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特許7018371家屋異動判読システム、家屋異動判読方法、家屋異動判読プログラム及び滅失判読モデル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】家屋異動判読システム、家屋異動判読方法、家屋異動判読プログラム及び滅失判読モデル
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220203BHJP
   G06T 7/90 20170101ALI20220203BHJP
【FI】
G06T7/00 640
G06T7/90 C
G06T7/00 350C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018157095
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020030730
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000213909
【氏名又は名称】朝日航洋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】縄田 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】蘇 ▲しゅう▼
【審査官】小池 正彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-312233(JP,A)
【文献】特開2002-206925(JP,A)
【文献】Aito Fujita et al,Damage detection from aerial images via convolutional neural networks,2017 Fifteenth IAPR International Conference on Machine Vision Applications (MVA),米国,IEEE,2017年05月12日,5-8,https://ieeexplore.ieee.org/document/7986759
【文献】Rodrigo Caye Daudt et al,Urban Change Detection for Multispectral Earth Observation Using Convolutional Neural Networks,IGARSS 2018 - 2018 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium,米国,IEEE,2018年07月27日,2115-2118,https://ieeexplore.ieee.org/document/8518015
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06T 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムであって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成部と、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す家屋滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成部と、
生成された前記滅失判読モデルを出力するモデル出力部と、
を備え
前記抽出部は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成部は、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データ、並びに、前記正解データを含む前記学習データを生成する、
家屋異動判読システム。
【請求項2】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムであって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成部と、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す家屋滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成部と、
生成された前記滅失判読モデルを出力するモデル出力部と、
を備え、
前記抽出部は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成部は、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像並びに前記正解データを含む前記学習データを生成する、
家屋異動判読システム。
【請求項3】
前記正解データは、所定の形状を有する画像データであって、家屋が滅失したことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の一方を有し、家屋が滅失していないことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の他方を有する、
請求項1または2に記載の家屋異動判読システム。
【請求項4】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成ステップと、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成ステップと、
生成された前記滅失判読モデルを出力する出力ステップと、
有し、
前記抽出ステップにおいて、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成ステップにおいて、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データ、並びに、前記正解データを含む前記学習データを生成する、
家屋異動判読方法。
【請求項5】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成ステップと、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成ステップと、
生成された前記滅失判読モデルを出力する出力ステップと、
を有し、
前記抽出ステップにおいて、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成ステップにおいて、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像並びに前記正解データを含む前記学習データを生成する、
家屋異動判読方法。
【請求項6】
コンピュータを、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成機能と、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成機能と、
生成された前記滅失判読モデルを出力する出力機能と、
を実現させ
前記抽出機能は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成機能は、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データ、並びに、前記正解データを含む前記学習データを生成する、
家屋異動判読プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像、並びに、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成機能と、
前記学習データに基づいて機械学習を行い、前記形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする前記滅失判読モデルを生成するモデル生成機能と、
生成された前記滅失判読モデルを出力する出力機能と、
を実現させ、
前記抽出機能は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記学習データ生成機能は、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像並びに前記正解データを含む前記学習データを生成する、
