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特許7018269地下空間付き構造物、またはピット式の機械式立体駐車場改修方法
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  • 特許-地下空間付き構造物、またはピット式の機械式立体駐車場改修方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】地下空間付き構造物、またはピット式の機械式立体駐車場改修方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/06 20060101AFI20220203BHJP
   E04H 6/10 20060101ALI20220203BHJP
   E02D 29/05 20060101ALI20220203BHJP
   E04H 6/12 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
E04G23/06 Z
E04H6/10 A
E02D29/05 A
E04H6/12 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017135830
(22)【出願日】2017-07-11
(65)【公開番号】P2018013027
(43)【公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2016137197
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594193438
【氏名又は名称】野村 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100101731
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 春季
(72)【発明者】
【氏名】野村 恭三
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-002072(JP,A)
【文献】特開2013-133615(JP,A)
【文献】特開2002-021235(JP,A)
【文献】登録実用新案第3203475(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/06
E04H 6/10、6/12
E02D 29/00;29/045-29/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピット部と、ピット上面を覆う鋼材等強度を有する材料よりなり、適宜間隔で気流通過用開口を有するピット覆用床材と、
ピット覆用床材の下方に配置した雨水受け板と、
ピット部の湿気を除去する換気装置と、
前記雨水受け板は、防水性よりなり適宜傾斜で設けると共に、雨水受け板の傾斜下端に設けた雨水管を前記ピット内に有する排水設備に接続し、
床材と雨水受け板の間のピット上部空間と、雨水受け板の下方のピット下部空間を接続する内部循環装置を設けると共に、
前記換気装置は、ビット上部空間内空気の自然換気用として前記気流通過用開口を用いることを特徴とする地下空間付き構造物。
【請求項2】
前記雨水受け板は、透光性のある材質を使用するとともに、
前記換気装置として使用する前記気流通過用開口は、自然換気に加え自然採光を兼ねさせることを特徴とする請求項1記載の地下空間付き構造物。
【請求項3】
複数のC形鋼の断面形状よりなる複数の床面構成部材を並列して適宜間隔をあけて配置することで、前記気流通過用開口を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の地下空間付き構造物。
【請求項4】
前記雨水受け板は、複数に分割して段差を設け設置することを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の地下空間付き構造物。
【請求項5】
前記内部循環装置は、床材と雨水受け板の間のピット上部空間の暖まった空気をピット床面もしくは床面近傍から排出する気流の流れを含むことを特徴とする請求項1~のいずれか記載の地下空間付き構造物。
【請求項6】
ピット上面を覆うピット覆用床材上を駐車場として使用することを特徴とする請求項1~記載のいずれか記載の地下空間付き構造物。
