(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
A63F5/04 631
A63F5/04 620
A63F5/04 612
(21)【出願番号】P 2017083973
(22)【出願日】2017-04-20
【審査請求日】2020-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】井川 拓士
(72)【発明者】
【氏名】平河 将郎
(72)【発明者】
【氏名】白田 健二
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 充
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-042283(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、第1役および第2役を含む複数種類の役のうちの少なくともいずれか1つを含んだ当選エリアに当選したか否かを内部抽選で決定する内部抽選手段と、前記複数のリールを回転させると共に、前記複数のリールごとに対応するストップスイッチの操作に基づいて前記リールを停止させるリール制御手段と、前記内部抽選の結果に関連する決定条件が満たされたときに特典の当否を決定する特典抽選手段と、前記特典の当選に基づいて前記特典を遊技者に付与する特典付与手段と、を備え、
所定の図柄が有効ライン上に停止した場合に入賞が発生し、
前記リール制御手段は、
前記内部抽選で前記第1役を含む当選エリアに当選した場合には、前記ストップスイッチの操作態様に拘わらず第1停止態様で前記リールを停止させて前記第1役を入賞させ、
前記内部抽選で前記第1役および前記第2役の双方を含む当選エリアに当選した場合には、前記ストップスイッチが特定操作態様で操作されたことに基づいて、第2停止態様で前記リールを停止させて前記第1役よりも前記第2役を優先して前記第2役を入賞させる一方、前記ストップスイッチが前記特定操作態様以外の態様で操作されたことに基づいて、前記第1停止態様で前記リールを停止させて前記第2役よりも前記第1役を優先して前記第1役を入賞させ、
前記特典抽選手段は、
前記内部抽選で前記第1役を含む当選エリアに当選したことに関連して前記決定条件が満たされたときは通常の当選確率で前記特典の当否を決定し、
前記内部抽選で前記第1役および前記第2役の双方を含む当選エリアに当選したことに関連して前記決定条件が満たされたときは前記通常の当選確率よりも高い当選確率で前記特典の当否を決定し、
前記第1停止態様と前記第2停止態様とは、最終停止リール以外のリールで共通する図柄が停止する態様である
とともに、最終停止リール以外のリールで前記有効ライン以外のライン上に同一図柄が揃う態様である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機その他のスロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ストップスイッチの操作順序を遊技者に示して遊技メダルの獲得を容易とさせるAT遊技を特典として付与する遊技機がある。例えば、特許文献1に記載の遊技機では、スタートスイッチの遊技開始操作に基づいて、第1役および第2役を含む複数種類の役の当否を内部抽選で決定し、内部抽選で第1役に当選した場合には、AT遊技を所定の当選確率で付与するか否かを決定し、内部抽選で第2役に当選した場合には、所定確率よりも高い当選確率で特典を付与するか否かを決定する。このため、内部抽選の結果に遊技者の関心を惹き付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の遊技機では、単に、第1役の当選で第1役を入賞させ、第2役の当選で第2役を入賞させて、入賞した役の種別によりAT遊技の付与の可能性を示唆するものであるため、遊技が単調であり遊技性に乏しいという課題がある。
【0005】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技性を向上することのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、外周面に複数種類の図柄が配列された複数のリールと、第1役および第2役を含む複数種類の役のうちの少なくともいずれか1つを含んだ当選エリアに当選したか否かを内部抽選で決定する内部抽選手段と、前記複数のリールを回転させると共に、前記複数のリールごとに対応するストップスイッチの操作に基づいて前記リールを停止させるリール制御手段と、前記内部抽選の結果に関連する決定条件が満たされたときに特典の当否を決定する特典抽選手段と、前記特典の当選に基づいて前記特典を遊技者に付与する特典付与手段と、を備え、所定の図柄が有効ライン上に停止した場合に入賞が発生し、前記リール制御手段は、前記内部抽選で前記第1役を含む当選エリアに当選した場合には、前記ストップスイッチの操作態様に拘わらず第1停止態様で前記リールを停止させて前記第1役を入賞させ、前記内部抽選で前記第1役および前記第2役の双方を含む当選エリアに当選した場合には、前記ストップスイッチが特定操作態様で操作されたことに基づいて、第2停止態様で前記リールを停止させて前記第1役よりも前記第2役を優先して前記第2役を入賞させる一方、前記ストップスイッチが前記特定操作態様以外の態様で操作されたことに基づいて、前記第1停止態様で前記リールを停止させて前記第2役よりも前記第1役を優先して前記第1役を入賞させ、前記特典抽選手段は、前記内部抽選で前記第1役を含む当選エリアに当選したことに関連して前記決定条件が満たされたときは通常の当選確率で前記特典の当否を決定し、前記内部抽選で前記第1役および前記第2役の双方を含む当選エリアに当選したことに関連して前記決定条件が満たされたときは前記通常の当選確率よりも高い当選確率で前記特典の当否を決定し、前記第1停止態様と前記第2停止態様とは、最終停止リール以外のリールで共通する図柄が停止する態様であるとともに、最終停止リール以外のリールで前記有効ライン以外のライン上に同一図柄が揃う態様であることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、第1役が入賞したとしても、第1役および第2役の双方に当選した可能性も残されているため、高い当選確率で特典の当否が決定されたことに対する期待感を遊技者に与えることができる。
【0008】
特に、本発明では、第1役に単独で当選した場合および第1役および第2役の双方に当選した場合の何れの場合であっても、特定操作態様以外の態様でストップスイッチが操作されることにより第1役が入賞し、第1役および第2役の双方に当選した場合に、特定操作態様でストップスイッチが操作されることにより第2役が入賞する。このため、特典付与の可能性(特典の当選確率)を判別したい遊技者は、特定操作態様でストップスイッチを操作して遊技を進め、特典付与の可能性を判別したくない遊技者は、あえて特定操作態様でストップスイッチを操作しないように遊技を進めるといったように、遊技の選択の幅を広げて、遊技性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態例に係るスロットマシンの外観斜視図である。
【
図2】リールの外周面に配列された図柄を示す図である。
【
図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】演出モードの遷移を説明するための図である。
【
図11】内部抽選でレアリプ1に当選した場合のリールの停止制御を説明するための図である。
【