る家屋異動判読プログラム。
【請求項8】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための、機械学習により生成されるニューラルネットワークを含む学習済みモデルである滅失判読モデルであって、
家屋の平面形状を表す形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を入力値として、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを出力値とする学習データに基づく機械学習により構成され、
前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像のそれぞれは、一の家屋に関しての平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む家屋データに基づいて、前記第1の時期に撮影された第1の航空写真及び前記第2の時期に撮影された第2の航空写真のそれぞれから抽出された、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像であり、
前記学習データは、家屋領域データを前記入力値として更に含み、
前記家屋領域データは、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、
生成された、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなるデータであり、
前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像のそれぞれは、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから抽出された前記家屋領域データに対応する領域である、
滅失判読モデル。
【請求項9】
第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための、機械学習により生成されるニューラルネットワークを含む学習済みモデルである滅失判読モデルであって、
家屋の平面形状を表す形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を入力値として、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを出力値とする学習データに基づく機械学習により構成され、
前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像のそれぞれは、一の家屋に関しての平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む家屋データに基づいて、前記第1の時期に撮影された第1の航空写真及び前記第2の時期に撮影された第2の航空写真のそれぞれから抽出された、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像であり、
前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像のそれぞれは、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから抽出された、前記家屋データにより示される前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域であり、
前記学習データは、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像並びに前記正解データを含む、
滅失判読モデル。
【請求項10】
請求項8に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋の滅失を判読する家屋異動判読システムであって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読部と、
前記判読部により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力部と、
を備え
前記抽出部は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読部は、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データを前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読システム。
【請求項11】
請求項9に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋の滅失を判読する家屋異動判読システムであって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読部と、
前記判読部により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力部と、
を備え、
前記抽出部は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読部は、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読システム。
【請求項12】
前記家屋滅失情報は、前記第1及び第2の家屋領域画像の形状に対応する形状を有する画像であって、
前記家屋滅失情報の各画素は、第1の色及び前記第1の色とは異なる第2の色のいずれかを有し、
前記家屋滅失情報における第1の色の画素及び第2の色の画素の割合は、前記第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の可能性を示す、
請求項10または11に記載の家屋異動判読システム。
【請求項13】
請求項8に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読ステップと、
前記判読ステップにおいて取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力ステップと、
を有し、
前記抽出ステップにおいて、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読ステップにおいて、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データを前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読方法。
【請求項14】
請求項9に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読ステップと、
前記判読ステップにおいて取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力ステップと、
を有し、
前記抽出ステップにおいて、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読ステップにおいて、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項8に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読機能と、
前記判読機能により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力機能と、
を実現させ
