(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】電子デバイスの熱処理のための装置および技法
(51)【国際特許分類】
H05B 33/10 20060101AFI20220203BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
H05B33/10
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2020088797
(22)【出願日】2020-05-21
(62)【分割の表示】P 2018156034の分割
【原出願日】2014-12-23
【審査請求日】2020-05-21
(32)【優先日】2013-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】コナー エフ. マディガン
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マウック
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-241751(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0273072(US,A1)
【文献】特開2011-065967(JP,A)
【文献】特開2007-095377(JP,A)
【文献】国際公開第2006/041240(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/10
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製作システムであって、前記製作システムは、
一つ以上の環境制御ユニットに結合された印刷エンクロージャ内に配置された印刷システムと、
積層構成の複数の熱的に制御された領域を有する熱処理モジュールであって、前記熱的に制御された領域のそれぞれは基板を受け入れ、前記熱処理モジュールは、一つ以上の前記環境制御ユニットに結合された熱処理エンクロージャ内に配置される熱処理モジュールと、
2つ以上の前記熱的に制御された領域を通してガスを横方向に循環させるガス循環ユニットと、
少なくとも2つの前記熱的に制御された領域の温度を独立して制御するように前記熱処理モジュールに動作可能に結合された温度コントローラと、
前記印刷システムから前記基板を受け取り、前記基板を前記熱処理モジュールに提供するための基板移送モジュールと、
前記印刷エンクロージャの雰囲気の酸素含量を、前記熱処理エンクロージャの雰囲気の酸素含量より少なくとも100倍大きい酸素含量に維持するように前記印刷エンクロージャに流体結合されたガスコントローラと、
を備える製作システム。
【請求項2】
一つ以上の基板保持領域を有する基板冷却モジュールを、さらに備え、
前記基板冷却モジュールのそれぞれは、前記基板を収容するように構成され、前記基板冷却モジュールは、一つ以上の前記環境制御ユニットに結合された冷却エンクロージャ内に配置され、前記冷却エンクロージャは、前記基板が指定された温度を下回るまで前記基板を保持する、
請求項1記載の製作システム。
【請求項3】
前記基板移送モジュールは、さらに、前記熱処理モジュールから前記基板を受け取り、前記基板を基板冷却モジュールに提供する、
請求項2に記載の製作システム。
【請求項4】
前記ガスコントローラは第1のガスコントローラであり、前記冷却エンクロージャの雰囲気の酸素含量を、前記印刷エンクロージャの雰囲気の酸素含量の1/(100)以下に維持するように前記冷却エンクロージャに流体結合された第2のガスコントローラをさらに備える、
請求項2に記載の製作システム。
【請求項5】
前記基板冷却モジュールは、オフセットされた積層構成で複数の基板冷却領域を備える、
請求項2に記載の製作システム。
【請求項6】
前記熱処理エンクロージャおよび前記冷却エンクロージャが同じ雰囲気を有する、
請求項2に記載の製作システム。
【請求項7】
前記ガスコントローラは、前記印刷エンクロージャの雰囲気を100ppm未満の水蒸気含量および100ppm未満のオゾン含量に維持するように、前記印刷エンクロージャに清浄な乾燥空気を提供する、
請求項1に記載の製作システム。
【請求項8】
前記ガスコントローラが第1のガスコントローラであり、前記熱処理エンクロージャに流体結合されて精製非反応性ガスを前記熱処理エンクロージャに提供する第2のガスコントローラを、さらに、備える、
請求項1に記載の製作システム。
【請求項9】
前記精製非反応性ガスは窒素を含み、前記第2のガスコントローラは、大気圧を超える圧力で前記精製非反応性ガスを提供する、
請求項8に記載の製作システム。
【請求項10】
前記基板移送モジュールは、前記印刷システムから前記基板を受け取るように第1の環境に配置された第1のハンドラと、前記基板を前記熱処理モジュールに提供する、第2の環境に配置された第2のハンドラと、を備える、
請求項1に記載の製作システム。
【請求項11】
前記第2のハンドラは、前記基板を前記熱的に制御された領域の内の1つに提供する、
請求項10に記載の製作システム。
【請求項12】
前記基板移送モジュールは、前記印刷システムと前記熱処理モジュールとの間に配置されている、
請求項10に記載の製作システム。
【請求項13】
製作システムであって、前記製作システムは、
一つ以上の環境制御ユニットに結合された印刷エンクロージャ内に配置された印刷システムと、
積層構成の複数の熱的に制御された領域を有する熱処理モジュールであって、前記熱的に制御された領域のそれぞれは基板を受け入れ、前記熱処理モジュールは、前記一つ以上の環境制御ユニットに結合された熱処理エンクロージャ内に配置される熱処理モジュールと、
少なくとも2つの前記熱的に制御された領域の温度を独立して制御するように前記熱処理モジュールに動作可能に結合された温度コントローラと、
前記印刷システムから前記基板を受け取り、前記基板を前記熱処理モジュールに提供するための基板移送モジュールと、
前記印刷エンクロージャの雰囲気の酸素含量を、前記熱処理エンクロージャの雰囲気の酸素含量より少なくとも100倍大きい酸素含量に維持するように前記印刷エンクロージャに流体結合されたガスコントローラと、
を備え、
前記熱処理モジュールは、前記熱的に制御された領域を少なくとも1つの軸で移動させる可動プラットフォームと、を備える
製作システム。
【請求項14】
前記印刷システムは、インクジェット印刷システムを含む、
請求項1に記載の製作システム。
【請求項15】
製作システムであって、前記製作システムは、一つ以上の
環境制御ユニットに結合された印刷エンクロージャ内に配置された2つ以上の印刷システムと、
積層構成の複数の熱的に制御された領域を有する熱処理モジュールであって、各前記熱的に制御された領域は基板を受け入れ、前記熱処理モジュールは、一つ以上の前記環境制御ユニットに結合された熱処理エンクロージャ内に配置される熱処理モジュールと、
前記熱的に制御された領域を通してガスを横方向に循環させる複数のガス循環ユニットと、
少なくとも2つの前記熱的に制御された領域の温度を独立して制御するように前記熱処理モジュールに動作可能に結合された温度コントローラと、
前記印刷システムから前記基板を受け取り、前記基板を前記熱処理モジュールに提供するための基板移送モジュールと、
前記印刷エンクロージャの雰囲気の酸素含量を、前記熱処理エンクロージャの雰囲気の酸素含量より少なくとも100倍大きい酸素含量に維持するように前記印刷エンクロージャに流体結合されたガスコントローラと、
を備える製作システム。
【請求項16】
2つの前記印刷システムでの処理の間に、前記熱処理モジュール内の1つの前記基板を処理するように構成された、
請求項15に記載の製作システム。
【請求項17】
前記温度コントローラは、別の前記熱的に制御された領域と同じ温度で、または別の前記熱的に制御された領域とは異なる温度で、前記熱的に制御された領域のそれぞれの温度を独立して制御するように構成される、
請求項16に記載の製作システム。
【請求項18】
前記温度コントローラは、少なくとも2つの前記熱的に制御された領域に関連する少なくとも2つの加熱装置を、さらに備え、前記温度コントローラは、少なくとも2つの前記加熱装置を制御することによって、少なくとも2つの前記熱的に制御された領域の温度を制御するように構成される、
請求項15に記載の製作システム。
【請求項19】
一つ以上の基板保持領域を有する基板冷却モジュールを、さらに備え、前記基板冷却モジュールのそれぞれは、前記基板を収容するように構成され、前記基板冷却モジュールは、一つ以上の前記環境制御ユニットに結合された冷却エンクロージャ内に配置され、前記冷却エンクロージャは、前記基板が指定された温度を下回るまで前記基板を保持する、
請求項15に記載の製作システム。
【請求項20】
前記基板冷却モジュールは、オフセットされた積層構成で複数の基板冷却領域を備える、
請求項19に記載の製作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、以下の出願の各々の優先権の利益を主張する:(1)米国仮特許出願第61/921,034号(2013年12月26日出願、名称「DISPLAY DEVICE
FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)、(2)米国仮特許出願第61/921,218号(2013年12月27日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)、(3)米国仮特許出願第61/929,668号(2014年2月26日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)、(4)米国仮特許出願第61/945,059号(2014年2月26日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)、(5)米国仮特許出願第61/947,671号(2014年3月14日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)、(6)米国仮特許出願第61/986,868号(2014年4月30日出願、名称「Systems and Methods for the Fabrication of Inkjet Printed Encapsulation Layers」)、および、(7)米国仮特許出願第62/002,384号(2014年5月23日出願、名称「DISPLAY DEVICE FABRICATION SYSTEMS
AND TECHNIQUES USING INERT ENVIRONMENT」)。上記出願の各々は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(関連出願の引用)
本願は、米国特許出願公開第2013/0252533 A1号(Mauck、他、名称「GAS ENCLOSURE ASSEMBLY AND SYSTEM」)、米国特許出願公開第2013/0206058 A1号(Mauck、他、名称「GAS ENCLOSURE ASSEMBLY AND SYSTEM」)、および、米国特許第8,383,202号(Somekh、他、名称「METHOD AND APPARATUS FOR LOAD-LOCKED PRINTING」)に関連する。上記の各々は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0003】
光電子デバイス等の電子デバイスは、有機材料を使用して、特に、薄膜処理技法を使用して、製作されることができる。そのような有機光電子デバイスは、他のディスプレイ技術と比較して等、向上した電力効率および向上した視覚性能を提供するとともに、それらの比較的薄く平面的な構造により、容量的に小型であり得る。ある実施例では、そのようなデバイスは、競合技術と異なり、機械的に可撓性(例えば、折り畳み可能または曲げ可能)、または光透過性であり得る。有機光電子デバイスのための用途は、例えば、一般的照明、背景照明源としての使用、またはピクセル光源もしくは電子発光ディスプレイ内の他の要素としての使用を含むことができる。ある種の有機光電子デバイスは、例えば、小分子、ポリマー、蛍光、またはリン光性材料等の電子発光放射有機材料を使用して光を生成することができる有機発光ダイオード(OLED)デバイスを含む。
【0004】
1つのアプローチでは、OLEDデバイスは、一部、熱蒸発の技法を使用した基板上への一連の有機薄膜の真空堆積によって、製作されることができる。しかしながら、このような真空処理は、比較的、(1)複雑であること、概して、そのような真空を維持するように、大型真空チャンバおよびポンプサブシステムを伴うこと、(2)概して、より多くの材料が基板上に堆積させられるよりも無駄にされるように、そのようなシステムにおける材料の大部分が、概して、内部の壁および固定具上に堆積させられるため、有機未加工材料を無駄にすること、および(3)壁および固定具を開放して、蓄積した無駄な材料を掃除するように、真空堆積ツールの動作を頻繁に停止する必要性があることにより、維持することが困難である。さらに、OLED用途では、有機膜をパターンで堆積させることが望ましくあり得る。
【0005】
1つのアプローチでは、基板を覆ってブランケットコーティングが堆積させられることができ、所望のパターン化を達成するために、フォトリソグラフィが考慮されることができる。しかし、多くの用途では、特にOLED材料に対して、そのようなフォトリソグラフィプロセスは、堆積有機膜または下にある有機膜を損傷し得る。真空堆積方法を利用するときに堆積層を直接パターン化するために、いわゆるシャドウマスクが使用されることができる。そのような場合のシャドウマスクは、多くの場合、堆積領域のための切り抜きを伴う金属板として製造される、物理的ステンシルを備えている。シャドウマスクは、概して、堆積に先立って、基板と近接または接触して配置され、それに整列させられ、堆積中、定位置で保たれ、次いで、堆積後に除去される。シャドウマスクによるそのような直接パターン化は、真空ベースの堆積技法に実質的な複雑性を追加し、概して、基板に対して正確にマスクを取り扱って位置付けるための追加の機構および固定を伴い、(シャドウマスク上に堆積させられる材料からの無駄により)材料の無駄をさらに増加させ、シャドウマスク自体を連続的に掃除して交換する保守の必要性をさらに増加させる。シャドウマスク技法はまた、概して、ディスプレイ用途に必要とされるピクセルスケールパターン化を達成するために、比較的薄いマスクを伴い、そのような薄いマスクは、広い面積にわたって機械的に不安定であり、処理されることができる基板の最大サイズを制限する。拡張可能性を改善することが、OLED製造に対する主要な課題のままであるので、そのような拡張性への制限は、かなりのものであり得る。
【0006】
OLEDデバイスで使用される有機材料はまた、概して、酸素、オゾン、または水等の種々の周囲物質にさらすことに対して高度に敏感である。例えば、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層、遮断層、もしくは発光層を含むような、例えば、OLEDデバイスの種々の内部層で使用される有機材料は、種々の劣化機構の対象となり得る。そのような劣化は、少なくとも部分的に、各膜のバルク材料内、または全体的なデバイススタック内の層の間の界面においてのいずれかで、デバイス構造に化学的または電気的/光学的活性汚染物質を組み込むことによって駆動され得る。時間と共に、化学的活性汚染物質は、膜材料を劣化させる化学反応を膜において引き起こし得る。そのような化学反応は、いかなる他の誘因がないと、単純に時間の関数として起こり得るか、または例えば、周囲光学エネルギーもしくは注入電気エネルギーによって引き起こされ得る。電気的/光学的活性汚染物質は、動作中にデバイスにおいて導入または生成される電気または光学エネルギーのための寄生電気経路/光学経路を作成し得、そのような経路は、光出力の抑制、または正しくない光出力(例えば、誤ったスペクトルの光出力)の生成をもたらし得る。劣化または損失は、個々のOLEDディスプレイ要素の故障、OLED要素のアレイの部分における「黒い」斑点、可視的アーチファクトまたは「ムラ」、電気/光学効率の損失、もしくはOLED要素のアレイの種々の影響を受けた領域中の演色精度、コントラスト、もしくは輝度の不要な偏差として発現し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
印刷技法を使用して、OLEDデバイスの1つ以上の層が製作される(例えば、堆積させられる、またはパターン化される)ことができる。例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、放射材料、電子輸送材料、正孔遮断材料、または電子注入材料等の有機材料が、例えば、キャリア流体(例えば、溶媒)中に溶解させられるか、または別様に懸濁させられることができ、パターン化された層を提供するように、インクジェット印刷およびキャリア流体の後続の蒸発によって、有機材料を含むOLEDデバイスの層が形成されることができる。別のアプローチでは、噴出を通して基板上に堆積させるために、固相有機材料が熱的に蒸発させられることができる。さらに別のアプローチでは、有機材料がキャリア液体中に溶解させられるか、または別様に懸濁させられることができ、線を形成するように基板上にノズルから流体における連続流を分注し(いわゆる「ノズル印刷」または「ノズルジェット」)、後に、線パターン化された層を提供するようにキャリアを蒸発させることによって、有機材料を含むOLEDデバイスの層が形成されることができる。そのようなアプローチは、概して、印刷システムを使用して行われることができるような有機「印刷」技法と称されることができる。
【0008】
実施例では、電子デバイス製作システムは、基板上に第1のパターン化された有機層を堆積させるように構成される、第1の印刷システムを含むことができ、パターン化された層は、基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備え、第1の印刷システムは、第1の処理環境内に位置し、第1の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、およびオゾン含量のうちのいずれか1つ以上のものの規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている。電子デバイス製作システムは、熱的に制御された領域の積層構成を含む、封入型熱処理モジュールを含むことができ、熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、封入型熱処理モジュールは、制御された第2の処理環境を提供し、第2の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量のうちのいずれか1つ以上のものの規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている。本システムは、装填モジュールに連結されるか、または装填モジュールとして構成されるような基板移送モジュールであって、印刷システムから基板を受け取るように構成され、かつ基板を封入型熱処理モジュール内の第2の処理環境に提供するように構成される、基板移送モジュールを含むことができる。第1の印刷システム内の基板の印刷中の第1の処理環境の酸素含量は、熱処理モジュール内の基板の熱処理中の第2の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きくあり得る。実施例では、第2の処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素、または1000パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気、または1000パーツ・パー・ミリオン未満のオゾン、もしくは3つの任意の組み合わせを有する、環境を維持するように確立されることができる。
【0009】
製作システムは、各々が基板を収容するように構成される1つ以上の基板保持領域を含む封入型基板冷却モジュールを含むことができ、基板冷却モジュールは、基板が規定閾値温度を下回るまで、基板を冷却するように規定される持続時間に対して基板を保持するように構成される。封入型冷却モジュールは、第3の処理環境を確立するように構成されることができ、第3の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量のうちの1つ以上のものの規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている。実施例では、第2および第3の環境は、実質的に類似し得る。
【0010】
本明細書で説明されるシステムおよび技法は、1つ以上の光電子デバイスを含むような一連の異なる電子デバイス構成を製造することの支援において使用されることができる。例えば、本明細書で説明されるシステムおよび技法を少なくとも部分的に使用して、フラットパネルディスプレイデバイスが製作されることができる。そのようなフラットパネルディスプレイデバイスは、有機発光ダイオード(OLED)フラットパネルディスプレイを含むことができる。いくつかのOLEDフラットパネルディスプレイは、基板(または「マザー」ガラス)上で処理されることができる。「基板」という言葉、または「製作されている基板」という語句の使用は、概して、OLEDデバイスを含むことができる、処理中のアセンブリを指す。本明細書の実施例は、特定のパネル幾何学形状またはサイズに制約される必要はない。例えば、そのようなシステムおよび技法は、約37センチメートル(cm)×約47cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、第2キャリア(「Gen 2」)サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作を支援して、使用されることができる。本明細書で説明されるシステムはまた、約61センチメートル(cm)×約72cmの寸法を含む長方形の幾何学形状を有する等、第3.5キャリア(「Gen 3.5」)基板サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作を支援して等、若干大きい基板幾何学形状に使用されることもできる。本明細書で説明されるシステムはまた、約130cm×150cmの寸法を有する「Gen 5.5」、または約195cm×225cmの寸法を有する「Gen 7」もしくは「Gen 7.5」基板に対応する基板サイズを有する、基板上のディスプレイデバイスの製作の支援において等、さらに大きい基板幾何学形状に使用されることもできる。例えば、Gen 7またはGen
7.5基板は、8枚の42インチ(対角寸法)または6枚の47インチ(対角寸法)フラットパネルディスプレイに単体化される(例えば、切断または別様に分離される)ことができる。「Gen 8」基板は、約216×246cmの寸法を含むことができる。「Gen 8.5」基板は、約220cm×250cmの寸法を含むことができ、かつ基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルを提供するように単体化されることができる。
【0011】
本明細書で説明されるシステムおよび技法を使用して、Gen 8.5を超える寸法が支持されることができる。例えば、本明細書で説明されるシステムおよび技法を少なくとも部分的に使用して、約285cm×305cmまたはそれを超える寸法を有する「Gen 10」基板が製作されることができる。本明細書で説明されるパネルサイズは、概して、ガラス基板に適用可能であるが、ディスプレイデバイス製作、具体的には、印刷技法を使用して1つ以上の層を形成することを含むことができる、OLEDディスプレイ製作で使用するために好適な任意の材料の基板に適用されることができる。例えば、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料、例えば、ポリイミドが使用されることができる。
【0012】
本概要は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図している。本発明の排他的または包括的説明を提供することは意図されていない。本特許出願についてのさらなる情報を提供するように、発明を実施するための形態が含まれる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
電子デバイス製作システムであって、
基板上に第1のパターン化された有機層を堆積させるように構成されている第1の印刷システムであって、前記パターン化された層は、前記基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備え、前記第1の印刷システムは、第1の処理環境内に位置し、前記第1の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、第1の印刷システムと、
熱的に制御された領域の積層構成を含む封入型熱処理モジュールであって、前記熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、前記領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、前記封入型熱処理モジュールは、制御された第2の処理環境を提供し、前記第2の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、封入型熱処理モジュールと、
前記第1の印刷システムから前記基板を受け取るように構成され、かつ前記基板を前記封入型熱処理モジュール内の前記第2の処理環境に提供するように構成されている基板移送モジュールと
を備え、
前記第1の印刷システム内の前記基板の印刷中の前記第1の処理環境の前記酸素含量は、前記熱処理モジュール内の前記基板の熱処理中の前記第2の処理環境の前記酸素含量より少なくとも100倍大きい、電子デバイス製作システム。
(項目2)
1つ以上の基板保持領域を含む封入型基板冷却モジュールを備え、前記基板保持領域の各々は、前記基板を収容するように構成され、前記基板冷却モジュールは、前記基板が規定閾値温度を下回るまで前記基板を冷却するように規定される持続時間に対して前記基板を保持するように構成され、
前記封入型冷却モジュールは、第3の処理環境を確立するように構成され、前記第3の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、
項目1に記載の製作システム。
(項目3)
前記基板移送モジュールは、前記封入型熱処理モジュール内の前記第2の処理環境から前記基板を受け取るように構成され、かつ前記基板を前記封入型冷却モジュール内の前記第3の処理環境に提供するように構成されている、項目2に記載の製作システム。
(項目4)
前記印刷モジュール内の前記基板の印刷中の前記第1の処理環境の酸素含量は、前記冷却モジュール内の前記基板の冷却中の前記第3の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きい、項目2に記載の製作システム。
(項目5)
前記規定閾値温度は、100℃である、項目2に記載の製作システム。
(項目6)
前記冷却モジュールは、積層構成における複数の基板冷却領域を備え、各ステーションは、互からオフセットされている、項目2に記載の製作システム。
(項目7)
前記第2および第3の処理環境は、実質的に同一である、項目2に記載の製作システム。
(項目8)
前記第1の処理環境は、100ppmを下回る含水量および100ppmを下回るオゾン含量を維持するように制御された清浄乾燥空気を備えている、項目1に記載の製作システム。
(項目9)
前記第2の処理環境は、前記基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される精製非反応性ガスを備えている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目10)
前記第2の処理環境は、大気圧を上回る窒素を含む、項目9に記載の電子デバイス製作システム。
(項目11)
前記第2の処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、100パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有する環境を維持するように確立されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目12)
前記第1の処理環境は、1,000パーツ・パー・ミリオンを超える酸素の環境を含む、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目13)
