電荷キャリアを含む導電チャネルを確立する電位に調整するために、内部ノードを動作可能にする非導電状態にあるようにアレンジされ、それによって出力を第1出力論理電位に調整するようにさらに構成される。ここで、内部ノードが調整される電位は、第2ゲートを、第2FETのソースに対して逆バイアスさせるように調整される。
【0056】
さらに、クランプ耐性半導体論理素子において、内部ノードは、第1ドレインおよび第2ゲートの少なくとも一部の両方として作用する単一のドープ領域、第1ドレインドーピング、および、第2ゲートのうちの1つを含むことができる。クランプ耐性半導体論理素子において、第1FETは空乏モード電界効果トランジスタであり得る。有益なことに、クランプ耐性半導体論理素子において、第1ソース電位と第1入力論理電位との間の電位差は、第1入力論理電位と第2入力論理電位との間の電位差よりも大きい。さらに、クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETはエンハンスメント型電界効果トランジスタであることができる。クランプ耐性半導体論理素子において、第1FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであることができる。さらに、クランプ耐性半導体論理素子において、第2FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであることができる。
【0057】
クランプ耐性半導体論理素子と相補型半導体論理素子は、以降、でクランプ耐性相補型半導体論理素子と呼ばれる。
【0058】
以下、短絡電流緩和半導体論理素子という用語を、追従半導体論理素子という。半導体論理素子は、
- 以下で第1FETと呼ぶ、適切な第1補助ゲート電位にバイアスされた第1補助ゲートノードが存在する、第1導電型の電界効果トランジスタと、
- 以下で第2FETと呼ぶ、第2導電型の電界効果トランジスタと、
を備える。半導体論理素子は内部ノードを含み、内部ノードは、少なくとも部分的に第1FETのドレインおよび第2FETのゲートで形成され、ここで、第1FETのゲートは、以後、半導体論理素子の入力と呼ばれ、ここで、入力は、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成され、第2FETのドレインは、半導体論理素子の出力と呼ばれる。ここで、第2FETのソースは半導体論理素子のソースであり、ここで、半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされているとき、および、第2FETのソースが第1出力論理電位にあるとき、および、その入力が第1入力論理電位にあるとき、内部ノードは、第2FETのソースとドレインとの間にチャネルを生じさせる電位にあり、第2FETのドレインは非導通状態にあり、したがって、半導体論理素子の出力を、第1出力論理電位または第2出力論理電位にすることを可能にするように構成され、ここで、この半導体論理素子は、第1FETのソースは第1ソース電位にアレンジされるとき、および、第2FETのソースが第1出力論理電位にあるとき、および、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間のチャネルは、内部ノードが、第2FETのソースと第2FETのドレインとの間に可動第2導電型電荷キャリアを含む導電性チャネルを確立する電位に調整することを可能にする非導通状態になるようにアレンジされ、導電チャネルを確立する電位に調整することを可能にし、内部ノードの電位の調整は、第1補助ゲート誘発するクランプによって引き起こされるように更に構成される。
【0059】
さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、内部ノードは、第1のドレインおよび、第2のゲートの少なくとも一部、の両方として作用する単一のドープ領域、第1のドレインドーピングおよび第2のゲートのうちの1つを含むことができる。短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETは空乏モード電界効果トランジスタであり得る。さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETはエンハンスメント型電界効果トランジスタであってもよい。短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETは空乏モード電界効果トランジスタであり得る。さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETはエンハンスメントモード電界効果トランジスタであり得る。短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。
【0060】
短絡電流緩和半導体論理素子と相補的な半導体論理素子は、後で、短絡電流緩和相補型半導体論理素子と呼ばれる。
【0061】
以下、PCT/FI2016/050014による半導体論理素子という用語を、以下の説明では半導体論理素子と呼ぶ。以下では、第1FETと呼ばれる第1導電型の電界効果トランジスタと、以下では第2FETと呼ばれる第2導電型の電界効果トランジスタとを含む半導体論理素子が、提供される。ここで、この半導体論理素子は内部ノードを含み、内部ノードは少なくとも部分的に第1FETのドレインおよび第2FETのゲートで形成される。ここで、第1FETのゲートは、以降、半導体論理素子の入力と呼ばれ、この入力は、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合されるように構成される。第2FETのドレインは、半導体論理素子の出力と呼ばれ、第2FETのソースは半導体論理素子のソースである。ここで、半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされるとき、および、第1FETのソースが第1ソース電位にあるとき、および、入力が第1入力論理電位にあるとき、可動第1導電型電荷キャリアを含む導電チャネルが、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間に確立され、内部ノードを第1ソース電位に調整し、それにより、第2FETのソースと第2FETのドレインとの間のチャネルを非導電状態にして、半導体論理素子の出力を第1出力論理電位または第2出力論理電位にすることができるように構成される。ここで、半導体論理素子は、第1FETのソースが第1ソース電位にアレンジされるとき、および、第2FETのソースが第1出力論理電位に配置されているとき、および、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1FETのソースと第1FETのドレインとの間のチャネルが、内部ノードを、第2FETのソースと第2FETのドレインとの間の可動第2導電型の電荷キャリアを含む導電チャネルを確立する電位に調整することを可能にする非導通状態にあるようにアレンジされ、それによって出力を第1出力論理電位に調整するように、さらに構成される。内部ノードは、第1のドレインおよび第2のゲートの少なくとも一部の両方として作用する単一のドープ領域、第1のドレインドーピングおよび第2のゲートのうちの1つを含むことができる。さらに、第1FET、第2FETのうちの少なくとも1つは、空乏モード電界効果トランジスタであり得る。あるいは、または、さらに、第1FET、第2FETのうちの少なくとも1つは、エンハンスメントモード電界効果トランジスタであり得る。第1FETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタのうちの1つであり得る。第2のFETは、接合電界効果トランジスタ、導体絶縁体半導体電界効果トランジスタ、導体半導体電界効果トランジスタ・・のうちの1つであり得る。PCT/FI2016/050014にしたがう半導体論理素子のこの説明は、PCT/FI2016/050014にも見出すことができる。
【0062】
本願発明の目的は、PCT/FI2016/050014にしたがい、半導体論理素子のスイッチング関連の電力消費を減少させることである。これは、
- クランピングに起因するスイッチング関連電力消費を低減または除去することによって、
- 短絡電流に起因するスイッチング関連電力消費を低減または除去することによって、- 入力容量を減らすことによって、のうちの少なくとも1つによって
実行できる。
【0063】
PCT/FI2016/050014にしたがう、空乏モード第2FETを備える半導体論理素子において第2のソースと第2のゲートの間にPN接合やショットキー接合があり、入力が第2の入力論理電位に接続されているとき、内部ノードは、第1出力論理電位にクランプされる。このクランピングは、第2チャネルの導電性を高めない寄生電流を生じることになる。この寄生電流の流れは、対応する論理回路のスイッチング関連の電力消費を増加させ、それにより電池寿命を減少させる。これは、多くの電池式モバイルおよびモノのインターネット(IoT)用途において基本的に重要である。
【0064】
さらに、PCT/FI2016/050014による半導体論理素子では、スイッチング中に、第2FETの第2ソースとPCT/FI2016/050014にしたがう相補型半導体論理素子に対応する第2FETの第2ソース、従来の相補型論理素子のソースのうちの少なくとも1つとの間に短絡電流が流れる可能性がある。この短絡電流の流れは、対応する論理回路のスイッチング関連の電力消費を増加させ、それにより電池寿命を減少させる。これは多くの電池駆動モバイルおよびIoT用途において基本的に重要である。
【0065】
さらに、PCT/FI2016/050014号による半導体論理素子では、入力容量は比較的大きくなる可能性があり、その結果、入力に接続されている論理線に比較的大きな電流が流れる。比較的大きな電流の流れは比較的大きな電力消費をもたらし、したがって電池寿命を減少させる。これは、多くの電池駆動のモバイルおよびIoT用途において基本的に重要である。
【0066】
第2ソースと第2ゲートとの間にpnおよび/またはショットキー接合が存在する空乏モード第2FETを含むクランプ耐性半導体論理素子において、第2ソースの第1出力論理電位での内部ノードのクランプは、内部ノードが、第2ソースに対して第2ゲートを逆バイアスさせる電位に調整することを可能にすることによって、入力が第2入力論理電位に接続されるとき、防止され得る。これは、入力内ならびに、第2ソースと、第2チャネルの導電性を高めない第2ゲートとの間の寄生電流を除去することができることを意味する。このようにして、半導体論理素子のスイッチング関連の電力消費を低減することができる。これは、バッテリ駆動のモバイル機器およびIoT機器において特に重要である。
【0067】
空乏モード第2FETを備えるクランプ耐性半導体論理素子において、第2ソースと第2ゲートとの間にpnおよび/またはショットキー接合があり、第2ゲートと第2ソースとの間に逆バイアス接合をもたらす電位への内部ノードの調整は、入力が第2入力電位にあるときの半導体材料内部に形成される電位バリアを介して確立される。前記電位は、通常、第1ドレインと第1ソースとの間の完全に空乏化された半導体材料内に形成することができる(この電位バリアは、通常、第1チャネル内に位置する)。ここで、内部ノードによって熱的に生成され収集された第1導電型移動電荷キャリアは、入力が第2出力論理電位にあるときに前記電位バリアを越えて第1ソースへ第1ドレインから熱放出される。あるいは、
- 第1チャネルに対応し、適切にドープされた第1導電型のチャネルドーピング、
- 第1ゲートと第1チャネルドーピングとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第1ゲート、
- 第1補助ゲートと第1チャネルドーピングとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第1補助ゲート、
- 第1ドレインに(好ましくは)電気的に接続されている第1補助ゲート、および、
- 内部ノードによって熱的に生成および収集される第1導電型の移動電荷キャリア
よりも多く、内部ノードによって熱的に生成および収集される第2導電型の移動電荷キャリアが存在する場合、前記電位バリアは、(好ましくは内部ノードの一部である)第1補助ゲートと第1ゲートとの間の通常完全に空乏化された第1チャネルドーピングの内側に形成される。ここで、入力が第2入力論理電位にあるとき、第2導電型の移動電荷キャリアが、第1補助ゲートから、前記電位バリアを越えて、第1ゲートに熱放出される。定常状態の間、内部ノードは、前記電位バリアの影響により特定の電位に調整される。さらに、前記電位バリアの大きさ、したがって前記一定の電位の大きさは、第1FETおよび第2FETを形成する半導体材料の温度およびバンドギャップによって主に定義される。
【0068】
クランプ耐性半導体論理素子は、
- 内部ノードが第2ソースにおける第1出力論理電位にクランプされるのを防止することによって、および/または、
- 短絡電流によるスイッチング関連の電力消費を防止または低減することによって、
対応する半導体論理回路のスイッチング関連の電力消費を低減する。
【0069】
クランプ耐性半導体論理素子において、第2FETが補助ゲートノード(すなわち、第2補助ゲートノード)を含み、第2補助ゲートと第2ソース(第1出力論理電位にバイアス)との間にpnおよび/またはショットキー接合がある場合、第1補助ゲートノードは、定常状態の間、第2補助ゲートノードと他のノードとの間に、全体の電力消費を著しく増加させるような大きな電流が流れないようにバイアスされるべきであることに留意する。通常、この前提条件は、前述の第2補助ゲート が、順バイアスの大きさが第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップ、および動作温度が、低電力動作を可能にするのでなければ、第2ソースに関して逆バイアスされるべきであることを必要とする。
【0070】
特に、クランピング耐性の半導体論理素子において、第2FETが、
- 第2チャネルに対応する第2導電型チャネルドーピング、
- 第2ゲートと第2チャネルとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第2ゲート、および、
- 第2補助ゲートと第2チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合
を有する第2補助ゲートノードを含む場合、定常状態の間、第2補助ゲートノードと第2ゲートとの間の電流が、入力が第1入力論理電位にあるときに、適切な第2補助ゲート電位が利用されない限り、完全に空乏化された第2チャネルを横切って流れる。典型的には、これは、入力が第1入力論理電位にあるときに第2補助ゲートノードと第2ゲートとの間に電流が流れるのを防ぐために、第2補助ゲートノードを第2ソースに対して十分に大きな逆バイアスでバイアスする必要があることを意味する(例えば、第2FETがサーキュラ接合電界効果トランジスタである場合、バイアスされたフロントゲートドーピングとバイアスされたバックゲートドーピングとの間の電流の流れは、空乏化された第2チャネルに位置する十分に小さい電位バリアを越えて起こり得る)。しかし、第2ソースに対する第2補助ゲートノードの逆バイアスは、入力が第2入力論理電位にあるときに第2チャネルが導通しないほど大きくてはいけない。
【0071】
第1FETおよび第2FETの適切な動作は、ノードの適切なバイアスによってもたらされるだけではなく、しかし、また、トランジスタを適切に設計することによっても、(例えば、第1および第2FET内の半導体材料の適切なチャネルドーピングおよび/またはバンドギャップを用いて)もたらされることに留意することが重要である。
【0072】
クランピング耐性半導体論理素子において、第2FETが、外部ゲートにのみ対応する補助ゲートノードを備える場合、その補助ゲートは、第2ソースに関して逆バイアスまたは順バイアスのいずれかであり得る。両方の場合において、しかしながら、第2FETが空乏モード電界効果トランジスタのままである(すなわち、ゲートとソースが同じ電位にあるとき、チャネルは導電性である)こと、入力が第1入力論理電位にあるとき第2チャネルは非導通であり、入力が第2入力論理電位にあるとき第2チャネルは導通であることが要求される。
【0073】
クランプ耐性半導体論理素子において、-外部ゲートにのみ対応する第2補助ゲートノードがある、
- 第2ゲートと第2補助ゲートとの間には、第2チャネルに対応し、第2ゲートとのpn接合および/またはショットキー接合を有する第2導電型ドーピングがある、
- 第2ゲートと、外部ゲート(第2補助ゲートに対応する外部ゲート)の直下の半導体界面に位置する半導体材料の内側の位置との間に第1導電型電荷キャリアのための導電経路がある、