前記抽出機能は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データを含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれにおける、前記家屋領域データに対応する領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読機能は、前記第1の家屋領域画像、前記第2の家屋領域画像及び前記家屋領域データを前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項9に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と前記第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記第1の時期に撮影された第1の航空写真、前記第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び前記第1の時期における、前記第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、前記家屋図データは、一以上の家屋データを含み、前記家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、
前記家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、
少なくとも前記形状情報を伴う前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力して、前記滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読機能と、
前記判読機能により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力機能と、
を実現させ、
前記抽出機能は、前記家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、前記第1の航空写真及び前記第2の航空写真のそれぞれから、前記形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像として抽出し、
前記判読機能は、前記家屋の平面形状に対応する形状を有する前記第1の家屋領域画像及び前記第2の家屋領域画像を前記滅失判読モデルに入力する、
家屋異動判読プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋異動判読システム、家屋異動判読方法及び家屋異動判読プログラム、滅失判読モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば課税対象の調査等を目的として、2時期の航空写真を対比して、家屋の異動(滅失、新築及び増改築)を判別することが行われている。例えば、前年度の航空写真データに基づく画像データと今年度航空写真データに基づく画像データとを比較するためにそれらを画面に表示するための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-4389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、2時期の航空写真の対比による家屋の異動の判読は、それらを表示した画面を人が目視することにより行われていた。しかしながら、目視による判読は、非常に手間がかかっていた。また、機械による画像処理により、2時期の画像から色、テクスチャ及び高さ情報等の差分の情報を抽出して、家屋の異動を判読することも行われていたが、抽出される差分の情報には、画像の撮影条件の差異等に起因するノイズが多く含まれ、判読の精度が低かった。
【0005】
そこで本発明は、2時期の航空写真に基づいて、家屋の異動のうちの滅失を精度良く且つ高速に判読することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る家屋異動判読システムは、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムであって、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像、並びに、第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成部と、学習データに基づいて機械学習を行い、形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す家屋滅失情報を出力とする滅失判読モデルを生成するモデル生成部と、生成された滅失判読モデルを出力するモデル出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る家屋異動判読方法は、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像、並びに、第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成ステップと、学習データに基づいて機械学習を行い、形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする滅失判読モデルを生成するモデル生成ステップと、生成された滅失判読モデルを出力する出力ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る家屋異動判読プログラムは、コンピュータを、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、コンピュータに、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像、並びに、第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する学習データ生成機能と、学習データに基づいて機械学習を行い、形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として当該第1の家屋領域画像に示される家屋の滅失の有無を示す滅失情報を出力とする滅失判読モデルを生成するモデル生成機能と、生成された滅失判読モデルを出力する出力機能と、を実現させる。
【0009】
本発明の一形態に係る滅失判読モデルは、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための、機械学習により生成されるニューラルネットワークを含む学習済みモデルである滅失判読モデルであって、家屋の平面形状を表す形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を入力値として、第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを出力値とする学習データに基づく機械学習により構成され、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像のそれぞれは、一の家屋に関しての平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む家屋データに基づいて、第1の時期に撮影された第1の航空写真及び第2の時期に撮影された第2の航空写真のそれぞれから抽出された、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である。
【0010】
上記の形態によれば、第1の時期における家屋図データに基づいて、第1及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である、第1及び第2の家屋領域画像が抽出される。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像は、第1及び第2の時期のそれぞれにおける一の家屋の有無を示す画像的特徴を含むこととなる。また、第1の家屋領域画像に表されている家屋であって第1の時期における家屋図データに含まれている家屋の平面形状を表す形状情報を伴わせた第1及び第2の家屋領域画像が機械学習の学習データに用いられるので、第1及び第2の家屋領域画像に家屋の平面形状が適切に関連付けられて学習される。そして、家屋の滅失の有無を示す正解データがさらに関連付けられて学習されることにより滅失判読モデルが生成されるので、第1及び第2の時期のそれぞれにおける家屋の領域の画像に基づいて、家屋の滅失の発生の可能性を精度良く示す情報を高速に出力可能なモデルを得ることが可能となる。
【0011】
