(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、方法、情報処理装置、および、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220203BHJP
A63F 13/812 20140101ALI20220203BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220203BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220203BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/812 A
A63F13/35
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2018110739
(22)【出願日】2018-06-08
(62)【分割の表示】P 2017060085の分割
【原出願日】2017-03-24
【審査請求日】2020-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】福重 潤哉
(72)【発明者】
【氏名】坂本 佑
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-196424(JP,A)
【文献】特開2013-172943(JP,A)
【文献】特許第6355787(JP,B1)
【文献】特開2013-223640(JP,A)
【文献】特開2015-173757(JP,A)
【文献】特開2015-066431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備える、クライアントのコンピュータおよび該クライアントのコンピュータと連携するサーバのコンピュータの少なくともいずれか一方により実行されるものであり、
前記ゲームプログラムに基づくゲームは、前記クライアントのコンピュータを操作するユーザが制御対象とするオブジェクトによって進行する所定のゲームであり、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザにより前記所定のゲームがプレイされた場合に、前記オブジェクトを取得できる権利データを、前記ユーザのユーザ識別情報に関連付けて前記サーバが備える前記メモリに保存することにより、該ユーザに付与するステップと、
付与された前記権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、前記ユーザが制御可能に前記ユーザに関連付けるステップとを実行させ、
前記権利データには、前記所定のゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す
、前記所定のゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定される期待値が設定されており、
前記付与するステップでは
、前記期待値が設定されている前記権利データを前記ユーザに付与する、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はゲームプログラム、ゲームを実行する方法、情報処理装置、および、ゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム空間内に、オブジェクトを表示させて、ユーザに該オブジェクトを操作させることによりゲームを進行させるゲームプログラムが、様々な事業者により提供されている。このようなゲームにおいて、ゲームをプレイした場合(一例として、所定の課題をクリアした場合など)に応じて、報酬をユーザに獲得させることが広く行われている。報酬は、多くの場合、ゲームを有利に進めるための、上述のオブジェクト、アイテムまたはポイントなどであったりする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Pokemon GO公式サイト、[online]、2017年、Niantic, Inc.、 株式会社ポケモン、任天堂株式会社、株式会社クリーチャーズ、株式会社ゲームフリ ーク、[2017年3月13日検索]、インターネット(URL:http://www.pokemon go.jp/)
【文献】モンスターハンター公式サイト、[online]、株式会社カプコン、[ 2017年3月13日検索]、インターネット(URL:http://www.capcom.co.jp/g ame/monsterhunter/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、報酬を獲得するまでの工程が機械的な作業になりがちであり、ゲームをプレイすることに対するユーザのインセンティブを維持することが難しい。このため、ユーザがゲームに対する面白みを徐々に感じなくなるという問題がある。ユーザに長くプレイさせることを意図して開発されたゲームにおいては、ユーザがゲームに飽きるという問題に対してどのような仕組みにより対処するかは重要である。この問題は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲーム(例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカー、ホッケー等のスポーツを題材とした対戦ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、アクションゲームなど)において共通に生じる問題である。
【0005】
本開示の一態様は、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備える、クライアントのコンピュータおよび該クライアントのコンピュータと連携するサーバのコンピュータの少なくともいずれか一方において実行される。また、ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントのコンピュータを操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントのコンピュータを操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与するステップと、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能に該ユーザに関連付けるステップとを実行させる。権利データには、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値が設定されており、付与するステップでは、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された期待値が設定されている権利データをユーザに付与する。
【0007】
本開示に係る方法は、プロセッサおよびメモリを備える、クライアントのコンピュータおよび該クライアントのコンピュータと連携するサーバのコンピュータの少なくともいずれか一方がゲームプログラムを実行する方法である。ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントのコンピュータを操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントのコンピュータを操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームを進行させるものである。該方法は、プロセッサが、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与するステップと、プロセッサが、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付けるステップとを含む。付与するステップでは、プロセッサが、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された該期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与する。
【0008】
本開示に係る情報処理装置は、ユーザが操作するクライアントまたは該クライアントと連携するサーバとして機能する情報処理装置である。情報処理装置は、ゲームプログラムを記憶する記憶部と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部と、を備える。ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントとしての情報処理装置を操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントとしての情報処理装置を操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。制御部は、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与し、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付ける。なお、制御部は、権利データを付与する際、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された該期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与する。
【0009】
本開示に係るゲームシステムは、クライアントとしての情報処理装置と、クライアントとしての情報処理装置と連携するサーバとしての情報処理装置とを少なくとも含む。情報処理装置のそれぞれは、ゲームプログラムを記憶する記憶部と、ゲームプログラムを実行することにより、該情報処理装置の動作を制御する制御部と、を備える。ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントとしての情報処理装置を操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントとしての情報処理装置を操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。制御部のいずれか一方が、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与し、該制御部は、権利データを付与する際、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与し、制御部のいずれか一方が、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付ける。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】サーバおよびユーザ端末の機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るゲームシステムにおける各コンピュータによって実行され る処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図6】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図7】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図9】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図10】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である 。
