IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レカロ チャイルド セーフティ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲーの特許一覧

<>
  • 特許-チャイルドシートシステム 図1
  • 特許-チャイルドシートシステム 図2
  • 特許-チャイルドシートシステム 図3
  • 特許-チャイルドシートシステム 図4
  • 特許-チャイルドシートシステム 図5
  • 特許-チャイルドシートシステム 図6
  • 特許-チャイルドシートシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】チャイルドシートシステム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20220203BHJP
【FI】
B60N2/28
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018509541
(86)(22)【出願日】2016-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2016069384
(87)【国際公開番号】W WO2017029273
(87)【国際公開日】2017-02-23
【審査請求日】2019-08-07
(31)【優先権主張番号】102015113852.2
(32)【優先日】2015-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516058746
【氏名又は名称】レカロ チャイルド セーフティ ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】RECARO Child Safety GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Guttenbergstrasse 2 95352 Marktleugast Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【弁理士】
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】ゲブハルト、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ルフ、トーマス
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04750783(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319438(US,A1)
【文献】特開2000-071829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドシートシステムであって、
少なくとも実質的に背筋を伸ばして座る子供用に構成された少なくとも1つのチャイルドシート(10)と、横たわる小さな子供用に構成された乳児キャリヤー(34)とを備え、乳児キャリヤー(34)がチャイルドシート(10)内に収容されるように構成されており、
前記チャイルドシート(10)がチャイルドシート(10)内に配置された子供を座らせることができる座面を有するシート底部(14)を有しており、
前記チャイルドシート(10)が、前記シート底部(14)の後側に配置されるとともに、該シート底部(14)から上方に延びる背もたれ(16)を有しており、
前記乳児キャリヤー(34)が少なくとも実質的に硬質シェル(36)によって形成されるとともに、車外で小さな子供を運ぶように構成されており
前記乳児キャリヤー(34)が、少なくとも1つの形状合致要素(50、52)であって、チャイルドシート(10)の対応する形状合致要素(54、56)とともに乳児キャリヤー(34)を固定するように構成された少なくとも1つの形状合致要素(50、52)を含み、
前記乳児キャリヤー(34)が、乳児キャリヤー(34)の下側(72)に配置された少なくとも1つのさらなる形状合致要素(70)を含む、チャイルドシートシステムにおいて、
チャイルドシートシステムが、自動車のシートまたはベンチシートに直接接続されるように構成されたシート基礎部分(12)を含み、前記チャイルドシート(10)がシート基礎部分(12)に結合可能であることを特徴とする、チャイルドシートシステム。
【請求項2】
前記乳児キャリヤー(34)が、小さな子供を移動中に保護するように構成された一体型ベルトシステム(46)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの形状合致要素(50、52)が前記乳児キャリヤー(34)の後側(48)に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項4】
