(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】シングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11B 7/0065 20060101AFI20220202BHJP
G11B 7/135 20120101ALI20220202BHJP
G03H 1/22 20060101ALI20220202BHJP
G03H 1/04 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
G11B7/0065
G11B7/135
G03H1/22
G03H1/04
(21)【出願番号】P 2020218623
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】201911422745.6
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521001294
【氏名又は名称】アメシスタム ストレージ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amethystum Storage Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ム
(72)【発明者】
【氏名】ルオ ティエウェィ
(72)【発明者】
【氏名】ティエン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】フ ドォジァオ
(72)【発明者】
【氏名】リォウ イチョン
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-004041(JP,A)
【文献】特開2013-195802(JP,A)
【文献】特開2004-310956(JP,A)
【文献】特開2008-250107(JP,A)
【文献】特開2016-219087(JP,A)
【文献】特開2008-097759(JP,A)
【文献】特開2008-152827(JP,A)
【文献】特開2008-139838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/0065
G11B 7/135
G03H 1/22
G03H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球面光波を基準ビームとして信号ビームと記憶媒体で干渉させてホログラムを形成し、シフト多重化の方法によって記憶容量を増やし、光学システムでは、基準ビームと信号ビームを順次結合及び分割する一対のビームコンバイナとビームスプリッタが動作し、ビームコンバイナとビームスプリッタの間には、フィルタを含むリレーレンズ群が配置され、空間光変調器でのパターンを転送してフィルタリングする、ことを特徴とするシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項2】
前記ビームコンバイナおよびビームスプリッタは、偏光選択特性を有する光学素子である、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項3】
前記フィルタは、記憶媒体でのホログラムの大きさを制御するためのローパスフィルタである、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項4】
前記リレーレンズ群のレンズ素子の少なくとも1つは、ビームの光軸方向に沿った平行移動ステージに取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項5】
前記リレーレンズ群のレンズ素子の少なくとも1つは、シフト多重化方向に沿った平行移動ステージに取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項6】
レーザ出力ユニット、ビーム結合ユニット、基準アームおよびビーム分割ユニットを含み、
レーザ出力ユニットは、光を出力してビームを拡大するために使用され、
ビームが拡大された光は、ビーム結合ユニットに入射され、前記ビーム結合ユニットは、入力された光を偏光方向が直交する同軸の信号ビームと基準ビームに変換してビーム分割ユニットに出力し、
ビーム分割ユニットは、受信された信号ビームと基準ビームを分離し、基準ビームが基準アームに入り、信号ビームが記憶媒体に入射され、
基準アームは、基準ビームを調整して記憶媒体に入射し、
信号ビームと基準ビームは、記憶媒体で干渉してホログラムを形成し、情報を記憶媒体に記録し、シフト多重化の方法により記憶容量を増やすことができる、ことを特徴とするシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項7】
記憶媒体に記憶された信号を読み取るための信号再生ユニットをさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項8】