【
図11】ユーザ端末の表示部に表示される、各種カードパックの画像の一具体例を 示す図である。
【
図12】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である 。
【
図13】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である 。
【
図14】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である 。
【
図15】ユーザ端末の表示部において表示されるゲーム画面の一例を示す図である 。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、一例として、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0013】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(LongTerm Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0014】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0015】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。また、
図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0016】
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0017】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0018】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200または他のユーザ端末100と通信せずに、1台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0019】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける勝敗等の結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0020】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、信号を有線を介して送受信する。
【0021】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体
1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0022】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0023】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0024】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18のいずれか一方または両方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010(例えば、ユーザの手、予め定められた形状のマーカーなど)を検出し、当該物体の検出結果(検出した物体の色、形状、動き、種類等)から入力操作を特定する。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0025】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0026】
ゲームシステム1は、一例として、コンピュータを操作するユーザにオブジェクトを制御させることにより進行するゲームを実行するためのシステムである。該ゲームにおいては、ユーザによってゲームがプレイされることにより、プレイ内容に対する評価結果(勝敗、成績、スコアなどの対戦成績)が出力される。また、該ゲームにおいては、ユーザがゲームをプレイしたことに対して報酬が付与される。該報酬は、例えば、上述のオブジェクトを1以上取得できる権利をユーザに与えるための権利データである。
【0027】
より具体的には、本実施形態では、ゲームシステム1において実行されるゲームプログラムに基づいて進行されるゲームは、対戦ゲームであってもよい。対戦ゲームとは、コンピュータを操作するユーザが制御対象とする1以上のオブジェクトと、他のコンピュータを操作する対戦相手のユーザが制御対象とする1以上のオブジェクトと対戦させるゲームである。より詳細には、ゲームシステム1は、例えば、対人対戦ゲームであり、一例として、対人対戦野球ゲームを実行するためのシステムである。すなわち、オブジェクトは、具体的には、選手または監督などのキャラクタ、もしくは、複数のキャラクタからなるチームである。本実施形態では、オブジェクトとしてのキャラクタは、キャラクタに見立てたカードの情報としてユーザに提供されてもよい。本実施形態では、権利データは、1または複数枚の、選手に見立てた選手カード(オブジェクト)を取得することが可能なカードパック(権利データ)である。
【0028】
ゲームシステム1が対人対戦野球ゲームである場合、サーバ200を介して通信する第1のユーザ端末100と第2のユーザ端末100とによって、それぞれのチームが操作される。そして、対人対戦野球ゲームは、1イニングにつき、表と裏でチームの攻守が入れ替わりつつ進行する。以下では、あるイニングの表または裏において、守備側のチームを操作するユーザ端末100と、攻撃側のユーザ端末100とを互いに区別する必要がある場合、前者を投球側ユーザ端末100A、後者を打撃側ユーザ端末100Bと称する。両者を区別する必要がない場合には、単に、ユーザ端末100と称する。投球側ユーザ端末100Aのユーザを、投球側ユーザ、打撃側ユーザ端末100Bのユーザを、打撃側ユーザと称する。ただし、両ユーザを特に区別する必要がない場合、および、その区別が明らかな場合には、単にユーザと称する。投球側ユーザは、投球側ユーザ端末100Aを用いて、投手キャラクタ(以下、投手)による投球を操作し、攻撃側ユーザは、打撃側ユーザ端末100Bを用いて、打者キャラクタ(以下、打者)による打撃を操作する。
【0029】
投球側ユーザ端末100Aは、投球側ユーザから受け付けた投球操作に応じて投球結果を決定し、該投球結果を含むデータ(
図1に示す投球結果D1)を生成し、サーバ200に送信する。投球結果D1は、サーバ200を介して、対戦相手の打撃側ユーザ端末100Bに送信される。投球操作とは、投球側ユーザが、投手に投球させるために、投球側ユーザ端末100Aの入力部151に対して実施する操作のことである。
【0030】
打撃側ユーザ端末100Bは、打撃側ユーザから受け付けた打撃操作に応じて打撃結果を決定し、該打撃結果を含むデータ(
図1に示す打撃結果D2)を生成し、サーバ200に送信する。打撃結果D2は、サーバ200を介して、対戦相手の投球側ユーザ端末100Aに送信される。打撃操作とは、打撃側ユーザが、打者にボールを打撃させるために、打撃側ユーザ端末100Bの入力部151に対して実施する操作のことである。
【0031】
本実施形態に係る対人対戦野球ゲームにおいて、ユーザは、自身で選手キャラクタ(以下、選手)を制御することを希望しない場合に、ユーザ端末100を操作して、サーバ200に対してその旨を通知することができる。サーバ200は、このような通知をユーザ端末100から受信すると、ゲームプログラムにしたがって、進行している対戦に関わる各種情報に基づいて、該選手の動作結果(投球結果または打撃結果)を決定する。そして、決定した動作結果を対戦相手のユーザ端末100に送信する。すなわち、サーバ200は、ユーザ端末100に代わり、該選手を制御する。以下では、ユーザが自身で選手を制御することをマニュアル制御、サーバ200が選手を制御することをオート制御と称する
。
【0032】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0033】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0034】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成
した各種データも一時的に記憶する。
【0035】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムである。また、各種データとはユーザ情報、ゲーム情報等、ゲームに関するデータ、ならびにユーザ端末100とサーバ200との間で送受信する指示や通知を含んでいる。
【0036】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ
12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0037】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0038】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0039】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0040】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0041】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0042】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0043】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は
、例えば、パルス変換した光を発光する光源と、光を受光する受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、発光された光が測定対象物にあたって反射される反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、光源として、指向性を有する光を発光するものを有することとしてもよい。