前記乳児キャリヤー(34)を前記チャイルドシート(10)に強固に接続するために、前記少なくとも1つの形状合致要素(50、52)が、他方の前記形状合致要素(54、56)のボルト(58、60)を少なくとも部分的に取り囲むように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの形状合致要素(50、52)がISOFIXコネクタとして形成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項6】
前記乳児キャリヤー(34)が、前記乳児キャリヤー(34)を前記チャイルドシート(10)に接続するために少なくとも2つの形状合致要素(50、52)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのさらなる形状合致要素(70)が前記乳児キャリヤー(34)の前端部に配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのさらなる形状合致要素(70)が実質的にL字形のフックとして形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項9】
前記チャイルドシート(10)が、前記乳児キャリヤー(34)の少なくとも1つのさらなる形状合致要素(70)に対応するように形成された少なくとも1つのさらなる形状合致要素(74)を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項10】
前記チャイルドシート(10)の少なくとも1つのさらなる形状合致要素(74)が凹部として形成されることを特徴とする、請求項9に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項11】
前記チャイルドシート(10)が、少なくとも1つの基礎シート構造(18)と、前記基礎シート構造(18)内に配置された少なくとも1つの中間シェル(24)とを含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のチャイルドシートシステム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のチャイルドシート。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の乳児キャリヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部によるチャイルドシートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも実質的に背筋を伸ばして座る子供用に構成された少なくとも1つのチャイルドシートと、横たわる小さな子供用に構成された乳児キャリヤーとを備え、乳児キャリヤーはチャイルドシート内に収容されるように構成されているチャイルドシートシステムが既に提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は特に、利用可能な安全性に関して改良された特徴を備えた汎用システムを作製することである。この目的は、請求項1の特徴によって本発明に従い達成される一方、本発明の有利な実施およびさらなる発展は従属項によって明らかになり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも実質的に背筋を伸ばして座る子供用に構成された少なくとも1つのチャイルドシートと、横たわる小さな子供用に構成された乳児キャリヤーとを備え、乳児キャリヤーはチャイルドシート内に収容されるように構成されているチャイルドシートシステムに基づく。
【0005】
提案されるのは、乳児キャリヤーが硬質シェルによって少なくとも実質的に形成されることである。「チャイルドシート」について、本明細書中、安全かつ子供に適した方法で子供を自動車で運べる子供用シートが特に理解されるべきであり、このチャイルドシートは本文脈において、生まれてから約4歳の年齢までおよび/または20kgまでの体重の子供用に特に構成される。「少なくとも実質的に背筋を伸ばして座る子供用に構成される」は、本明細書中、チャイルドシートで運ばれる子供が、規制に準拠して実質的に背筋を伸ばした姿勢でチャイルドシートに座っていることを特に意味するが、チャイルドシートはわずかに傾けられ、したがって子供はチャイルドシート内で完全に背筋を伸ばすのではなくわずかに横になった姿勢で座っていることも考えられる。「構成される」は、特別に設計および/または装備されることを特に意味する。特定の機能に対し構成されている物体によって、物体が少なくとも1つの使用状況および/または動作状況において特定の機能を満たすおよび/または実行することが特に理解されるべきである。