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特許7018112石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン、並びに製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン、並びに製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 37/00 20060101AFI20220202BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
B23K37/00 F
G05B19/418 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020190142
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2021186878
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】202010457749.4
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520448821
【氏名又は名称】哈尓濱▲旱▼接研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Harbin Welding Institute Limited Company
【住所又は居所原語表記】No.2077 ChuangXin Road, SongBei District, Harbin, Heilongjiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】張 善保
(72)【発明者】
【氏名】趙 宝
(72)【発明者】
【氏名】趙 徳民
(72)【発明者】
【氏名】唐 麒龍
(72)【発明者】
【氏名】楊 戦利
(72)【発明者】
【氏名】白 徳濱
(72)【発明者】
【氏名】周 坤
(72)【発明者】
【氏名】楊 永波
(72)【発明者】
【氏名】王 子然
(72)【発明者】
【氏名】付 傲
(72)【発明者】
【氏名】劉 福海
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 路平
(72)【発明者】
【氏名】白 鷹
(72)【発明者】
【氏名】李 巍
(72)【発明者】
【氏名】劉 香勇
(72)【発明者】
【氏名】金 徳財
(72)【発明者】
【氏名】王 志学
(72)【発明者】
【氏名】秦 偉涛
(72)【発明者】
【氏名】李 洪涛
(72)【発明者】
【氏名】劉 世龍
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-121429(JP,A)
【文献】特開平8-25085(JP,A)
【文献】特開2011-11704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0241293(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 31/00 - 31/02、31/10 - 33/00、37/00 - 37/08
G05B 19/418
B23K 9/00 - 9/32、10/00 - 10/02
B23P 19/00 - 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の溶接用アイランドと、複数の予熱用アイランドと、複数の組立用アイランドと、軌道群(11)と、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)と、制御システムとを含み、
前記軌道群(11)はアイランド型溶接製造ラインの中央部に位置し、
前記複数の溶接用アイランドは軌道群(11)の片側に位置し、
前記予熱用アイランドと組立用アイランドは軌道群(11)の他側に位置し、
前記スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)は軌道群(11)に沿って移動し、
溶接構造部材を各アイランドの間で積み替えることに用いられるものであり、
複数の溶接用アイランドの各溶接用ステーションには被加工物認識システムが設けられており、
前記被加工物認識システムは被加工物の型番及び溶接位置を認識することに用いられるものであり、
前記制御システムは、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)の移動、各ステーション間の信号の相互伝送及び製造ラインの全体制御を制御する、
ことを特徴とする石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項2】
前記溶接用アイランドと予熱用アイランドは無人運転可能なエリアとし、
作業者は主に組立用アイランドエリアで作業をする、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項3】
周りには非常通路(1)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項4】
石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝構造部材の溶接に適用され、
複数の溶接用アイランドは一段目溶接用ステーションアイランド(2)と、二段目溶接用ステーションアイランド(3)と、三段目溶接用ステーションアイランド(4)とを含んでおり、各溶接用アイランド内部には複数の溶接用ステーションが含まれており、
複数の前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド(10)と二段目予熱用ステーションアイランド(7)とを含んでおり、
複数の前記組立用アイランドは二段目組立用ステーションアイランド(8)と一段目組立用ステーションアイランド(9)を含んでおり、
石炭採掘中央溝構造部材に用いられるアイランド型溶接製造ラインは、さらに排出用ステーションアイランド(5)と、検査補修溶接用ステーションアイランド(6)とを含んでおり、前記一段目溶接用ステーションアイランド(2)と、二段目溶接用ステーションアイランド(3)と、三段目溶接用ステーションアイランド(4)は軌道群(11)の片側に順次配列されており、
前記一段目予熱用ステーションアイランド(10)と、一段目組立用ステーションアイランド(9)と、二段目組立用ステーションアイランド(8)と、二段目予熱用ステーションアイランド(7)と、検査補修溶接用ステーションアイランド(6)は軌道群(11)の他側に順次配列され、
前記排出用ステーションアイランド(5)は三段目溶接用ステーションアイランド(4)と検査補修溶接用ステーションアイランド(6)の右側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項5】
