(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】計時器用または腕時計用、または宝飾品のピース用の外部部品のサブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G04B 37/08 20060101AFI20220202BHJP
【FI】
G04B37/08 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020133685
(22)【出願日】2020-08-06
【審査請求日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・チュミ
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-174687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/00-37/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計用、または宝飾品のピース用の外部部品のサブアセンブリ(100)であって、シールおよび摩擦ジョイント(9)を共に押し付ける第1のコンポーネント(1)および第2のコンポーネント(2)と同軸に、前記第1のコンポーネント(1)と前記第2のコンポーネント(2)との間に挟まれ、前記第1のコンポーネント(1)を軸方向に結合することによって、前記第1のコンポーネント(1)と前記第2のコンポーネント(2)とを共に固定するボルト(3)を含み、前記ボルト(3)の下面(38)は、組み立てられた位置において、前記第2のコンポーネント(2)の上面(28)の近くにあり、前記サブアセンブリ(100)は、
前記ボルト(3)がその下面(38)から前記第2のコンポーネント(2)に向かって軸方向に突出する下向き突出部(41)を有し、前記第2のコンポーネント(2)がその上面(28)に設けられる長溝(26)を有し、この第2のコンポーネント(2)の長溝(26)と前記ボルト(3)の下向き突出部(41)とが相補的に協働することによって、前記ボルト(3)と前記第2のコンポーネント(2)との間の回旋中の角度移動を停止する角度インデクス付け手段を備えることを特徴とする、サブアセンブリ(100)。
【請求項2】
腕時計用、または宝飾品のピース用の外部部品のサブアセンブリ(100)であって、シールおよび摩擦ジョイント(9)を共に押し付ける第1のコンポーネント(1)および第2のコンポーネント(2)と同軸に、前記第1のコンポーネント(1)と前記第2のコンポーネント(2)との間に挟まれ、前記第1のコンポーネント(1)を軸方向に結合することによって、前記第1のコンポーネント(1)と前記第2のコンポーネント(2)とを共に固定するボルト(3)を含み、前記ボルト(3)の下面(38)は、組み立てられた位置において、前記第2のコンポーネント(2)の上面(28)の近くにあり、前記サブアセンブリ(100)は、
前記第2のコンポーネント(2)の前記上面(28)から突出し、前記ボルト(3)に向かって軸方向に延びる上向き突出部を該第2のコンポーネント(2)が有し、前記ボルト(3)が前記上向き突出部と協働する前記ボルト(3)の下面(38)から前記第2のコンポーネント(2)に向かって軸方向に突出する下向き突出部(41)を有し、この下向き突出部(41)と前記上向き突出部とが相補的に協働することによって、前記ボルト(3)と前記第2のコンポーネント(2)との間の回旋中の角度移動を停止する角度インデクス付け手段を含むことを特徴とする、サブアセンブリ(100)。
【請求項3】
前記サブアセンブリ(100)は、実質的に同じ軸(D)を中心として回転する前記第1のコンポーネント(1)および前記第2のコンポーネント(2)を含み、前記第1のコンポーネント(1)は、第1の面(11)と第2の面(21)との間に挟まれた少なくとも1つの前記シールおよび摩擦ジョイント(9)を共に押し付けるように、前記第2のコンポーネント(2)が含む前記第2の面(21)と相補的に協働するように配置された前記第1の面(11)を含み、前記ボルト(3)はまた、実質的に前記軸(D)を中心として回転し、前記軸(D)の方向における軸方向結合位置でのねじ込みおよび/または弾性保持によって、前記第1のコンポーネント(1)を前記第2のコンポーネント(2)と固定するように配置され、前記ボルト(3)は、一方で、前記第1のコンポーネント(1)が含む第1の相補的締結手段(13)と協働するように配置された第1の締結手段(31)を、他方で、前記第2のコンポーネント(2)が含む第2の相補的締結または支持手段(23)と協働するように配置された第2の締結または支持手段(32)を含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項4】
