(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】スプレーノズル装置
(51)【国際特許分類】
B05B 16/40 20180101AFI20220202BHJP
B05B 1/04 20060101ALI20220202BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
B05B16/40
B05B1/04
B05B1/14 Z
(21)【出願番号】P 2019520624
(86)(22)【出願日】2017-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2017075535
(87)【国際公開番号】W WO2018073026
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-25
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519131635
【氏名又は名称】ボールドウィン ジメック アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】モンソン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】モンソン フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェランデル ヨアキム
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02326609(GB,A)
【文献】特許第3285384(JP,B2)
【文献】特開昭50-127829(JP,A)
【文献】米国特許第03447756(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00-17/08
B05D1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブまたはストリップなどの一片の材料(M)に流体をスプレーする装置であって、
前記材料が通るチャンバと、
複数のバルブであって、前記チャンバ内に配置され、前記材料に流体をスプレーするように構成され、それぞれのバルブがスプレーノズルを備える、複数のバルブと、
を備え、
それぞれのスプレーノズルが、軸(N1,N2)に沿って延びる細長い開口を備え、
前記複数のバルブの少なくとも2つが、それぞれのバルブの中心点(CP1,CP2)を通過する共通の軸(CA)上に間隔を置いて配置され、
前記開口の前記軸が、前記共通の軸(CA)に関して傾斜(α)し、
前記バルブが、互いに隣り合って配置され、前記材料上で主なスプレーパターン(SP)を作り出し、それぞれのノズルによって作り出されるスプレーパターン(SP1,SP2,SP3)は、前記材料がチャンバを通るときに少なくとも隣り合うスプレーパターン(SP1,SP2,SP3)と重なり合う、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、それぞれの前記バルブが、長手方向軸(V1,V2)を備え、前記長手方向軸および対応するノズルの前記軸(N1,N2)が、平面(P1,P2)にわたり、前記平面(P1,P2)が、前記共通の軸(CA)に関して傾斜(α)している、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、前記開口のそれぞれ軸(N1,N2)および/またはそれぞれの平面(P1,P2)の傾斜(α)は、前記共通の軸(CA)に関して10°から80°の間にある、装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の装置であって、前記開口のそれぞれ軸(N1,N2)および/またはそれぞれの平面(P1,P2)の傾斜(α)は、前記共通の軸(CA)に関して約30°である、装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の装置であって、前記開口のそれぞれ軸(N1,N2)および/または前記装置のそれぞれの平面(P1,P2)は、同じ傾斜角度を有する、装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の装置であって、前記共通の軸(CA)上で互いに隣り合って配置された複数のバルブ、好ましくは少なくとも4つの整列したバルブ、を有する流体アプリケーターを備える、装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の装