前記印刷システムから前記基板を移送するように構成されている第1のハンドラを備えている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目14)
前記第1のハンドラと異なる環境内に位置する第2のハンドラを備え、前記第2のハンドラは、前記基板を前記熱処理モジュールに移送するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目15)
前記第2のハンドラは、前記熱的に制御された領域のうちの規定のものの中に前記基板を配置するように構成されている、項目14に記載の電子デバイス製作システム。
(項目16)
前記基板移送モジュールは、前記第1の印刷システムおよび前記封入型熱処理モジュールから離れている少なくとも1つのチャンバを備えている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目17)
前記第1の印刷システムは、封入されており、前記基板移送モジュールは、前記封入された第1の印刷システムと前記封入型熱処理モジュールとの間に位置している、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目18)
前記封入型熱処理モジュールは、可動プラットフォームを使用して、基板装填および取り外しのための前記熱的に制御された領域のうちの異なる領域へのアクセスを提供するように構成され、前記可動プラットフォームは、少なくとも1つの軸において前記熱的に制御された領域を移動させるように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目19)
前記印刷システムは、インクジェット印刷システムを備えている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目20)
前記基板移送モジュールは、封入型内部モジュールを備え、前記封入型内部モジュールは、前記第1の処理環境から基板を受け取り、前記第2の処理環境に前記基板を提供するように構成され、前記基板は、前記プリンタから前記熱処理モジュールに前記基板を移送するプロセスにおいて前記第2の処理環境を通過する、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目21)
前記基板移送モジュールは、前記封入型熱処理モジュール内の前記第2の処理環境の粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の前記規定限界を維持しながら、前記プリンタから前記熱処理モジュールに基板を移送するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目22)
前記基板移送モジュールは、前記熱処理モジュール内の酸素の濃度を10パーツ・パー・ミリオンより大きいレベルまで上昇させることなく、大気圧以上の環境に前記基板を提供するように前記基板を前記封入型熱処理モジュールに提供するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目23)
前記封入型熱処理モジュール内で前記基板を移動させるように構成されている基板ハンドラを備えている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目24)
前記熱的に制御された領域の各々は、規定基板温度を提供するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目25)
前記熱的に制御された領域の各々は、規定基板温度一様性を提供するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目26)
前記第1のパターン化された有機層の堆積後に前記基板を受け取るように構成されている乾燥モジュールを備え、前記乾燥モジュールは、印刷動作中に堆積させられた前記第1のパターン化された有機層を備えているインクを乾燥させるように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目27)
前記乾燥モジュールは、前記乾燥モジュール内の雰囲気を少なくとも部分的に排出すること、またはパージすることのうちの1つ以上を行い、乾燥動作を促進するように構成されている、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目28)
前記第2の処理環境は、10パーツ・パー・ミリオン未満の酸素を有する環境を含む、項目1に記載の電子デバイス製作システム。
(項目29)
電子デバイス製作システムであって、
各々が基板上にパターン化された有機層を堆積させるように構成されている2つ以上の印刷システムであって、前記パターン化された層は、前記基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備え、前記2つ以上の印刷システムは、第1の処理環境内に位置し、前記第1の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、2つ以上の印刷システムと、
熱的に制御された領域の積層構成を含む封入型熱処理モジュールであって、前記熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、前記領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、前記封入型熱処理モジュールは、制御された第2の処理環境を提供し、前記第2の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、封入型熱処理モジュールと、
前記2つ以上の印刷システムから前記基板を受け取るように構成され、かつ前記基板を前記封入型熱処理モジュール内の前記第2の処理環境に提供するように構成されている基板移送モジュールと
を備え、
前記2つ以上の印刷システムのうちの少なくとも1つの中の前記基板の印刷中の前記第1の処理環境の酸素含量は、前記熱処理モジュール内の前記基板の熱処理中の前記第2の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きい、電子デバイス製作システム。
(項目30)
前記2つ以上の印刷システムの各々は、前記基板上に異なるパターン化された有機層を堆積させるように構成され、
前記封入型熱処理モジュールは、前記異なるパターン化された有機層の堆積の間またはその後に、熱処理を前記基板に提供するように構成されている、
項目28に記載の電子デバイス製作システム。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
【
図1B】
図1Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。
【
図2A】
図2Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
【
図2B】
図2Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。
【
図3A】
図3Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。
【
図3B】
図3Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。
【
図4A】
図4A、4B、4C、および4Dは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図4B】
図4A、4B、4C、および4Dは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図4C】
図4A、4B、4C、および4Dは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図4D】
図4A、4B、4C、および4Dは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図5A】
図5A、5B、5C、および5Dは、概して、熱処理領域の固定積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール構成の種々の実施例を図示する。
【
図5B】
図5A、5B、5C、および5Dは、概して、熱処理領域の固定積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール構成の種々の実施例を図示する。
【
図5C】
図5A、5B、5C、および5Dは、概して、熱処理領域の固定積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール構成の種々の実施例を図示する。
【
図5D】
図5A、5B、5C、および5Dは、概して、熱処理領域の固定積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール構成の種々の実施例を図示する。
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、概して、基板の浮動運搬を提供することができる、印刷システムの実施例を図示する。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、概して、基板の浮動運搬を提供することができる、印刷システムの実施例を図示する。
【
図7A】
図7Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の等角図を図示する。
【
図7B】
図7Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の平面図を図示する。
【
図7C】
図7Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システムおよび熱処理モジュールを含むことができるようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。
【
図8】
図8は、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用される製作機器を収納するエンクロージャ内で制御された環境を確立または維持するように、本明細書で説明される1つ以上の他の実施例の部分または全体に関して使用されることができる、ガス精製方式の概略図を図示する。
【
図9A】
図9Aおよび9Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスの供給を含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
【
図9B】
図9Aおよび9Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスの供給を含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
【
図10A】
図10Aおよび10Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ例えば、浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスおよび少なくとも部分的真空を提供する送風機ループを含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
【
図10B】
図10Aおよび10Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ例えば、浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスおよび少なくとも部分的真空を提供する送風機ループを含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
【
図10C】
図10Cは、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するように、1つ以上のガスまたは空気源を統合および制御するためのシステムのさらなる実施例を図示する。
【
図11A】
図11A、11B,および11Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【
図11B】
図11A、11B,および11Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【
図11C】
図11A、11B,および11Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【
図12A】
図12Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、他のチャンバまたはモジュールに連結された移送モジュールを含むようなシステムの一部を図示する。
【
図12B】
図12Bは、概して、
図12Aに示されるモジュール内の基板を操作するため等に使用されることができる、ハンドラ構成を図示する。
【
図13A】
図13Aおよび13Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、基板バッファリング、冷却、乾燥、または他の処理領域の積層構成を含むことができるようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【
図13B】
図13Aおよび13Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、基板バッファリング、冷却、乾燥、または他の処理領域の積層構成を含むことができるようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面では、類似数字が異なる図で類似する構成要素を表し得る。異なる接尾文字を有する類似数字は、類似する構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、限定ではないが、一例として、本書で議論される種々の実施形態を図示する。
【0015】
本発明者らは、とりわけ、制御された処理環境を有するようなモジュールの配列を使用して、種々の電子デバイス製作動作が行われることができることを認識している。例えば、モジュールの配列が、個々に維持された制御された環境を有するそれぞれのモジュールを含むことができるか、もしくはモジュールのうちの1つ以上のものが、他のモジュールと制御された処理環境を共有することができる。1つのモジュールまたはモジュールの組み合わせの環境は、他のモジュールと異なり得る。ガス精製、温度制御、溶媒排除、または粒子状物質制御のうちの1つ以上のもの等の設備が、モジュール間で共有されることができるか、または専用様式で提供されることができる。実施例では、基板は、1つ以上の有機発光ダイオード(OLED)デバイス等の1つ以上の光電子デバイスを含むことができる。
【0016】
多くのOLEDデバイスを含む基板等の製作されているOLEDデバイスは、例えば、装填モジュール(例えば、「ロードロック」)、ハンドラを含む移送モジュール、もしくは1つ以上の封入型モジュールの外部のハンドルのうちの1つ以上のものを使用する等して、製作機器へ、またはそこから移送されることができる。モジュール間のインターフェースは、ガスカーテンまたはゲート弁配列のうちの1つ以上のものを使用することを含むことができる。このようにして、それぞれの製作されている基板の移送は、封入型モジュールの環境を実質的に変化させることなく起こることができる。本発明者らは、それぞれのモジュール内の制御された(例えば、非反応性および粒子状物質の制御された)環境を実質的に変化させることなく、または各封入型モジュール内の大量の時間がかかるパージを必要とすることなく、制御された雰囲気を含むライン要素が開放空気または真空プロセス等の他の製作プロセスと統合されることをロードロック配列の使用が可能にできることを認識している。1つ以上の封入型モジュールの処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、または有機蒸気含量のうちの1つ以上のものの規定限界を下回ったままであるように確立される等、制御されることができる。1つ以上の封入型モジュールの処理環境は、そのような1つ以上の封入型モジュールを包囲する大気圧とほぼ等しいか、またはそれを上回る内圧を維持するようにさらに制御されることができる。
【0017】
実施例では、製作システム内のモジュールの配列は、特に、製作システムが1つ以上の印刷プロセスによるコーティングの堆積を伴う場合に、熱処理モジュールを含むことができる。熱処理モジュールは、各々が製作されているそれぞれの基板を収容するように構成されるような、それぞれの熱的に制御された領域を含むことができる。熱処理モジュールのエンクロージャは、温度コントローラによって制御される熱源を使用して確立される調節可能温度を含むことができ、熱的に制御された領域は、少なくとも部分的に熱源を使用して、規定温度または規定温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように構成される。それぞれの熱的に制御された領域は、(例えば、「積層」構成等の垂直または水平構成において)熱処理システムの規定軸に沿って互からオフセットされることができる。実施例では、各基板が熱的に制御された領域のうちのそれぞれの領域の中に位置するときに、製作されている各基板の表面と実質的または完全に平行な方向へ層流が提供されることができる。実施例では、層流は、熱処理モジュール内の制御された処理環境の大気成分を含むことができる。
【0018】
本発明者らはまた、OLED製造を含むような多くの製造プロセスでは、熱処理動作が製造ライン内の他の処理動作のうちの1つ以上のものに対して持続時間が長くあり得ることを認識している。例証的実施例では、熱処理動作は、持続時間が約5~約60分であり得る一方で、印刷動作等の処理動作は、持続時間が約1~3分しか持続しない場合がある。単一のプロセスチャンバのみが各動作に使用される場合、これは、最も遅い個々のプロセスチャンバにスループットが限定されるであろう、ラインにおける非効率を生じ得る。
【0019】
1つのアプローチでは、上記の問題は、ライン内の最も速いチャンバの処理速度についていくために多くの個々の熱処理チャンバを(例えば、別個のユニットとして)利用することによって解決されることができる。しかしながら、本発明者らは、単一の大型エンクロージャまたはユニットを提供するが、潜在的に長い熱処理時間にもかかわらず、ユニット内で多くの基板の並行熱処理を提供することによってスループットを増加させるような、単一システム内で複数の基板のための空間または「スロット」を有する、積層熱処理構成を提供することが有利であり得ることをも認識している。さらに、本発明者らは、そのような熱処理ステップが制御された環境内での処理を含むときに、基板を装填および取り外しするとき、ならびにそのような多重基板熱処理モジュールを使用するときに清浄な、粒子を含まない環境を提供することに関する側面を特に考慮できることを認識している。例えば、そのような制御された処理環境を有する、熱処理モジュールは、規定純度レベルを有するガス(例えば、窒素)を含む雰囲気を提供することを含むことができる。そのような純度レベルはまた、製作中のOLEDデバイスの劣化を防止するため、または欠陥を阻止もしくは抑制するように、酸素または水等の他の種の制御された最大不純物濃度を含むこともできる。粒子状物質制御もまた、不活性環境内の規定粒子状物質レベルを維持するため等に提供されることができる。
【0020】
図1Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システム2000および熱処理モジュール5000を含むようなシステム1000Aの少なくとも一部の平面図の実施例を図示し、
図1Bは、概して、システム1000Aの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。熱処理モジュール5000は、
図5A、5B、5C、5Dの実施例に示されるような、または本明細書の他の実施形態で説明されるような構成を含むことができる。
【0021】
システム1000Aは、印刷システム2000に連結された移送モジュール1400Aを有するようなクラスタ化構成を含むことができる。1つ以上の他のモジュールが、移送モジュール1400Aを通して等、印刷システム2000に連結されることができる。例えば、熱処理システム5000および処理モジュール1200は、第1の移送モジュール1400Aに連結されることができる。熱処理システム5000は、
図5A、5B、5C、および5Dの実施例に示され、説明されるように、本明細書に説明される他の実施例で記述されるような積層構成を含むことができる。処理モジュール1200は、
図13Aおよび13Bで例証的に示されるような積層構成において等、単一の基板または複数の基板を収容することができるような保持またはバッファモジュールを含むことができる。別のモジュールが基板を受け取る準備ができるまで、ある期間にわたってそれを保持すること、または欠陥のある、もしくは損傷した基板を除去することができるまで、それらを保持する場所を提供すること等の基板フロー管理の目的で基板を単純に保持することに加えて、機能的プロセスフローの一部として、ある期間にわたって基板を保持するために、保持またはバッファモジュールを使用することもできる。例えば、熱処理動作後に、基板は、基板を保持またはバッファモジュール内の周辺環境とほぼ熱平衡にするように、保持またはバッファモジュールの中で保持されることができる。
【0022】
実施例では、基板が1つの状態から別の状態に進化することを可能にするように、時限保持動作が行われ得る。例えば、液体材料が基板上に堆積させられる印刷動作後、かつ固体膜を形成する硬化動作に先立って、規定持続時間を有する時限保持動作は、熱処置または光学処置を含む硬化動作等の硬化動作を介して膜を固定する前に、液体が流動すること、沈殿すること、乾燥すること、または3つの任意の組み合わせを行うことを可能にするために使用され得る。処理モジュール1200は、
図13Aで例証的に示されるような積層構成において等、単一の基板または複数の基板を収容することができるような真空乾燥モジュールを含むことができる。そのような真空乾燥モジュールは、印刷によって基板上に堆積させることができるような液体材料の(大気圧を下回る圧力における)乾燥を提供することができる。実施例では、システム1000Aは、上記で説明されるような種々の機能を提供する保持モジュールと、別個の真空乾燥モジュールとの両方を含むことができる。代替として、(または加えて)、システム1000Aは、ある持続時間中、大気圧において、またはほぼ大気圧において、保持またはバッファリングを提供するように、かつ他の持続時間中、真空乾燥を提供するように構成される保持モジュールを含むことができる。
【0023】
制御された処理環境を有するようなシステム1000Aは、封入されることができる。そのような制御された処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、および有機蒸気含量のうちの1つ以上のものの規定限界を下回ったままであるように確立されることができる。例えば、制御された処理環境は、システム1000Aを使用して処理されている基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される、窒素、または別のガスもしくはガスの混合物を含むことができる。以下の他の実施形態で説明されるように、そのような制御された処理環境は、(例えば、
図8、9A-9B、10A-10Bに示されるように)システム1000Aの種々の部分内に含まれるか、またはそれらに連結されるガス精製システムを少なくとも部分的に使用して、確立されることができる。本明細書の他の実施例で示され、説明されるように、例えば、システム1000Aに連結されるか、またはシステム1000Aの1つ以上のモジュール内に位置する装置を使用して、制御された環境の粒子状物質レベルも制御されることができる。
【0024】
例証的実施例として、処理モジュール1200、印刷システム2000、移送モジュール1400Aのうちの1つ以上のものは、共有ガス精製設備、単一の専用ガス精製設備、またはシステム1000の異なる部分と個々に関連付けられる複数の専用ガス精製設備によって確立される制御された環境を含むことができる。例えば、種々のモジュールは、システム1000の制御された環境の全体がパージされるか、またはそうでなければ汚染されることを必要とせずに、計画上のシステム動作中または保守中に行われ得るような種々の動作を可能にするために、システム1000の他の部分から制御可能に隔離されるように、ゲートまたは弁を含むことができる。
【0025】
システム1000Aは、製作されている1つ以上の基板のための進入点または退出点を提供するように、第1の装填モジュール1100Aまたは第2の装填モジュール1100Aのうちの1つ以上のもの等の1つ以上の装填モジュールを含むことができる。第1または第2の装填モジュール1100Aまたは1100Bは、システム1000Aを製造ライン内の他の装置に直接連結するか、またはさらに、例えば、他の装置へ、もしくはそこから輸送することができる取り外し可能なアセンブリを提供するために、固定されることができるか、または取り外し可能であり得る。例えば、第1または第2の装填モジュール1100Aまたは1100Bのうちの1つ以上のものは、システム1000A内の環境と異なる環境へ、またはそこから基板を移送するように構成されることができる
例えば、第1の装填モジュール1100Aまたは第2の装填モジュール1100Bは、真空源またはパージ源、もしくは両方に連結されることができ、かつシステム1000Aへのインターフェースポートと、前または次の環境(周囲環境、または別の封入型処理モジュールに関連付けられる制御された環境であり得る)へのインターフェースポートとを独立して密閉するために構成されることができる。このようにして、第1または第2の装填モジュール1100Aまたは1100Bは、それ自体を内部に密閉し、システム1000Aと適合性がないものとシステム1000Aと適合性があるもの(例えば、インターフェースポートを介してシステム1000Aにさらされたときに、システム1000A内の制御された環境の質を実質的に維持するであろう、ほぼ大気圧における、または大気圧を上回る制御された環境)との間で装填モジュール1100Aまたは1100Bの内部環境を変化させることができる。同様に、第1の装填モジュール1100Aまたは第2の装填モジュール1100Bは、他の処理に好適な環境(例えば、大気圧またはその付近にあるが、制御された環境と異なる組成を有する、第2の環境、または真空環境)に基板を移送するために使用されることができる。このようにして、第1または第2の装填モジュール1100Aおよび1100Bは、システム1000Aの制御された環境と他の装置との間に移送導管を提供することができる。
図1Aおよび1Bは、移送モジュール1400Aに連結された単一の処理モジュール1200を示すが、以下の実施例で示され、議論されるような他の構成も可能である。
【0026】
上記のように、第1の装填モジュール1100Aまたは第2の装填モジュール1100Bは、恒久的に取り付けられた構成、またはカートもしくは他の輸送可能構成を含むことができる。製作されている基板は、例えば、システム1000A内に位置するハンドラを使用するか、もしくは第1のハンドラ1410Aまたは第2のハンドラ1410B等の他の場所に位置する1つ以上のハンドラを使用して、ポートを通して装填モジュール1100Aまたは1100Bのうちの1つの内側に配置されることができる。
【0027】
実施例では、次いで、装填モジュール(例えば、第1の装填モジュール1100A)は、封入システム1000Aの内部にさらすことに対して装填モジュールの内部領域を準備するために、1つ以上のパージ動作を含むように、非反応性雰囲気を提供されるか、または別様に精製ガス流を使用して「充填」されることができる。例えば、システム1000Aの他の部分によって画定される封入領域内の制御された処理環境の粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、オゾン含量、および有機蒸気含量の規定限界を超える様式における汚染を回避するために、第1または第2の装填モジュールのうちの1つ以上のものの内部領域が、少なくとも部分的に排出またはパージされることができる。
【0028】
