(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】空中で結像するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 30/56 20200101AFI20220203BHJP
G02B 30/60 20200101ALI20220203BHJP
G02B 5/128 20060101ALI20220203BHJP
G02B 5/124 20060101ALI20220203BHJP
G02B 5/13 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G02B30/56
G02B30/60
G02B5/128
G02B5/124
G02B5/13
(21)【出願番号】P 2019552325
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2017114657
(87)【国際公開番号】W WO2018103643
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2019-06-25
(31)【優先権主張番号】201611124003.1
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519206335
【氏名又は名称】フューチュラス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジュンフォン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-025776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0153577(US,A1)
【文献】米国特許第05764411(US,A)
【文献】特表2015-529854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0169928(US,A1)
【文献】特表2003-509715(JP,A)
【文献】国際公開第2016/088683(WO,A1)
【文献】特開2008-015359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00 - 30/60
G02B 5/12 - 5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中で結像するためのシステムであって、
像源、半透鏡及び再帰反射素子を備え、
像源から発せられた光線は、半透鏡により反射されて再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に伝送し、半透鏡を透過して実像を形成し、
前記再帰反射素子は、複数の再帰反射ユニットを備え、
前記再帰反射ユニットのそれぞれは、微細構造体を備え、
前記微細構造体には反射面があり、
前記微細構造体の前記反射面は、前記再帰反射ユニットを載置するように配置される基材に付着され、又はそれと一体的に形成され、
前記微細構造体は、直角頂点微細構造体を含み、
前記直角頂点微細構造体が前記基材に嵌め込まれた少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点微細構造体の、直角頂点に交差した3本の稜線が互いに直角をなしており、
前記3本の稜線により形成された3つの面のうちの少なくとも1つと、前記少なくとも1つの直角頂点の反対側の、前記直角頂点微細構造体の底面との間の角度が54度未満であり、
前記直角頂点に交差した3本の稜線は、最も長い稜線の長さが最も短い稜線の長さの10倍以下である、システム。
【請求項2】
前記3本の稜線の長さが20ミクロン~5ミリメートルから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記微細構造体には、
60%以上の反射率を有する高反射材料が付着されている前記反射面がある、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記直角頂点微細構造体は透明な実体材料で形成され、前記透明な実体材料は入射面を含み、前記入射面は前記底面として機能し、前記底面は、前記
基材と同じ高さを有し、且つ反射防止材料が付着されており、
前記3つの面の少なくとも一部の領域が前記微細構造体の前記反射面として形成される、ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記微細構造体は、前記光線
が前記半透鏡により反射された後に前記光線が直接入射する凹部であり、前記凹部は、前記直角頂点微細構造体を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記微細構造体の反射面以外の面は
、前記基材に付着され、又はそれと一体的に形成され