レーザ出力ユニットは、光源エミッタ、ビームエキスパンダ、第1の半波長板を含み、光源エミッタから出射された光は、まずビームエキスパンダおよび第1の半波長板で処理され、次にビーム結合ユニットに入射される、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項9】
ビーム結合ユニットは、ビームコンバイナ、空間光変調器、第1の反射鏡およびリレーレンズ群を含み、ビームコンバイナは、まずレーザ出力ユニットからの入射光を偏光方向が直交する基準ビームと信号ビームに分割し、信号ビームが第1の反射鏡で反射され、空間光変調器で入力変調信号がロードされ、変調された信号ビームと基準ビームは、ビームコンバイナで結合され、リレーレンズ群を通過してビーム分割ユニットに入射される、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項10】
ビーム結合ユニットは、ビームコンバイナ、空間光変調器、第1の反射鏡、第1の四分の一波長板、第2の四分の一波長板およびリレーレンズ群を含み、ビームコンバイナは、まずレーザ出力ユニットからの入射光を偏光方向が直交する基準ビームと信号ビームに分割し、信号ビームが第1の反射鏡で反射され、第1の四分の一波長板で2回透過された後、偏光方向が垂直偏光になり、ビームコンバイナで反射された後、第2の四分の一波長板を通過して空間光変調器で入力信号がロードされて反射され、変調された信号ビームは、第2の四分の一波長板を再び通過してビームコンバイナに再入射され、反射された基準ビームと結合し、リレーレンズ群を通過してビーム分割ユニットに入射される、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項11】
リレーレンズ群の中央には、信号ビームを空間的にフィルタリングするためのローパスフィルタが設けられる、ことを特徴とする請求項9または10に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項12】
前記ビームコンバイナは、偏光選択特性を有する光学素子であり、第1の偏光ビームスプリッタである、ことを特徴とする請求項9または10に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項13】
ビーム分割ユニットは、ビームスプリッタおよび第1のフーリエレンズを含み、ビーム結合ユニットによって入射された信号ビームと基準ビームは、ビームスプリッタによって分離され、信号ビームは、第1のフーリエレンズに入射された後、記憶媒体に入射され、基準ビームは基準アームに入射される、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項14】
前記ビームスプリッタは、偏光選択特性を有する光学素子であり、第2の偏光ビームスプリッタである、ことを特徴とする請求項13に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項15】
基準アームは、第2の反射鏡および第2の半波長板を含み、入射された基準ビームは、第2の反射鏡を通過した後、第2の半波長板によって偏光方向が信号ビームと同じ方向になるように調整された後、記憶媒体に入射される、ことを特徴とする請求項6に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【請求項16】
信号再生ユニットは、第2のフーリエレンズおよび光検出器を含み、基準ビームは、記憶媒体での情報を記録したホログラムに照射され、得られた回折光は、元の信号ビームの方向に沿って入力情報を再生し、第2のフーリエレンズで処理された後、光検出器で読み取られる、ことを特徴とする請求項7に記載のシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ホログラフィック記憶技術分野に関し、より具体的には、シングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
球面基準ビームを利用してシフト多重化ホログラフィック記憶を行うために、レーザを光源してビームスプリッタによって信号ビームと基準ビームに分割し、これらのビームは、具体的に
図1に示すように、異なる光路を通過した後、記憶媒体で干渉してホログラムを形成し、情報を記録する。
【0003】
図1は、従来のダブルアーム構造のデータ記憶装置の光学システムの構造を示す図である。レーザ機器から出射されたレーザは、ビームが拡大されて偏光方向が調整された後、偏光ビームスプリッタによって分割され、透過した信号ビームは、空間光変調器によって入力信号がロードされた後、リレーレンズによって結像されるが、反射された基準ビームは、集光されて偏光方向が調整され、リレーレンズによって処理され、信号ビームと基準ビームは、一定の角度で記憶媒体に入射されて干渉してホログラムを形成する。このシステムは、信号光が信号アームによって処理され、基準光が基準アームによって処理されるという物理的に分離された2本のアームを有するホログラフィック記憶システムであり、この物理的に分離された2本のアームを有する光学システムは、小型化と反干渉安定性の点で欠陥があり、これは、実用化に向けて緊急に解決すべき重要な問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、信号アームと基準アームの一部を一体化して、球面波基準光シフト多重化の方法を採用してホログラフィック記憶を行う、コンパクトで安定したシングルアーム構造のホログラフィック記憶システムを開示する。