【請求項7】
ピット内の地下空間を倉庫として使用することを特徴とする請求項1~記載のいずれか記載の地下空間付き構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下倉庫に関するもので、特に機械式立体駐車場を平面駐車場等に改装し、地下ピット空間を倉庫等として使用出来る地下空間付き構造物に関するものである。
【0002】
都市部などで土地の有効利用の観点からマンション建設に際し、地下ピットを有する機械式立体駐車場が多数併設されて供給されている。しかしながら、地下ピットを有する機械式立体駐車場において、車利用の減少、都市交通インフラの整備、及び管理維持費がかさむなど、機械式立体駐車場の使用状況が近年低下している。
【0003】
駐車場に関して、機械式駐車場に改良を加え、車庫としての機能のほか、駐輪装置、物置としても用いる多目的収納機能を有する車庫と利用できるものとして、特許文献1に記載した技術が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載している技術では、パレットを介して収納物を出入れするスタッカクレーンの走行ラインに沿って、多段式車庫、多段式コンテナ室、多段式駐輪室、コンテナ・車輪用リフター室、及び車輌用リフター室から成る多段収納庫を設置し、前記車輪、コンテナ又は車輌を出し入れするバースを備えた構成となっている。
【0005】
【文献】特開平9-177355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載している技術では、比較的大規模な機械式駐車場の改良に関するもので、ピット式の機械的立体駐車場において適用することはできない。
【0007】
次に、ピットを有効利用する方法として、機械設備撤去後のピットに覆い床材で覆い、床材の上を駐車場等として使用し、ピット内を倉庫等として使用することが考えられる。
【0008】
ところがピットに覆い床材で覆い、ピットを倉庫等に使用する際に、ピットを床材として鉄鋼材料等の強度のある材料を使用することができるが、駐車場撤去後のピットに雨水侵入の対策として防水工事を施すことが必要となる。
しかしながら、防水工事をするとピット内の湿気がこもることになり、ピット内の湿気が増し、地下室として使えないという相反する現象となる。
また、ピット内の換気を行う吸排気管等の換気設備の設置が、床材上に突起物等となり、使用上、外観上好ましいない。
【0009】
また、ピット式の機械式立体駐車場を、駐車場とピット内に防水と自然換気及び自然採光の出来る倉庫に改修することができれば、倉庫自体もマンションの資産として換算できるため、資産価値を高めることが可能となる。
【0010】
そこで、本発明では、ピット式の機械式立体駐車場を、駐車場とピット内に倉庫に改修するに際し、ピット式の機械式立体駐車場を、駐車場と倉庫に改修することができ、平面床により防水出来、倉庫内の湿気を防止出来る自然換気と自然採光可能な構造が簡単で、かつ安価に製作できる地下空間付き構造物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の地下空間付き構造物は、ピット部と、ピット上面を覆う鋼材等強度を有する材料よりなり、適宜間隔で気流通過用開口を有するピット覆用床材と、
ピット覆用床材の下方に配置した雨水受け板と、ピット部の湿気を除去する換気装置と、
前記雨水受け板は、防水性よりなり適宜傾斜で設けると共に、雨水受け板の傾斜下端に設けた雨水管を前記ピット内に有する排水設備に接続し、
床材と雨水受け板の間のピット上部空間と、雨水受け板の下方のピット下部空間を接続する内部循環装置を設けると共に、
前記換気装置は、ビット上部空間内空気の自然換気用として前記気流通過用開口を用いることを特徴とする
【0012】
前記雨水受け板は、透光性のある材質を使用するとともに、前記換気装置として使用する前記気流通過用開口は、自然換気に加え自然採光を兼ねさせることができる。
【0013】
ここで気流通過用開口は、並列して設けた複数のC形鋼の断面形状よりなる複数の床面構成部材を適宜間隔をあけて配置することで形成することができる。
【0015】