図12】内部抽選でレアリプ5に当選した場合のリールの停止制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の実施の形態例に係るスロットマシンSは、筐体1と、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2と、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3と、上扉2の下部中央に形成された透明材料からなる表示窓4と、表示窓4に対応した筐体1の内部に配設されたリール5~7と、下扉3の右上部に設けられたメダル投入口8と、各リール5~7の回転を開始させると共に、役の当否を決定するためのスタートレバー9と、各リール5~7の回転をそれぞれ停止させるためのストップボタン10~12と、ストップボタン10~12の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ13と、遊技の進行に応じて演出を実行するランプ14、一対のスピーカ15およびサブモニタ16と、下扉3の下部中央に設けられたメダル払出口17と、メダル払出口17から払い出されたメダルを収容する受皿18と、を主に備えて構成されている。
【0012】
各リール5~7は、1つのリールユニットとして構成されており、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転する。リール5~7が停止している状態では、各リール5~7の外周面に配列されている連続する3つの図柄(以下、それぞれ上段図柄、中段図柄、下段図柄と言う。)が表示窓4にそれぞれ表示されて、遊技者は3行3列に配置された合計9個の図柄を目視することができる。
【0013】
表示窓4には、各リール5~7の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段停止位置(以下、「上段」と言う。)、中段停止位置(以下、「中段」と言う。)および下段停止位置(以下、「下段」と言う。)が設けられており、各リール5~7の停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。具体的には、有効ラインLは、左リール5の上段、中リール6の下段、右リール7の上段の組み合わせからなる。
【0014】
図2に示すように、左リール5の外周面に左図柄列5a、中リール6の外周面に中図柄列6a、右リール7の外周面に右図柄列7aがそれぞれ付されており、これら図柄列5a~7aは均等な20の領域(20コマ)にそれぞれ区画されている。図柄列の各領域に1個の図柄が配置され、各図柄に図柄番号0~19がそれぞれ対応付けられている。
【0015】
各図柄列5a~7aには、王冠、弓矢、リプレイ、ベル、ドル、ダイヤ、ハート、スペード、クローバーおよび盾の合計10種類の図柄が配置されており、これら図柄の組合せが予め対応付けられた役が設けられている。
【0016】
役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役、後述のCB作動への移行契機となるCB役に大別される。役については詳しく後述する。
【0017】
次に、
図3を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
【0018】
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口8から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ8a、スタートレバー9、各ストップボタン10~12、その他の装置が接続されている。
【0019】
メインCPUは、主制御処理部100に接続された各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。なお、メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0020】
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー9の操作に基づいて役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役の当選フラグを成立させる当選フラグ制御手段103、各リール5~7の回転および停止を制御するリール制御手段104、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じてメダルを払い出すメダル払出手段105、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じて規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を開始可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、遊技状態を制御する遊技状態制御手段107、メインモニタ13の表示を制御するメインモニタ制御手段108、演出モードを制御する演出モード制御手段109が構築されている。
【0021】
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して当該主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。
【0022】
サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ14、一対のスピーカ15、サブモニタ16等の演出装置を制御する。なお、サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0023】
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて演出モードを移行させる演出モード移行手段201、演出を決定する演出決定手段202、決定した演出をサブモニタ16等の演出装置で実行する演出実行手段203が構築されている。
【0024】
遊技状態は、
図8に示すように、小役の当選確率が通常の確率に設定された通常状態と、内部抽選の結果に拘わらず小役の全てが当選している状態に設定されるCB作動とに大別される。各遊技状態は、再遊技役の当選確率に応じて非RT、RT1、RT2、RT3に分別されている。再遊技役の当選確率は、非RTおよびRT1で約1/7.3に設定され、RT2およびRT3で約1/2に設定されている。遊技状態の遷移については後述する。
【0025】
演出モードは、
図9に示すように、通常の遊技が行われる非ARTモードと、通常の遊技よりも遊技者に有利なART遊技が行われるARTモードとに分別される。ART遊技とは、ストップボタンの操作順序をメインモニタ13およびサブモニタ16に表示してメダルの獲得を容易にさせるAT遊技と、内部抽選で再遊技役が高確率で当選するRT遊技とを兼ねた遊技のことをいう。
【0026】
本実施形態例では、ARTモードで多くのメダルを獲得することを目的としている。演出モードをARTモードに移行させるためには、非ARTモードにおける内部抽選で後述する特殊エリア(レアリプ,レアベル)に当選し、この当選に基づいて行われるART抽選に当選する必要がある。このため、特殊エリアの当選に遊技者の関心を惹き付けることができる。
【0027】
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
【0028】
スタートレバー有効化手段101は、通常状態およびCB作動において3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させる。
【0029】
内部抽選手段102は、スタートレバー9の遊技開始操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、再遊技役の対応付けられた「リプレイ」、小役の対応付けられた「ベル」、CB役の対応付けられた「CB」を含む複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する。なお、当選エリアについては詳しく後述する。