【0044】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0045】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザの行ったジェスチャを特定する。例えば指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定し、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定し、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているか遠ざかっているかを検出してもよい。(5)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果等により、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化している場合、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。プロセッサ10は、カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体を検出したりしなかったりする場合に、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0046】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、この手をどのように移動させているか、また、ユーザ端末100に対して接近させているか遠ざけているかを検出する。このような操作は、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択している状態(マウスのクリック継続、タッチパネルへのタッチダウンおよびタッチの継続)と判別する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、該移動をスワイプ操作(またはドラッグ操作)と判別することもできる。また、ユーザ端末100は、例えば、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果において、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、マウスのクリック、タッチパネルへのタップ操作に対応する処理をすることとしてもよい。
【0047】
<各装置の機能的構成>
図2は、サーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれが備えている、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、対人対戦野球ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成については、適宜省略している。
【0048】
ユーザ端末100(クライアント)は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0049】
サーバ200は、対戦を実行する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有する。また、サーバ200は、一方または両方のユーザ端末100の代理としてふるまうことによって対戦を進行させて、その進行結果を一方または両方のユーザ端末100に配信する機能を有する。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0050】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム131、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100およびサーバ200で実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラム131を実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
【0051】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲーム情報132に記憶された、ゲーム空間を構築するための情報を参照してゲーム空間を構築する。また、制御部110は、各種データを送受信する。例えば、制御部110はサーバ200から各種データおよびプログラム等を受信する。制御部110は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をサーバ200に送信する。制御部110はサーバ200にマルチプレイの同期の要求を送信してもよい。制御部110はサーバ200からマルチプレイの同期のためのデータを受信してもよい。
【0052】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、対戦実行部112、取得準備部113、取得実行部114および表示制御部115として機能する。また、制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、図示しないアニメーション生成部として機能してもよい。
【0053】
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。操作受付部111は、タッチスクリーン15およびその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
【0054】
操作受付部111は、入力部151に対する入力操作(例えば、投球操作または打撃操作)を受け付け、該入力操作の入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、入力操作の種類として、例えばタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。また、操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れると、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0055】
対戦実行部112は、ユーザの操作に基づいて選手の動作結果を決定することにより、対戦を進行させる。例えば、投球側ユーザ端末100A(一方のコンピュータ、他方のコンピュータ)において、操作受付部111がユーザの投球操作を受け付けると、対戦実行部112は、該投球操作に基づいて、投球結果を決定する。投球結果は、例えば、球速、球種(ストレート、スライダー、カーブ等)、コース(内角高め、ど真ん中、外角低め等)、および、好投/失投の判定等を含む。例えば、打撃側ユーザ端末100B(他方のコンピュータ、一方のコンピュータ)において、操作受付部111がユーザの打撃操作を受け付けると、対戦実行部112は、該打撃操作に基づいて、打撃結果を決定する。打撃結果は、例えば、打撃有無の判定、ならびに、打撃された場合には、ボールの飛翔経路、飛距離および飛翔速度等を含む。対戦実行部112は、決定した動作結果(投球結果または打撃結果)を、図示しないアニメーション生成部に通知するとともに、サーバ200に通知する。アニメーション生成部は、対戦実行部112による各種オブジェクトの制御態様に基づいて、各種オブジェクトのモーションを示すアニメーションを生成する。例えば、投手の投球動作のアニメーション、打者の打撃動作のアニメーション、該打者が振るバットのアニメーション、投手によって投げられたボールのアニメーション、打者によって打たれたボールのアニメーション等を生成してもよい。
【0056】
なお、対戦実行部112は、サーバ200が対戦の終了時に決定したユーザに付与する報酬に係る通知を、サーバ200から受信し、該通知の内容を取得準備部113に伝達する。本実施形態では、権利データの一例として、選手のカードパックがユーザに付与される。対戦実行部112は、サーバ200からの通知に基づいて、付与すると決定されたカードパックを記憶部120のユーザ情報に格納することにより、ユーザにカードパックを所持させる。
【0057】
取得準備部113は、ユーザに付与された権利データを、該権利データに基づいてオブジェクトを取得できる状態に遷移させる。すなわち、カードパックを開封可能な状態に遷移させる。本実施形態では、取得準備部113は、一例として、ポイントの加算を可能にするスロットに、カードパックを配置する。本実施形態では、スロットは、ユーザに対して所定数提供される。例えば、デフォルトで、3つのスロットがユーザに関連付けてゲーム情報132において定義されている。取得準備部113は、スロットにカードパックを配置することにより、カードパックに対応付けてポイントを加算することができる。取得準備部113によって、ポイントが加算されていくことによって、カードパックに割り当てられている条件が満足されると、すなわち、ポイントの合計が、上述の条件に示された所定値に到達すると、カードパックは、開封可能な状態となる。すなわち、取得実行部114が、カードパックに基づいて選手カードを取得できる状態となる。ポイントは、例えば、カードパックと同様に、対戦の報酬としてユーザに付与されてもよい。
【0058】
本実施形態では、カードパックはスロットに配置されることにより、ポイントを貯めていくことができる。すなわち、スロットは、取得準備部113がポイントを加算することを可能にし、カードパックが開封可能な状態へと遷移していくことを可能にする要件となる。さらに、ポイントの加算には、別の要件が追加されてもよい。ポイントの加算を可能にする別の要件については、後述する。
【0059】
取得実行部114は、取得準備部113によって、オブジェクトを取得可能な状態に遷移した権利データに基づいて、オブジェクトを取得する。取得実行部114は、権利データを消費し、該権利データと引き換えに、該権利データに対応するオブジェクトを取得してもよい。本実施形態では、取得実行部114は、カードパックを開封して、そこに封入されている選手カードを取得する。より具体的には、取得実行部114は、選手カードを取得するために、消費する権利データを指定したカード取得要求を、サーバ200に通知する。サーバ200において、指定された権利データに基づいて、選手カードが特定され、これが取得実行部114に通知されることにより、取得実行部114は、選手カードを取得することができる。
【0060】
表示制御部115は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各要素によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部115は、図示しないアニメーション生成部によって生成されたアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部115は、アイコン、ボタン、または、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なユーザインターフェース(以下、UI)に係るオブジェクトを、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0061】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ゲーム情報132に記憶された、ゲーム空間を構築するための情報を参照してゲーム空間を構築する。また、制御部210は、各種データを送受信する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、マルチプレイの同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0062】