「乳児キャリヤー」について、本明細書中、生まれてから12か月の年齢までおよび/または10kgまでの体重の小さな子供を、特に自動車で、安全かつ小さな子供に適した方法で運ぶことができる小さな子供用の運送シェルが理解されるべきであり、乳児キャリヤーで運ばれる小さな子供は、実質的に横になった姿勢で乳児キャリヤーで運ばれる。乳児キャリヤーは車外で小さな子供を運ぶために構成されることも原則的に考えられ、例えば、乳児キャリヤーは結合モジュールを介してベビーカーの基礎フレームに接続可能であり、このようにしてベビーカー基礎フレームとともにベビーカーを形成することが考えられる。「チャイルドシート内に収容される」は本明細書中、チャイルドシートの着座領域に配置され、チャイルドシートによって少なくとも部分的に、特にチャイルドシートの2つの側面領域でおよび後部領域で取り囲まれることを意味する。特に、乳児キャリヤーは、乳児キャリヤーが少なくとも広い範囲でチャイルドシートによって横方向において取り囲まれるような方法でチャイルドシートの着座領域内に配置される。「実質的に硬質シェルによって形成される」について、本明細書中、乳児キャリヤーが、少なくとも50%まで、好ましくは少なくとも75%まで、硬質シェルすなわち硬質合成材料から、または当業者によって都合がよいとみなされる他のいずれかの材料から形成されることが特に理解されるべきである。硬質シェルは、本明細書中、乳児キャリヤーの耐荷重性の基体を形成する。乳児キャリヤーはさらに、小さな子供が配置される横臥領域を支えるクッションを含む。原則的に、乳児キャリヤーが補強要素を含み、補強要素は乳児キャリヤーを補強し、およびそのために乳児キャリヤーに接続されるか挿入されることも考えられる。「硬質シェルによって実質的に形成される乳児キャリヤー」について、本明細書中、乳児キャリヤーがクッションまたは複数のクッションのみによって形成されないことが特に理解されるべきである。本発明の実施例により、乳児キャリヤーで運ばれる小さな子供を特に有利に保護するチャイルドシートシステムを提供することができる。
【0006】
さらに提案されるのは、乳児キャリヤーが、小さな子供を移動中に守るように構成された一体型ベルトシステムを含むことである。「一体型ベルトシステム」について、本明細書中、小さな子供用に構成され、乳児キャリヤーに固定式に接続され、小さな子供を守るために特に設計されたベルトシステムが特に理解されるべきである。一体型ベルトシステムは、好ましくは、小さな子供を固定するためにベルトロックを介して相互に接続されてもよい複数の相互接続されたベルトを含む5点式ベルトシステムである。この内部ベルトシステムは、車両に固定式に一体化された外部の車両側ベルトシステムと異なるように、またチャイルドシートのベルトシステムと異なるように特に具現化される。「移動中に守る」は、乗車中、乳児キャリヤー内で小さな子供を固定することを特に意味する。一体型ベルトシステムは原則的に、車外でも乳児キャリヤー内に小さな子供を固定するようにも構成される。これにより特に有利に、小さな子供を守るための、および特に車外ですでに乳児キャリヤー内で小さな子供を固定するための乳児キャリヤーを提供することができ、その結果、チャイルドシートの特に有利な使用が達成可能である。
【0007】
さらに提案されるのは、乳児キャリヤーが、少なくとも1つの形状合致要素(Formschlusselement)であって、少なくとも着座方向においてチャイルドシートの対応する形状合致要素とともに乳児キャリヤーを固定するように構成された少なくとも1つの形状合致要素を含むことである。「形状合致要素(Formschlusselement)」について、本明細書中、対応する形状合致要素と幾何学的に係合することによっておよび/または対応する形状合致要素上に配置することによって、形状合致接続を確立することができる要素が特に理解されるべきである。乳児キャリヤーが少なくとも1つの形状合致要素および/または圧力嵌め要素を介してチャイルドシートに接続可能であり、形状合致要素および/または圧力嵌め要素は形状合致接続および圧力嵌め接続の組合せによってチャイルドシートと乳児キャリヤーとの間の固定された接続を保証することも原則的に考えられる。このようにして乳児キャリヤーは特に簡単かつ有利な方法でチャイルドシートと結合可能である。
【0008】
さらに提案されるのは、少なくとも1つの形状合致要素が乳児キャリヤーの後側に配置されることである。「乳児キャリヤーの後側」について、本明細書中、乳児キャリヤーを形成する着座および/または横臥面の反対側に配置された乳児キャリヤーの側が特に理解されるべきである。乳児キャリヤーの後側は、本明細書中、乳児キャリヤーの着座および/または横臥方向において後方を向く乳児キャリヤーの側によって具現化される。チャイルドシート内に収容される状態において、乳児キャリヤーの後側はチャイルドシートの方を向いている。これにより、形状合致要素をチャイルドシートと結合するために特に有利な方法で配置することができる。
【0009】