【0030】
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役の当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。また、当選フラグ制御手段103は、遊技状態がCB作動に滞在している場合には、内部抽選の結果に拘わらず、遊技の開始時に小役の当選フラグを全てONにセットし、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように次回の遊技の開始前までにOFFにセットする。
【0031】
リール制御手段104は、遊技開始操作に基づいて各リール5~7の回転を一斉に開始させ、各リール5~7が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リールが定常回転に到達すると回転速度を維持すると共に、全てのストップボタン10~12の操作を有効化させる。
【0032】
また、リール制御手段104は、遊技状態の種別に応じて、有効化されたストップボタン10~12の操作態様に応じて対応するリールの回転を停止させる。具体的には、通常状態では、各ストップボタン10~12の停止操作時から190ms以内に、押下操作されたストップボタンに対応するリールの回転を停止させる。一方、CB作動では、各リール5~7のうち一のリールの回転を対応するストップボタンの停止操作時から75ms以内に、他のリールの回転を当該他のリールに対応するストップボタンの停止操作時から190ms以内に、それぞれ停止させる。
【0033】
ここで、各リールの定速回転数は約80回/分である。このため、定速回転数の下で各リールが一回転に要する時間は60s/約80回≒約750msとなり、1つの図柄が1コマ(1領域)分だけ移動するのに必要な時間は750ms/20図柄=37.5msとなる。よって、通常状態において、各リール5~7は、対応するストップボタンの停止操作タイミングから最大で4図柄(4コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると5コマ分)だけ回転可能となる((190ms/37.5ms)-1図柄≒4図柄)。一方、CB作動において、前記一のリールは、対応するストップボタンの停止操作タイミングから最大で1図柄(1コマ)分(ストップボタンの押下タイミングで有効ラインに表示されていた図柄を含めると2コマ分)だけ回転可能となり、前記他のリールは、対応するストップボタンの停止操作タイミングから最大で4図柄(4コマ)分だけ回転可能となる。つまり、通常状態では、各リール5~7の最大滑りコマ数が4コマとなり、CB作動では、前記一のリールの最大滑りコマ数が1コマとなり、前記他のリールの最大滑りコマ数が4コマとなる。
【0034】
リール制御手段104は、当選フラグの成立状態に応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止する枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを停止する個数優先制御、CB作動で再遊技役よりも小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止する役付け優先制御の何れかの制御により、最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を有効ラインLに表示するように引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
【0035】
メダル払出手段105は、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、「小役が入賞した」と言う。)場合に、小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出す。
【0036】
再遊技設定手段106は、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、適宜、「再遊技役が入賞した」と言う。)場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する。
【0037】
遊技状態制御手段107は、通常状態およびCB作動の間で遊技状態の移行を制御する。以下に、役、当選エリア、遊技状態の遷移について
図4~8を用いて説明する。なお、
図6,7中に示す打順とは、各ストップボタン10~12の操作順序のことであり、打順1は左ストップボタン10→中ストップボタン11→右ストップボタン12の順序、これと同様に、打順2は左→右→中の順序、打順3は中→左→右の順序、打順4は中→右→左の順序、打順5は右→左→中の順序、打順6は右→中→左の順序を意味する。
【0038】
複数種類の当選エリアは、
図6,7に示すように、何れの役も対応付けられていない「不当選」、再遊技役(REP1~16)の対応付けられた「リプレイ」、小役(NML1~17)の対応付けられた「ベル」、CB役の対応付けられた「CB」の4種類に大別される。
【0039】
CB(42番)に、CB作動への移行契機となるCB役が対応付けられており、CBは通常状態およびCB作動で内部抽選の対象となっている。
図8に示すように、例えば、通常状態のRT3でCBに当選してCB役に対応付けられた図柄組合せ(
図5)が有効ラインLに表示されると、遊技状態をCB作動のRT3に移行させる。CB作動では、内部抽選の結果に拘わらず小役の当選フラグを全て成立させると共に、再遊技役よりも小役を優先させる役付け優先制御によりリールを停止させる。そして、CB作動で1回の遊技が行われると遊技状態を通常状態のRT3に移行させる。なお、通常状態のRT3以外の通常状態でCBに当選した場合も、通常状態のRT3でCBに当選した場合の遊技状態の遷移と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
リプレイ(1番~28番)は、
図6に示すように、遊技状態の維持機能を有する「通常リプ」と、ART抽選の実行契機となる「レアリプ」と、遊技状態の移行契機となる「RT3移行リプ」、「RT2移行リプ」、「RT1リプ」、「RT2リプ」および「RT3リプ」に分別される。
【0041】
レアリプ(2番~8番)には、レアリプ1~7が含まれており、これらレアリプ1~7にREP7(第1役)やREP14(第2役)等の再遊技役が対応付けられている。レアリプは、全ての遊技状態で内部抽選の対象となっており、レアリプの当選確率は、
図8に示すように、非RT、RT1およびRT2で約1/120、RT3で約1/10にそれぞれ設定されている。
【0042】
本実施形態例では、非ARTモードにおける「レアリプ」の当選に基づいてART抽選を実行し、ART抽選の当選に基づいて、演出モードを非ARTモードからARTモードに移行させる。そして、ART抽選の当選確率は「レアリプ」の種別に応じて異なるように構成されており、詳細な説明は後述するが、「レアリプ1」よりも「レアリプ5」の方がART抽選の当選確率が高確率に設定されている。このため、内部抽選で当選したレアリプの種別に遊技者の興味を惹き付けることができる。
【0043】
図6に示すように、レアリプ1にREP7(第1役)が単独で対応付けられ、レアリプ5にREP7(第1役)およびREP14(第2役)を含む複数種類の再遊技役が重複して対応付けられている。
【0044】
REP7には、複数の図柄組合せが対応付けられている。具体的には、
図4に示すように、REP7に「王冠図柄」-「弓矢図柄」-「ダイヤ図柄」や「ドル図柄」-「弓矢図柄」-「クローバー図柄」等の複数の図柄組合せが対応付けられている。このREP7に対応付けられた図柄組合せは、全て、各リール5~7のそれぞれの下段(表示窓4における各リール5~7のそれぞれの下段)に「弓矢図柄」が表示されるように構成されている。
