(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】視線の妨害に基づく医療プロトコル遵守のモニタリング
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220203BHJP
A61G 10/00 20060101ALI20220203BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220203BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
G16H10/00
A61G10/00 Z
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2018550722
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2017057242
(87)【国際公開番号】W WO2017167708
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-01-15
(32)【優先日】2016-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】グレイナー ハラルド
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0300572(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0091458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
A61G 10/00
G08B 25/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサを用いて、医療室を捕捉するビデオデータを取得するステップと、
前記取得されるビデオデータに画像処理を実行して、医療従事者が第1の医療プロトコルを遵守することが可能かを決定するステップであって、前記画像処理は、
前記医療室における少なくとも1つの医療装置を識別するステップと、
前記医療室における医療従事者を識別するステップと、
前記医療従事者が前記画像センサと前記少なくとも1つの医療装置との間の視線を遮ったことを検出するステップと、
前記医療従事者が前記視線を遮ってから遮ることを終わるまでの時間量を決定するステップと
を含む、ステップと、
前記視線を遮ったこと及び遮ることを終わったことを検出した場合に、医療従事者が前記第1の医療プロトコルを達成するのに必要な最小時間に対応する所定の期間と前記時間量を比較するステップと、
前記時間量が前記所定の期間未満であるという決定に応答して警報をトリガするステップと
を有する、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記取得されるビデオデータに画像処理を実行して、前記医療従事者が前記室内にいた他の時間量を決定するステップをさらに有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記警報をトリガするステップが、前記医療従事者が前記室内にいた時間量が、前記医療従事者が前記医療室に入る際に前記第1の医療プロトコルを遵守するための許容可能な期間を超えるという決定に応答して、前記警報をトリガするステップを含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記医療室における前記少なくとも1つの医療装置を識別するステップは、前記取得されるビデオデータに物体認識を実行するステップを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記医療室における前記少なくとも1つの医療装置を識別するステップは、前記少なくとも1つの医療装置の表面に貼付される視覚的インディシアを検出するステップを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記室内における前記医療従事者を識別するステップは、前記医療従事者のよって着用される視覚的インディシアを検出するステップを含み、前記視覚的インディシアは、バーコード又はクイックレスポンスコードを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記室内における前記医療従事者を識別するステップは、前記医療従事者によって着用される文字を読み込むために光学文字認識を実行するステップを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記室内における前記医療従事者を識別するステップは、前記医療従事者を識別するために顔認識を実行するステップを有する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
医療プロトコルを強化するためのシステムであって、
前記医療プロトコルを記憶する医療プロトコルデータベースと、
画像センサによって、医療室を捕捉する、取得されるビデオデータを受信し、前記取得されるビデオデータに画像処理を実行して、
前記医療室における少なくとも1つの医療装置を識別し、
前記医療室における医療従事者を識別し、
前記医療従事者が前記画像センサと前記少なくとも1つの医療装置との間の視線を遮ったことを検出し、
前記医療従事者が前記視線を遮ってから遮ることを終わるまでの時間量を決定する