同じく提案されるのは、乳児キャリヤーをチャイルドシートに強固に接続するために、乳児キャリヤーの少なくとも1つの形状合致要素が、チャイルドシートの形状合致要素の少なくとも1つのボルトを少なくとも部分的に取り囲むように構成されることである。「少なくとも部分的に取り囲むように」は、本明細書中、形状合致要素がボルトを、少なくとも結合された状態において、少なくとも50%まで、好ましくは75%超まで、および特に有利な状態では完全に一方向において取り囲むことを特に意味する。このようにして乳児キャリヤーとチャイルドシートとの間の特に有利な形状合致接続を実現することができる。
【0010】
これを越えて、少なくとも1つの形状合致要素がISOFIXコネクタとして具現化されることが提案される。「ISOFIXコネクタ」について、本明細書中、ISO13216に従って標準化され、かつ、チャイルドシートシステムの自動車シャシへの接続用に構成されているコネクタが特に理解されるべきである。これにより、少なくとも1つの形状合致要素を標準部品によって提供することができる。
【0011】
さらに提案されるのは、乳児キャリヤーが乳児キャリヤーをチャイルドシートに接続するために少なくとも2つの形状合致要素を含むことである。これにより、特に確実な方法で乳児キャリヤーをチャイルドシートと結合することができる。
【0012】
さらに提案されるのは、チャイルドシートが少なくとも1つの基礎シート構造と、基礎シート構造内に配置された少なくとも1つの中間シェルとを含むことである。「基礎シート構造」について、本明細書中、少なくとも後方および横方向でチャイルドシートの境界を定めるチャイルドシートの耐荷重性構造が特に理解されるべきである。「中間シェル」は、本明細書中、基礎シート構造の内側に配置され、特にチャイルドシートの側方領域において追加補強を行う基礎シート構造に加えた構造要素を特に意味する。中間シェルは、本明細書中、基礎シート構造とチャイルドシートのおよび/または乳児キャリヤーのクッションとの間に配置される。このようにして、中間シェルは追加の衝撃保護を提供するので、チャイルドシートの安全性は特に有利に高められる。
【0013】
同じく提案されるのは、乳児キャリヤーが、乳児キャリヤーの下側に配置された少なくとも1つのさらなる形状合致要素を含むことである。「さらなる形状合致要素」について、本明細書中、少なくとも1つの形状合致要素と異なる形状合致要素が特に理解されるべきである。「乳児キャリヤーの下側」について、本明細書中、規制に従って乳児キャリヤーをその上に設置できる乳児キャリヤーの側が特に理解されるべきである。乳児キャリヤーがチャイルドシート内に配置された状態において、乳児キャリヤーの下側はチャイルドシートの着座面の方を向いている。これにより、乳児キャリヤーをチャイルドシート内で回転しないように特に有利に固定することができる。
【0014】
これを越えて提案されるのは、少なくとも1つのさらなる形状合致要素が乳児キャリヤーの前端部に配置されることである。「乳児キャリヤーの前端部」は、本明細書中、乳児キャリヤーの着座および/または横臥方向における前端部を特に意味する。これにより、乳児キャリヤーを固定するためにさらなる形状合致要素をチャイルドシートに特に有利に配置することができる。
【0015】
さらに提案されるのは、少なくとも1つのさらなる形状合致要素が実質的にL字形のフックとして具現化されることである。「実質的にL字形のフック」は、本明細書中、形状合致要素が実質的にL字形を形成し、形状合致要素の少なくとも2つの部分領域が互いに直交することを特に意味する。原則的に、少なくとも2つの部分領域が90度から最大30度だけ、好ましくは15度以下だけ、好ましくは最大5度だけ異なる角度を含むことも原則的に考えられる。これにより、形状合致要素を特に簡単な方法で形成することができる。
【0016】
さらに提案されるのは、チャイルドシートが、乳児キャリヤーの少なくとも1つのさらなる形状合致要素に対応して形成された少なくとも1つのさらなる形状合致要素を含むことである。「対応して形成された形状合致要素」について、本明細書中、対応して形成された形状合致要素と形状合致接続を確立でき、そのために前記2つの形状合致要素が少なくとも1つの方向において互いに固定式に接続されるような方法で形成される形状合致要素が特に理解されるべきである。対応して具現化される形状合致要素は、本明細書中、好ましくは、乳児キャリヤーのさらなる形状合致要素が形状合致接続をするために係合する凹部として具現化される。このようにして、チャイルドシートは乳児キャリヤーと結合するために有利に形成することができる。
【0017】
同じく提案されるのは、チャイルドシートの少なくとも1つのさらなる形状合致要素が凹部として具現化されることである。このようにして、チャイルドシートのさらなる形状合致要素を、特に有利な態様で形成することができる。
【0018】
本発明によるチャイルドシートシステムは、本明細書中、上記の使用および実施に制限されない。特に、本明細書に記載された機能を満たすために、本発明によるチャイルドシートシステムは、本明細書に記載した数と異なる数の各要素、構造部品およびユニットを含んでもよい。