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、対戦実行部211、および、カード提供部212として機能する。
【0063】
対戦実行部211は、対戦を実行する。具体的には、各ユーザ端末100の要求に基づいて、対戦相手のマッチングを行ったり、対戦を開始させたり、対戦終了時に各ユーザの対戦成績(プレイ内容に対する評価結果)を決定したり、対戦成績に基づいて報酬を算定したり、報酬の内容をユーザ端末100に通知して、ユーザに報酬を付与したりする。
【0064】
カード提供部212は、ユーザ端末100からの要求に応じて、ユーザに、対戦で利用可能なオブジェクトを提供する。本実施形態では、カード提供部212は、ユーザ端末100の取得実行部114から指定されたカードパックに基づいて、該カードパックに対応する選手カードを特定し、特定したカードを取得実行部114に通知することで、ユーザにカードを提供する。本実施形態では、カード提供部212は、指定されたカードパックと引き換えに抽選を実施して、提供すべき選手カードを特定してもよい。
【0065】
本実施形態では、権利データには、ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが取得できる可能性を表す期待値が設定されていてもよい。具体的には、期待値とは、上述の抽選において、良いカードを引き当てる確率である。良いカードとは、対戦を有利に進める上で価値が高いとされるカードであり、対戦における能力が高い選手の選手カードを指す。本実施形態では、カードパックのそれぞれには、能力が高い選手の選手カードが
当選する期待値が設定されている。
【0066】
本実施形態では、選手カードには、上述の価値の高さを表す希少度が設定されており、例えば、希少度が高い(能力が高い)順に、S、A、B、Cの4種類がある。抽選において、希少度が高いほど当選する確率は低くなる。以下では、特に、期待値という用語を用いる場合には、対戦を有利に進める上で価値が高い選手カードとして、Sの希少度が設定されている選手カードを引き当てる確率を意味する。
【0067】
より具体的には、カードパックには、4種類のランクが設定されていてもよい。本実施形態では、ブラック、ゴールド、シルバー、ノーマルの4種類のランクのいずれかが、カードパックに付与される。本実施形態では、カードパックのランクに応じて、当該カードパックにおいて、期待値、すなわち、希少度Sの選手カードを引き当てる確率がそれぞれ異なる。各ランクのカードパックに設定されている期待値は、一例として、ランクが高いカードパックから順に、ブラックは20%、ゴールドは10%、シルバーは5%、ノーマルは0.5%であってもよい。なお、各ランクにおける、希少度A以降の抽選確率は、希少度が下がるにつれて抽選確率が上がるように適宜設定されてもよいし、一律に設定されてもよい。例えば、ゴールドランクのカードパックにおいて、希少度A以降の抽選確率は、それぞれ一律30%であってもよい。
【0068】
別の実施形態では、カードパックのランクに基づいて、すべての希少度ごとに期待値が設定されていてもよい。一例として、カード提供部212が、ノーマルランクのカードパックに基づいて、各希少度の選手カードを引き当てる確率は、S:0.5%、A:5.5%、B:44%、C:50%であってもよい。カード提供部212が、ブラックランクのカードパックに基づいて、各希少度の選手カードを引き当てる確率は、例えば、S:20%、A:25%、B:35%、C:20%であってもよい。
【0069】
いずれの実施形態においては、希少度Sの期待値は、ランクが上がるにつれて高くなるように、それぞれのランクのカードパックに設定されていることが好ましい。カードパックは、開封前から期待値が分かるように、ランクごとに異なる態様でユーザに提示されてもよい。
図11は、各カードパックの表示の態様についての一具体例を示す図である。カードパックは、表示部152に提示される際、大きさ、色、形、装飾、または、文字などの表示の態様が、ランクごとに異なっていることが好ましい。これにより、ユーザは、開封前から、自身が入手したカードパックに基づいて、希少度Sの選手カードを取得できる確率を推測することができる。これにより、戦略的にカードパックを開封することが可能となり、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0070】
本実施形態では、対戦実行部211は、報酬を算定する際、対戦のプレイ結果に応じた期待値が設定された権利データを、対戦をプレイしたユーザに付与する。具体的には、対戦成績が良いほど、ランクの高いカードパックが付与されるように、報酬を算定する。
【0071】
なお、サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータ(情報処理装置)は、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせまたは連携により実現されてもよい。
【0072】
<オブジェクト取得フロー>
図3は、本実施形態に係るゲームシステム1に含まれる各コンピュータによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態において、一連の処理ステップS1~S17は、ユーザ端末100およびサーバ200において分担して実行されているが、別の実施形態では、すべてのステップをユーザ端末100が実行してもよいし、さらに別の実施形態では、すべてのステップをサーバ200が実行してもよい。
【0073】
ステップS1では、ユーザ端末100の操作受付部111が、対戦の開始を指示するユーザの操作を、入力部151を介して受け付ける。これに応じて、対戦実行部112は、対戦を開始する。本実施形態では、一例として、対戦実行部112は、通信IF13を介して、対人対戦開始の要求をサーバ200に送信する。
【0074】
ステップS2では、サーバ200の対戦実行部211は、通信IF23を介して、ユーザ端末100から上述の要求を受け付ける。これに応じて、対戦実行部211は、対戦を開始する。一例として、対戦実行部211は、対戦相手のマッチングを行ったり、投球側ユーザ端末100Aから投球結果D1を受け付けて、マウンドにおける投球のイベントを進行させたり、打撃側ユーザ端末100Bから打撃データD2を受け付けて、バッターボックスにおける打撃のイベント、飛球のイベント、および、フィールドにおける守備のイベントなどを進行させる。
【0075】
一方、ユーザ端末100の対戦実行部112は、ステップS2が実施されている間、サーバ200から配信された対戦の進行状況に応じて、ユーザに提供するゲーム画面およびUI画面を生成したり、投球または打撃に係るユーザの操作にしたがって対戦の各種イベントを進行させたりしている。
【0076】
ステップS3でYESの場合、例えば、全イニングの実行が完了した場合、ステップS4では、対戦実行部211は、対戦成績を決定する。一例として、対戦実行部211は、対戦実行中に記憶部220に記録されていたゲーム情報132から勝敗、得点、奪三振数、安打数、本塁打数、および、オート制御使用率などを読み出す。
【0077】
ステップS5では、対戦実行部211は、決定した対戦成績に基づいて、対戦をプレイしたユーザに付与する報酬を算定する。本実施形態では、一例として、対戦をプレイしたことの報酬として、カードパック、経験値、ゴールド、および、上述のポイントの具体例としてスカウトポイントなどがユーザに付与される。例えば、対戦実行部211は、対戦成績が良いほど高いランクのカードパック、または、より多くのポイントが付与されるように、報酬を算定する。各報酬の使い道など、詳細は後述する。
【0078】
ステップS6では、対戦実行部211は、算定した報酬を、ユーザに付与する。本実施形態では、一例として、該報酬(例えば、カードパック)を、上述のユーザのユーザ識別情報に関連付けて、ゲーム情報132として保存する。あるいは、対戦実行部211は、対戦前の経験値、ゴールド、および、スカウトポイントに対して、今回の報酬としての経験値、ゴールド、および、スカウトポイントをそれぞれ加算して、ユーザのゲーム情報132を更新する。これにより、ユーザに、上述の報酬を付与し、獲得させる。対戦実行部211は、ユーザに付与した報酬の内容を、ユーザ端末100に通知してもよい。
【0079】
ステップS7では、ユーザ端末100の対戦実行部112は、上述の通知を受信すると、付与された報酬の内容を通知する画面を生成してもよい。該画面は、表示制御部115を介して表示部152に表示される。このように、ステップS6において、ユーザに上述の報酬が付与され、ステップS7において該報酬が獲得され、これにより、該報酬の付与がユーザに認知される。
【0080】
ステップS7において、対戦実行部112により、カードパックが付与されたことが認識されると、取得準備部113は、付与されたカードパックから選手カードを取得するための準備を開始する。
【0081】
ステップS8でYESの場合、すなわち、カードパックが何も配置されていないスロットがあれば、ステップS9において、取得準備部113は、付与されたカードパックを、該スロットに配置する。本実施形態では、ユーザが所有するスロットに1つでも空きがあれば、取得準備部113は、付与されたカードパックを、空きのスロットに自動的に配置してもよい。
【0082】
続いて、ステップS10において、取得準備部113は、ステップS7で付与されたポイント(一例としてスカウトポイント)を、スロットに配置されたカードパックに対応付けられているスカウトポイントに加算する。該ユーザによって、カードパックが配置されているスロットが複数所有されている場合には、取得準備部113は、付与されたスカウトポイントをそれぞれのカードパックに加算してもよいし、付与されたスカウトポイントを所定の割合で各カードパックに分配してもよい。
【0083】
ステップS11でNOの場合、すなわち、カードパックに対応付けられているスカウトポイントが、該カードパックに割り当てられている条件を満足しないうちは、スカウトポイントが該条件に到達するまで、ステップS1~S10の各処理が繰り返される。
【0084】
一方、ステップS8でNOの場合、すなわち、ユーザが所有するすべてのスロットがすでにカードパックで埋まっている場合、取得準備部113は、ステップS7で新たに付与されたカードパックをどこのスロットにも配置することができない。そこで、取得準備部113は、スロットに配置することなくカードパックを開封することをユーザに提案してもよい。具体的には、取得準備部113は、所定の消費アイテムと引き換えることを条件に、カードパックを即時に開封するか否かを問うメッセージを表示部152に表示させてもよい。ここで、カードパックを「即時に」開封することを提案するとは、カードパックをスロットに配置することを待たずに、あるいは、スカウトポイントが条件に到達することを待たずに、カードパックを開封する機会をユーザに与えることを意味する。したがって、「即時に開封する」との用語は、カードパックが付与された瞬間ただちに開封すること、および、消費アイテムが消費された瞬間ただちに開封することのみに限定して解釈されるべきではない。