場合、可動第1導電型電荷キャリアの層が、第2補助ゲートが第2ソースに関して、(外部ゲートと半導体材料との間の絶縁体層が中性であると仮定する)第2ゲートよりもある量だけ逆バイアスされているとき、外部ゲート(すなわち第2補助ゲート)の下にある絶縁体半導体界面に確立されることに留意する。そして、可動第1導電型の電荷キャリアの前記層は、第2ゲートと同じ電位にあり、第2ゲートの一部として動作する。特に、第2チャネルドーピングが十分に大きければ、第2FETは、第2ゲートの一部として機能する可動第1導電型電荷キャリアの前記層にもかかわらず、空乏モード電界効果トランジスタとなる。すなわち、第2FETは、任意の第2補助ゲート電位の下で空乏モードトランジスタとなる。さらに、第2補助ゲートを適切にバイアスすると、入力が第1または第2入力論理電位のどちらであったかの事実に関係なく、可動第1導電型電荷キャリア層が存在することになり、これは好ましい動作方法である。第2チャネルドーピングが十分に大きくなく、第1導電型の移動電荷キャリアの前記層が存在するときに第2FETが空乏モード電界効果トランジスタではない場合、入力が第1または第2論理電位にあるときに前記層が存在しないように、第2補助ゲートをバイアスするべきである。
【0074】
クランプ耐性半導体論理素子において、
- 外部ゲートにのみ対応する第2補助ゲートノードがある、
- 第2ゲートと第2補助ゲートとの間には、第2チャネルに対応し、第2ゲートとのpn接合および/またはショットキー接合を有する第2導電型ドーピングがある、
- 第2ゲートと、外部ゲート(すなわち第2補助ゲート)の直下に位置する半導体材料の内側の位置との間には、第1導電型の電荷キャリアのための導電経路はない、
場合、可動第1導電型電荷キャリアの層は、入力が第1入力論理電位にあり、かつ外部ゲートが適切にバイアスされるときに、外部ゲートの下の(外部ゲートは第2補助ゲートに対応する)絶縁体 - 半導体界面に確立される。第2チャネルのドーピングが十分に高い場合、可動第1導電型の電荷キャリアの前記層は、第2ゲートと同じ電位にもなく、第2ゲートの一部としても作用しない。しかし(特に第2補助ゲートの下の可動第1導電型電荷キャリアの層に関して)準定常状態に達したとき、第2チャネルは非導電性であるべきである。そうでなければ、例えば、ベースラインの第2補助ゲート電位である電位よりも第2ソースに対して逆バイアスが少ない(すなわち順バイアスが大きい)電位で第2補助ゲートを時々パルスすることによって、第2補助ゲートの下に位置する可動第1導電型電荷キャリアの層中の電荷キャリアの一部またはすべての電荷キャリアを除去するべきである。非導電性の第2チャネルを維持するために、ことにも留意する。この欠点は、前述のパルス中に第2チャネルが導電性になり全体的な電力消費が増加することであることは当然である。
【0075】
クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETは、空乏モードまたはエンハンスメントモード電界効果トランジスタのいずれかであり得る。第1FETが空乏モード電界効果トランジスタであるならば、
- 入力が第1入力論理電位にあるとき、第1ゲートは第1ソースに対して逆バイアスされること、
- 第1ソース電位と第1入力論理電位との間の電位差の絶対値が、第1入力論理電位と第2入力論理電位との間の電位差の絶対値よりも大きいこと
は有益である。
【0076】
クランピング耐性半導体論理素子が、第1FETは、第1ゲートと第1ソースとの間にpn接合および/またはショットキー接合を含む場合、順方向バイアスの大きさ、温度、および、第1FETの半導体材料のバンドギャップが、低電力動作を可能にするのでなければ、入力が第1の入力論理電位にあるとき、第1のゲートは第1のソースに対して順方向にバイアスされるべきではない。
【0077】
クランプ耐性半導体論理素子において、第1FETは補助ゲートノード(すなわち第1補助ゲートノード)を備え、そして、第1補助ゲートと第1ソースとの間にpnおよび/またはショットキー接合が存在する場合、順方向バイアスの大きさ、温度、および、第1FETの半導体材料が、低電力動作を可能にするのでなければ、第1ソースに対して第1補助ゲートを順方向にバイアスしてはならない。
【0078】
クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETが、入力が外部ゲートにのみ対応する空乏モード電界効果トランジスタである場合、入力が第2入力論理電位(導電性の第2チャネルに対応する)にあるときの第1ソースに関して、入力が第1の入力論理電位にあるが、第1のゲートが逆バイアスされる必要がある(逆バイアスの絶対値が閾値電圧の絶対値よりも大きくなければならない)とき、第1ゲートは第1ソースに対して逆バイアスまたは順バイアスのどちらでもあり得る。
【0079】
クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETがエンハンスメントモード電界効果トランジスタである場合、入力が第1入力論理電位にあるとき、第1ゲートは第1ソースに対して順方向バイアスされなければならない。これは、順バイアスの大きさ、温度、および第1FETの半導体材料のバンドギャップが低電力動作を可能にしない限り、入力が外部ゲートのみに対応することを必要とする。
【0080】
クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETがエンハンスメントモード電界効果トランジスタであり、入力が外部ゲートにのみ対応する場合、第1ゲートは閾値電圧レベル以下にバイアスされなければならない。入力が第2入力論理電位にあるとき、第1ソースに関して(すなわち、逆バイアスされるかまたは順方向バイアスの絶対値が閾値電圧の絶対値より小さくなければならない)。
【0081】
クランプ耐性半導体論理素子において、第1FETが第1補助ゲートノードを含み、第1補助ゲートと第1FETのドレインとの間にpnおよび/またはショットキー接合(すなわち、第1ドレイン)がある場合。(第1および第2FETが類似の半導体材料で作られていると仮定すると)第1ソース電位と第1補助ゲート電位との間の電位差は、入力が第2入力論理電位にあるときに内部ノードが第1補助ゲート電位にクランプされないように十分大きくなければならない。しかしその代わりに、内部ノードは、第1ソース電位と第2入力論理電位との間にある電位に自由に調整することができる。その結果、第1ソース電位と第1補助ゲート電位との間の電位差の絶対値の大きさは、第1のソース電位と、入力が第2の入力論理電位に設定されたときに内部ノードが調整する電位との間の電位差の絶対値よりも大きくなければならない。この条件が満たされるならば次に、クランプ耐性半導体論理素子の内部ノード入力が第2入力論理電位にあるとき、第2ソースの第1出力論理電位にも第1補助ゲートの第1補助ゲート電位にもクランプされない。半導体論理素子において、
- PCT/FI2016/050014にしたがい、
- 第1FETに、第1補助ゲートと第1ドレインとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートを備える場合、
入力が第1入力論理電位にあるときおよび入力が第2論理電位にあるとき、第1補助ゲートは、状態間の内部ノードに対して十分な電位スイングを可能にするようにバイアスされるべきであることに留意することが重要である。例えば、もし第1補助ゲートが第1ソースと同じ電位にあるならば、内部ノードに利用可能な電位振幅はない。
【0082】
クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETが、
- 第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピング、
- 第1ゲートと第1チャネルとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第1ゲート、
- 第1補助ゲートと第1チャネルとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートノード、
を含む場合、適切な第1補助ゲート電位(および/または第1チャネルドーピング)が利用されない限り、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1補助ゲートと第1ゲートとの間の電流の流れは、完全に空乏化された第1チャネルを横切って起こり得る。通常、これは、入力が第2入力論理電位にあるときに第1補助ゲートと第1ゲートとの間に電流が流れるのを防ぐために、第1補助ゲートを第1ソースに対して十分に大きな逆バイアスでバイアスする必要があることを意味する。(例えば、第1FETが円形接合電界効果トランジスタである場合、バイアスされたフロントゲートドーピングとバイアスされたバックゲートドーピングとの間の電流の流れは、空乏化された第1チャネルに位置する十分に小さい電位バリアを越えて起こり得る)。さらに、第1ソースに対する第1補助ゲートの逆バイアスは、入力が第2入力論理電位にあるときに内部ノードがそれにクランプされるほど小さくてはいけない。最後に、第1補助ゲートの逆バイアスは、入力が第1入力論理電位および第2入力論理電位にあるときの状態間の内部ノードに対して、十分に大きい電位振幅を提供するのに十分大きくなければならない。
【0083】
なお、クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETが、
- 外部ゲートにのみ対応する第1ゲートを備える表面チャネルエンハンスメント型電界効果トランジスタである、
- 第1補助ゲートと第1ドレインとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートを備える、
- 第1補助ゲートは第1ドレインに電気的に接続されている、および、
- 内部ノードによって熱的に生成され収集される第1導電型の電荷キャリアが存在するよりも、内部ノードによって、熱的に生成され収集される第2導電型電荷キャリアが少ない
場合、(第1FETと第2FETが、同じ半導体材料で形成されていると仮定して)第1ソース電位と、内部ノードが調整する電位との間の電位差の絶対値は、入力が第2の入力論理電位に設定されているとき、第1のソース電位と第1の出力論理電位の間の絶対値よりも小さくなければならない。このようにして、内部ノードは第2ソースにおける第1出力論理電位にクランプされないからである。この条件が満たされると、第1電源電位と、入力が第2論理電位に設定されたときに内部ノードが調整する電位との間の電位差の絶対値は、
- 第1ソース電位と第2入力論理電位との間の電位差の絶対値、
- 第1FETの閾値電圧の絶対値
の概ねの合計である。
【0084】
また、クランピング耐性半導体論理素子において、第1FETが、
- 外部ゲートにのみ対応する第1ゲートを備える、
- 第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピングを含む、
- 第1補助ゲートと第1チャネルドーピングとの間にpnおよび/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートを含む、
- 第1補助ゲートと外部ゲートの直下に位置する半導体材料の内側の位置との間に導電路がある、
- 外部ゲートの直下の半導体材料の内部に位置し、第1補助ゲートと同じ電位にある可動第2導電型電荷キャリアの層が存在する
ように第1ゲートがバイアスされているとき、第1チャネルは導電性ではない、
- 第1補助ゲートは第1ドレインに電気的に接続されている、
- 内部ノードによって熱的に生成され収集される第1導電型の電荷キャリアが存在するよりも、内部ノードによって熱的に生成され収集される第2導電型電荷キャリアが少ない、
場合、(第1FETと第2FETが同じ半導体材料で形成されている)第1ソース電位と内部ノードが接続されている電位との間の電位差の絶対値は、入力が第2の入力論理電位に設定されたときに、調整し、第1のソース電位と第1の出力論理電位の間の絶対値よりも小さくなければならない。内部ノードは第2ソースにおける第1出力論理電位にクランプされないからである。これは当然のことながら、適切な電位が第2入力論理電位として利用されることを意味する。
【0085】
クランプ耐性半導体論理素子において、
- 外部ゲートにのみ対応する第1補助ゲートノードが存在する、
- 第1ゲートと第1補助ゲートとの間に、第1チャネルに対応し、第1ゲートとpn接合および/またはショットキー接合を有する第1導電型のドーピングが存在する、
- (第1補助ゲートに対応する)外部ゲートの直下の半導体界面に位置する半導体材料の内部に、第1ゲートと位置との間に第2導電型電荷キャリアのための導電経路がある、
場合、第1補助ゲートが第1ゲートに対して第1ゲートよりもある程度逆バイアスされているとき(絶縁体層が中性であると仮定して)、可動第2導電型電荷キャリアの層が、外部ゲートの直下の絶縁体半導体界面において半導体材料の内部に確立され、前記可動第2導電型電荷キャリアの前記層は、第1ゲートと同じ電位にあり、第1ゲートの一部として作用することに留意する。特に、第1チャネルドーピングが十分に大きければ、可動第2導電型の電荷キャリアの前記層が第1ゲートの一部として作用するにもかかわらず、第1FETは空乏モード電界効果トランジスタである。さらに、第1補助ゲートを適切にバイアスすることにより、前記可動第2導電型電荷キャリアの層入力が、第1入力論理電位にあったのか、第2入力論理電位にあったのかという事実に関係なく存在する。
【0086】
クランプ耐性半導体論理素子において、
- 外部ゲートにのみ対応する第1補助ゲートノードがある、
- 第1ゲートと第1補助ゲートとの間に、第1チャネルに対応し、第1ゲートとpn接合および/またはショットキー接合を有する第1導電型ドーピングが存在する、
- 第1ゲートと、(第1補助ゲートに対応する)外部ゲートの直下の半導体界面に位置する半導体材料の内部の位置との間に第2導電型電荷キャリアのための導電経路が存在しない、
場合、可動第2導電型電荷キャリアの層が、入力が第2の入力論理電位にあり、外部ゲートが適切にバイアスされているとき、外部ゲートの下にある絶縁体-半導体界面に確立されることにも留意する。第1チャネルのドーピングが十分に高い場合、可動第2導電型の電荷キャリアの前記層は、第1ゲートと同じ電位にもなく、第1ゲートの一部としても作用しない。しかし、準定常状態が(特に第1補助ゲートの下の可動第2導電型電荷キャリアの層に関して)到達したとき、第1チャネルは非導電性であるべきである。そうでなければ、第1補助ゲートの下に位置する可動第2導電型電荷キャリアの層内の電荷キャリアの一部またはすべての電荷キャリアを、例えば、ベースラインの第1補助ゲート電位よりも第1ソースに対して逆バイアスが小さい(すなわち順バイアスが大きい)電位で第1補助ゲートを時々パルス化することによって、非導電性の第1チャネル(および導電性の第2チャネル)を維持するために除去するべきである。このことの主な欠点は、当然のことながら、前述のパルス中に出力ノード上の電位があまり明確に定義されていないか、まったく定義されていないことである。
【0087】
短絡電流によるスイッチング関連の消費電力がスイッチング関連の消費電力の主なソースである場合、スイッチング関連の電力消費を低減するために、第1補助ゲートノードが誘発する内部クランプを利用することが実際に可能である。内部ノードの第1補助ゲートノード誘起クランピングは、これにより、内部ノードの電位が第1ゲートによってではなく第1補助ゲートによって定義されるときの条件として定義される。半導体論理素子において、第1FETが、第1FETのドレイン(すなわち第1ドレイン)と第1FETの補助ゲート(すなわち第1補助ゲート)との間にpnおよび/またはショットキー接合がある第1補助ゲートノードを含む場合、内部ノードの第1補助ゲート誘起クランプは、入力の電位が第1入力論理電位から第2入力論理電位に設定されているとき、入力が第2入力論理電位に達する前に、内部ノードがある電位(例えば第1補助ゲート電位)にクランプされるような電位に第1補助ゲートをバイアスすることによって実現される。
【0088】
一般に、短絡電流緩和半導体論理素子では、入力が第1入力論理電位および第2入力論理電位にあるときに、状態間の内部ノードに十分な大きさの電位スイングを与えるために、第1補助ゲートは、第1ソースに対して十分に大きい逆バイアスでバイアスされるべきであることに留意する。
【0089】
しかしながら、もし第1補助ゲートが第1ソースに対して順方向バイアスにあるならば、入力が第2入力論理電位に設定され、さらに十分大きな振幅が内部ノードに与えられる必要があるとき、内部ノードのクランプは第1ドレインと第1補助ゲートとの間のさらに大きな順方向バイアスで行われなければならない。室温では、これは可能であるかもしれないが、低電力動作は、第1FETが例えば200nmのような大きなバンドギャップ半導体材料(例えば、窒化ホウ素)から形成される場合にのみ維持される。さらに、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1ドレインと第1補助ゲートとの間の順方向バイアスを無期限に維持することはできない。しかし、入力が第2論理電位にあるとき、第1補助ゲートと内部ノードとの間にある十分な大きさの順方向バイアスを維持するためには、一定の間隔で入力を第1の入力論理電位に設定し、次に第2入力論理電位に戻す必要がある。
【0090】
短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETが第1ゲートと第1ソースとの間にpnおよび/またはショットキー接合を含む場合、第1FETは一般に空乏モード電界効果トランジスタであるべきである。さらに、入力が第1入力論理電位にあるとき、第1FETを形成する半導体材料のバンドギャップが大きくなければ、第1ゲートは第1ソースに対して順バイアスされるべきではない。順方向バイアスの大きさと動作温度によって、低電力動作が可能になる。