同様に、システム1000Aによる処理後に、製作されている基板は、第1または第2の装填モジュール1100Aまたは1100Bの中に配置されることができる。例証として、例えば、第2の装填モジュール1100Bは、システム1000A内の他の場所の非反応性ガス環境から隔離され、例えば、真空条件下での後続の処理のために、または別様に、第2の装填モジュール1100B内に提供される真空条件、周囲条件、もしくはある他の静的な制御された環境下での他の装置または処理への製作されている基板の輸送のために、排出されるように真空源に連結されることができる。代替として(または加えて)、基板は、システム1000Aのエンクロージャから退出すると、さらなる処理または取り扱いのために第1の装填モジュール1100Aに戻されることができる。さらなる例証として、第1または第2の装填モジュールのうちの1つは、封入領域内で、反応性種の濃度を、1000パーツ・パー・ミリオンを上回って上昇させることなく、または同様に、周囲粒子レベルを規定量を上回って上昇させることなく、もしくは基板の1平方メートルにつき規定サイズの規定数を上回る粒子を基板上に堆積させることなく、基板をシステム1000A内の制御された処理環境に提供するように構成されることができる。
【0029】
実施例では、第1の装填モジュール1100Aは、ポート(例えば、実質的にガス不透過性のシールを有する物理的ゲートを含む)またはガスカーテンによって、移送モジュール1400Aに連結されることができる。ポートが開放されているとき、第1の移送モジュール1400Aの中に位置するハンドラによって、第1の装填モジュール1100Aの内部がアクセスされることができる。ハンドラは、エンドエフェクタを使用して基板を操作するように、種々の自由度を有するロボットアセンブリを含むことができる。そのようなエンドエフェクタは、重力によって基板を支持するように構成されるトレイまたはフレームを含むことができるか、またはエンドエフェクタは、上向きまたは下向き構成から1つ以上の他の構成への基板の向きを変えることを可能にするように、基板をしっかりと握り、締め付け、または別様に保持することができる。エンドエフェクタの部分を作動させるか、または別様に基板を保持するかのいずれかのために、空気圧または真空操作式特徴を含むような他のエンドエフェクタ構成が使用されることができる。ハンドラを含む移送モジュールの例証的実施例が、
図11Aから11C、ならびに
図12Aおよび12Bに示されている。
【0030】
処理モジュール1200は、システム1000Aに含まれる他のモジュールに類似する、制御された環境を有する封入型モジュールを備えていることができる。他の実施形態で説明されるように、処理モジュール1200内の制御された環境は、(例えば、保守のための、または特定の処理タスクに関係付けられるような)システム1000Aの他の封入領域から隔離可能であるように、システム1000Aの他の部分と独立して維持されることができる。例証的実施例では、処理モジュール1200は、それぞれの環境を制御された領域を提供し、製作されているそれぞれの基板を収容するように構成される保持モジュールを含むことができる。それぞれの基板は、ハンドラおよびエンドエフェクタを使用して、それぞれの環境を制御された領域に運搬されることができる。環境を制御された領域は、「スタックバッファ」構成を提供するように、「保持」モジュールの規定(例えば、垂直)軸に沿って互からオフセットされることができる。このようにして、1つ以上の基板は、1つ以上の他のモジュール内のさらなる処理のために待ち行列に入れられる等、システム1000Aの制御された環境内でバッファリングまたは貯蔵されることができる。
【0031】
例えば、次のモジュールが基板を受け取る準備ができるまで、そのような基板を待ち行列に入れることに加えて(または基板を待ち行列に入れる代わりに)、保持モジュールは、例えば、乾燥機能、冷却機能を提供することによって、または基板が1つの状態から別の状態に進化することを可能にするよう規定持続時間に対して(または規定基準が満たされるまで)基板を保持することによって、基板製作プロセスに機能的に関与することができる。基板を進化させる目的で保持する場合、例えば、基板は、液体が沈殿または流動することを可能にするよう保持されることができる。基板を冷却する場合、例えば、前の熱処理動作後に、または後続の印刷プロセスのために印刷モジュールの中へ装填する前に、基板は、規定持続時間に対して、または規定温度範囲内になるまで(もしくは両方で)保持されることができる。そのような用途では、冷却プロセスは、
図13Bに示されるように、基板の面にわたり流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたって温度制御されたガス流の制御された適用を通して、制御されることができる。
【0032】
保持モジュール内の制御された環境の温度は、冷却プロセスを減速または加速するよう上昇または低下させられることができ、一般に、保持モジュール温度は、他のシステムモジュール、例えば、印刷モジュールまたは基板取り扱いモジュールの中、もしくはそれらを包囲する環境の温度と同一である必要はない。代替として(または加えて)、冷却プロセスはさらに、基板を支持するチャック構成を使用して制御されることができる。例えば、基板は、基板(または基板の少なくとも複数部分)と能動的に冷却されたトレイまたはチャックとの間の物理的接触によって保持されることができる。別の実施例では、基板は、(印刷または熱処理動作のうちの1つ以上のもののためのガスの浮動式クッションを使用して基板が支持される場合等の本明細書に説明される他の実施例と同様に)能動的に冷却されたガスのクッション上に置かれることができる。基板を損傷する可能性を低減させるために、基板は、30秒(30s)を上回る、60秒を上回る、120秒を上回る規定持続時間に対して、もしくは1つ以上の他の規定持続時間に対して等、ゆっくりと冷却されることができる。したがって、実施例では、基板は、能動的冷却トレイ、チャック、またはガスクッション上に基板を直接配置することと比較して、熱衝撃を回避するように、上記で説明されるように主に周囲ガス流を使用して冷却されることができる。しかしながら、能動的冷却トレイ、チャック、またはガスクッション上の冷却速度も、例えば、リフトピンの制御された移動または基板ハンドラの制御された移動の使用によって、基板がトレイ、チャック、またはガスクッション上に降下される速度を制御することによって、制御されることができる。
【0033】
代表的な印刷プロセス実施例では、基板が、(例えば、前の熱処理の結果として)印刷モジュール環境の周囲温度を実質的に上回る温度において受け取られ、そのような基板は、基板の周辺の周囲温度との平衡を達成するように、連続冷却を受け得る。そのような冷却は、概して、基板を印刷モジュールに移送することに関与する時間と比較すると、持続時間が長くあり得る期間にわたって起こることができる。さらに、印刷プロセスの開始に先立って冷却することなく、基板は、印刷プロセス中に実質的な温度変化を受け、これは順に、印刷プロセスの開始と終了との間の基板の機械的収縮につながり得る。そのような収縮は、基板上のインクの配置において誤差を生じ得る。種々の例証的実施例によると、基板は、印刷モジュールの中へ装填する前に、60秒、120秒、240秒、または480秒の最短持続時間、もしくは別の規定持続時間に対して保持されることができる。
【0034】
例証的実施例によると、基板は、印刷モジュールの中へ装填する前に、基板温度が印刷モジュールの環境内の温度の10℃、5℃、2℃、または1℃のうちの1つ以内となるまで保持されることができる。例証的実施例では、保持モジュールが25℃の制御された内部温度において動作するように処理モジュール1200が構成されている場合、基板は、約200℃の温度において移送モジュール1400A内のハンドラによって受け取られることができ、移送モジュール1400A内のハンドラによって処理モジュール1200の中へ配置されることができる。本例証的実施例では、移送モジュール1400A内のハンドラを介して、処理モジュール1200から25℃の制御された内部温度において動作する印刷システム2000に基板を移送する前に、基板は、少なくとも240秒の期間にわたって保持モジュールの中で保持されることができ、それによって、基板は、保持チャンバ制御内部温度の5℃以内まで冷却される(すなわち、本実施例では、基板が30℃またはそれを下回るまで冷却される)。本例証的実施例の変形例では、処理モジュール1200は、基板が30秒の期間にわたって降下させられ、その後に30秒の期間にわたってチャック上で保持される、能動的に冷却された真空チャックを含むことができ、その時間までに、基板は、印刷システム2000作業温度の5℃以内であり、その時点の後に、基板は、印刷システム2000に移送されることができる。本例証的実施例のさらに別の変形例では、処理モジュール1200は、基板が30秒の期間にわたって降下させられ、その後に30秒の期間にわたってチャック上で浮動させられる、能動的に冷却された浮動式プラットフォームを含むことができ、その時間までに、基板は、印刷システム2000作業温度の5℃以内であり、その時点の後に、基板は、印刷システム2000に移送されることができる。
【0035】
2つの印刷動作を伴う別の代表的な印刷プロセスでは、例えば、第1のコーティングを印刷した後、約120℃~約300℃の温度を使用して基板を処理することを含む熱処理が、第1のコーティングに対して行われ得、そのような熱処理に続いて、基板は、第2のコーティングを印刷するための印刷モジュールに移送する前に、冷却するために保持されることができる。代表的実施例では、例えば、処理モジュール1200が、保持モジュールが25℃の制御された内部温度において動作するように構成される場合、印刷システム2000におけるコーティングの印刷に続いて、基板は、移送モジュール1400A内のハンドラによって熱処理モジュール5000に移送され、その中で5分を超える持続時間に対して約200℃の温度まで加熱されることができ、その後、移送モジュール1400A内のハンドラは、基板を処理モジュール1200に移送する。本例証的実施例では、移送モジュール1400A内のハンドラを介して、処理モジュール1200から印刷システム2000に戻して、またはその後に基板が別の印刷システムもしくは他の機器に移送される、装填モジュール1100Aまたは1100Bに基板を移送する前に、基板は、少なくとも240秒の期間にわたって保持モジュールの中で保持されることができ、それによって、基板は、保持チャンバ制御内部温度の5℃の以内まで冷却される(すなわち、本実施例では、基板が30℃またはそれを下回るまで冷却される)。冷却の目的で保持するステップが、30秒~90秒、60秒~120秒、または90秒~240秒であり得る、印刷動作のための持続時間に対して長い場合において、種々の代表的実施例では、本発明者らは、保持モジュールがより高いスループットをサポートするために、積層構成が重要であり得ることを認識している。
【0036】
処理モジュール1200において基板を乾燥させる場合、制御された環境は、蒸気トラップまたはガス再循環および精製システムによって、蒸発した蒸気の連続除去を提供することができ、乾燥プロセスはさらに、
図13Bに示されるように、基板の面にわたって流動するように提供されることができる層流等の基板表面にわたるガス流の制御された適用を通して、制御されることができる。実施例では、処理モジュール1200は、乾燥モジュールを含み、システム1000Aは、乾燥モジュール内の雰囲気を少なくとも部分的に排出またはパージし、例えば、印刷動作の後、または熱処理モジュール5000を使用する熱処理動作の前のうちの1つ以上において、乾燥動作を促進するように構成される。本実施例では、乾燥動作および乾燥モジュールは、熱処理モジュール5000を使用して行われることができる、別個の「焼き付け」動作と明確に異なる。
【0037】
全体として、システム1000Aは、いわゆる「クラスタ」モードおよび「線形」(またはインライン)モードで操作されることができ、これら2つの動作モードは主に、「クラスタ」モードにおける、同一のチャンバから入り次いでそこに戻る基板の流動と、「線形」または「インライン」モードにおける、1つのチャンバから入り異なるチャンバへ出て行く基板の流動とによって区別される。本明細書で説明される主題は、「クラスタ」および「線形」、または「インライン」構成の両方で含まれるか、または使用されることができる。システムが、概して、「クラスタ」、「クラスタ化」と本明細書で称される場合、これは、(全体としてクラスタまたはインラインモードのいずれか一方で動作し得る)種々の非限定的で代表的な例示的システムにおける、1つ以上のクラスタ化要素の存在を反映する。
【0038】
図2Aは、概して、システム1000Bの少なくとも一部の平面図の実施例を図示し、
図2Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システム2000および熱処理モジュール5000を含むようなシステム1000Bの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。
図2Aおよび2Bに示されるシステム1000Bのトポロジーは、
図1Aおよび1Bに示される構成上の変形例の例証的実施例である。
図2Aおよび2Bの実施例に示される要素は、
図1Aおよび1Bならびに本明細書の他の場所の実施例で示され、説明されるものに機能および構成が類似し得る。
【0039】
図2Aおよび2Bでは、印刷システム2000は、第1の移送モジュール1400Aに連結されることができる。処理モジュール1200Aは、第1の移送モジュール1400Aに連結されることができる。例証的実施例では、印刷システム2000、第1の移送モジュール1400A、および処理モジュール1200A内にあるか、またはそれらを包囲する第1の制御された処理環境1050Aは、大気圧における、または大気圧に近い周囲環境、もしくはある他の第1の環境(例えば、精製ガス環境を有する粒子状物質が制御された環境、または精製ガス環境を含む必要がない粒子状物質が制御された環境)のいずれか一方を含むことができる。印刷システム2000、移送モジュール1400A、および処理モジュール1200Aが封入される実施例では、そのような第1の環境1050Aは、印刷システム2000、移送モジュール1400A、および処理モジュール1200Aを包囲する1つ以上のエンクロージャによって画定されることができる。第1の装填モジュール1100Aは、第1の移送モジュール1400Aに連結されることができ、第1の装填モジュール1100Aは、第1の処理環境を実質的に変化させることなく、基板を第1の制御された処理環境に、またはそこから移送するために使用されることができる。第1の処理環境が周囲環境に類似する場合、第1の装填モジュール1100Aは、省略されることができる。そのような場合において、移送モジュール1400Aは、エンクロージャを備えている必要はないが、むしろ単純に、安全のために移送ロボットの作業領域を画定する周辺フレームまたは構造をさらに含むことができる、基板取り扱いロボットを備え得る。第1の処理環境が周囲環境に類似する実施例では、入力または出口ポートを第1の移送モジュール1400Aに提供するために、第1の装填モジュール1100Aの代わりに、ガスカーテンまたはゲート弁が使用されることができるか、または移送モジュール1400Aは、いかなるガスカーテンもしくはゲート弁も用いることなく開放ポートを通してアクセスされることができる。
【0040】
図2Aおよび2Bのシステム1000Bは、第2の移送チャンバ1400Bに連結されるような熱処理モジュール5000を含むことができる。システム1000Bはさらに、1400Bに連結されるような第2の処理モジュール1200Bを含むことができる。(代替として、一方または両方の処理モジュール1200Aおよび1200Bは、システム1000Bによって行われる動作がそのようなモジュールを必要としない場合に省略されることができる。)熱処理モジュール5000、処理モジュール1200B、および第2の移送チャンバ1400Bのうちの1つ以上のものは、第1の処理環境と異なるガス組成を有する精製ガス環境等の第2の制御された処理環境1050Bを提供することができる。例えば、基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される精製非反応性ガスを含むような第2の処理環境が、制御されることができる。実施例では、第2の処理環境は、大気圧を上回る窒素を含むことができる。第2の処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素および1000パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気を有する、環境を維持するように確立されることができる。第2の処理環境はまた、1000パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンまたは1000パーツ・パー・ミリオン未満の規定有機蒸気を有する、環境をさらに維持するように確立されることもできる。第1の処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオンの酸素のうちの1つ以上のものを超えるが、1000パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気を有する環境を含むことができる。
【0041】
第1の処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオンのオゾンまたは特定の有機蒸気のうちの1つ以上のものを超える、環境を含むことができる。2つの環境の他の組み合わせも可能である。しかしながら、例えば、第1の環境が、パーツ・パー・ミリオンで規定されるような第2の環境より100倍大きい、または1000倍大きい酸素レベルを含むことができるように、第2の処理環境内の酸素のレベルが第1の処理環境内より大きい程度に制御される場合が、本発明者らによって特に考慮される。このようにして、第1の処理環境の制御は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、オゾン含量、および有機蒸気含量のうちの1つ以上のものに関して、あまり厳密でない等、第2の環境とは異なり得る。
【0042】
種々の例証的実施例によると、所与のプロセスのための所与の汚染物質の環境制御は、上記で例証的に記述される1000パーツ・パー・ミリオンレベルの代わりに、100パーツ・パー・ミリオン未満、10パーツ・パー・ミリオン未満、1パーツ・パー・ミリオン未満、またはさらに0.1パーツ・パー・ミリオン未満でレベルを維持するように規定されることができ、本発明者らは、記載された汚染レベルのうちのいずれかにおける記載された汚染物質の任意の組み合わせが、制御された環境のために規定されることができることを認識している。
【0043】
例証的実施例では、OLEDデバイス層を印刷するための印刷システムが動作する、第1の環境が、100パーツ・パー・ミリオン未満の水と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンと、100,000~250,000パーツ・パー・ミリオンの酸素とを有する、オゾンが制御された清浄乾燥空気を含むことができる一方で、印刷されたOLEDデバイス層を熱的に処理するための熱処理モジュールが動作する、第2の環境は、100パーツ・パー・ミリオン未満の水と、100パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有する、精製窒素ガスを含む。本発明者らは、例えば、プリンタのような複雑な製作デバイスのための第2の制御された環境を提供する複雑性の増加により、そのような第2の環境内で印刷することが望ましくないが、同時に、高温におけるOLEDデバイス層材料との水、酸素、またはオゾン等の化学活性汚染物質との反応性の増加により、そのような汚染物質に対して第1の環境より大きい純度を有する第2の環境内で印刷された層を熱的に処理することが望ましい、そのような場合において、あるOLEDデバイス層を印刷するために、環境のそのような組み合わせが望ましくあり得ることを認識している。さらに、本発明者らはまた、そのような場合において、熱処理ステップが印刷ステップより実質的に長くあり得、第2の環境内で積層オーブン構成を提供することが、システムの製作効率を向上させるために望ましくあり得ることも認識している。
【0044】
図1Aおよび1Bに関して説明されるように、処理モジュール1200Aおよび1200Bは、別のモジュールが基板を受け取る準備ができるまで基板を待ち行列に入れる機能を提供することができる、保持モジュールまたはバッファモジュールとして構成されることができるか、もしくはそのような保持は、基板がある方法で進化するための制御された環境を提供するために使用されることができる。例えば、液体インクが基板上に提供されている場合、保持モジュールは、そのようなインクが乾燥、流動、または定着するための制御された環境を提供することができるか、または基板が別のモジュール内の温度に対して高温に加熱される実施例では、保持モジュールは、基板が冷却するための制御された環境を提供することができる。処理モジュール1200Aおよび1200Bのうちの1つ以上のものは、代替として(または加えて)、真空乾燥モジュールとして機能することができる。例えば、真空乾燥モジュールとして構成される処理モジュールは、例えば、機械ポンプ、ターボポンプ、クライオポンプ、または拡散ポンプのうちの1つ以上のものを含むようなポンプスタックに連結されることができるか、またはそれを含むことができる。そのような乾燥モジュールは、例えば、低温トラップ、分子篩、および活性炭フィルタのうちの1つ以上のものを使用して等、ポンプスタックの前または後に溶媒を除去するための設備を含むことができる。OLEDデバイス層を印刷するステップを含む、例証的実施例では、第1の処理モジュール1200Aは、印刷システム2000によって堆積させられるコーティングを乾燥させるための真空乾燥モジュールを含むことができ、第2の処理モジュール1200Bは、熱処理モジュール5000によって熱的に処理される基板を冷却するための保持チャンバとして構成されることができ、第1の環境は、100パーツ・パー・ミリオン未満の水と、10パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンと、10,000~250,000パーツ・パー・ミリオンの酸素とを有する、オゾンが制御された清浄乾燥空気を備え、第2の環境は、10パーツ・パー・ミリオン未満の水と、10パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、10パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有する、精製窒素を備えている。
【0045】
本発明者らは、熱処理モジュール5000と、第2の環境内で熱処理後に基板を冷却するための保持チャンバとを有することが望ましくあり得、そのような第2の環境は、特に基板が高温を受けるときに印刷された基板を劣化させ得る汚染物質に関して第1の環境より大きい純度を含むように達成されることを認識している。例えば、基板が第2の環境から除去される前に、基板の欠陥または劣化により少ない可能性を伴って、基板が純度の低い環境(例えば、第1の環境)にさらされることができるように、基板の温度は、制御された第2の環境内で低下させられることができる。
【0046】
保持モジュールとして構成される処理モジュール1200B、および熱処理モジュール5000は、印刷された基板を劣化させる危険性がある規定汚染物質に関して、それらが規定純度を共有するならば、それぞれ、第3および第2の環境等の異なる封入環境を含むことができる。OLEDデバイス層を印刷する一代表的実施例では、第1のOLEDデバイス層インクは、オゾンが制御された清浄乾燥空気を備えている環境内で印刷されることができる。次いで、インクは、150℃以上の温度において低い酸素、水、およびオゾンを維持するように制御された窒素環境内で熱的に処理されることができ、後に、基板は、そのような基板温度が100℃を下回るまで、低い酸素、水、およびオゾンを維持するように制御された窒素環境内で冷却されることができ、その時点の後に、基板は、オゾンが制御された清浄乾燥空気を備えている環境の中へ戻して移送されることができる。100℃の温度の例証的実施例は、オゾンが制御された清浄乾燥空気環境内の酸素へそのような温度における基板をさらすことが、印刷されたOLEDデバイス層材料を実質的に劣化させないように規定され、そのような規定基板温度は、印刷によって基板上に堆積させられている材料、ならびに基板幾何学形状、および基板冷却が強制されているか、または自然に起こるかどうか等の他の要因に応じて調節されることができる。材料に応じて、80℃、60℃、または敏感な材料に対して、40℃、もしくはより低い温度等の他の標的冷却閾値温度が使用されることができる。OLEDデバイス層材料に応じて、例えば、150℃、180℃、210℃、240℃、270℃、または300℃等の種々の熱処理温度が使用されることができる。本発明者らはまた、基板を規定温度まで冷却することに関連付けられる保持時間が、印刷動作の持続時間より実質的に長くあり得、例えば、冷却持続時間が、5分~60分であり得る一方で、印刷動作持続時間は、1分~3分であり得ることも認識している。したがって、複数の基板が並行して冷却されることを可能にすることによって、システムの製作効率を向上させるために、積層保持モジュール構成が使用されることができる。
【0047】
例証的実施例では、OLEDデバイス層インクを印刷するための印刷システム2000内で確立されるような第1の環境は、10パーツ・パー・ミリオン未満の水と、10パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、10パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有するような精製窒素を含むことができ、印刷されたOLEDデバイス層コーティングを熱的に処理するための熱処理モジュール5000が動作する、第2の環境は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の水と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンと、1000~100,000パーツ・パー・ミリオンの酸素とを有する、オゾンが制御された清浄乾燥空気を含むことができる。本発明者らは、例えば、酸素にさらすことがインクを劣化させる場合において、OLEDデバイス層を印刷することに関連付けられるインクを高濃度の酸素にさらすことが望ましくないが、熱処理プロセス中にOLEDデバイス層材料内で化学反応を促進するように、酸素の存在下での環境内で印刷された層を熱的に処理することが所望されるそのような場合において、あるOLEDデバイス層を印刷するために、環境のそのような組み合わせが使用されることができることを認識している。本発明者らはさらに、第1および第2の環境の多くの異なる組み合わせが可能であり、いくつかは第2の環境でより大きい純度を有し、いくつかは第1の環境でより大きい純度を有し、いくつかは全ての着目汚染物質に関して純度がより大きくも小さくもない異なる環境を有することを認識している。例えば、第1および第2の環境は、着目汚染物質に関して類似純度閾値を満たすように規定されることができるが、そのような環境は、(圧力またはガス圧縮の一方または両方において異なる等)依然として異なり得る。
【0048】
第2の装填モジュール1100Bは、第1の移送モジュール1400Aを第2の移送モジュール1400Bに連結することができる。本明細書に説明される他の実施例のように、第2の装填モジュールは、1つ以上のポートもしくはゲートを含むことができ、基板が第2の移送モジュール1400Bに、またはそこから移送されるときに、第2の移送モジュール1400B内の第2の処理環境の汚染を回避するか、または低減させるように、少なくとも部分的に排出またはパージされるように構成されることができる。随意に、「インライン」構成で使用するように、第3の装填モジュール1100Cが、基板を他の製作機器もしくは第1または第2の処理環境以外の環境に、またはそこから移送するため等に含まれることができる。実施例では、第1および第2の処理環境は、同一(または少なくとも類似)であり得、第2の装填モジュール1100Bは、
図3Aおよび3Bに関して示され、説明されるように、通過を動作させることができる。
【0049】
図1Aおよび1Bの実施例、ならびに本明細書の他の実施例のように、処理または移送されている基板を操作するために、1つ以上のハンドラが使用されることができる。例えば、第1または第3の装填モジュール1100Aまたは1100Cの中に基板を配置するために、もしくはそこから基板を受け取るために、第1のハンドラ1410Aまたは第2のハンドラ1410B等の1つ以上のハンドラが使用されることができる。同様に、1つ以上のハンドラが、システム1000B内で基板を操作するように、第1の移送モジュール1400Aまたは第2の移送モジュール1400B内等のシステム1000B内に位置することができる。例えば、第2の移送モジュール1400Bまたは熱処理モジュール5000のうちの1つ以上のものの内側のハンドルは、装填モジュール(例えば、第2の装填モジュール1100Bまたは第3の装填モジュール1100C)から熱処理モジュール5000内のそれぞれの熱的に制御された領域のうちの規定領域に基板を移送するように構成されることができる。