前記一段目溶接用ステーションアイランド(2)と二段目溶接用ステーションアイランド(3)はミドルプレートの下塗り、ミドルプレートの充填、ベースプレートまたはラックレールスタンドの溶接に使用されており、
前記三段目溶接用ステーションアイランド(4)は切削溶接に使用されており、
前記二段目組立用ステーションアイランド(8)はベースプレートの組立に使用されており、
前記一段目組立用ステーションアイランド(9)はブレードのレッジ、バッフルのレッジ、ミドルプレート及びラックレールスタンドの組立に使用される、
ことを特徴とする請求項4に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項6】
一段目組立用ステーションアイランド(9)において組み立てられた被加工物を、一段目予熱用ステーションアイランド(10)の材料待ちステーションに吊り込む、
または自動で搬入し、
一段目予熱用ステーションアイランド(10)の軌道を介して炉内に自動で搬入するステップ1と、
温度が予熱温度に達すると、被加工物を一段目予熱用ステーションアイランド(10)の材料搬送軌道を介して搬出し、材料受取用スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)と協働し、被加工物をスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)に転動するステップ2と、
中央制御室(13)は、被加工物を一段目溶接用ステーションアイランド(2)のいずれか1つの空き溶接用ステーションに搬送するようにスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、被加工物認識システムにより被加工物を認識し、溶接位置を判断し、溶接を行うステップ3と、
中央制御室(13)は、溶接済の被加工物を二段目組立用ステーションアイランド(8)に搬送するように、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、自動組立を行い、
中央制御室(13)は、組立済の被加工物を一段目溶接用ステーションアイランド(2)または二段目溶接用ステーションアイランド(3)に搬送するように、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、溶接を行い、
一段目溶接用ステーションアイランド(2)または二段目溶接用ステーションアイランド(3)において被加工物を認識し、溶接する被加工物の型番に対応するベースプレートを判断するステップ4と、
中央制御室(13)は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御し、ベースプレートの溶接済の被加工物を三段目溶接用ステーションアイランド(4)内に搬送させ、被加工物の型番を判断しており、溶接を行い、
切削溶接後、中央制御室(13)は、被加工物を検査補修溶接用ステーションアイランド(6)に搬送するようにスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、検査/補修溶接が完了すると、直接排出する、またはスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーで排出用ステーションアイランド(5)に搬送するステップ5と、を含む、
請求項1~5のいずれか1つに記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの製造方法。
【請求項7】
液圧マウント構造部材の溶接に適用され、
複数の溶接用アイランドは、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa(14)と、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb(16)とを含み、
前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド(22)と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド(19)とを含んでおり、前記組立用アイランドは一段目組立用ステーションアイランド(21)と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド(20)と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド(18)とを含んでおり、
液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用される場合、さらに中央制御室(13)と、補修溶接用アイランド(15)と、六段目組立及び溶接用ステーションアイランド(17)とを含み、
前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa(14)と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb(16)とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの片側に直線状に配列され、前記一段目予熱用ステーションアイランド(22)と、一段目組立用ステーションアイランド(21)と、二段目ないし三段目ステーションアイランド(20)と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド(19)と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド(18)とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの他側に順次配列され、
前記補修溶接用アイランド(15)と六段目組立及び溶接用ステーションアイランド(17)は液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの上側と下側を貫通し、
前記補修溶接用アイランド(15)は、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa(14)と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb(16)との間に位置しており、
前記六段目組立及び溶接用ステーションアイランド(17)は一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb(16)の右側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項8】
前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa(14)は、一段目予熱用ステーションステーションアイランド(22)と、一段目組立用ステーションアイランド(21)と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド(20)に対向するように配置されており、