【0085】
ステップS12でNOの場合、すなわち、スロットがいっぱいで、ユーザが、カードパックを開封して選手カードを即時に取得するという方法を選択しなかった場合、取得準備部113は、ステップS7で付与されたカードパックを破棄する。本実施形態では、取得準備部113は、ユーザが選択した方法を、サーバ200へ通知して、カードパックの破棄をサーバ200に要求する。サーバ200は、ユーザの選択にしたがって、ゲーム情報132を更新し、ユーザ識別情報と、上述のカードパックとの関連付けを削除する。つまり、本実施形態では、ユーザに対して、カードパックの所有数上限が設定されており、該上限を超えて、該ユーザがカードパックを所有することができない仕様であってもよい。カードパックの所有数上限は、一例として、ユーザに対して解放されているスロットの数、すなわち、解放スロット数である。これにより、ユーザは、カードパックが無駄に廃棄されないように戦略的にカードパックを運用しようと思慮するので、ゲームの興趣性が向上する。
【0086】
ステップS11でYESの場合、または、ステップS12でYESの場合、これは、カードパックが開封可能な状態への遷移を完了したことを意味する。該遷移の完了は、カードパックに対応付けられているスカウトポイントが条件に到達すること、または、ユーザが消費アイテムと引き換えに、即時取得することを選択することにより達成される。カードパックが開封可能な状態へ遷移するとは、具体的には、該カードパックに基づいて、選手カードを取得することができる状態へと、該カードパックが遷移したことを意味している。
【0087】
カードパックが開封可能な状態になると、ステップS14では、取得実行部114は、該カードパックに基づいて、選手カードの取得要求を、サーバ200に送信する。具体的には、取得実行部114は、消費するカードパックを指定して、該カードパックに基づいてユーザに所持させる選手カードを特定するように、サーバ200に要求する。
【0088】
ステップS15では、サーバ200のカード提供部212は、ユーザ端末100から指定されたカードパックに設定されているランクに基づいて、ユーザに提供する選手カードを特定する。本実施形態では、カード提供部212は、カードパックのランクに対応する期待値に基づいて、抽選を実施し、候補となる選手カードの中から、提供するカードを所定枚数特定する。本実施形態では、一例として、カード提供部212は、1つのカードパックにつき、3枚の選手カードを特定してもよい。
【0089】
ステップS16では、カード提供部212は、選択した3枚の選手カードを、ユーザに提供し、所有させる。具体的には、カード提供部212は、該3枚の選手カードを、ユーザ識別情報に関連付けて、ゲーム情報132として記憶部220に保存する。これにより、ユーザは、これらの選手カードを所持することができ、これらの選手カードを起用して、対戦ゲームにおいて、該選手カードに対応する選手を制御することができる。カード提供部212は、ユーザに所持させた3枚の選手カードの内容を、ユーザ端末100に通知してもよい。
【0090】
ステップS17では、ユーザ端末100の取得実行部114は、上述の通知を受信すると、ユーザが取得した選手カードの内容を通知する画面を生成してもよい。該画面は、表示制御部115を介して表示部152に表示される。このように、ステップS15により、ユーザに上述の選手カードを取得させ、ステップS7により、該カードの取得を、ユーザに認知させる。
【0091】
上述の方法によれば、対戦成績が良いと強い(希少度の高い)選手カードを取得しやすいという仕組みを構築することができる。これにより、ユーザは、より強い選手カードを得たいために、より良い成績を得ようと、強い動機を持って、対戦プレイに興じることができる。
【0092】
上述の方法によれば、スロットが埋まっている場合でも、即時にカードパックを開封するという選択肢をユーザに提供することができる。つまり、ゲームを有利に進めるための選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求を満たす仕組みを構築することができる。ユーザは、多くの選手カードを取得することにより、ゲームを有利に進めながら、プレイに興じることができる。
【0093】
上述の方法によれば、カードパックはスロットに空きがあれば自動的に配置され、したがって、このように、開封を可能にするために、ユーザに対して、面倒な手続き、作業、または、操作を強いることがない。ユーザは、簡易に選手カードを取得することにより、ゲームを有利に進めながら、プレイに興じることができる。
【0094】
以上のことから、ゲームの興趣性を向上させて、ユーザのゲームをプレイすることに対する動機付けを強化することが可能となる。
【0095】
<ゲーム画面>
図4~
図10は、
図3に示される一連の処理が実行されるときに、ユーザ端末100の表示部152において表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【0096】
ステップS7では、ユーザ端末100の対戦実行部112は、付与された報酬をユーザに通知するために、例えば、
図4および
図5に示すゲーム画面を生成してもよい。表示制御部115は、ステップS7において、生成されたこれらのゲーム画面を表示部152に表示する。
【0097】
図4に示すゲーム画面は、一例として、対戦をプレイしたことの報酬として付与された、経験値401、ゴールド402、および、スカウトポイント403を含む。経験値は、対戦をプレイするユーザに関連付けて付与される。経験値が一定以上貯まると、ユーザランクが上昇する。ユーザランクは、例えば、チームまたは各選手のパラメータなどに対して影響を与えてもよく、その影響は、ユーザランクが高いほど、対戦が有利に進められるようにプラスに作用する。ゴールドは、プレイされるゲーム内で消費することが可能な消費アイテムであり、例えば仮想通貨である。具体的には、ゴールドと引き換えに対戦を有利に進めるための各種アイテムが入手できてもよい。
【0098】
スカウトポイントは、上述のポイントの一例である。スカウトポイントは、スロットに配置されたカードパックに対応付けられている条件を、貯めることで満足させるものである。これにより、ユーザは、カードパックから選手カードを取り出したいために、スカウトポイントを得ようとして、強い動機を持って、対戦プレイを繰り返し行うことができる
。
【0099】
サーバ200の対戦実行部211は、ユーザが対戦をプレイすると、たとえ対戦に負けたとしても、上述の報酬を必ずもらえるように算定してもよい。また、対戦実行部211は、対戦成績が良いほど、より多くの経験値、ゴールド、および、スカウトポイントが付与されるように、報酬を算定することが好ましい。これにより、成績が伴わない熟練度の低いユーザに対しては、やる気を削がないようにすることができる一方、熟練度の高いユーザに対しては、負けたくないとか、いい成績で勝ちたいとかいった競争心、または、より操作に習熟したいという向上心を、芽生えさせることができる。このように、ユーザの熟練度を問わず、あらゆるユーザの、ゲームをプレイすることに対する動機付けをより一層強化することができる。
【0100】
さらに、本実施形態では、対戦実行部211は、オート制御に基づいて対戦が進行された割合、すなわち、オート制御の使用率を記憶しておいてもよい。そして、どのランクのカードパックをユーザに付与するのかを、該オート制御の使用率に基づいて決定してもよい。具体的には、対戦実行部211は、オート制御の使用率が低いほど、高いランクのカードパックが付与されるように報酬を決定してもよい。これにより、マニュアル制御に基づくプレイをユーザに促すことができ、対人対戦におけるゲームの興趣性を一層向上させることができる。
【0101】
また、対戦実行部211は、ステップS6において、オート制御の使用率をユーザ端末100に通知してもよい。ユーザ端末100の対戦実行部112は、オート制御の使用率を、オート使用率404として、
図4に示すゲーム画面に含めてもよい。さらに、対戦実行部112は、対戦成績405を該ゲーム画面に含めてもよい。
【0102】
図5に示すゲーム画面は、一例として、対戦をプレイしたことの報酬として付与された
、カードパック406を含む。表示制御部115は、
図4に示すゲーム画面および
図5に示すゲーム画面を、一画面に同時に表示させてもよいし、任意の順序で順次表示させてもよい。
【0103】
図5に示すOKボタン407が、ユーザの操作により押下されると、取得準備部113は、ステップS8からステップS13までの任意のタイミングにおいて、カードパックを配置するスロットを含むゲーム画面(
図6~
図8)を生成する。取得準備部113によって生成されたゲーム画面は、表示制御部115によって表示部152に表示される。
【0104】
一例として、ステップS8にてYESの場合、ステップS9では、取得準備部113は、
図6に示すゲーム画面を生成する。ゲーム画面は、ユーザが所有する1以上のスロットの状態を一覧するためのスロット一覧501を含む。
図6に示す例では、ユーザには、デフォルトで3つのスロット502~504が提供されている。本実施形態では、スロットには順序が設けられており、一番左のスロット502を先頭として、右に行くにつれて順序が後ろになるようにスロット503、および、スロット504が表示されている。
【0105】
図6に示すスロット502は、付与されたばかりのカードパック406(
図5)が、該スロット502に配置されたことを表している。取得準備部113は、新たなカードパック406が付与されると、該カードパック406を、空いているスロットの中で順番が一番前のスロット(
図6に示す例では、スロット502)に、自動的に配置する。そして、カードパック406が開封可能な状態に遷移するまで、カードパック406をスロット502で待機させる。上述したとおり、本実施形態では、カードパックは、取得準備部113が、スロットに配置しなければ、スカウトポイントを貯められる状態にならない。それゆえ、スロットは、カードパックが開封可能な状態へと遷移していくことを可能にする第1の要件である。
【0106】
さらに、本実施形態では、カードパックがスカウトポイントを貯められる状態になるために、第2の要件が提示される。第2の要件は、スカウトポイントの加算を可能にするツールとしてユーザに提供される。該ツールは、一例として、スカウトマンという形態でユーザに提供される。本実施形態では、一例として、取得準備部113は、1つのスロットにつき、一人のスカウトマンを割り当てる。本実施形態では、スカウトマンが割り当てられたスロットにカードパックが配置されることにより、該カードパックにスカウトポイントを貯めることが可能となる。換言すれば、カードパックは、第1の要件としてスロットに配置されること、および、第2の要件として該スロットにスカウトマンが割り当てられていること、の2つが満たされて、変化不可状態(加算不可状態)から変化可能状態(加算可能状態)へと移行する。別の実施形態では、カードパックは、第1の要件が満たされるだけで、変化不可状態(加算不可状態)から変化可能状態(加算可能状態)へと移行してもよいし、第2の要件が満たされるだけで、変化不可状態(加算不可状態)から変化可能状態(加算可能状態)へと移行してもよい。