、前記基材は、前記再帰反射ユニットを載置可能な透明基材である、ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記再帰反射素子は、前記半透鏡に向かって湾曲される曲率を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記再帰反射ユニットのそれぞれは、第1材と第2材のうちの少なくとも1つを備え、さらに反射面を備え、
前記第1材は、透明な実体材料であり、前記透明な実体材料の入射面は、平面であり、
前記第1材は、光線の入射経路から見るとき前記反射面の前方に位置しており、前記光線が第1材を介して前記再帰反射ユニットに入射した後、反射面で反射されてから、再び第1材から出射し、
前記第2材は、光線の入射経路から見るとき前記反射面の後方に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記再帰反射ユニットのそれぞれは、第1材と第2材とを備え、さらに反射面を備え、
前記第1材は、空気又は真空であり、前記第2材は、フィルム、幕又は板材であり、
前記第1材は、光線の入射経路から見るとき前記反射面の前方に位置しており、前記光線が第1材を介して前記再帰反射ユニットに入射した後、反射面で反射されてから、再び第1材から出射し、
前記第2材は、光線の入射経路から見るとき前記反射面の後方に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2材は、フィルム、幕又は板材である、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記反射面は、直角頂点に交差した、互いに直角をなす3本の稜線のうち2つずつが交差してなる3つの面の、全面もしくは少なくとも一部の領域である、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記微細構造体は、前記直角頂点微細構造体が含まれる凹部であり、前記直角頂点微細構造体は
、少なくとも2つの直角頂点を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記反射面は、前記基材の前記微細構造体に向けた面に形成され、あるいは、前記基材と前記微細構造体との境界領域に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記微細構造体は、基材に均一に分布される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
空中で結像するためのシステムであって、
像源、半透鏡及び再帰反射素子を備え、
像源から発せられた光線は、半透鏡を透過して再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射された後元の入射経路に沿って逆方向に伝送し、半透鏡により反射されて実像を形成し、
前記再帰反射素子は、複数の再帰反射ユニットを備え、
前記再帰反射ユニットのそれぞれは、微細構造体を備え、
前記微細構造体には反射面があり、
前記微細構造体の前記反射面は、前記再帰反射ユニットを載置するように配置される基材に付着され、又はそれと一体的に形成され、
前記微細構造体は、直角頂点微細構造体を含み、
前記直角頂点微細構造体が前記基材に嵌め込まれた少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点微細構造体の、直角頂点に交差した3本の稜線が互いに直角をなしており、
前記3本の稜線により形成された3つの面のうちの少なくとも1つと、前記少なくとも1つの直角頂点の反対側の、前記直角頂点微細構造体の底面との間の角度が54度未満であり、
前記直角頂点に交差した3本の稜線は、最も長い稜線の長さが最も短い稜線の長さの10倍以下である、システム。
【請求項16】
空中で結像するためのシステムであって、
第1像源及び第2像源を含む像源;
半透鏡;及び
第1再帰反射素子及び第2再帰反射素子を含む再帰反射素子を備え、
前記第1像源から発せられた光線は、前記半透鏡により反射されて前記第1再帰反射素子に照射してから、前記第1再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に伝送し、前記半透鏡を透過して第1実像を形成するのに加えて、
前記第2像源から発せられた光線は、前記半透鏡を透過して前記第2再帰反射素子に照射してから、前記第2再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に出射し、前記半透鏡により反射されて第2実像を形成し、
前記再帰反射素子は、複数の再帰反射ユニットを備え、
前記再帰反射ユニットのそれぞれは、微細構造体を備え、
前記微細構造体には反射面があり、
前記微細構造体の前記反射面は、前記再帰反射ユニットを載置するように配置される基材に付着され、又はそれと一体的に形成され、
前記微細構造体は、直角頂点微細構造体を含み、
前記直角頂点微細構造体が前記基材に嵌め込まれた少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点微細構造体の、直角頂点に交差した3本の稜線が互いに直角をなしており、