【0050】
図3Aは、概して、システム1000Cの少なくとも一部の平面図の実施例を図示し、
図3Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システム2000および熱処理モジュール5000を含むようなシステム1000Cの少なくとも一部の等角図の例証的実施例を図示する。
図3Aおよび3Bに示されるシステム1000Bのトポロジーは、
図1Aおよび1Bまたは
図2Aおよび2Bに示される構成の変形例の例証的実施例である。
図3Aおよび3Bの実施例に示される要素は、
図1Aおよび1Bまたは
図2Aおよび2Bに示されて説明され、かつ本明細書の他の場所の実施例で説明されるようなものと機能および構成が類似し得る。
図3Aおよび3Bでは、印刷システム2000、第1の移送モジュール1400A、処理モジュール1200、第2の移送モジュール1400B、および熱処理モジュール5000は、基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される精製非反応性ガスを含むような制御された処理環境を含むことができる。実施例では、制御された処理環境は、大気圧を上回る窒素を含むことができる。制御された処理環境は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、1000パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気とを有する、環境を維持するように確立されることができる。印刷システム2000、第1の移送モジュール1400A、処理モジュール1200、第2の移送モジュール1400B、および熱処理モジュール5000のそれぞれの内側の環境は、隔離され、別個に維持されることができる。しかしながら、各モジュール内の環境が同一であるか、または実質的に同一であり得るので、通過チャンバ1102が第2の装填モジュール1100Bの代わりに使用されることができる。上記の他の実施例のように、第1のハンドラ1410Aまたは第2のハンドラ1410B等の1つ以上のハンドラが、基板を操作するために使用されることができる。
【0051】
図1A、1B、2A、2B、3A、または3Bに例証的に示されるもの以外のトポロジーが使用されることができる。
図4A、
図4B、
図4C、および
図4Dは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、印刷システム2000および熱処理モジュール5000を含むようなシステムの少なくとも一部の平面図のさらなる実施例を図示する。熱処理モジュール5000は、
図5A、5B、5C、5Dの実施例に示されるような、または本明細書の他の実施形態で説明されるような構成を含むことができる。
【0052】
図4Aは、概して、システム4001Aの少なくとも一部の平面図の実施例を図示する。本発明者らは、とりわけ、ある印刷動作が制御された環境を要求する必要がないことを認識している。例えば、印刷システム2000は、開放空気構成、または粒子状物質制御を含むが精製または不活性ガス環境を必要としないような封入構成を含むことができる。そのような印刷システム2000は、本明細書の他の場所で説明される実施例に類似するような入力領域2100と、印刷領域2200と、出力領域2300とを含むことができる。
【0053】
図4Aの実施例では、さらなる処理のために、製作されている1つ以上の基板を印刷システム2000から制御された環境(または真空環境)に移送するために、装填モジュール1100が使用されることができる。例えば、移送モジュール1400Aは、熱処理モジュール5000または処理モジュール(例えば、バッファ、真空チャンバ、または他の実施例で記述されるような他のモジュール)の中へ配置するために基板を操作するように、装填モジュール1100に連結されることができる。このようにして、印刷システム2000は、制御された環境を使用する必要はなく(しかし使用することはできる)、装填モジュール1100は、移送モジュール1400A、熱処理モジュール5000、および印刷システム2000のうちの1つ以上のものの内側の環境(またはシステム4000Aの外部の環境)の間で隔離を提供するために使用されることができる。
【0054】
印刷システム2000は、
図4Aの装填モジュール1100に取り付けられるものとして示されているが、印刷システム2000は、他の場所に位置することができる。例えば、装填モジュール1100自体は、(例えば、カート構成において)可搬性であり得るか、または装填モジュール1100は、1つの場所における移送モジュール1400Aと他の場所に位置する印刷システム2000との間で1つ以上の基板を往復させるための移送カートに連結されることができる。別の実施例では、移送モジュール1400Aは、省略されることができ、装填モジュール1100は、(例えば、独立型熱処理モジュール5000を提供するように)熱処理モジュール5000に直接連結されることができる。このようにして、熱処理モジュール5000の制御された環境が維持されることができる一方で、基板は、装填モジュール1100を使用して熱処理モジュールの制御された環境の中または外へ移送される。
【0055】
さらに別の実施例では、
図4Aからのシステム4000における変形例である
図4Bによって図示されているシステム4001Bが、ここでは、移送モジュール1400Aに接続された印刷システム2000を有し、それらの各々は、熱処理モジュール5000の制御された処理環境と異なる処理環境を有することができる。移送モジュール1400Bおよび熱処理モジュール5000も提供され、それらの各々は、精製ガス雰囲気を備えているような制御された内部環境を有することができる。装填モジュール1100は、移送モジュール1400Aと移送モジュール1400Bとの間に提供される。装填モジュール1100は、印刷システム2000および移送モジュール1400Aの第1の環境と、移送モジュール1400Bおよび熱処理モジュール5000の第2の(例えば、異なる)制御された環境との間で基板を移送するために使用されることができる。例えば、第1の環境は、精製ガス環境である必要はなく、第2の環境は、例えば、両方の環境が大気圧にあるか、またはそれに近い場合、精製ガス環境を含むことができる。例えば、第2の環境は、第1の環境または周囲環境のいずれか一方による第2の環境の汚染を抑制するように、大気圧をわずかに上回って確立されることができる。
【0056】
システム4001Aおよび4001Bの実施例の間の機能差は、印刷システム2000から装填モジュール1100の中へ基板を移動させる追加の移送モジュールの導入である。そしてさらに別の実施例では、システム4001Cが、
図4Cによって図示され、それは、
図4Aおよび4Bのシステム4001Aおよび4001B上の変形例である。
図4Cでは、印刷システム2000は、移送モジュール1400Aに接続され、それらの各々は、第1の環境を有することができる。精製ガス雰囲気を含む第2の環境を備えているような制御された内部環境を有することができる熱処理モジュール5000も提供される。装填モジュール1100は、移送モジュール1400Aと熱処理モジュール5000との間に提供される。装填モジュール1100は、印刷システム2000および移送モジュール1400Aの非不活性環境と熱処理モジュール5000の制御された環境との間で基板を移送するために使用されることができる。
【0057】
システム4001Cの実施例と比較して、システム4001Aおよび4001Bの実施例の間の機能差は、印刷システム2000から装填モジュール1100の中へ基板を移動させる移送モジュールの導入、および装填モジュール1100から熱処理モジュール5000の中へ基板を移動させる移送モジュールの欠如である。多くの変形例が、非不活性環境内で基板を印刷し、不活性熱処理モジュール5000環境を汚染することを回避するよう、例えば、装填モジュールを使用して、制御された環境を有する熱処理モジュールに基板を移送するように、印刷システムを構成するために可能である。
【0058】
加えて、別個のモジュールであることが示されているモジュールのある機能は、単一のモジュールに組み込まれることができ、例えば、移送モジュール機能および装填機能は、単一のモジュールに組み込まれることができ、その場合、複合モジュールは、基板を移送し、制御された環境と非不活性環境との間で循環させる機能性を有し、または移送モジュールおよび熱処理モジュールは、組み合わせられることができ、その場合、複合モジュール自体が、基板処理を行うとともに、装填/取り外しステーション、例えば、ロードロックから/へ基板を装填/取り外しする機能性を有し、または移送モジュールおよび印刷システムは、組み合わせられることができ、その場合、複合モジュール自体が、基板上で印刷プロセスを行うとともに、装填/取り外しモジュール(例えば、ロードロック)から/へ基板を装填/取り外しする機能性を有する。別の実施例では、熱処理モジュール5000は、冷却モジュールとして機能する保持モジュールについて上記で説明されるものと同様に、基板を熱的に処理し、次いで、基板を保持することができる、単一のモジュールを提供するように、単一のモジュール内に加熱および冷却の両方を含むことができる。
【0059】
例えば、
図4Dは、概して、システムの少なくとも一部の平面図の別の実施例を図示する。本明細書の他の実施例のように、システム4001Dは、独立型であり得るか、または本明細書の他の場所の実施例に示されるように他の要素と統合されることができる。
図4Dのシステム4001Dは、全体としてクラスタまたはインラインモードで動作することができる。例えば、クラスタモードでは、基板は、装填され、装填モジュール1100から取り外されることができる。例えば、インラインモードでは、基板は、印刷システム2000の左側の中へ装填され、装填モジュール1100から取り外されることができる。
【0060】
システム4001Dは、印刷システム2000と、移送モジュール1400と、熱処理モジュール5000とを含むことができる。本明細書に説明される他の実施例のように、印刷システム2000、移送モジュール、および処理モジュール1300の各々は、ほぼ大気圧におけるか、または大気圧を上回る粒子状物質が制御された非反応性環境(例えば、規定最大レベルの1つ以上の不純物種を有する窒素環境)を提供するように、封入されることができる。基板は、例えば、装填モジュール1100を使用して、システム4001Aに、またはそこから移送されることができる。このようにして、システム4001Aの1つ以上の他の部分の中のそれぞれの制御された環境は、システム4001Aの中または外への基板の移送中に、そのような制御された環境の汚染を抑制または低減させながら、維持されることができる。上記または本明細書の他の場所で説明される実施例のうちのいずれかの熱処理モジュール5000は、
図5A、5B、5C、または5Dの実施例に示されるような構成を含むことができる。
【0061】
図5Aは、概して、熱処理領域の固定積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール5000A(例えば、「スタック」オーブンまたは「積層」オーブン)を図示する略図の実施例を図示する。
【0062】
熱処理モジュール5000Aは、本明細書の他の場所で議論される移送モジュールの実施例と同様であり得るようなハンドラエンクロージャ5100を含むことができる。ハンドラエンクロージャ5100は、精製ガス雰囲気(例えば、窒素)と、ほぼ大気圧における制御された粒子状物質レベルとを有する、制御された環境を含むことができ、かつハンドラ1412を含むことができる。ハンドラ1412は、基板4000等の1つ以上の基板を操作するために使用することができるようなエンドエフェクタ1421を含むことができる。熱処理モジュール5000Aは、それぞれの熱的に制御された領域5150(例えば、「セル」)を含むようなそれぞれの熱的に制御された領域のために制御された処理環境を提供するようなエンクロージャ5700を含むことができる。それぞれの熱的に制御された領域は、
図5Aの実施例に示されるように垂直にオフセットされる等、熱処理モジュール5000Aの規定軸に沿って互からオフセットされることができる。
【0063】
熱的に制御された領域5150中の温度一様性は、例えば、少なくとも基板(例えば、基板4000)の表面の温度を規定範囲内に制約するために規定されることができる。例証的実施例では、そのような範囲は、基板面積にわたる標的温度のプラスまたはマイナス約5パーセント、もしくは約プラスまたはマイナス2パーセント、もしくはプラスまたはマイナス1パーセントであり得る。温度一様性は、それぞれの基板のうちの各々の温度を制約するように、基板毎に規定されることができる。例証的実施例では、そのような一様性は、標的温度のプラスまたはマイナス5パーセント、もしくは約プラスまたはマイナス2パーセント、もしくは約プラスまたはマイナス1パーセント以内であるように規定されることができる。標的温度が重要ではない場合がある、保持または乾燥用途では、基板にわたる温度一様性は、基板の表面にわたる温度の範囲の中心傾向(例えば、平均、中央値)の規定範囲内であるように、少なくとも基板の表面の温度を制約するように、依然として規定されることができる。例証的実施例では、少なくとも基板の表面の温度は、中心傾向のプラスまたはマイナス5パーセント、もしくはプラスまたはマイナス2パーセント、もしくはプラスまたはマイナス1パーセント以内であるように規定されることができる。例証的実施例では、熱処理のための規定温度は、摂氏約150度~摂氏約300度の範囲から、もしくは1つ以上の他の範囲から選択されることができる。
【0064】
システム5000Aは、第1の装填モジュール1100Aまたは「第Nの」装填モジュール1100N等の1つ以上の装填モジュール(例えば、「ロードロック」)を含むことができるか、またはそれに連結されることができる。1つ以上の装填モジュールは、ハンドラエンクロージャ5100に恒久的に連結されることができるか、または取り外し可能であり得る。装填モジュールは、1つ以上の他の装填モジュールに、またはそこから、もしくはハンドラエンクロージャ5100に、基板を移送するために使用されることができるようなカート構成(例えば、装填モジュール1100B)を含むことができる。システム5000Aは、移送モジュール1400に連結されることができ、移送モジュール1400は、本明細書の他の実施例に示されて説明されるように、基板4000上に1つ以上の層を堆積させるように構成されるプリントヘッドを含む、カートリッジを有するような印刷システム2000に連結されることができる。
【0065】
印刷システム2000は、不活性環境内で動作する必要はない。例えば、装填モジュール(例えば、装填モジュール1100A)が、製作されている基板を印刷システム2000から移送するために使用されることができるか、または、基板は、ハンドラエンクロージャ5100の環境が印刷システム2000または他のモジュールのうちの1つ以上のものの環境と異なるときに、ハンドラエンクロージャ5100の環境を汚染することを回避する様式で、移送モジュール1400を使用する等して、ハンドラエンクロージャ5100の制御された環境に移送されることができる。
【0066】
例えば、1つ以上の装填モジュールは、周辺環境に、または他の装置に連結されることができる、第1のポート(例えば、ポート5400Aまたはポート5400B)を含むことができる。次いで、第1のポート5400Aまたは5400Bは、閉鎖されることができ、所望の環境が、装填モジュール1100Aまたは1100N内で確立されることができる。次いで、第2のポート(例えば、ポート5400Aまたは5400B)は、経路550に沿って特定の熱的に制御された領域に基板4000Aを再配置するように、ハンドラ1410が基板(例えば、基板4000A)にアクセスすることを可能にするため等に開放されることができる。熱的に制御された領域は、ハンドラエンクロージャ5100から、個々に、または集合的に隔離されることができる。
図5Aの実施例では、熱的に制御された領域は、互から隔離されない。熱的に制御された領域が互から隔離されることができるように、個々の弁またはポートを有する構成等の他の構成が使用されることができる。1つ以上のガス精製ループもしくはガス制御ループが、ガスコントローラ5600によって監視または制御されるようなシステム5000Aのそれぞれの部分に連結されることができる。制御された領域のうちのいくつかが、高温において熱処理を提供することができる一方で、制御された領域のうちのいくつかは、熱処理後に基板を冷却するための冷却ステーションであり得、そのようなステーションは、処理モジュール1200のある実施例における冷却機能性に関して以前に説明されたように、例えば、自然冷却ステーションまたは能動的冷却ステーションである。
【0067】
ハンドラエンクロージャ5100または熱的に制御された領域のエンクロージャ5700の制御された環境は、本明細書の他の実施形態で説明されるようなガス精製システム(例えば、ガスコントローラ5600)を少なくとも部分的に使用して確立されることができる。ハンドラエンクロージャ5100またはエンクロージャ5700の熱的に制御された領域のうちの1つ以上のものの温度は、温度コントローラ5650を少なくとも部分的に使用して確立されることができる。
【0068】
領域5150等のそれぞれの熱的に制御された領域の温度は、種々の技法を使用して確立されることができる。例えば、基板4000を照射するために、1つ以上の赤外線源が使用されることができる。そのような赤外線源は、エンクロージャ5700内に位置するか、またはエンクロージャ5700内の制御された不活性雰囲気が妨害されることを必要とせずに赤外線源の保守を促進するように、例えば、窓または他の構成を通してエンクロージャ5700に光学的に連結された他の場所に位置することができる。概して、向上した温度一様性のために、基板が赤外線源を用いて加熱されているときに、基板4000を機械的に支持するために対称トレイ構成が使用されることができる。
【0069】
他の技法が、温度一様性を向上させるために使用されることができる。例えば、基板との任意の接触は、(光学加熱技法を使用するときに)より少ない熱エネルギーが基板に提供されるシャドウ領域、または伝導熱損失が増加させられる熱シンクを生成することができ、そのような加熱における局所的変化、およびヒートシンクは、温度一様性に悪影響を及ぼし得る。そのような領域からの影響は、基板4000の周辺等の非機能的である領域中に、または基板4000上のディスプレイデバイスの間の領域中に、基板4000を支持する支持ピンまたは他の接点を位置付けることによって等、軽減されることができる。チャックまたはピンとの基板の接触を必要とすることなく、ガスクッションを少なくとも部分的に使用して、基板を支持するために局所的または分散型浮動式支持体を使用すること等の他の技法が使用されることができる。
【0070】
実施例では、制御された温度を提供するために、ホットプレート構成が使用されることができる。そのようなホットプレート実施例では、基板を支持するために、真空チャック構成が使用されることができる。例えば、基板は、ホットプレートにおけるポートによって提供される真空によって保持されることができる。実施例では、第1のファンフィルタユニット(FFU)1500Aまたは第2のファンフィルタユニット(FFU)1500Bのうちの1つ以上のものによって、もしくは別のサーキュレータまたは供給源を通して提供されるような対流加熱が、使用されることができる。例えば、第1のFFU1500Aまたは第2のFFU1500Bを通して、もしくは「第Nの」FFU1500Nを通して、制御された環境の一部を運搬するために、第1のダクト5200Aまたは第2のダクト5200B等の1つ以上のダクトが使用されることができる。第1、第2、または「第Nの」FFU1500A、1500B、または1500Nは、加熱要素、熱交換器を含むことができるか、または別様に、規定温度を有する加熱循環ガス供給を提供するように温度コントローラ5650によって調整されるような熱源に連結されることができる。1つ以上のFFUまたは他のサーキュレータ、ダクト、もしくはバッフルは、乱流を最小化するか、または別様に、基板の上方の領域5900等の基板4000の表面にわたる実質的に層流の流動5800を提供するように、構成されることができる。一般に、
図5Aの実施例に示されるように、基板スタック内の最低点において、またはその付近に、もしくは概して
図5Bの実施例で図示される連続帰路等の1つ以上のFFUから横方向に横断した場所等に、帰路が提供されることができる。そのような横方向または下向きに方向付けられた層流は、基板の粒子状物質汚染を低減させるか、またはそれを最小化することに役立つことができる。このようにして、温度一様性は、対流加熱が使用されるとき等に、粒子状物質汚染が抑制されながら向上させられることができる。
【0071】
上記で説明される加熱技法のうちの1つ以上のものは、組み合わせられることができる。例えば、温度一様性を向上させるために、不活性ガス環境の温度は、対流以外の技法を使用して領域が別様に加熱される場合、熱的に制御された領域のうちの1つ以上のものの標的温度とほぼ同一であるか、もしくはそれに近いように選択されることができる(例えば、周囲ガス温度は、赤外線またはホットプレート加熱温度に近いように、もしくはそれと同一であるように規定されることができる)。
【0072】
図5Bは、概して、熱処理領域の再配置可能積層構成を含むことができるような発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる、熱処理モジュール構成5000Bを図示する、略図の実施例を図示する。
【0073】
図5Aの実施例と対照的に、システム5000Bは、上昇ハンドラ1411を使用して再配置可能であるような、エンクロージャ5701の制御された環境内に位置する、熱的に制御された領域の再配置可能積層構成を含むことができる。基板4000は、例えば、ポート(例えば、ゲートまたは他の構成)を通して、エンドエフェクタ1420を含む第2のハンドラ1410による特定の熱的に制御された領域(例えば、セル5151)のアクセスを可能にするために(例えば、
図5Bの実施例のように垂直に)再配置されることができる。
【0074】
第2のハンドラ1410は、システム5000Bに連結されるか、またはその近くにある、製作機器のエンクロージャの中に位置することができるか、もしくは1つ以上の装填モジュールが、本明細書の他の実施例で記述されるようにシステム5000Bの一部に連結されるか、またはそれを含むことができる。実施例では、第1および第2の部分5250Aまたは5250Bは、エンクロージャ5701の外側の環境からの種による、エンクロージャ5701内の制御された環境の汚染を阻止または抑制するように、流動ガスのガスカーテン(例えば、窒素カーテン)を提供することができる。例えば、そのようなカーテンは、装填モジュールの使用を必要とすることなく、エンクロージャ5701の環境への酸素または湿気の侵入を阻止または抑制することができる。
【0075】
図5Aの実施例および他の実施例のように、エンクロージャ5701内の制御された環境は、ガスコントローラ5600を少なくとも部分的に使用して確立される、精製ガス環境を含むことができる。ガスコントローラ5600は、エンクロージャ内で循環させられる不活性ガスの純度レベルを監視または制御するために含まれることができる。そのようなガスは、1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)1500B、1500C、または1500Nによって促進されることができるように、経路5501に沿ってダクト5201等の1つ以上のダクトを通して循環させられることができる。他の実施例のように、基板4000を横断するガス流は、乱流を抑制するか、または別様に実質的に層流の流動を提供して、温度一様性を向上させ、粒子状物質汚染を抑制するために、確立されることができる。領域5950(例えば、供給部)および5952(例えば、帰路)は、エンクロージャ5701の内部の複数部分内の通気口または他の開口を通して、ガスが供給または収集されることを可能にするように配列されることができる。
【0076】
ダクト5201は、それを通してハンドラ1410が基板にアクセスすることができるポートと重複することが可能なように示されているが、ダクト5201は、層流を促進する経路を依然として維持しながら、ポート(またはエンクロージャ5701内の他の開口)に干渉することを回避するような方法で経路指定されることができる。さらに、経路5501に沿った流動方向は、例証的であり、他の実施例は、
図5Bに示されるような左右の向きに制限される必要はない。例えば、1つ以上のFFUもしくは帰還アセンブリは、層流がページの中/外にあるように、(
図5Bの2次元表現に示されるように左および右側の代わりに)チャンバの前および後面上に置かれることができ、基板の移送中のハンドラ1410への機械的干渉に関する任意の懸念を回避する。そのような前後の実施例はまた、例えば、スタックの全長に沿って分散型ガス帰路がある(および、そうでなければアクセスポートの存在によって妨害され得るような)場合、空間的中断を伴わずに連続入口/出口流を提供することもできる。
【0077】
図5Aの実施例のように、対流、赤外線放射、またはホットプレートを使用することのうちの1つ以上のものによる加熱を含むことができるような種々の熱制御技法が、使用されることができる。実施例では、基板4000等のそれぞれの基板は、チャック、トレイ、または支持フレームを使用する等して、熱的に制御された領域(例えば、セル5151)内で支持されることができる。ピン5350等の1本以上のピンは、基板4000を支持または保持するように構成されることができる。エンドエフェクタ1420による等の取り扱いを促進するために、1本以上のピンが基板4000を支持するチャック内で後退可能または再配置可能であるように、リフトピン配列が使用されることができる。例えば、エンドエフェクタ1420は、エンドエフェクタ1420が基板4000を支持するピンに干渉しないように、スロットまたは空間のいずれかを含む底面を含むことができる。そのようなチャックおよびリフトピンの実施例が、
図5Bとの関連で上記に議論されるが、そのような実施例はまた、
図5Aのシステム5000Aの一部として、または本明細書に説明される他の実施例の一部として含まれることもできる。
【0078】
図5Cおよび5Dは、概して、発光デバイス(例えば、OLEDデバイス)を製造することにおいて使用されることができる熱処理モジュール5000Cおよび5000Dを図示する、さらなる実施例を図示する。
図5Bの実施例のように、第1のFFU1500Aおよび「第Nの」FFU1500N等の1つ以上のFFUが、制御された低粒子環境を提供することを促進するために使用されることができる。例えば、エンクロージャ5701内の制御された環境は、ガスコントローラ5600を少なくとも部分的に使用して確立される、精製ガス環境を含むことができる。ガスコントローラ5600は、エンクロージャ内で循環させられる不活性ガスの純度レベルを監視または制御するために含まれることができる。そのようなガスは、1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)1500B、1500C、または1500Nによって促進されることができるように、経路5501に沿ってダクト5201等の1つ以上のダクトを通して循環させられることができる。他の実施例のように、基板4000を横断するガス流は、乱流を抑制するか、または別様に実質的に層流の流動を提供して、温度一様性を向上させ、粒子状物質汚染を抑制するために、確立されることができる。領域5950(例えば、供給部)および5952(例えば、帰路)は、エンクロージャ5701の内部の複数部分内の通気口または他の開口を通して、ガスが供給または収集されることを可能にするように配列されることができる。
【0079】
熱的に制御された領域のエンクロージャ5701の制御された環境は、本明細書の他の実施形態で説明されるようなガス精製システム(例えば、ガスコントローラ5600)を少なくとも部分的に使用して確立されることができる。ハンドラエンクロージャ5100またはエンクロージャ5700の熱的に制御された領域のうちの1つ以上のものの温度は、温度コントローラ5650を少なくとも部分的に使用して確立されることができる。実施例では、基板4000等のそれぞれの基板は、チャック、トレイ、または支持フレームを使用する等して、熱的に制御された領域(例えば、セル5151)内で支持されることができる。ピン5350等の1本以上のピンは、基板4000を支持または保持するように構成されることができる。