別の形態に係る家屋異動判読システムは、抽出部は、家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、当該家屋の平面形状を表す図形データ含む方形状の領域からなる家屋領域データを生成し、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれにおける、家屋領域データに対応する領域を、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像として抽出し、学習データ生成部は、第1の家屋領域画像、第2の家屋領域画像及び家屋領域データ、並びに、正解データを含む学習データを生成することとしてもよい。
【0012】
上記の形態によれば、家屋の平面形状を表す図形データ含む方形状の領域からなる家屋領域データが生成されると共に、家屋領域と同様の形状の領域からなる第1及び第2の家屋領域画像が生成される。このように生成された家屋領域データ並びに第1及び第2の家屋領域画像が学習データとして用いられる。このように生成された家屋領域データは、第1の時期における家屋の平面形状の情報を確実に含むこととなるので、第1及び第2の家屋領域画像に家屋の平面形状の情報を適切に関連付けて機械学習を実施できる。
【0013】
別の形態に係る家屋異動判読システムは、抽出部は、家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像として抽出し、学習データ生成部は、家屋の平面形状に対応する形状を有する第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像並びに正解データを含む学習データを生成することとしてもよい。
【0014】
上記の形態によれば、第1の時期における家屋の平面形状に対応する形状の領域が、第1及び第2の家屋領域画像として、第1及び第2の航空写真から抽出されるので、第1及び第2の家屋領域画像には、第1の時期における家屋の平面形状の情報が含まれることとなる。従って、このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像を、別途の家屋の平面形状を表すデータを加えることなく、学習データとして機械学習に用いることにより、家屋の平面形状の情報を適切に関連付けた機械学習を実施できると共に、機械学習に供するデータの容量の削減が可能となる。
【0015】
別の形態に係る家屋異動判読システムは、正解データは、所定の形状を有する画像データであって、家屋が滅失したことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の一方を有し、家屋が滅失していないことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の他方を有することとしてもよい。
【0016】
上記の形態によれば、所定の形状を有し第1または第2の色の画素からなる画像データを、家屋の滅失の有無を示す家屋滅失情報として出力する滅失判読モデルを得ることが可能となる。また、家屋滅失情報において、家屋の滅失の有無の分類結果が各画素における2値の色のうちのいずれかの色として示されるので、第1の色の画素及び第2の色の画素の割合に、家屋の滅失の発生の可能性が反映されるので、家屋の滅失の有無を容易に判読できる。
【0017】
また、本発明の一形態に係る家屋異動判読システムは、上記の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋の滅失を判読する家屋異動判読システムであって、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得部であって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得部と、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出部と、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を滅失判読モデルに入力して、滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読部と、判読部により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力部と、を備える。
【0018】
また、本発明の一形態に係る家屋異動判読方法は、上記の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムにおける家屋異動判読方法であって、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得ステップであって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得ステップと、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出ステップと、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を滅失判読モデルに入力して、滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読ステップと、判読ステップにおいて取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力ステップと、を有する。
【0019】
また、本発明の一形態に係る家屋異動判読プログラムはコンピュータを、請求項7に記載の滅失判読モデルを用いて、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する家屋異動判読システムとして機能させるための家屋異動判読プログラムであって、コンピュータに、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における、第1及び第2の航空写真に表された領域に対応する家屋図データを取得する取得機能であって、家屋図データは、一以上の家屋データを含み、家屋データは、一の家屋に関しての少なくとも平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む、取得機能と、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する抽出機能と、少なくとも形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を滅失判読モデルに入力して、滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する判読機能と、判読機能により取得された家屋滅失情報を出力する滅失情報出力機能と、を実現させる。
【0020】
上記の形態によれば、第1の時期における家屋図データに基づいて、第1及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である、第1及び第2の家屋領域画像が抽出される。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像は、第1及び第2の時期のそれぞれにおける一の家屋の有無を示す画像的特徴を含むこととなる。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像が家屋の平面形状を表す形状情報を伴って滅失判読モデルに入力されるので、第1の時期と第2の時期との間における家屋の滅失の有無が精度良く判読される。
【0021】
別の形態に係る家屋異動判読システムは、家屋滅失情報は、第1及び第2の家屋領域画像の形状に対応する形状を有する画像であって、家屋滅失情報の各画素は、第1の色及び第1の色とは異なる第2の色のいずれかを有し、家屋滅失情報における第1の色の画素及び第2の色の画素の割合は、第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の可能性を示すこととしてもよい。
【0022】
上記の形態によれば、家屋滅失情報において、第1の色の画素及び第2の色の画素の割合に、家屋の滅失の発生の可能性が反映されるので、家屋の滅失の有無を容易に判読できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、2時期の航空写真に基づいて、家屋の異動のうちの滅失を精度良く且つ高速に判読することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る家屋異動判読システムの機能的構成を示すブロック図である。