ピット上面を覆うピット覆用床材上を駐車場として使用すること、ピット内の地下空間を倉庫として使用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の地下空間付き構造物によれば、ピット上面を覆う覆用床材は、鋼材等強度を有する材料よりなり従来の機械的立体駐車場と同様以上の強度を有することができる。また本発明にかかる覆用床材には、適宜間隔で気流通過用開口を有していることより、ピット内の気流の自然換気に使用することができる。このため、本発明にかかるピットを使用した倉庫は、資産価値の低下を防止することができる。
【0018】
また、覆用床材に有する気流通過用開口から侵入した雨水は、雨水受け板で受けて、雨水管に流入し、前記ピット内に有する排水設備を経由して排水される。従って、雨天においても、ピット内の倉庫内に雨水が浸入することがない。
【0019】
また、雨水受け板を透光性のある材質を使用すると気流通過用開口は、建築基準法28条同施行令19条による天窓に該当する。例えば床幅150mmとして、気流通過用開口を5mm幅に開けて配置する構成とした場合には、開口部の有効面積は、床面積に対して、開口部面積/床面積=5/150=1/30となる。居室における天窓の扱いの補正係数3を乗じると、前記居室の天窓の開口部面積/床面積は、1/10となる。従って、一部の居室の採光に必要な開口部を有することができる。よって、地下室でありながら地上居室なみの自然採光が採れるように作用する。
【0020】
さらに、本願発明において、気流通過用開口を適宜間隔で設けていることより、床面上に風が吹くと床面上の気圧が下がり、床面気流通過用隙間より吸い揚げ排出する。また、晴天時等において、床材近傍のピット内空間の気温上昇により、ピット内部空間の空気の膨張により、空気が気流通過用開口よりピット外に排出する。このようにピット内の空気が外部空間内に排出することで、内部の湿気も空気の排出に伴ってピット外に排出するように作用し、結果としてピット内の湿度を下げるように作用する。
【0021】
なお、体積の内部循環装置で接続することで、ピット内の湿気がこもる空間を床材と雨水受け板の間の空間に排出することができ、ピット内の湿気を有効に逃すことができる。
なお、昼間等において、床材と雨水受け板の間の空間の温度が暖かくなっている時間帯において、この空間の空気をピット床面もしくは床面近傍から排出する気流の流れを併用することで、ピット内の湿度を低減することができる。
【0022】
また、本発明にかかる機械式立体駐車場改修方法によれば、ピット式の機械式立体駐車場の機械式立体駐車施設を撤去し、ピット上面を覆う床面を形成する改修を行うことで、平面駐車場を施工しあわせて、ピット内の気流の自然換気に使用することができ、ピット空間内に倉庫を作ることができ、資産価値の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明にかかる地下空間付き構造物を示す正面側断面説明図である。
図2】本発明にかかる地下空間付き構造物を示す平面図である。
図3】本発明にかかる地下空間付き構造物を示す側面側断面説明図である。
図4】本発明に使用する雨水受け板を段階的に設けた実施例を示す側面側断面説明図である。
図5】本発明に使用するピット覆用床材自体に気流通過用開口を設けた実施例を示す説明図である。
図6】本発明の地下空間付き構造物を示す側面側断面説明図である。
図7】本発明の内部循環装置の気流をピット下面から吹き出す他の実施の形態を示す側面側断面説明図である。
図8図7の一部切り欠き拡大断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1~4は自然換気で行う本発明の第一の実施の形態を示すもので、図1は正面側断面説明図、図2は平面図、図3は側面側断面説明図、図4は雨水受け板配置を変えた側面側断面説明図である。
ここで、第1の実施の形態の地下空間付き構造物は、ピット部1と、ピット1上面を覆う覆用床材2と、覆用床材2の下方に配置した雨水受け板3a、3bとより構成されている。
以下、これらについて図面に基づいて説明する。
【0025】
<ピット部>
ピット部1は、従来の機械的立体駐車場を極力利用するもので、従来設けている基礎部分、排水設備を使用する。
すなわち、ピット部1の上面には、開口部11を有する。また、底部には、排水設備12が設けられている。
【0026】
なお、従来の機械式設備ピット底部に設置し、ピット部上面の開口部11を覆う後述する覆用床材2を設置する際に、ピット部1上部の強度が不十分な場合には補強等を行うことができる。本発明においては、これらピット内の構造の補強となる基礎部分は、記載を一部省略して記載する。
【0027】
<覆用床材>