光学システムでは、それぞれビームコンバイナとビームスプリッタとして機能する2つの偏光ビームスプリッタがあり、基準光と信号光に対して順次結合と分割操作を行い、ビームコンバイナとビームスプリッタの間には、フィルタを含むリレーレンズ群が配置され、空間光変調器でのパターンを転送してフィルタリングすることができ、フーリエホログラフィーを使用する場合、当該フィルタは記憶媒体でのホログラムの大きさも制御することができる。また、リレーレンズ群のレンズのうちの1つは、光軸方向またはシフト多重化方向に移動可能なアクチュエータに固定されており、媒体の温度変化などにより読出時と記録時の条件が異なる場合には、このアクチュエータを制御することで誤差を補正し、このアクチュエータが読出時のみ動作する。
【0005】
リレーレンズが信号光と基準光で共有されているため、この光学システムは「シングルアーム構造」と呼ばれる。シングルアーム構造により、光学的部品と機械的部品の数を減らすだけでなく、性能を低下させずにシステムの体積を縮小させ、コストを削減することができ、さらに、信号ビームと基準ビームが同じリレーレンズを共有しているため、2つのビームに対する環境の干渉が等しくなり、すなわち、システムの安定性を向上させる。
【0006】
具体的には、前記シングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置は、レーザ出力ユニット、ビーム結合ユニット、基準アームおよびビーム分割ユニットを含み、レーザ出力ユニットは、光を出力してビームを拡大するために使用され、ビームが拡大された光は、ビーム結合ユニットに入射され、前記ビーム結合ユニットは、入力された光を偏光方向が直交する同軸の信号ビームと基準ビームに変換してビーム分割ユニットに出力し、ビーム分割ユニットは、受信された信号ビームと基準ビームを分離し、基準ビームが基準アームに入り、信号ビームが記憶媒体に入射され、基準アームは、基準ビームを調整して記憶媒体に入射し、信号ビームと基準ビームは、記憶媒体で干渉してホログラムを形成し、情報を記憶媒体に記録する。
【0007】
記憶媒体に記憶された信号を読み取るための信号再生ユニットをさらに含む。
【0008】
好ましくは、レーザ出力ユニットは、光源エミッタ、ビームエキスパンダ、第1の半波長板を含み、光源エミッタから出射された光は、まずビームエキスパンダおよび第1の半波長板で処理され、次にビーム結合ユニットに入射され、第1の半波長板は、信号ビームと基準ビームの光強度比を調整するために使用される。
【0009】
好ましくは、ビーム結合ユニットは、ビームコンバイナ、空間光変調器、第1の反射鏡およびリレーレンズ群を含み、ビームコンバイナは、まずレーザ出力ユニットからの入射光を偏光方向が直交する基準ビームと信号ビームに分割し、信号ビームは、第1の反射鏡で反射され、空間光変調器で入力変調信号がロードされ、変調された信号ビームと基準ビームは、ビームコンバイナで結合され、リレーレンズ群を通過してビーム分割ユニットに入射される。
【0010】
代替的に、ビーム結合ユニットは、ビームコンバイナ、空間光変調器、第1の反射鏡、第1の四分の一波長板、第2の四分の一波長板およびリレーレンズ群を含み、ビームコンバイナは、まずレーザ出力ユニットからの入射光を偏光方向が直交する基準ビームと信号ビームに分割し、信号ビームは、第1の反射鏡で反射され、第1の四分の一波長板で2回透過された後、偏光方向が基準ビームの偏光方向と同様になり、ビームコンバイナで反射された後、第2の四分の一波長板を通過して空間光変調器で入力信号がロードされて反射され、変調された信号ビームは、再び第2の四分の一波長板を通過してビームコンバイナに再入射され、反射された基準ビームと結合し、リレーレンズ群を通過してビーム分割ユニットに入射される。
【0011】
前記リレーレンズ群の中央には、信号ビームを空間的にフィルタリングするためのローパスフィルタが設けられる。
【0012】
前記ビームコンバイナは、偏光選択特性を有する光学素子であり、第1の偏光ビームスプリッタである。
【0013】
好ましくは、ビーム分割ユニットは、ビームスプリッタおよび第1のフーリエレンズを含み、ビーム結合ユニットによって入射された信号ビームと基準ビームは、ビームスプリッタで分離され、信号ビームは、第1のフーリエレンズに入射された後、記憶媒体に入射され、基準ビームは基準アームに入射される。
【0014】
前記ビームスプリッタは、偏光選択特性を有する光学素子であり、第2の偏光ビームスプリッタである。
【0015】
好ましくは、基準アームは、第2の反射鏡および第2の半波長板を含み、入射された基準ビームは、第2の反射鏡を通過して、第2の半波長板によって偏光方向が信号ビームと同じ方向になるように調整された後、記憶媒体に入射される。
【0016】