置であって、前記複数のバルブが、前記材料(M)の第1側に前記流体をスプレーするように構成された、前記チャンバの第1チャンバ部分の第1側に互いに隣り合って配置され、複数のバルブが、前記材料(M)の第2側に前記流体をスプレーするように構成された、前記チャンバの第2チャンバ部分の第2側に互いに隣り合って配置される、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記チャンバのそれぞれの側に少なくとも4つのバルブを備える、装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置であって、前記共通の軸(CA)が水平軸である、装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の装置であって、前記バルブが、同時に動作するように構成されている、装置。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか1項に記載の装置を備えるスプレーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーチャンバを通り抜けるウェブまたはストリップなどの一片の材料に流体をスプレーするスプレーノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場では、織物、紙、木材、プラスチックまたは異なる種類の流体などの製造材料が、異なる性質を得るために、材料を処理するのに使用される。材料のウェブは、プロセスで異なるステーションを通り抜けることが多い。共通の方法は、スプレーする、浸す、または表面に流体を適用する回転ディスクを使用することであり、表面で流体は材料に所望の性質を提供する。流体が材料に提供する性質は、材料を軟化させるまたは接着剤を付けるために難燃性、撥水性、および防泥性のいずれでもよい。今日使用されるスプレー装置に関する問題は、スプレー結果が、ウェブのスプレーした表面にわたって均一でないことである。ノズルのスプレーパターンは、互いに重なり合うことが多く、1つの領域が隣接する領域よりも多く流体がスプレーされるスプレーパターンを提供する。
【0003】
特許文献1は、一様な結果を実現するために、スプレーノズルが、スプレーされる表面を横切って進む、装置を記載している。特許文献2は、複数のノズルが一列に並べて置かれている、より一般的な設計を開示している。これらの2つの公知の装置は、しかしながら、一様でないスプレー結果の問題に対する解決策を提供しない。スプレー装置が今日時々直面する他の問題は、水および化学物質の両方の多過ぎる消費である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許公開公報第0323316A2
【文献】米国特許公開公報第5547129A
【0005】
本発明の目的は、従来技術に対する改良を提供することである。この目的は、添付の独立請求項に定められる技術によって達成される。ある実施形態は、関連する従属請求項に記載される。
【0006】
第1態様では、ウェブまたはストリップなどの一片の材料に流体をスプレーする装置が提供され、その装置は、材料が通り抜けるチャンバと、複数のバルブとを備え、複数のバルブは、チャンバ内に配置され、材料に流体をスプレーするように構成される。それぞれのバルブは、スプレーノズルを有し、それぞれのスプレーノズルが、軸に沿って延びる細長い開口を備える。複数のバルブの少なくとも2つが、それぞれのバルブの中心点を通過する共通の軸上に間隔を置いて配置される。開口の軸が、共通の軸に関して傾斜している。この装置は、傾斜したスプレーパターンを作り出すことができ、それは、すでに実現しているものよりも良好なおよび連続した結果を提供する。
【0007】
それぞれのバルブは、長手方向軸を備えてよく、長手方向軸および対応するノズルの軸が、共通の軸に関して傾斜する平面にわたる。
【0008】
実施形態では、開口のそれぞれの軸および/またはそれぞれの平面の傾斜は、共通の軸に関して10°から80°の間にある。実用試験は、この範囲の傾斜がスプレーパターンを向上させることを示している。
【0009】
好ましい実施形態では、開口のそれぞれの軸および/またはそれぞれの平面の傾斜は、共通の軸に関して約30°である。
【0010】
別の好ましい実施形態では、開口のそれぞれの軸および/または装置のそれぞれの平面は、同じ傾斜角度を有する。
【0011】
さらに、バルブは、好ましくは、互いに隣り合って配置され、材料上で主なスプレーパターンを作り出し、それぞれのノズルによって作り出されるスプレーパターンは、材料がチャンバを通るときに少なくとも隣り合うスプレーパターンと重なり合う。これは、隣り合うノズルが、動作していないノズルの領域をカバーすることができ、所望のスプレー結果を依然として得ることができるので、有利である。