前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb(16)は、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド(19)と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド(18)に対向するように配置される、
ことを特徴とする請求項7に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項9】
液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用され、
さらにAGVトロリー移動レール(26)とAGVトロリー(23)とを含み、
前記AGVトロリー移動レール(26)はアイランド型溶接製造ラインの周辺部を横切り、
前記AGVトロリー(23)はAGVトロリー移動レール(26)に沿って移動して組立用アイランドに材料を積み替え、
前記中央制御室(13)はスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)とAGVトロリー(23)の移動及び各ステーション間の信号相互接続を制御し、
前記一段目組立用ステーションアイランド(21)、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド(20)と四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド(18)は、AGV材料載せ替え台(24)と組立溶接台とを含む、
請求項7に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン。
【請求項10】
まず一段目組立用ステーションアイランド(21)において被加工物を組み立てから、クレーンまたは地上手段を用いて一段目予熱用アイランド(22)に搬入し、予熱を行い、その後、クレーンまたは地上手段を用いて中継台に搬入するステップ1と、
その後、中央制御室(13)は、被加工物を一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa(14)のいずれか1つのステーションに搬入するようにスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、認識システムにより被加工物を認識し、被加工物の溶接が完了すると、全体制御がスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)に信号を送信し、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)は、指令を受信すると、被加工物を二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド(20)に搬入して組み立てるステップ2と、
被加工物の組立が完了すると、中央制御室(13)はスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)に信号を送信しており、中央制御室(13)は、二段目組立済の被加工物を二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド(19)に搬入するように、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、予熱を行い、予熱が完了すると、中央制御室(13)は、被加工物を空き溶接用ステーションに搬送するように、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(12)を制御しており、認識システムは被加工物の型番を自動で認識し、溶接を行い、最後の組立及び溶接工程が完了するまで順次同様にする、請求項1または請求項7~9のいずれか1つに記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ライン、及びその製造方法に関し、石炭採掘機械の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材などの製品に対する溶接製造ラインの仕様はほとんど直線型とする。被加工物が複雑であり、成形ができるまでN段の組立及び溶接工程が必要な場合が多いため、製造ラインは全長が長すぎ、柔軟性に欠けている欠点がある。それに、一対一の形で溶接をする場合が多い。
【0003】
すなわち、対応する組立用ステーションでの組立済の被加工物を、予め設けられている対応する溶接用ステーションに搬送して溶接を行わなければならない。それは、他の溶接用ステーションが被加工物の組立進捗及び溶接位置を自動で認識できないためである。
【0004】
すなわち、従来では、組立用ステーションが所定の溶接用ステーションに対応している。かつ、各溶接用ステーションの被加工物を溶接するのに必要な時間が異なり、タクトタイムを正確に算出しても、空き溶接用ステーションがあるため、溶接リソースが無駄になることがあり、保守中や故障中のステーションがあった場合、製造ライン全体が停止することにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するために、リソースを節約し、製造を便利にし、レイアウトを合理的でコンパクトにし、敷地が狭く、製造や溶接に柔軟性が高く、組立と溶接のアイランドエリアが相互に分離し、安全性を向上することを目的として、
【0006】
N個の溶接用ステーションがN個の組立用ステーションに対応し、各溶接用ステーションがN個の組立用ステーションのうちのいずれか1つの被加工物を自動で認識して溶接する、新型の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインを提供しており、
【0007】
このスマートアイランド型溶接製造ライン仕様は、炭鉱採掘の重要な設備である、炭鉱坑内用スクレーパコンベアとローダーに用いられる中央溝の溶接製造ライン及び液圧マウント構造部材の溶接製造ラインによく適用されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の溶接用アイランドと、複数の予熱用アイランドと、複数の組立用アイランドと、軌道群11と、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12と、制御システムとを含み、
前記軌道群11はアイランド型溶接製造ラインの中央部に位置しており、
【0009】
前記複数の溶接用アイランドは軌道群11の片側に位置しており、前記予熱用アイランドと組立用アイランドは軌道群の他側に位置しており、前記スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は軌道群11に沿って移動し、溶接する構造部材を各アイランドの間で積み替えることに用いられるものであり、
【0010】