前記3本の稜線により形成された3つの面のうちの少なくとも1つと、前記少なくとも1つの直角頂点の反対側の、前記直角頂点微細構造体の底面との間の角度が54度未満であり、
前記直角頂点に交差した3本の稜線は、最も長い稜線の長さが最も短い稜線の長さの10倍以下である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィックイメージングの分野に関し、より具体的には、空中で結像するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラムは、干渉及び回折の原理に基づいて物体のリアルな3次元像を記録して再生する技術のことである。
【0003】
従来のホログラフィックイメージング方法は、レーザ干渉の原理でホログラフィック画像を生成する。レーザ光源から発せられた光は、2つに分けられて、一方が感光材へ直接出射し、他方が被写体により反射されて感光材へ出射する。これらが感光材において重ね合わせて干渉させ、最終的に、デジタル画像の基本原理によって再生されたホログラフィック画像に対して更なる処理を行い、デジタルの干渉を除去して、鮮明なホログラフィック画像を得る。このような方法は、単色性に対する要件が高く、カラー画像の形成が実現しにくいという欠点がある。
【0004】
従来のホログラフィックイメージング技術は、一般的に以下の3種類に分けられる。
【0005】
第1種は、マイクロソフト社製のHoloLens等のような仮想現実又は拡張現実の眼鏡又はヘルメットを使用する必要がある。この技術は、補助器具が必要であるため、応用できるシーンが制限され、且つ現在では製造コストが高い。
【0006】
第2種は、3次元像を実現するには、高速で回転する反射板および高速でリフレッシュするプロジェクタにより画像を当該反射板に投影する必要がある。特許文献CN105372926Aには、このような技術を利用した回転式のホログラフィックプロジェクションションウィンドウが開示されている。このような技術はインタラクションを実現しにくく、且つ、場所空間に対する要件が非常に厳しい。
【0007】
第3種は、水蒸気を含む空気のような微粒子が含まれている媒体を介して、水蒸気の液化により形成された小さな水滴において画像を投影し、不均衡な分子振動によって、階層性及び立体感が非常に高い画像を結像させることができる。特許文献CN104977794A及びCN103116422Aには、このような技術を応用したことが開示されており、両方とも水蒸気幕ウォールによって空気中で画像を結像させる。このような技術を応用すると、水蒸気カーテンウォールを形成するための補助工具を配備する必要があり、従って、使用上にはあまり便利ではない。
【0008】
要するには、以上の技術は、仮想現実又は拡張現実用の工具、高速で回転する反射板、又は空気中の蒸気微粒子に画像を結像させ、いずれも実質上に空中で画像を結像させることではない。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、上記した技術の欠陥を克服し、いずれの特別な媒体を介さずに空気中さらには真空中で直接画像を結像させることを可能にする実質的な空中で画像を結像させるシステム及び方法を提供することである。これにより、応用範囲を大幅に拡大させて、補助工具に制限されず、且つ現在のマン-マシンインタラクションのシーンに革命的な突破をもたらす。
【0010】
本発明の主な態様によれば、空中で結像するためのシステムを提供し、像源、半透鏡及び再帰反射素子を備え、
像源から発せられた光線は、半透鏡により反射されて再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡を透過して実像を形成する。
【0011】
本発明の別の主な態様によれば、空中で結像するためのシステムを提供し、像源、半透鏡及び再帰反射素子を備え、
像源から発せられた光線は、半透鏡を透過して再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射されて元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡により反射されて実像を形成する。
【0012】
本発明のまた別の主な態様によれば、空中で結像するためのシステムを提供し、像源、半透鏡、第1再帰反射素子、及び第2再帰反射素子を備え、
像源から発せられた光線は、半透鏡により反射されて第1再帰反射素子に照射してから、第1再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡を透過して第1実像を形成するのに加えて、
半透鏡を透過して第2再帰反射素子に照射してから、第2再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡により反射されて第2実像を形成する、システム。
【0013】
本発明のまた別の主な態様によれば、空中で結像するためのシステムを提供し、第1像源、第2像源、半透鏡及び再帰反射素子を備え、
第1像源から発せられた光線は、半透鏡により反射されて再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射された後、元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡を透過して第1実像を形成し、