【0012】
実施形態では、装置は、前記の共通の軸上で互いに隣り合って配置された複数のバルブを有する流体アプリケーターを備える。好ましくは、少なくとも4つの整列したバルブがある。
【0013】
さらに、材料の第1側に流体をスプレーするように構成された、チャンバの第1チャンバ部分の第1側に互いに隣り合って配置された複数のバルブと、材料の第2側に流体をスプレーするように構成された、チャンバの第2チャンバ部分の第2側に互いに隣り合って配置された複数のバルブとが、提供され得る。この設計によって、所望のスプレーパターンを、材料の両側で実現することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、バルブは、同時に動作するように構成される。これは、さらに良好でより均一なスプレー結果を与えることを、実験が示している。
【0015】
第2態様では、ウェブまたはストリップなどの一片の材料に流体をスプレーする装置が提供され、その装置は、材料が通り抜けるチャンバと、材料に流体をスプレーするように構成されたアプリケーターとを、有する。アプリケーターは、チャンバ内に配置された少なくとも第1および第2バルブを含み、それぞれのバルブが長手方向軸を有し、それぞれのバルブがスプレーノズルを含む。それぞれのスプレーノズルは、軸に沿って延びる細長い開口を有し、バルブの長手方向軸と対応するノズルの軸とは、平面にわたる。少なくとも第1および第2バルブは、それぞれの第1および第2バルブの中心点を通過する共通の軸上に間隔を置いて配置され、平面は、共通の軸に関して傾斜している。上記の全ての特徴は、この第2態様に同様に適用され得る。
【0016】
第3態様では、細長い入口と細長い出口との間の細長いチャンバを通り抜ける一片の材料に流体をスプレーする装置が提供され、細長い入口と細長い出口との間に、第1または中心平面が形成される。スプレーチャンバは、複数のスプレーノズルを備え、それは、チャンバの少なくとも1つの内壁に配置され、それは、細長いチャンバの中心軸に平行に整列している。それぞれのスプレーノズルは、細長いスプレー開口を有し、それは、中心平面に向かってスプレー方向に流体をスプレーするように構成される。それぞれの細長いスプレー開口は、スプレー方向に第2平面、すなわちチャンバの中心平面に関して傾斜しているスプレー平面を、定める。これは、傾斜または可傾角度が、材料供給平面にある、第1平面と第2平面との交差部の第1平面と第2平面との間に形成されることを、意味する。この傾斜角度は、10から80°、好ましくは約30°の範囲内にある。好ましい実施形態では、チャンバの対向する内壁に整列して配置された傾斜したスプレーノズルの2つのセットがあり、それは、チャンバを通過する材料のどちらの側にもある。これによって、材料は、両側で傾斜したスプレーパターンでスプレーされる。
【0017】
本発明の第4態様では、上記の装置を有するスプレーユニットが提供される。
【0018】
発明の実施形態は、発明概念がどのように実行されるかについての非限定的例を示す添付図面を参照して、以下でさらに詳しく記載される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態によるスプレーユニットの斜視図である。
【
図2】
図1のスプレーユニットの内側の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態によるスプレーチャンバの内側の斜視図である。
【
図4】
図3のスプレーチャンバの内側の前面図である。
【
図5】
図4の複数のスプレーチャンバの詳細図である。
【
図6】本発明の実施形態による12のスプレーノズルを有する主なスプレーパターンの斜視図である。
【
図8】14のスプレーノズルを有する主なスプレーパターンの上面図である。
【
図9】発明の実施形態によるスプレーノズルによって作られるスプレーパターンの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面に関し、ウェブまたはストリップなどの一片の材料Mに流体をスプレーする装置10が、提示されている。スプレー装置10は、好ましくは、織物製造プロセス(図示せず)のスプレーユニットの部材であり、織物製造プロセスでは、織物のウェブが、プロセスのそれぞれの部材を通り抜ける。製造プロセスは、この実施形態では、織物材料に関するが、他の実施形態では、紙、木材、金属、プラスチックまたは他の種類などの、他の種類の材料に関する。ウェブまたはストリップである材料Mは、ほぼ垂直な方向Vでスプレー装置10を通るが、ウェブが通る方向は、水平または他の好ましい方向でもよい。スプレーされる流体は、防泥性、撥水性、難燃性、または材料を軟化させるまたは所望の接着剤を加えるなどの、異なる性質を材料に提供することができる。