【0091】
短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETが、外部ゲートにのみ対応する第1ゲートを備える表面チャネル増強モード電界効果トランジスタである場合、第1補助ゲートノードと第1ソースとの間の逆バイアス(第1ソース電位)は、内部ノードに対して十分に大きい電位スイングを可能にするために十分に大きくなければならない。さらに、入力が第2の入力論理電位にあるとき、逆バイアス第1ゲートと第1ソースとの間の逆バイアスは、第1ソースと第1補助ゲートとの間の逆バイアスよりも大きくなければならない(中性ゲート絶縁体材料を想定)。このようにして、内部ノードはおおよそ第1鯛助ゲート電位にクランプされる(すなわち、第1ゲートに対する逆バイアスが、第1ソースに関して第1補助ゲートにおける逆バイアスを超えるとき第1ゲートは内部ノードの電位にそれ以上影響を及ぼさない)。
【0092】
さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETが、
- 外部ゲートにのみ対応する第1ゲートを備える、
- 第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピングを含む、
- 第1補助ゲートと第1チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートを備える、および、
- 第1補助ゲートと外部ゲートの直下に位置する半導体材料の内側の位置との間に導電路がある
場合、第1ソースに関して第1ゲートが第1補助ゲートよりもある程度逆バイアスされているとき(中性ゲート絶縁体を仮定)同じ電位にあり、第1補助ゲートの一部として作用する第2導電型の移動電荷キャリアの層が第1ゲートの直下にある。第2導電型電荷キャリアの層が形成される時点以降、第1のゲートの直下では、第1のゲートの電位は内部ノードの電位に影響を与えない。すなわち、第1補助ゲートが誘起する内部ノードのクランピングは、第1ゲートの逆バイアスがある値を超えると、第2入力論理電位は、第1供給源に関して前記特定の値よりも大きい逆バイアスであるべきであることを意味する。第1補助ゲートが誘起する内部ノードのクランプが結果として生じるとき、内部ノード上の電位は第1チャネルの深さ、内部ノードによって熱的に生成され収集された第1導電型電荷キャリアの量、ならびに温度に依存する。第1の補助ゲートの電位は、入力が第1入力論理電位と第2入力論理電位にあるとき、状態間の内部ノードに十分な電位振幅が与えられるのようにも選択する必要がある。前述のことは、短絡電流緩和半導体論理素子にも当てはまり、ここで、第1FETは、
- 外部ゲートにのみ対応する第1ゲートを備え、
- 第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピングを含み、
- 第1補助ゲートと第1チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第1補助ゲートを備え、および、
- 第1補助ゲートと外部ゲートの直下に位置する半導体材料の内側の位置との間に導電性経路がない
が、第1チャネルのドーピングが非常に低いので、第1ソースに対する第1ゲートの逆バイアスが一定の値を超えたとき、第1補助ゲートの一部として作用する第2導電型の移動電荷キャリアの層が第1ゲートの直下に形成される。
【0093】
短絡電流緩和相補型半導体論理素子において、
- 第1FETはエンハンスメント型電界効果トランジスタであり、
- 第1FETには、その下に表面チャネルを組み込んだ外部ゲートにのみ対応する第1ゲートがあり、
- 短絡状態にある
場合、半導体論理素子を緩和する。
- 第1FETはエンハンスメント型電界効果トランジスタであり、
- 第1ゲートと第1外部ゲートとの間には、第1ドレインと電気的に接続されていることが好ましい第2導電型半導体材料があり、および、
- 内部ノードによって熱的に生成され収集される第1導電型の電荷キャリアがあるよりも、内部ノードによって熱的に生成され収集される第2導電型電荷キャリアの数が少ない
場合、第1補助ゲートは、内部ノードの第1補助ゲート誘起クランプがもたらされるように、すなわち、(第1ゲート上の第2入力論理電位ではない)入力が第2入力論理電位にあるときに内部ノードが調整する電位を定義する第1補助ゲート上の電位がもたらされるようにバイアスされることができる。第1FETと第2FETが同じ半導体材料で作られ、第1ゲートと第1補助ゲートの両方が同一のCISスタックに対応する場合、
- 閾値電圧の絶対値、
- 第1ソース電位と第1補助ゲート電位との間の電位差の絶対値
の合計は、
- 閾値電圧の絶対値、
- 第1ソース電位と第2入力論理電位との間の電位差の絶対値
の合計よりも小さくなければならない。ただし、入力が第1入力論理電位にあり、内部ノードの電位振幅(すなわち、入力が第1入力論理電位および第2入力論理電位にあるときの内部ノードの電位差)が十分に大きいとき、第1補助ゲートの下の半導体界面が反転していない(ただし、可動第1導電型の電荷キャリアの層があってはならない)。
【0094】
一般的に言えば、短絡電流緩和半導体論理素子において、第1FETが外部ゲートのみに対応する第1ゲートを含む場合、第1FETは、空乏型電界効果トランジスタまたはエンハンスメント型電界効果トランジスタのいずれかとすることができる。第1ケースにおいて、場合、入力が第2入力論理電位にあるとき、第1ゲートは、
- 第1チャネルが非導電性であるために、第1ソースに対して十分に大きな逆バイアスであり、
- 第1補助ゲートが誘起する内部ノードのクランピングを実現するため
でなければならない。第2ケースにおいて、入力が第2入力論理電位にあるとき、
- 非導電性の第1チャネルを確立する、
-第1補助ゲートが誘起する内部ノードのクランプを実現する
ために第1ソースに関しては、第1ゲートは、
- 逆バイアスにある、または、
- 閾値電圧を超えない、
十分に小さい順方向バイアスにあるのでなければならない。
【0095】
短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETは、空乏モードまたはエンハンスメントモード電界効果トランジスタのいずれかであり得る。短絡緩和半導体論理素子において、第2FET(すなわち第2ゲート)が、ゲート(すなわち第2ゲート)とソース(すなわち第2ソース)との間のpnおよび/またはショットキー接合を含む空乏モード電界効果トランジスタである場合に、
- 第1ソース電位、および、
- 第1補助ゲートが誘発するクランピングが行われるときの内部ノードの電位の間の電位差
の絶対値は、第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップが、第1FETを形成する半導体材料のバンドギャップよりも著しく大きい場合を除いて、
- 第1電源電位と
- 第1出力論理電位と
の間の電位差の絶対値よりも小さくなければならないことに留意することが重要である。この条件は、入力が第2入力論理電位にあるときに第2ソースで内部ノードをクランプする代わりに、内部ノードの第1補助ゲート誘起クランプを確実に行う。第1FETを形成する半導体材料のバンドギャップが、第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップより小さいかまたは同じであるとき、すなわち、この条件は、入力が第2入力論理電位に設定されると、内部ノードの電位が第2ゲートを第2ソースに対して逆バイアスにする(第2チャネルを引き起こす)電位に調整されることを保証する。第1FETを形成する半導体材料のバンドギャップは、第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップよりも小さいかまたは同じである。
【0096】
さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FET(すなわち第2ゲート)がpn、および/または、第2ゲートと第2ソースとの間のショットキー接合を含むエンハンスメント型電界効果トランジスタである場合、導電性の第2チャネルを提供するために入力が第2入力論理電位にあるとき、内部ノードは第2ソースに関して閾値電圧レベルより上に順方向バイアスされなければならないことに留意することが重要である。この事実は、
- 第1補助ゲート誘起クランピング中の第1ソース電位と内部ノード上の電位との間の電位差の絶対値が、第1ソース電位と第1出力論理電位との間の電位差の絶対値よりも大きくなければならないこと、
- 第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップが、第1FETを形成する半導体材料のバンドギャップよりもかなり大きいこと、
そして、クランプが第2のFETではなく第1のFETで行われるの確実にするように、入力が第2の入力論理電位に設定されているとき、内部ノードによって集められた熱的に生成された可動第1導電型の電荷キャリアの大部分は、第2ゲートから第2ソースへではなく、第1ドレインから第1ソースへと流れていることを必要とする。
【0097】
短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETが補助ゲート(すなわち第2補助ゲート)を含み、第2補助ゲートと第2ソースとの間にpn接合および/またはショットキー接合が存在する場合、順バイアスの大きさ、第2FETを形成する半導体材料のバンドギャップが異なる限り、第2補助ゲートは第2ソースに対して順バイアスされるべきではない。そして、温度は回路の全体的な電力消費を著しく増加させることなく低電力動作を可能にする。
【0098】
短絡電流緩和半導体論理素子において、
- 第2FETは、第2チャネルに対応する第2導電型チャネルドーピングを含む、
- 第2FETは、第2補助ゲートと第2チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する補助ゲートノードを備える、
- 第2ゲートは、第2ゲートと第2チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を含む、
の条件が満たされる場合、第2補助ゲートは、入力が第1入力論理電位にあるときに、典型的には完全に空乏化された第2チャネルに位置する電位バリアを越えて第2補助ゲートと第2ゲートとの間に電流が流れないようにバイアスされるべきである。
【0099】
短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETが、外部ゲートにのみ対応する第2補助ゲートノードを備える表面チャネル電界効果トランジスタに対応する場合、第2ソースに関して閾値電圧よりも大きい順方向バイアスで第2補助ゲートをバイアスすることが好ましい。
【0100】
短絡電流緩和半導体論理素子において、
- 外部ゲートにのみ対応する第2補助ゲートノードがあり、
- 第2ゲートと第2補助ゲートとの間に、第2チャネルに対応し、第2ゲートとのpn接合および/またはショットキー接合を有する第2導電型ドーピングがあり、
- 第2ゲートと、外部ゲート(第2補助ゲートに対応する外部ゲート)の直下の半導体界面に位置する半導体材料の内側の位置との間に第1導電型電荷キャリアのための導電経路がある
場合、第2補助ゲートが、第2ソースに関して(外部ゲートと半導体材料との間の絶縁体層は中性であると仮定して)第2ゲートよりもある量だけ逆バイアスされるとき、および、可動で第1導電型の電荷キャリアの前記層は、第2ゲートと同じ電位にあり、第2ゲートの部分として動作するとき、可動第1導電型電荷キャリアの層が外部ゲート(すなわち第2補助ゲート)の下の絶縁体半導体界面に確立されることに留意する。特に、第2チャネルドーピングが十分に大きい場合、第2ゲートの一部として働く第1導電型移動電荷キャリアの前記層が、すなわち、第2FETが、任意の第2補助ゲート電位の下で空乏モードトランジスタであるにもかかわらず、第2FETは空乏モード電界効果トランジスタである。さらに、第2補助ゲートを適切にバイアスすることにより、前記可動第1導電型電荷キャリアの層は、入力が第1入力論理電位にあったのか、第2入力論理電位にあったのかに関係なく存在する。これは好ましい動作方法である。第2チャネルドーピングが十分大きくなく、第2FETが空乏モード電界効果トランジスタではない場合、前記第1導電型移動電荷キャリアの前記層が存在するとき、入力が第1または第2論理電位にあるときに前記層が存在しないように第2補助ゲートをバイアスすることが好ましい。
【0101】
短絡電流緩和半導体論理素子において、
- 外部ゲートにのみ対応する第2補助ゲートノードがあり、
- 第2ゲートと第2補助ゲートとの間に、第2チャネルに対応し、第2ゲートとのpn接合および/またはショットキー接合を有する第2導電型ドーピングが存在し、
- 第2ゲートと外部ゲート(すなわち第2補助ゲート)の直下に位置する半導体材料の内側の位置との間には、第1導電型の電荷キャリアのための導電経路がない場合、入力が第1の入力論理電位にある
とき、および外部ゲートが適切にバイアスされているとき、可動第1導電型電荷キャリアの層が外部ゲートの下の絶縁体-半導体界面に確立される(外部ゲートは第2補助ゲートに対応する)ことにも留意する。第2チャネルのドーピングが十分に高い場合、第1導電型の移動電荷キャリアの前記層は、第2ゲートと同じ電位にもなく、第2ゲートの一部としても機能しないが、準定常状態に達したとき(特に、第2補助ゲートの下の可動第1導電型の電荷キャリアの層に関して)、第2チャネルは非導電性でなければならない、そうでなければ、例えば、逆バイアスの少ない電位で第2の補助ゲートを時々パルスさせることによって(すなわち、より順バイアスして)、非導電性の第2チャネルを維持するために、ベースラインの第2補助ゲート電位であるものよりも第2ソースに関して、第2補助ゲートの下に位置する可動第1導電型電荷キャリアの層内において、電荷キャリアの一部または電荷キャリアの全部を取り除かなければならない。この欠点は、前述のパルス中に第2チャネルが導電性になり全体的な電力消費が増加することであることは当然である。
【0102】
短絡電流緩和半導体論理素子おいて、第2FETが外部ゲートにのみ対応する第2ゲートを備える場合、入力が第1入力論理電位にあるとき、第2チャネルが非導電性であり、第2チャネルは入力が第2入力論理電位にあるとき導電性である限り、第2ゲートは、第2ソースに対して順方向または逆方向のバイアスをかけることができる。さらに、短絡緩和半導体論理素子では、第2FETは、外部ゲートにのみ対応する第2ゲートを備える。第2FETが空乏モードかエンハンスメントモード電界効果トランジスタかに関係なく、第2ゲートは第2ソースにクランプされない。第2ゲートが外部ゲートのみに対応する場合は、半導体論理素子を緩和する短絡回路に特によく適している。なぜなら、短絡電流によって引き起こされるスイッチング関連の電力消費を大幅に軽減することができ、あるいは出力からの電流をより正確に制御することによってそれを防ぐことさえできるからである。これは、入力が外部ゲートにのみ対応する従来のCCIS論理と比較した場合に有利である。ここで、出力からの電流の流れに対する制御が少なくなるため、短絡電流によるスイッチング関連の消費電力が増加する。
【0103】
短絡電流緩和半導体論理素子において、
- 第2FETは表面チャネルエンハンスメント型電界効果トランジスタであり、
- 第2FETは、外部ゲートにのみ対応する第2ゲートを含み、そして
- 第2FETは第2補助ゲートを含み、第1補助ゲートと第2ソースとの間にpn接合および/またはショットキー接合がある
場合、第2ソースに対する第2ゲート(内部ノードの一部である)の順方向バイアスは、第2FETの閾値電圧よりも大きい必要がある。入力が第2入力論理電位であるとき、すなわち、内部ノードの第1補助ゲート誘起クランプが行われるとき、第1ソースと内部ノードとの間の電位差の絶対値は、
- 第1ソースと第1出力論理電位との間の電位差の絶対値、および、
- 第2FETの閾値電圧の絶対値
の合計よりも大きくなければならない。さらに、第2補助ゲートは、第2ソースに電気的に接続されていることが好ましい。
【0104】
さらに、短絡電流緩和半導体論理素子において、第2FETが、
- 外部ゲートにのみ対応する第2ゲートを備え、
- 第2チャネルに対応する第2導電型チャネルドーピングを含み、
- 第2補助ゲートと第2チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第2補助ゲートを備え、そして、
- 第2補助ゲートと外部ゲートの直下に位置する半導体材料の内側の位置との間に導電路が存在する
場合、第2ソースに関して、第2補助ゲートよりもある量だけ逆バイアスされる(中性のゲート絶縁体を仮定する)とき、第2ゲート直下に第1導電型の移動電荷キャリアの層がある第2ゲートが同じ電位にあり、第2補助ゲートの一部として作用する。第1導電型移動電荷キャリアの層が第2ゲートの直下に直接形成される時点から先に、第2ゲート上の電位これは内部ノードの電位には影響を与えず、これが入力が第1の入力論理電位にある場合には、第2チャネルは非導電性である必要がある。