【0019】
さらなる利点は以下の図面の説明によって明らかになり得る。図面は本発明の例示的実施形態を示す。図面、その説明および特許請求の範囲は、複数の特徴を組み合わせて含んでいる。当業者であれば、意図的にそれらの特徴を別々に考慮し、さらなる都合のよい組合せを見出すであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シート基礎部分、チャイルドシートおよび乳児キャリヤーを備えた本発明によるチャイルドシートシステムの概略図を示す。
図2】チャイルドシートおよびシート基礎部分の概略図を示す。
図3】乳児キャリヤーと接続するためのチャイルドシートの形状合致要素の概略的な詳細図を示す。
図4】乳児キャリヤーの概略側面図を示す。
図5】乳児キャリヤーの概略後面図を示す。
図6】前端部における乳児キャリヤーのさらなる形状合致要素の概略的な詳細図を示す。
図7】チャイルドシートのさらなる形状合致要素の概略的な詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1~7は本発明によるチャイルドシートシステムの実施形態を示している。チャイルドシートシステムは自動車チャイルドシートシステムとして提供され、自動車内に取り付けられるように構成されている。チャイルドシートシステムは自動車内の子供または赤ん坊を安全に運ぶように構成されている。チャイルドシートシステムはチャイルドシート10を含む。チャイルドシート10は生まれてから約4歳の年齢までおよび約20kgの体重までの子供を運ぶように構成されている。チャイルドシート10は本明細書中、実質的に背筋を伸ばして座る子供用に構成されている。自動車内に組み付けられた状態で、チャイルドシート10は自動車のシートにまたは自動車のベンチシートに固定して取り付けられる。自動車内にチャイルドシート10を接続する目的で、チャイルドシートシステムはシート基礎部分12を含む。シート基礎部分12は自動車のシートにまたはベンチシートに直接接続されるように構成される。シート基礎部分12は、自動車と直結するように構成された固定手段をその後端部に含む。固定手段はISOFIXコネクタとして形成されている。接続のために、対応して形成されるISOFIXコネクタは、固定手段として自動車内に配置され、この固定手段を介してシート基礎部分12は自動車に固定接続可能である。原則的にシート基礎部分12は、当業者によって都合がよいとみなされる異なる態様で具現化される固定手段を介して自動車と結合可能であることも考えられる。シート基礎部分12はさらにその前端部に足部32を含み、足部32によってシート基礎部分12を自動車の床の上で支持することができる。原則的に、チャイルドシートシステムがシート基礎部分を含まず、チャイルドシート10が適切に具現化された固定手段を介して直接自動車内に接続されることも考えられる。
【0022】
チャイルドシート10はシート底部14および背もたれ16を有する。シート底部14は、チャイルドシート10内に配置された子供を座らせることができる座面を形成する。背もたれ16はシート底部14の後側に配置され、シート底部14から上方に、かつ、シート基礎部分12から離れる方に延びる。チャイルドシート10は基礎シート構造18を含む。基礎シート構造18はチャイルドシート10のシェルとして具現化される。基礎シート構造18はチャイルドシート10の耐荷重構造を形成する。基礎シート構造18は硬質プラスチック材料から形成される。原則的に、基礎シート構造18は、当業者によって都合がよいと見なされる異なる材料から、例えば具体的にはCFRPまたはGFRPのような繊維複合材料から形成されることも考えられる。基礎シート構造18を介して、チャイルドシート10はシート基礎部分12に結合可能である。下側部分で基礎シート構造18はシート基礎部分12との接続領域を形成する。基礎シート構造18はさらに背もたれ16の後側を形成し、また、取り付けられた状態においてシート基礎部分12から離れる方を向く上側部分において、チャイルドシート10の横方向の境界を定める頭部領域20、22を形成する。頭部領域20、22は、背もたれ16から、着席方向において前方に延在する。ここで頭部領域20、22は特に、チャイルドシート10に座っている子供の頭部が配置される領域を取り囲む。頭部領域20、22は特に、チャイルドシート10に座っている子供の頭部が配置されるチャイルドシート10の領域における側方衝撃保護を提供する。これによりチャイルドシート10を特に安全な方法で形成することができる。
【0023】