前記ボルト(3)は、前記
下向き突出部(41)を少なくとも1つ含むリング(5)を含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項5】
前記ボルト(3)は、前記
下向き突出部(41)を含む
少なくとも1つの取り外し可能なインサート(4)を、その外周の一部のみで受け入れるように配置されたスプリットリング(5)を含む
ことを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの取り外し可能なインサート(4)は、軸(D)の方向に挿入および抽出可能であり、前記リング(5)は、前記リング(5)が含むスロットのいずれかの側に、前記取り外し可能なインサート(4)が前記軸(D)に対するその半径方向の保持のために含む、ポスト(42)またはそれぞれのハウジングと相補的に協働するように配置されたハウジング(35)またはそれぞれのポストを含むことを特徴とする、請求項5に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項7】
前記リング(5)は、弾性スプリットリングであることを特徴とする、請求項
5に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項8】
前記第1の締結手段(31)は、前記第1の相補的締結手段(13)を構成するタップと協働するように配置されたねじ山によって構成されることを特徴とする、請求項
3に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項9】
前記リング(5)はねじ山(31)を含み、前記取り外し可能なインサート(4)はねじ山を有さないことを特徴とする、
請求項5に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項10】
前記第2の締結または支持手段(32)は、前記ボルト(3)が含む下部カラー(34)が含む上面によって構成され、前記第2の相補的な締結または支持手段(23)は、前記第2のコンポーネント(4)が含む上部カラー(24)が含む下面によって構成されることを特徴とする、請求項
3に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項11】
前記下部カラー(34)および/または前記上部カラー(24)は弾性であることを特徴とする、請求項10に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項12】
少なくとも1つのシールおよび摩擦ジョイント(9)は、前記第2のコンポーネント(2)または前記第1のコンポーネント(1)が含むジョイント溝(29)内に収容されることを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項13】
前記第1のコンポーネント(1)は胴部であり、前記第2のコンポーネント(2)は裏面であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項14】
前記第1のコンポーネント(1)は胴部であり、前記第2のコンポーネント(2)はフランジまたはベゼルであることを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項15】
前記第1のコンポーネント(1)は、胴部または胴部に取り付けられたチューブであり、前記第2のコンポーネント(2)は、クラウンまたはクラウンロッドまたはプッシュピースであることを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項16】
前記ボルト(3)は、前記第1のコンポーネント(1)および前記第2のコンポーネント(2)を互いに押し付けるのに役立つ半径方向の反発手段を構成するように配置された少なくとも1つの弾性要素を含むことを特徴とする、請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)。
【請求項17】
請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)を含む腕時計(1000)。
【請求項18】
請求項1
または2に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)を含む宝飾品のピース。
【請求項19】
前記弾性スプリットリング(5)が、前記第2のコンポーネント(2)に挿入され、前記ボルト(3)が含む前記取り外し可能な
インサート(4)が、前記リング(5)に挿入され、前記少なくとも1つのシールおよび摩擦ジョイント(9)が、前記第2のコンポーネント(2)と前記第1のコンポーネント(1)との間に配置され、先ず、前記