ように構成される、画像モニタリング装置と、
前記視線を遮ったこと及び遮ることを終わったことを検出した場合に、医療従事者
が第1の医療プロトコルを達成するのに必要な最小時間に対応する所定の期間と前記時間量を比較するステップと、
前記時間量が前記所定の期間未満であるという決定に応答して警報をトリガする警報システムと
を有する、システム。
【請求項10】
前記画像モニタリング装置は、前記受信されるビデオデータに画像処理を実行して、前記医療従事者が前記室内にいた時間量を決定するように更に構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記医療従事者が前記室内にいた時間量が、前記医療従事者が前記医療室に入る際に前記第1の医療プロトコルを遵守するための許容可能な期間を超えるという決定に応答して、前記警報システムは前記警報を更にトリガする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記医療室における前記少なくとも1つの医療装置を識別するステップは、前記取得されるビデオデータに物体認識を実行するステップを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記医療室における前記少なくとも1つの医療装置を識別するステップは、前記少なくとも1つの医療装置の表面に貼付される視覚的インディシアを検出するステップを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記室内における前記医療従事者を識別するステップは、前記医療従事者によって着用される視覚的インディシアを検出するステップを有し、前記視覚的インディシアは、バーコード又はクイックレスポンスコードを有する、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医療は、病院、老人ホーム、診療所などの医療施設で提供されている。医療従事者は、感染の拡大を防ぐために非常に長い時間をかけているが、患者は医療施設に入院したときに定期的に感染症を獲得し得る。
【背景技術】
【0002】
クロストリジウム・ディフィシル(C.Diff)などの感染症の一部は、生命を脅かす可能性があり、治療するのが難しい場合がある。感染症の伝染は、典型的には、医療従事者がプロトコルに従わないことに起因する。従って、患者の健康を確保するためには、医療提供者がプロトコルを遵守することが最も重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの医療施設では、モニタリング目的で様々なタイプのイメージングシステムがインストールされている。それらはセキュリティを強化し、より応答性の高いケアを提供し、医療施設の環境に対してほとんど中断させることなく使用されることができる。あるアプリケーションでは、画像処理技術は、部屋の中で医療提供者の動きを追跡するように使用される。これを行うための1つの方法は、ビデオカメラの視野における妨害の発生を決定することである。
【0004】
米国特許第8289392号には、関心対象のクローズアップビューを取得する方法が開示されている。システムは、静的対象に対する関心対象の妨害を検出することによって、移動する関心対象を追跡する。米国特許第8731239号は、互いに永続的な妨害を受けている複数の移動対象を特定し識別するシステムを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、画像モニタリング装置を用いて、医療室を捕捉するビデオデータを取得するステップと、前記取得されたビデオデータに画像処理を実行して、第1の医療プロトコルの遵守を決定するステップとを有する方法であって、前記画像処理は、前記医療室における少なくとも1つの医療装置を識別するステップと、医療室における医療従事者を識別するステップと、医療従事者が画像モニタリング装置と少なくとも1つの医療装置との間の視線を遮ったことを検出するステップと、医療従事者が視線を遮る時間量を決定するステップと、第1の医療プロトコルによってもたらされる1つ以上の閾値と時間量を比較するステップと、前記時間量が前記1つ以上の閾値の第1の閾値を満たさないという決定に応答して警報をトリガするステップとを含む方法に関する。
【0006】
本開示はまた、医療室プロトコルを記憶する医療室プロトコルデータベースと、医療室を捕捉するビデオデータを取得する画像モニタリング装置と、警報システムとを備えるシステムにも関する。画像モニタリング装置は、取得されたビデオデータについて画像処理を実行して、医療室内の少なくとも1つの医療装置(402)を識別し、医療室の医療従事者を特定し、医療従事者が画像モニタリング装置と少なくとも1つの医療装置との間の視線を遮ったことを検出し、医療従事者が視線を遮る時間量を決定することができる。警報システムは、医療従事者が医療室プロトコルデータベースに記憶される少なくとも1つの医療室プロトコルを満足しない時間量のための少なくとも1つの医療装置と、画像モニタリング装置との間の視線を遮ると警報をトリガすることができる。
【0007】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本開示の実施形態を例示するために本明細書に組み込まれる。説明とともに、開示の原則を説明する役割も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態による医療室プロトコルを補強するためのシステムのブロック図を示す。
【