チャイルドシート10は中間シェル24を含む。中間シェル24は基礎シート構造18内に配置される。中間シェル24は基礎シート構造18の内側に配置される。中間シェル24は基礎シート構造18に強固に接続される。中間シェル24は、複数の接続要素(詳細には示さない)を介して基礎シート構造18に固定式に接続される。中間シェル24はチャイルドシート10のシート底部14を形成する。特にシート底部14の領域において、中間シェル24は側壁26、28を形成し、側壁26、28はシート底部14の領域においてチャイルドシート10の外側の境界を定める。このようにして、側方衝撃保護は、中間シェル24の壁26、28によってシート底部14の領域に提供される。シート底部14から離れる方を向く中間シェル24の上端部において、中間シェル24はヘッドレスト30を有する。ヘッドレスト30はU字形を有し、基礎シート構造18の頭部領域20、22に加えて、チャイルドシート10に座る子供の頭部の側方衝撃保護を提供する。チャイルドシート10はさらにクッションを含むがこれについては詳細に示さない。クッションは、チャイルドシート10の座る領域でシート底部14および背もたれ16を覆う。クッションは発泡材料によって具現化される。原則的に、クッションは異なる軟質材料によって具現化されることも考えられる。
【0024】
チャイルドシートシステムは乳児キャリヤー34を含む。乳児キャリヤー34は小さな子供が横たわるように構成されている。乳児キャリヤー34は、生まれてから12か月の年齢までのおよび/または10kgまでの体重の小さな子供を運ぶために構成されている。乳児キャリヤー34は実質的に硬質シェル36から形成される。硬質シェル36は乳児キャリヤー34の基礎構造部分を形成する。硬質シェル36は硬質プラスチック材料から形成される。原則的に、硬質シェル36は、当業者によって都合がよいとみなされる異なる材料、例えば繊維複合材料、例えばCFRPまたはGFRPから形成されることも考えられる。硬質シェル36は複数の個々の要素から形成されるが、それらについて詳細には指定しない。原則的に、硬質シェル36は単一の構造部品から形成されることも考えられる。その内側38で乳児キャリヤー34は小さな子供用の着座面および/または横臥面40を形成する。乳児キャリヤー34はクッション(詳細に示さない)を含み、クッションは着座面および/または横臥面40において乳児キャリヤー34を支える。乳児キャリヤー34は持ち運び用ハンドル42を含む。持ち運び用ハンドル42は人が乳児キャリヤー34を容易に運べるように構成される。持ち運び用ハンドル42は乳児キャリヤー34に枢動可能に連結される。持ち運び用ハンドル42は乳児キャリヤー34の硬質シェル36に接続される。持ち運び用ハンドル42は、硬質シェル36の第1の側から硬質シェル36の第2の側へ延びる。持ち運び用ハンドル42は、実質的にU字形に形成される。持ち運び用ハンドル42を関節式に接続するために、硬質シェル36は両側にピボット軸受44を含み、それを介して持ち運び用ハンドル42は乳児キャリヤー34の硬質シェル36に接続される。乳児キャリヤー34は一体型ベルトシステム46を含む。一体型ベルトシステム46は、乳児キャリヤー34で運ばれる小さな子供を保護するように構成される。一体型ベルトシステム46は5点式ベルトとして構成される。原則的に、ベルトシステム46は当業者によって都合がよいとみなされる異なるベルトシステムとして具現化されることも考えられる。一体型ベルトシステム46は乳児キャリヤー34の硬質シェル36に固定式に接続される。一体型ベルトシステム46は図1に概略的に示されるだけである。一体型ベルトシステム46の構成ならびに乳児キャリヤー34の硬質シェル36へのその固定は、当業者に知られる有用な方法に一致するものであり、したがって、ここで詳細に記載することはない。
【0025】
乳児キャリヤー34はチャイルドシート10の中に収容されるように構成される。自動車内に固定するために、乳児キャリヤー34はチャイルドシート10の中に収容される。乳児キャリヤー34はチャイルドシート10に固定式に接続されるので、紛失する虞がない。チャイルドシート10に固定された接続のため、乳児キャリヤー34は、チャイルドシート10の着座領域に配置される。乳児キャリヤー34は中間シェル24内の領域に導入される。乳児キャリヤー34はチャイルドシート10のクッション(不図示)の上に設置される。原則的に、クッションの少なくとも一部またはクッション全体が、チャイルドシート10内に乳児キャリヤー34を取り付けるために取り除かれることも考えられる。乳児キャリヤー34がチャイルドシート10と結合している状態において、乳児キャリヤー34の後側48はチャイルドシート10の方を向いている。チャイルドシート10と結合するために、乳児キャリヤー34は、第1の形状合致要素50と、第2の形状合致要素52とを含む。2つの形状合致要素50、52は、チャイルドシート10と結合するように構成される。乳児キャリヤー34の形状合致要素50、52を介して乳児キャリヤー34と接続するために、チャイルドシート10は、対応付けて設けられた2つの形状合致要素54、56を含む。乳児キャリヤー34の形状合致要素50、52は、対応して具現化されたチャイルドシート10の形状合致要素54、56と一緒に、乳児キャリヤー34を着座方向に固定するように構成される。形状合致要素50、52および対応して具現化されたチャイルドシート10の形状合致要素54、56の接続によって、乳児キャリヤー34は、全ての方向において、軸方向にチャイルドシート10の中に固定される。