下向き突出部(41)が、前記角度移動の第1の端部における第1の停止位置に到達するまで、前記ボルト(3)に対して前記第2のコンポーネント(2)を回し、次に、前記ボルト(3)と前記第1のコンポーネント(1)との間を
ねじ込むことによって、前記ボルト(3)および前記第1のコンポーネント(1)が共にねじ込まれ、その後、前記第2のコンポーネント(2)を、ねじ込み方向と反対方向に、所望の位置まで回すことによって、前記第2のコンポーネント(2)が、前記第1のコンポーネント(1)に対して角度的に配向されることを特徴とする、請求項
7に記載の外部部品のサブアセンブリ(100)を組み立てるための方法。
【請求項20】
外部部品の前記サブアセンブリ(100)の取り外しを進めるために、前記第2のコンポーネント(2)は、前記
下向き突出部(41)が、前記角度移動の他端における第2の停止位置に到達するまで、前記ねじ込み方向と反対方向に回され続け、前記ボルト(3)を前記第1のコンポーネント(1)から外すために前記ボルト(3)が回されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールおよび摩擦ジョイントを共に押し付ける第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントと同軸に、間に挟まれ、前記第1のコンポーネントを軸方向に結合することによって、第1および第2のコンポーネントを共に固定するボルトを含み、ボルトの下面は、組み立てられた位置において、前記第2のコンポーネントの上面の近くにある、計時器用または腕時計用、または宝飾品のピース用の外部部品のサブアセンブリに関する。
【0002】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを含む計時器、特に腕時計に関する。
【0003】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを含む宝飾品のピースに関する。
【0004】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを組み立てるための方法に関する。
【0005】
本発明は、腕時計の外部部品の分野、および宝飾品の分野に関する。
【背景技術】
【0006】
腕時計および類似の装置の外部部品は、多くの制約、特に密封性、堅牢性、外観制約に従い、また意図しない取り外しによって、ジョイント交換、洗浄、潤滑のため、それどころか修理のための、販売後の介入において修理不能となることがないように実行される必要がある。
【0007】
一部の外部部品または制御コンポーネントはまた、開始基準位置、停止、または作動場所のために、または表示や目盛りの読み取りを容易にするために、または残りの面および/または装飾の連続性を確保するために、互いに対して角度を付けてインデクス付けされる必要がある。この角度インデクス付けは、コンポーネントの良好なグリップの、またジョイントの完全な防水性との組合せから、うまく達成することがしばしば困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、調整が容易な角度インデクス付けを備えた、外部部品コンポーネントの防水かつ安全なアセンブリを製造することを意図している。
【0009】
この目的のために、本発明は、請求項1に記載された計時器用または宝飾品のピース用の外部部品のサブアセンブリに関する。
【0010】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを含む計時器、特に腕時計に関する。
【0011】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを含む宝飾品のピースに関する。
【0012】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリを組み立てるための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による外部部品のサブアセンブリの特定の変形例を分解斜視図で概略的に示しており、胴部である第1のコンポーネントと、その下に示された裏面である第2のコンポーネントと、インサートを含む弾性スプリットリングであるボルトであって、第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとの間に挿入されることを意図されたボルトとを含み、ボルトは、間にシールおよび摩擦ジョイントをトラップする。
【
図2】組み立てられた位置における
図1のサブアセンブリの平面図である。
【
図4】インサートを通過する、