【0021】
スプレー装置10は、ウェブMが通る細長いチャンバ11を含む。スプレーチャンバ11は、材料がチャンバ11に入る入口12と、ウェブMがチャンバ11から出る出口13とを有する。好ましくは、スプレーチャンバ11は、2つの同一の、または少なくとも同様のチャンバ部分または半分11a,11bから成り、チャンバ部分または半分11a,11bは、向かい合って位置し、垂直軸VAに沿って入口12および出口13によって分けられる。入口12および出口13は、チャンバ10の幅W1にほぼ沿って、水平に延び、ウェブMの異なる幅W2に適した通路を作り出す。
【0022】
さらに、スプレー装置10は、ウェブMの表面に流体を非接触スプレーするように構成されるスプレーアプリケーター15、供給装置(図示せず)および制御ユニット(図示せず)を、含む。制御ユニットは、供給ユニットを制御し、それが、スプレーアプリケーター15に所望の量の流体を提供するようになっている。それは、スプレーパターンおよびスプレーアプリケーター15の動作の仕方も、制御することができる。
【0023】
スプレーアプリケーター15は、複数のバルブ16,16a,16b,16cを含み、それぞれがスプレーノズル17,17a,17b,17cを有し、バルブ16,16a,16b,16cが個々にまたはグループで容易に制御されることができる。スプレーノズル17,17a,17b,17cを有するバルブ16,16a,16b,16cは、それぞれのチャンバ部分11a,11bの側壁20a,20bに共通の軸CAに沿って配置される。スプレーノズル17,17a,17b,17cは、ウェブMに可変スプレーパターンを作り出すために、共通の軸CAに関してさらに可変である。
【0024】
図2に示されるように、第1バルブ16は、バルブ16の長手方向に長手方向軸V1を有する。バルブ16のスプレーノズル17は、ノズル17の細長い開口17’の延在の方向に軸N1を有する。バルブ16の長手方向軸V1と、ノズル17の軸N1とは、第1平面P1にわたる。同様に、隣り合う第2バルブ16aは、バルブ16aの長手方向に長手方向軸V2を有し、そのスプレーノズル17aは、ノズル17aの細長い開口17a’の延在の方向に軸N2を有する。第2長手方向軸V2と、第2ノズル軸N2とは、第2平面P2にわたる。第1バルブ16の長手方向軸V1と、第2バルブ16aの長手方向軸V2とは、平行である。バルブ16b,16cおよびノズル17b,17cは、同様に、それら自体の平面にわたる。バルブ16,16a,16b,16cの全ての長手方向軸は、平行である。
【0025】
第1および隣り合う第2バルブ16,16aは、共通の軸CA,CA’(それぞれのチャンバ部分11a,11bに1つ)上に位置し、共通の軸CA,CA’は、それぞれのバルブ16,16aの中心点CP1,CP2を通過する。第1および第2平面P1,P2は、共通の軸CA,CA’に関してどちらも傾斜している。それぞれの平面P1,P2の傾斜は、共通の軸CA,CA’に関して10°から80°の間であり、好ましい実施形態では20°から30°の間である。傾斜αは、ノズル17,17aの長手方向の開口17’,17a’の延在の方向を変更することによって、変えられ得る。開口17’,17a’の延在の方向を変更する場合、ノズル17,17aによって作り出されるスプレーパターンSP1,SP2が変化する。それぞれの平面P1,P2の傾斜αは、それぞれのスプレーパターンSP1,SP2の傾斜に対応する。
図6および8は、第1および第2ノズル軸N1,N2の投影N1”,N2”、およびチャンバを通り抜ける材料Mのウェブ上の共通の軸CAの投影CA”を、示す。第1平面P1と、第1スプレーパターンSP1の延在の中心を通過する投影されたノズル軸N1”と、第2平面と、第2スプレーパターンSP2の延在の中心を通過する対応する投影されたノズル軸N2”も、
図6および8に示されている。傾斜αは、スプレーパターン/平面SP1,SP2/P1,P2と材料M上の共通の軸CA”との間に示されている。
【0026】
2つの平面P1,P2の傾斜は、好ましくは、同じであり、2つの長手方向軸V1,V2は平行であり、それは、2つの平面P1,P2が互いに交差することなく平行であることをもたらす。チャンバ11の片側の全てのバルブ16,16a,16b,16cが共通の軸CA上に配置される場合、全ての長手方向軸V1,V2は平行であり、平面P1,P2は全て同じ傾斜を有し、平面P1,P2は別の平面P1,P2と交差せず、