【0045】
REP14には、1つの図柄組合せが単独で対応付けられている。具体的には、
図4に示すように、REP14に「王冠図柄」-「弓矢図柄」-「リプレイ図柄」の図柄組合せが対応付けられている。この図柄組合せは、ストップボタンの操作態様に応じて、リール5の上段、リール6の中段、リール7の下段のそれぞれに(表示窓4におけるリール5の上段、リール6の中段、リール7の下段のそれぞれに)「王冠図柄」が表示されるように構成されている。
【0046】
本実施形態例では、内部抽選で「レアリプ1」に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらず、「レアリプ1」に単独で対応付けられたREP7を入賞させることにより、各リール5~7のそれぞれの下段に「弓矢図柄」を表示して、弓矢図柄が横一直線状に揃う態様(以下、第1停止態様と言う。)でリール5~7を停止させる。一方、内部抽選で「レアリプ5」に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に応じて、「レアリプ5」に対応付けられたREP7を入賞させることにより第1停止態様でリール5~7を停止させる場合と、「レアリプ5」に対応付けられたREP14を入賞させることによりリール5の上段、リール6の中段、リール7の下段のそれぞれに「王冠図柄」を表示して、王冠図柄が右斜め下がりで直線状に揃う態様(以下、第2停止態様と言う。)でリール5~7を停止させる場合と、がある。このように、本実施形態例では、内部抽選でレアリプ1およびレアリプ5の何れに当選した場合であっても、弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様でリール5~7が停止することがあるが、これについては詳しく後述する。
【0047】
なお、遊技状態の移行契機となるRT3移行リプ、RT2移行リプ、RT1リプ、RT2リプ、RT3リプについての詳細な説明については省略するが、
図6,8に示すように、通常状態のRT1(以下、通常RT1と言う。)で「RT1リプ1」に当選した場合、打順1の停止操作に基づいてREP4を入賞させて遊技状態を通常状態のRT2(以下、通常RT2と言う。)に移行させ(
図8のA)、打順2~6の停止操作に基づいてREP4以外のREP1等を入賞させて遊技状態を通常RT1で維持する。また、通常RT1および通常状態のRT3(以下、通常RT3と言う。)の何れかで「RT2移行リプ」に当選した場合、ストップボタンの操作態様に拘わらず、REP4を入賞させて遊技状態を通常RT2に移行させる(
図8のA,D)。また、通常RT2で「RT2リプ1」に当選した場合、打順1の停止操作に基づいてREP5以外のREP1等を入賞させて遊技状態を通常RT2で維持し、打順2~6の停止操作に基づいてREP5を入賞させて遊技状態を通常RT1へ移行させる(
図8のB)。また、通常RT3で「RT3リプ1」に当選した場合、打順1の停止操作に基づいてREP4以外のREP1等を入賞させて遊技状態を通常RT3で維持し、打順2~6の停止操作に基づいてREP4を入賞させて遊技状態を通常RT2へ移行させる(
図8のD)。また、通常RT1および通常RT2の何れかで「RT3移行リプ」に当選した場合、ストップボタンの操作態様に拘わらず、REP6を入賞させて遊技状態を通常RT3に移行させる(
図8のC,E)。
【0048】
本実施形態例では、演出モードがARTモードに滞在している場合には、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されている通常RT1に遊技状態を移行させないようなストップボタンの操作に係る打順演出をサブモニタ16等で実行する。例えば、ARTモードで通常RT1に滞在している場合において、REP4の対応付けられたRT1リプに当選すると、遊技状態を通常RT2に移行させるための打順演出をサブモニタ16等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態を通常RT2に移行させる。また、例えば、ARTモードで通常RT2に滞在している場合において、REP5の対応付けられたRT2リプに当選すると、遊技状態を通常RT2で維持するための打順演出をサブモニタ16等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態を通常RT2で維持する。このため、一般的に、ARTモードでは遊技状態が通常RT2に滞在している。一方、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、遊技状態の移行に係る打順演出をサブモニタ16等で実行しないように制御するため、一般的に、非ARTモードでは遊技状態が通常RT1に滞在しやすくなっている。
【0049】
ベル(29番~41番)は、
図7に示すように、ストップボタンの操作態様に応じてメダルを払い出し可能な「打順ベル」、ストップボタンの操作態様に拘わらず14枚のメダルを払い出すと共に、ART抽選の実行契機とならない「ハズレベル」、ストップボタンの操作態様に拘わらず14枚のメダルを払い出すと共に、ART抽選の実行契機となる「レアベル」、ストップボタンの操作態様に応じてメダルを払い出し可能な「目押しベル」に分別される。
【0050】
ベルは、通常状態の全てにおいて内部抽選の対象となっており(
図7)、図示を省略するが、通常状態における打順ベルの当選確率は約1/7、ハズレベル、レアベルおよび目押しベルの当選確率は約1/250にそれぞれ設定されている。
【0051】
レアベル(40番)には、NML16が単独で対応付けられており、レアベルの当選に基づいて、演出モードを非ARTモードからARTモードへ移行させるか否かのART抽選を実行する。
【0052】
先述のように、ART抽選の実行契機となるレアリプの当選確率は、通常状態の非RT、通常RT1および通常RT2で約1/120、通常RT3で約1/10にそれぞれ設定され、ART抽選の実行契機となるレアベルの当選確率は、通常状態の全てにおいて同一の約1/250に設定されている。このため、ART抽選の実行契機となるレアリプおよびレアベル(以下、特殊エリアと言う。)の当選確率は、通常状態の中で通常RT3が最も高確率となる。よって、通常状態の中で通常RT3が最もARTモードに移行しやすい遊技状態であるといえる。
【0053】
打順ベル(29番~38番)には、規定数が3枚の通常状態においてメダルの払出枚数が9枚の小役(NML1やNML2)および1枚の小役(例えばNML6)の双方が対応付けられている(
図5,7)。
【0054】
本実施形態例では、通常状態でARTモードに滞在している場合には、打順ベルの当選時に9枚のメダルを払い出し可能な小役の入賞を補助する打順に係る打順演出をサブモニタ16等で実行する一方、演出モードが非ARTモードに滞在している場合には、サブモニタ16等で打順演出を実行しないように制御する。このように、ARTモードにおける打順演出に従ってストップボタンを操作することによりメダルの獲得を容易にさせている。
【0055】
例えば、通常RT2でARTモードに滞在している場合において、「打順ベル1」に当選した場合には、NML1の入賞を補助する打順1,2に係る打順演出を実行し、打順1,2でストップボタンが操作された場合には、NML1を入賞させて9枚のメダルを払い出す。一方、通常非RT、通常RT2および通常RT3の何れかで非ARTモードに滞在している場合において、打順3~6でストップボタンが操作された場合には、ストップボタンの操作タイミングに応じて、1/2の確率でNML5またはNML7を入賞させて1枚のメダルを払い出し、残り1/2の確率でNML1,5,7の何れの小役も非入賞とさせる。このとき、何れの小役も非入賞となった場合には、