図2】本開示の例示的な実施形態によるフローチャートを示す。
【
図3】本開示のシステムの例示的な実施形態を示す。
【
図4】本開示の一実施形態によるフローチャートを示す。
【
図5】検出された医療提供者が複数の医療室プロトコルに従わなければならない本開示の他の実施形態によるフローチャートを示す。
【
図6】検出された医療提供者が特定のシーケンスで複数の医療室プロトコルに従わなければならない、本開示のさらに他の実施形態によるフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は、本開示の様々な実施形態において使用される用語の定義である。
【0010】
本明細書で使用される「部屋」という用語は、1人又は複数の人又は物体によって占有され得るか、又はそこに居住されることができる、壁、床、及び天井によって囲まれた空間を指す。本明細書で使用される「医療室」という用語は、病院などの医療施設内の部屋を指す。医療室は、典型的には、患者、医療従事者、及び/又は来訪者だけでなく、1つ以上の病院機器、装置、及び設備を備える。本明細書で使用される「医療室プロトコル」という用語は、医療従事者が、医療室内で実行しなければならない規則、プロシージャ、動作、事象、又はタスクを集合的に指すために使用される。
【0011】
本明細書で使用する「医療装置」という用語は、医療従事者が医療室のプロトコルに従うために使用される何れかの機器又は設備を指す。医療装置の例は、これらに限定されないが、シンク、洗浄ステーション、手術台、手術器具(例えば、クランプ、ステント、メスなど)、X線機器、聴診器、温度測定機器、透析機、調節可能な病院用ベッド、超音波装置、磁気共鳴撮影(「MRI」)装置、物理療法装置、コンピュータ断層撮影(CT)装置、注入ポンプ、除細動器、カテーテル、注射ペンなどの装置を含む。
【0012】
本明細書で使用される「画像データ」は、カメラなどの電子装置によって取得された1つ又は複数の画像を表す可逆データ(例えば、JPEG)又は非可逆データ(例えば、ビットマップ)を指す。「画像データ」は、単一の画像及び/又は一連の画像(例えば、ビデオ)を指してもよい。本明細書で使用される「ビデオデータ」は、画像又は「フレーム」の可逆又は非可逆シーケンスを指すことができる。本明細書で使用される「視線の妨害」という用語は、静的対象に対する画像モニタリング装置の視野に対する移動物体による妨害を指す。
【0013】
本明細書で使用する「データベース」という用語は、データ及び情報を記憶、検索、更新及び操作することを可能し、それらをテーブルフォームのような1つ以上のフォーマットに提示するか、又はテキスト、数字、画像、及び音声データにグループ化することを可能にするように構成されるデータ及び情報の集合を指す。本明細書で使用される用語「データベース」は、この場合、データベース内の一つのタイプのデータベースを形成する、より大きなデータベースの一部を指すこともできる。本明細書で使用される「データベース」は、ローカルに存在してもよく、又はリモートロケーション、例えばリモートネットワークサーバからアクセスされ得る従来のデータベースも指す。データベースは、通常、様々なタイプの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリを含むコンピュータメモリに存在する。データベースを記憶するメモリは、高速ランダムアクセスメモリ又は磁気ディスク記憶装置、光記憶装置、及びフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含むことができる。常駐データベースを記憶するメモリは、データベースによって受信され、データベースに記憶されるデータを処理し構成するための1つ又は複数のソフトウェアを記憶することもできる。
【0014】
図1は、様々な実施形態による、医療室プロトコルを強化するための例示的なシステムを概略的に示す。図示するように、画像モニタリング装置は、画像センサ102、論理部104、通信モジュール106、メモリ108、電源109、及び/又はクロック部110を含むことができる。代わりに、画像モニタリング装置は、画像センサを含まず、その代わりに、画像センサを含む外部カメラ(画像)装置によって提供される画像センサデータ(又はビデオデータ)を受信するように構成される画像入力部を有する。また、画像モニタリング装置100は、計算装置112、警報システム116、オブジェクトデータベース130、及び/又は人物データベース132に(例えば、ネットワーク通信により)接続されてもよい。
【0015】
本明細書で使用される「画像モニタリング装置」という用語は、画像、ビデオ、及び対象又はシーンのデジタル又は電子表現の他の形態を捕捉、記録、処理又は記憶することができる何れかの装置を指す。画像センサ102は、様々な実施形態において様々な形態にすることができる。これらのタイプはよく知られており、市販されている。一般に使用される画像センサは、半導体電荷結合素子(「CCD」)又は相補型金属酸化物半導体(「CMOS」)のアクティブ画素センサである。画像モニタリング装置100の例は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、CCTV、ウェブカメラ、スマートカメラ、スマートフォン、タブレットなどを含むことができる。
【0016】