図2の断面BBに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、調整が容易な角度インデクス付け機能を備え、保証された位置に、最低数のコンポーネントを用いて、適度な製造コストで、外部部品コンポーネントの防水で安全なアセンブリを製造することを目的とする。
【0016】
図は、腕時計の胴部に対する裏面の角度インデクス付け機能の非限定的な例を示している。
【0017】
本発明は、シールおよび摩擦ジョイント9を共に押し付ける第1のコンポーネント1および第2のコンポーネント2と同軸に取り付けられたボルト3を含む、計時器、特に腕時計用、または宝飾品用のピースの外部部品のサブアセンブリ100に関する。このボルト3は、第1のコンポーネント1と第2のコンポーネント2との間に挟まれ、第1のコンポーネント1を軸方向に結合することによって両者を共に固定する。このボルト3の下面38は、組み立てられた位置において、第2のコンポーネント2の上面28の近くにある。
【0018】
本発明によれば、ボルト3は、下面38から第2のコンポーネント2に向かって軸方向に突出する下部レリーフ41を含み、下部レリーフ41は、第2のコンポーネント2とボルト3との間の回旋中の角度移動を制限するストッパ27によって中断される、上面28が含む、部分的に回転する長溝26と相補的に協働するか、そうではない場合、第2のコンポーネント2の上面28から突出し、ボルト3に向かって軸方向に延びる上部レリーフに対する角度ストッパを構成する、ように配置される。
【0019】
図には、第1の代替案のみが示されている。
【0020】
より具体的には、サブアセンブリ100は、実質的に同じ軸Dを中心として回転する第1のコンポーネント1および第2のコンポーネント2を含む。第1のコンポーネント1は、第1の面11と第2の面21との間に挟まれた少なくとも1つのそのようなシールおよび摩擦ジョイント9を共に圧縮するように、第2のコンポーネント2が含む第2の面21と相補的に協働するように配置された第1の面11を含む。ボルト3はまた、実質的に軸Dを中心として回転し、軸Dの方向における軸方向結合位置でのねじ込みおよび/または弾性保持によって、第1のコンポーネント1を第2のコンポーネント2と固定するように配置される。この目的のために、ボルト3は、一方で、第1のコンポーネント1が含む第1の相補的締結手段13と協働するように配置された第1の締結手段31を、他方で、第2のコンポーネント2が含む第2の相補的締結または支持手段23と協働するように配置された第2の締結または支持手段32を含む。
【0021】
より具体的には、ボルト3は、第2のコンポーネント2が含む相補的な位置決め手段と協働して、これらの相対的な角度インデクス付け位置を決定するように配置された位置決め手段を含む。
【0022】
より具体的には、ボルト3は、この少なくとも1つの下部レリーフ41を含むリング5を含む。
【0023】
より具体的には、ボルト3は、下部レリーフ41を含む1つの取り外し可能なインサート4を、その外周の一部のみで受け入れるように配置されたスプリットリング5を含む。
【0024】
より具体的には、この少なくとも1つの取り外し可能なインサート4は、軸Dの方向に挿入および抽出可能である。そして、リング5は、有利なことに、リング5が含むスロットのいずれかの側に、ポスト42またはそれぞれのハウジングと相補的に協働するように配置されたハウジング35またはそれぞれのポストを含み、ポスト42またはそれぞれのハウジングは、そのような取り外し可能なインサート4が軸Dに対するその半径方向の保持のために含んでいる。
【0025】
より具体的には、リング5は、弾性スプリットリングである。
【0026】
より具体的には、第1の締結手段31は、第1の相補的締結手段13を構成するタップと協働するように配置されたねじ山によって構成される。
【0027】
より具体的には、リング5はねじ山31を含み、取り外し可能なインサート4はねじ山を有さない。
【0028】
より具体的には、第2の締結または支持手段32は、下部カラー34に含まれるところの、ボルト3が含む上面によって構成され、第2の相補的締結または支持手段23は、第2のコンポーネント4に含まれるところの上部カラー24が含む下面によって構成される。
【0029】
より具体的には、下部カラー34および/または上部カラー24は弾性である。
【0030】
より具体的には、少なくとも1つのシールおよび摩擦ジョイント9は、第2のコンポーネント2または第1のコンポーネント1が含み、第2の面21の凹部を構成する、ジョイント溝29内に収容される。
【0031】
より具体的には、第1のコンポーネント1は胴部であり、第2のコンポーネント2は裏面である。
【0032】
より具体的には、第1のコンポーネント1は胴部であり、第2のコンポーネント2はフランジまたはベゼルである。
