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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】鳥籠
(51)【国際特許分類】
   A01K 31/10 20060101AFI20220203BHJP
   A01K 31/06 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A01K31/10
A01K31/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017252944
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019118265
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】518000822
【氏名又は名称】梶並 義人
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】梶並 義人
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実公昭47-027748(JP,Y1)
【文献】実開昭52-029889(JP,U)
【文献】特開2004-229622(JP,A)
【文献】実開昭63-119356(JP,U)
【文献】登録実用新案第3051200(JP,U)
【文献】実開昭55-128561(JP,U)
【文献】特開2005-087028(JP,A)
【文献】実開昭51-084986(JP,U)
【文献】実開昭51-069685(JP,U)
【文献】特開平08-154521(JP,A)
【文献】登録実用新案第3128894(JP,U)
【文献】登録実用新案第3130836(JP,U)
【文献】特開2006-136226(JP,A)
【文献】米国特許第06230655(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 3/00
A01K 31/00 -31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なスライドドア(3;3A)を通して餌入れ容器(4;4A)を出し入れする鳥籠(1)であって、
前記スライドドア(3;3A)は、
このドア(3;3A)の左右下端部に、前方斜め下に向かって伸びる係合片(32,34;32A,34A)が設けられており、この係合片(32,34;32A,34A)は係合部(33,35;33A,35A)を有しており、
前記餌入れ容器(4;4A)は、
この容器(4;4A)上端の前部及び後部からそれぞれ水平に伸びる前部延長部(45;45A)及び後部延長部(46;46A)を有し、
この容器(4;4A)の後壁(41;41A)に隣接した位置において、前記容器(4;4A)の左右側部壁(42,43;42A,43A)の上端部に切り込み(48,49)が設けられていると共に、
前記係合部(33,35;33A,35A)と係合するロック手段を有する
ことを特徴とする鳥籠。
【請求項2】
前記ロック手段は、前記容器(4)の後壁(41)から前方に突出する爪(50,51)であり、
ロック時には前記係合部(33,35)が前記爪(50,51)と係合する
ことを特徴とする請求項1記載の鳥籠。
【請求項3】
前記ロック手段は、前記容器(4)の後壁(41)に隣接して設けられた磁石(52,53)であり、
ロック時には前記係合部(33A,35)と前記磁石(52,53)が付着する、
ことを特徴とする請求項1記載の鳥籠。
【請求項4】
前記後部延長部(46;46A)の裏面に、下方に延びる突起(47,47A)が設けられている請求項1~3のいずれかに記載の鳥籠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鳥籠に関するものであり、特に籠の中の小鳥が自らくちばしでスライドドアを持ち上げて逃げ出さないようにした鳥籠に関する。
【背景技術】
【0002】
小鳥を飼っていると毎日の餌やりや水替えが欠かせない。鳥籠のスライドドアを開けてこれらの作業を行っているとき、開けたドアから小鳥が逃げ出すことがある。これを防ぐために、例えば、実開昭63―119356のような考案が公知である。これは、餌や水などを入れた引き出しを引き出すときに閉塞壁が自重で回動して扉の開口をふさぐというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63―119356
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例で使用する閉塞壁は回動するだけであり、閉鎖状態で固定されるわけではない。餌やりや水替えの際に逃げ出す場合に限らず、小鳥が自らくちばしで閉塞壁を持ち上げれば、いつでもスライドドアが開いてしまう。そのような事態を防ぐために特別なロック治具も販売されている。
【0005】
本発明は、小鳥が自らくちばしでスライドドアを持ち上げて逃げ出すことを確実に阻止することができ、しかもそのために特別な治具も必要としないような鳥籠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開閉可能なスライドドアを通して餌入れ容器を出し入れする鳥籠である。前記スライドドアは、このドアの左右下端部に前方斜め下に向かって伸びる係合片が設けられており、この係合片は係合部を有している。前記餌入れ容器はこの容器上端の前部及び後部からそれぞれ水平に伸びる前部延長部及び後部延長部を有している。この容器の後壁に隣接した位置において、前記容器の左右側部壁の上端部に切り込みが設けられていると共に、前記係合部と係合するロック手段を有する(請求項1)。
【0007】
前記ロック手段は、例えば前記容器の後壁から前方に突出する爪であり、ロック時には前記係合部が前記爪と係合するものとすることができる(請求項2)。
【0008】
別の態様では、前記ロック手段は、前記容器の後壁に隣接して設けられた磁石であり、ロック時には前記係合部と前記磁石が付着するものとすることができる(請求項3)。