覆用床材2は、自動車の荷重を考慮して、鋼材等十分な強度を有する材料を用いる。本実施の形態においては、C形鋼の断面形状の開口部を下方に向け、並列にピット部1の開口部11を覆うように載置する構成としている。
【0028】
覆用床材2に用いるC形鋼は、隣接する側面同士を例えば5mm程度間隔を開けて設置し、この間隙を気流通過用開口21として覆用床材2に形成している。
ここで、C形鋼を用いることで、軽量で強度を十分とれる。そして、また並列に間隔を開けて設置することで簡単に気流通過用開口21を形成することができ、材料自体の加工率を低下させることができ安価に製作できるからである。
【0029】
なお、覆用床材2は、強度を有する構成で、気流通過用開口21を有するものであれば良く他の構成を利用しても良い。例えばエキスパンドメタル、パンチングメタルを全部または一部に使用する構成としてもよい。
また、気流通過用開口21は、ピット内の気流が通過、及び採光できる大きさおよび数であることが好ましく、図5に示すごとく覆用床材2を構成する材料自体に気流通過用開口21を穿設する構成としてもよい。
【0030】
<雨水受け板>
雨水受け板は、ピット部1の開口部11に載置している覆用床材2の下方に、段差を設けた複数枚の雨水受け板を配置している。雨水受け板は、前記覆用床材2に有する気流通過用開口21より、雨天など際に雨水を受け、雨水管31に合流させるために適宜角度に傾斜を持たせている。
【0031】
図1~3の実施の形態では、例では、ピット中央部に中央雨水受け板3Aを設け、ピット壁面側に2枚の壁面雨水受け板3B、3Bを設ける構成としている。
この中央雨水受け板3Aと壁面雨水受け板3B、覆用床材2とピット壁面の間にピット壁面-水切り間空間1Aと、中央雨水受け板3Aと壁面雨水受け板3Bの下方に位置するピット下部空間1Bの二つの空間を形成している。
【0032】
なお、ピット中央部に中央雨水受け板3Aを設け、ピット壁面側に2枚の壁面雨水受け板3B、3Bを設ける構成とした場合、2枚の壁面雨水受け板3B、3Bを比較的高い位置に設けることができるため、ビット下部空間を1B広くすることができる。
【0033】
また、図4に示す実施の形態では、雨水受け板は、三つの同じ傾斜で垂直方向の高さを変えて、先端をそれぞれ少し重ねるように配置した上方雨水受け板3C、中央雨水受け板3D、下方雨水受け板3Eに配置し、これらにより前記覆用床材2に有する気流通過用開口21より、進入した雨水を受け、雨水管31に合流させる構成としている。
なお、このように前記雨水受け板は、複数に分割して段差を設け設置することで、ピット上部空間1Aとピット下部空間1Bの気流の流れをスムーズとさせることができ、ピット内の自然対流を行うことができる。
【0034】
前記雨水受け板3A,3Bは、透光性のある材質で制作することが好ましい。例えばポリカーボネート、その他軽量な合成樹脂を用いることができる。透光性のある雨水受け板を用いることでピット内に、前記覆用床材2に有する気流通過用開口21からの採光することができる。
【0035】
ここで雨水管31は、前記覆用床材2に有する気流通過用開口21より、進入した雨水を前記ピット部1内の排水設備12に接続している。
なお雨水管31は、一般に用いられている塩化ビニール製のもの等適宜材料を用いることができる。
【0036】
<換気装置>
換気装置は、ピット部1の内部の湿気を除去する目的で設けるもので、図1~3の実施の形態においては、自然換気による換気をおこなう構成であり、覆用床材2に有する気流通過用開口21を通じておこなう。この気流通過用開口21は、昼間など気温が上昇するときは、ピット上部空間1Aが高温になり、空気の膨張により前記気流通過用開口21より、空気がピット外に排出する。また、覆用床材2の上面側外気に風等により気流の流れがある場合には、ピット内が負圧となり、ピット内の空気を排気することができる。このピット内の空気排気することで、室内の湿気も排出することができる。
【0037】
なお、図中14は、ピット部1にも受けられている階段であり、15は、水切り板、22は、覆用床材2に設けられているピット内への出入り口となる開閉蓋、41はピット内に設けている扇風機である。
【0038】
図6~8は第二の実施の形態を示すもので、ビット内部に内部循環装置を設けることで、換気の促進をさせる実施の形態で、図6は側面側断面説明図、図7は内部循環装置の気流をピット下面から吹き出す他の実施の形態を示す側面側断面説明図、図8図7の一部切り欠き拡大断面説明図である。
【0039】