図6-8に示されている主なスプレーパターンSPを作り出す。主なスプレーパターンSPを変えるために、スプレーノズルの開口の延在の方向を、スプレーパターンの傾斜αを変更するために、変更することが、好ましい。記載されている実施形態では、共通の軸CA,CA’,CA”は、水平軸である。傾斜は、平面P1,P2がチャンバ11を通過するウェブMの幅W2によって形成される平面に関して傾くところとして説明されることもできる。
【0027】
記載されている実施形態では、ウェブMが通る方向は垂直であるが、代替実施形態では、方向の設定は、水平または他の垂直と水平の間など、別のものであることができる。装置の設定に応じて、記載された軸、方向および平面は、変わり得る。開口17’,17a’の延在の方向を変える場合、スプレーパターンの異なる傾斜角度をもたらし、スプレーパターンが傾斜を有しない場合の4から5のノズルの代わりに、1メートル当たり10から20ものスプレーノズルが可能である。これは均一なスプレーパターンを提供し、それはより一様な結果を提供し、それは1つ以上のスプレーノズルの中断に影響を受けにくい。実用試験は、傾斜したスプレーパターンが、水、化学物質およびエネルギー消費の減少をもたらすことができることも、示している。
【0028】
スプレー装置10のそれぞれのスプレーノズル17は、示されている実施形態では、同じ傾斜角度を有し、それは、試験の後、スプレーパターンが最も均一な最高の結果をもたらした。バルブ16は、互いに隣り合って配置され、主なスプレーパターンSPを作り出し、第1スプレーノズル17によって形成されるスプレーパターンSP1が、少なくとも隣り合うスプレーノズル17のスプレーパターンSP2,SP3と重なり合う。実施形態では(
図6-8参照)、1つのスプレーパターンSP1が、次の2つのスプレーパターンSP2,SP3の領域をカバーする。これは、1つ以上のスプレーノズル17が故障している場合、有利である。スプレープロセスの結果は、依然として均一であり、許容できる。
【0029】
記載されている実施形態では、一方のチャンバ部分11aの側壁20a上で互いに隣り合う共通の軸CA上に配置された14ものスプレーノズル17がある。2つのチャンバ部分11a,11bは、好ましくは、類似し、従って、他方のチャンバ部分11bの側壁20b上で互いに隣り合う共通の軸上に配置された14のスプレーノズル17もある(
図2参照)。いずれの共通の軸も、記載されている実施形態では、水平軸である。これは、スプレーアプリケーター15がウェブMの両側にスプレーすることを可能にし、そのウェブMは、2つのチャンバ部分11a,11b間を垂直に通る。スプレーノズル17の数は、当然、例えばチャンバ11の所望の寸法に応じて、異なってよい。
【0030】
スプレー装置およびそのスプレーノズルは、あらゆる望ましい方法で動作し得る。例えば、スプレーノズルは、連続スプレー、脈動スプレーで、またはプログラム制御されたスプレーパターンで、動作するように制御され得る。スプレーノズルの開口の延在の方向を変更すること、およびそのスプレーパターンを傾斜させることによって、スプレー装置は、動作するべきであるノズルの数を制御するだけて、基板の異なる幅に適合することができる。従って、可変ノズルを有することによって、所望のスプレー結果にスプレープロセスを適合させることが、より容易である。
【0031】
ある態様では、チャンバを通り抜けるように配置された、ウェブまたはストリップなどの一片の材料への流体塗布のためのチャンバが設けられてよい。チャンバは、材料への流体塗布のための流体アプリケーター、材料がチャンバに供給される入口、および材料がチャンバを出る出口を、備える。それは、出口通路装置および入口通路装置をさらに含み、出口通路装置は、出口に配置され、チャンバの出口流体シールを形成するように構成され、入口通路装置は、入口に配置され、チャンバの入口流体シールを形成するように構成される(図示せず)。流体チャンバは、空間を定め、その空間は、組み立てた状態で、例えば材料に流体を塗布するプロセス中、流体がチャンバを出ることができないように、シールされる。シールは、好ましくは、入口および出口に配置された細長いシールリップと、チャンバの2つの切妻に配置された切妻シールとを、含むことができる。シールリップは、入口および出口で2つのチャンバ部分間の空間をシールし、切妻シールは、切妻で2つのチャンバ部分間の空間をシールする(図示せず)。
【0032】
最後に、発明概念が特定の形態に関して上述されたが、本明細書に示された特定の形態に限定するものではない。より正確に言えば、本発明は、添付の請求項によってのみ限定され、特定の上記のもの以外の実施形態もこれらの添付の請求項の範囲内で同様に可能である。