図5に示すSPF1やSPF2に対応付けられた図柄組合せ(以下、「ブランク図柄組合せ」とも言う。)を有効ラインLに表示するよう各リールを停止させ、これに基づいて、遊技状態を通常非RTから通常RT1(
図8のG)、通常RT3から通常RT1(
図8のF)、通常RT3から通常RT2(
図8のD)へそれぞれ移行させる。
【0056】
図3に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、サブモニタ16等で打順演出が実行される場合に、打順演出に対応するストップボタンの打順に係る情報をメインモニタ13に表示するよう制御する。
【0057】
演出モード制御手段109は、非ARTモードにおける特殊エリア(レアリプ,レアベル)の当選に基づいてART抽選を実行する。具体的には、
図10に示すように、レアリプ1の当選に基づいてART抽選を5%の当選確率で実行し、レアリプ2~レアリプ4の何れかの当選に基づいてART抽選を10%の当選確率で実行し、レアリプ5~レアリプ7およびレアベルの何れかの当選に基づいてART抽選を25%の当選確率で実行する。
【0058】
また、演出モード制御手段109は、ART抽選の当選に基づいてARTモードへの移行を決定し、ARTモードでART遊技の実行可能回数が「0」となったことに基づいて非ARTモードへの移行を決定する。
【0059】
また、演出モード制御手段109は、ARTモードへの移行を決定した場合には、移行先であるARTモードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、非ARTモードへの移行を決定した場合には、移行先である非ARTモードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する。なお、副制御処理部200が演出コマンドを受信した場合には、演出モード移行手段201は、当該コマンドに含まれている演出モードの情報に基づいて演出モードを移行させる。
【0060】
さらに、演出モード制御手段109は、ARTモードにおいて、役の入賞を許容するストップボタンの打順が予め対応付けられた当選エリア(例えば打順ベル)に当選した場合には、ストップボタンの打順に関する情報を含む打順コマンドを副制御処理部200に送信する。なお、副制御処理部200が演出コマンドを受信した場合には、演出実行手段203は、当該打順コマンドに含まれているストップボタンの操作順序の情報に基づいてサブモニタ16等で打順演出を実行する。
【0061】
このように、本実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー9の遊技開始操作に基づいて、打順ベルを含む複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール5~7の回転を開始させ、有効化されたストップボタン10~12の停止操作および内部抽選の結果に基づいて各リール5~7の回転を停止させることにより1回の遊技(ゲーム)を実行する。そして、1回の遊技が行われる間に複数種類のコマンドが所定のタイミングで副制御処理部200に送信され、これら複数種類のコマンドを副制御処理部200が受信したことに基づいて、演出モードの移行や打順演出を実行する構成になっている。
【0062】
そして、本実施形態例では、レアリプ1、すなわち、REP7(第1役)が単独で対応付けられている当選エリアの当選に基づいて、ART抽選を5%の当選確率(通常の当選確率)で実行すると共に、第1停止態様でリール5~7を必ず停止させ、レアリプ5、すなわち、REP7(第1役)およびREP14(第2役)を含む複数種類の再遊技役が重複して対応付けられている当選エリアの当選に基づいて、ART抽選を25%の当選確率(通常の当選確率よりも高い当選確率)で実行すると共に、第1停止態様および第2停止態様の何れかでリール5~7を停止させるように構成されている。以下に、レアリプに当選した場合のリールの停止制御について説明する。
【0063】
まず、レアリプ1(2番)に当選した場合のリールの停止態様について
図11を用いて説明する。なお、以下の説明において、役に対応付けられた図柄組合せのうち左図柄列5aに配置された図柄のことを「左図柄」、中図柄列6aに配置された図柄のことを「中図柄」、右図柄列7aに配置された図柄のことを「右図柄」と言うことにする。
【0064】
レアリプ1にREP7が単独で対応付けられているため、レアリプ1の当選時に入賞可能な役の候補、すなわち、有効ラインLに表示可能な図柄組合せの候補は、
図11(1)に示すとおりとなる。なお、本実施形態例において、有効ラインLは、左リール5の上段、中リール6の下段、右リール7の上段の組み合わせからなる。
【0065】
最初に、左ストップボタン10が操作された(
図11(2))。REP7の左図柄は、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄であり、これら各図柄は、
図2に示すように、左図柄列5aにおいて互いに4コマの範囲内に均等に配置されている図柄である。このため、左ストップボタン10の操作タイミングに拘わらず、左リール5の上段に、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄のうち何れか一の図柄を表示させる(
図11(3))。この
図11(3)に示す例は、左リール5の上段に「王冠図柄」を表示させた場合の例であるが、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄のうち何れの図柄を表示させた場合であっても、左リール5の下段に必ず「弓矢図柄」が表示される。
【0066】
次に、中ストップボタン11が操作された(
図11(4))。REP7の中図柄は、弓矢図柄のみである。この弓矢図柄は、
図2に示すように、中図柄列6aにおいて互いに4コマの範囲内に均等に配置されている図柄である。このため、中ストップボタン11の操作タイミングに拘わらず、中リール6の下段に「弓矢図柄」を表示させる(
図11(5))。なお、
図11(5)に示す例は、中図柄列6aの5番に配置された弓矢図柄を中リール6の下段に表示させた場合の例であり、後述するように、中リール6の下段に中図柄列6aの5番に配置された弓矢図柄が表示されるためには、中図柄列6aの9番~5番までの範囲内(
図2に示す範囲C内)にある図柄が有効ラインLに表示されているタイミングで中ストップボタン11を操作する必要がある。
【0067】
最後に、右ストップボタン12が操作された(
図11(6))。REP7の右図柄は、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄である。これら各図柄は、
図2に示すように、右図柄列7aにおいて互いに4コマの範囲内に均等に配置されている図柄である。このため、右ストップボタン12の操作タイミングに拘わらず、右リール7の下段に、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄のうち何れか一の図柄を表示させて、REP7を入賞させる(
図11(7))。この
図11(7)に示す例は、右リール7の上段にスペード図柄を表示させた場合の例であるが、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄のうち何れの図柄を表示させた場合であっても、右リール7の下段には必ず「弓矢図柄」が表示される。
【0068】
なお、
図11に示す例は、レアリプ1の当選時に打順1でストップボタンが操作された場合の例であるが、打順1以外の打順でストップボタンが操作された場合であっても、
図11に示す例と同様に、リール5~7を弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様で停止させる。
【0069】