好ましくは、信号再生ユニットは、第2のフーリエレンズおよび光検出器を含み、基準ビームは、記憶媒体での情報を記録したホログラムに照射され、得られた回折光は、元の信号ビーム方向に沿って入力情報を再生し、第2のフーリエレンズで処理された後、光検出器で読み取られる。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は次のとおりである。シングルアーム構造のホログラフィック記憶装置は、光学的部品と機械的部品の数を減らすだけでなく、性能を低下させずにシステムの体積を縮小させ、コストを削減することができ、さらに、信号ビームと基準ビームが同じリレーレンズを共有しているため、2つのビームに対する環境の干渉が等しくなり、システム全体の安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明または従来技術における技術的な解決手段をより明確に説明するために、以下は、実施例または従来技術の記述で使用される図面を簡単に説明する。明らかに、以下で記述される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力をかけずにこれらの図面から他の図面を得ることが可能である。本発明の上記および他の目的、特徴や利点は、図面を通してより明確になるであろう。
【0019】
【
図1】従来のダブルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置を示す図である。
【
図2】本出願の実施例によって提供される、DMDに基づくシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶システムを示す図である。
【
図3】本出願の実施例によって提供される、LCDに基づくシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施例における技術的解決手段を、本発明の実施形態の図面と併せて、明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全部ではない。当業者であれば、本発明の実施例に基づいて、創造的な労力をかけずに得られた他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0021】
本発明の図面は、例示的な説明のみに用いられるが、本発明を限定とするものとして理解されない。以下の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの構成要素は、省略、拡大または縮小されてもよく、実際の製品のサイズを表すものではない。図面におけるいくつかの周知の構造およびその説明が省略されてもよいことは、当業者であれば理解できる。
【0022】
実施例1
図2は、本実施例によって提供される、デジタル顕微鏡装置(DMD)に基づくシングルアーム構造のホログラフィック記憶システムを示す図である。主な構成要素は、光源エミッタ10、ビームエキスパンダ20、第1、第2の半波長板31、32、第1、第2の偏光ビームスプリッタ41、42、第1、第2の反射鏡51、52、空間光変調器60、基準ビーム70、信号ビーム80、リレーレンズ群90、ローパスフィルタ100、第1、第2のフーリエレンズ111、112、集光レンズ120、記憶媒体130、および光検出器140である。
【0023】
本実施例によって採用されるシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置は、レーザ出力ユニット1、ビーム結合ユニット2、基準アーム4、ビーム分割ユニット3および信号再生ユニット5を含み、レーザ出力ユニット1は、光を出力してビームを拡大するために使用され、拡大された光は、ビーム結合ユニット2に入射され、前記ビーム結合ユニット2は、入力された光を偏光方向が直交する同軸の信号ビームと基準ビームに変換してビーム分割ユニット3に出力し、ビーム分割ユニット3は、受信された信号ビームと基準ビームを分離し、基準ビームが基準アーム4に入り、信号ビームが記憶媒体に入射され、基準アーム4は、基準ビームを調整して記憶媒体に入射し、信号ビームと基準ビームは、記憶媒体で干渉してホログラムを形成し、情報を記憶媒体に記録し、基準光シフト多重化の方法により記憶容量を増やすことができ、信号再生ユニット5は、記憶媒体に記録された信号を読み取るために使用される。
【0024】
レーザ出力ユニットは、レーザ機器10、ビームエキスパンダ20、第1の半波長板31を含み、ビーム結合ユニットは、ビームコンバイナ、空間光変調器60、第1の反射鏡51およびリレーレンズ群90を含み、本実施例におけるビームコンバイナは、第1の偏光ビームスプリッタ41であり、ビーム分割ユニットは、ビームスプリッタおよび第1のフーリエレンズ111を含み、本実施例におけるビームスプリッタは、第2の偏光ビームスプリッタ42であり、基準アームは、第2の反射鏡52および第2の半波長板32を含み、信号再生ユニットは、第2のフーリエレンズ112および光検出器140を含む。
【0025】