複数の溶接用アイランドの各溶接用ステーションには被加工物認識システムが設けられており、前記被加工物認識システムは被加工物の型番及び溶接位置を認識することに用いられるものであり、
【0011】
前記制御システムは、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12の移動、各ステーション間の信号の相互伝送及び製造ラインの全体制御を制御する、石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧支持構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインを提案する。
好ましくは、前記溶接用アイランドと予熱用アイランドは無人運転可能なエリアとし、作業者は主に組立用アイランドエリアで作業をすることである。
【0012】
好ましくは、前記石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧支持構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの周りには非常通路1が設けられることである。
【0013】
好ましくは、石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝構造部材の溶接に適用され、複数の溶接用アイランドは一段目溶接用ステーションアイランド2と、二段目溶接用ステーションアイランド3と、三段目溶接用ステーションアイランド4とを含み、
【0014】
各溶接用アイランド内部には複数の溶接用ステーションが含まれており、複数の前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド10と二段目予熱用ステーションアイランド7とを含んでおり、複数の前記組立用アイランドは二段目組立用ステーションアイランド8と一段目組立用ステーションアイランド9を含んでおり、
【0015】
石炭採掘に用いる中央溝の構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、さらに排出用ステーションアイランド5と、検査補修溶接用ステーションアイランド6とを含んでおり、前記一段目溶接用ステーションアイランド2と、二段目溶接用ステーションアイランド3と、三段目溶接用ステーションアイランド4は軌道群11の片側に順次配列されており、
【0016】
前記一段目予熱用ステーションアイランド10と、一段目組立用ステーションアイランド9と、二段目組立用ステーションアイランド8と、二段目予熱用ステーションアイランド7と、検査補修溶接用ステーションアイランド6は軌道群11の他側に順次配列され、
前記排出用ステーションアイランド5は三段目溶接用ステーションアイランド4と検査補修溶接用ステーションアイランド6の右側に位置することである。
【0017】
好ましくは、前記一段目溶接用ステーションアイランド2と二段目溶接用ステーションアイランド3はミドルプレートの下塗りや充填、ベースプレートまたはラックレールスタンドの溶接に使用されており、
【0018】
前記三段目溶接用ステーションアイランド4は切削溶接に使用されており、前記二段目組立用ステーションアイランド8はベースプレートの組立に使用されており、前記一段目組立用ステーションアイランド9はブレードのレッジ、バッフルのレッジ、ミドルプレート及びラックレールスタンドの組立に使用される。
【0019】
好ましくは、液圧マウント構造部材の溶接に適用され、複数の溶接用アイランドは、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16とを備え、
【0020】
前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド22と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19とを含んでおり、前記組立用アイランドは一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18とを含んでおり、
【0021】
液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用される場合、さらに中央制御室13と、補修溶接用アイランド15と、六段目組立及び溶接用ステーションアイランド17とを備え、前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの片側に直線状に配列され、前記一段目予熱用ステーションアイランド22と、一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目ステーションアイランド20と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの他側に順次配列され、
【0022】
前記補修溶接用アイランド15と六段目組立及び溶接用ステーションアイランド17は液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの上側と下側を貫通し、前記補修溶接用アイランド15は、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16との間に位置しており、前記六段目組立溶接用ステーションアイランド17は一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16の右側に位置することである。
【0023】
好ましくは、前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14は、一段目予熱用ステーションステーションアイランド22と、一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20に対向するように配置されており、
【0024】
前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16は、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18に対向するように配置されることである。
【0025】
好ましくは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用され、さらにAGVトロリー移動レール26とAGVトロリー23とを含み、前記AGVトロリー移動レール26はアイランド型溶接製造ラインの縁辺部を横切り、前記AGVトロリー23はAGVトロリー移動レール26に沿って移動して組立用アイランドに材料を積み替え、
前記中央制御室13はスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12とAGVトロリー23の移動及び各ステーション間の信号相互接続を制御する。
【0026】