このように、レアリプ1にREP7(第1役)が単独で対応付けられており、レアリプ1に当選した場合には、ストップボタンの操作態様(ストップボタンの操作タイミングおよび打順)に拘わらず、弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様で必ずリール5~7を停止させる。
【0070】
次に、内部抽選でレアリプ5(6番)に当選した場合のリールの停止態様について
図12を用いて説明する。なお、
図12(1)~(9)に示す例は、レアリプ5に重複して対応付けられた再遊技役のうちREP14を入賞させた場合の例であり、
図12(1)~(8),(10)に示す例は、レアリプ5に重複して対応付けられた再遊技役のうちREP7を入賞させた場合の例である。
【0071】
レアリプ5にREP7~11、14が重複して対応付けられているため、レアリプ5の当選時に入賞可能な役の候補は、
図12(1)に示すとおりとなる。
【0072】
最初に、左ストップボタン10が操作された(
図12(2))。このとき、左図柄列5aの4番に配置された「王冠図柄」を左リール5の上段に表示可能なタイミング、すなわち、左図柄列5aの8番~4番までの範囲内(以下、範囲A内と言う。)に配置された図柄が有効ラインLに表示されるタイミング(以下、タイミングAと言う。)で左ストップボタン10が操作された。
【0073】
ここで、
図12(1)に示すように、REP7~11、14の左図柄は、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄、弓矢図柄であるため、左ストップボタン10がタイミングAで操作された場合に、左リール5の上段に表示可能な図柄の候補は、盾図柄(8番)、弓矢図柄(6番)、王冠図柄(4番)となる。このとき、本実施形態例では、盾図柄および弓矢図柄よりも王冠図柄を優先させて、左リール5の上段に「王冠図柄」を表示させる(
図12(3))。これにより、入賞可能な役の候補はREP7~10,14となる(
図12(4))。
【0074】
なお、左図柄列5aにおける範囲A以外の範囲内(以下、範囲B内と言う。)に配置されている図柄が有効ラインLに表示されるタイミング(以下、タイミングBと言う。)で左ストップボタン10が操作されたとする。この場合、左ストップボタン10がタイミングAで操作された場合と異なり、左リール5の上段に表示可能な図柄の候補は、ドル図柄、盾図柄、弓矢図柄となり「王冠図柄」が除外される。このとき、図示を省略するが、弓矢図柄よりもドル図柄および盾図柄を優先させて、左リール5の上段に「ドル図柄」および「盾図柄」の何れか一方を表示させる。これにより、REP14の入賞が否定されて、入賞可能な役の候補はREP7~9となる。
【0075】
このように、レアリプ5の当選時に、左ストップボタン10がタイミングAおよびタイミングBの何れのタイミングで操作された場合であっても、すなわち、左ストップボタン10が何れのタイミングで操作された場合であっても、左リール5の下段に必ず「弓矢図柄」が表示される。
【0076】
次に、中ストップボタン11が操作された(
図12(5))。このとき、中図柄列6aの5番に配置された「弓矢図柄」を中リール6の下段に表示可能なタイミング、すなわち、中図柄列6aの9番~5番までの範囲内(以下、範囲C内と言う。)に配置されている図柄が有効ラインLに表示されるタイミング(以下、タイミングCと言う。)で中ストップボタン11が操作された。
【0077】
ここで、
図12(4)に示すように、REP7~10、14の中図柄は、弓矢図柄、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄であるため、中ストップボタン11がタイミングCで操作された場合に、中リール6の下段に表示可能な図柄の候補は、盾図柄(9番)および弓矢図柄(5番)となる。このとき、本実施形態例では、盾図柄よりも弓矢図柄を優先させて、中リール6の下段に「弓矢図柄」を表示させる(
図12(6))。これにより、入賞可能な役の候補はREP7,8,14となる(
図12(7))。
【0078】
なお、中図柄列6aにおける範囲C以外の範囲内(以下、範囲D内と言う。)に配置されている図柄が有効ラインLに表示されるタイミング(以下、タイミングDと言う。)で中ストップボタン11が操作されたとする。この場合、中リール6の下段に表示可能な図柄の候補は、弓矢図柄、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄となるが、中図柄列6aの5番に配置された弓矢図柄が有効ラインLに表示される候補から除外されて、REP14の入賞が否定される。このとき、弓矢図柄を他の図柄よりも優先して、中リール6の下段に弓矢図柄を表示させるが(図示省略)、
図12(6)に示す例と異なり、中リール6の下段に「弓矢図柄」は表示されるが、中リール6の中段に「王冠図柄」が表示されない結果となる。
【0079】
最後に、右ストップボタン12が操作された(
図12(8))。このとき、右図柄列7aの2番に配置された「リプレイ図柄」を右リール7の上段に表示可能なタイミング、すなわち、右図柄列7aの6番~2番までの範囲内(以下、範囲E内と言う。)に配置されている図柄が有効ラインLに表示されるタイミング(以下、タイミングEと言う。)で右ストップボタン12が操作された。
【0080】
ここで、
図12(7)に示すように、REP7,8,14の右図柄は、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄、リプレイ図柄であるため、右ストップボタン12がタイミングEで操作された場合に、右リール7の上段に表示可能な図柄の候補は、スペード図柄(6番)、王冠図柄(4番)およびリプレイ図柄(2番)となる。このとき、本実施形態例では、スペード図柄および王冠図柄よりもリプレイ図柄を優先させて、右リール7の上段に「リプレイ図柄」を表示させる(
図12(9))。これにより、REP14が入賞となって、リール5の下段、リール6の中段、リール7の下段のそれぞれに「王冠図柄」が表示されて、王冠図柄が右下がりに直線状に揃う第2停止態様で各リール5~7が停止することになる。
【0081】
このように、レアリプ5の当選時に、左図柄列5aの範囲A内に配置されている図柄が有効ラインLに表示されているタイミングAで左ストップボタン10が操作され、中図柄列6aの範囲C内に配置されている図柄が有効ラインLに表示されているタイミングCで中ストップボタン11が操作され、右図柄列7aの範囲E内に配置されている図柄が有効ラインLに表示されているタイミングEで右ストップボタン12が操作される態様(以下、特殊停止態様と言う。)でストップボタンが操作された場合に、REP14を他の再遊技役よりも優先して入賞させることにより、王冠図柄が右下がりに直線状に揃う第2停止態様で各リール5~7を停止させる。
【0082】
一方、最後に、右ストップボタン12が操作されたとき(
図12(8))、右図柄列7aの2番に配置されたリプレイ図柄を右リール7の上段に表示不可能なタイミング、すなわち、右図柄列7aの範囲E以外の範囲内(以下、範囲F内と言う。)に配置されている図柄が有効ラインLに表示されたタイミング(以下、タイミングFと言う。)で右ストップボタン12が操作されたとする。
【0083】
ここで、
図12(7)に示すように、REP7,8,14の右図柄は、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄、王冠図柄、ドル図柄、盾図柄、リプレイ図柄であるため、右ストップボタン12がタイミングFで操作された場合に、右リール7の上段に表示可能な図柄の候補は、ダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄、クローバー図柄、ドル図柄、盾図柄、リプレイ図柄となる。このとき、本実施形態例では、ドル図柄、盾図柄およびリプレイ図柄よりもダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄およびクローバー図柄を優先させて、すなわち、REP8およびREP14よりもREP7の入賞を優先させて、右リール7の上段にダイヤ図柄、ハート図柄、スペード図柄およびクローバー図柄の何れか一の図柄を表示させる(