【0105】
さらに、短絡電流緩和半導体論理素子が第2FETを備え、
- 外部ゲートにのみ対応する第2ゲートがあり、
- 第2チャネルに対応する第2導電型チャネルドーピングがあり、
- 第2補助ゲートと第2チャネルとの間にpn接合および/またはショットキー接合を有する第2補助ゲートが存在し、そして、
- 第2補助ゲートと、外部ゲートの真下に位置する半導体材料の内側の位置との間に導電経路がない
が、しかし、第2チャネルのドーピングは非常に低いので、第1導電型の移動電荷キャリアの層が、同じ電位にあり、第2ソースに対する第2ゲートの逆バイアスが特定の値を超えると、第2補助ゲートの一部として作用する第2ゲートの真下に形成される場合に、第2チャネルのドーピングが十分に高い場合、第1導電型の移動電荷キャリアの前記層は、第2補助ゲートと同じ電位にもなく、第2補助ゲートの一部としても作用しないが、しかし(特に第2ゲートの下の第1導電型移動電荷キャリアの層に関して)準定常状態に達したとき、第2チャネルは非導電性であるべきであり、そうでなければ、第2ゲートの下に位置する第1導電型移動電荷キャリアの層中の電荷キャリアの一部または全部を、第2補助ゲートを時々パルス化することによって。非導電性の第2チャネルを維持するために、第2供給源に関して、逆バイアスが小さい(すなわち、順バイアスが大きい)電位で、除去するべきである。
【0106】
クランプ耐性半導体論理素子、および/または短絡電流緩和半導体論理素子が記載されている場合、および/または、半導体論理素子および/またはPCT/FI2016/050014による半導体論理素子第1FETが、第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピングを含む場合、第1導電型チャネルドーピングが、第1導電型の第1ソースから第1導電型の第1ドレインへ好ましくはまたは必然的に広がることに留意する。さらに、クランプ耐性半導体論理素子、および/または、短絡電流緩和半導体論理素子、および/または、入力容量最小化半導体論理素子、および/または、PCT/FI2016/050014にしたがう半導体論理素子は、第2FETにおいて、第2チャネルに対応する第2導電型チャネルドーピングを含むことが記載されているとき、第2導電型チャネルドーピングは、好適に、あるいは、必然的に、第2導電型の第2ソースから第2導電型の第2ドレインへ広がる。
【0107】
本願発明の実施形態の図面関連の説明の前(すなわち、図3および図4に関する説明の前)に、クランプ耐性半導体論理素子、短絡電流緩和半導体論理素子、入力容量最小化半導体論理素子、および、PCT/FI2016/050014号による半導体論理素子の一般的な態様を、本願発明の半導体論理素子を参照しながら説明する。その理由は、上記の一般的な態様が、クランプ耐性半導体論理素子、短絡電流緩和半導体論理素子、入力容量最小化半導体論理素子、および、PCT/FI2016/050014に従った半導体論理素子の4つすべてに当てはまるからである。
【0108】
従来の相補型論理では、従来の第2導電型の半導体論理素子(CISFET、CSFET、または第2導電型のソースおよびドレインを有するJFET、および、それらの間で、可動第2導電型の電荷キャリアを搬送することができるチャネル)は、発明された半導体論理素子で置き換えることができる。これが行われると、従来の半導体論理素子のゲート(すなわち入力)は、上述の第1FETのゲートに対応するが、しかし、より広い意味では、それは第1FETと内部ノードとを含むジョイント・エンティティに対応し、従来の半導体論理素子のソースは、上述の第2FETのソースに対応し、従来の半導体論理素子のドレイン(すなわち出力)は、第2FETの上述のドレインに対応し、そして従来の半導体論理素子のチャネルは第2FETのチャネルに対応する。従来の半導体論理素子のゲート(すなわち入力)は、従来の半導体論理素子のソースである第1または第2入力論理電位のいずれかに結合することができ、従来の半導体論理素子のソースは第1出力論理電位に結合することができ、ドレインは第1出力論理電位または第2論理電位にあることができることに留意する。
【0109】
本願発明の半導体論理素子のドーピングを反対の型に変更することによって、本願発明の半導体論理素子の第2入力論理電位に対応する相補型第1入力論理電位を供給することによって、本願発明の半導体論理素子の第1入力論理電位に対応する相補型第2入力論理電位を供給することによって、本願発明の半導体論理素子の第2出力論理電位に対応する相補型第1出力論理電位を提供することによって、第1出力論理電位に対応する相補型第2出力論理電位を提供することによって、そして、相補型第1ソース電位を供給することによって、発明された相補型半導体論理素子が確立される。
【0110】
従来の相補型論理では、従来の第2導電型半導体論理素子(第2導電型ソースおよびドレインを有するCISFET、CSFET、またはJFET)は、本願発明の半導体論理素子および従来の相補型第1導電型半導体論理素子(CISFET、CSFET、または、第1導電型のソースおよびドレインを有するJFETは、新規な型の相補型論理を達成するために、発明された相補型半導体論理素子と置き換えることができる。これが行われると、従来の相補型半導体論理素子のゲート(すなわち入力)は、本願発明の相補型半導体論理素子における第1FETのゲートに対応する。従来の相補型半導体論理素子のソースは、本願発明の相補型半導体論理素子における第2FETのソースに対応し、従来の相補型半導体論理素子のドレインは、本願発明の相補型半導体論理素子における第2FETのドレインに対応する。従来の相補型半導体論理素子のゲートは、第1または第2入力論理電位のいずれかに結合することができること、従来の相補型半導体論理素子のソースを第2出力論理電位に結合することができること、そして、ドレインは第1出力論理電位または第2論理電位のいずれかにあり得ることに留意する。
【0111】
前述の発明された相補型半導体に基づいて、論理が、発明された半導体論理素子と第1導電型の従来の半導体論理素子とを一緒に組み合わせることによって、あるいは、発明された半導体論理素子と発明された相補型半導体論理素子とを組み合わせることによって、確立される。本願発明の半導体論理素子が従来のCCIS論理における第2導電型エンハンスメントモードCISFETに取って代わるために使用される場合、発明された半導体論理素子の入力はCISFETの外部ゲートに対応する。発明された相補型半導体論理素子が従来のCCIS論理における第1導電型エンハンスメントモードCISFETを置き換えるために使用される場合、本願発明の相補型半導体論理素子の入力は、CISFETの外部ゲートに対応する。従来のCCIS論理では、第2導電型CISFETを発明された半導体論理素子に置き換えること、および/または、第1導電型CISFETを本願発明の相補型半導体論理素子で置き換えることが可能である。
【0112】
本願発明の半導体論理素子に基づく相補型論理回路および/または、発明された相補型半導体論理素子の利点は、定常状態の間、電位が異なるノード間では導電性電流経路は存在せず、消費電力が小さくなることである。さらなる利点は、内部ノードが、第1ゲートと第2ソース/ドレインとの間に配置されているので、第1ゲートノードは、第2ソースノードおよび第2ドレインノードから十分に絶縁されていることである。これは、単一の欠陥が第1ゲートノード間に永久的な導電経路の形成をもたらすことができないことを意味する。すなわち、第2ソースノードおよび/または第2ドレインノードと同様に、すなわち2つの論理線間の導電経路の形成が軽減される。そのため、欠陥に起因するダメージを分離しやすく、欠陥への対策設計が容易であり、完全なデバイス破損が発生する可能性が低くなる。本願発明の半導体論理素子および本願発明の相補型半導体論理素子のさらに別の利点は、複数の相補型論理レベル対が、新規な相補型論理回路において容易に確立することができることである。その上、発明された半導体論理素子または発明された相補型半導体論理素子の特定のアレンジメントに応じて、PCT/FI2016/050014号の発明の背景において、記述されている従来のCCIS論理に関連したさらなる問題も回避できる。
【0113】
本願発明の半導体素子は、CISFETのバックゲートドーピングがソースドーピングに接続されていない場合、従来のCCIS論理における対応するCISFETのように双方向性であり得ることに留意することが重要である。すなわち、望まれるときはいつでも、第2ソースと第2ドレインの機能を交換することができる。例えば、適切な関連回路を介して本願発明の半導体論理素子のバイアスを元に戻すことができる。第2ドレインドーピングが第1出力論理電位に接続されるように、そして第2ソースドーピングが出力になるようにすることができる。これは、第2ソースと第2ドレインの役割が本願発明の半導体論理素子において交換可能であり得ることを意味する。
【0114】
本願発明の半導体論理素子の入力、第2ソース、および/または、第2ドレインは、
- 他の半導体論理素子の出力、入力、第2ソース、および第2ドレイン、
- 相補型半導体論理素子の相補型出力(または短く、出力)、相補型入力(または短く、入力)、相補型第2ソース(または短く、第2ソース)、そして、相補型第2ドレイン(または短く、第2ドレイン)
- エンハンスメントモードCISFETを含む相補型半導体論理素子の出力、入力、ソース、およびドレイン、ならびに、
- エンハンスメントモードCISFETを含む相補型半導体論理素子の相補型出力(または短く、出力)、相補型入力(または短く、入力)、相補型ソース(または短く、ソース)、および、相補型ドレイン(または短く、ドレイン)、
の任意の数に接続できることに留意することも重要である。ただし、定常状態では、異なる電位にバイアスされているノード間に導電性経路が生成されない限りにおいて、である。
【0115】
例えば、NAND論理ゲートの一部またはNOR論理ゲートの一部を実現するために、半導体論理素子の出力は他の半導体論理素子の第2電源に接続することができる。NANDまたはNOR論理ゲートに基づく他の全ての論理ゲート(例えば、AND、OR、XOR、XNOR、NOTなど)を実現することができる。この例では、それらの間に配線が必要とされないように(この場合、第2ソースのバイアスは半導体基板の内側で行われる)異なる半導体論理素子の出力と第2供給源とを互いに融合することができる。
【0116】
以前に既に説明したように、従来のCCIS論理におけるCISFETを類似の型の発明された半導体論理素子と交換することができる。ここで、CISFETのソースは第2FETの第2ソースに対応し、CISFETのドレインは第2FETの第2ドレインに対応し、CISFETのゲートは第1FETの第1ゲートに対応する。例えば、本願発明によるインバータを実現するために、第2FETの第2ソースを、本願発明の半導体論理素子では、第1出力論理電位に、相補型第2FETの相補型第2ソースを、本願発明の相補型半導体論理素子では、本願発明の半導体論理素子の第2出力論理電位に接続する。次に、本願発明の半導体論理素子内の第1FETの第1ゲートを、本願発明の相補型半導体論理素子では、インバータの入力として、相補型第1FETの相補型の第1ゲートに接続する。最後に、第2のFETの第2のドレインを、本願発明の半導体論理素子において、相補型第2FETの相補型第2ドレインに、本願発明の相補型半導体論理素子では、インバータの出力として接続する。インバータの入力は、第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかにバイアスされる。インバータの入力が第1入力論理電位にバイアスされている場合、インバータの出力が第2出力論理電位にあり、インバータの入力が第2入力論理電位にバイアスされている場合、インバータの出力は第1出力論理電位にある。本願発明のインバータ構成では、第1入力論理電位と第1出力論理電位は異なっていても同じでもよい。同様に、第2入力論理電位と第2出力論理電位は異なっていても同じでもよい。
【0117】
簡単なスイッチを実現するために、本願発明の半導体論理素子の第2ソースと本願発明の相補型半導体論理素子の相補の第2ソースとをスイッチの1つのノードとして一緒に接続する。そしてさらに、本願発明の半導体論理素子の第2ドレインと本願発明の相補型半導体論理素子の相補型の第2ドレインとをスイッチの別のノードとして互いに接続することができる。次に、本願発明の半導体論理素子の入力をインバータの入力に接続し、最後にインバータの出力を本願発明の相補型半導体論理素子の入力に接続する。ここで、発明された半導体論理素子の入力はスイッチの入力として働く。スイッチの入力の状態に応じて(第1または第2入力論理電位)、スイッチは、1つのノードから第2出力論理電位と第2出力論理電位との間にある別の電圧への遮断または通過(または、少なくとも1つのノードから第1または第2出力論理電位のいずれかである別の電圧への遮断または通過のいずれか)を行う。
【0118】
ある発明の半導体論理素子の第2ソースが第1出力論理電位にバイアスされていないかもしれないという事実に加えて、相補型論理回路内に少なくとも1つの発明された半導体論理素子がなければならないことを理解することは極めて重要である。そうでなければ、本願発明の相補型論理回路は機能しないであろうから、第2ソースは第1出力論理電位に接続される。しかしながら、これは異なるバイアス方式の使用を制限するものでもない。本願発明の半導体論理素子においても、本願発明の保護範囲を限定するものではない。例えばいくつかの接続点でおよび/またはある時点で、第2ソースは第2出力論理電位に接続することも、フローティングにすることも、第2のソースと第2のドレインの役割を交換することもができる。
【0119】
さらに、発明された半導体論理素子を実現することが可能であることに留意することは重要である。ここで、接続可能な第1FETが複数存在し、並列または直列に接続できる。並列または直列とは、このようにして本願発明の半導体論理素子がいくつかの入力を有することができることを意味する。並列構成では、複数の第1FETの第1ドレインを第2FETの第2ゲートに接続する。すなわち、内部ノードのサイズ、したがって全体の静電容量が増大する。しかしながら、問題は、個々の第1ゲートノードと内部ノードとの間の容量結合が、内部ノードのより大きな全体的な静電容量のために減少し、それがスイッチング速度を低下させる可能性があることである。
【0120】
第1FETの直列接続において、第1FETの第1ドレインは他の第1FETの第1ソースに接続される。しかしながら、問題は、内部ノードが第2FETの隣にある第1FETの第1ドレインのみを含むことである。言い換えれば、1つの入力だけが内部ノードに容量結合されているため、スイッチング速度に重大な影響を及ぼす可能性がある。この状況に対処することができるが、しかし、内部ノードと直列接続された第1FETのすべての入力との間にプレートコンデンサを利用することによって、内部ノードの静電容量が増加し、したがってスイッチング速度が低下する可能性がある。他の選択肢は、内部ノードと内部ノードの隣に位置する入力との間の容量結合を除去し(または可能な限り軽減する)、中間バンドギャップ状態を有する不純物原子(例えば、シリコン中の金)を第1FETの第1ドレインのしたに注入することである。ここで、第1FETの第1ドレインは第2FETの第2ゲートに接続されている。このようにして、第1FETの直列接続のスイッチング速度を許容レベルまで改善することができるが、それは定常状態の電力消費をかなり増加させる。
【0121】
1つの単一の第1FETあたりいくつかの第2FETを有することもでき、内部ノードは第1FETの第1ドレインといくつかの第2FETの第2ゲートとを含む。しかしながら、このアレンジメントに関する問題は、それがスイッチング速度を低下させる可能性があり、またそれがより多くの面積を消費することである。前者はより大きな内部ノード容量によるものであり、後者は、複数の配線経路を第2FETの第2ドレインに結合することによって、単一の第2FETで同じ効果を達成することができるという事実によるものである。複数の第1FETと複数の第2FETとを備える本願発明の半導体論理素子を実現することもできる。
【0122】
さらに、第1FETが複数の入力を有するように、第1FETおよび/または第2FETにおいて複数の独立したゲートを利用することが可能であり、および/または、複数の独立したゲートが互いに分離されている場合、第2FETは、複数の独立した第1FETに接続された複数の内部ノードを有する。言い換えれば、独立したゲートは、CISまたはショットキー型(Conductor Semiconductorスタックを含む)の外部ゲートに対応する必要がある。第1FETが複数の独立した第1ゲートを含む場合、複数の第1FETが直列に接続されるとき(すなわち、第1FETの第1ドレインが別の第1FETの第1ソースに接続されるとき)と同じ問題がある。第2FETが複数の独立した第2ゲートを含み、各独立した第2ゲートが別々の第1FETの第1ドレインに接続される場合、スイッチング速度は、1つの第2FETあたり1つの第1FETしかない場合と比較して影響を受けないが、しかし、面積の縮小は達成される。この事実は、例えば、NAND構成において活用される可能性がある。
【0123】