図2】家屋異動判読装置のハードウェア構成を示す図である。
図3図3(a)は、航空写真の例を模式的に示す図である。図3(b)は、家屋図データの例を模式的に示す図である。
図4】家屋領域データの生成を示す図である。
図5】家屋図データに関する前処理であるポリゴン統合処理を説明する図である。
図6】家屋領域画像の抽出の例を示す図である。
図7図7(a)及び図7(b)はそれぞれ、学習データの例を示す図である。
図8】家屋領域画像の抽出及び学習データの生成の他の例を説明する図であって、図7(a)及び図7(b)はそれぞれ、学習データの他の例を示す図である。
図9】滅失判読モデルに入力するデータセット及びモデルから出力された家屋滅失情報の例を模式的に示す図である。
図10】滅失判読モデルから出力される家屋滅失情報の例を示す図である。
図11】機械学習によるモデル生成の局面における、家屋異動判読装置において実施される家屋異動判読方法の処理内容を示すフローチャートである。
図12】学習済みのモデルを用いた家屋の滅失判読の局面における、家屋異動判読装置において実施される家屋異動判読方法の処理内容を示すフローチャートである。
図13図13(a)及び図13(b)はそれぞれ、家屋異動判読プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0026】
図1は、本実施形態に係る家屋異動判読システムの装置構成及び家屋異動判読装置の機能的構成を示す図である。図1に示すように、家屋異動判読装置1Aは、機械学習によるモデル生成の局面における家屋異動判読システムを構成する。具体的には、家屋異動判読装置1Aは、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するための滅失判読モデルを生成する。
【0027】
また、家屋異動判読装置1Bは、家屋の滅失判読の局面における家屋異動判読システムを構成する。具体的には、家屋異動判読装置1Bは、滅失判読モデルを用いて第1の時期と第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読する。
【0028】
図1に示すように、家屋異動判読装置1Aは、取得部11、抽出部12、学習データ生成部13、モデル生成部14及びモデル出力部15を備える。家屋異動判読装置1Bは、取得部11B、抽出部12B、判読部16及び滅失情報出力部17を備える。
【0029】
本実施形態の家屋異動判読装置1A及び家屋異動判読装置1Bは、各々が別の装置として構成されているが、一体に構成されてもよい。また、家屋異動判読装置1A及び家屋異動判読装置1Bに含まれる各機能部は、複数の装置に分散されて構成されてもよい。また、家屋異動判読装置1A及び家屋異動判読装置1Bに含まれる各機能部は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれか、または任意の組み合わせによって実現される。
【0030】
図1に示すように、家屋異動判読システムは、航空写真記憶部21、家屋図データ記憶部22及びモデル記憶部23といった記憶手段を含むことができる。これらの記憶手段21~23は、家屋異動判読装置1A及び家屋異動判読装置1Bからネットワークまたは所定の通信手段を介してアクセス可能に構成されている。また、記憶手段21~23は、家屋異動判読装置1に設けられてもよい。
【0031】
家屋異動判読装置1A及び家屋異動判読装置1Bの各機能部の説明に先立って、記憶手段21~23を説明する。航空写真記憶部21は、所定時期に撮影された航空写真のデータを記憶している記憶手段である。本実施形態では、第1の時期と第1の時期より後の時期である第2の時期との間における家屋の滅失を航空写真に基づいて判読するために、航空写真記憶部21は、第1の時期に撮影された第1の航空写真及び第2の時期に撮影された第2の航空写真を記憶している。具体的には、例えば、課税対象となる家屋の調査を目的とする場合には、第1の時期は、ある年の1月1日であり、第2の時期は、その翌年の1月1日である。
【0032】
家屋図データ記憶部22は、家屋図データを記憶している記憶手段である。家屋図データは、ある一時期において、所定の地理的領域に存在する各家屋の家屋データを含む。家屋データは、一の家屋に関しての平面形状を表す形状情報及び位置を示す位置情報を含む。また、家屋データは、家屋の大きさ(面積)に関する情報を含んでもよい。また、家屋データは、各家屋を一意に識別する識別情報に各情報を関連付けたデータであってもよい。家屋図データが2次元の地図上に表現される場合には、家屋データは、家屋の位置、形状及び大きさを表すポリゴンとして表されてもよい。家屋図データ及び家屋データは、例えばベクトルデータであることができる。家屋図データは、例えば、ある一時期における調査に基づいて、自治体等により作成される。本実施形態では、家屋図データ記憶部22は、第1の時期における家屋図データを記憶している。
【0033】
モデル記憶部23は、家屋異動判読装置1Aにより作成及び出力された滅失判読モデルを記憶する記憶手段である。家屋異動判読装置1Bは、モデル記憶部23に記憶された滅失判読モデルを用いて、2時期の航空写真に基づいて、2時期間における家屋の滅失を判読する処理を実施できる。
【0034】
図2は、家屋異動判読装置1のハードウェア構成図である。家屋異動判読装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク及びメモリ等で構成される補助記憶装置103、通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。家屋異動判読装置1は、入力デバイスであるキーボード、タッチパネル、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。なお、家屋異動判読装置1は、GPUを含んで構成されてもよい。
【0035】
図1に示した各機能は、図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0036】
再び図1を参照して、家屋異動判読装置1Aの機能部を説明する。取得部11は、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第1の時期より後の時期である第2の時期に撮影された第2の航空写真、及び第1の時期における家屋図データを取得する。本実施形態では、第1の時期に存在した家屋の第2の時期における滅失の有無が判読される。具体的には、取得部11は、家屋の滅失の判読の対象の地域が表された第1及び第2の航空写真を、航空写真記憶部21から取得する。また、取得部11は、第1及び第2の航空写真に表された地域に対応する家屋図データを、家屋図データ記憶部22から取得する。
【0037】
図3(a)は、航空写真の例を模式的に示す図である。図3(a)に示されるように、航空写真A1は、家屋の滅失の判読となる対象の地域を上空から撮影した写真であって、複数の家屋が表されている。
【0038】
図3(b)は、家屋図データの例を模式的に示す図である。図3(b)に示される例は、家屋図データを2次元の地図上に表現した例である。図3(b)に示されるように、家屋図データB1は、図3(a)に示した航空写真A1に表された地域に対応しており、家屋データb11~b18を含む。家屋データb11~b18はそれぞれ、各家屋の位置を示す位置情報及び平面形状を表す形状情報を含む。家屋データにおける位置情報は、例えば、座標値により表される。形状情報は、図3(b)に示されるような、図形データであるポリゴンデータにより表される。
【0039】
なお、取得部11は、航空写真の撮影条件の差異等に起因する色調の差を補正するために、周知の手法により、取得した航空写真の画素値を正規化してもよい。また、取得部11は、陰影除去のための周知の画像処理技術により、取得した航空写真中の陰影を除去してもよい。
【0040】
抽出部12は、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する。図4図6を参照して、家屋領域画像の抽出処理を説明する。
【0041】