図12(10))。これにより、REP7が入賞となって、弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様で各リール5~7が停止することになる。
【0084】
このように、レアリプ5に当選した場合に、特定操作態様でストップボタンが操作されずに、右図柄列7aの範囲F内に配置されている図柄が有効ラインLに表示されているタイミングFで右ストップボタン12が操作されると、REP8およびREP14よりもREP7を優先して、REP7を入賞させることにより、弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様で各リール5~7を停止させる。
【0085】
以上のように、本実施形態例に係るスロットマシンSでは、ART抽選の実行契機となる複数種類のレアリプが設けられており、レアリプの種別に応じて、ART抽選を異なる当選確率で実行するように構成されているため、内部抽選で当選したレアリプの種別に遊技者の興味を惹き付けることができる。
【0086】
そして、複数種類のレアリプには、レアリプ1およびレアリプ5が含まれており、レアリプ1の当選に基づいて5%の当選確率でART抽選を実行し、レアリプ5の当選に基づいて25%の当選確率でART抽選を実行するため、レアリプ5の当選はレアリプ1の当選よりも遊技者にART抽選の当選に対する期待感を与えることができる。
【0087】
また、本実施形態例では、複数種類の再遊技役にREP7(第1役)が含まれており、レアリプ1にREP7が単独で対応付けられている。そして、内部抽選でレアリプ1に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらず、REP7に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示させてREP7を入賞させる。このとき、リール5~7は、弓矢図柄が横一直線状に揃う第1停止態様で必ず停止する(引込率=100%、所謂PB=1)。このため、第1停止態様は、遊技者にART抽選の実行を報知することができる。
【0088】
また、本実施形態例では、複数種類の再遊技役にREP14(第2役)が含まれており、レアリプ5にREP7およびREP14を含む複数種類の再遊技役が重複して対応付けられている。そして、内部抽選でレアリプ5に当選した場合には、特定操作態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP14を他の再遊技役よりも優先して、REP14に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示させてREP14を入賞させる。このとき、各リール5~7は、王冠図柄が右下がりに直線状に揃う第2停止態様で停止する(引込率≠100%、所謂PB≠1)。このため、第2停止態様は遊技者にART抽選の実行を報知することができる。
【0089】
そして、本実施形態例では、内部抽選でレアリプ5に当選した場合に、特定操作態様以外の態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、REP7を他の再遊技役よりも優先して、REP7を入賞させる。このとき、各リール5~7は、内部抽選でレアリプ1に当選した場合と同様に、第1停止態様で停止する。したがって、第1停止態様で各リール5~7が停止したとしても、レアリプ5に当選した可能性、すなわち、ART抽選が25%の当選確率で実行された可能性が残されているため、ART抽選の当選に対する期待感を遊技者に与えることができる。
【0090】
このように、本実施形態例では、レアリプ1にPB=1の第1停止態様、レアリプ5に第1停止態様とPB≠1の第2停止態様がそれぞれ対応付けられ、レアリプ1当選時のストップボタンの操作に拘わらずリール5~7を必ず第1停止態様で停止させ、レアリプ5当選時のストップボタンの特定操作態様でリール5~7を第2停止態様で停止させる一方、他の操作態様でリール5~7を第1停止態様で停止させる。すなわち、リール5~7の停止態様として、第1停止態様および第2停止態様が設けられ、複数種類の当選エリアには、第1停止態様が単独で対応付けられているレアリプ1(第1エリア)と、少なくとも第1停止態様および第2停止態様の双方が重複して対応付けられているレアリプ5(第2エリア)とが含まれており、リール制御手段104は、内部抽選でレアリプ1に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらず、第1停止態様でリール5~7を停止させ、内部抽選でレアリプ5に当選した場合には、ストップボタンが特定操作態様で操作されたことに基づいて、第1停止態様よりも第2停止態様を優先して第2停止態様でリール5~7を停止させる一方、ストップボタンが特定操作態様以外の態様で操作されたことに基づいて、第2停止態様よりも第1停止態様を優先して第1停止態様でリール5~7を停止させ、演出モード制御手段(特典抽選手段)109は、レアリプ1の当選に基づいて通常の当選確率でARTの付与の可否(特典の当否)を決定し、レアリプ5の当選に基づいて通常の当選確率よりも高い当選確率でARTの付与の可否を決定する。このため、特定操作態様以外の態様でストップボタンを操作する場合には、第1停止態様でリール5~7が停止することはあっても第2停止態様でリール5~7が停止しないため、ART抽選の当選確率を明確に判別することができないが、特定操作態様でストップボタンを操作する場合には、リール5~7が第1停止態様や第2停止態様で停止することがあるため、ART抽選の当選確率を明確に判別することができる。よって、ART抽選の当選確率を明確に判別したい遊技者は、特定操作態様でストップボタンを操作して遊技を進行させ、ART抽選の当選確率を明確に判別したくない遊技者は、あえて特定操作態様でストップボタンを操作せずにランダムなタイミングで操作して遊技を進行させるといったように、遊技者の好みにより遊技を進行させることが可能であるため、遊技の選択の幅を広げて遊技性の向上を図ることができる。
【0091】
また、本実施形態例では、内部抽選でレアリプ1およびレアリプ5の何れに当選した場合であっても、左図柄列5aの範囲A内にある図柄が有効ラインLに表示されるタイミングAで左ストップボタン10が操作されると、左リール5の上段に王冠図柄、左リール5の下段に弓矢図柄を表示し(
図11(3),
図12(3))、中図柄列6aの範囲C内にある図柄が有効ラインLに表示されるタイミングCで中ストップボタン11が操作されると、中リール6の中段に王冠図柄、中リール6の下段に弓矢図柄を表示する(
図11(5),
図12(6))。このとき、右リール7のみが回転している状態となるが、この状態では、第1停止態様および第2停止態様の何れの態様でもリール5~7が停止可能であるため、レアリプ1およびレアリプ5の何れに当選したかを判別することができない。そして、回転中の右リール7を停止させるとき、右ストップボタン12が右図柄列7aの範囲E内にある図柄が有効ラインLに表示されるタイミングEで操作された場合には、REP7が単独で対応付けられたレアリプ1の当選時に右リール7の下段に「弓矢図柄」を表示してリール5~7を第1停止態様で停止させ、REP7およびREP14が重複して対応付けられたレアリプ5の当選時に右リール7の下段に「王冠図柄」を表示して第2停止態様で停止させている。このように、特定操作態様でストップボタンを操作して遊技を進行させると、右リール7の停止態様により、内部抽選で当選したレアリプの種別を判別可能であるため、右リール7の停止態様に遊技者の興味を惹き付けて、遊技の趣向性を高めることができる。