【0107】
変化可能状態とは、開封のための所定の条件を満足するべく、カードパックの状態を変化させていくことができる状態を意味する。具体的には、条件として設定されたスカウトポイントに到達すべく、スカウトポイントを貯めることが可能な加算可能状態を意味する。反対に、変化不可状態とは、上述の所定の条件を満足するべく、カードパックの状態を変化させていくことができない状態を意味する。具体的には、スカウトポイントを貯めることが不可能な状態、つまり、スカウトポイントが獲得されてもカードパックに対応付けてポイントは貯まらない加算不可状態を意味する。
【0108】
取得準備部113は、ステップS7において、報酬としてスカウトポイントが付与された場合、ステップS10にて、付与されたスカウトポイントを、スカウトマンが割り当てられたスロットに配置されているカードパックに対して加算する。例えば、
図4に示す例では、218ポイントのスカウトポイントが付与された。
図6に示す例では、スカウトマン505が割り当てられている状態でかつカードパックが配置されているのはスロット502である。そこで、取得準備部113は、付与された218ポイントを、スロット502に配置されているカードパック406に対して加算する。
【0109】
ステップS11でYESの場合、取得準備部113は、カードパックのスカウトポイントの合計が条件に到達したことをユーザに提示するために、
図7に示すゲーム画面を生成してもよい。
図7に示す例では、ゲージ506は、ステップS10にて、カードパック406に対してスカウトポイントが加算された結果、貯められたスカウトポイントが、条件である「800sp」に到達したことを示している。この画面が表示された後、取得実行部114は、ステップS14にて、カードパック406を開封する処理を実行する、すなわち、カードパック406に基づいて、ユーザに所有させる選手カードを特定するように、サーバ200に要求する。ここで、カードパック406は消費され、スロットに空きができる。
【0110】
本実施形態では、スカウトマンが割り当てられているスロットに空きができた場合に、その空きのスロットよりも後ろに、スカウトマンが割り当てられていないスロットがあって、該スロットにカードパックが配置されている場合が想定される。該カードパックは、スカウトマンがいないために、スカウトポイントが貯められず単にスロットに待機している状態である。このような場合、取得準備部113は、該カードパックを、上述の空きのスロットに繰り上げて配置する。これにより、該カードパックは、スカウトポイントが貯められる状態になる。
【0111】
一方、ステップS8でNOの場合、取得準備部113は、スロットに空きがないことをユーザに通知するために、
図8に示すゲーム画面を生成してもよい。表示制御部115は、生成された該ゲーム画面を、ステップS12に先行して、表示部152に表示させる。
【0112】
ゲーム画面は、ユーザに対して、カードパックの取扱を選択させるためのプロンプト601を含む。プロンプト601は、スロットに空きがない旨をユーザに通知するメッセージを含んでいてもよい。本実施形態では、一例として、プロンプト601は、すでに配置されているカードパックを即時に開封することを選択するためのボタン602と、カードパックを破棄することを選択するためのボタン603とを含む。
【0113】
ユーザの操作によってボタン602が押下されると、取得実行部114が、カードパックを即時に開封して、選手カードを取得する処理を実行する。これにより、開封されたカードパックは消費され、スロットに空きができるため、付与されたばかりのカードパック406が配置可能となる。なお、取得実行部114は、即時開封するカードパックとして、ユーザに指定されたカードパックを選択してもよいし、先頭のスロット502に配置されたカードパックを選択してもよいし、ランクが最も高いまたは低いカードパックを選択してもよいし、または、ゲージの到達率が最も高いまたは低いカードパックを選択してもよい。
【0114】
ユーザの操作によってボタン603が押下されると、取得準備部113は、カードパックを破棄する処理を実行する。これにより、配置されていたカードパックは破棄され、スロットに空きができるため、付与されたばかりのカードパック406が配置可能となる。なお、破棄されたカードパックからは、選手カードは取得されない。また、本実施形態では、破棄されたカードパックに対応付けられていたスカウトポイントがある場合、そのスカウトポイントは、次に配置されるカードパック406には引き継がれない。別の実施形態では、スカウトポイントは引き継がれてもよい。
【0115】
なお、本実施形態では、取得実行部114は、所定の消費アイテムと交換することを条件に、即時開封の選択を受け付けてもよい。該消費アイテムは、例えば、ダイヤという形態で提供されてもよい。
図8に示す例では、即時開封を選択するために必要なダイヤの数と、現時点でユーザが所持しているダイヤ数604とが、プロンプト601内に提示される。本実施形態では、一例として、ダイヤは、当該対戦ゲームを提供するゲームシステム1を運営する事業主に対して、ユーザが対価を支払うことによって、ユーザに提供されてもよい。この場合、ダイヤは、有償の消費アイテムである。別の実施形態では、ダイヤは、対戦をプレイしたことの報酬として、ユーザに提供されてもよい。この場合、ダイヤは、無償の消費アイテムである。
【0116】
図7に示すように、カードパックのゲージがいっぱいになったとき、または、
図8に示すボタン602が押下されたとき、取得実行部114は、上述のステップS14を実行する。このとき、取得実行部114は、カードパックが開封されて、選手カードが取得されようとしているシーンを演出するゲーム画面、例えば、
図9に示すゲーム画面を生成してもよい。
【0117】
取得実行部114は、ステップS17にて、サーバ200のカード提供部212から、開封されたカードパックに基づいて特定された、ユーザに所有させる選手カードについての通知を受け取る。このとき、取得実行部114は、特定された選手カードをユーザに通知するために、
図10に示すゲーム画面を生成してもよい。例えば、該ゲーム画面は、開封されたカードパックと引き換えに取得された選手カード701~703を含んでいる。各選手カードは、例えば、選手の画像、選手名、選手の所属チーム名、および、選手カードの希少度を示す情報を含んでいる。いずれかの選手カードを選択すると、選択された選手カードについて、さらに詳細情報が表示されてもよい。例えば、選手の能力に係る各種パラメータが表示されてもよい。
【0118】
以上のように、各種ゲーム画面を介して、カードパックを運用するためのスロットを、ユーザが簡易な操作によって制御可能なUIが、ユーザに提供される。上記UIにより、ユーザは、対戦成績が良いと強い(希少度の高い)選手カードを取得しやすいという仕組みをよく理解して、強い動機を持って、対戦プレイに興じることができる。上記UIにより、ゲームを有利に進めるための選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求を満たす仕組みが実現される。これにより、ユーザは、多くの選手カードを取得でき、ゲームを有利に進めながら、プレイに興じることができる。上記UIにより、ユーザは、ゲームをプレイするだけで、面倒な手続き、作業、または、操作を強いられることなく、カードパックを運用して、簡易に選手カードを取得することができる。これにより、ユーザは、ゲームを有利に進めながら、プレイに興じることができる。本実施形態によれば、結果として、ゲームの興趣性を向上させて、ユーザのゲームをプレイすることに対する動機付けを強化することが可能となる。
【0119】
〔変形例〕
取得準備部113は、ステップS7において、カードパックが付与されたら、スロットに空きがあるか否かに拘わらず、都度、即時に開封することを選択するためのプロンプトを表示させてもよい。該プロンプトは、例えば、
図8に示すボタン602およびダイヤ数604を含む。これにより、ゲームを有利に進めるための選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求に、より一層応えることができる。
【0120】
取得準備部113は、スロットに配置されているカードパックを、開封前に破棄することを指示するためのユーザの操作を受け付ける構成であってもよい。取得準備部113は、該指示にしたがって、指定されたカードパックを開封前に破棄することができる。これにより、空きのスロットをすぐに準備することができ、スロットがいっぱいのときに新たにカードパックが入手されたとしても、該カードパックを破棄せずに済む。該構成は、後から入手されたカードパックのランクが高い(期待値が高い)場合に、特に有利である。
これにより、ゲームを有利に進めるために、より良い選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求に、より一層応えることができる。
【0121】
ユーザ端末100の対戦実行部112またはサーバ200の対戦実行部211は、所定の消費アイテムが消費されたことに基づいて、ステップS7においてユーザに付与する報酬量を増加してもよい。消費アイテムは、例えば、報酬増加アイテムであり、報酬増加アイテムは、一例として、「スカウトポイント3倍書」または「カードパック2倍書」などの形態で提供されてもよい。例えば、ユーザが「スカウトポイント3倍書」を消費して、対戦プレイを終えた場合、該ユーザに対しては、通常1戦につき提供されるスカウトポイントの3倍のスカウトポイントが提供される。例えば、ユーザが「カードパック2倍書」を消費して、対戦プレイを終えた場合、該ユーザに対しては、通常1戦につきカードパックが1つ提供されるところ、2つ提供される。他にも、経験値またはゴールドの報酬量を増加させる報酬増加アイテムがあってもよい。これらの報酬増加アイテムは、対戦をプレイしたことの報酬として、ユーザに提供されてもよいし、該報酬として得られたゴールドと引き換えに提供されてもよい。この場合、報酬増加アイテムは、無償の消費アイテムである。あるいは、報酬増加アイテムは、当該対戦ゲームを提供するゲームシステム1を運営する事業主に対して、ユーザが対価を支払うことによって、ユーザに提供されてもよい。この場合、報酬増加アイテムは、有償の消費アイテムである。
【0122】
ユーザ端末100の対戦実行部112またはサーバ200の対戦実行部211は、対戦成績が所定の条件を満足したことに基づいて、ステップS7においてユーザに付与する報酬量を増加してもよい。所定の条件としては、例えば、