本実施例では、レーザ機器10から出射された光は、ビームエキスパンダ20および第1の半波長板31を通過した後、第1の偏光ビームスプリッタ41によって垂直偏光の反射基準ビーム70と水平偏光の透射信号ビーム80とに分割される。ここで、透過した信号ビーム80は、第1の反射鏡51で反射された後、空間光変調器60で入力変調信号がロードされ、変調された信号ビームは、第1の偏光ビームスプリッタ41に再入射し、反射された基準ビーム70と結合し、リレーレンズ群90とローパスフィルタ100を通過する。その後、信号光と基準光は、第2の偏光ビームスプリッタ42によって分離され、それぞれ信号光チャネルと基準光チャネルに入る。ここで、信号光は、フーリエレンズ111によって記憶媒体130に収束され、基準光は、半波長板32によって偏光方向が水平方向になるように調整され、集光レンズ120によって球面波が形成され、記憶媒体130の同じ位置に入射され、信号光と干渉し、得られたホログラムを記憶媒体に記録する。
【0026】
信号が読み出されると、空間光変調器60に入力信号がなく、この時、記憶媒体での情報を記録したホログラムに基準ビームのみが照射され、得られた回折光は、元の信号ビーム方向に沿って入力情報を再生し、光検出器140で読み取られる。
【0027】
本実施例では、信号ビームと基準ビームの光強度比は、第1の半波長板31によって調整される。
【0028】
本実施例では、空間光変調器60は、入射光の偏光状態が要求されないデジタル顕微鏡装置(DMD)である。
【0029】
本実施例では、リレーレンズ群90のうちのレンズの1つは、光軸方向またはシフト多重化方向に移動可能なアクチュエータに固定されており、媒体の温度変化などにより読出時と記録時の条件が異なる場合には、このアクチュエータを制御することで誤差を補正し、このアクチュエータが読出時のみ動作する。
【0030】
実施例2
図3は、本実施例によって提供される、液晶装置(LCD)に基づくシングルアーム構造のホログラフィック記憶システムである。主な構成要素は、レーザ機器10、ビームエキスパンダ20、第1、第2の半波長板31、32、第1、第2の偏光ビームスプリッタ41、42、第1、第2の反射鏡51、52、空間光変調器60、基準ビーム70、信号ビーム80、リレーレンズ群90、ローパスフィルタ100、第1、第2のフーリエレンズ111、112、集光レンズ120、光ディスク130、光検出器140、第1、第2の四分の一波長板151、152である。
【0031】
本実施例によって採用されるシングルアーム構造のホログラフィックデータ記憶装置は、基本的に実施例1の構造と同じであり、その相違点として、本実施例におけるビーム結合ユニット2はさらに、第1の四分の一波長板151および第2の四分の一波長板152を含む。
【0032】
本実施例では、レーザ機器10から出射された光は、ビームエキスパンダ20および第1の半波長板31を通過した後、第1の偏光ビームスプリッタ41によって垂直偏光の反射基準ビーム70と水平偏光の透射信号ビーム80とに分割される。ここで、透過した信号ビーム80は、第1の反射鏡51で反射され、第1の四分の一波長板151で2回透過した後、偏光方向が垂直方向に変化し、第1の偏光ビームスプリッタ41によって反射され、その後、第2の四分の一波長板152を通過して空間光変調器60で入力信号がロードされて反射され、変調された信号ビームは、再び第2の四分の一波長板152を通して第1の偏光ビームスプリッタ41に再入射し、反射された基準ビーム70と結合し、そして、リレーレンズ群90によって結像され、ローパスフィルタ100によってフィルタリングされる。その後、信号光と基準光は、第2の偏光ビームスプリッタ42によって分離され、それぞれ信号光チャネルと基準光チャネルに入る。ここで、信号光は、フーリエレンズ111によって光ディスク130に収束され、基準光は、半波長板32によって偏光方向が水平方向になるように調整され、集光レンズによって球面波が形成され、光ディスク130の同じ位置に入射され、信号光と干渉し、得られたホログラムを記憶媒体に記録する。
【0033】
信号が読み出されると、空間光変調器60に入力信号がなく、この時、光ディスクでの情報を記録したホログラムに基準光のみが照射され、得られた回折光は、元の信号ビーム方向に沿って入力情報を再生し、光検出器140で読み取られる。
【0034】
本実施例では、信号ビームと基準ビームの光強度比は、第1の半波長板31によって調整される。
【0035】
本実施例では、空間光変調器60は、振幅型液晶空間光変調器である液晶装置(LCD)である。
【0036】
本実施例では、リレーレンズ群90のうちの1つは、光軸方向またはシフト多重化方向に移動可能なアクチュエータに固定されており、媒体の温度変化などにより読出時と記録時の条件が異なる場合には、このアクチュエータを制御することで誤差を補正し、このアクチュエータが読出時のみ動作する。
【0037】
上記の実施例では、基準アームと信号アームの一部を一体化してシングルアーム構造を形成することにより、光学的部品と機械的部品の数を減らすだけでなく、性能を低下させずにシステムの体積を縮小させ、コストを削減することができ、さらに、信号ビームと基準ビームが同じリレーレンズを共有しているため、2つのビームに対する環境の干渉が等しくなり、すなわち、システムの安定性を向上させる。
【0038】
明らかに、本発明の上記実施例は、本発明の技術的解決手段を明確に説明するための例に過ぎず、本発明の具体的な実施形態を限定するためのものではない。本発明の特許請求の範囲の精神および原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の代替、改良などは、本発明の特許請求の範囲の保護の範囲に含まれるべきである。