第2像源から発せられた光線は、半透鏡を透過して再帰反射素子に照射してから、再帰反射素子で反射されて元の入射経路に沿って逆方向に出射し、半透鏡により反射されて実像を形成し、且つ、
第1像源と第2像源の位置は、第1実像と第2実像を同じ位置に形成するように設置される。
【0014】
好ましくは、像源は、虚像又は実像を出す結像表示装置であり、又はこれらの結像表示装置によって形成された虚像又は実像である。
【0015】
好ましくは、像源の光源はレーザ、発光ダイオード、有機発光ダイオード、励起蛍光発光材料のうちの一種又は複数種である。
【0016】
好ましくは、半透鏡の透過率の範囲は20%~80%である。
【0017】
好ましくは、半透鏡の反射率の範囲は20%~80%である。
【0018】
好ましい実施態様では、再帰反射素子は、反射面を有する基材と、基材に分布される微細構造体とを備える。
【0019】
好ましくは、微細構造体は、透明材で形成された直角頂点微細構造体であって、当該直角頂点微細構造体が少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点の3本の稜線が互いに直角をなす。
【0020】
好ましくは、微細構造体は、直角頂点微細構造体が含まれる凹部であり、当該直角頂点微細構造体が少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点の3本の稜線が互いに直角をなす。
【0021】
好ましくは、微細構造体は、透明材で形成された球状微細構造体である。
【0022】
好ましくは、反射面は、前記基材の前記微細構造体に向けた面に形成される。
【0023】
好ましくは、反射面は、前記基材と前記微細構造体との境界領域に形成される。
【0024】
好ましくは、微細構造体と前記基材とは、同じ透明材で一体的に形成されており、前記直角頂点が外に突起し、前記反射面が前記直角頂点の3本の稜線のうち2つずつが交差してなる3つの面に形成される。
【0025】
好ましくは、微細構造体は、基材に均一に分布される。
【0026】
好ましくは、前記基材は、フィルム、幕又は板材である。
【0027】
また別の好ましい実施態様では、再帰反射素子は、複数の再帰反射ユニットを備える。
【0028】
好ましくは、再帰反射ユニットは、反射面を有する微細構造体を備える。
【0029】
好ましくは、微細構造体は、透明材で形成された直角頂点微細構造体であって、当該直角頂点微細構造体が少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点の3本の稜線が互いに直角をなしており、これらの3本の稜線のうち2つずつが交差してなる3つの面の、全面もしくは少なくとも一部の領域が反射面として形成される。
【0030】
好ましくは、微細構造体は、直角頂点微細構造体が含まれる凹部であって、当該直角頂点微細構造体が少なくとも1つの直角頂点を有するとともに当該直角頂点の3本の稜線が互いに直角をなしており、これらの3本の稜線のうち2つずつが交差してなる3つの面の、全面もしくは少なくとも一部の領域が反射面として形成される。
【0031】
好ましくは、微細構造体は、透明材で形成された球状微細構造体であって、当該球状微細構造体の前記半透鏡からより遠く離れる表面が反射面として形成される。
【0032】
好ましくは、微細構造体の反射面は、前記再帰反射素子を載置可能な基材に付着され、又はそれと一体的に形成される。
【0033】
好ましくは、微細構造体の反射面以外の面は、前記再帰反射素子を載置可能な透明基材に付着され、又はそれと一体的に形成される。
【0034】
また別の好ましい実施態様では、再帰反射素子は、複数の再帰反射ユニットを備える。
【0035】
好ましくは、再帰反射ユニットは、第1材と第2材のうちの一種を備え、当該再帰反射ユニットはさらに反射面を備え、
第1材は、透明な実体材料であり、
第1材は、光線の入射経路から見るとき反射面の前方に位置し、光線が第1材を介して入射した後、反射面で反射されてから、再び第1材から出射し、
第2材は、光線の入射経路から見るとき反射面の後方に位置する。
【0036】
好ましくは、再帰反射ユニットは、第1材と第2材とを備え、さらに反射面を備え、
第1材は、空気又は真空であり、第2材は、フィルム、幕又は板材であり、
第1材は、光線の入射経路から見るとき反射面の前方に位置しており、光線が第1材を介して入射した後、反射面で反射されてから、再び第1材から出射し、
第2材は、光線の入射経路から見るとき反射面の後方に位置する。
【0037】
好ましくは、反射面は、互いに直角をなす3本の稜線のうち2つずつが交差してなる3つの面の、全面もしくは少なくとも一部の領域である。
【0038】
好ましくは、反射面は、球体表面の一部であり、前記球体の円心は、光線の入射経路から見るとき前記反射面の前方に位置する。
【0039】
好ましくは、第2材はフィルム、幕又は板材である。
【0040】
好ましくは、直角頂点の3本の稜線は、長さが等しい。
【0041】
好ましくは、反射面には高反射材料が付着されている。