【0009】
好ましくは、前記後部延長部の裏面には下方に延びる突起が設けられている(請求項4)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、餌入れ容器内の餌や水の重さ及び小鳥が前部延長部にかかったときの重さにより、餌入れ容器は鳥籠のドア直下部分を支点として下方に回動する。この回動運動により、スライドドアの係合部と餌入れ容器のロック手段が係合する。これによりロック状態となり、小鳥はくちばしを使っても解除することはできなくなるので、逃げ出すことができない。
【0011】
ロック手段としては、容器の後壁から前方に突出する爪を設けたり、容器の後壁に隣接して磁石を設けたりすればよく、特別な治具を用意しておく必要ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1である鳥籠全体の斜視図である。
図2】実施例1の鳥籠の餌入れ容器とスライドドアの拡大図であり、(a)は非係合時、(b)は係合時の状態を示す斜視図である。
図3】(a)~(d)は、餌入れ容器とスライドドアの動きを示す側面図である。
図4】実施例2の鳥籠の餌入れ容器とスライドドアの拡大図であり、(a)は非係合時、(b)は係合時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面に基づいて本発明の実施例を2つ説明する。
【実施例1】
【0014】
図1に示すように、鳥籠1には餌やりや水替えのための開口2とそれをふさぐスライドドア3が設けられており、この開口2を通じて餌入れ容器4を出し入れし、用が済めばドア3を閉じる。鳥籠1の壁は多数の棒状部材11を格子状に組み合わせるようにして形成されており、内部の小鳥がよく鑑賞できるようになっている。
【0015】
スライドドア3は、図2に示すように、鳥籠1の壁を小さく切り取ったような外観を有する。ドア3の左右上端部に、鳥籠1の壁に沿って上下にスライドさせるために湾曲したアーム30,31が設けられている。ドア3の左右下端部には前方斜め下に向かって伸びる係合片32,34が所定の傾斜角度を維持するようにして設けられている。係合片32,34の末端は容器の内側に向かって伸びる係合部33,35である。
【0016】
餌入れ容器4は、図2に示すように、上部が開口した箱状の容器であり、前壁40、後壁41、左壁42、右壁43、底部44を有する。容器上端の前部及び後部からそれぞれ水平に延長部が形成されている。前部延長部45は小鳥Bがその上に乗って餌をついばむためのものである(図3(d)参照)。後部延長部46は餌をやる人が指で持つためのものである。後部延長部46の裏面には下方に延びる突起47が設けられている。
【0017】
餌入れ容器4の後壁41に隣接した位置において、左右側部壁42,43の上端部に切り込み48,49が設けられている。切り込み48,49は、側面から見ると、図3(b)~(d)に示すように、後壁41から前方に突出する爪50,51を除き、全体として下向き三角形状のものである。
【0018】
本発明の作用原理を図3に基づいて説明する。
【0019】
(a)はスライドドア3が閉鎖された状態である。
【0020】
この状態から餌やりや水替えのためにスライドドア3を指で持ち上げながら、(b)に示すように、ドア部に形成された開口2をふさぐような形で餌入れ容器4を鳥籠1内に進入させる。
【0021】
ドア3を持ち上げていた手を放すと、(c)に示すように、自重によりドア3は落下する。このとき、係合片32,34の係合部33,35は切欠き48,49の内部に位置する。
【0022】
餌入れ容器4内の餌Eや水の重さ及び小鳥Bが前部延長部45にかかったときの重さにより、(d)に示すように、餌入れ容器4は鳥籠1のドア直下部分12を支点として下方に回動する。この回動運動により、係合片32,34の係合部33,35が切り込み48,49の爪50,51の下に入り込む。これでロック状態となり、小鳥Bはくちばしを使っても解除することはできなくなるので、逃げ出すことができない。
【0023】
回動運動が行き過ぎて餌入れ容器4が鳥籠内に落ち込まないのは、容器後壁41が鳥籠1と接触すること、ドア3の下端部36が後部延長部46を上から押圧すること、後部延長部46の裏面にある突起47がストッパーの役割を果たすことのためである。
【0024】
ロックを解除するには人が餌入れ容器4を少し引きながら持ち上げて、爪50,51から係合部33,35を外すだけでよい。
【実施例2】
【0025】
実施例2では、図4に示すように、切り込みはほぼ四角形状であり、餌入れ容器4Aの後壁41Aの左右上部に磁石52,53が取り付けられている。その他の構成は実施例1と同様なので、実施例1の符号に「A」を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
餌入れ容器4A内の餌Eや水の重さ及び小鳥Bが前部延長部45Aにかかったときの重さにより、餌入れ容器4Aは鳥籠のドア直下部分を支点として下方に回動する。この回動運動により、係合片32A,34Aの係合部33A,35Aが磁石52,53と付着する。これでロック状態となり、小鳥Bはくちばしを使っても解除することはできなくなるので、逃げ出すことができない。
【0027】
ロックを解除するには人が餌入れ容器4Aを磁石52,53の磁力に抗して少し引きながら持ち上げればよい。係合部33,35が磁石52,53から外れると、簡単に係合状態を解除することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 鳥籠
11 棒状部材
12 ドア直下部分
2 開口
3,3A スライドドア
30,31;30A,31A アーム
32,34,32A,34A 係合片
33,35,33A,35A 係合部
36 下端部
4,4A 餌入れ容器
40,40A 容器前壁
41,41A 容器後壁
42,42A 容器左壁
43,43A 容器右壁
44,44A 容器底部
45,45A 前部延長部
46,46A 後部延長部
47,47A 突起
48,49 切り込み
50,51 爪
52,53 磁石
B 小鳥
E 餌
図1
図2
図3
図4