【0092】
本実施形態例では、レアリプ5と同様に、ART抽選の当選確率が25%に設定されているレアリプ6およびレアリプ7のそれぞれに、REP7およびREP14を含む複数種類の再遊技役が重複して対応付けられており、レアリプ6およびレアリプ7の何れに当選した場合であっても、特定操作態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、リール5~7を第2停止態様で停止させ、特定操作態様以外の態様でストップボタンが操作されたことに基づいて、リール5~7を1停止態様で停止させる。このように、レアリプ5~7の何れに当選した場合であっても、特定操作態様でストップボタンを操作することにより、ART抽選の当選確率を判別することができる。
【0093】
また、本実施形態例では、レアリプ5に当選した場合に、ストップボタンの操作タイミングを誤って、特定操作態様でストップボタンを操作することができなかった場合であっても、弓矢図柄が直線状に揃う第1停止態様でリール5~7が停止するため、ART抽選の実行を確実に遊技者に報知することができる。このため、ART抽選の当選でARTモードへの移行が確定しているにも拘わらず、ストップボタンの操作ミス(所謂目押しミス)によりART抽選の実行が報知されずに遊技を止めてしまうといった遊技者に不利となる事態を回避することができると共に、特定操作態様でストップボタンを操作し続ける遊技者の遊技負担を軽減することができる。
【0094】
また、本実施形態例では、弓矢図柄が直線状に揃う第1停止態様や王冠図柄が右斜めに揃う第2停止態様といったように、遊技者の印象に残りやすく判別のし易いリールの停止態様をART抽選の実行契機となるレアリプに対応付けているため、遊技の初心者や遊技を長時間に亘り行っている者に対して、レアリプの当選およびART抽選の実行を容易に認識させることができる。
【0095】
なお、本実施形態例では、レアリプ5の当選時におけるストップボタンの特定停止態様、すなわち、左ストップボタン10のタイミングAでの操作(以下、左入賞操作と言う。)、中ストップボタン11のタイミングCでの操作(以下、中入賞操作と言う。)、右ストップボタン12のタイミングEでの操作(以下、右入賞操作と言う。)のうち、全ての入賞操作でストップボタンが操作された場合に、REP14を入賞させてリール5~7を第2停止態様で停止させる構成になっており、左入賞操作、中入賞操作、右入賞操作のうち何れか一つの入賞操作が行われなかった場合には、REP7を入賞させてリール5~7を第1停止態様で停止させる構成になっている。ただし、この構成に限られず、左入賞操作、中入賞操作、右入賞操作のうち何れか一または二の入賞操作が行われなかった場合であっても、リール5~7を第2停止態様で停止させる構成であっても良い。
【0096】
上記構成について、具体的に説明すると、例えば、左図柄列5aに「王冠図柄」を複数配置して、左ストップボタン10の操作タイミングに拘わらず、左リール5の上段に「王冠図柄」を表示し、かつ、左リール5の下段に「弓矢図柄」を表示する構成、すなわち、左入賞操作が行われなかった場合であっても、中入賞操作および右入賞操作が行われることにより、REP14を入賞させてリール5~7を第2停止態様で停止させ、中入賞操作および右入賞操作のうち一方の操作が行われなかったことにより、REP7を入賞させてリール5~7を第1停止態様で停止させる構成であっても良い。また、同様に、例えば、左図柄列5aに「王冠図柄」を複数配置して、左ストップボタン10の操作タイミングに拘わらず、左リール5の上段に「王冠図柄」を表示し、かつ、左リール5の下段に「弓矢図柄」を表示すると共に、中図柄列6aに「王冠図柄」を複数配置して、中ストップボタン11の操作タイミングに拘わらず、中リール6の中段に「王冠図柄」を表示し、かつ、中リール6の下段に「弓矢図柄」を表示する構成、すなわち、左入賞操作および中入賞操作が行われなかった場合であっても、右入賞操作が行われることにより、REP14を入賞させてリール5~7を第2停止態様で停止させ、右入賞操作が行われなかったことにより、REP7を入賞させてリール5~7を第1停止態様で停止させる構成であっても良い。
【0097】
また、本実施形態例において、レアリプ5~7に互いに異なるART抽選の当選確率を対応付ける構成であっても良い。このように構成する場合には、例えば、王冠図柄が右下がりに直線状に揃う第2停止態様以外にも、遊技者に強い印象を与えることが可能なリールの停止態様として第3停止態様および第4停止態様を設け、本実施形態例と同様に、ART抽選の当選確率が5%のレアリプ1に第1停止態様のみを、ART抽選の当選確率が25%のレアリプ5に第1停止態様および第2停止態様の双方を、ART抽選の当選確率が30%のレアリプ6に第1停止態様および第3停止態様の双方を、ART抽選の当選が確定するレアリプ7に第1停止態様および第4停止態様の双方をそれぞれ対応付け、レアリプ1に当選した場合には、ストップボタンの操作態様に拘わらず、リールを第1停止態様で停止させ、レアリプ5~7の何れかに当選した場合には、本実施形態例におけるレアリプ5に当選した場合と同様に、ストップボタンの操作態様に応じて、第1停止態様よりも第2停止態様を優先させ、第1停止態様よりも第3停止態様を優先させ、第1停止態様よりも第4停止態様を優先させるようにして、リール5~7を停止させる。このようにすると、第1停止態様でリール5~7が停止したとしても、レアリプ5~7に当選した可能性があることを遊技者に示して、ART抽選の当選に対する期待感を遊技者に与えることができ、また、第2停止態様~第4停止態様でリールが停止することにより、ART抽選の当選確率を明らかにして遊技者を高揚させることができる。
【0098】
また、本実施形態例では、レアリプの当選に基づいてART抽選を実行し、ART抽選の当選に基づいてARTモードへの移行を決定する構成になっているが、この構成に限られず、ARTモードでは、レアリプの当選に基づいて、ART遊技の回数を加算するか否かを上乗せ抽選で決定し、上乗せ抽選の当選に基づいて、ART遊技の回数を加算するように構成されていても良い。このようにすると、リールの停止態様により上乗せ抽選の当選確率を判別可能となり、ARTモードにおける遊技性を向上させることができる。また、当該構成において、上乗せ抽選の当選に基づいて、加算するART遊技の回数(以下、上乗せ回数と言う。)を決定する上乗せ回数決定手段を設け、上乗せ回数決定手段は、レアリプの種別に応じて上乗せ回数を異なるように決定する構成であっても良い。このようにすると、本実施形態例と同様に、ARTモードにおけるレアリプ当選時のリールの停止態様に基づいて、上乗せ回数を遊技者に判別させることが可能となり、さらにARTモードにおける遊技性を高めることができる。
【0099】
また、本実施形態例では、演出モードとして、非ARTモードとARTモードとが設けられているが、この構成に限られず、演出モードとして、非ARTモード内およびARTモード内の双方で滞在可能な、通常モードおよびチャンスモードをさらに設け、通常モードでレアリプに当選したことに基づいて、演出モードをチャンスモードに移行させるか否かを抽選(以下、CZ抽選と言う。)により決定し、CZ抽選に当選した場合に演出モードをチャンスモードに移行させ、非ARTモードのチャンスモードでART抽選を実行し、ARTモードのチャンスモードで上乗せ抽選を実行する構成であっても良い。このように構成した場合には、本実施形態例と同様に、複数種類のレアリプに互いに異なるCZ抽選の当選確率を対応付けて、リールの停止態様に基づいてCZ抽選の当選確率を判別可能にする。これにより、遊技を多様化させることができる。
【符号の説明】
【0100】
S スロットマシン(遊技機)
5~7 リール
10~12 ストップボタン(ストップスイッチ)
102 内部抽選手段
104 リール制御手段
109 演出モード制御手段(特典抽選手段,特典付与手段)