単純化のために、発明された半導体論理素子が、1つの第1FETと1つの第2FETとを含むケースのみ、本願明細書において、後に考察される。さらに、特に言及されていない限り、第1入力論理電位は第1出力論理電位と同じであると仮定され、第1論理電位と呼ばれる。第2入力論理電位は第2出力論理電位と同じであると仮定され、第2論理電位と呼ばれ、第2ソースは第1論理電位に接続されると仮定される。しかしながら、これは、異なる種類の半導体論理素子および異なる種類のバイアス方式の使用を制限するものでも、本願発明の保護範囲を制限するものでもない。発明された/新規の半導体論理素子の他に、以下では単に半導体論理素子とも呼ぶ。そして、新規/発明された相補型半導体論理素子は、以後、単に相補型半導体論理素子とも呼ばれる。
【0124】
上記の説明および後の本願明細書の記載では、ノード電位という用語は、例えば、状況に対応するノードに接続されている、または接続されるであろう配線の上の、推定される可能性があるノードのフェルミレベルを指す。ここで、半導体論理素子のノードまたは相補型半導体論理素子に電気的に接続されているすべての配線は、同じ材料で形成される(オーミックコンタクトが必要)。しかしながら、異なるノードにバイアスをかけることによって。半導体材料の内部に位置する導電経路を通して、異なるノードで異なる配線材料をバイアスするために使用することができ、あるいはワイヤを省略することができる。
【0125】
既に述べたように、発明された半導体論理素子の前述の態様は、PCT/FI2016/050014にしたがう半導体論理素子、クランプ耐性半導体論理素子、短絡電流緩和半導体論理素子、および、入力容量最小化半導体論理素子に適用される。
【0126】
図3および図4は、PCT/FI2016/050014号による半導体論理素子、またはクランプ耐性半導体論理素子、または入力容量最小化半導体論理素子に対応する半導体論理素子を示す。図4は概略レイアウトに対応し、図3図4の導体論理素子は、左側の第1FETおよび右側の第2FETの上にある。図3において、水平方向のx方向は、半導体論理素子の表面上に位置する方向に対応する。垂直z方向とは、半導体論理素子の表面に対して垂直な方向を指す。図4では、水平方向のx方向は半導体論理素子の表面上にあり、破線471と平行である。図4において、垂直y方向は半導体論理素子の表面上にも位置し、それはx方向に垂直である。
【0127】
第1FETは、第1ソースに対応する第1導電型ソース311、第1ドレインに対応する第1導電型ドレイン313、第1ソースと第1ドレインとの間に配置され、可動第1導電性電荷キャリアを運ぶことができる第1チャネルに対応する第1導電型チャネルドーピング331、および、第1チャネルを制御/制限する第1ゲートを含む。第1ゲートは、第2導電型上部ゲートドーピング325、第2導電型下部ゲートドーピング345、および、第2導電型コンタクトドーピング415を含む、上部ゲートドーピング325は上方から第1チャネルを制御/制限し、下部ゲートドーピング345は下方から第1チャネルを制御し/制限する。
【0128】
第2FETは、第2ソースに対応する第2導電型ソース312、第2ドレインに対応する第2導電型ドレイン314、第2ソース間に配置された第2導電型チャネルドーピング332、および、可動の第2導電型の電荷キャリアを搬送できる第2チャネルに対応する第2ドレイン、および、第2チャネルを制御/制限する第2ゲートを含む。第2ゲートは、第1導電型上部ゲートドーピング326、第1導電型下部ゲートドーピング346、および、第1導電型コンタクトドーピング416を含む。上部ゲートドーピング326は第2チャネルを上方から制御/閉じ込め、下部ゲートドーピング346は第2チャネルを下方から制御し/閉じ込める。
【0129】
図4では、第1チャネル331および第2チャネル332は、説明のために破線で示されている。それらは半導体材料の表面に位置しているのではなく、半導体材料のより深い内部に位置しているからである。絶縁体層360は、半導体オンインシュレータ(SOI)構造の一部である。トレンチ362は絶縁体層360に達し、第1FETおよび第2FETを囲み、それによって両方のFETを分離する。層300は、上に位置するSOIアレンジメントを支持する。
【0130】
第1ソースノードは、第1ソースおよび関連配線481を含み、配線481を介して第1ソース電位に結合されるように構成される。第1ゲートノードは入力に対応し、それは第1ゲートおよび関連する配線485を含む。そして、配線485を介して第1入力論理電位または第2入力論理電位に結合されるように構成される。第2ソースノードは、第2ソースおよび関連配線482を含み、配線482を介して第1出力論理電位に結合されるように構成される。第2ドレインノードは、出力に対応し、第2ドレインと関連配線484とを含む。内部ノードは、第1ドレイン、第2ゲート、および第1ドレインと第2ゲートとを接続する配線483を含む。入力と内部ノードとの間には、オプションの「引きずり」コンデンサ490も存在する。
【0131】
重要性の理由から、半導体論理素子の特別な場合が分析される。ここで、第1入力論理電位は第1出力論理電位(両方とも第1論理電位と呼ばれる)に対応する。第2入力論理電位は第2出力論理電位(両方とも第2論理電位と呼ばれる)に対応する。また、バンドギャップ幅はおおよそシリコンに対応する。この特別な場合は、クランプ耐性半導体論理の動作に対応する、図5図10を用いて図3および図4の半導体論理素子に関して分析される。図5-10では、物理的なx、y、およびz方向横方向は静電電位を表し、縦方向は静電電位を表している。図5-10において、互いに一定の距離だけ離れている曲線は、半導体材料の価電子帯および伝導帯端を指す(上側の線は伝導帯端に対応し、下側の線は、価電子帯端に対応し、そしてそれらの間には半導体材料の禁制帯がある)。一方、真っ直ぐな垂直部分と水平部分とからなる線は、半導体材料の外部にあり、異なるノードに属する配線を指す。図5-10では、半導体材料内部の価電子帯および伝導帯端の電位は、水平方向に対応する物理的方向(x、y、および/またはz)の関数として垂直方向によって表される。図5-10において、静電電位および物理的方向は半導体材料の内部にのみ適用され、そして、それらは半導体材料の外側に位置する配線には適用されないことに留意することが重要である。図5図10では、可動負電荷キャリア、すなわち電子は黒ドット2551で示され、可動正電荷キャリアはすなわち、穴は円2552で示されている。さらに、図5図10において、水平方向の破線2553は、フェルミ準位および準フェルミ準位を示す。
【0132】
図5は、第1FETがp型(p型ソースおよびドレイン、正孔チャネル)であり、第2FETがn型であることに対応し(n型ソースおよびドレイン、電子チャネル)、また、第1ゲートノード(すなわち入力)は、例えば、第1論理電位に接続されている。第1ソースノードは、例えば、ー5Vである第1ソース電位に結合されており、第2ソースノードは第1論理電位に接続されている。一方、図7は、入力が、例えば3 Vである第2論理電位に接続されている場合について言及している。
【0133】
トランジスタのゲートノードがソースノードの電位にバイアスされる場合よりもトランジスタのチャネルの導電性が低くなるような電位にトランジスタのゲートノードがバイアスされるときの状況は、ソースノードに関して、ゲートノードが逆バイアスされると呼ばれる。ゲートノードにおけるより大きな逆バイアスは、チャネルがより導電性ではない状況と呼ばれる。同様に、トランジスタのゲートノードがソースノード電位にバイアスされる場合よりもトランジスタのチャネルが導電性であるような電位にバイアスされる場合の状況は、以下では、ソースノードに関して順バイアスであるゲートノードと呼ばれる。ゲートノードにおけるより大きな順方向バイアスは、チャネルがより導電性である状況と呼ばれる。
【0134】
図5図7および図8図10による半導体論理素子において、第1ゲートノード上の第1論理電位および第2論理電位は、第1ソースノードがバイアスされる第1ソース電位に関して両方とも逆バイアスである。さらに、第2論理電位は、第1ソース電位に関して第1論理電位よりも大きい逆バイアスである。これは、第1ゲートノードが第1論理電位よりも第2論理電位にバイアスされているときには、第1チャネルは導電性が低いことを意味する。
【0135】
図5図10による半導体論理素子の基本的に重要な動作上の特徴が図5に示されている。すなわち、第1論理電位にある入力が第1ソース電位にある第1ソースノードに対して逆バイアスされていても、第1チャネルは依然として導電性である。これは、図5において、第1チャネルドーピング331が、価電子帯端および伝導帯端が平坦な水平線によって表される部分を含むという事実から推測することができる(チャネルが本質的に完全に枯渇していないことを意味し、原子価および伝導端の平坦な水平断面は、一般に電位勾配がなく、対応する断面が空乏化していないことを意味する)。他の表示は、図5において、第1チャネルドーピング331(図5におけるp型)に入るための第1ソース(図5におけるp型)多数キャリア(図5における穴)に対する電位バリアに対応する垂直距離2593は非常に小さい、ということであり、すなわち、高ソース/ドレインドーピング対低チャネルドーピングに対応するこのバリアは、同様のドーピング型の中性領域におけるドーピング濃度の変化に起因するだけである。したがって、このバリアは、第1ソースの多数キャリアの第1チャネルへの、さらに第1ドレインへの流れを制限しない(図5のp型)。これは、第1ドレインおよび第2ゲートを含む内部ノードは、第1ソースノードと同じ電位、すなわち第1ソース電位(例えば、-5V)にバイアスされ、したがって内部ノードは、第1ソースノードに対して逆バイアスされる。第2ソースノードは第1論理電位(例えば0V)にあることを意味する。図5図10による単語垂直距離および潜在的バリア(または単にバリア)は、以下、電位差の絶対値と呼ばれ、すなわち、対応する値は常に正であり、Volt量を有する。
【0136】
図5は、図5図10による半導体論理素子の他の基本的に重要な動作上の特徴も示す図である。すなわち、内部ノードと第2ソースノードとの間の逆バイアスが、内部ノードが第1ソース電位になるようなものであり、第2ソースノードは第1論理電位にあり、そして第2チャネルは非導電性である場合を示す。これは、第2チャネル332が平らな水平断面を含まないという事実から推論することができる。ここで、価電子帯と伝導帯の端は平坦な水平線で表される(チャネルが本質的に完全に空乏化していることを意味する)。もう1つのより重要な表示は、図5のものである。図5に示されるように、第2チャネル332(図5におけるn型)に入るための第2ソース(図5におけるn型)多数キャリア(図5における電子)に対する電位バリアに対応する垂直距離2594は、第2ソースの多数キャリアの第2ドレインへの流れ(図5のn型)を阻止するために十分に大きい。したがって、半導体論理素子の出力は、第1論理電位または第2論理電位のいずれかにあり得る。すなわち、入力への第1論理電位の印加は、半導体論理素子が出力上の電位を制御できないことを意味する。
【0137】
垂直距離2595は、第1ソースの多数キャリアが導電性の第1チャネルの底部に位置する電位バリアに対応する(図5のp型)。入力が第1論理電位にあるとき、第1ゲートの中性部分(図5のn型)に入るために克服する必要がある。垂直距離2596は、非導電性の第2チャネル(図5のn型)の底部に位置する第2ソースの多数キャリアが、第2ゲート(図5のp型)の中性部分に入るために、入力が第1論理電位にあるとき克服する必要がある、電位バリアに対応する。図5図7および図8図10による半導体論理素子が機能するためには、両方のFETに同様のゲート-ソース逆バイアスが印加されたとき、垂直距離2595が垂直距離2596よりかなり大きいことが基本的に重要である。言い換えれば、第1ソースノードが第1ソース電位にあるとき、第1ゲートノードが第1論理電位にあるとき、第2ソースノードが第1論理電位にあるとき、および第2ゲートを含む内部ノードが第1ソース電位にあるとき。第1FETの第1チャネルは導電性であり、第2FETの第2チャネルは非導電性であるように、第1FETは第2FETよりも深いチャネルまたはより大きいチャネル深さを有する。
【0138】
図5において、垂直距離2591は、第1曾ースと第1ゲートとの間の電位差の絶対値に対応する。これは、第1電源電位(例えば、-5V)と第1論理電位(例えば、0V)との間の電位差の絶対値プラス内蔵電圧Vbi(垂直距離2591は、例えば、5V+Vbi;Vbi>0Vである。)に等しい。垂直距離2591は、電位バリア2595と2593の合計に等しい。同様に、垂直距離2591は、電位バリア2596と2594の合計に等しい。図5では、この段階では入力が出力を制御できないことがさらに強調されている。配線484を含む出力ノードは、第1論理電位(例えば0V)または第2論理電位(例えば3V)のいずれかにあり得る。図5において、垂直距離2592は、第1論理電位と第2論理電位との間の電位差の絶対値に対応する。
【0139】
図6は、配線485を含む入力ノードが第1論理電位(例えば0V)から第2論理電位(例えば3V)へ引っ張られる過程にある状況に対応する。図6は、第1チャネル(この場合はp型)がピンチオフされたとき(すなわち、導電ステージと非導電ステージとの間のチャネルの中間ステージ)に、および、第2FETに対する変化する入力電位の影響が、第1チャネルを流れる電流によってこれ以上補償できない、すなわち、第1ゲート - 第1ドレイン容量を介して、そして場合によっては任意の「引きずり」プレートコンデンサ490を介して内部ノードの電位は入力(すなわち第1ゲートノード)の電位に強く追従し始めるときに、正確に対応する。これは、第2ゲートが第2ソースに対して逆バイアスが少なくなり始めるという第2FETに影響を与える。垂直距離2697は、第1ゲートノード(すなわち入力)が第1論理電位にあるとき、および第1チャネルがピンチオフされるときに第1ゲートノードが電位にあるときの状況間の第1のゲートの電位差の絶対値を表す。図6において、垂直距離2695は、第1のチャネルがピンチオフしているときに第1のゲートのニュートラル部分に入るためには、第1チャネルの底部に位置する第1光源の多数キャリアが克服する必要がある潜在的なバリアを指す。すなわち、垂直距離2695は、チャネルピンチオフ時の第1FETのチャネル深さを指す。図6からも、その第1チャネルは第2チャネルよりもかなり深い、すなわち、垂直距離2695は明らかに垂直距離2596より大きいことが明らかに分かる。
【0140】
図7は、入力ノードが既に第2論理電位(例えば3V)に達したときの状況に対応する。この段階では、配線483を含む内部ノードは、第1論理電位にある第2ソースにクランプされていないことが明らかに分かるが、その代わりに、(内部ノードの一部である)第2ゲートは、第2チャネルに関して導電性となるようにするとともに、第2ソースに関しても第2ゲートが逆バイアスされるようにする電位に調整される。内部ノードが調整される電位は、第1電源電位と第2論理電位との間の電位差によって、同様に、温度およびバンドギャップ(電位バリア2793の大きさを規定する)によっても、主にチャネル深さ2795によって定義される。図7において、垂直距離2794は、第2チャネルが導電性であるときに第2チャネルに入るための第2ソースの多数キャリアの潜在的バリアを指す。図7において、垂直距離2796は、第2チャネルの底部に位置する第2信号源の多数キャリアが第2ゲートの中立部分に入るために克服する必要がある潜在的なバリアを指す。すなわち、垂直距離2796は、入力が第2入力論理電位にあるときの第2チャネルのチャネル深度を指す。図7において、垂直距離2798は、電位バリア2794と電位バリア2796の和に等しい第2ソースに関して内部ノードの逆バイアスに対応する。図7において、垂直距離2793は、第1ドレインの多数キャリアが第1チャネルに入り、さらに第1ソースに入ることに対する潜在的なバリアを指す。図7において、垂直距離2795は、入力が第2論理電位にあるときに第1ゲートの中性部分に入るために、非導電性の第1チャネルの底部に位置する第1ソースの多数キャリアが乗り越える必要がある電位バリアを指す。すなわち、垂直距離2795は、入力が第2論理電位にあるときの第1チャネルのチャネル深さを指す。
【0141】
図7から、第2チャネルドーピング332が平坦な水平断面を含む(すなわち、チャネルが完全に空乏化していない)という事実により、そして潜在的なバリア2794がとても小さいという事実のために第2チャネルがこの段階で導電性であることを推測することができる(すなわち、バリアは、高濃度のソース/ドレインのドーピング対低位のチャネルのドーピングに対応する同様のドーピング型の中性領域におけるドーピング濃度の変化のみによるものである)。それは、第2ソースの多数キャリアが第2チャネルに入り、さらに第2ドレイン(すなわち、出力)に入るのを妨げないことである。第2チャネルが導電性であるという事実は、出力ノードが第2ソースノードと同じ電位、すなわち第1論理電位にバイアスされることを意味する。
【0142】
同様に、図1から推測することができる。図7から、第1流路内に平坦な水平断面がないという事実のために、第1流路はこの段階では非導電性であることがわかる。電位バリア2793は、第1ドレインの多数キャリア(この場合は正孔)が第1チャネルに入り、さらに第1ソースに入るのを防ぐのに十分な大きさである。第1チャネルが非導電性であるという事実は、内部ノードが第1ソース電位にもはやバイアスされていないことを意味する。しかし反対に、第2供給源に関して、内部ノードの電位は逆バイアスされた電位に適応し、第2チャネルを導電性にする。