第2の実施形態に係る発明は、前述の第1の実施の形態に示す発明における、第1の実施の形態の地下空間付き構造物は、ピット部1と、ピット1上面を覆う覆用床材2の構成は同様であるので説明は省略する。
【0040】
この実施の形態では、雨水受け板3Fの構成が異なる。即ち、雨水受け板3Fにより、ピット上部空間1A’とピット下部空間1Bとに分離する構成となっている。
そして、第2の実施形態に係る発明では、これらに加え、通常はピット下部空間1Bの空気をピット上部空間1A’に排出をさせる内部循環装置4が設けられている。
【0041】
<内部循環装置>
内部循環装置4は、ピット部1の内部の湿気を除去する目的で設けるもので、図6の実施の形態においては、前記雨水受け板3の上部のピット上部空間1A’に換気口の片側を設け、他方の換気口を雨水受け板3の下方のピット下部空間1Bに設けている。
【0042】
この内部循環装置4は、通常の換気扇等を利用することができる。内部循環装置4は、ピット部1内の湿気を除く目的で設けるのであるから、複数設けている内部循環装置4の気流の流れは画一的に設定する必要が無く、ピット下部空間1B内の空気を排気する場合の他、ピット下部空間1B内に気流を入れる方向に作動させても良い。すなわち、2個の内部循環装置4を設ける場合には、ピット部1内の空気を、一方を吸気作動、他方を排気作動に運転させても良い。またこれらを一定時間ごとに交代させて作動させても良く、またピット内に設けている扇風機41を併せて作動させても良い。
【0043】
本発明は、上述のように構成し、通常はピット下部空間1Bの空気をピット上部空間1A’に排出をさせる。このとき排出された空気は気流通過用間隙21より外部にも排出する。
なお、昼間など気温が上昇するときは、ピット上部空間1A’が高温になる。この時、内部循環装置4を作動させて、この高温となった空気をピット下部空間1Bに導入して湿度の調整を行うこともできる。
【0044】
図7は、内部循環装置4の気流を効率的に使用しようとする実施の形態を示す説明図で、図8図7の拡大説明図である。
この実施の形態では、換気装置4のピット側出口を気送管42に接続すると共に、前記ピット部1の底部に設けた底板13の下部に形成したピット底空間1Cに、前記気送管42の下先端を接続している。
前記底板13には、多数の吸排気孔130が設けられており、底板13上方のピット下部空間1Bの空気を、吸排気孔130を介しピット底空間1Cに空気の吸排気が可能となっている。
【0045】
この構成とすることで、ピット上部空間1A’の空気をピット底空間1Cから底板13の吸排気孔130からピット下部空間1Bの下部から吹き出すことで、ピット下部空間1Bの空気の対流を促進させ、ピット部1の湿度の調整を促進させることができる。
【実施例
【0046】
第1の実施の形態と同様の構成として、ピット(15m×5.2m×3.5m)に覆用床材2として、リップ溝形鋼(C形鋼)幅200mmとして、気流通過用開口5mm幅を開けて配置する構成で製作した。このピット内の湿度を雨天の翌日に測定した。湿度測定開始時は、80%であったが数値の変動はあったが6時間後には、75%となっていた。

【0047】
これに対し、大きさが少し小型のピット(10.00m×5.2m×3.5m)を用い気流通過用開口をテープで閉じたものを比較例として同日同時刻に測定した。
この日各例では、測定開始時には湿度は80%であったが、漸次湿度が上昇し6時間後には86%まで上昇した。
このように、気流通過用開口を設けることで、ピット内の湿度を低くすることができる効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、ピット式の機械的立体駐車場を、駐車場とピット内に倉庫に改修することができ、駐車場床面等の設備の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 ピット部
11 開口部
12 排水設備
13 底板
14 階段
15 水切り
1A ピット壁面-水切り間空間
1A’ピット上部空間
1B ピット下部空間
1C ピット底空間
2 覆用床材
21 気流通過用開口
22 開閉蓋
3A 中央雨水受け板
3B 壁面雨水受け板
3C 上方雨水受け板
3D 中央雨水受け板
3E 下方雨水受け板
3F 雨水受け板
31 雨水管
4 内部循環装置
41 扇風機
42 気送管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8