好ましくは、前記一段目組立用ステーションアイランド21、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20と四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18は、AGV材料載せ替え台24と組立溶接台を含む。
【0027】
本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、1組の設備の溶接による製造のレイアウトに適用されており、本発明は、炭鉱坑内用スクレーパコンベアとローダーに用いられる中央溝の溶接製造ライン及び液圧マウント構造部材の溶接製造ラインによく適用されている。以下の効果は顕著である。
【0028】
1、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、組立用アイランドエリアと溶接用アイランドエリアとは相互に分離されており、溶接用アイランドエリアは無人運転可能なエリアとし、効率と安全性が高い。
【0029】
2、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、溶接用アイランドと組立用アイランドとの溶接モード間の関係は多数対多数(複数の溶接用ステーションは複数の組立用ステーションに対応する)とし、柔軟性とリソース使用率が高い。
【0030】
3、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、視覚認識システムが溶接用アイランドエリアに配置され、非被加工物の型番を自ら判断し、対応する溶接用プログラムを呼び出すことで、自動化レベルを向上させる。
【0031】
4、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、溶接用アイランドのいずれのステーションですべての型番の被加工物の溶接ができるため、柔軟性が高く、一つのステーションでは複数種類の被加工物の溶接ができ、一つの組立用ステーションで複数の種類の被加工物を組み立てることで、ロボット及び作業スペースの使用率を向上させる。
【0032】
5、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、いずれのステーションが整備や故障状態となった場合、他のステーションで代行し、全体の稼働に影響しないため、故障排除の柔軟性と順応性が高い。
【0033】
6、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーが、待ち時間や載せ替え時間を不要とし、縦方向と横方向の間で自在に切り替えることができるため、作業効率が向上する。
【0034】
7、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーの台数はメイン分岐ルート(縦方向及び横方向)RGVトロリーより少ないため、システム全体のコストを削減し、リソースを節約し、効率を向上する。
【0035】
8、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、各エリアが集中され、レイアウトが明瞭かつ合理的になる。
【0036】
9、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、レイアウトの全長は半分ほど短縮され、スペースを節約し、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーの走行距離を短縮する。
【0037】
10、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、エリアが明確に画定され、その周りに観察エリアを設け、工場内での6S管理法の実施を便利にする。
【0038】
11、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、自動溶接ができるとともに、製品の品質の向上ができる。
【0039】
12、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、その周りには、安全で信頼性の高い観察通路が設けられる。
【0040】
13、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、1組の部品を認識しつつ、認識済の被加工物が具体的にどの工程で処理されたかを認識して判断し、被加工物を認識してから、プログラムを自動で呼び出して溶接を行うという被加工物認識システムを採用するため、技術レベルが向上する。
【0041】
14、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、制御室が、まとめてスケジューリングを行い、指令を一つずつ順次発信し、製造ライン全体を規則正しく稼働させる。
【0042】
15、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、組立と溶接の分離により、安全性と使い勝手を向上させる。
【0043】
16、本発明に記載の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインでは、被加工物の載せ替え時、待ちや載せ替え等の操作を不要とするため、効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本願の一部である図面は、本発明を更に理解するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明の解釈のみに使用されており、本発明を限定するものではない。
図1】本発明に係る炭鉱坑内用スクレーパコンベアとローダーに用いられる中央溝の構造図である。
図2】本発明に係る、従来のスクレーパコンベアの直線型中央溝ラインの構造図である。
図3】本発明に係る、石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの実施例1における、中央溝のためのアイランド型溶接製造ラインの構造図である。
図4】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの一段目組立用被加工物の構造図である。
図5】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの二段目組立用被加工物の構造図である。
図6】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの三段目組立用被加工物の構造図である。
図7】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの四段目組立用被加工物の構造図である。
図8】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの五段目組立用被加工物の構造図である。
図9】本発明に係る液圧マウント構造部材としての上部レールの六段目組立用被加工物の構造図である。
図10】本発明に係る上部レールの溶接完成品の構造図である。