【0143】
要約すると、半導体論理素子が機能するためには、入力が第2論理電位に設定されたときに第1チャネルが非導電性であることが基本的に重要な点である。この特徴は内部ノードの電位を第1電源電位から切り離すことを可能にするからである。したがって、内部ノードの電位を、導電性の第2チャネルを調整する電位に適応させることができる。これは、出力が第1の論理電位に設定されることを意味する。
【0144】
導電性の第2チャネルを変換する電位への内部ノードの適応は、第1ゲートノードと内部ノードとの間に本質的に存在する容量(第1ゲートと第1ドレインとの間の容量を含む)を介して、および/または、実際には小さな間隙によって分離された2つの対向するプレートの形態を有する必要はない、任意選択の「引きずり」プレートコンデンサを介して、達成され得る。その上、図7によれば、第1ゲートノードと内部ノードとの間に容量がなくても、熱的に生成された第1の型の移動電荷キャリアが収集されたため、入力が第2の論理電位に設定されているとき、内部ノードの電位は第1論理電位に落ち着く。内部ノードによる電位は、内部ノードの電位を図4に示す電位に安定させる。 しかしながら、第1ゲートノード(すなわち入力)と内部ノードとの間にキャパシタンスが存在しない場合、内部ノードの整定時間は、内部ノードが入力と内部ノードの間の容量を介して第1の論理電位に引き下げられるときよりもはるかに長くなり得る。動作速度は半導体論理素子にとって重要であるので、オプションの「引きずり」プレートコンデンサを利用することは有益であり得る。内部ノードをシールドする役割を果たすバイアス導体で内部ノードを覆うこともまた有益であり得る。このようにして、内部ノードへの望ましくない外部容量結合を防ぐことができるからである。
【0145】
既に述べたように、図5図7は、第1FETがp型であり、第2FETがn型である場合の状況に対応する。第1FETがn型(n型ソースおよびドレイン、電子チャネル)である図8図10についても反対である。第2粗ETはp型(p型ソースおよびドレイン、正孔チャネル)である。図8図10図5図7との間の唯一の違いは、全てのp型ドーピング原子がn型ドーピング原子に変更されていること、およびその逆であること、そして電位の極性が変わることである。さらに、レベルシフトをすべての電位にアサートすることができる。そうでなければ、他のすべては同じままである。前述のことは、図8は、図5の垂直鏡像であること、図9は、図6の垂直鏡像であること、図10は、図7の垂直鏡像であることを意味する。
【0146】
図8において、第1ソースノードは第1ソース電位、例えば8Vに接続されている。第2ソースノードは第1論理電位に接続されている。入力が第1論理電位(例えば3V)に接続されているとき、第1チャネルは導電性である。したがって、内部ノードを第1電源電位(例えば8V)にバイアスして、第2チャネルを非導電性にする。これにより、出力を第1論理電位(例えば3V)または第2論理電位(例えば0V)のいずれかにすることができる。一方、図10において、入力が第2論理電位(例えば0V)に接続されているときは、第1チャネルは非導電性であり、内部ノードが第2チャネルを導電性にする電位に調整することを可能にし、それによって出力を第1論理電位(例えば3V)にバイアスする。図9は、(入力が第1論理電位にバイアスされたときの)初期段階間の遷移段階を示し、そして最後のステージ(入力が第2論理電位にバイアスされる時)は、まさに、第1チャネルがピンチオフされた瞬間である。
【0147】
既に述べたように。図6(または図9)は、図5(または図8)に示した段階からの遷移を示す。ここで、第1論理電位にある入力は、図7(または図10)に示したステージへの出力の電位を制御できない。ここで入力は第2論理電位にあり、出力を第1論理電位に設定する。他の方向への遷移が行われるとき、すなわち入力の電位が第2論理電位から第1論理電位に変換されるとき、第2FETに関する中間段階はわずかに異なって見える、なぜなら、入力が第1の信号源に対してより小さな逆バイアスに変換されるとき、(本質的にプリセットされた第1のゲートから第1のドレインへの静電容量とオプションのプレート「ドラッグアローン」コンデンサを含む)「引きずり」容量が、内部ノードを第2ソースに対してより大きな逆バイアスにプッシュするからである。この過程で、内部ノードは、第2ソースに対して、第1論理電位にバイアスされている第2ソースノードに対して第1ソース電位にバイアスされている内部ノードの逆バイアスであるもの、より大きな逆バイアスにプッシュされる可能性がある。ただし、入力の電位が第1のチャネルのピンチオフ逆バイアスに達した瞬間第1ソースノードに関して、内部ノードは導電性の第1チャネルを介して第1ソース電位にバイアスされる。
【0148】
図3図4、および、図5図10に対応する実施形態では、図3および図4の第1FETと第2FETの両方がラテラル接合FET(JFET)である。JFETのゲートは、ソース、ドレイン、およびチャネルと同じ半導体材料の領域内に形成される。JFETチャネルの他に半導体材料の内側に配置され、すなわちJFETは埋め込みチャネルを含む。横型JFETでは、電流は半導体界面の真下で平行な面内を、表面に関して(図3および図4ではx方向に沿って)横方向に流れる。さらに、図3図4、および図5図10に対応する半導体論理素子では、図3および図4の第1FETと第2FETの両方が空乏モードFETである。さらに、第1FETでは、チャネルは、第2FETよりも高いゲート対ソース逆バイアスレベルで導電性を維持する。要約すると、図3図4、および図5図10に対応する半導体論理素子において、第1FETおよび第2FET第1FETは、逆の型の空乏モード横型JFETであり、第1FETは第2FETよりも深い埋め込みチャネルを有する。
【0149】
以下、空乏モードFETという用語は、ゲートがソースと同じ電位に接続されているときにチャネルが導電性であるFETを指す。以下、エンハンスメントモードFETという用語は、ゲートがソースと同じ電位に接続されているときにチャネルが非導電性であるFETを指す。補助ゲートを含む第1FETおよび第2FETの設計では、補助ゲートのバイアスが、トランジスタが空乏モードまたはエンハンスメントモードに対応するかどうかを定義することに留意する。
【0150】
埋め込みチャネルFETという用語は、以降、電流の少なくとも一部および有利には全ての電流が半導体材料の内部を流れるチャネルを指す。これは、ソースおよびドレインと同じ導電型のチャネルドーピングを配置することによって可能になる。導電段階にあるJFETでは、全ての電流は本質的に半導体材料の内部を流れる。導電段階にある埋め込みチャネルCISFETにおいて、チャネル内の可動電荷キャリア(対応する埋め込みチャネルCISFETのソース/ドレイン内の多数キャリアと同じ型である)が、外部ゲートの下に位置する(半導体とゲート絶縁体層との間の)界面から押し出されるように外部ゲートを適切にバイアスすることによって、すべての電流を半導体材料内に強制的に流すことができる。
【0151】
さらに他の点は、図3図4図5図10に対応する半導体論理素子において、第1FETと第2FETとが、ラップアラウンドゲートを備える。すなわち、チャネルは、4つの側面からゲートによって閉じ込められる。チャネルの幅(y方向)がチャネルの厚さ(z方向)よりかなり大きい場合、チャネルが上下から(すなわち両側から)だけ閉じ込められるならば、それは大きな違いを生じない。チャネルが両側から絶縁体トレンチによってy方向に閉じ込められる場合がそうである。チャネルが片側からのみy方向にトレンチによって閉じ込められる場合、チャネルは3つの側からゲートによって閉じ込められる。
【0152】
図5-10では、簡単のために、第1FETと第2FETは同じ半導体材料で形成されていると仮定される。したがって、ドーピング濃度、ドーピングの種類、およびノードの電位が一致する場合、第1FETと第2FETの両方における価電子帯端と伝導帯端の位置は一致する。しかしながら、第1FETおよび第2FETは、異なる半導体材料からも作られ得る。このようにすると、半導体論理素子の性能をより最適化することができるので、これはさらに有益であり得る。さらに、配線の材料はすべてのノードで同じであると仮定されるが、当然ながら、異なる配線において異なる配線材料を利用することができる。
【0153】
図1および図2で既に前述したように、2つの半導体論理素子、すなわち反対の型の2つのエンハンスメントモード表面チャネルCISFETが提示されている。従来のCCIS論理がこれら2つの基本的な半導体論理素子だけで実現されることに注目することは重要である。図1および図2の右側の半導体論理素子(すなわち右側のCISFET)は、図3および図4に提示された半導体論理素子に対応する。図3および図4のn型ドーピングとp型ドーピングとが交換されている相補型半導体論理素子は、すなわち、斜線でマークされた半導体領域がバックスラッシュ線に変更され、その逆もまた同様であり、図1および図2の左側に示されている半導体論理素子に対応する。本願発明の半導体論理素子および/または本願発明の相補型半導体論理素子は、特定の相補論理の実現を可能にし、以下では修正標準相補論理(MSCL)と呼ばれる。
【0154】
従来の標準相補論理(TSCL)という用語は、1組の論理要素を含む相補論理回路を指す。これは、
- ソースが第1出力論理電位にあり、ゲートが第1入力論理電位にあるとき、チャネルは非導電性であるとき、ソースが第1出力論理電位にあり、ゲートが第2入力論理電位にあるとき、チャネルは導電性であるとき、ゲート、第2導電型ソース、第2導電型ドレイン、およびソースとドレインとの間にあるチャネルを含む従来の半導体論理素子に、および、
- ソースが相補型第1出力論理電位にあり、ゲートが相補型第1入力論理電位にあるとき、チャネルは非導電性であるとき、ソースが相補型第1出力論理電位にあり、ゲートが相補型第2入力論理電位にあるとき、チャネルは導電性であるとき、ゲート、第1導電型ソース、第1導電型ドレイン、およびソースとドレインとの間のチャネルを含む従来の相補型半導体論理素子に
対応する。ここで、
- 第1入力論理電位、第1出力論理電位、相補型第2入力論理電位、および、相補型第2出力論理電位は、前述の論理素子のセット全体を通して全て同じであり、第1論理電位に対応し、
- 第2入力論理電位、第2出力論理電位、相補型第1入力論理電位、および、相補型第1出力論理電位は、前述の論理素子の組全体を通して全て同じであり、第2論理電位に対応し、
- 定常状態の間、異なる電位にある2つのノード間に導電経路は存在しない。
【0155】
TSCL回路は、より大きな相補型論理回路の一部または異なる種類の論理および混合モード回路の一部であり得ることに留意することが重要である。
【0156】
MSCLという用語は、
- 発明された半導体論理素子、
- 発明された相補型半導体論理素子および/または従来の相補型半導体論理素子、
- おそらく従来の半導体論理素子、を含む1組の論理要素から構成される相補型論理
を指す。
【0157】
さらに、MSCLに対応する論理要素の組において、
- 本願発明の半導体論理素子において、第1型の第1FETのソースが第1ソース電位にあるとき、第2型の第2FETのソースは第1出力論理電位にあり、そして、第1FETのゲートは第1入力論理電位にあり、そして第2FETのチャネルは非導電性である、
- 本願発明の半導体論理素子において、第1FETのソースが第1ソース電位にあるとき、第2FETのソースは第1出力論理電位にあり、第1FETのゲートは第2入力論理電位にあり、第1FETのチャネルは非導電性であり、第2FETのチャネルは導電性である、
- 本願発明の相補型半導体論理素子において(論理素子の組に存在する場合)第2型の相補型第1FETのソースが相補型の第1ソース電位にあるとき、第1型の相補型第2FETのソースは、相補型の第1出力論理電位にあり、相補形の第1FETのゲートは相補形の第1入力論理電位にあり、相補形の第2FETのチャネルは非導電性である、
- 本願発明の相補型半導体論理素子において(論理素子の組に存在する場合)、相補型第1FETのソースは相補型第1ソース電位にあり、相補形第2FETのソースは相補形第1出力論理電位にあり、相補形第1FETのゲートは相補形第2入力論理電位にあるとき、相補型の第1FETのチャネルは非導電性であり、相補型の第2FETのチャネルは導電性である、
- 従来の半導体論理素子(ゲート、第2導電型ソースを含む)、第2導電型ドレインと、ソースとドレインとの間にあるチャネルと、において、一組の論理素子に存在する場合、ソースは第1出力論理電位にあり、ゲートは第1入力論理電位にあり、そのときチャネルは非導電性である、
- 従来の半導体論理素子において(論理素子の組に存在する場合)ソースが第1出力論理電位にあり、ゲートが第2入力論理電位にあるとき、チャネルは導電性である、
- (ゲート、第1導電型ソース、第1導電型ドレイン、およびソースとドレインとの間にあるチャネルを含み、論理素子の組に存在する場合、)従来の相補型半導体論理素子内にあるとき、ソースは相補型第1出力論理電位にあり、ゲートは相補型第1入力論理電位にあり、その場合チャネルは非導電性である、
- 従来の相補型半導体論理素子において(論理素子の組に存在する場合)ソースが相補的型第1出力論理電位にあり、ゲートが相補型第2入力論理電位にあるとき、チャネルは導電性である、
- 第1入力論理電位、第1出力論理電位、相補型第2入力論理電位、および相補型第2出力論理電位は、前述の論理素子のセットを通してすべて同じであり、第1論理電位に対応する。-第2入力論理電位、第2出力論理電位、相補型第1入力論理電位。および、相補型第1出力論理電位は、前述の論理素子の組全体を通して全て同じであり、第2論理電位に対応する、
- 定常状態の間、異なる電位にある2つのノード間に導電性経路は存在しない。
【0158】
MSCLの上記説明において、発明された半導体論理素子は、PCT/FI2016/050014による半導体論理素子、および/または、クランプ耐性半導体論理素子、および/または半導体回路論理素子を短絡させるために短絡すること、および/または半導体論理素子を最小化する入力容量を指す。さらに、MSCLの上記説明において、発明された相補型半導体論理素子は、PCT/FI2016/050014による相補型半導体論理素子、および/または、クランプ耐性相補型半導体論理素子、および/または、短絡電流緩和相補型半導体論理素子、および/または、入力容量最小化相補型半導体論理素子を指す。MSCL回路がTSCL回路を置き換えることができ、MSCL回路がより大規模な相補型論理回路の一部を、または異なる型の論理および混在モード回路の一部にすることができることに留意することが重要である。特にMSCLは、TSCLに対応する従来のCCIS論理を置き換えることができる。
【0159】
図5図10による半導体論理素子を組み込んだMSCLに関して、必然的な要件は、図5図7の第1論理電位が図8図10の第2論理電位に対応すること、また、図5ー7の第2論理電位は、図8-10の第1論理電位に対応することである。すなわち、図5図7の半導体論理素子と比較すると、図8図10の第1論理電位と第2論理電位は入れ替わっている。加えて、相補型第1ソース電位(例えば8V)が相補型半導体論理素子に供給される必要がある。図5図10による半導体論理素子を組み込んだMSCLの他の必須要件は、第1FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さは、第2FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さよりも大きく、そして、相補型の第1FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さは、相補型の第2FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さよりも大きいことである。
【0160】
MSCLにおいて、クランプ耐性半導体論理素子、および、図5図10による対応するクランプ耐性相補型半導体論理素子を含み、電位の広がりは比較的大きく、すなわち13Vであるという事実に留意することが重要である。しかしながら、動的な電位変動は3Vであり、これはスイッチング関連の電力消費に寄与する。この事実、短絡によって引き起こされるスイッチング関連の電力消費と同様にクランプによって引き起こされることを避けることができるという事実、および、入力と出力の容量がかなり小さいという事実は、スイッチング関連の電力消費が小さいことを意味する。スイッチング関連の電力消費をさらに低減するために、動的な電位変動をさらに低減できることにも留意する。13Vの静電電位の広がりが比較的大きいという事実は、静的消費電力に貢献する、比較的大量の空乏化した半導体材料がある。しかしながら、静的消費電力は、比較的小さなバンドギャップ半導体材料においては室温で問題になるだけである。ガリウムヒ素のような半導体材料、あるいはもっと大きなバンドギャップ半導体材料を、シリコンの代わりに使用する場合、シリコンベースのTSCLに比べて静的消費電力を大幅に削減できる。さらに、多くのIoTアプリケーションではクロック周波数が非常に低くなる可能性があるため、図5図10に対応するMSCLを用いると、対応するIoT装置の電力消費を劇的に低減することが実際に可能であり、これにより電池寿命の前例のない増加を可能にする。