【0080】
図5Bまたは5Dの実施例と対照的に、
図5Cの実施例は、積層セルの静的配列を含むことができるセルの各々へのアクセスは、(例えば、
図13Aおよび13Bの例証的実施例に示される配列に類似する)単一の大型ゲートによって提供されることができるか、または個々のポートが、
図5Dの実施例に示されるように提供されることができる。フィルタユニットまたは熱交換器の場所は、
図5Cまたは5Dに示される通りである必要はなく、そのような機能は、
図13Aおよび13Bの例証的実施例に示されるような別個の場所で行われることができる。
【0081】
図5Dは、概して、熱処理モジュール5000Dのさらに別の変形例を図示する。
図5Dでは、上昇ハンドラ1411または他の配列は、
図5Bの例証的実施例に示されるよりも短い高さ範囲を横断するように構成されることができる。エンクロージャ5701の外部のハンドラが熱処理モジュール5000D内の1つ以上のそれぞれのセルにアクセスすることを可能にするように、例えば、第1のポート5400Aから「第Nの」ポート5400N等の複数のポートが提供されることができる。そのようなポートは、物理的ゲート(例えば、ゲート弁)またはガスカーテン配列のうちの1つ以上のものを含むことができる。実施例では、それぞれの装填モジュールは、ポート5400Aから5400Nの各々に連結されることができる。そのようなポートは、エンクロージャ5701の単一の面または表面上に全てが配列される必要はない。
【0082】
図5A、
図5B、
図5C、および
図5Dの構成は、概して、垂直軸に沿って向けられた積層構成を図示する。しかしながら、他の構成も使用されることができる。例えば、基板4000は、スタックが垂直よりもむしろ水平に延びるように、または(例えば、スタックセルがハンドラエンクロージャ5100の周囲で半径方向外向きに延びるように配列される)別の構成において、90度回転させられることができる。スタックはまた、角度を付けられることができる(完全に垂直でも水平でもない)。加えて、または代わりに、スタック内の基板は、積層軸と垂直ではない方向へ角度を付けられることができる(例えば、基板表面がある角度で下向きであるように、基板が30度下向きの傾きにおいて積み重ねられる、水平スタックが使用されることができる)。
図5A、5B、5C、および5Dの実施例の側面は、修正されるか、または組み合わせられることができ、
図5A、5B、5C、および5Dの実施例は、例証的であることを意図している。
図5Aの熱処理モジュール5000A、
図5Bの5000B、
図5Cの5000C、または
図6Cの5000Dの機械的構成、制御された精製ガス環境、および粒子状物質制御側面もまた、エンクロージャ5700の中に積み重ねられたときに、1つ以上の基板に対して上記で説明されるような保持機能のための制御された(例えば、不活性)環境を提供するように、保持モジュールに使用されることもできる。保持機能が、基板上の液体インクを乾燥させるか、または別様にインクの進化を可能にする乾燥用途を含む、実施例では、モジュール5000A、5000B、5000C、または5000D内の制御された環境は、向上した溶媒または有機蒸気排除を含むことができ、かつ乾燥を促進するパージ能力を含むことができる。
【0083】
図5A、5B、5C、および5Dの実施例では、熱的に制御された領域中の基板のうちの1つ以上のものは、1本以上のピンを含むようなトレイ、フレーム、またはチャック構成によって支持されることができる。他の実施例のように、1本以上のピンもしくは他の機械的支持フレームは、周囲における、または基板上のディスプレイ間の領域中に位置することができる。同様に、真空チャックが基板を機械的に支持することができる。そのような真空チャックは、処理動作中に基板の裏側に真空吸引を提供して、基板の安定性または基板とチャックとの間の熱接触を改善するように、制御可能にオンおよびオフにされることができる、真空ポートおよび真空供給を施されることができる。実施例では、真空チャックの代わりに、非真空チャックが提供され、基板は、主に重力および摩擦によって、または主に機械的拘束によってのいずれかで、定位置で保持されることができる。
【0084】
図6AのOLEDインクジェット印刷システム2000等のインクジェット印刷システムは、基板上の特定の場所の上へのインク液滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび操作を含むことができる。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッドアセンブリ、インク送達システム、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を提供するための運動システム、基板支持装置、基板装填および取り外しシステム、ならびにプリントヘッド管理システムを含むことができるが、それらに限定されない。
【0085】
プリントヘッドアセンブリは、制御された割合、速度、およびサイズにおいてインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスを伴う、少なくとも1つのインクジェットヘッドを含むことができる。インクジェットヘッドは、インクをインクジェットヘッドに提供する、インク供給システムによって供給される。
図6Aに示されるように、OLEDインクジェット印刷システム2000は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置によって支持されることができる、基板4000等の基板を有することができる。実施例では、基板支持装置は、基板浮動式テーブルであり得る。本明細書で後にさらに詳細に議論されるように、
図10Bの基板浮動式テーブル2250は、基板4000を支持するために使用されることができ、Y軸運動システムと併せて、基板4000の無摩擦運搬を提供する基板運搬システムの一部であり得る。本教示のY軸運動システムは、基板を保持するためのグリッパシステムを含むことができる第1のY軸トラック2351および第2のY軸トラック2352を含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供されることができる。
図6Aに示されるOLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2250は、エンクロージャアセンブリを通した基板4000の進行を画定することができる。
【0086】
印刷は、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を伴う。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成される。プリントヘッドアセンブリが、静止基板(ガントリ型)の上を移動することができるか、または、分割軸構成の場合にプリントヘッドおよび基板が両方とも移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、例えば、XおよびY軸において実質的に静止し、基板が、プリントヘッドに対してXおよびY軸において移動することができ、Z軸運動は、基板支持装置によって、またはプリントヘッドアセンブリに関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供されることができる。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴は、基板上の所望の場所に堆積させられるように正しい時間に放出される。基板は、基板装填および取り外しシステムを使用して、挿入され、プリンタから除去されることができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成されることができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射をチェックすること、ならびにプリントヘッド内の全ノズルからの液滴体積、速度、および軌道の測定等の測定タスクと、インクジェットノズル表面から過剰なインクを拭き取ることまたは吸い取ること、下準備すること、インク供給からプリントヘッドを通して廃棄槽の中へインクを放出することによってプリントヘッドをパージすること、およびプリントヘッドの交換等の保守タスクとを可能にするいくつかのサブシステムを含むことができる。OLED印刷システムを構成することができる種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。
【0087】
図6Aに関して、印刷システム基部2150は、その上にブリッジ2130が搭載される第1のライザおよび第2のライザ2122を含むことができる。OLED印刷システム2000の種々の実施形態に対して、ブリッジ2130は、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302を支持することができ、これらは、それぞれ、ブリッジ2130を横断する第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の移動を制御することができる。印刷システム2000の種々の実施形態に対して、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、本質的に低粒子生成型である、線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。実施例では、X軸キャリッジは、その上に搭載されたZ軸移動プレートを有することができる。
【0088】
図6Aでは、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301が、第1のZ軸移動プレート2310とともに描写されている一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、第2のZ軸移動プレート2312とともに描写されている。
図10Bは、2つのキャリッジアセンブリおよび2つのプリントヘッドアセンブリを描写するが、OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態に対して、単一のキャリッジアセンブリおよび単一のプリントヘッドアセンブリがあり得る。例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のうちのいずれか一方が、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる一方で、基板4000の特徴を点検するためのカメラシステムが、第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態は、単一のプリントヘッドアセンブリを有することができ、例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のうちのいずれか一方は、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態に対して、単一のプリントヘッドアセンブリ、例えば、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載される第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のうちのいずれか一方があり得る一方で、基板4000上に印刷されたカプセル化層を硬化させるための熱源が、第2のキャリッジアセンブリ上に搭載されることができる。
【0089】
図6Aでは、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、基板浮動式テーブル2250上で支持されて示されている基板4000の上で、第1のZ軸移動プレート2310上に搭載されることができる第1のプリントヘッドアセンブリ2501を位置付けるために使用されることができる。第2のZ軸移動プレート2312を伴う第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、同様に、基板4000に対して第2のプリントヘッドアセンブリ2502のX-Z軸移動を制御するために構成されることができる。
図6Aの第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502等の各プリントヘッドアセンブリは、複数のプリントヘッド2505を描写する第1のプリントヘッドアセンブリ2501の部分図において描写されるように、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に搭載された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体および電気接続を含むことができるが、それらによって限定されず、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズにおいてインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。印刷システム2000の種々の実施形態に対して、プリントヘッドアセンブリは、約1~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1ピコリットル(pL)~約200pLの液滴体積を放出することができる、約16~約2048個のノズルを有することができる。
【0090】
図6Bは、概して、印刷システム2000のための基板の浮動運搬を含むことができる、実施例を図示する。
図6Bは、
図6Aのシステム2000に類似するが、代わりに(または加えて)浮動を提供するための多孔質媒体を有する印刷システムを含むことができる。6Bの実施例では、コンベヤ上に位置するような印刷システム2000の入力領域2100の中に基板4000を位置付けるために、ハンドラまたは他の運搬装置が使用されることができる。コンベヤは、機械的接点を使用して(例えば、ピンのアレイ、トレイ、または支持フレーム構成を使用して)、または基板4000を制御可能に浮動させるガスクッション(例えば、「空気ベアリング」テーブル構成)を使用してのいずれか等で、印刷システム内の規定場所に基板4000を位置付けることができる。製作中に基板4000上に1つ以上の層を制御可能に堆積させるために、印刷システム2000の印刷領域2200が使用されることができる。印刷領域2200はまた、印刷システム2000の出力領域2300に連結されることができる。コンベヤは、印刷システム2000の入力領域2100、印刷領域2200、および出力領域2300に沿って延びることができ、基板4000は、種々の堆積タスクのために、または単一の堆積動作中に、所望に応じて再配置されることができる。入力領域2100、印刷領域2200、および出力領域2300の近くの制御された環境は、一般的に共有されることができる。
【0091】
印刷領域2200は、基板4000の「上向き」構成の基板4000上に1つ以上のパターン化された有機層を堆積させるように構成されるような、オーバーヘッドカートリッジに連結されるか、または別様にそれを横断する1つ以上のプリントヘッド(例えば、ノズル印刷、熱ジェット、またはインクジェット型)を含むことができる。そのような層は、例えば、電子注入または輸送層、正孔注入または輸送層、遮断層、もしくは発光層のうちの1つ以上のものを含むことができる。そのような材料は、1つ以上の電気的機能層を提供することができる。
【0092】
図6Aおよび6Bに示される浮動方式によると、基板4000がガスクッションによってもっぱら支持される実施例では、ガス陽圧および真空の組み合わせが、ポートの配列を通して、または分散型多孔質媒体を使用して適用されることができる。圧力および真空制御の両方を有するそのようなゾーンは、コンベヤと基板との間に流体ばねを効果的に提供することができる。陽圧および真空制御の組み合わせは、双方向剛性を伴う流体ばねを提供することができる。基板(例えば、基板4000)と表面との間に存在する間隙は、「飛行高度」と称されることができ、そのような高度は、陽圧および真空ポート状態を制御することによって、制御されるか、または別様に確立されることができる。このようにして、基板の向きが、例えば、印刷領域2200中で慎重に制御されることができる。いくつかの実施形態では、基板がガスクッションによって支持されている間に、基板の横方向平行移動を制限するために、ピンまたはフレーム等の機械的保持技法が使用されることができる。そのような保持技法は、基板が保持されている間に、基板の側面に入る瞬間的な力を低減させるためのばね荷重構造を使用することを含むことができ、これは、横方向に平行移動する基板と保持手段との間の高力衝撃が基板の剥離または壊滅的破損を引き起こし得るので、有益であり得る。
【0093】
飛行高度が精密に制御される必要がない場所等の他の場所では、入力もしくは出力領域2100または2300中で、もしくは他の場所でコンベヤに沿って等、圧力のみ浮動ゾーンが提供されることができる。真空ノズルに対する圧力の比が徐々に増加または減少する場所等の「遷移」ゾーンが、提供されることができる。例証的実施例では、公差内で、3つのゾーンが本質的に1つの面内に位置するように、圧力真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力のみゾーンの間に本質的に一様な高度があり得る。他の場所で圧力のみゾーンを覆う基板の飛行高度は、基板が圧力のみゾーン内で浮動式テーブルと衝突しないように、十分な高度を可能にするように、圧力真空ゾーンを覆う基板の飛行高度より大きくあり得る。例証的実施例では、OLEDパネル基板は、圧力のみゾーンの上方に約150マイクロメートル(μ)~約300μ、次いで、圧力真空ゾーンの上方に約30μ~約50μの飛行高度を有することができる。例証的実施例では、印刷システム2000または他の製作装置の1つ以上の部分は、NewWay(登録商標)空気ベアリング(Aston,Pennsylvania,United States of America)によって提供される「空気ベアリング」アセンブリを含むことができる。
【0094】
印刷、バッファリング、乾燥、または熱処理のうちの1つ以上のものの間の基板4000の浮動運搬または支持のための分散型加圧ガスクッションを確立するために、多孔質媒体が使用されることができる。例えば、コンベヤの一部に連結されるか、またはコンベヤの一部として含まれるような多孔質媒体「プレート」は、個々のガスポートの使用に類似する様式で基板4000を支持するように、「分散型」圧力を提供することができる。大型ガスポート開口を使用することがない分散型加圧ガスクッションの使用は、ある場合、ガスクッションの使用にもかかわらず、ガスクッションを作成する比較的大型のポートの使用が非一様性につながるこれらの場合等で、一様性をさらに改善し、ムラまたは他の可視的欠陥の形成を低減させるか、または最小化することができる。
【0095】
基板4000の全体、またはディスプレイ領域もしくはディスプレイ領域の外側の領域等の基板の規定領域を占有するように規定される、物理的寸法を有するような多孔質媒体が、Nano TEM Co.,Ltd.(Niigata,Japan)から等、入手されることができる。そのような多孔質媒体は、ムラまたは他の可視的欠陥の形成を低減させるか、または最小化しながら、規定領域の上に所望の加圧ガス流を提供するように規定される細孔サイズを含むことができる。
【0096】
基板のガス加圧支持の実施例は、
図6Aおよび6Bの印刷システム2000に関して議論されているが、他の支持装置に加えて、またはその代りに、本明細書に説明される他の実施例(具体的には、他の実施例で参照されるような熱処理モジュール5000、5000A、5000B、5000C、または5000D)に対して等、そのような技法が使用されることができる。より具体的には、例えば、複数の浮動式テーブルのスタックを備えている積層構成において、熱処理動作中に基板を支持するために、浮動式テーブルが使用されることができ、そのような浮動式プラットフォームは、浮動を伴わない支持ピンまたは真空チャックを含むアプローチ等の他の一般的に利用可能な基板支持アプローチから生じる、熱的非一様性を低減させることによって、向上した一様性を提供することができる。
【0097】
そのような向上した一様性は、非一様な加熱から生じるムラまたは他の可視的欠陥の形成を排除することに役立ち得る。基板支持体として浮動式プラットフォームを利用するとき、保持ピン、クランプ、または吸引等の横方向保持機構が、熱処理動作中にプラットフォーム上の基板のスライドを防止することができ、提供されることができ、基板ハンドラロボットを使用してプラットフォームからの基板の装填および取り外しを促進するように、リフトピンも提供されることができる。効率を向上させるために、浮動支持アプローチは、
図10A、10B、または10Cのうちの1つ以上のものに関して示され、説明されるような再循環ガス精製システムを使用することを含むことができる。
【0098】
図7Aは、概して、等角図を図示し、
図7Bは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)の製造で使用されることができる、第1の印刷システム2000A、第2の印刷システム2000B、および熱処理モジュール5000を含むようなシステム3000Aの少なくとも一部の平面図を図示する。
【0099】
システム3000Aは、本明細書の他の実施例に関して説明されるような印刷システム等の第1の印刷システム2000Aを含むことができる。増加したスループット、冗長性、または複数の処理動作のうちの1つ以上のものを提供するために、第2の印刷システム2000B等の他の印刷システムが含まれることができる。システム3000Aはまた、熱処理モジュール5000および処理モジュール1300等の1つ以上の他のモジュールを含むこともできる。処理モジュール1300は、積層構成において等、上記で説明されるように基板を保持するために構成されることができる。処理モジュール1300は、代替として(または加えて)、積層構成において等、1つ以上の基板を真空乾燥させるために構成されることができる。処理モジュール1300が一度に2つ以上の基板のための真空乾燥モジュールとして機能する場合において、積層構成は、単一のチャンバ内、または各々が単一の乾燥スロットを有する隔離された真空チャンバのスタック内に複数の乾燥スロットを備え得る。さらに別の構成では、処理モジュール1300は、基板を保持するために構成することができ、1つ以上の基板を真空乾燥させるために、移送モジュール1400Aに取り付けられた別の処理モジュールが提供されることができる。第1および第2のプリンタ2000Aおよび2000Bは、例えば、基板上に同一の層を堆積させるために使用されることができるか、またはプリンタ2000Aおよび2000Bは、基板上に異なる層を堆積させるために使用されることができる。
【0100】
システム3000Aは、ロードロックとして、または別様に、システム3000Aの1つ以上のエンクロージャ内で維持される制御された環境の妨害を実質的に回避する様式で、システム3000Aの1つ以上のチャンバの内部の中または外への基板4000の移送を可能にする様式において使用することができるような、入力または出力モジュール1101(例えば、「装填モジュール」)を含むことができる。例えば、
図7Aおよび本明細書で説明される他の実施例に関連して、「妨害を実質的に回避する」とは、1つ以上のエンクロージャの中または外への基板4000の移送動作中または後に、1つ以上のエンクロージャ内で反応性種の濃度を10パーツ・パー・ミリオン、100パーツ・パー・ミリオン、または1000パーツ・パー・ミリオンを上回って上昇させることを回避することを指し得る。種々の動作の前、間、または後に基板4000を操作するために、ハンドラ1410Bを含むことができるような移送モジュール1400Bが使用されることができる。移送モジュール1400Bに使用することができる構成の実施例が、
図12Aおよび12Bで例証的に示されている。基板を入力または出力モジュール1101に提供するため、もしくは入力または出力モジュール1101から基板を受け取るための1つ以上の追加のハンドラが含まれることができる。
【0101】
図7Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができるようなシステム3000Bの少なくとも一部分の平面図のさらなる実施例を図示する。
図7Cでは、第1および第2の印刷システム2000Aおよび2000Bは、(例えば、基板上に異なるまたは類似する層を堆積させるために)
図7A、7Bの実施例と同様に配列されることができる。システム3000Bは、処理モジュール1300、ならびに追加の処理モジュール1200Aおよび1200Bとともに、熱処理モジュール5000を含むことができる。例えば、処理モジュール1300は、積層構成において、例えば、各々が単一の乾燥スロットを有する独立真空乾燥チャンバのスタックとして、一度に全て装填されて乾燥させられる、複数の乾燥スロットを有する単一のチャンバとして、もしくは各々が1つ以上の乾燥スロットを有する独立真空乾燥チャンバのスタックとして基板を収容するように、ならびに真空ポンプ能力および向上した溶媒排除または有機蒸気汚染物質制御を提供するように構成されることができるような真空乾燥モジュールを含むことができる。処理モジュール1200Aおよび1200Bは、他の場所で説明される保持機能のうちのいずれかのために1つ以上の基板を保持するように構成されることができる。他の配列も可能である。例えば、
図7A、7B、および7Cの実施例は、概して、2つの印刷システム2000Aおよび2000Bを含むことができる構成を図示するが、2つより多くの印刷システムが含まれることができる。同様に、2つ以上の熱処理モジュールまたは追加の(またはより少ない)処理モジュールが含まれることができる。
【0102】
図8、9A、9B、10A、10B、または10Cの実施例で説明されるようなガス循環および濾過システムは、システム3000Aまたは3000B、もしくは他の実施例のための制御された処理環境を提供するために、粒子状物質制御に寄与することができるか、または別様に、粒子状物質制御システムの一部として含まれることができる。システム構成もまた、印刷プロセス中または他の処理中等に、製作されている基板の近くの粒子生成を阻止または抑制するように確立されることができる。例えば、粒子制御システムは、粒子を封じ込めている構成要素が、ガス循環および濾過システムの中へ排気させられることができるように、封じ込められた粒子生成構成要素と流体連通しているガス循環および濾過システムを含むことができる。封じ込められた粒子生成構成要素は、ガスエンクロージャシステム内の他の場所への排気された粒子の分散を阻止するデッドスペースの中へ排気させられることができる。実施例では、種々の構成要素が、本質的に低粒子生成型であり得、それによって、印刷プロセス中または他の処理中に粒子が基板上に蓄積することを防止する。
【0103】
本明細書の実施例に示される封入型構成は、開放空気の高流量層流濾過フードの下の大気条件において行われることができるプロセスに対する粒子低減によって提起されない課題を提供する。粒子状物質制御は、以下のもののうちの1つ以上を含むことができるような種々の技法を使用することによって達成されることができる:(1)粒子状物質が集まることができる、基板に近い空間の排除または縮小、(2)ケーブル、ワイヤ、および管の束、ならびに、例えば、本明細書で議論される種々の封入領域内で、摩擦ベアリングを使用するファンまたは線形運動システム等の構成要素を使用する種々の装置、アセンブリ、およびシステム等の粒子生成構成要素を封じ込めて排気させること、または(3)基板浮動式テーブル、空気ベアリング、および空気圧動作型ロボット等を含むことができるような、種々の本質的に低粒子生成型の空気圧動作型構成要素を使用すること。このようにして、クラス1からクラス5によって規定されるような、国際標準化機構規格(ISO)14644-1:1999、「クリーンルームおよび関連する制御された環境 第1部:空気清浄度の分類」を満たすような低い粒子環境が確立されることができる。
【0104】
種々の実施例によると、基板上堆積速度仕様を超えない特定の着目サイズ範囲の粒子の平均基板上分布を提供するような、実質的に低粒子の環境が確立されることができる。基板上堆積速度仕様は、約0.1マイクロメートル(μm)以上~約10μm以上の特定の着目粒径範囲の各々に対して設定されることができる。例えば、基板上堆積速度仕様は、標的粒径範囲の各々に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり堆積させられる粒子の数の限界として表されることができる。
【0105】