【0042】
好ましくは、高反射材料の反射率は60%、70%、80%又は90%以上に達する。
【0043】
好ましくは、高反射材料は、スプレー又はメッキの方式で反射面に付着される。
【0044】
好ましくは、再帰反射素子は、半透鏡に向かって湾曲される曲率を有する。
【0045】
好ましくは、微細構造体は、再帰反射素子に均一に分布される。
【0046】
好ましくは、像源は立体像源である。
【0047】
好ましくは、立体像源が、三次元の画像、構造及びビデオ源を表示できる三次元立体表示装置である。
【0048】
好ましくは、三次元立体表示装置は、並進走査型結像システム又は回転走査型結像システムを含む。
【0049】
好ましくは、半透鏡の2つの面のうち一方の面には半透過材料が付着されて、反射率が20%-80%、対応する透過率が80%-20%になるようにする。
【0050】
好ましくは、半透鏡の2つの面のうち半透過材料が付着されていない面には、反射防止材料が付着されている。
【0051】
好ましくは、3本の稜線の長さは20ミクロン~5ミリメートルである。
【0052】
好ましくは、3本の稜線のうち、最も長い稜線の長さは、最も短い稜線の長さの10倍以下である。
【0053】
好ましくは、第1材が透明な実体材料である場合、その入射面には反射防止材料が付着されている。
【0054】
好ましくは、第1材が透明な実体材料である場合、その入射面が平面である。
【0055】
好ましくは、3本の稜線により形成された3つの面のうちの少なくとも1つと入射面となす角度が54度未満である。
【0056】
本発明の主な態様によれば、空中で結像するための方法を提供し、
像源、半透鏡及び再帰反射素子を提供するステップ(1)と、
像源から発せられた光線を、半透鏡により反射させて、再帰反射素子に照射させるステップ(2)と、
光線を、再帰反射素子で反射させてから、元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、再び半透鏡を透過させて実像を形成するステップ(3)とを含む。
【0057】
本発明の別の主な態様によれば、空中で結像するための方法を提供し、
像源、半透鏡及び再帰反射素子を提供するステップ(1)と、
像源から発せられた光線を半透鏡を透過させて、再帰反射素子に照射させるステップ(2)と、
光線を、再帰反射素子で反射させてから、元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、半透鏡により反射させて実像を形成するステップ(3)とを含む。
【0058】
本発明のまた別の主な態様によれば、空中で結像するための方法を提供し、
像源、半透鏡、第1再帰反射素子、及び第2再帰反射素子を提供するステップ(1)と、
像源から発せられた光線を、半透鏡により反射させて、第1再帰反射素子に照射させるのに加えて、半透鏡を透過させて、第2再帰反射素子に照射させるステップ(2)と、
光線を、第1再帰反射素子で反射させて、元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、半透鏡を透過させて第1実像を形成するのに加えて、第2再帰反射素子で反射させてから、元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、半透鏡により反射させて第2実像を形成するステップ(3)とを含む。
【0059】
本発明のまた別の主な態様によれば、空中で結像するための方法を提供し、
第1像源、第2像源、半透鏡、及び再帰反射素子を提供するステップ(1)と、
第1像源から発せられた光線を半透鏡により反射させて再帰反射素子に照射させ、且つ、第2像源から発せられた光線を半透鏡を透過させて再帰反射素子に照射させるステップ(2)と、
第1像源から発せられた光線を再帰反射素子で反射させてから元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、半透鏡を透過させて第1実像を形成し、且つ、第2像源から発せられた光線を再帰反射素子で反射させてから元の入射経路に沿って逆方向に出射させ、半透鏡により反射させて第2実像を形成するステップ(3)と、
第1像源と第2像源の位置を、第1実像と第2実像を同じ位置に形成するように設置するステップ(4)とを含む。
【0060】
本発明は、たとえば再帰反射フィルムと半透鏡の組合せを先駆的に使用して、虚像を実像に変換することにより、空中での結像を実現する。本発明は、いずれの媒体(たとえばスクリーン、微粒子を含む気体又は液体等)も介さずに空気さらには真空中に映像を直接表示することができ、ヘルメット、眼鏡等の他の補助装置を介さずに多人が同時に映像を見ることができ、また画像が空中に浮かんでいるので、手で直接触れることにより、非常に多いインタラクティブアプリケーションをもたらすことができる、といった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明瞭に説明するために、以下では実施例又は従来技術の説明に必要となる図面を簡単に説明する。なお、後述する図面は単に本発明の一部の実施例を説明するためのものである。これらは本発明を限定するものではなく、例示的なものである。