【0161】
以下では、相補型半導体論理(CS論理)という用語は、
- PCT/FI2016/050014に記載の半導体論理素子、および/または、-クランプ耐性半導体論理素子、および/または、-短絡電流緩和相補型半導体論理素子、および/または、
- 半導体論理素子を緩和する入力容量を含むだけでなく、
- PCT/FI2016/050014に記載の相補型半導体論理素子、および/または、
- クランプ耐性のある相補型半導体論理素子、および/または、
- 相補型半導体論理素子を緩和する短絡電流、および/または、
- 半導体論理素子を緩和する入力容量
を含む発明された相補型論理のために利用される。ここで、第1粗ET、相補型第1FET、第2FET、および相補型第2FETはすべてJFETで構成される(例えば、図5図10のように)。CS論理の非常に有益な態様は、第1FETおよび第2FETにおいて、ゲートがソースおよびドレインと同じ半導体領域に形成されていることである。すなわち、ゲートはCISスタックから構成されず、したがって半導体論理素子はゲート絶縁体の電気的破壊による、ゲート絶縁膜を通してのリークによるによる、ゲート絶縁体の厚さおよび/またはk値の変化による、あるいはゲート絶縁体内の絶縁体電荷(例えば、シリコン中の正の酸化物電荷)の蓄積による影響を受けない。つまり、CS論理は、製造歩留まりを大幅に向上させる従来のCCIS論理よりも、プロセス変動に対してはるかに耐性がある。これはまた、CS論理の寿命がはるかに長く、放射線によるソフトおよびハードの障害に対する耐性がはるかに高いことを意味する。従来のCCIS論理よりもCS論理は宇宙などの高放射線環境に特に適していることを意味する。
【0162】
従来のCCIS論理と比較した場合のCS論理のもう1つの大きな利点は、高品質のCISスタックを形成するために必要な温度は、注入損傷をアニールするのに、そして注入されたドーパント原子を活性化するために、必要な温度よりかなり高いことがあり得ることである。これは、例えば、ポリシリコンシリコン-二酸化シリコン-シリコンCIS積層体に関して、シリコンにおけるケースのことである。したがって、そのような場合、製造プロセスからCISスタック処理を削除することで、製造の熱収支はかなり減少することが可能になる。これは、CISスタック製造が省略された場合、CISスタック製造の前に注入されなければならないであろうドープ領域がかなり少なく拡散することを意味する。ドープ領域のより小さな拡散は、製造プロセスにおけるプロセス変動に対するより良い制御をもたし、歩留まりをさらに向上させ、トランジスタのスケーリングも容易にする。さらに別の利点は、CISスタック製造工程がないことが簡単になり、そして、より大きなチップ面積のコストを少なくともある程度までは改善された歩留まりに沿って補償する製造を容易にすることである。これは、従来のCCIS論理と比較した場合、CS論理では必須である。
【0163】
従来のCCIS論理が機能するための必須要件は、移動少数電荷キャリアの反転層が、CISスタックに対応する外部ゲートの下の半導体絶縁体(SI)インタフェースで確立されることできまることである。反転層の形成を可能にするために、高品質のSI界面が必要とされる。しかしながら、多くの半導体材料は欠けており、高品質の界面、ひいては界面は、特定の電位に固定されていることが多く、反転層の形成を妨げる。そのような半導体材料は、従来のCCIS論理には適していないことを意味する。したがって、ほんのいくつかの半導体材料が、例えば、シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコンカーバイド、シリコンカーバイドゲルマニウムは、従来のCCIS論理に最適である。CS論理のもう1つの大きな利点は、高品質のインタフェースが、必須ではないことである。これは、CS論理は事実上あらゆる半導体材料で確立できることを意味する。
【0164】
クランプ耐性半導体論理素子または短絡電流緩和半導体論理素子を、第1ソース電位が第1入力論理電位に対応するのように構成することも可能であることに留意する。そして、第1出力論理電位が第1入力論理電位に対して第2入力論理電位に向かってシフトされる。例えば、図3および図4にしたがってシリコンベースのクランピング耐性半導体論理素子を構成することができる。ここで、
- 第1続電型はp型に対応し、第2導電型はn型に対応し、
- 第1ソース電位はー4Vであり、ーチャネルピンチオフ時の第1チャネル深さは4.5Vであり、
- チャネルピンチオフ時の第2チャネル深度は5Vであり、
- 第1入力論理電位は0Vに対応し、
- 第2只力論理電位は3Vに対応し、および、
- 第2ソースは、2.5Vに対応する第1出力論理電位にバイアスされている。
【0165】
このようにして、クランプ耐性半導体論理素子を確立することが実際に可能である。ここで、第2FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さは、第1FETのチャネルピンチオフ時のチャネル深さよりも大きい。チャネルピンチオフ時の第2チャネル深度が4.5 Vの場合、第1の出力論理電位は2Vである。そして、残りはクランプ抵抗半導体論理素子を確立することができるのと同じままになる。ここで、チャネルピンチオフ時の第1および第2チャネル深さは同じである。
【0166】
図11および図12は、2つの対向型ラテラルCISFETを含む半導体論理素子を示す。ここで、左側の第1FETは横方向埋め込みチャネル空乏モードCISFETに対応する。外部ゲートは第1ゲートノード(すなわち入力)に対応する。また、第1補助ゲートノードがある。右側の第2FETは、横型エンハンスメント型表面チャネルCISFETに対応する。ここで、外部ゲートは第2ゲートに対応し、補助ゲートは第2ソースノードに電気的に接続されている。図12の断面図は半導体論理素子の概略レイアウトに対応し、破線871に沿った断面は図11に示された概略断面に対応する。図11および図12では、第1FETに関して、(第1導電型の第1チャネルドーピング731に関して第1ソース711が第1導電型ソースドーピング711と第1導電型ドレインドーピング713との間に配置される)第1ソース711および第1ドレイン713は、埋め込みチャネルFETの電圧処理能力を高めるために、そして、入力ノードの全体的な静電容量を減らすために、外部ゲート725からさらに離して配置することができることが示されている。図11および図12には、第2FETに関しても、表面チャネルFETの電圧処理能力を増大させるため、および/または第2ゲートから第2ソース/ドレイン間容量を低下させるために、低ドープソースエクステンションドーピング3712および低ドープドレインエクステンションドーピング3714を配置することができることが示されている。表面チャネルFETの電圧処理能力もまた、ハロー注入をバックゲートドーピングに組み込むことによって、増大させることができる。ハロー注入はバックゲートドーピング同じ導電型であが、バックゲートドーピングであるが、しかし、それらは有益に利用されるが、ハロー注入は図1には示されていない。
【0167】
図11において、第2FETは、(ソース拡張ドーピング3712を含む)第2ソースおよび(ドレイン拡張ドーピング3714を含み)ドレインの間に配置され、第2チャネルに対応する表面チャネル3732と、第2ゲートに対応する外部ゲート726と、および、追加の第2補助ゲートとを含む。第2補助ゲートは、第1導電型バックゲートドーピング748および第1導電型コンタクトドーピング718を含む。第2補助ゲートは、第2ソースに対応する第2導電型の第2ソースドーピング712も含む第2ソースノード882に電気的に結合されている。内部ノードは、第2ゲート、第1導電型の第1ドレインドーピング713、および関連する配線883を含む。入力は、第1ゲートおよび関連する配線885を含む。内部ノードと入力との間には、オプションの「引きずり」プレートコンデンサ890がある。第1ソースノードは、第1導電型の第1ソースドーピング711および関連する配線881を含む。第2ソースノードは、第2導電型の第2ソースドーピング712および関連する配線882を含む。入力は、第2導電型の第2ドレインドーピング714に対応する。第2補助ゲートが第2補助ゲートに電気的に接続されているという事実は、図11および図12による半導体論理素子が、単方向性であり双方向性ではないことを意味する。
【0168】
図11および図12の半導体論理素子は、例えば、PCT/FI2016/050014に対応する半導体論理素子にしたがって、または短絡電流緩和半導体論理素子にしたがって動作することができる。両方の場合において、動作中、第1ソースノードは第1ソース電位に結合され、第2ソースノードは第1出力論理電位に結合され、第1補助ゲートノードは適切な補助ゲートノード電位に結合され、そして、入力は第1入力論理電位または第2入力論理電位のいずれかに結合される。入力が第1の入力論理電位に接続されているとき、第1チャネル(第1チャネルドーピング731に対応する)は導電性であり、内部ノードは第1ソース電位にするように設定され、第2チャネル(第2チャネル3732に対応する)は非導電性であり、したがって、出力は第1出力論理電位または第2出力論理電位のいずれかであり得る。すなわち、入力は出力の電位レベルを制御できない。一方、入力が第2入力論理電位に接続されている場合、第1チャネルは非導電性であり、内部ノードを第2チャネルを導電性にする電位に安定させることができ、したがって、出力を第1出力論理電位に強制する。
【0169】
図11および図12の半導体論理素子がPCT/FI2016/050014に対応する場合、第1補助ゲートノードは、入力が第2入力論理電位のとき、内部ノードの第1補助ゲート誘導クランプが実現されないように、第1ソースノードに関して十分に大きい逆バイアスに結合される。互いに補完的な半導体論理素子に対応する、そのような構成の例が図13Aおよび図13Bに示されている。図13Aおよび図13Bの半導体論理素子は、図13Cに示されるようにインバータとして一緒に接合することができることに留意する。図13A図13Bおよび図13Cでは、PCT/FI2016/050014によるマーキング規則が利用されている。
【0170】
図11および図12の半導体論理素子が短絡電流緩和半導体論理素子に対応する場合、入力が第2入力論理電位にあるときに第1補助ゲート誘導クランピングが実現されるように、第1補助ゲートがバイアスされる。そのような構成の例は、互いに相補型半導体論理素子に対応する図13Dおよび図13Eによって示される。図13Dおよび図13Eの半導体論理素子は、図13Fに示されるようにインバータとして一緒に接合することができることに留意する。図13D図13Eおよび図13Fでは、PCT/FI2016/050014によるマーキング規則が利用されている。図11および図12の半導体論理素子では、明らかに、第1補助ゲートと、第1ゲートに対応する、第1チャネルドーピング731の上かつ外部ゲート725の真下の半導体界面の半導体材料の内側に位置する場所との間に導電性経路が存在する。これは、バックゲートドーピング745が図12において見られるという事実から推測することができる。図13D図13Eおよび図13Fの例では、第1補助ゲートノードは6Vにバイアスされている。第1の補助ゲートによるクランピング時には、第1チャネルのチャネル深さは、例えば、4.5Vであり得る(すなわち、第2導電型移動電荷キャリアの層が第1ゲートの直下に形成される)。一方、入力(すなわち第1ゲート)が第1入力論理電位にあるとき、第1チャネルは導電性である。第1ドレインから空乏化された第1チャネルを越えて第1ソースへの第1導電性移動電荷キャリアに対するバリア室温はおよそ0.5Vであると仮定される場合、内部ノードの電位振幅はおよそ2Vであった。また、入力が第2入力論理電位にあるとき、第2ゲートは第2ソースに対しておよそ1Vの逆バイアスになる。これは、第2FET内のゲート絶縁体層が非常に薄くなければならないことを意味する。これは、第2ドレイン領域が適切に設計されていれば可能である(例えば、ドレイン拡張ドーピング3714のドーピングが、比較的小さい、または、完全に削除されることができる場合)。図13Cおよび図13Fの両方のインバータ・アレンジメントはMSCLに対応する。
【0171】
図14および図15に示す半導体論理素子は、左側の第1FETが表面チャネルエンハンスメントモードCISFETであることを除いて、その他の点では、図11および図12の半導体論理素子と全く同じである。ここで、第1ソースエクステンションドーピング3711および第1ドレインエクステンションドーピング3713が存在し、第1導電型の第1チャネルドーピングの代わりに表面チャネル3731が存在する。図15は、図14に示す概略断面図に対応し、半導体論理素子の模式的なレイアウトと破線3771に沿った断面とに対応する。同様に、図11および図12に示した半導体論理素子、図14および図15に示す半導体論理素子は、PCT/FI2016/050014に対応する半導体論理素子にしたがって、または短絡電流緩和半導体論理素子にしたがって、動作することができる。
【0172】
図14および図15の半導体論理素子がPCT/FI2016/050014に対応する場合、入力が第2入力論理電位にあるときには、第1補助ゲートによる内部ノードのクランプが実現されないように、第1補助ゲートノードは、第1ソースノードに対して十分に大きい逆バイアスに結合される。互いに補完的な半導体論理素子に対応する。そのような構成の例を図16Aおよび図16Bに示す。図16Aおよび図16Bによる両方の場合において、状態間の内部ノード上の電位スイングは、入力が第1入力論理電位にあり、また、第2入力論理電位にあるとき、約3Vである。図16Aおよび図16Bの半導体論理素子は、図16Cに示されるようにインバータとして一緒に接合することができることに留意する。図16A図16Bおよび図16Cでは、PCT/FI2016/050014によるマーキング規約が利用されている。
【0173】
図14および図15の半導体論理素子が短絡電流緩和半導体論理素子に対応する場合、入力が第2入力論理電位にあるときに第1補助ゲート誘導クランピングが実現されるように、第1補助ゲートがバイアスされる。そのような構成の例は、互いに補完的な半導体論理素子に対応する図16Dおよび図16Eに示されている。図16Dおよび図16Eの半導体論理素子は、図16Fに提示されているようにインバータとして一緒に接合することができることに留意する。図16D図16Eおよび図16Fでは、PCT/FI2016/050014によるマーキング規則が利用されている。図16Dに対応する半導体論理素子において、第1補助ゲートノードは4Vにバイアスされており、これは、入力が第2入力論理電位(5V)のとき、内部ノードは約4Vにクランプされることを意味する。図16Eに対応する半導体論理素子において、第1補助ゲートノードは1Vにバイアスされており、これは、入力が第2入力論理電位(0V)のとき、内部ノードはおよそ1Vにクランプされることを意味する。図16Dおよび図16Eによる両方の場合において、状態間の内部ノード上の電位スイングは、入力が第1入力論理電位にあり、また、第2入力論理電位にあるとき、約2Vである。図16Cおよび図16Fのいずれのインバータ・アレンジメントもMSCLに対応しない。
【0174】
読みやすさのために、逆バイアスされているゲートは、ソースと比較した場合、ソースと、ソースとゲートが同じ電位にあるときよりも導電性の低いチャネルに対応するゲートとの間の電位差を参照することがここで繰り返される。ソースと比較したときに順方向にバイアスされているゲートは、ソースと、ソースとゲートが同電位のときよりも導電性の高いチャネルに対応ゲートの間の電位差を参照する。空乏モードFETは、ソースおよびゲートがは同じ電位にあるとき、チャネルが導電性であること、特定のゲートからソースへの逆バイアスの上で、チャネルが非導電性であることを意味する。エンハンスメントモードFETにおいて、ゲートとソースが同電位であるとき、チャネルは非導電性であり、特定のゲートからソースへの順方向バイアスの上で、チャネルは導電性である。また、低電力論理において、エンハンスメントモードFETを実現するための好ましい方法はCISFET構成を利用することであることに留意する。ここで、ゲートノードは外部ゲートに対応する。このように、ゲートは、ゲートノードとソースノードとの間に電流を発生させることなく、ソースに対して順バイアスとなることができるからである。
【0175】
半導体論理素子では、第1ゲートが第2入力論理電位にあるときの定義を利用することもできる。それは、第1ゲートが第1入力論理電位にバイアスされているときよりも、第1ソースに関してより逆方向に(または順方向に少なく)バイアスされる。同様に、第2ゲートが第1出力論理電位にバイアスされている場合よりも、第1出力論理電位にバイアスされている第2ソースに関して、第2ゲート上の第1ソース電位はより逆方向(より順方向ではない)バイアスされると言うことができる。半導体論理素子において、第1FETがエンハンスメントモードCISFETである場合、入力は、好ましくは第1外部ゲートに対応する。
【0176】
実際に、
- PCT/FI2016/050014による半導体論理素子、