図4の対戦成績405を参照して、「1試合の奪三振数が5以上」、あるいは、「1試合の本塁打数が2本以上」などといった条件が想定される。ユーザが、このような条件を達成して対戦を終えた場合、対戦実行部211は、通常の算定で付与される200spに加えて、さらに、300spを条件達成ボーナスとしてユーザに付与してもよい。あるいは、対戦実行部211は、通常1試合につき1つ付与するカードパックを、条件達成ボーナスとして、さらにもう一つ追加で付与してもよい。
【0123】
スカウトマン(ツール)のそれぞれには、交渉能力(性能)が設定されていてもよい。交渉能力は、ポイントの加算に係る性能であり、一例として、カードパックのスカウトポイントを貯める効率に影響を与える。取得準備部113は、スロットに割り当てられているスカウトマンの交渉能力に基づいて、カードパックに加算するスカウトポイントを決定する。
【0124】
本実施形態では、一例として、
図6に示すとおり、先頭のスロット502には、デフォルトで、スカウトマン505が割り当てられている。本実施形態では、デフォルトで提供されるスカウトマンは、一例として、新人のスカウトマンであってもよい。該新人のスカウトマン505の交渉能力は「低」と設定されている。取得準備部113は、スロットに割り当てられているスカウトマンの交渉能力が「低」のとき、付与されたスカウトポイントを1倍にして、つまりそのまま、該スロットに配置されているカードパックのスカウトポイントに加算する。
【0125】
さらに、本実施形態では、オプションで別のスカウトマンが提供されてもよい。オプションで提供されるスカウトマンは、一例として、ベテランのスカウトマンであってもよい。ベテランのスカウトマンの交渉能力は「高」と設定されている。取得準備部113は、スカウトマンの交渉能力が「高」のとき、一例として、付与されたスカウトポイントを1.5倍にして、カードパックのスカウトポイントに加算する。これにより、ゲームを有利に進めるための選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求に、より一層応えることができる。
【0126】
その他、交渉能力が「中」の中堅のスカウトマンが、デフォルトで、または、オプションで提供されてもよい。
【0127】
取得準備部113は、先頭より後ろのスロットには、デフォルトのスカウトマンを割り当てず、ユーザがスカウトマンの割り当てを指示した場合に、オプションのスカウトマンを割り当ててもよい。デフォルトのスカウトマンは、例えば、交渉能力が「低」の新人のスカウトマンであり、オプションのスカウトマンは、例えば、交渉能力が「高」のベテランのスカウトマンである。
【0128】
取得準備部113は、所定の消費アイテムと引き換えに、オプションのスカウトマンを割り当ててもよい。例えば、
図6に示すとおり、取得準備部113は、スロット一覧501において、スカウトマンが割り当てられていないスロットの下に、ユーザがスカウトマンの割り当てを指示するためのボタン605を設ける。本実施形態では、該消費アイテムは、例えば、ダイヤという形態で提供されてもよい。上述したとおり、ダイヤは、有償アイテムであっても、無償アイテムであってもよい。
【0129】
図12は、ユーザにスカウトマンの割り当てを選択させるためのゲーム画面の一例を示す図である。取得準備部113は、ボタン605が押下されると、該ゲーム画面を生成してもよい。該ゲーム画面は、ユーザに対して、スカウトマンの割り当てを選択させるためのプロンプト606を含む。プロンプト606は、スカウトマンの割り当てを選択するためのボタン607と、これを選択するのに必要なダイヤの数と、現時点でユーザが所持しているダイヤ数608とを含んでいてもよい。
【0130】
図13は、スカウトマンが新たに割り当てられたことを示すためのゲーム画面の一例を示す図である。取得準備部113は、ボタン607が押下されると、該ゲーム画面を生成してもよい。該ゲーム画面は、2番目のスロット503に割り当てられたベテランのスカウトマン507を含む。スロット503にカードパックが配置されている場合には、取得準備部113は、ゲージ508を表示させて、該カードパックを、「交渉中」の状態、すなわち、スカウトマン507によってスカウトポイントが貯められる状態に遷移させる。上述したとおり、所定の消費アイテムと引き換えに割り当てられたオプションのスカウトマンは、デフォルトのスカウトマンよりも、交渉能力が高く、したがって、より効率良くスカウトポイントが貯められる。例えば、付与されたスカウトポイントが218spであれば、取得準備部113は、新人のスカウトマン505に基づいて、スロット502に配置されたカードパックに対しては、等倍で218spを加算する。一方、取得準備部113は、ベテランのスカウトマン507に基づいて、スロット503に配置されたカードパックに対しては、付与された量の1.5倍の327spを加算する。
【0131】
さらに、取得準備部113は、各スカウトマンに対して利用回数の制限を設けてもよい。つまり、スカウトマンが開封できるカードパックの数はあらかじめ定められていてもよい。本実施形態では、デフォルトの(新人の)スカウトマンには、開封回数に制限を設けず、オプションの(ベテランの)スカウトマンについては、開封回数を2回に制限する。残り開封回数は、スカウトマンに関連付けてゲーム情報132として記憶部120に格納される。取得準備部113は、スカウトマンに基づいてスカウトポイントを上限まで貯めてカードパックを開封した後、該スカウトマンの残り開封回数を1減じる。スカウトマンは、所定の数のカードパックについて、ポイントの合計を所定値に到達させた後、つまり、所定数のカードパックを開封した後、消却される。具体的には、残り開封回数が0になった場合、取得準備部113は、該スカウトマンのスロットへの割り当てを解除し、該スカウトマンの情報をゲーム情報132から削除する。
図13に示すとおり、取得準備部113は、スロット一覧501において、各スカウトマンの残り開封回数509、510を
表示させてもよい。
【0132】
取得準備部113は、所定の消費アイテムと引き換えに、デフォルトのスロットに加えて、オプションのスロットを増設してもよい。例えば、
図6に示すとおり、取得準備部113は、スロット一覧501を左にスクロールさせられることを示す矢印704を表示させる。
図14は、スロット一覧501を
図6に示す状態から1段階左にスクロールさせた状態を表すゲーム画面の一例を示す図である。取得準備部113は、
図6に示すゲーム画面において、矢印704が押下されると、スロット一覧501を、スロット1つ分左にずらし、先頭から数えて4番目のスロット511を表示させる。取得準備部113は、オプションのスロットの初期状態は、使用できない状態であることを示すために、スロット511に錠前マークを追加してもよい。取得準備部113は、スロット511について、該スロットの解放を指示するためのボタン708を設ける。本実施形態では、上述の消費アイテムは、例えば、ダイヤという形態で提供されてもよい。上述したとおり、ダイヤは、有償アイテムであっても、無償アイテムであってもよい。
【0133】
図15は、ユーザにスロットの増設を選択させるためのゲーム画面の一例を示す図である。取得準備部113は、ボタン708が押下されると、該ゲーム画面を生成してもよい。該ゲーム画面は、ユーザに対して、スロットの増設を選択させるためのプロンプト705を含む。プロンプト705は、スロットの増設を選択するためのボタン706と、これを選択するのに必要なダイヤの数と、現時点でユーザが所持しているダイヤ数707とを含んでいてもよい。
【0134】
取得準備部113は、ボタン706が押下されると、ユーザの所持ダイヤを所定数消費して、スロット511を解放する。すなわち、4番目のスロットを、カードパックを配置できる状態に遷移させる。このとき、ゲーム画面において、取得準備部113は、上述の錠前マークを削除し、ボタン708の代わりに、スカウトマンの割り当てを指示するためのボタン605を設ける。
【0135】
スロットが増設されると、カードパックを開封可能な状態に遷移するまで待機させておく場所を増やすことができる。これにより、ゲームを有利に進めるための選手カードをより早く取得したいというユーザの欲求に、より一層応えることができる。
【0136】
別の実施形態では、取得準備部113は、ステップS8でNOの場合、即時の開封の選択肢を与えず、スロットに空きがない状態で、新たなカードパックが付与された場合には、該カードパックを自動的に破棄してもよい。
【0137】
サーバ200のカード提供部212は、ステップS6にて抽選を実施してもよい。この場合、ステップS6にて付与されたカードパックのランク、すなわち、設定されている期待値に基づいて、カード提供部212は抽選を実施し、選手カードを特定する。カード提供部212は、前記カードパックと紐付けて特定した選手カードを、ユーザが対戦で使用できない状態で記憶部220に記憶しておく。ここでは、カード提供部212は、特定された選手カードを、ユーザ端末100に通知しない。そして、ステップS14において、カード取得要求がユーザ端末100から送信された場合に、カード提供部212は、該カード取得要求において指定されたカードパックに紐付けておいた選手カードを記憶部220から読み出し、これをユーザが制御可能な状態(対戦で使用できる状態)に更新する。
【0138】
カード提供部212は、カードパックのランクに応じて、カードパックに含まれる、各希少度のオブジェクトの割合を異ならせてもよい。この場合、期待値は、抽選確率ではなく、希少度が高いオブジェクト(例えば、希少度がSの選手カード)がカードパックに含まれている割合を表す。例えば、最高ランクのブラックランクのカードパックに基づいて
、5枚中2枚の割合で、希少度Sの選手カードが特定されてもよい。また、最低ランクのノーマルランクのカードパックに基づいて、5枚中0枚の割合で、希少度Sの選手カードが特定されてもよい。
【0139】
別の実施形態では、1つのランクにつき、すべての希少度ごとに、割合が設定されていてもよい。例えば、ブラックランクのカードパックにおいては、S:2枚、A:1枚、B:2枚、C:0枚の割合が設定されていてもよい。また、最低ランクのノーマルランクのカードパックにおいては、S:0枚、A:0枚、B:2枚、C3枚の割合が設定されていてもよい。
【0140】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、対戦実行部211およびカード提供部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、操作受付部111、対戦実行部112、取得準備部113、取得実行部114および表示制御部115)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0141】
後者の場合、制御部210および/または制御部110を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0142】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0143】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0144】