【
図1】本発明の1つの実施形態による結像システムを概略的に示す。
【
図2】本発明の別の実施形態による結像システムを概略的に示す。
【
図3】本発明の1つの実施形態による再帰反射素子を概略的に示す。
【
図4】本発明の1つの実施形態による再帰反射素子の微細構造体及び再帰反射経路を概略的に示す模式図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による再帰反射素子を概略的に示す。
【
図6A】本発明の別の実施形態による再帰反射素子の微細構造体及び再帰反射経路を概略的に示す模式図である。
【
図6B】本発明の別の実施形態による再帰反射素子の微細構造体及び再帰反射経路を概略的に示す模式図である。
【
図6C】本発明の別の実施形態による再帰反射素子の微細構造体及び再帰反射経路を概略的に示す模式図である。
【
図7】本発明のまた別の実施形態による再帰反射素子を概略的に示す。
【
図8】本発明のまた別の実施形態による再帰反射素子の微細構造体及び再帰反射経路を概略的に示す模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態による再帰反射素子の微細構造体の分布を概略的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明は、その目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下では図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0063】
本発明は、説明を簡潔且つ直感的にするために、以下ではいくつかの代表的な実施形態を基づいて説明する。実施形態における複数の詳細は本発明の技術案を理解するためのものに過ぎない。なお、本発明の技術案を実現する際には、これらの詳細に限定されなくてもよい。いくつかの実施形態は、本発明の技術案を不必要に暈させることを回避するように詳細に説明されず、枠組みのみが与えられる。以下では、「含む」とは「…含むがこれに限定されない」と意味し、「に基づく」とは「少なくとも…に基づくが、…のみに基づくことに限定されない」と意味する。「第1」、「第2」等は特徴を示すためのみに用いられ、順序上の限定など、当該特徴を何らかに限定することは意図していない。以下では、中国語の言語習慣のため、1つの構成要素の数は、特に示さない場合、1つでもよく複数でもよいことを意味し、又は少なくとも1つとして理解されてもよい。
【0064】
図1は本発明の1つの実施形態による結像システムを示す。当該システムは、図に示すように、像源1、半透鏡2及び再帰反射素子3を備え半透鏡2が位置する平面によって空間を第1半領域Iと第2半領域IIに区分し、像源1及び再帰反射素子3はいずれも第1半領域Iに位置する。
【0065】
そのうち、像源1から発せられた光線は、半透鏡2により反射されて再帰反射素子3に照射してから、再帰反射素子3で再帰反射されることにより、再帰反射素子3での反射光線が入射光線と同じ経路に位置し、その方向が反対である。従って、光線が再帰反射素子3により反射された後に元の入射経路に沿って出射し(勿論、微視的な観点から、反射経路と入射経路はわずかにずれていると考えることができるが、巨視的な観点から、その二本の経路は完全に重なると考えることができる)、半透鏡を透過した後、第2半領域IIに実像4を形成する。
【0066】
像源1は結像表示装置でもよいし、又はこれらの結像表示装置により形成された虚像又は実像でもよい。
【0067】
たとえば、結像表示装置は、バックライト光源がレーザ、発光ダイオード、有機発光ダイオード、励起蛍光発光材料、量子ドット励起光源のうちの一種又は複数種を含む液晶スクリーンであってもよく、LED、OLED、プラズマ発光点等の発光点光源からなる能動発光型ドットマトリクススクリーンであってもよく、DLP、LCOS、LCD等の投影技術に基づいて、LED、OLED、レーザ、蛍光等の光源又はそれらの組合せによって駆動され、DMD、LCOS、LCD等の表示パネルによって反射又は透過され、さらに投影レンズを介して投影スクリーン上に投影して結像させる投影型の結像システムであってもよく、レーザビームがスクリーン上に走査して結像させる投影型の結像システムであってもよい。そして、以上に記載されるすべての結像表示装置により一回又は複数回屈折又は反射によって形成された実像又は虚像も像源としてもよい。
【0068】
好ましい実施形態では、像源1は立体像源であってもよい。立体像源は3D立体画像、構造及びビデオ源を表示できる三次元立体表示装置を含む。一般的に、このような三次元立体表示装置は制御モジュールと高速投影モジュール又は高速表示モジュールとを備え、観察者が三次元立体の画像、構造又はビデオを視認することできるように、制御モジュールにより投影モジュール又は表示モジュールを制御して一連の2D画像スライスを複数の光学平面に高速に投影し又は表示する。三次元立体表示装置は、並進走査型結像システム、回転走査型結像システム等を含む。
【0069】