図11】本発明に係る、従来のスクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材の直線型製造ラインの構造図である。
図12】本発明に係る、石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの実施例2における、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面に合わせて、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。
【0046】
以下、炭鉱坑内用スクレーパコンベアとローダーに用いられる中央溝の溶接製造ライン及び炭鉱採掘のための重要な構造である液圧マウント構造部材としての上部レールの溶接製造ラインのそれぞれを例として、本発明のアイランド型スマート溶接製造ライン仕様の、炭鉱総合機械化採掘設備のための溶接製造ラインにおける応用、そしてエリア構成及び製造ライン全体の動作の詳細を説明する。
1、炭鉱坑内用スクレーパコンベアとローダーに用いられる中央溝の溶接製造ライン
【0047】
中央溝は、図1に示すように、スクレーパコンベアの本体として主に炭鉱坑内用スクレーパコンベア及びローダーに使用されており、ミドルプレート、レッジ、ベースプレート、ラックレールスタンドなど主要な部材から溶接してなるものであり、上方溝が石炭を搬送し、下方溝がスクレーパチェーンを戻させるたように構成される。
【0048】
従来の中央溝製造ラインは直線型のものであり、図2は、2014年に、ハルビン溶接研究院有限公司が寧夏天地奔牛実業グループ有限公司のために開発した中央溝の溶接製造ラインを示す。
【0049】
その不足が下記のとおりである。1つ目は、製造ラインの全長は120メートル程まで長すぎること、2つ目は、メイン分岐ライン(縦方向及び横方向)にRGVトロリーが数多いため、柔軟性に欠けること、3つ目は、組立用ステーションと溶接用ステーションとの関係が一対一となるため、溶接プロセスが柔軟性に欠けること、3つ目は、いずれのステーションに故障が起こった場合、ライン全体の製造に影響すること、4、組立用アイランドエリアと溶接用アイランドエリアが集中されずに、比較的分散されることである。
<実施例1>
【0050】
図1~3を参照して、本実施例を説明する。本実施例の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、複数の溶接用アイランドと、複数の予熱用アイランドと、複数の組立用アイランドと、軌道群11と、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12と、制御システムとを含み、前記軌道群11はアイランド型溶接製造ラインの中央部に位置しており、前記複数の溶接用アイランドは軌道群11の片側に位置しており、前記予熱用アイランドと組立用アイランドは軌道群11の他側に位置しており、前記スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は軌道群11に沿って移動し、溶接構造部材を各アイランドの間で積み替えることに用いられるものであり、複数の溶接用アイランドの各溶接用ステーションには被加工物認識システムが設けられており、前記被加工物認識システムは被加工物の型番及び溶接位置を認識しており、前記制御システムは、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12の移動、各ステーション間の信号相互伝送及び製造ラインの全体制御を制御する。前記制御システムは中央制御室13である。
前記溶接用アイランドと予熱用アイランドは無人運転可能なエリアとし、作業者は主に組立用アイランドエリアで作業をする。
前記石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの周りには非常通路1が設けられる。
【0051】
石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインにおいては、前記溶接用アイランドは一段目溶接用ステーションアイランド2と、二段目溶接用ステーションアイランド3と、三段目溶接用ステーションアイランド4とを含み、各溶接用アイランド内部には複数の溶接用ステーションが含まれており、複数の前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド10と二段目予熱用ステーションアイランド7とを含んでおり、複数の前記組立用アイランドは二段目組立用ステーションアイランド8と一段目組立用ステーションアイランド9を含んでおり、石炭採掘に用いる中央溝の構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、さらに排出用ステーションアイランド5と、検査補修溶接用ステーションアイランド6とを含んでおり、前記一段目溶接用ステーションアイランド2と、二段目溶接用ステーションアイランド3と、三段目溶接用ステーションアイランド4は軌道群11の片側に順次配列されており、前記一段目予熱用ステーションアイランド10と、一段目組立用ステーションアイランド9と、二段目組立用ステーションアイランド8と、二段目予熱用ステーションアイランド7と、検査補修溶接用ステーションアイランド6は軌道群11の他側に順次配列され、前記排出用ステーションアイランド5は三段目溶接用ステーションアイランド4と検査補修溶接用ステーションアイランド6の右側に位置する。
【0052】
前記一段目溶接用ステーションアイランド2と二段目溶接用ステーションアイランド3はミドルプレートの下塗りや充填、ベースプレートまたはラックレールスタンドの溶接に使用されており、前記三段目溶接用ステーションアイランド4は切削溶接に使用されており、前記二段目組立用ステーションアイランド8はベースプレートの組立に使用されており、前記一段目組立用ステーションアイランド9はブレードのレッジ、バッフルのレッジ、ミドルプレート及びラックレールスタンドの組立に使用される。
【0053】
図に示すように、中央溝構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの全長は半分近く短縮しており、その周辺には非常通路1が設けられ、これにより、作業者が観察を隈なくするのを容易にする。作業エリアの中央にはスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーのためのトロリー通路(すなわち軌道群11)が設けられ、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は縦方向と横方向との間で自在に方向が切り替えることが可能であるため、組立用アイランド、予熱用アイランド及び溶接用アイランドの間で自在に移動し、これにより、効率を大きく向上させ、トロリーの使用台数を3/4削減し、投資コストを低下させる。
【0054】
スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は、上側にミドルプレート及びベースプレートの溶接用アイランドと切削溶接用アイランドが設けられ、下側に予熱用アイランドと組立用アイランドが設けられており、作業者は主に組立用アイランドエリアで作業をするのに対し、溶接用アイランドでも予熱用アイランドでも無人運転可能なアイランドとし、これにより、安全性を大きく向上させ、工場では6S管理法を容易に実施することができる。
その生産プロセスは下記のとおりである。
【0055】
一段目組立用ステーションアイランド9で組み立てられた被加工物を、一段目予熱用ステーションアイランド10の材料待ちステーションに吊り込むか、または自動で搬入し、一段目予熱用ステーションアイランド10の軌道を介して、被加工物を炉内に自動で搬入する。温度が予熱温度に達すると、被加工物を一段目予熱用ステーションアイランド10の材料搬送軌道を介して搬出し、材料受取用スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12と協働し、被加工物をトロリーに転動させ、トロリーは被加工物をミドルプレート溶接用アイランド2のいずれか1つの空き溶接用ステーションに搬送し、被加工物認識システムで被加工物を認識し、溶接する位置を判断し、そして、プログラムを自動で呼び出す。1組の被加工物は型番やサイズが異なり、かつ各組に対して2段または3段の組立を行うことが必要であるため、全体のプログラム量が重く、溶接前に判断を行っており、中央制御室13は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12を制御して、溶接済の被加工物を二段目組立用ステーションアイランド8に搬送させ、自動組立を行っており(二段目組立を行うベースプレートは高温となっているため、安全のために自動組立を行う)、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は組立済の被加工物を一段目溶接用ステーションアイランド2または二段目溶接用ステーションアイランド3に搬送し、溶接を行い、一段目溶接用ステーションアイランド2または二段目溶接用ステーションアイランド3においてまず被加工物を認識し、溶接する被加工物の型番に対応するベースプレートを判断し、それからプログラムを呼び出して溶接を行う。中央制御室13は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12を制御し、ベースプレートの溶接済の被加工物を切削溶接用ステーションアイランド4内に搬送し、まず、被加工物の型番を判断し、対応するプログラムを呼び出して溶接を行っており、切削溶接後、中央制御室13は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12を制御して被加工物を検査補修溶接用ステーションアイランド6に搬送し、検査/補修溶接が完了するとそのまま排出する、またはスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーに排出用ステーションアイランド5に搬送させる。
2、炭鉱採掘の重要な設備である液圧マウント構造部材としての上部レールの溶接製造ライン
【0056】
液圧マウントとは、液圧を動力として昇降、前進などの動作を実現し、トッププレートを支持する炭鉱総合機械化採掘の重要な設備であり、かつ石炭鉱業では採掘、搬送及び支持等すべての工程を機械化できる重要な一環であるため、石炭鉱業にとって非常に重要である。上部レールは、液圧マウントの部品の1つである。以下、アイランド型スマート製造ライン仕様の生産における応用を詳しく説明する。
【0057】
上部レールの溶接プロセスにおいては、所望の被加工物の完成品ができるまで、6回の組立と6回の溶接が必要である。図11に示すように、従来のラインは、左から順に一段目組立エリア、一段目予熱エリア、一段目溶接エリア、二段目組立エリア、二段目予熱エリア、二段目溶接エリア、三段目組立エリア、三段目予熱エリア、三段目溶接エリア、四段目組立エリア、四段目予熱エリア、四段目溶接エリア、五段目組立エリア、五段目予熱エリア、五段目溶接エリア、六段目組立エリア及び六段目溶接エリアが配置される直線型のものであり、全長が200メートルに近いため、欠点が多く存在する。例えば、(1)同エリアで組立と溶接を実施するため、安全上の問題がある。(2)一段目組立を行う被加工物の溶接は一段目溶接用ステーションでしか実施できないため、リソースの浪費につながる。(3)溶接用ステーションや組立用ステーションが整備しているか、または故障した場合、製造ライン全体が停止してしまう。(4)組立及び溶接は柔軟性に欠ける。(5)ラインの全長が長すぎる。(6)ラインの全長が長すぎるため、搬送トロリーと予熱用ステーションが多いため、リソースの浪費及びコストアップにつながる。
【0058】
図4~9は、一段目組立から六段目組立までの被加工物を示す。そのうち、一段目組立では、被加工物の外枠を組み立て、一部のリブを取り付け、上部レールを溶接することにより、図10に示す完成品が得られる。
<実施例2>
図4~12を参照して、本実施例を説明する。
【0059】
本実施例の石炭採掘スクレーパコンベアの中央溝及び液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインは、液圧マウント構造部材の溶接に適用される場合、複数の溶接用アイランドは、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16とを含み、前記予熱用アイランドは一段目予熱用ステーションアイランド22と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19とを含んでおり、前記組立用アイランドは一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18とを含んでおり、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用される場合、さらに中央制御室13と、補修溶接用アイランド15と、六段目組立及び溶接用ステーションアイランド17とを含み、前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの片側に直線状に配列され、前記一段目予熱用ステーションアイランド22と、一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目ステーションアイランド20と、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18とは、液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの他側に順次配列され、前記補修溶接用アイランド15と六段目組立及び溶接用ステーションアイランド17は液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインの上側と下側を貫通し、前記補修溶接用アイランド15は、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14と一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16との間に位置しており、前記六段目組立溶接用ステーションアイランド17は一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16の右側に位置する。