基板上堆積速度仕様は、標的粒径範囲の各々について、1分につき基板の1平方メートルあたり堆積させられる粒子の数の限界から、1分につき1枚の基板あたり堆積させられる粒子の数の限界に容易に変換されることができる。そのような変換は、基板、例えば、特定の生成サイズの基板と、その基板生成のための対応する面積との間の既知の関係を使用して決定されることができる。例えば、以下の表1は、いくつかの既知の生成サイズの基板のためのアスペクト比および面積を要約する。アスペクト比、したがって、サイズのわずかな変動が、製造業者毎に見られ得ることを理解されたい。しかしながら、そのような変動にもかかわらず、特定の生成サイズの基板と平方メートル単位の面積とに対する変換係数が、種々の生成サイズの基板の任意のものに得られることができる。
【0106】
【0107】
加えて、1分につき基板の1平方メートルあたり堆積させられる粒子の数の限界として表される基板上粒子堆積速度仕様は、種々の単位時間表現のうちの任意のものに変換されることができる。分に正規化される基板上粒子堆積速度仕様は、既知の時間の関係を通して、例えば、限定されないが、秒、時間、日等の任意の他の時間の表現に容易に変換されることができる。加えて、処理に特に関連する時間の単位が使用されることができる。例えば、印刷サイクルが、時間の単位に関連付けられることができる。例えば、印刷サイクルは、基板が印刷のためにガスエンクロージャシステムの中へ移動させられ、次いで、印刷が完了した後にガスエンクロージャシステムから除去される持続時間に対して規定され得る。別の実施例では、印刷サイクルは、プリントヘッドアセンブリに対する基板の整列の開始から基板上への最後の放出されたインクの液滴の送達までの持続時間に対して規定され得る。合計平均サイクル時間またはTACTは、特定のプロセスサイクルまたは動作のための時間の単位の表現であり得る。例証的実施例では、印刷サイクルのためのTACTは、約30秒、60秒、90秒、120秒、または300秒であり得るか、もしくは1つ以上の他の持続時間を含むことができる。
【0108】
システム内の空中浮遊粒子状物質と粒子堆積とに関して、相当な数の変数が、例えば、任意の特定の製造システムのための基板等の表面上の粒子降下率の値の近似値を十分に決定し得る一般モデルを開発することに影響を及ぼし得る。粒子のサイズ、特定のサイズの粒子の分布、基板の表面積、およびシステム内の基板の露出の時間等の変数は、種々の製造システムに応じて変動し得る。例えば、粒子のサイズおよび特定のサイズの粒子の分布は、種々の製造システムにおける粒子を生成する構成要素の源および場所による影響を実質的に受け得る。例証的実施例では、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積は、0.1μm以上のサイズ範囲内の粒子に対して、約100万個を上回る~約1000万個を上回る粒子であり得る。そのような決定は、本明細書に説明される種々の粒子制御システムがないと、基板上の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、約2μm以上のサイズ範囲内の粒子に対して、約1000個を上回る~約10,000個を上回る粒子であり得ることを示唆する。
【0109】
例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが10μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり約100個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが5μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり約100個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが2μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり約100個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが1μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり約100個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが0.5μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが0.3μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたりの約1000個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。例証的実施例によると、本明細書に説明されるシステムまたはモジュールのエンクロージャは、サイズが0.1μm以上の粒子に対して、1分につき基板の1平方メートルあたりの約1000個以下の粒子の基板上堆積速度仕様を満たす平均基板上粒子分布を提供する低粒子環境を維持することができる。
【0110】
本明細書で示され、説明される他の実施例のように、システム1000A、1000B、1000C、3000A、3000B、4001A、4001B、4001C、4001Dで、もしくは他の実施例で示されるモジュールのうちの1つ以上のものは、共有または専用ガス精製および監視設備、温度制御設備、または粒子状物質制御設備を含むことができる。例えば、各モジュールは、1つ以上のガス精製ループ、ファンフィルタユニット、または温度コントローラを含むことができる。それぞれのモジュール内の制御された環境は、隣接モジュールに連続的であり得るか(例えば、流体的に連結される)、またはモジュールは、例えば、ガス純度、温度、粒子状物質レベル、または特定のモジュールの保守の向上した制御のために、互から隔離されることができる制御された環境を含むことができる。
【0111】
冗長性または保守のために、そのようなシステムは、他のモジュールに含まれる制御された環境の処分またはパージを必要とすることなく、もしくは他のモジュールに含まれる環境を実質的に変化させることなく、温度制御、ガス精製、溶媒排除、または粒子状物質制御システムの保守を促進するため等、1つ以上の他のモジュールから1つ以上のモジュール内の環境を隔離するように、弁またはゲートを含むことができる。
【0112】
本明細書で本書の他の場所において議論される製作システム内にある、またはそれを包囲する環境は、製作で使用される材料または製作されているデバイスの劣化を回避または抑制するように選択される照射を含むことができる。さらに、本書で説明される種々の実施例は、規定温度、不純物レベル、または粒子状物質レベルのうちの1つ以上のものを有する制御された環境を提供するようなガス充填エンクロージャを参照することができる。
【0113】
種々の実施例によると、本明細書で示され、説明されるシステムの内部を照射するため、またはオペレータもしくは機械視覚システムによるシステムの部分の可視化のため等に他の領域を照射するために、異なる光源が照明要素で使用されることができる。いくつかの照明要素またはグループが、本明細書の他の場所で示され、説明されるようなシステム内で、またはそれらを包囲して使用するために、種々の様式で選択されることができる。例えば、1つ以上の照明要素は、平坦に、または種々の照明位置もしくは照射角を提供する調節可能な様式で搭載されることができる。照明要素の配置は、天井の場所に制限される必要はなく、そのような照明要素は、本明細書で示され、説明されるシステムの他の内面または外面上に位置することができる。
【0114】
照明要素は、任意の数、種類、または組み合わせの光、例えば、ハロゲンライト、白色光、白熱電灯、アークランプ、または発光ダイオードもしくはデバイス(LED)を備えていることができる。例証的実施例では、照明要素は、1個のLED~約100個のLED、約10個のLED~約50個のLED、または100個を上回るLEDを含むことができる。LEDまたは他の照明デバイスは、可視的な色のスペクトル内、可視的な色のスペクトルの外側、またはそれらの組み合わせの任意の色または色の組み合わせを放射することができる。
【0115】
印刷システムの中等のOLEDデバイス製作で使用されることができる、いくつかの材料は、いくつかの光の波長に敏感であり得る。したがって、OLED製作システムの中に設置されるか、またはOLED製作システムを照射するために使用される、照明要素のための光の波長が、処理中に材料劣化を抑制または排除するように選択されることができる。例えば、4XクールホワイトLEDが使用されることができ、4X黄色LEDが使用されることができ、またはそれらの任意の組み合わせである。4XクールホワイトLEDの実施例は、IDEC Corporation(Sunnyvale,California)から入手可能な部品番号LF1B-D4S-2THWW4を含むことができる。4X黄色LEDの実施例は、同様にIDEC Corporationから入手可能な部品番号LF1B-D4S-2SHY6を含むことができる。LEDまたは他の照明要素は、天井フレームの任意の内部上、またはOLED製作システムの別の表面上の任意の位置に位置付けられるか、またはそこから吊り下げられることができる。照明要素は、LEDに限定されず、他の種類の照明要素または照明要素の組み合わせが使用されることができる。
【0116】
図8は、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用される製作機器を収納するエンクロージャ内で制御された環境を確立または維持するように、本明細書で説明される1つ以上の他の実施例の部分または全体に関して使用されることができる、ガス精製方式の概略図を図示する。例えば、ガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャアセンブリ100(例えば、制御された環境を有するエンクロージャ)と、ガスエンクロージャアセンブリ100と流体連通しているガス精製ループ130と、(例えば、本明細書の他の実施例では、温度コントローラと称することができるような)熱調整システム140とを含むことができる。
【0117】
システム502は、OLED印刷システムのため等の基板浮動式テーブルまたは他の加圧ガスデバイス等の種々のデバイスを操作するためのガスを供給することができる、加圧ガス再循環システム300を含むことができる。加圧ガス再循環システム300は、圧縮機、送風機、または両方を含むか、または使用することができる。加えて、ガスエンクロージャシステム502は、ガスエンクロージャシステム502の内部に循環および濾過システム(例えば、本明細書の他の実施例で説明されるような1つ以上のファンフィルタユニット(FFU))を有することができる。
【0118】
1つ以上のダクトまたはバッフルが、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために、別様に濾過され、内部で循環させられる非反応性ガスから、ガス精製ループ130を通して循環させられる非反応性ガスを分離することができる。例えば、ガス精製ループ130は、ガスエンクロージャアセンブリ100からの出口ライン131を含むことができる。溶媒排除のために、溶媒除去構成要素132が提供されることができ、精製されるガスは、溶媒除去構成要素132からガス精製システム134へ送られることができる。溶媒、ならびにオゾン、酸素、および水蒸気のうちの1つ以上のもの等の他の反応性ガス種を除いて精製されたガスは、入口ライン133を通して等、ガスエンクロージャアセンブリ100に戻して循環させられることができる。
【0119】
ガス精製ループ130は、監視または制御デバイスと連動するように、適切な導管および接続を含むことができる。例えば、オゾン、酸素、水蒸気、または溶媒蒸気センサが含まれることができる。ファン、送風機、または他の配列等のガス循環ユニットが、別々に提供されるか、またはガス精製ループ130を通してガスを循環させるように、例えば、ガス精製システム134に組み込まれることができる。
図8の説明図では、溶媒除去構成要素132およびガス精製システム134は、別個のユニットとして示されている。しかしながら、溶媒除去構成要素132とガス精製システム134とは、単一のユニットとして一緒に収納されることができる。
【0120】
図8のガス精製ループ130は、ガスエンクロージャアセンブリ100から循環させられるガスが、出口ライン131を介する等して、溶媒除去構成要素132を通過することができるように、ガス精製システム134の上流に配置される溶媒除去構成要素132を有することができる。実施例では、溶媒除去構成要素132は、溶媒除去構成要素132を通過するガスから溶媒蒸気を吸収することに基づく、溶媒閉じ込めシステムを含むことができる。例えば、活性炭、分子篩等の1つまたは複数の吸着床が、多種多様な有機溶媒蒸気を効果的に除去することができる。別の実施例では、溶媒除去構成要素132の一部分として溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が使用されることができる。ガスエンクロージャシステム502等のガスエンクロージャシステムを通して連続的に循環するガスからのそのような種の除去を監視するために、オゾン、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されることができる。例えば、そのようなセンサまたは他のデバイスから得られる情報は、例えば、1つまたは複数の吸着床を再生または交換することができるように、活性炭、分子篩等の吸着剤が、容量に達した、または別様にあまり効果的でなくなったときを示すことができる。
【0121】
分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ等を伴うことができる。例えば、オゾン、酸素、水蒸気、または溶媒を含む、種々の種を閉じ込めるように構成される分子篩は、加熱およびフォーミングガスにさらすことによって再生されることができる。例証的実施例では、そのようなフォーミングガスは、水素を含むことができ、例えば、フォーミングガスは、約96%窒素および約4%水素を含み、該割合は、体積または重量によるものである。活性炭の物理的再生は、制御された環境下で加熱の手順を使用して行われることができる。
【0122】
ガス精製ループ130のガス精製システム134の一部分は、例えば、MBRAUN Inc.(Statham,New Hampshire)またはInnovative
Technology(Amesbury,Massachusetts)から入手可能なシステムを含むことができる。ガス精製システム134は、ガスエンクロージャシステム502内の1つ以上のガスを精製するために、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を精製するために使用されることができる。上記のように、ガス精製ループ130を通してガスを循環させるために、ガス精製システム134は、例えば、ファンまたは送風機等のガス循環ユニットを有することができる。ガス精製システムは、ガス精製システムを通して非反応性ガスを移動させるための体積流速を定義することができる、エンクロージャの容積に応じて選択または構成されることができる。例証的実施例では、ガスエンクロージャアセンブリを有するガスエンクロージャシステムは、約4立方メートルの容積を含むことができ、毎時約84立方メートルを移動させることができるガス精製システムが使用されることができる。別の例証的実施例では、ガスエンクロージャアセンブリを有するガスエンクロージャシステムは、約10立方メートルの容積を含むことができ、毎時約155立方メートルを移動させることができるガス精製システムが使用されることができる。さらに別の例証的実施例では、約52~約114立方メートルの容積を有するガスエンクロージャアセンブリ、2つ以上のガス精製システムが使用されることができる。
【0123】
ガスフィルタ、乾燥機、または他の精製デバイスが、ガス精製システム134に含まれることができる。例えば、ガス精製システム134は、デバイスのうちの1つが保守のためにラインから取り出されることができ、中断なくシステム動作を継続させるために、他のデバイスのうちの1つ以上のものが使用されることができるように、並列構成であるか、または別様に配列されるような、2つ以上の精製デバイスを含むことができる。例えば、ガス精製システム134は、分子篩のうちの1つが不純物で飽和するか、または別様に十分効率的に動作していないと見なされるときに、飽和した、または非効率的な分子篩を再生しながら、本システムが他の分子篩に切り替えることができるように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩等の1つ以上の分子篩を備えていることができる。各分子篩の動作効率を決定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つ以上の分子篩を再生するため、またはそれらの組み合わせのために、制御ユニットが提供されることができる。前述のように、分子篩は、再生および再利用されることができる。
【0124】
図8の熱調整システム140は、ガスエンクロージャアセンブリの中へ冷却剤を循環させるための流体出口ライン141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン143とを有することができる、少なくとも1つの冷却装置142を含むことができる。少なくとも1つの流体冷却装置142が、ガスエンクロージャシステム502内のガス雰囲気を冷却するために提供されることができる。例えば、流体冷却装置142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達することができ、ガスは、エンクロージャの内部の濾過システムを通過するようにさせられることができる。少なくとも1つの流体冷却装置もまた、ガスエンクロージャシステム502内に封入された装置から発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム502に提供されることができる。例証的実施例では、流体冷却装置もまた、OLED印刷システムから発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム502のために提供されることができる。熱調整システム140は、熱交換またはペルチェデバイスを含むことができ、かつ種々の冷却能力を有することができる。例えば、冷却装置は、約2キロワット(kW)~約20kWの容量の冷却能力を提供することができる。種々の実施例によると、ガスエンクロージャシステム502は、1つ以上の流体を冷却することができる、複数の流体冷却装置を有することができる。流体冷却装置は、熱伝達媒体として、例えば、水、不凍剤、冷媒、またはそれらの組み合わせ等の種々の流体を使用することができる。関連導管およびシステム構成要素を接続することにおいて、漏出がない係止接続が使用されることができる。
【0125】
上記の実施例は、冷却能力および冷却用途を記述するが、上記の実施例はまた、制御された環境内での基板のバッファリングを含む用途に、または製作されている基板からの不要な熱伝達を回避するため、または基板にわたる、もしくは基板間の温度一様性の妨害を回避するためにシステムの他の部分に類似する温度で循環ガスを維持することができる用途に適用されることもできる。
【0126】
図9Aおよび9Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスの供給を含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
図10Aおよび10Bは、概して、本明細書の他の場所で説明される他の実施例で参照される制御された環境を確立するために使用されることができるような、かつ例えば、浮動式テーブルとともに使用するための加圧ガスおよび少なくとも部分的真空を提供する送風機ループを含むことができるような非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)源を統合および制御するためのガスエンクロージャシステムの実施例を図示する。
図10Cは、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するように、1つ以上のガスまたは空気源を統合および制御するためのシステムのさらなる実施例を図示する。
【0127】
本明細書で説明される種々の実施例は、環境的に制御されることができる封入型モジュールを含む。エンクロージャアセンブリおよび対応する支持機器は、「ガスエンクロージャシステム」と称されることができ、そのようなエンクロージャアセンブリは、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を低減させるか、または最小化し、同時に、本明細書で説明される堆積(例えば、印刷)、保持、装填、または処置モジュール等のOLED製作システム構成要素の種々の設置面積に適応するための作業容積を提供する、輪郭様式で構築されることができる。例えば、本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリは、例えば、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを対象とする、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施例に対して、約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施例は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズまたは他の基板サイズのOLED印刷に有用であり得る、例えば、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができるが、それに限定されない。補助エンクロージャの種々の実施例は、ガスエンクロージャアセンブリの一部として構築され、制御された実質的に低粒子の環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環および濾過、ならびに精製構成要素と容易に統合されることができる。
【0128】
図9Aおよび
図10Aに示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施例は、加圧非反応性ガス再循環システムを含むことができる。加圧ガス再循環ループの種々の実施例は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせを利用することができる。本教示によると、ガスエンクロージャシステム内の加圧ガス再循環システムの種々の実施例を提供するために、いくつかの工学的課題が対処された。第1に、加圧非反応性ガス再循環システムを伴わないガスエンクロージャシステムの典型的な動作の下で、任意の漏れがガスエンクロージャシステム内で発生する場合、外部ガスまたは空気が内部に進入することを防ぐために、外部圧力に対してわずかに正の内部圧力で(例えば、大気圧を上回って)ガスエンクロージャシステムが維持されることができる。例えば、典型的な動作の下で、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例に対して、ガスエンクロージャシステムの内部は、例えば、エンクロージャシステムの外部の周辺雰囲気に対して少なくとも2mbargの圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力で維持されることができる。
【0129】
ガスエンクロージャシステム内で加圧ガス再循環システムを維持することは、それが同時に加圧ガスをガスエンクロージャシステムに連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかな内部陽圧を維持することに関して、動的な継続した平衡化行為を提示するため、困難であり得る。さらに、種々のデバイスおよび装置の可変要求は、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムに対して不規則な圧力プロファイルを生成し得る。そのような条件下で外部環境に対してわずかな陽圧で保たれるガスエンクロージャシステムのための動的圧力平衡を維持することは、継続したOLED製作プロセスの完全性を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施例に対して、本教示による加圧ガス再循環システムは、圧縮機、アキュムレータ、および送風機、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを利用することができる、加圧ガスループの種々の実施例を含むことができる。加圧ガスループの種々の実施例を含む、加圧ガス再循環システムの種々の実施例は、安定した定義された値において、本教示のガスエンクロージャシステム内の非反応性ガスの内部圧力を提供することができる、特別に設計された圧力制御迂回ループを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施例では、加圧ガス再循環システムは、加圧ガスループのアキュムレータ内のガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、圧力制御迂回ループを介して加圧ガスを再循環させるように構成されることができる。閾値圧力は、例えば、約25psig~約200psigの範囲内、より具体的には、約75psig~約125psigの範囲内、またはより具体的には、約90psig~約95psigの範囲内であり得る。その点に関して、特別に設計された圧力制御迂回ループの種々の実施例を伴う加圧ガス再循環システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムは、密封ガスエンクロージャ内に加圧ガス再循環システムを有することの平衡を維持することができる。
【0130】
本教示によると、種々のデバイスおよび装置は、ガスエンクロージャシステムの内部に配置されることができ、かつ加圧ガス再循環システムの種々の実施例と流体連通し得る。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施例に対して、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持にあまり手がかからない。ガスエンクロージャシステムの内部に配置されることができ、かつ種々の加圧ガスループと流体連通し得る、例示的なデバイスおよび装置は、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを含むことができるが、それらに限定されない。基板浮動式テーブル、ならびに空気ベアリングは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例によると、OLED印刷システムを操作する種々の側面に使用されることができる。例えば、プリントヘッドチャンバ内の定位置に基板を輸送するため、ならびにOLED印刷プロセス中に基板を支持するために、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルが使用されることができる。
【0131】
例えば、
図9A、9B、10A、および10Bに示されるように、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の種々の実施例は、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の動作の種々の側面で使用するために非反応性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合し、制御するための外部ガスループ3200を有することができる。ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504はまた、以前に説明されたように、内部粒子濾過およびガス循環システムの種々の実施形態、ならびに外部ガス精製システムの種々の実施例も含むことができる。ガスエンクロージャシステムのそのような実施例は、ガスから種々の反応種を除いて精製するためのガス精製システムを含むことができる。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本教示によるガス精製システムの種々の実施例は、水蒸気、酸素、オゾン等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、1000ppm以下に、例えば、100ppm以下に、例えば、10ppm以下に、1.0ppm以下に、もしくは0.1ppm以下に維持することができる。ガス源3201およびCDA源3203を統合して制御するための外部ループ3200に加えて、ガスエンクロージャアセンブリ503およびガスエンクロージャシステム504は、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の内部に配置されることができる種々のデバイスおよび装置を操作するためのガスを供給することができる、圧縮機ループ3250を有することができる。弁3274が開放位置にあるときにライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通するような、真空システム3270も提供されることもできる。