抽出部12は、家屋領域画像の抽出に先立って、家屋図データの家屋データに基づいて、家屋領域データを生成する。図4は、家屋領域データの生成を示す図である。図4には、家屋図データの一部である部分家屋図データB2が示されている。部分家屋図データB2は、家屋データb21を含む。
【0042】
抽出部12は、家屋データb21に示される家屋の形状を示すポリゴンの中心点CP(例えば重心点)の座標及びポリゴンの面積を算出する。続いて、抽出部12は、家屋データb21のポリゴンの面積に応じて、ポリゴンの中心点CPを中心としてポリゴンの外形を囲うことが可能なサイズを有する方形状領域rを設定する。本実施形態では、方形状領域rは、正方形状を有するが、正方形状には限定されない。方形状領域rのサイズは、例えば、ポリゴンのサイズに一定のマージンを加えたサイズであってもよいし、予め設定された複数の所定サイズのうちの一のサイズが適用されることとしてもよい。
【0043】
そして、抽出部12は、部分家屋図データB2から、家屋データb21のポリゴンを含む方形状の領域である方形状領域rを抽出して、家屋領域データc21を生成する。
【0044】
図5は、家屋図データに関する前処理であるポリゴン統合処理を説明する図である。家屋図データにおいて、家屋図データの作成上の取り決め等に起因して、一の家屋が複数のポリゴンに分割されて表されている場合がある。このような場合に、抽出部12は、家屋領域データの生成に先立って、ポリゴンの統合処理を実施してもよい。
【0045】
例えば、抽出部12は、1つの位置情報に関連付けられた複数のポリゴン(形状情報)を家屋図データから抽出する。図5の矢印左側は、一の家屋が複数のポリゴンにより表されている例を示しており、一の家屋の形状が、ポリゴンb31及びポリゴンb32の2つのポリゴンにより表されている。抽出部12は、ポリゴンb31及びポリゴンb32に対して統合処理を行い、一の家屋を表す1つのポリゴンとしてポリゴンb33を生成する。
【0046】
図6は、家屋領域画像の抽出の例を示す図である。図6には、家屋領域データc41が示されている。家屋領域データc41は、一の家屋の平面形状を示すポリゴンである家屋データb41を含む。抽出部12は、第1の時期に撮影された第1の航空写真及び第2の時期に撮影された第2の航空写真のそれぞれにおける家屋領域データに対応する領域を、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像として抽出する。
【0047】
図6に示す例では、抽出部12は、第1の航空写真における、家屋領域データc41に対応する領域を抽出して、第1の家屋領域画像a41を生成する。また、抽出部12は、第2の航空写真における、家屋領域データc41に対応する領域を抽出して、第2の家屋領域画像a42を生成する。
【0048】
学習データ生成部13は、少なくとも家屋の形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像並びに第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する。
【0049】
本実施形態では、一例として、第1の家屋領域画像、第2の家屋領域画像及び家屋領域データ、並びに、正解データを含む学習データを生成する。図7は、学習データの例を示す図である。
【0050】
図7(a)に示す例においては、学習データ生成部13は、抽出部12により抽出された第1の家屋領域画像a51及び第2の家屋領域画像a52を取得する。また、学習データ生成部13は、第1及び第2の家屋領域画像a51,a52の抽出に際して参照された家屋領域データc5を取得する。
【0051】
さらに、学習データ生成部13は、第1及び第2の家屋領域画像a51,a52に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データe5を、第1及び第2の家屋領域画像a51,a52並びに家屋領域データc5に関連付ける。
【0052】
正解データは、所定の形状を有する画像データであって、家屋が滅失したことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の一方を有し、家屋が滅失していないことを示す正解データの全ての画素は、第1の色及び第2の色の他方を有する、
【0053】
具体的には、正解データe5は、第1の家屋領域画像a51に表された家屋が、第2の家屋領域画像a52において滅失したことを示す画像データである。正解データe5は、所定の形状を有する画像データであって、例えば第1及び第2の家屋領域画像a51,a52の形状に対応する形状を有することとしてもよいが、その形状に限定されない。また、本実施形態では、滅失があったことを白色で示すこととするので、正解データe5の全ての画素は、白色及び黒色の2色のうちの白色を有する。第1及び第2の家屋領域画像a51,a52並びに家屋領域データc5に対する正解データe5の関連付けは、第1及び第2の家屋領域画像a51,a52の目視により滅失の有無を判断したユーザにより行われることとしてもよい。
【0054】
そして、学習データ生成部13は、第1の家屋領域画像a51、第2の家屋領域画像a52及び家屋領域データc5並びに正解データe5のセットからなる学習データd5を生成する。このように、学習データd5は、家屋データb5を含む家屋領域データc5を含むことにより、家屋データb5により示される家屋の平面形状(ポリゴンの形状)の情報を含むことになる。従って、このような学習データd5により、第1及び第2の家屋領域画像a51,a52に家屋の平面形状の情報を適切に関連付けた機械学習が実現される。
【0055】
図7(b)に示す例においては、学習データ生成部13は、抽出部12により抽出された第1の家屋領域画像a61及び第2の家屋領域画像a62を取得する。また、学習データ生成部13は、第1及び第2の家屋領域画像a61,a62の抽出に際して参照された家屋領域データc6を取得する。
【0056】
さらに、学習データ生成部13は、第1及び第2の家屋領域画像a61,a62に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データe6を、第1及び第2の家屋領域画像a61,a62並びに家屋領域データc6に関連付ける。
【0057】
具体的には、正解データe6は、第1の家屋領域画像a61に表された家屋が、第2の家屋領域画像a62において滅失していないことを示す画像データである。正解データe6は、所定の形状を有する画像データであって、例えば第1及び第2の家屋領域画像a61,a62の形状に対応する形状を有することとしてもよいが、その形状に限定されない。また、本実施形態では、滅失がなかったことを黒色で示すこととするので、正解データe6の全ての画素は、白色及び黒色の2色のうちの黒色を有する。第1及び第2の家屋領域画像a61,a62並びに家屋領域データc6に対する正解データe6の関連付けは、第1及び第2の家屋領域画像a61,a62の目視により滅失の有無を判断したユーザにより行われることとしてもよい。
【0058】
そして、学習データ生成部13は、第1の家屋領域画像a61、第2の家屋領域画像a62及び家屋領域データc6並びに正解データe6のセットからなる学習データd6を生成する。このように、学習データd6は、家屋データb6を含む家屋領域データc6を含むことにより、家屋データb6により示される家屋の平面形状(ポリゴンの形状)の情報を含むことになる。従って、このような学習データd6により、第1及び第2の家屋領域画像a61,a62に家屋の平面形状の情報を適切に関連付けた機械学習が実現される。
【0059】
図8は、家屋領域画像の抽出及び学習データの生成の他の例を説明する図である。ここで説明する他の例では、抽出部12は、家屋データにより示される家屋の形状情報に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、形状情報に示される家屋の平面形状に対応する形状の領域を、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像として抽出する。
【0060】