半透鏡は、たとえば、PC樹脂、PET樹脂、PMMA樹脂、ガラス、石英等の各種の適切な透明な材料で製造されてもよい。その透過率が20%-80%であり、好ましくは約50%であり、その反射率も20%-80%であり、好ましくは約50%である。
【0070】
再帰反射素子3は、好ましくは、微細構造体が分布されているフィルム、幕又は板材であり、結像された画像の輝度を増加させるように、半透鏡に向って湾曲される所定の曲率を有することは最適である。以下、再帰反射素子3について詳細に説明する。
【0071】
図2に示すように、本発明の別の実施形態では、システムは、像源1、半透鏡2及び再帰反射素子3を備え、半透鏡2が位置する平面によって空間を第1半領域Iと第2半領域IIに区分し、像源1は第1半領域Iに位置するが、再帰反射素子3は第2半領域IIに位置する。
【0072】
そのうち、像源1から発せられた光線は半透鏡2を透過して再帰反射素子3に照射し、再帰反射素子3で再帰反射されることにより、再帰反射素子3での反射光線が入射光線と同じ経路に位置し、その方向が異なる。従って、光線が再帰反射素子3により反射された後に元の入射経路に沿って出射し、半透鏡によって反射された後、第2半領域IIに実像4を形成する。
【0073】
なお、光が波動・粒子二重性を有するため、光線は再帰反射素子3から反射されるとき、一定の回折効果を起こす、反射光には一定の発散角を発生させる。この点から理解する場合、反射光の主軸が入射光方向と反対であれば、本発明における「再帰反射」のことを満たす。
【0074】
この実施形態では、像源1から発せられた光線は半透鏡2を透過(反射ではない)して再帰反射素子3に到達する。そして、再帰反射素子3により反射された光線がさらに半透鏡2により反射(透過せず)されて実像4を生成する。最終的に形成された実像4は再帰反射素子3と異なる半領域ではなく同じ半領域に位置する。
【0075】
本発明のまた別の実施形態では(図示せず)、上記2つの実施形態を組み合せて、2つの再帰反射素子を用いる。像源から発せられた光線は半透鏡により反射されて一方の再帰反射素子に到達し、そして、当該再帰反射素子により反射された光線はさらに半透鏡を透過して実像を生成する。像源から発せられた光線は半透鏡を透過して他方の再帰反射素子に到達し、そして、当該他方の再帰反射素子により反射された光線がさらに半透鏡により反射されて実像を生成する。このようにして形成された2つの実像は重なり、それにより、輝度がより高い画像を得る。
【0076】
なお、勿論、他の実施形態では、追加的又は代替的に、2つの像源を使用することができる。この場合、最終的に形成される実像が空間中で重なるように、この2つの像源と半透鏡及び再帰反射素子の位置を調整する必要がある。
【0077】
本発明における再帰反射素子は、特別な処理が行われた素子であり、たとえば高反射塗層が塗布された基材、及びたとえば基材に均一に分布された再帰反射微細構造体を含む。当該高反射塗層の反射率は60%以上であり、好ましくは、70%、80%又は90%以上である。なお、当該高反射塗層は、メッキのような他の方式で基材に付着されてもよい。
【0078】
勿論、当該高反射塗層は、たとえば、微細構造体の基材に向ける面に付着されてもよく、又は微細構造体と基材との境界領域に付着されてもよい。
【0079】
なお、基材に分布された再帰反射微細構造体は、その分布が不均一であってもよいが、均一であればより良好な結像効果を有する。但し、いくつかの意図的に設置された不均一な分布は特殊の結像の目的に用いられる。
【0080】
図3は、本発明の1つの実施形態による再帰反射素子を示す。当該再帰反射素子3は基材30とするフィルム又は幕を含む。基材30に高反射塗層が塗布されている。また、基材30にさらに球状微細構造体31が均一に分布している。
【0081】
図4は、球状微細構造体の拡大図及び再帰反射経路の模式図を示す。
【0082】
光線は半透鏡から球状微細構造体31の上表面によって屈折された後に基材30の高反射塗層へ照射し、反射された後、球状微細構造体31の上表面に戻り、再び屈折されて半透鏡へ出射する。光線は、球状微細構造体31の構造によりほとんど元の経路に沿って半透鏡に戻ることができる(前述のように、巨視的な観点から、光線が元の経路に沿って戻ると考えることができる)。
【0083】
図5は、本発明のまた別の実施形態による再帰反射素子を示す。当該再帰反射素子3の基材30にはさらに直角頂点微細構造体31’が均一に分布している。直角頂点微細構造体31’は、基材30に嵌め込まれた少なくとも1つの頂点を有するとともに当該頂点の3本の稜線が互いに直角をなす透明な微細構造体であってもよく、たとえば、微細立方体又は微細直方体、又はそれらの少なくとも1つの頂点を含む一部である。勿論、当該少なくとも1つの頂点が基材30に嵌め込まれている(
図6A参照)。いくつかの実施形態では、直角頂点微細構造体31’は3本の稜線が互いに直角をなす微細三角錐体であり、その頂点が基材30に嵌め込まれており(
図6B参照)、好ましくは、頂点に相対する底面は基材30と同じ水平面にあり、より好ましくは、当該底面には反射防止膜が付着している。より好ましい実施形態では、当該底面は、3本の稜線で形成された3つの面のうち、少なくとも1つとなす角度が54度未満である。
【0084】