本開示の様々な態様によれば、論理部104は、1つ以上のデータプロセッサ、画像プロセッサ、中央処理装置、又は何れかの様々なマルチコア処理装置を含むことを意味する。いくつかのプロセッサは、メモリ108に記憶される命令を実行して、本明細書で説明される様々な技術を実行することができる。論理部104は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(「ASIC」)及び/又は1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)を追加的又は代替的に含むことができる。
【0017】
通信モジュール106は、例えば、コマンド、トリガ、通知、プロンプト、肯定応答、情報、メッセージ、フォーム、及び例えば画像モニタリング装置100、計算装置112、及び/又は警報システム116の間のビデオ、テキスト及びオーディオのような様々なタイプのデータの送信及び受信などの通信を容易にするスタンドアロンデバイス又は他のデバイスのコンポーネントであってもよい。様々な実施形態によれば、通信モジュール106は、Wi-Fi、Bluetooth、赤外線、NFC、無線周波数、セルラー通信、可視光通信、Li-Fi、WiMax、ZigBee、光ファイバー及び他の形態の無線通信デバイスのために使用される何れかの送信器又は受信器を含むことができる。代わりに、通信モジュール106は、USBケーブル、イーサネット(登録商標)ケーブル、又は他の有線の通信形態などの物理チャネルであってもよい。
【0018】
本開示の様々な実施形態によれば、メモリ108は、高速ランダムアクセスメモリ、又は磁気ディスク記憶装置、光学記憶装置、又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含むことができる。メモリ108はまた、本明細書で説明されるシステムのプロセス、機能、及びアプリケーションを容易にするためのソフトウェア命令を記憶してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、画像モニタリング装置100は、単一のハウジング内において
図1に示す構成要素の大部分又はすべてを含む「スマート」ビデオカメラなどのスタンドアロン装置であってもよい。他の実施形態では、画像モニタリング装置100の構成要素は複数のハウジングにわたって分布されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ビデオカメラ(すなわち、画像センサ102)は壁面に取り付けられることができ、(例えば、Bluetooth又はWi-Fiを使用して)ワイヤレスで、又は1つ又は複数のワイヤを介して、
図1に示す論理部104及び他のコンポーネントを収容する他のデバイス(たとえば、小型計算装置)に接続されることができる。論理部104を収容する小型計算装置は、本明細書で説明する1つ又は複数の技術を実行することができる。さらに他の実施形態では、画像センサ102によって取得される画像/ビデオデータは、例えば、通信モジュール106を使用して、「生データで」計算装置112に送信され得る。計算装置112は、それから、取得された画像/ビデオデータを使用して、本明細書で説明される様々な技術を実行することができる。
【0020】
計算装置112は、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、セットトップボックス、又は1つ以上のプロセッサ、1つ以上のタイプのメモリ、少なくとも1つのコンピュータプログラム又はオペレーティングシステム、及び電源などのような様々な標準計算コンポーネント(
図1にはほとんど示されていない)を含む何れかの他の装置などの様々なフォームファクタを有することができる。さらに、計算装置112は、医療室プロトコルデータベース114を含むことができる。様々な実施形態において、医療室プロトコルデータベース114は、計算装置112のローカルメモリに記憶されてもよい。代わりに、医療室プロトコルデータベース114は、クラウド又はネットワーク(図示せず)を介して計算装置112に接続されるスタンドアロン装置である。
【0021】
医療室プロトコルデータベース114は、医療プロシージャを実行するための1つ又は複数のプロトコル及び/又はルールに対応するデータ及び予め記憶されるパラメータを記憶することができる。例えば、医療室プロトコルデータベース114は、特定の動作が実行されるべき適切な時間量(例えば、医師が何らかの評価を行う前にx分間手を洗うべきである等)、様々な医療プロシージャに対する動作の予測される順序、医療機器の予測される動作パラメータ等を記憶する。いくつかの実施形態では、医療室プロトコルデータベース114は、それらの予め記憶されるデータ及びパラメータと、検出、監視、又は測定される1つ又は複数のデータとの比較からもたらされる対応する決定及び動作を記憶してもよい。
【0022】
様々な実施形態では、警報システム116は、それぞれが標準的な計算コンポーネント(図示略、例えば、プロセッサ、メモリ、通信モジュール、電源など)を有する1つ以上の計算装置を含むことができる。警報システム116を形成する計算装置は、画像モニタリング装置100、計算装置112、又は個々の医療従事者によって操作される計算装置118など、様々な他の計算装置に警報を生成及び/又は送信するように構成されてもよい。医者又は看護師のような医療従事者によって操作される計算装置118は、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、ウェアラブル計算装置(例えば、時計、眼鏡、腕バンド)、セットトップボックス、又は様々な標準計算コンポーネント(
図1には示されていない)を含む何れかの他の装置を含むことができる。
【0023】