【0026】
乳児キャリヤー34の形状合致要素50、52は乳児キャリヤー34の後側48に配置される。形状合致要素50、52は、それぞれ、チャイルドシート10の形状合致要素54、56のボルト58、60の周囲に係合するように構成される。接続された状態で、乳児キャリヤー34の形状合致要素50、52は、チャイルドシート10の対応する形状合致要素54、56の各ボルト58、60を完全に包み込む。この結果、接続された状態で、乳児キャリヤー34はチャイルドシート10に固定式に接続され、それによって、全ての方向において安全が保証される。形状合致要素50、52は乳児キャリヤー34の後側48から間隔をおいて配置される。その後側48で硬質シェル36は形状合致要素50、52ごとに突起62、64を形成し、形状合致要素50、52は突起62、64の各端部に配置され、各端部は後側48から離れる方を向いている。形状合致要素50、52はラッチ要素(詳細には示さない)を含み、ラッチ要素はチャイルドシート10の形状合致要素54、56と結合する際に偏向され、形状合致接続を確立するために各形状合致要素54、56のボルト58、60の後ろでスナップ嵌めする。2つの形状合致要素50、52は実質的に乳児キャリヤー34の同じ高さの所に配置される。しかしながら、原則的に、形状合致要素50、52は異なる高さの所に配置されることも考えられる。1つの形状合致要素50が乳児キャリヤー34の第1の側に配置され、それは着座方向で見て左側である。第2の形状合致要素52が第1の側の反対に配置された乳児キャリヤー34の側に配置され、それは着座方向で見て右側である。形状合致要素50、52は、ISOFIXコネクタとして具現化される。ISOFIXコネクタとして具現化された形状合致要素50、52は、従来技術から当業者に知られるISOFIXコネクタに従って形成され、したがって本明細書に詳細に記載しない。原則的に、形状合致要素50、52が、当業者によって都合がよいとみなされる異なる態様で具現化されることも考えられる。チャイルドシート10の形状合致要素54、56はチャイルドシート10の基礎シート構造18によって形成される。形状合致要素54、56はそれぞれ保持要素66、68を含み、それらは形状合致要素54、56の各ボルト58、60を基礎シート構造18と固定式に結合する。保持要素66、68は基礎シート構造18とともに一部品形成で具現化される。原則的に、ボルト58、60が同じく基礎シート構造18とともに一部品で具現化されることも考えられる。原則的に、乳児キャリヤー34が、したがって同じくチャイルドシート10がさらなる形状合致要素を含み、それらを介して乳児キャリヤー34がその後側48でチャイルドシート10と結合されることも考えられる。
【0027】
乳児キャリヤー34はさらなる形状合致要素70を含む。さらなる形状合致要素70は、チャイルドシート10とのさらなる結合のために構成される。さらなる形状合致要素70は、着座方向に対して横方向に延びる軸の周りでのチャイルドシート10内での乳児キャリヤー34の回転を防止するように構成される。さらなる形状合致要素70は、乳児キャリヤー34の下側72に配置される。乳児キャリヤー34がチャイルドシート10内に配置された状態で、下側72はチャイルドシート10のシート底部14の方を向く。形状合致要素70は乳児キャリヤー34の前端部に配置される。さらなる形状合致要素70は、L字形のフックとして形成される。そのシート底部14の前端部に、チャイルドシート10は、乳児キャリヤー34のさらなる形状合致要素70に対応して形成されるさらなる形状合致要素74を含む。チャイルドシート10のさらなる形状合致要素74は凹部として形成され、乳児キャリヤー34のさらなる形状合致要素70は形状合致接続のためにその凹部内で係合する。乳児キャリヤー34がチャイルドシート10内に取り付けられている状態で、さらなる形状合致要素70は、乳児キャリヤー34の前端部を形状合致係合によってチャイルドシート10の前端部に固定し、このようにして乳児キャリヤー34の前端部がチャイルドシート10から離昇することを防止することができる。
【符号の説明】
【0028】
10…チャイルドシート、12…シート基礎部分、14…シート底部、16…背もたれ、18…基礎シート構造、20…頭部領域、22…頭部領域、24…中間シェル、26…壁、28…壁、30…ヘッドレスト、32…足部、34…乳児キャリヤー、36…硬質シェル、38…内側、40…着座および/または横臥面、42…持ち運び用ハンドル、44…ピボット軸受、46…ベルトシステム、48…後側、50…形状合致要素、52…形状合致要素、54…形状合致要素、56…形状合致要素、58…ボルト、60…ボルト、62…突起、64…突起、66…保持要素、68…保持要素、70…形状合致要素、72…下側、74…形状合致要素。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7