【0033】
より具体的には、第1のコンポーネント1は、胴部または胴部に取り付けられたチューブであり、第2のコンポーネント2は、クラウンまたはクラウンロッドまたはプッシュピースである。
【0034】
より具体的には、ボルト3は、第1のコンポーネント1および第2のコンポーネント2を互いに押し付けるのに役立つ半径方向の反発手段を構成するように配置された少なくとも1つの弾性要素を含む。
【0035】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリ100を含む腕時計1000に関する。
【0036】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリ100を含む宝飾品のピースに関する。
【0037】
本発明はまた、そのような外部部品のサブアセンブリ100を組み立てるための方法に関する。
【0038】
より具体的には、この方法によって、
- 弾性スプリットリング5が、第2のコンポーネント2に挿入され、
- ボルト3が含む取り外し可能な各インサート4が、リング5に挿入され、
- 少なくとも1つのシールおよび摩擦ジョイント9が、第2のコンポーネント2と第1のコンポーネント1との間に配置され、
- 先ず、下部レリーフ41が、角度移動の第1の端部における第1の停止位置に到達するまで、ボルト3に対して第2のコンポーネント2を回し、次に、ボルト3と第1のコンポーネント1との間を推奨トルクで完全にねじ込むことによって、ボルト3および第1のコンポーネント1が共にねじ込まれ、
- その後、第2のコンポーネント2を、ねじ込み方向と反対方向に、所望の位置まで回すことによって、第2のコンポーネント2が、第1のコンポーネント1に対して角度を付けて配向される。
【0039】
より具体的には、外部部品のサブアセンブリ100の取り外しを進めるために、第2のコンポーネント2は、下部レリーフが、角度移動の他端における第2の停止位置に到達するまで、ねじ込み方向と反対方向に回され続け、ボルト3を第1のコンポーネント1から外すためにボルト3が回される。
【0040】
本発明は、そのサービス位置で結合されたままであるコンポーネントの完全な向きの保証を可能にする。
【0041】
本発明はまた、膨張摩擦、弾性などの応力なしに、ねじなどの外部締結要素を必要とせずに、セラミック、サファイアなどの特定の材料を弱める傾向にあるねじ山も機械加工もなしに、異なる性質の材料で作られた協働する相反的なコンポーネントを可能にする。このコンポーネントは、振動による、またはシャプイチョコ型の、偶発的または自発的なねじ戻しに対して非常に優れた耐性を有する。本発明はまた、コンポーネントの相互置換性を確保することを可能にし、その結果、ユーザの腕時計または宝飾品のピースのパーソナライズ化を高める。
【0042】
本発明は、高価な材料で作られた腕時計または宝飾品のピース、および特にプラスチック材料などで作られた、廉価なコンポーネントを含む大量生産製品の両方に適用可能である。
【0043】
本発明は、サブアセンブリ100が、異なる膨張係数を有する異なる材料で作られたコンポーネント、またはそうでなければ、標準的な固定モードは使用できない壊れやすいまたは硬い材料(セラミック、サファイア、宝石、珠玉、カメオ)を含む場合に適している。従来の構成の中で、サファイア製の裏面、または全体がセラミックのケース、金属とセラミックの組合せなどと金でできた胴部が組み立てられて作られることについて言及することができる。したがって、非限定的な方式で、腕時計製造および宝飾品において一般的な材料のみを列挙すると、コンポーネントは、特に貴金属または滴定金属合金、ステンレス鋼、少なくとも部分的にアモルファスである金属合金、または「Liquidmetal(著作権所有)」などの金属合金、セラミック、サファイア、鉱物、硬質石、ゴム、プラスチック材料、および、特に、TPUと呼ばれる熱可塑性ポリウレタン、PCと呼ばれるポリカーボネート、PVCと呼ばれるポリ塩化ビニル、POMと呼ばれるポリアセタールまたはポリオキシメチレン、シリコン、「ナイロン(登録商標)」らを含む、TPEと呼ばれる熱可塑性エラストマのようなあらゆる種類の材料で作られる。
【符号の説明】
【0044】
1 第1のコンポーネント
2 第2のコンポーネント
3 ボルト
4 インサート
5 弾性スプレットリング
9 シールおよび摩擦ジョイント
11 第1の面
13 第1の相補的締結手段
21 第2の面
23 第2の相補的な締結または支持手段
24 上部カラー
26 長溝
27 ストッパ
28 上面
29 ジョイント溝
31 第1の締結手段、ねじ山
32 第2の締結または支持手段
34 下部カラー
35 ハウジング
38 下面
41 下部レリーフ
42 ポスト
100 サブアセンブリ
1000 腕時計
D 軸