医療従事者によって操作される計算装置118は、様々な実施形態において、医療従事者が警報システム116によって提起される様々な警報を消費することができる1つ以上の出力装置を含むことができる。
図1に示すように、医療従事者によって操作される計算装置118は、スピーカ120、ディスプレイ122(場合によってはタッチスクリーンとすることができる)、及び(例えば、計算装置118を振動させる)触覚フィードバック機構124を含む。他の実施形態では、警報システム116によってトリガされる警報は、インタフォンシステム126、医療室へのドアに隣接して取り付けられる1つ又は複数のライト128、計算装置112、画像モニタリング装置100などの他の装置から出力させる。
【0024】
様々な実施形態では、オブジェクトデータベース130は、医療装置、機器、医療用品、非医療装置、医療用アパレル、及び/又は医療施設又は患者室にある他の物体を描写する画像データを記憶することができる。人物データベース132は、その写真、記録される音声データ、及び/又はビデオデータを含む、医療従事者及び患者情報を記憶することができる。
【0025】
本開示の様々な態様によれば、例えば、パターン認識、画像認識、画像レジストレーション、物体認識、顔認識、特徴抽出、色認識、光学文字認識、自己運動、トラッキング、オプティカルフロー、姿勢推定、マシンビジョン、機械学習、コンテンツベースの画像検索、形状認識、人工知能、ニューラルネットワーク、画像処理方法の他の方法、及び他のタイプのコンピュータビジョンベースのものなどのタスクをカバーする動き分析などを使用して、画像センサ102によって様々な医療装置及び人物が検出及び識別されることができる。
【0026】
図2は、本開示の例示的な方法を示す。ブロック200において、医療室に設置される画像モニタリング装置100は、ビデオデータを取得することができる。代わりに、画像モニタリング装置は、医療室に設置される外部画像装置からの取得ビデオデータを受信するように構成されてもよい。このような外部画像装置は、例えば、監視カメラであってもよい。ブロック202において、少なくとも1つの医療装置は、(例えば、オブジェクトデータベース130内のレコードに基づくオブジェクト認識を使用して)取得されるビデオデータの解析に基づいて識別されることができる。ブロック204において、ビデオデータの取得中、システムは、人が医療室に入ったかを決定するために連続的にループすることができる。人が検出されると、画像モニタリング装置100は、(例えば、人物データベース132内のレコードに基づく顔認識を使用して)検出される人物を識別することができる。それから、ブロック206において、画像モニタリング装置は、検出される人が、所定の期間の間、少なくとも1つの決定される医療装置に対してモニタリング装置の視線を遮るかを決定することができる。このような妨害は、医療モニタリングプロトコルが検出される人物によって実行されるか、実行されるべきであることを画像モニタリング装置100に示すことができる。ブロック208において、少なくとも1つの医療装置に対するモニタリング装置100の視線の妨害が少なくとも所定量の時間の間に検出されなかった場合、警報はトリガされてもよい。
【0027】
図3は、本開示の他の実施形態によるフローチャートを示す。画像モニタリング装置100は、通信モジュール106を介して計算装置112にアクセスする。ブロック300において、画像モニタリング装置100は、医療室プロトコルデータベース114から医療室プロトコルデータを取得することができる。いくつかの実施形態では、医療室プロトコルデータは、プロトコル、プロトコルに使用される医療装置、及び医療提供者がプロトコルを達成するために必要な最小時間に対応する期間を含む。医療室プロトコルデータはまた、医療提供者がプロトコルに従うための許容可能な期間を含むことができる。いくつかの実施形態では、医療室プロトコルデータは、医療プロトコルを実行するためのスケジュールも含み、例えば、医療提供者が医療器具を消毒しなければならない洗浄プロトコルは、予定される手術の前にスケジューリングされる。
【0028】
ブロック300で医療室プロトコルデータを取得した後、ブロック302において、画像モニタリング装置100はビデオデータを取得することができる。ビデオデータは、デジタル形式又はアナログ形式で電子的に論理部104に供給されてもよい。論理部104は、ビデオデータに基づいて人又は物を検出及び識別するために様々なタイプの画像処理を実行するように構成されてもよい。ブロック304において、ビデオデータについて画像処理を実行することによって、医療室プロトコルデータで特定される医療装置は医療室に位置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、画像処理は、オブジェクトデータベース130内のレコードに基づいて医療装置を識別するオブジェクト認識を含むことができる。他の例として、画像処理は、バーコード又は医療装置の表面に貼付されるクイックレスポンスコードのような視覚的インディシアの認識を含む。代わりの実施形態では、医療装置及びその位置は、画像モニタリング装置100のメモリ108に予め記憶されてもよい。他の代替実施形態では、医療装置を決定及び位置特定する代わりに、画像モニタリング装置100は、医療プロトコルが実行されるように予定されている視界内の所定のエリア又は領域を検出し得る。
【0029】