- クランピング耐性のある半導体論理素子、および、
- 短絡緩和相補型半導体論理素子
を、第1ソースの電位は第1ゲートに対してはるかに逆バイアスに設定され、入力が第1入力論理電位にあるときおよび入力が第2論理電位にあるときの両方の場合において第1チャネルは非導電性であるような方法で、動作させることも可能である。この場合、前述の半導体論理素子は、入力容量を最小にする半導体論理素子に対応する。入力が第1の入力論理電位になると、内部ノードは、入力が第2入力論理電位にある場合と同様に、熱平衡に対応する電位に調整される。
【0177】
さらに、
- PCT/FI2016/050014による相補型半導体論理素子、
- クランプ耐性相補型半導体論理素子、および、
- 短絡電流緩和相補型半導体論理素子
を、相補入力が相補第1入力論理電位にあるときと、相補入力が相補第2入力論理電位にあるときとの両方のケースにおいて、相補第1チャネルが非導通になる、第2入力論理電位に関して相補第1ソースの電位が相補第1ゲートに対してはるかに逆バイアスに設定されるような方法で、動作させることが可能である。この場合、前述の相補型半導体論理素子相補型半導体論理素子を最小化する入力容量に対応する。入力が相補型第1入力論理電位にあるとき、相補型内部ノードは、相補型入力が相補型な第2の入力論理電位にあるときと同様に熱平衡に対応する電位に調整する。
【0178】
さらに、半導体論理素子を最小にする入力容量において、PCT/FI2016/050014にしたがう半導体論理素子において、抵抗性半導体論理素子をクランプにおいて、そして、半導体論理素子を緩和する短絡回路において、入力と内部ノードとの間にオプションの「引きずり」プレートコンデンサを利用することが有益である。さらに、相補型半導体論理素子を最小にする入力容量において、PCT/FI2016/050014にしたがう相補型半導体論理素子において、クランプ耐性相補型半導体論理素子において、そして、短絡電流緩和相補型半導体論理素子において、(相補)入力と(相補)内部ノードの間で、オプションの「引きずり」プレートコンデンサを使用することが有益である。
【0179】
入力容量最小化相補型半導体論理素子と、入力容量最小化相補型半導体論理素子との有益なところは、入力静電容量(相補型入力容量は入力容量とも呼ばれる)が、減少することができ、これにより、スイッチング時に入力ノードに流れる電流も減少することである。この事実は、スイッチングに関連した電力消費を減少させ、したがって、モバイルおよびIoTアプリケーションにとって非常に重要である電池寿命も増加させる。
【0180】
新規なインバータでは、
- PCT/FI2016/050014による半導体論理素子、
- クランプ耐性半導体論理素子、-短絡緩和相補型半導体論理素子、
- 入力容量最小化半導体論理素子
のリストのうちの1つの半導体論理素子を利用することが可能であることに留意する。また、
- PCT/FI2016/050014による相補型半導体論理素子、
- クランプ耐性相補型半導体論理素子、
- 短絡電流緩和相補型半導体論理素子、
- 入力容量最小化相補型半導体論理素子、
- 従来の相補型半導体論理素子
のリストの1つの適切な相補型半導体論理素子と組み合わせて、利用することができる。
【0181】
インバータという用語は、バイナリ論理レベルデバイスとして広く理解されるべきである。ここで、他のバイナリ論理レベル装置に接続された少なくとも1つの入力ノードと少なくとも1つの出力ノードがある。入力における第1入力論理電位は出力において第2出力論理電位を提供し、入力における第2入力論理電位は出力において第1出力論理電位を提供する。すなわち、インバータは、インバータ機能以外の追加機能も提供する複数の論理要素を含むことができる。特に、インバータは、インバータに下方変換されたNANDまたはNOR素子に対応し得る。バイナリ論理レベル装置がインバータに対応するかどうかをテストするために、2つのノードを除いて、バイナリ論理レベル装置の他の全ての入力/出力ノードを除去することができ、2つの論理要素を除いて、バイナリ論理レベル装置内の他の全ての論理要素を除去することができ、第1ノードにおける第1入力論理電位が第2ノードにおける第2出力論理電位を提供するかどうか、第1ノードの第2入力論理電位が第2出力に第1出力論理電位を提供するかどうかをチェックすることができる。
【0182】
チャネルは常にソースとドレインの間にあること、半導体材料とゲートとの間のゲート絶縁材料は、真空またはガスによって(特に、低誘電率(low-k)絶縁体を利用することが有益であるときはいつでも)置き換えられ得ること、すべての発明された半導体論理素子において、第1ソースは第1ソース電位にバイアスされていること、そして、全ての発明された相補型半導体論理素子において、相補型第1ソースは相補型第1ソースと位にバイアスされることに留意することが重要である。与えられた例におけるバイアスはシリコンに非常に適しているが、他の半導体材料には必ずしもうまくいかないかもしれないことも、また、留意しなければならない。本願発明の全ての実施形態において、CISFET、CSFET、またはJFETに基づいている高電子移動度トランジスタ(HEMT)を作成するために、バンドギャップエンジニアリングを利用する/ことが可能である。さらに、例えば、ディスプレイ内部などに、薄膜トランジスタ(TFT)として利用される、多結晶または非晶質半導体材料に基づく実施形態を利用することが可能である。さらに、本願発明の半導体論理素子および本願発明の相補型半導体論理素子は、例えば、グラフェン、カーボンナノチューブ、およびMoS2(特にグラフェンのような2次元形状の場合)に基づくことができる。さらに別の重要な見解は、発明された半導体論理素子の助けを借りて、および/または発明された相補型半導体論理素子により、従来のCCIS論理と比較すると、チャネルおよびゲート絶縁材料を通じたリークを防ぐことができるために、電力消費を低減することが可能であることである。
【0183】
実際には、第1FET、第2FET、相補型第1FET、および相補型第2FETに4つの異なる型のトランジスタを利用することもできる。4つのFETのそれぞれに異なる半導体材料を利用することさえ可能である。半導体論理素子の実施形態において既に述べたように本願発明によれば、第1FETおよび第2FETとして異なる種類のトランジスタを含むことができる。同様に、本願発明による相補型半導体論理素子の実施形態における第1FETおよび第2FETも、2つ以上の異なる種類のトランジスタを備えることができる。例えば、第1型の横型JFET、第2型の表面チャネルCISFET、第2型の垂直JFET、および第1型の埋め込みチャネルCISFETを使用することができる。4つの異なるトランジスタは、1、2、3、または4つの異なる種類の半導体材料から形成することもできる。各CISFETにおいて異なる厚さに対応する異なるゲート絶縁体層を使用することもできる。異なる種類の半導体論理素子、および/または、チップの性能を最適化するためにチップの異なる部分で利用される相補型半導体論理素子を形成するために、4つ以上の異なるトランジスタを利用することさえ可能である。加えて、既に前に説明したように、半導体論理素子内に複数の第1FETおよび/または複数の第2FETを有することもでき、これらすべてを、異なる種類のFETおよび/または異なる種類の半導体材料で作ることができる。その上、ただ1つのゲートおよび/または補助ゲートを有する代わりに、複数の独立したゲート、および/または、ゲートおよび/または補助ゲートがCISスタックまたはショットキーゲートに対応する外部ゲート型(導体半導体(CS)スタックに対応)の場合第1FETおよび/または第2FETに属する複数の独立した補助ゲートを有することもできる。
【0184】
文献PCT/FI2016/050014に記載されているように適切なウェルを利用することによって、SOI層を使用する代わりに、異なるFETに対して絶縁を提供することも可能である。さらに、FETが異なる半導体材料で作られている場合、異なる半導体材料で作られたFETと同数の(おそらくSOI層によって分離された)半導体材料の積層を含むウエハを使用することができる。特に、異なる半導体材料の合計4つの異なる積層があり得る。さらに、適切な電圧を生成するために、対応するチップ内に任意の種類のチャージポンプを利用することができる。特に、エンハンスメントモード接合型電界効果トランジスタを含むディクソンチャージポンプを利用することができる。
【0185】
独立した第1FETの第1ドレインに接続される本願発明の半導体論理素子の第2FETが複数の独立したCISゲートを含む特定のケースにおいて、第1FETの複数の独立した入力は、第2チャネルを導電性にするために、すなわち、出力を第1出力論理電位にバイアスするために、第2入力論理電位にある必要がある。このアレンジメントでは、第2FETの複数の独立したゲートは第1出力論理電位にクランプされず、それが速いスイッチング速度を提供するということ、それがより少ない面積を必要とすること、それが、例えば、半導体論理素子が直列に接続されているNAND(またはNOR)構成の一部において利用される可能性があること・の利点を有する。さらに、本願発明の相補型半導体論理素子が、単一の第2FETの第2ゲートに接続された第1ドレインを有する複数の独立した第1FETを備えるケースにおいて、このアレンジメントは、NAND(またはNOR)構成の一部に利用される可能性がある。ここで、面積を節約するために相補型半導体論理素子が並列に接続されている。このアレンジメントが適切に設計されている場合、スイッチング速度の低下はわずかであるべきであり、特に2論理ゲートNAND(またはNOR)セルの場合にはそうである。前述の方法では、第2種類の発明された修正CCIS論理に対応する2論理ゲートNAND(またはNOR)セルに必要なトランジスタは、6個だけである。同様に、例えば、AND、OR、NOR、XOR、XNOR、およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)セルにおいて、トランジスタの量を減らすことができる。
【0186】
本願明細書で使用されている垂直(perpendicular)JFETという用語の代わりに、垂直(vertical)JFETという用語を使用することもできる。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で使用されているものと同様に、横型CISFETの他に、垂直CISFETを利用することも当然可能である。ここで、チャネル電流は垂直方向にも流れる。他に、CISFETを利用する可能性がある。ここで、チャネル電流が垂直方向に流れるように、ゲートはトレンチの内側に配置される。そのような実施形態では、ドレインは同じ表面または反対側の表面に配置することができる。同様に、垂直JFETのドレインも、ソースを構成する表面と比べて反対側にある表面に配置することができる。また、両面に配線することもあり得る。
【0187】
本願発明の半導体論理素子の他の利点は、アイドル時の消費電力が小さいことである。チャネル漏洩が、回避することができ、したがってリーク電流は逆バイアスされたpn接合からのみ発生するからである。CISゲート内の高度にドープされた半導体材料(例えば、強くドープされたポリシリコンのような)もまた導体と呼ばれることにも留意する。
【0188】
異なる実施形態によるコンタクトドーピングは、配線が使用されない場合、あるいは、接触が行われる対応する導電型の配線および半導体材料のフェルミ準位が適切である場合には実際には不要である。外部ゲートに対応するCISスタックをショットキーゲートで置き換えることも可能である(すなわち、CISスタックはCSスタックで置き換えられる)。異なるFET間(例えば、異なる半導体論理素子間および/または同じ半導体論理素子の第1FETと第2FETとの間)の容量結合を低減するために、絶縁体トレンチまたはSOI層さえも金属を組み込むことができる。可能であれば、面積を節約するために、多数の第1FETまたは第2FETを同じウェルドーピングに(分離ウェルのように)詰めることもできる。同様に、面積を節約するために、可能であれば、異なる半導体論理素子および/または相補型半導体論理素子に属する異なる部分を互いに融合することができる。第1ドレインと第2ゲートが半導体材料の内部で互いに電気的に融合している場合、同様にドープされた領域の一部である必要はないかもしれないが、それらは、n+p+n+またはp+n+p+接合の横に並んで配置されて、一緒に電気的に融合することもできる。他のバイアス手段が設けられている場合には、ノード内の配線を省略することもできる。例えば、半導体基板を通して、第1FETまたは第2FETのソース、ドレイン、またはゲートにバイアスをかけることができる。したがって、本願発明の実施形態を示す図および明細書において、すべての配線は、前述の他バイアス種案が設けられている場合は、省略することができる。
【0189】
本願発明の半導体論理素子において、第2FETに属する第2ソースは、常に第1出力論理電位にバイアスされてはならないことに留意することもまた重要である。しかしながら、前述の発明された半導体論理素子を含む相補型論理回路のある時点では、第2ソースが第1出力論理電位にバイアスされている少なくとも1つの発明された半導体論理素子がなければならない。したがって、図では、ケースを示すおよび/または説明するテキストにおいて、本願発明の半導体論理素子の第2ソースは第1出力論理電位に接続されているけれども、他の時点で、または他の半導体論理素子において、第2ソースが第1出力論理電位に接続されていないことは、非常に良好なことであり得る。本願発明の半導体論理素子に加えて、双方向であるように設計することもできる。その結果、第2ソースと第2ドレインの機能は、本願発明の相補型論理回路の動作中に交換することができる。さらに別の点は、発明された半導体論理素子において直列に接続された複数の第1FETがある場合、第1FETの第1ソースが常に第1ソース電位に接続されていなくてもよいことである。
【0190】
結合されるように構成されたという用語は、ある瞬間には、装置が電源に結合されないことがあるが、しかし、ノードが結合されるように構成された用語によって記述された、特定の電位に、少なくともある特定の時点の間に結合される場合があることを意味する。その上、本願発明の異なる実施形態に対応する異なる図に示されている特定の対象に対して同じ番号付けが利用されている場合、オブジェクトおよび/またはこの特定のオブジェクトの機能は、繰り返し説明することはできないが、その代わりに、実施形態から説明を読むことができる。ここで、対象物の機能は、本願明細書において、第1に記載されている。
【0191】
本願発明に対応する半導体論理素子と相補型半導体論理素子との大きな利点は、第1ゲートノードと第2ソースノードおよび/または第2ドレインノードとの間の、それらの間に内部ノードがあるという事実に起因する単一の欠陥が恒久的な導電経路を確立することができないことである。より良い欠陥分離を提供することで、欠陥が発生する可能性は低くなり、2つの論理ライン間に永久的な伝導経路は、欠陥によって引き起こされた損害はより容易に分離すること、欠陥対策は設計が容易であること、および、デバイスが完全に破損する可能性が低くなることを意味する結果となる。
【0192】
本願発明の目的は、従来のCCIS論理の半導体論理素子の少なくとも一部を発明された半導体論理素子で置き換えること、および/または、従来のCCIS論理における相補型半導体論理素子の少なくとも一部を、欠陥に対する許容度を改善するために発明された相補型半導体論理素子で置き換えることである。本願発明の他の目的は、従来のCCIS論理の半導体論理素子の少なくとも一部を、従来のCCIS論理よりも同等の電力消費およびより良好な欠陥分離を有する新規な半導体論理を提供するために、相補型半導体論理素子を用いて従来のCCIS論理における相補型半導体論理素子の少なくとも一部を置き換えることによって、発明の半導体論理素子で置き換えることである。本願発明のさらに他の目的は、例えば、混在モードチップ、パワーエレクトロニクス、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)、SRAMおよびダイナミックRAM(DRAM)チップのようなメモリチップ、および/またはセンサおよび検出器において、複数の論理レベルペアの適用を可能にする新規な半導体論理を提供することである。放射線検出器では、例えば、いくつかのドリフトリングの横に位置する相互接続された論理を提供することができる。
【0193】
最後に、発明された半導体論理素子は、従来のn型表面チャネルCISFET半導体論理素子を、ゲルマニウムベースの論理回路において発明された半導体論理素子で置き換えるために利用できる。n型表面チャネルCISFETを機能させることは、表表面ピンニングのために、ゲルマニウムにおいて実現することは非常に困難なことであったからである。シリコンの上のゲルマニウムに基づく相補型論理の利点は、シリコンよりもはるかに速い動作速度でゲルマニウムを使用できることである。
【0194】
上記の説明で提供された特定の例は、適用性および/または添付の特許請求の範囲の解釈を制限するものとして解釈されるべきではない。上記の説明で提供された例のリストおよびグループは、特に明記しない限り網羅的なものではない。
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