(項目1) ゲームプログラム(131)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10、20)およびメモリ(11、12)を備える、クライアントのコンピュータ(ユーザ端末100)および該クライアントのコンピュータと連携するサーバのコンピュータ(サーバ200)の少なくともいずれか一方により実行される。また、ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントのコンピュータ(ユーザ端末100、投球側ユーザ端末100A、打撃側ユーザ端末100B)を操作するユーザが制御対象とするオブジェクト(選手カード)と、他のクライアントのコンピュータ(ユーザ端末100、打撃側ユーザ端末100B、投球側ユーザ端末100A)を操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクト(選手カード)とを対戦させる対戦ゲーム(対人対戦野球ゲーム)である。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データ(報酬、カードパック)をユーザに付与するステップ(S6)と、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能に該ユーザに
関連付けるステップ(S16)とを実行させる。権利データには、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクト(例えば、希少度Sの選手カード)が特定される可能性を表す期待値(抽選確率、割合など)が設定されており、付与するステップでは、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果(対戦成績)に基づいて決定された期待値が設定されている権利データをユーザに付与する。該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0145】
(項目2) (項目1)において、ゲームプログラムは、プロセッサに、付与された権利データに対応付けて、前記ユーザに付与されたポイント(スカウトポイント)を加算するステップ(S10)を実行させる。関連付けるステップでは、権利データに対応付けられたポイントの合計が所定値に到達した場合に、該権利データに基づいて特定されたオブジェクトをユーザに関連付ける。これにより、ユーザは、オブジェクトを得ることを楽しみにして、ポイントを貯めることができる。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0146】
(項目3) (項目2)において、付与するステップは、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、評価結果に基づいて決定されたポイントをユーザに付与することを含む。これにより、ユーザは、オブジェクトを得るために、対戦ゲームをプレイしてポイントを貯めようとする。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0147】
(項目4) (項目2)または(項目3)において、付与するステップは、ユーザに関連付けられた所定の消費アイテム(報酬増加アイテム)が消費された場合に、対戦ゲームがプレイされたことに基づいてユーザに付与する、権利データの数、および、ポイントの少なくともいずれか一方を増加させることを含む。これにより、多くのオブジェクトを取得したいというユーザの欲求に応えることができる。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0148】
(項目5) (項目2)から(項目4)までのいずれか1項目において、付与するステップは、評価結果が所定の条件を満たす場合に、対戦ゲームがプレイされたことに基づいてユーザに付与する、権利データの数、および、ポイントの少なくともいずれか一方を増加させることを含む。これにより、多くのオブジェクトを取得したいユーザは、条件を満たすように対戦ゲームをプレイしようとする。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0149】
(項目6) (項目1)から(項目5)までのいずれか1項目において、期待値は、価値が高いオブジェクト(希少度が高い選手カード)が特定される確率を表しており、付与するステップでは、評価結果が良いほど、高い確率が設定されている権利データをユーザに付与する。これにより、より価値の高いオブジェクトを取得したいユーザは、より良い成績が得られるように対戦ゲームをプレイしようとする。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化するという効果を奏する。
【0150】
(項目7) (項目6)において、権利データは、期待値に応じて複数種類あり、ユーザに付与された権利データは、種類に応じた態様で、コンピュータが備える表示部(152)に表示される。これにより、ユーザは、権利データが使用される前から、取得できるオブジェクトの価値をある程度推測することができる。これにより、ユーザが戦略的に権利データを使用することが可能となり、ゲームの興趣性が向上する。結果として、該ゲームプログラムによれば、ゲームをプレイすることに対するユーザの動機付けを強化すると
いう効果を奏する。
【0151】
(項目8) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(10、20)およびメモリ(11、12)を備える、クライアントのコンピュータ(ユーザ端末100)および該クライアントのコンピュータと連携するサーバのコンピュータ(サーバ200)の少なくともいずれか一方により実行される。また、ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントのコンピュータを操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントのコンピュータを操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。該方法は、プロセッサが、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与するステップと、プロセッサが、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付けるステップとを含む。付与するステップでは、プロセッサが、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された該期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与する。(項目8)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0152】
(項目9) ユーザが操作するクライアント(ユーザ端末100)または該クライアントと連携するサーバ(サーバ200)として機能する情報処理装置(ユーザ端末100、サーバ200)について説明した。本開示のある局面によると、情報処理装置は、ゲームプログラム(131)を記憶する記憶部(120、220)と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部(110、210)と、を備える。ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントとしての情報処理装置を操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントとしての情報処理装置を操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。制御部は、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与し、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付ける。なお、制御部は、権利データを付与する際、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された該期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与する。(項目9)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0153】
(項目10) ゲームシステム(1)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームシステムは、クライアントとしての情報処理装置(ユーザ端末100)と、クライアントとしての情報処理装置と連携するサーバとしての情報処理装置(サーバ200)とを少なくとも含む。情報処理装置のそれぞれは、ゲームプログラム(131)を記憶する記憶部(120、220)と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部(110、210)と、を備える。ゲームプログラムに基づくゲームは、クライアントとしての情報処理装置を操作するユーザが制御対象とするオブジェクトと、他のクライアントとしての情報処理装置を操作する他のユーザが制御対象とするオブジェクトとを対戦させる対戦ゲームである。制御部のいずれか一方が、ユーザにより対戦ゲームがプレイされた場合に、オブジェクトを取得できる権利データをユーザに付与し、該制御部は、権利データを付与する際、対戦ゲームを有利に進める上で価値が高いオブジェクトが特定される可能性を表す期待値であって、対戦ゲームのプレイ内容に対する評価結果に基づいて決定された期待値が設定されている権利データを、ユーザに付与し、制御部のいずれか一方が、付与された権利データに基づいて複数のオブジェクトの中から特定された1以上のオブジェクトを、ユーザが制御可能にユーザに関連付ける。(項目10
)に係るゲームシステムは、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏す
る。
【符号の説明】
【0154】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10,20 プロセッサ、11,21 メモリ、12,22 ストレージ、13,23 通信IF、14,24 入出力IF、15 タッチスクリーン、17 カメラ、18 測距センサ、100 ユーザ端末、110,210 制御部、111 操作受付部、112 対戦実行部、113 取得準備部、114 取得実行部、115 表示制御部、120、220 記憶部、131 ゲームプログラム、132 ゲーム情報、133 ユーザ情報、151 入力部、152 表示部、200
サーバ、211 対戦実行部、212 カード提供部、401 経験値(報酬)、402 ゴールド(報酬)、403 スカウトポイント(報酬、ポイント)、406 カードパック(報酬、権利データ)、501 スロット一覧、502,503,504,511
スロット(第1の要件)、505,507 スカウトマン(ツール、第2の要件)、701,702,703 選手カード(オブジェクト)、1010 物体、1020 コントローラ、1030 記憶媒体