(ブロック302の動作と同時に発生してもしなくてもよい)ブロック306では、画像モニタリング装置100は、人が画像処理を介して医療室に入ったかを継続的に検出することができる。医療室に入る人は、画像センサ102によって取得されるビデオデータを使用して識別されてもよい。いくつかの実施形態では、バーコード、クイックレスポンスコードなどの識別マーカー又はインディシアは、医療提供者が着用するアパレルに貼付されてもよく、画像センサ102によって検出されてもよい。バーコードは、例えば、医療提供者のフルネーム、部門及び/又はポジションの情報を提供することができる。他の実施形態では、医療提供者が着用するアパレルに貼付されるテキストマーキング(例えば、名前及び/又はタイトル)が、例えば光学文字認識を使用して検出されてもよい。
【0030】
ブロック308において、画像モニタリング装置100は、ブロック306で検出される人物が、決定される医療装置に対するモニタリング装置の視線を妨害しているかを決定することができる。プロトコルを実行する、検出される人物の誤った検出を避けるために、決定される少なくとも1つの医療装置に対するモニタリング装置の視線の妨害は、医療プロトコルデータに規定される期間の間、継続しなければならない。このように、決定される医療装置に対するモニタリング装置の視線の検出される人物によるプリセット期間の間の妨害の検出は、検出される人物が医療室プロトコルに従っていることを示す。
【0031】
ブロック308において、検出される人が、所定の期間の間、決定される医療装置に対するモニタリング装置の視線を遮る場合、プロセスは終了することができる。そうでなければ、ブロック310において、システムは、検出される人物が医療プロトコルデータに規定されているプロトコルに従うための最大時間閾値内に依然として存在するかを決定することができる。そうである場合、プロセスは、ブロック308にループバックし、検出される人は、所定の期間の間、決定される医療装置に対してモニタリング装置の視線を遮るかが決定される。一方、ブロック310の応答が否定的である場合(例えば、検出される人物がプロトコルに従うための許容可能な期間を超える場合)、ブロック312において、例えば警報システム116を介して警報はトリガされることができる。様々な実施形態において、警報システム116は、部屋内の医療提供者に聴覚的及び視覚的警報を提供することができる。それに加えて、又はこれに代えて、警報システム116は、予定される医療室プロトコルの医療提供者の不履行に関して施設スタッフに通知を送信することができる。
【0032】
図4は、本開示のシステムの例示的な実施形態を示す。病院は、外科医は手術室に入る前に手と腕を洗うことを必要とするプロトコルを有し、必要な洗浄は少なくとも最低3分間行われる。
図1に示すビデオカメラ400は、外科医の室内への進入からの所定の時間間隔(例えば、20分)内の、前述の洗浄プロトコルの外科医の遵守を検出するようにプログラムされる。外科医の洗浄プロトコルの遵守の検出は、ビデオカメラ400の視線のシンク402への妨害を検出することによって実行されてもよい。ビデオカメラ400は、3分未満の間続く何れかの妨害を無視するように構成されてもよい。
【0033】
図4に示すように、ビデオカメラ400は手術準備室内に戦略的に配置され、シンク402はその視線内にある。外科医404は、手術準備室に入り、患者について予定される手術の準備をする。ビデオカメラ400は、外科医404を検出して識別する。以下の段落では、医師の室内への進入を検出した後にシステムがどのように機能するかを示す本開示の様々な可能な実施形態について論じる。
【0034】
第1の例では、外科医404は洗浄プロトコルを遵守する。この場合、外科医404は、洗浄しながらシンク402に対してビデオカメラ400のビューをブロックする。ビデオカメラ400は、シンク402に対する視線の妨害を検出する。妨害が3分間続いたことも検出する。その結果、ビデオカメラ400は、外科医404が洗浄プロトコルに従ったことを決定し、プログラムを終了する。
【0035】
第2のシナリオは、外科医404が洗浄プロトコルに従わないシナリオである。外科医404がシンク402を使用せず、したがってシンク402に対してビデオカメラ400の視線を遮らなかったと仮定する。外科医404が手術準備室に入り、ビデオカメラ400によって検出されると、外科医404はプロトコルに従うために20分しか許容されないことができる。この場合、ビデオカメラ400は、外科医404が入室してから20分間、シンク402に対する視線への妨害を検出しなかった。したがって、それから音声アラームなどの様々な警報がトリガされ、外科医404にプロトコルを遵守していないことを知らせることができる。
【0036】
第3のシナリオは、外科医404が洗浄プロトコルに従わないが、シンク402に対するビデオカメラ400の視線への妨害を引き起こす場合である。外科医404が必要な洗浄期間よりも短い期間の間洗浄すると仮定する。この場合、ビデオカメラ400は、妨害を検出する。しかしながら、外科医が洗浄期間に従わなかったため、外科医は視線を早期に去り、したがって、妨害は必要な3分未満の間継続した。いくつかの実施形態では、ビデオカメラ400は、そのような妨害を無視して、外科医404が、遵守のために許容される20分間まで洗浄プロトコルを遵守しているかを決定し続けることができる。
【0037】
図5は、本開示の他の実施形態によるフローチャートを示す。医療提供者は、それぞれ異なる医療装置に関する複数のプロトコルに従わなければならない。例えば、予定される手術の間、看護師は、手術のために使用されるべき手術台及び機器を準備し滅菌しなければならない。この場合、
図5に示されるプロセスが後続される。