図8(a)に示す例では、家屋図データに含まれる一の家屋の情報の一例として、家屋データb7が示されている。家屋データb7は、家屋の平面形状を示す形状情報として、ポリゴンデータを有している。抽出部12は、第1の航空写真における、家屋データb7に対応する形状の領域を抽出して、第1の家屋領域画像a71を生成する。また、抽出部12は、第2の航空写真における、家屋データb7に対応する形状の領域を抽出して、第2の家屋領域画像a72を生成する。なお、抽出部12は、家屋データb7に示されるポリゴンの外形線の外側に一定のマージン領域を付した当該ポリゴンと略相似形の領域を、第1及び第2の航空写真から抽出して、第1及び第2の家屋領域画像を生成してもよい。
【0061】
第1の家屋領域画像a71に表されていた家屋が、第2の家屋領域画像a72においては滅失しているので、第1及び第2の家屋領域画像a71、a72には、家屋の滅失を示す正解データe7を、例えば人手により関連付けることができる。
【0062】
学習データ生成部13は、第1の家屋領域画像a71及び第2の家屋領域画像a72並びに正解データe7を含む学習データd7を生成する。このように、第1及び第2の家屋領域画像a71,a72は、家屋の平面形状に基づいて抽出されることにより、家屋の平面形状と同様の平面形状を有することとなる。これにより、第1及び第2の家屋領域画像a71,a72には、家屋の平面形状の情報が含まれることとなる。
【0063】
図8(b)に示す例では、家屋図データに含まれる一の家屋の情報の一例として、家屋データb8が示されている。家屋データb8は、家屋の平面形状を示す形状情報として、ポリゴンデータを有している。抽出部12は、第1の航空写真における、家屋データb8に対応する形状の領域を抽出して、第1の家屋領域画像a81を生成する。また、抽出部12は、第2の航空写真における、家屋データb8に対応する形状の領域を抽出して、第2の家屋領域画像a82を生成する。なお、抽出部12は、家屋データb8に示されるポリゴンの外形線の外側に一定のマージン領域を付した当該ポリゴンと略相似形の領域を、第1及び第2の航空写真から抽出して、第1及び第2の家屋領域画像を生成してもよい。
【0064】
第1の家屋領域画像a81に表されていた家屋が、第2の家屋領域画像a82において滅失していないので、第1及び第2の家屋領域画像a81、a82には、家屋が滅失していないことを示す正解データe8を、例えば人手により関連付けることができる。
【0065】
学習データ生成部13は、第1の家屋領域画像a81及び第2の家屋領域画像a82並びに正解データe8を含む学習データd8を生成する。このように、第1及び第2の家屋領域画像a81,a82は、家屋の平面形状に基づいて抽出されることにより、家屋の平面形状と同様の平面形状を有することとなる。これにより、第1及び第2の家屋領域画像a81,a82には、家屋の平面形状の情報が含まれることとなる。
【0066】
図8(a)及び図8(b)に示すような学習データd7,d8を機械学習に用いることにより、別途の家屋の平面形状を表すデータを加えることなく、家屋の平面形状の情報を適切に関連付けた機械学習を実施できると共に、機械学習に供するデータの容量の削減が可能となる。
【0067】
再び図1を参照して、モデル生成部14は、学習データ生成部13により生成された学習データに基づいて機械学習を行い、家屋の形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として、第1の家屋領域画像に示される家屋の、第2の家屋領域画像における滅失の有無を示す家屋滅失情報を出力とする滅失判読モデルを生成する。
【0068】
本実施形態では、例えば、CNN(Convolution Neural Network)により構成される滅失判読モデルが生成されるが、モデルの構成は、機械学習及びディープラーニングの分野において適用可能なものであれば、この例に限定されない。モデル生成部14は、学習データ生成部13により生成された学習データに基づいて、家屋の滅失の有無の判読を画像分類問題として機械学習させることにより、滅失判読モデルを生成する。
【0069】
本実施形態の滅失判読モデルは、ニューラルネットワークを含んで構成される。学習済みのニューラルネットワークを含むモデルである滅失判読モデルは、コンピュータにより読み込まれ又は参照され、コンピュータに所定の処理を実行させ及びコンピュータに所定の機能を実現させるプログラムとして捉えることができる。
【0070】
即ち、本実施形態の滅失判読モデルは、CPU(又は/及びGPU)及びメモリを備えるコンピュータにおいて用いられる。具体的には、コンピュータのCPU(又は/及びGPU)が、メモリに記憶された滅失判読モデルからの指令に従って、ニューラルネットワークの入力層に入力された入力データに対し、各層に対応する学習済みの重み付け係数と応答関数等に基づく演算を行い、出力層から結果を出力するよう動作する。
【0071】
本実施形態におけるニューラルネットワークに対する入力データは、例えば、家屋の形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像である。具体的には、第1及び第2の家屋領域画像の画素値を、入力データとしてのデータ形式に適宜変換したものである。ニューラルネットワークからの出力の結果は、学習データに含まれる正解データに対応する形式で出力される家屋滅失情報である。後述するように、家屋滅失情報は、家屋の滅失が発生した可能性を示す。
【0072】
モデル出力部15は、モデル生成部14により生成された滅失判読モデルを出力する。具体的には、モデル出力部15は、例えば、生成された滅失判読モデルをモデル記憶部23に記憶させる。
【0073】
このように、本実施形態の家屋異動判読装置1Aによれば、第1の時期における家屋図データに基づいて、第1及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である、第1及び第2の家屋領域画像が抽出される。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像は、第1及び第2の時期のそれぞれにおける一の家屋の有無を示す画像的特徴を含むこととなる。また、第1の家屋領域画像に表されていると共に第1の時期における家屋図データに含まれている家屋の平面形状を表す形状情報を伴わせた第1及び第2の家屋領域画像が機械学習の学習データに用いられるので、第1及び第2の家屋領域画像に家屋の平面形状が適切に関連付けられて学習される。そして、家屋の滅失の有無を示す正解データがさらに関連付けられて学習されることにより滅失判読モデルが生成されるので、第1及び第2の時期のそれぞれにおける家屋の領域の画像に基づいて、家屋の滅失の発生の可能性を精度良く示す情報を出力可能なモデルを得ることが可能となる。
【0074】
次に、再び図1を参照して、家屋の滅失判読の局面における家屋異動判読システムを構成する家屋異動判読装置1Bの機能を説明する。取得部11Bは、取得部11と同様の機能を有する。即ち、取得部11Bは、家屋の滅失の判読の対象となる、第1の航空写真、第2の航空写真及び第1の時期における家屋図データを取得する。
【0075】
抽出部12Bは、抽出部12と同様の機能を有する。即ち、抽出部12Bは、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、取得部11Bにより取得された第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する。
【0076】
判読部16は、家屋の平面形状に関する形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を滅失判読モデルに入力して、滅失判読モデルの出力値を家屋滅失情報として取得する。図9は、滅失判読モデルに入力するデータセット及びモデルから出力された家屋滅失情報の例を模式的に示す図である。
【0077】
滅失判読モデルに入力するデータセットd9は、第1の家屋領域画像a91、第2の家屋領域画像a92及び家屋領域データc9を含む。家屋領域データc9は、滅失の判読の対象である家屋に関する家屋データに基づいて抽出されたデータであって、当該家屋の平面形状を表すポリゴンの情報を含んでいる。第1の家屋領域画像a91は、第1の時期に撮影された第1の航空写真から抽出された画像であって、滅失の判読の対象である家屋が表されている。第2の家屋領域画像a92は、第2の時期に撮影された第2の航空写真から抽出された画像であって、第1の家屋領域画像a91に表された地理的領域と同じ領域を表している。
【0078】