【0132】
図9Aの圧縮機ループ3250は、圧縮機3262と、第1のアキュムレータ3264と、第2のアキュムレータ3268とを含むことができ、それらは、流体連通するように構成される。圧縮機3262は、ガスエンクロージャアセンブリ1005から引き出されるガスを所望の圧力に圧縮するように構成されることができる。圧縮機ループ3250の入口側は、弁3256および逆止弁3258を有するライン3254を通して、ガスエンクロージャアセンブリ出口3252を介してガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通することができる。圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200を介して、圧縮機ループ3250の出口側でガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通することができる。アキュムレータ3264は、圧縮機3262と、外部ガスループ3200との圧縮機ループ3250の接合部との間に配置されることができ、5psigまたはそれより高い圧力を生成するように構成されることができる。第2のアキュムレータ3268は、約60Hzでの圧縮機ピストン循環による減退変動を提供するために、圧縮機ループ3250の中にあり得る。圧縮機ループ3250の種々の実施例に対して、第1のアキュムレータ3264が、約80ガロン~約160ガロンの間の容量を有することができる一方で、第2のアキュムレータは、約30ガロン~約60の間の容量を有することができる。ガスエンクロージャシステム503の種々の実施例によると、圧縮機3262は、ゼロ進入圧縮機であり得る。種々の種類のゼロ進入圧縮機は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施例の中へ大気ガスを漏出させることなく動作することができる。ゼロ進入圧縮機の種々の実施例は、例えば、圧縮ガスを必要とする種々のデバイスおよび装置の使用を利用して、OLED製作プロセス中に連続的に実行されることができる。
【0133】
アキュムレータ3264は、圧縮機3262から圧縮ガスを受け取って蓄積するように構成されることができる。アキュムレータ3264は、ガスエンクロージャアセンブリ1005の中で必要に応じて圧縮ガスを供給することができる。例えば、アキュムレータ3264は、限定されないが、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上のもの等のガスエンクロージャアセンブリ1005の種々の構成要素のための圧力を維持するように、ガスを提供することができる。ガスエンクロージャシステム503に対して
図9Aに示されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1005は、その中に封入されたOLED印刷システム2000を有することができる。
図9Aで概略的に描写されるように、インクジェット印刷システム2000は、花崗岩ステージであり得る、印刷システム基部2100によって支持されることができる。印刷システム基部2100は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置を支持することができる。本教示の種々の実施例では、基板支持装置は、基板浮動式テーブル印刷領域2200等の基板浮動式テーブルであり得る。基板浮動式テーブル印刷領域2200は、基板の無摩擦支持のために使用されることができる。低粒子生成浮動式テーブルに加えて、基板の無摩擦Y軸運搬のために、印刷システム2000は、空気ブッシングを利用するY軸運動システムを有することができる。
【0134】
加えて、印刷システム2000は、低粒子生成X軸空気ベアリングアセンブリによって提供される運動制御とともに、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有することができる。例えば、種々の粒子生成線形機械ベアリングシステムの代わりに、X軸空気ベアリングアセンブリ等の低粒子生成運動システムの種々の構成要素が使用されることができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施例に対して、種々の空気動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持にあまり手がかからない。圧縮機ループ3250は、加圧ガスをガスエンクロージャシステム503の種々のデバイスおよび装置に連続的に供給するように構成されることができる。加圧ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用するインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル印刷領域2200はまた、弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と流体連通している、真空システム3270も利用する。
【0135】
本教示による加圧ガス再循環システムは、圧縮機ループ3250のために
図9Aに示されるような圧力制御バイパスループ3260を有することができ、それは、使用中に加圧ガスの可変要求を補うように作用し、それによって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための動的平衡を提供する。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例に対して、バイパスループが、エンクロージャ1005内の圧力を乱すことまたは変化させることなく、アキュムレータ3264内で一定の圧力を維持することができる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260が使用されない限り閉鎖される、バイパスループの入口側の第1のバイパス入口弁3261を有することができる。バイパスループ3260はまた、第2の弁3263が閉鎖されるときに使用されることができる背圧調節器3266を有することもできる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260の出口側に配置された第2のアキュムレータ3268を有することができる。ゼロ進入圧縮機を利用する圧縮機ループ3250の実施例に対して、バイパスループ3260は、ガスエンクロージャシステムの使用中に経時的に発生し得る、圧力のわずかな規定外変動を補償することができる。バイパスループ3260は、バイパス入口弁3261が開放位置にあるときに、バイパスループ3260の入口側で圧縮機ループ3250と流体連通することができる。バイパス入口弁3261が開放されたとき、圧縮機ループ3250からのガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内部内で要求されていない場合、バイパスループ3260を通して分流されるガスは、圧縮機に再循環させられることができる。圧縮機ループ3250は、アキュムレータ3264内のガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、バイパスループ3260を通してガスを分流するように構成される。アキュムレータ3264の事前設定された閾値圧力は、少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約25psig~約200psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約50psig~約150psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約75psig~約125psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約90psig~約95psigの間であり得る。
【0136】
圧縮機ループ3250の種々の実施例は、可変速度圧縮機、またはオンもしくはオフ状態のいずれか一方であるように制御することができる圧縮機等のゼロ進入圧縮機以外の種々の圧縮機を利用することができる。以前に議論されたように、ゼロ進入圧縮機は、いかなる大気反応種もガスエンクロージャシステムに導入されることができないことを確実にする。したがって、大気反応種がガスエンクロージャシステムに導入されることを防止する、任意の圧縮機構成が、圧縮機ループ3250に利用されることができる。種々の実施例によると、ガスエンクロージャシステム503の圧縮機3262は、例えば、限定されないが、密封筐体の中に収納されることができる。筐体内部は、ガス(例えば、ガスエンクロージャアセンブリ1005のためのガス雰囲気を形成する同じガス)源と流体連通して構成されることができる。圧縮機ループ3250の種々の実施例に対して、圧縮機3262は、一定の圧力を維持するように、一定の速度で制御されることができる。ゼロ進入圧縮機を利用しない圧縮機ループ3250の他の実施例では、圧縮機3262は、最大閾値圧力に達したときにオフにされ、最小閾値圧力に達したときにオンにされることができる。
【0137】
ガスエンクロージャシステム504の
図10Aでは、真空送風機3290を利用する送風機ループ3280が、ガスエンクロージャアセンブリ1005に収納されるインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル印刷領域2200の動作のために示されている。圧縮機ループ3250に対して以前に議論されたように、送風機ループ3280は、加圧ガスを印刷システム2000の基板浮動式テーブル印刷領域2200に連続的に供給するように構成されることができる。
【0138】
加圧ガス再循環システムを利用することができるガスエンクロージャシステムの種々の実施例は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用する、種々のループを有することができる。ガスエンクロージャシステム504の
図10Aでは、圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200と流体連通することができ、外部ガスループは、高消費マニホールド3225、ならびに低消費マニホールド3215のためのガスの供給のために使用することができる。ガスエンクロージャシステム504に対して
図10Aに示されるような本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例によると、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上のもの等の種々のデバイスおよび装置にガスを供給するために、高消費マニホールド3225が使用されることができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施例に対して、低消費3215は、限定されないが、アイソレータ、および空気圧アクチュエータ、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つ以上のもの等の種々の装置およびデバイスにガスを供給するために使用されることができる。
【0139】
図10Aおよび10Bのガスエンクロージャシステム504の種々の実施例に対して、加圧ガスを基板浮動式テーブル印刷領域2200の種々の実施例に供給するために、送風機ループ3280が利用されることができる。加圧ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する、OLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル印刷領域2200はまた、弁3294が開放位置にあるときに、ライン3292を通してガスエンクロージャアセンブリ1005と連通している送風機真空3290も利用する。送風機ループ3280の筐体3282は、ガスの加圧源を基板浮動式テーブル印刷領域2200に供給するための第1の送風機3284、およびガスエンクロージャアセンブリ1005内のガス環境に収納される基板浮動式テーブル印刷領域2200のための真空源の役割を果たす、第2の送風機3290を維持することができる。基板浮動式テーブルの種々の実施例のための加圧ガスまたは真空源のいずれか一方として使用するために送風機を好適にすることができる属性は、例えば、それらが高い信頼性を有する、それらを維持にあまり手がかからなくする、可変速度制御を有する、広範囲の流量を有する、約100m
3
/時間~約2,500m
3/時間の流量を提供することが可能な種々の実施例を含むが、
それらに限定されない。送風機ループ3280の種々の実施例は、加えて、圧縮機ループ3280の入口端部に第1の隔離弁3283、ならびに送風機ループ3280の出口端部に逆止弁3285および第2の隔離弁3287を有することができる。送風機ループ3280の種々の実施例は、例えば、限定されないが、ゲート、バタフライ、針、またはボール弁であり得る、調節可能な弁3286、ならびに規定温度で送風機ループ3280から基板浮動式テーブル印刷領域2200へのガスを維持するための熱交換器3288を有することができる。
【0140】
図10Aは、
図9Aのガスエンクロージャシステム503および
図10Aのガスエンクロージャシステム504の動作の種々の側面で使用するために、ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための
図9Aでも示されるような外部ガスループ3200を描写する。
図9Aおよび
図10Aの外部ガスループ3200は、少なくとも4つの機械弁を含むことができる。これらの弁は、第1の機械弁3202と、第2の機械弁3204と、第3の機械弁3206と、第4の機械弁3208とを含む。これらの種々の弁は、非反応性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)等の空気源の両方の制御を可能にする、種々の流動ラインの中の位置に位置する。本教示によると、非反応性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであり得る。非反応性のガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。内蔵ガス源3201から、内蔵ガスライン3210が延びる。内蔵ガスライン3210は、低消費マニホールド3215と流体連通している低消費マニホールドライン3212として直線的に延び続ける。交差線の第1の区分3214は、第1の流動接合点3216から延び、第1の流動接合点は、内蔵ガスライン3210、低消費マニホールドライン3212、および交差線の第1の区分3214の交点に位置する。交差線の第1の区分3214は、第2の流動接合点3218まで延びる。圧縮機ガスライン3220は、圧縮機ループ3250のアキュムレータ3264から延び、第2の流動接合点3218で終端する。CDAライン3222は、CDA源3203から延び、高消費マニホールド3225と流体連通している高消費マニホールドライン3224として継続する。第3の流動接合点3226は、交差線の第2の区分3228、清浄乾燥空気ライン3222、および高消費マニホールドライン3224の交点に位置付けられる。交差線の第2の区分3228は、第2の流動接合点3218から第3の流動接合点3226まで延びる。高消費マニホールド3225を用いて、高消費である種々の構成要素が、保守中にCDAに供給されることができる。弁3204、3208、および3230を使用して圧縮機を隔離することにより、オゾン、酸素、および水蒸気等の反応種が、圧縮機およびアキュムレータ内のガスを汚染することを防止することができる。
【0141】
図9Aおよび10Aと対照的に、
図9Bおよび10Bは、概して、圧力モニタPに連結される弁を使用して等、ガスエンクロージャアセンブリ1005の内側のガスの圧力が、所望または規定範囲内で維持されることができ、弁は、圧力モニタから得られる情報を使用して、ガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1005を包囲する別のエンクロージャ、システム、または領域に排気させられることを可能にする構成を図示する。そのようなガスは、本明細書で説明される他の実施例のように、回収されて再処理されることができる。上記のように、加圧ガスも同時にガスエンクロージャシステムに導入されるため、そのような調整は、ガスエンクロージャシステムのわずかな内部陽圧を維持することを支援することができる。種々のデバイスおよび装置の可変要求は、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムに対する不規則な圧力プロファイルを生成し得る。したがって、エンクロージャを包囲する環境に対してわずかな陽圧で保たれるガスエンクロージャシステムのための動的圧力平衡を維持することを支持するように、本明細書で説明される他のアプローチに加えて、またはその代りに、
図9Bおよび10Bに示されるアプローチが使用されることができる。
【0142】
図10Cは、概して、浮動運搬システムの一部として含まれる浮動制御ゾーンを確立するように、1つ以上のガスまたは空気源を統合および制御するためのシステム505のさらなる実施例を図示する。
図10Aおよび10Bの実施例と同様に、
図10Cは、概して、浮動式テーブル印刷領域2200を図示する。加えて、
図10Cの例証的実施例には、入力領域2100および出力領域2300が示されている。領域2100、2200、2300は、例証のみのために、入力、印刷、および出力と称される。そのような領域は、基板の運搬、もしくは1つ以上の他のモジュール内の基板の保持、乾燥、または熱処理のうちの1つ以上のものの間の基板の支持等の他の処理ステップに使用されることができる。
図10Cの説明図では、第1の送風機3284Aは、浮動式テーブル装置の入力または出力領域2100または2300のうちの1つ以上のものの中に加圧ガスを提供するように構成される。そのような加圧ガスは、第1の熱交換器1502Aに連結された第1の冷却装置142Aを使用して等、温度制御されることができる。そのような加圧ガスは、第1のフィルタ1503Aを使用して、濾過されることができる。温度モニタ8701Aが、第1の冷却装置142(または他の温度コントローラ)に連結されることができる。
【0143】
同様に、第2の送風機3284Bが、浮動式テーブルの印刷領域2200に連結されることができる。別個の冷却装置142Bが、第2の熱交換器1502Bおよび第2のフィルタ1503Bを含むループに連結されることができる。第2の送風機3284Bによって提供される加圧ガスの温度の独立した調整を提供するために、第2の温度モニタ8701Bが使用されることができる。本例証的実施例では、入力および出力領域2100および2300は、陽圧を供給されるが、印刷領域2200は、基板位置に対する精密制御を提供するように、陽圧および真空制御の組み合わせの使用を含むことができる。例えば、陽圧および真空制御のそのような組み合わせを使用して、基板は、印刷領域2200によって画定されるゾーン内でシステム504によって提供される浮動ガスクッションを使用してもっぱら制御されることができる。真空は、第3の送風機3290によって確立されることができ、したがって、送風機筐体3282内の第1および第2の送風機3284Aまたは3284Bのためのメイクアップガスの少なくとも一部分も提供される。
【0144】
図11A、
図11B、および
図11Cは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、移送モジュールを含むようなシステムの少なくとも一部の図を図示する。
【0145】
システム1000の種々のエンクロージャ内の制御された環境は、制御された粒子状物質レベルを含むことができる。粒子状物質は、ファンフィルタユニット(FFU)と称することができるような空気循環ユニットおよびフィルタを使用することによって等、低減させられるか、または最小化されることができる。FFUのアレイは、処理中に基板によって横断される経路に沿って位置することができる。FFUは、空気流の下降流方向を提供する必要はない。例えば、基板の表面にわたって横方向へ実質的に層流の流動を提供するように、FFUまたは配管が位置付けられることができる。横方向へのそのような層流は、粒子状物質制御を向上させるか、または別様に提供することができる。
【0146】
図11A-11Cの実施例では、粒子状物質または汚染物質の制御されたレベルを有する、移送モジュール1400A内の環境を維持することを支援するために、FFU1500Aから1500F等の1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)が使用されることができる。
図11Bおよび
図11Cの下降流実施例で示されるような帰還空気経路を提供するように、第1および第2のダクト5201Aまたは5201B等のダクトが使用されることができる。1つ以上の熱交換器1502に連結されるような温度コントローラ8700を少なくとも部分的に使用して、制御された温度が維持されることができる。基板または基板の近くの領域を温度の規定範囲内で維持することを支援するフィードバックを提供するように、温度モニタ8701等の1つ以上の温度モニタが、特定の場所に(例えば、基板またはエンドエフェクタの上または近くに)配置されることができる。実施例では、以下で議論されるように、温度モニタは、センサによってサンプリングされる表面温度を示す情報を提供するように構成される、赤外線温度モニタ等の非接触センサであり得る。
図13Bで例証的に示されるようなチャンバの下部分の中の帰還空気ダクト内に、またはその近くに熱交換器を配置することを含むことができるような、他の構成が可能である。
【0147】
図11Cでは、円は、概して、ハンドラ1410の掃引の外側寸法限界を表し、角に示される領域は、ダクト5201A、5201B、5201C、または5201Dとして使用されることができ、それらは、精製されたガス(例えば、窒素)が移送モジュール1400Aの底部から捕捉され、次いで、移送モジュール1400Aの最上部に位置する1つ以上のFFU1500Aから1500Fを通した再注入のために、再循環または洗浄されるための帰還経路を提供する。
【0148】
図12Aは、概して、電子デバイス(例えば、有機発光ダイオード(OLED)デバイス)を製造することにおいて使用されることができる、他のチャンバまたはモジュールに連結された移送モジュール1400Bを含むようなシステムの一部を図示する。
図11Aの実施例のように、移送モジュール1400Bは、1500A-1500N等の1つ以上のファンフィルタユニット(FFU)(例えば、14個のFFU)を含むことができる。
【0149】
図12Bは、概して、
図11Aに示されるモジュール1400B内の基板4000を操作するため等に使用されることができる、ハンドラ2732構成を図示する。
図11Aの移送モジュール1400Aのハンドラ1410Aと対照的に、
図12Bのハンドラ1410Bは、概して、軸におけるハンドラ2732の線形平行移動を提供するように、トラック2734またはレール構成が使用されることができることを図示する。このようにして、モジュールまたはチャンバが単一の点から外へ放射状に広がる様式で互いに連結されることを必要とせずに、広範囲の他のチャンバまたはモジュールが、クラスタ構成等で、移送モジュール1400Bに連結されることができる。
図11Cの実施例のように、1つ以上のダクトは、ハンドラ1410Bのレーストラック状の運動の範囲の外側の領域における、移送モジュール1400Bの部分に位置することができる。例えば、そのような場所は、他の実施例に示されるように、移送モジュール1400Bの下部分からFFUアレイの上方のプレナムまで上向きにガス(例えば、窒素)を運ぶ帰還ダクトを提供するために、使用されることができる。
【0150】
図13Aおよび
図13Bは、概して、それぞれの基板を収容するエリアの積層構成を有する、処理モジュール1200を含むことができるようなシステムの一部の図を図示する。モジュール1200は、他の場所で説明されるように他のモジュールに連結されることができる。例えば、モジュール1200は、基板を乾燥させること、後続の処理モジュールがそれを受け取る準備ができるまで基板を待ち行列に入れること、基板上で液体を定着または流動させること、もしくは基板を冷却することを含む、上記で説明されるような他のモジュールを使用して行われる動作の間で基板を保持するために使用されることができる。処理モジュール1200のポートは、ドア3301等の1つ以上のドアまたはハッチを含むことができる。例えば、そのようなドアは、他の場所またはシステム内の対応するドアが閉鎖されない限り、製作システムの外部にアクセス可能なドアを開放することができないように、機械的または電気的に相互係止されることができる。例えば、ドア3301が、保守を行うために使用されることができる一方で、処理モジュール1200は、別様に、製作システムの他の封入型部分内の不活性環境、または粒子状物質もしくは汚染物質を制御された環境から隔離される。
【0151】
上記のように、少なくとも部分的に1つ以上のFFU1500を使用して、そのような粒子状物質または汚染物質を制御された環境が維持されることができる。
図13Bの実施例では、基板を含むことができる1つ以上のセル3350のうちの各々を横断する実質的に層流のガス(例えば、非反応性ガス)流を維持するように、クロスフロー構成が使用される。熱交換器1502は、FFU1500の一部分の付近に、または一部分として位置することができるが、その必要はない。例えば、熱交換器1502は、帰還ダクト5201の一部分内に、または一部分として含まれるように、基板取り扱いエリアの下方に位置することができる。温度は、温度モニタ8701に連結されるような温度コントローラ8700によって制御されることができる。ダクト5201の部分の曲線状外形は、処理モジュール1200内の規定流動特性(例えば、層流)を維持するように、少なくとも部分的に計算流体力学的技法を使用して規定されることができる。
【0152】
(種々の注釈および実施例)
実施例1は、基板上に第1のパターン化された有機層を堆積させるように構成されている第1の印刷システムであって、パターン化された層は、基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備え、第1の印刷システムは、第1の処理環境内に位置し、第1の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、第1の印刷システムと、熱的に制御された領域の積層構成を含む封入型熱処理モジュールであって、熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、封入型熱処理モジュールは、制御された第2の処理環境を提供し、第2の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、封入型熱処理モジュールと、第1の印刷システムから基板を受け取るように構成され、かつ基板を封入型熱処理モジュール内の第2の処理環境に提供するように構成されている基板移送モジュールとを備えている、電子デバイス製作システムを含むか、または使用することができるような主題(行為を行うための装置、方法、または手段、もしくはデバイスによって行われたときに、デバイスに行為を行わせることができる命令を含む、デバイス読み取り可能な媒体等)を含むか、または使用することができる。実施例1では、第1の印刷システム内の基板の印刷中の第1の処理環境の酸素含量は、熱処理モジュール内の基板の熱処理中の第2の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きい。
【0153】
実施例2は、各々が基板を収容するように構成される1つ以上の基板保持領域を含む封入型基板冷却モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例1の主題と随意に組み合わせられることができ、基板冷却モジュールは、基板が規定閾値温度を下回るまで、基板を冷却するように規定される持続時間に対して基板を保持するように構成され、封入型冷却モジュールは、第3の処理環境を確立するように構成され、第3の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている。
【0154】