【0038】
ブロック500において、画像モニタリング装置100は、通信モジュール106を介して医療室プロトコルデータベース114から医療室プロトコルデータを取得することができる。ブロック502において、画像モニタリング装置100は、ビデオデータを取得することができる。ブロック504において、医学室プロトコルデータ内に規定される全ての医療装置が、例えば、ブロック502で取得されるビデオデータについて画像処理を実行することによって決定され、医療室に位置特定される。ブロック506において(一部の実施形態では、ブロック502におけるビデオデータの取得と同時に)、画像モニタリング装置100は、人が医療室に入ったかを決定するために連続的にループすることができる。システムがブロック506において医療室に入る人を検出し識別すると、本方法はブロック508に進むことができる。
【0039】
ブロック508において、システムは、検出される人が、医療プロトコルデータで規定される対応する期間の間、決定される医療装置の1つに対してモニタリング装置の視線を遮るかを決定することができる。ブロック508における応答が肯定的である場合、ブロック510において、システムは、検出される人物によってすべてのプロトコルが遵守されるかを決定することができる。例えば、システムは、決定される医療装置のそれぞれに対する画像モニタリング装置100のそれぞれの視線が、所定の期間の間、遮られているかを決定することができる。ブロック510における応答が肯定的である場合、プロセスは終了する。ブロック510の応答が否定的である場合、システムはブロック508にループバックし、追加の医療装置に関する医療プロトコルをチェックすることができる。
【0040】
ブロック508に戻って、検出される人が、対応する所定の期間の間、決定される医療装置の1つに対してモニタリング装置の視線を遮らない場合、本方法はブロック512に進むことができる。ブロック512において、システムは、検出される人物が、医療プロトコルデータにおいて規定されるプロトコルに従うための許容可能な期間内であるかを決定ことができる。ブロック512の応答が肯定的である場合、本方法はステップ508にループバックすることができる。検出される人物がプロトコルに従うための許容可能な期間を超える場合、ブロック514において、例えば警報システム116を介して警報がトリガされることはできる。
【0041】
図6は、本開示のさらなる他の実施形態によるフローチャートを示す。この例では、医療提供者は1つ又は複数のプロトコルを遵守する必要がある。複数のプロトコルの場合、プロトコルは、シーケンス内の各プロトコルが医療装置を利用する特定のシーケンスにおいて実行されてもよい。例えば、手術の前に外科医が洗浄を実行しなければならないと仮定する。その直後に、外科医は、手術用ガウン、外科用キャップ、外科用マスク、手袋などの適切な衣服を着用しなければならない。このような場合には、
図6に示されるプロセスは後続されることができる。
【0042】
ブロック600において、画像モニタリング装置100は、通信モジュール106を介して医療室プロトコルデータベース114から医療室プロトコルデータを取得することができる。ブロック602において、画像モニタリング装置100は、ビデオデータを取得することができる。ブロック604において(及び場合によっては、ブロック602におけるビデオデータの取得と同時に)、画像モニタリング装置100は、人が医療室に入ったかを決定するために連続的にループすることができる。
【0043】
ブロック604において、システムが、ブロック604で医療室に入る人を検出して識別すると、ブロック606において、医療室プロトコルデータにおいて規定される第1のプロトコルで利用される医療装置は、例えばブロック602で取得されるビデオデータの画像処理を実行することによって識別され、医療室に位置特定される。ブロック608において、システムは、決定される医療装置に対するモニタリング装置の視線の検出される人物によって引き起こされる妨害が、所定の期間の間継続したかを決定する。応答が肯定的である場合、ブロック610において、システムは、検出される人物がシーケンス内のすべてのプロトコルに従ったかを決定することができる。ブロック610における応答が肯定的である場合、プロセスは終了することができる。ブロック610における応答が否定的である場合、システムはブロック612でシーケンスの次のプロトコルに進み、ブロック606にループバックしてシーケンス内の次のプロトコルで利用される医療装置を決定し位置特定することができる。
【0044】
ブロック608に戻って、検出される人が、所定の期間の間、決定される医療装置に対してモニタリング装置の視線を遮らない場合、システムは、ブロック614において、検出される人が、医療プロトコルデータにおいて規定されるプロトコルを遵守するための許容可能な時間間隔内の時間をまだ有するかを決定することができる。ブロック614における応答が肯定的である場合、システムはブロック608にループバックすることができる。ブロック614での応答が否定的である場合(例えば、検出される人が許容される時間間隔内でプロトコルに従うことができない場合)、警報が、例えば警報システム116を介してトリガされてもよい。
【0045】