【0060】
前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa14は、一段目予熱用ステーションステーションアイランド22と、一段目組立用ステーションアイランド21と、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20に対向するように配置されており、前記一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb16は、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19と、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18に対向するように配置される。
【0061】
液圧マウント構造部材のためのアイランド型溶接製造ラインに適用される場合、さらにAGVトロリー移動レール26とAGVトロリー23とを含み、前記AGVトロリー移動レール26はアイランド型溶接製造ラインの下部を横切り、前記AGVトロリー23はAGVトロリー移動レール26に沿って移動して組立エリアに材料を積み替える。前記中央制御室13は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12とAGVトロリー23の移動、及び各ステーション間の信号相互接続を制御する。
【0062】
前記一段目組立用ステーションアイランド21、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド20と四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド18は、AGV材料載せ替え台24と組立溶接台を含む。
【0063】
液圧マウント構造部材のアイランド型溶接製造ラインに適用される場合、中央に位置するスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリーを境界として、片側に各種類の溶接用アイランドエリアが配置され、他側に組立予熱用アイランドエリアが配置されており、組立用アイランドエリアを溶接用アイランドエリアから分離することで、安全性と使い勝手が向上する。
その生産プロセスは下記のとおりである。
【0064】
まず、一段目組立用アイランド21において被加工物を組み立てから、クレーンによって一段目予熱用アイランド22に吊り込まれて予熱を行い、予熱完了後、中継台に吊り込まれており、その後、中央制御室13は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー(全方向軌道トロリーとは昇降装置により横方向及び縦方向で自在に切り替えることで双方向に走行可能なトロリーである)を制御し、それを一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用アイランドa14のいずれか1つのステーションに搬送しており、認識システムにより被加工物を認識し、ロボットがそれに対応するプログラムを自動で呼び出して溶接を行う。1組の被加工物は型番やサイズが異なり、かつ各組に対して5段または6段の組立を行うことが必要であるため、全体のプログラム量がNX6ほど多い。被加工物の溶接が完了すると、中央制御は、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー11に信号を送信する。スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12は指令を受信すると、被加工物を二段目組立用ステーションアイランド20に搬入して組み立てる。被加工物の組立が完了すると、中央制御室13はスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12に信号を送信する。中央制御室13はスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12を制御し、二段目組立済の被加工物を二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド19に搬入して予熱する。予熱が完了すると、中央制御室13は、被加工物を空き溶接用ステーションに搬送するようにスマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー12を制御する。認識システムは被加工物の型番及び溶接のステップを自動で認識してから、ロボットは溶接プログラムを呼び出して溶接を行う。すなわち、溶接用アイランドにおけるいずれか1つの溶接用ステーションはいずれか1つの組立用アイランドで組み立てた被加工物を溶接可能であり、いずれか1つの溶接用アイランドがN個の組立用アイランドに対応することができ、最後の組立及び溶接工程が完了するまで順次同様にする。
【0065】
上記実施例では、本発明の目的、技術案及び有益な効果をさらに詳しく説明する。理解されるように、上記は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。前記各実施例の特徴を合理的に組み合わせてもよい。本発明の趣旨や原則から逸脱しない限り、すべての変更、同等置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0066】
1、非常通路
2、一段目溶接用ステーションアイランド
3、二段目溶接用ステーションアイランド
4、三段目溶接用ステーションアイランド
5、排出用ステーションアイランド
6、検査補修溶接用ステーションアイランド
7、二段目予熱用ステーションアイランド
8、二段目組立用ステーションアイランド
9、一段目組立用ステーションアイランド
10、一段目予熱用ステーションアイランド
11、軌道群
12、スマート全方向軌道RGV/無軌道AGVトロリー
13、中央制御室
14、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドa
15、補修溶接用アイランド
16、一段目ないし五段目可撓性溶接ロボットのための溶接用ステーションアイランドb
17、六段目組立溶接用ステーションアイランド
18、四段目ないし五段目組立用ステーションアイランド
19、二段目ないし五段目予熱用ステーションアイランド
20、二段目ないし三段目組立用ステーションアイランド
21、一段目組立用ステーションアイランド
22、一段目予熱用ステーションアイランド
23、AGVトロリー
24、AGV材料載せ替え台
25、組立溶接台
26、AGVトロリー移動レール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12