判読部16は、データセットd9を滅失判読モデルに入力することにより、その出力値として、家屋滅失情報f9を取得する。家屋滅失情報においては、家屋の滅失の可能性の高さが、白色の画素と黒色の画素との割合に反映されている。具体的には、学習データにおいて、家屋が滅失したことを示す正解データを、白色の画素からなる画像データとして、家屋が滅失していないことを示す正解データを、黒色の画素からなる画像データとしているので、家屋滅失情報において白色の画素の割合が高いほど、家屋が滅失した可能性が高いことを示す。図9に示す家屋滅失情報f9は、白色の画素の割合が極めて高いので、家屋が滅失した可能性が高いことを示している。
【0079】
図10は、滅失判読モデルから出力される家屋滅失情報の例を示す図である。図10に示される家屋滅失情報f11~f16のうちの家屋滅失情報f11では、白色の画素の割合が極めて高い。従って、家屋滅失情報f11は、家屋が滅失した可能性が高いことを示している。一方、家屋滅失情報f16では、白色の画素の割合が極めて低い。従って、家屋滅失情報f16は、家屋が滅失した可能性が低いことを示している。このように、家屋滅失情報が複数の画素により構成され、家屋の滅失の有無の分類結果が各画素における2値の色のうちのいずれかの色として示されるので、第1の色の画素及び第2の色の画素の割合に、家屋の滅失の発生の可能性が反映されることとなり、家屋の滅失の有無を容易に判読できる。
【0080】
滅失情報出力部17は、判読部16により取得された家屋滅失情報を出力する。具体的には、滅失情報出力部17は、家屋滅失情報を所定の記憶手段に出力して記憶させる。また、滅失情報出力部17は、家屋滅失情報を所定の表示装置に表示させてもよい。
【0081】
このように、本実施形態の家屋異動判読装置1Bによれば、第1の時期における家屋図データに基づいて、第1及び第2の航空写真のそれぞれから、一の家屋の位置及び範囲に対応する領域の画像である、第1及び第2の家屋領域画像が抽出される。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像は、第1及び第2の時期のそれぞれにおける一の家屋の有無を示す画像的特徴を含むこととなる。このように抽出された第1及び第2の家屋領域画像が家屋の平面形状を表す形状情報を伴って滅失判読モデルに入力されるので、第1の時期と第2の時期との間における家屋の滅失の有無が精度良く判読される。
【0082】
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態の家屋異動判読システムの動作について説明する。図11は、機械学習によるモデル生成の局面における、家屋異動判読装置1Aにおいて実施される家屋異動判読方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS1において、取得部11は、第1の時期に撮影された第1の航空写真、第2の時期に撮影された第2の航空写真及び第1の時期における家屋図データを取得する。
【0084】
ステップS2において、抽出部12は、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する。
【0085】
ステップS3において、学習データ生成部13は、家屋の形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像並びに第1及び第2の家屋領域画像に示される領域における家屋の滅失の有無を示す正解データを含む学習データを生成する。
【0086】
ステップS4において、モデル生成部14は、学習データ生成部13により生成された学習データに基づいて機械学習を行い、家屋の形状情報を伴う第1及び第2の家屋領域画像を入力として、第1の家屋領域画像に示される家屋の、第2の家屋領域画像における滅失の有無を示す家屋滅失情報を出力とする滅失判読モデルを生成する。
【0087】
ステップS5において、モデル出力部15は、ステップS4においてモデル生成部14により生成された滅失判読モデルを出力する。
【0088】
図12は、学習済みのモデルを用いた家屋の滅失判読の局面における、家屋異動判読装置1Bにおいて実施される家屋異動判読方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS11において、取得部11Bは、家屋の滅失の判読の対象となる、第1の航空写真、第2の航空写真及び第1の時期における家屋図データを取得する。
【0090】
ステップS12において、抽出部12Bは、家屋データにより示される家屋の位置及び平面形状に基づいて、ステップS11において取得部11Bにより取得された第1の航空写真及び第2の航空写真のそれぞれから、第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を抽出する。
【0091】
ステップS13において、判読部16は、家屋の平面形状に関する形状情報を伴う第1の家屋領域画像及び第2の家屋領域画像を滅失判読モデルに入力する。
【0092】
ステップS14において、判読部16は、滅失判読モデルからの出力値を家屋滅失情報として取得する。
【0093】
ステップS16において、滅失情報出力部17は、判読部16により取得された家屋滅失情報を出力する。
【0094】
次に、図13を参照して、コンピュータを家屋異動判読装置として機能させるための家屋異動判読プログラムを説明する。図13(a)に示される家屋異動判読プログラムP1Aは、モデル生成の局面の家屋異動判読装置1Aとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、メインモジュールm10、取得モジュールm11、抽出モジュールm12、学習データ生成モジュールm13、モデル生成モジュールm14及びモデル出力モジュールm15を含む。
【0095】
図13(b)に示される家屋異動判読プログラムP1Bは、学習済みのモデルを用いた家屋の滅失判読の局面の家屋異動判読装置1Bとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、メインモジュールm10B、取得モジュールm11B、抽出モジュールm12B、判読モジュールm16及び滅失情報出力モジュールm17を含む。
【0096】
メインモジュールm10,m10Bは、家屋異動判読処理を統括的に制御する部分である。取得モジュールm11、抽出モジュールm12、学習データ生成モジュールm13、モデル生成モジュールm14及びモデル出力モジュールm15を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図1に示される家屋異動判読装置1Aの取得部11、抽出部12、学習データ生成部13、モデル生成部14及びモデル出力部15の機能と同様である。
【0097】
取得モジュールm11B、抽出モジュールm12B、判読モジュールm16及び滅失情報出力モジュールm17を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図1に示される家屋異動判読装置1Bの取得部11B、抽出部12B、判読部16及び滅失情報出力部17の機能と同様である。
【0098】
家屋異動判読プログラムP1A,P1Bは、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体M1A,M1Bによって提供される。また、家屋異動判読プログラムP1A,P1Bは、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0099】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1,1A,1B…家屋異動判読装置、11,11B…取得部、12,12B…抽出部、13…学習データ生成部、14…モデル生成部、15…モデル出力部、16…判読部、17…滅失情報出力部、21…航空写真記憶部、22…家屋図データ記憶部、23…モデル記憶部、m10,m10B…メインモジュール、m11,m11B…取得モジュール、m12,m12B…抽出モジュール、m13…学習データ生成モジュール、m14…モデル生成モジュール、m15…モデル出力モジュール、m16…判読モジュール、m17…滅失情報出力モジュール、M1A,M1B…記憶媒体、P1A,P1B…家屋異動判読プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13