いくつかの本発明の実施形態を本明細書に記載し説明してきたが、当業者は、機能を実行し、及び/又は結果及び/又は記載される1つ又は複数の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造、そのような変形及び/又は修正の各々は、本明細書に記載される本発明の実施形態の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意図し、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、特定のアプリケーション又は本発明の教示が使用されるアプリケーションに依存することを容易に理解するであろう。当業者は、ほんの定常的な実験を用いて、本明細書に記載の特定の本発明の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は確認することができる。したがって、前述の実施形態は単なる例示として提示され、添付の特許請求の範囲及びそれと均等の範囲内で、本発明の実施形態は、具体的に記載され請求される以外の方法で実施され得ることが理解されるべきである。本開示の本発明の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、キット及び/又は方法の2つ以上の何れの組み合わせも、本発明の範囲内である。
【0046】
本明細書で規定され使用されている全ての規定は、辞書の規定、参照により組み込まれた文献の規定、及び/又は規定される用語の通常の意味を制御すると理解されるべきである。
【0047】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0048】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される「及び/又は」という語句は、そのように結合される要素の「何れか又は両方」、すなわち場合によっては結合的に存在し、他方では選言的に存在する要素を意味することは理解される。 「及び/又は」と列挙される複数の要素は、同じように、すなわちそのように結合される要素の「1つ又はそれより多くの」と解釈されるべきである。具体的に特定される要素と関連するか否かにかかわらず、「及び/又は」の文言によって具体的に特定される要素以外の他の要素が随意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む(comprising)」などの開放型言語と併せて使用される場合、「A及び/又はB」への参照は、一実施形態では、Aのみ(随意にB以外の要素を含む);他の実施形態では、Bのみ(随意にA以外の要素を含む)に;さらに他の実施形態では、A及びBの両方(随意に他の要素を含む)を参照する。
【0049】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、「又は」は、上で規定した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は包含、すなわち、要素の数又はリスト、更に随意に追加のリストにない項目の少なくとも1つを含むが、一つよりも多くも含む包含であると解釈されるべきである。特許請求の範囲において使用される場合、「1つだけ」又は「正確に1つ」のように、逆に明示される用語又は「~からなる」という用語のみが、要素の数又はリストの1つの要素の包含を指す。一般的に、本明細書で使用される「又は」という用語は、「どちらか」、「の1つ」、「の1つのみ」、又は「の正確に1つ」などの排他的な用語によって先行される場合、排他的な代替を示すもの(すなわち「一方又は他方だが両方でない」)としてのみ解釈される。特許請求の範囲で使用される場合、「から本質的になる」とは、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0050】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、1つ又は複数の要素のリストを参照して、「少なくとも1つの」という語句は、1つ又は複数の要素のリストのいずれか1つ又は複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に特にリストされる各要素の少なくとも1つを含まず、要素のリスト内の要素の何れの組み合わせも除外しないことは理解されるべきである。具体的に特定される要素と関連するか否かにかかわらず、この規定はまた、「少なくとも1つの」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定される要素以外に、要素が随意に存在することを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等に「A又はBの少なくとも1つ」又は同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は以下を参照することができる。一実施形態では、Bが存在しない(及び随意にB以外の要素を含む)少なくとも1つの、随意に1つ以上のAを指す。他の実施形態では、Aは存在しない(及び随意にA以外の要素を含む)少なくとも1つの、随意に1つ以上のBを指す。さらに他の実施形態では、少なくとも1つ、随意に1つ以上のA及び少なくとも1つの、随意に1つ以上のB(及び随意に他の要素を含む)を指す。
【0051】
それとは逆に明確に示されていない限り、複数のステップ又は動作を含む本明細書で請求されるいずれの方法においても、ステップ又はステップの動作の順序は、必ずしもステップ又はステップが実行される順序に限定されないことを理解すべきである。
【0052】
本開示は、上記の開示のいくつかの例示的な実施形態に限定されることを意図しない。当業者であれば想像される他の変形も本開示の範囲内に含まれるものとする。