実施例3は、封入型熱処理モジュール内の第2の処理環境から基板を受け取るように構成され、かつ基板を封入型冷却モジュール内の第3の処理環境に提供するように構成される、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例2の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0155】
実施例4は、冷却モジュール内の基板の冷却中の第3の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きい、印刷モジュール内の基板の印刷中の第1の処理環境の酸素含量を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例2または3のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0156】
実施例5は、100℃の規定閾値温度を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例2から4のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0157】
実施例6は、各ステーションが互からオフセットされる、積層構成における複数の基板冷却領域を備えている、冷却モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例2から5のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0158】
実施例7は、実質的に同一である第2および第3の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例2から6のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0159】
実施例8は、100ppmを下回る含水量および100ppmを下回るオゾン含量を維持するように制御された清浄乾燥空気を備えている、第1の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から7のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0160】
実施例9は、基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される精製非反応性ガスを備えている、第2の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から8のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0161】
実施例10は、大気圧を上回る窒素を含む、第2の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例9の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0162】
実施例11は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、100パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有する環境を維持するように確立される、第2の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から10のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0163】
実施例12は、第1の処理環境は、100,000パーツ・パー・ミリオンを超える酸素の環境を有する、第1の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から11のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0164】
実施例13は、印刷システムから基板を移送するように構成されている第1のハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から12のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0165】
実施例14は、第1のハンドラと異なる環境内に位置する第2のハンドラであって、基板を熱処理モジュールに移送するように構成される、第2のハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例13の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0166】
実施例15は、熱的に制御された領域のうちの規定のものの中に基板を配置するように構成される、第2のハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から14のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0167】
実施例16は、第1の印刷システムおよび封入型熱処理モジュールから離れている少なくとも1つのチャンバを備えている、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から15のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0168】
実施例17は、基板移送モジュールが、封入された第1の印刷システムと封入型熱処理モジュールとの間に位置する、封入される第1の印刷システムを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から16のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0169】
実施例18は、可動プラットフォームであって、少なくとも1つの軸において熱的に制御された領域を移動させるように構成される、可動プラットフォームを使用する、基板装填および取り外しのために熱的に制御された領域のうちの異なる領域へのアクセスを提供するように構成される、封入型熱処理モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から17のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0170】
実施例19は、インクジェット印刷システムを備えている、印刷システムを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から18のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0171】
実施例20は、第1の処理環境から基板を受け取り、プリンタから熱処理モジュールに基板を移送するプロセスにおいて基板が通過する第2の処理環境に基板を提供するように構成される、封入型内部モジュールを備えている、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から19のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0172】
実施例21は、封入型熱処理モジュール内の第2の処理環境の粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を維持しながら、プリンタから熱処理モジュールに基板を移送するように構成される、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から20のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0173】
実施例22は、熱処理モジュール内の酸素の濃度を1000パーツ・パー・ミリオンより大きいレベルまで上昇させることなく、大気圧以上の環境に基板を提供するステップを含み、基板を封入型熱処理モジュールに提供するように構成される、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から21のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0174】
実施例23は、封入型熱処理モジュール内で基板を移動させるように構成される基板ハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から22のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0175】
実施例24は、各々が規定基板温度を提供するように構成される熱的に制御された領域を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から23のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0176】
実施例25は、各々が規定基板温度一様性を提供するように構成される熱的に制御された領域を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から24のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0177】
実施例26は、第1のパターン化された有機層の堆積後に基板を受け取るように構成され、かつ印刷動作中に堆積させられた第1のパターン化された有機層を備えているインクを乾燥させるように構成される、乾燥モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から25のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0178】
実施例27は、乾燥モジュール内の雰囲気を少なくとも部分的に排出すること、またはパージすることのうちの1つ以上を行い、乾燥動作を促進するように構成される、乾燥モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から26のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0179】
実施例28は、各々が基板上にパターン化された有機層を堆積させるように構成される2つ以上の印刷システムであって、パターン化された層は、基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備え、2つ以上の印刷システムは、第1の処理環境内に位置し、第1の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている、2つ以上の印刷システムを備えている、電子デバイス製作システムを含むか、または使用することができるような主題(行為を行うための装置、方法、または手段、もしくは機械によって行われたときに、機械に行為を行わせることができる命令を含む、機械読み取り可能な媒体等)を含むことができるか、または、それを含むように実施例1から27のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。実施例28では、封入型熱処理モジュールは、熱的に制御された領域の積層構成を含み、熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、封入型熱処理モジュールは、制御された第2の処理環境を提供し、第2の処理環境は、粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を備えている。実施例28では、基板移送モジュールは、2つ以上の印刷システムから基板を受け取るように構成され、かつ基板を封入型熱処理モジュール内の第2の処理環境に提供するように構成される。実施例28では、2つ以上の印刷システムのうちの少なくとも1つの中の基板の印刷中の第1の処理環境の酸素含量は、熱処理モジュール内の基板の熱処理中の第2の処理環境の酸素含量より少なくとも100倍大きい。
【0180】
実施例29は、封入型熱処理モジュールが、異なるパターン化された有機層の堆積の間または後に、熱処理を基板に提供するように構成される、基板上に異なるパターン化された有機層を堆積させるように構成される、2つ以上の印刷システムの各々を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から28のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0181】
実施例30は、10パーツ・パー・ミリオン未満の酸素を有する環境を含む、第2の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例1から29のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0182】
実施例31は、基板上に第1のパターン化された有機層を堆積させるように構成されている第1の印刷システムであって、パターン化された層は、基板上で製作されている発光デバイスの少なくとも一部を備えている、第1の印刷システムと、熱的に制御された領域の積層構成を含む、熱処理モジュールであって、熱的に制御された領域は、互からオフセットされ、領域の各々は、規定基板温度または規定基板温度一様性のうちの1つ以上のものを提供するように基板を収容するように構成され、熱的に制御された領域のうちの規定領域中の第1の印刷システムから基板を受け取るように構成される、熱処理モジュールと、各々が基板を収容するように構成される1つ以上の基板保持領域を含む、基板冷却モジュールであって、基板が規定閾値温度を下回るまで、基板を冷却するように規定される持続時間に対して基板を保持するように構成される、基板冷却モジュールとを備えている、電子デバイス製作システムを含むか、または使用することができるような主題(行為を行うための装置、方法、または手段、もしくは機械によって行われたときに、機械に行為を行わせることができる命令を含む、機械読み取り可能な媒体等)を含むことができるか、または、それを含むように実施例1から30のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。実施例30では、第1の印刷システム、熱処理モジュール、および基板冷却モジュールは、封入され、かつ粒子状物質汚染レベル、水蒸気含量、酸素含量、およびオゾン含量の規定限界を下回ったままであるように確立された制御された環境を提供するように構成される。実施例30では、本システムは、制御された処理環境と異なる環境から基板を受け取るように構成され、かつ基板を第1の印刷システムまたは熱処理モジュールもしくは冷却モジュールによって画定される封入領域に提供するように構成される、基板移送モジュールを備えている。
【0183】
実施例32は、封入型熱処理モジュールから基板を受け取るように構成され、かつ基板を封入型冷却モジュールに提供するように構成される、基板移送モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例31の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0184】
実施例33は、冷却モジュール内の基板の冷却中の制御された処理環境の酸素含量と比較して、基板が移送される環境で少なくとも100倍大きい酸素含量を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31または32のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0185】
実施例34は、100℃の規定閾値温度を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から33のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0186】
実施例35は、各ステーションが互からオフセットされる、積層構成における複数の基板冷却領域を備えている、冷却モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から34のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0187】
実施例36は、100ppmを下回る含水量および100ppmを下回るオゾン含量を維持するように制御された清浄乾燥空気を備えている、冷却モジュール、印刷システム、および熱処理モジュールの外側の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から35のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0188】
実施例37は、基板上に堆積させられた種との最小または無の反応性のために規定される精製非反応性ガスを備えている、制御された処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から36のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0189】
実施例38は、大気圧を上回る窒素を有する、制御された処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例37の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0190】
実施例39は、1000パーツ・パー・ミリオン未満の酸素と、100パーツ・パー・ミリオン未満の水蒸気と、100パーツ・パー・ミリオン未満のオゾンとを有する環境を維持するように確立される、制御された処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から38のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0191】
実施例40は、100,000パーツ・パー・ミリオンを超える酸素の環境を備えている、冷却モジュール、印刷システム、および熱処理モジュールの外側の処理環境を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から39のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0192】
実施例41は、印刷システムから基板を移送するように構成されている第1のハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から40のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0193】
実施例42は、熱的に制御された領域のうちの規定のものの中に基板を配置するように構成される、第2のハンドラを含むことができるか、またはそれを随意に含むように実施例41の主題と随意に組み合わせられることができる。
【0194】
実施例43は、可動プラットフォームであって、少なくとも1つの軸において熱的に制御された領域を移動させるように構成される、可動プラットフォームを使用して、熱的に制御された領域のうちの規定のものの中に基板を堆積させるように構成される、熱処理モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から42のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0195】
実施例44は、インクジェット印刷システムを備えている、印刷システムを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から43のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0196】
実施例45は、第1の印刷システムおよび封入型熱処理モジュールから離れているチャンバを含む、第1の装填モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から44のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0197】
実施例46は、熱処理モジュール内の酸素の濃度を1000パーツ・パー・ミリオンより大きいレベルまで上昇させることなく、大気圧以上の環境に基板を提供するように第1の装填モジュールを介して基板をシステムの封入領域に提供するように構成される、第1の装填モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から45のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0198】
実施例47は、各々が規定基板温度を提供するように構成される、熱的に制御された領域を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から46のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0199】
実施例48は、各々が規定基板温度一様性を提供するように構成される、熱的に制御された領域を含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から47のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0200】
実施例49は、基板上にパターン化された有機層を堆積させるように構成される、2つ以上の印刷システムを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から48のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0201】
実施例50は、熱処理モジュールが、異なるパターン化された有機層の堆積の間または後に熱処理を基板に提供されるように構成される、基板上に異なるパターン化された有機層を堆積させるように構成される、2つ以上の印刷システムを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から49のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0202】
実施例51は、第1のパターン化された有機層の堆積後に基板を受け取るように構成され、かつ印刷動作中に堆積させられた第1のパターン化された有機層を備えているインクを乾燥させるように構成される、乾燥モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から50のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0203】
実施例52は、乾燥モジュール内の雰囲気を少なくとも部分的に排出すること、またはパージすることのうちの1つ以上を行い、乾燥動作を促進するように構成される、乾燥モジュールを含むことができるか、またはそれを随意に含むように、実施例31から51のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題と随意に組み合わせられることができる。
【0204】
本明細書で説明される非限定的実施例の各々は、自立することができ、または他の実施例のうちの1つ以上のものとの種々の順列または組み合わせで組み合わせられることができる。
【0205】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する、添付図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明を実践することができる具体的実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では「実施例」とも称される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明される、これらの要素のみが提供される実施例も考慮する。また、本発明者らはまた、特定の実施例(もしくはその1つ以上の側面)に関して、または本明細書で示され、もしくは説明される他の実施例(もしくはそれらの1つ以上の側面)に関してのいずれかで、示される、または説明されるこれらの要素(もしくはそれらの1つ以上の側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する実施例も考慮する。本書と、参照することによりそのように組み込まれる任意の書面との間の一貫性のない使用法の場合においては、本書における使用法が優先する。
【0206】
本書では、「1つの(「a」または「an」)」という用語は、「少なくとも1つの」もしくは「1つ以上の」という任意の他の事例または使用法から独立している、1つ、または1つより多くを含むために、特許文書で一般的であるように使用される。本書では、「または」という用語は、別様に指示されない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」、「AではなくB」、ならびに「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用される。本書では、「含む(including)」および「~である(in which)」という用語は、「備えている(comprising)」および「~である(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、「含む(including)」および「備えている(comprising)」という用語は、非制約的であり、つまり、請求項の中でそのような用語の後に記載されるものに加えて要素を含む、システム、デバイス、部品、組成物、調合物、またはプロセスは、依然として、その請求項の範囲内に入ると見なされる。また、以下の請求項では「第1の」、「第2の」、および「第3の」等の用語は、単に標識として使用され、それらの目的に数値的要求を課すことを意図していない。
【0207】
本明細書で説明される方法の実施例は、少なくとも部分的に、機械またはコンピュータ実装されることができる。いくつかの実施例は、上記の実施例で説明されるような方法を行うように電子デバイスを構成するように動作可能である命令で符号化される、コンピュータ読み取り可能な媒体または機械読み取り可能な媒体を含むことができる。そのような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高次言語コード等のコードを含むことができる。そのようなコードは、種々の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の部分を形成し得る。さらに、実施例では、コードは、実行中または他の時間等に、揮発性、非一過性、または不揮発性の有形コンピュータ読み取り可能な媒体のうちの1つ以上のものの上に明白に記憶されることができる。これらの有形コンピュータ読み取り可能な媒体の実施例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM等を含むことができるが、それらに限定されない。
【0208】
上記の説明は、制限的ではなく、例証的であることを意図している。例えば、上記の実施例(もしくはそれらの1つ以上の側面)は、相互と組み合わせて使用され得る。上記の説明を再検討することにより当業者によって等、他の実施形態が使用されることができる。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために、37 C.F.R. §1.72(b)に準拠するように提供される。これは、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないであろうという理解のもとで提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、種々の特徴が、本開示を効率化するようにともにグループ化され得る。これは、請求されていない開示された特徴が任意の請求項に不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全てに満たない特徴にあり得る。したがって、以下の請求項は、これによって実施例または実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として自立し、そのような実施形態を種々の組み合わせまたは順列で相互と組み合わせられることができることが考慮される。本発明の範囲は、そのような請求項が享有できる均等物の全範囲とともに、添付の請求項を参照して決定されるべきである。