なお、これらの3本の稜線は、それらの長さが等しいであってもよく、勿論、異なってもよい。稜線の長さは20ミクロン~5ミリメートルから選択可能である。好ましくは、3本の稜線のうち、最も長い稜線の長さは最も短い稜線の長さの10倍以下である。
【0085】
なお、3本の稜線で形成された3つの面も相互に垂直であるべきであり、すなわち3つの面のうち、いずれの二つの面が互いになす角度が90度であるべきである。ただし、プロセスの制約により、これらの角度の大きさが正確に90度ではなく、加工の許可誤差範囲内、たとえば+-2分であっても、本発明の要件を満たすことができる。
【0086】
別の実施形態では、当該直角頂点微細構造体31’は基材30に上記微細構造体の1つの頂点の一部をエンボス加工することにより形成された凹部であってもよい(
図6C参照)。
【0087】
図6A、
図6B及び
図6Cは、
図5における直角頂点微細構造体の拡大図及び再帰反射経路の模式図を示す。
図6A及び
図6Bに示される実施形態では、直角頂点微細構造体31’は透明な微細構造体である。光線は半透鏡から直角頂点微細構造体31’の入射表面(たとえば上表面)によって屈折された後にフィルム又は幕30の高反射塗層へ照射し、3回反射された後、直角頂点微細構造体31’の出射表面(たとえば上表面)に戻り、再び屈折されて半透鏡へ出射する。
図6Cに示される実施形態では、直角頂点微細構造体31’は凹部であり、光線は半透鏡によって透過し又は反射されて凹部に直接入射し、3回反射された後、半透鏡へ出射する。光線は、直角頂点微細構造体31’の構造によりほとんど元の経路に沿って半透鏡に戻ることができる(同様に、巨視的な観点から、光線が元の経路に沿って戻ると考えることができる)。
【0088】
図7は本発明のまた別の実施形態の再帰反射素子を示す。当該再帰反射素子3の基材30’には、直角頂点微細構造体31’が均一に分布されている。基材30’自体は透明なものであり、直角頂点微細構造体31’も透明なものである。直角頂点微細構造体31’の基材30’から離れる面には高反射塗層が塗布されている。
【0089】
好ましくは、直角頂点微細構造体31’は、基材30’と一体的に形成され、勿論、別々に製造された後、基材30’に付着してもよい。基材30’は、その材料は直角頂点微細構造体31’と同じであり、又は、少なくとも直角頂点微細構造体31’と同じ屈折率を有することが好ましい。
【0090】
図8は
図7における直角頂点微細構造体の拡大図及び再帰反射経路の模式図を示す。光線は半透鏡から基材30’の上表面によって屈折された後に直角頂点微細構造体31’の高反射塗層へ照射し、3回反射された後、基材30’の上表面に照射して戻され、再び屈折されて半透鏡へ出射する。光線は、直角頂点微細構造体31’の構造によりほとんど元の経路に沿って半透鏡に戻ることができる(前述のように、巨視的な観点から、光線が元の経路に沿って戻ると考えることができる)。
【0091】
図9は、微細構造体の分布状況をより良好に理解するように、本発明の1つの実施形態による再帰反射素子における微細構造体の分布を概略的に示す上面図である。図に示すように、複数の微細構造体は、順に互いに隣接して分布しており、再帰反射素子に沿って延びている。なお、図において再帰反射素子の一部のみが示されており、微細構造体は、再帰反射素子全体においてこのような分布をしてもよい。また、微細構造体は、本図では略直方体状の凹部であるが、その形状がこれに限定されず、上記のようないずれの微細構造体であってもよいことが理解すべきである。
【0092】
なお、本発明において、多くの場合、再帰反射素子における反射面(たとえば、高反射塗層が塗布されている面)を基材に付着しているものとして説明したが、反射面が微細構造体に付着しているものであると考えてもよい。たとえば、再帰反射素子を複数の再帰反射ユニットに分割してもよく、各再帰反射ユニットはいずれも反射面を有する微細構造体を備え、微細構造体は前述した球状微細構造体又は直角頂点微細構造体であってもよい。又は、さらに反射面を1つの独立構造ユニットとして説明してもよい。たとえば、各再帰反射ユニットはいずれも反射面と、反射面を付着可能とする第1材及び第2材のうちの少なくとも1つとを備え、反射面は前述した微細構造体の1つ又は複数の面で形成されてもよい。
【0093】
本発明によれば、ヘルメット等の補助装置も、結像スクリーンや空気中の微粒子媒体も使用せずに、空気中、さらに真空中で直接結像することができる。本質的な空中結像技術である。形成された像が空気に浮かんでいるので、大量のインタラクションと応用を作り出すことができ、画期的な意義がある。
【0094】
なお、開示されている実施例の上記説明に基づき、当業者は本発明を実現し又は使用することができる。ただし、特に説明しない限り、以上の実施例に開示されている特徴は、単独で又は組み合わせて使用できる。これらの実施例に対する様々の変更は当業者にとって自明なものであり、本明細書に定義された一般的な原理は本発明の主旨又は範囲を逸脱せずに、他の実施例において実現可能である。従って、本明細書に開示されている本発明は、開示されている具体的な実施例に限定されるものではなく、添付の請求項の範囲に限定された本発明の主旨及び範囲に属する変更を含むことを意図する。