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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-02
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/51 20060101AFI20220203BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
A61F13/51
A61F13/47 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020090092
(22)【出願日】2020-05-22
(62)【分割の表示】P 2016115762の分割
【原出願日】2016-06-09
(65)【公開番号】P2020121228
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000143086
【氏名又は名称】株式会社光洋
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】小倉 菜実
(72)【発明者】
【氏名】白井 敦子
(72)【発明者】
【氏名】清水 美和
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-264232(JP,A)
【文献】特開2005-177160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0028929(US,A1)
【文献】特開2014-140389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A61L15/16-15/64
A61F5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装シートと内面シートと、この外装シートと内面シートとの間に挟持され、体液を吸収して保持する吸収体とを備えた縦長形状の吸収性物品であって、
前記外装シートには、前記吸収性物品の左右部分が均等になるように前記吸収性物品を前記吸収性物品の使用者にあてがうための前記吸収性物品と前記使用者の中心位置合わせ用として、前記吸収性物品の長手方向に延びる中心線に沿ってセンターライン表示が施され、
前記センターライン表示は、複数の単位図形からなる組合せ図形を前記中心線上又は前記中心線と平行な直線上に配置した組合せ図形列から構成され、
前記組合せ図形は、花びらの形状の前記単位図形を花の形に配置した形状を備え、
前記組合せ図形は前記吸収性物品の種別によって異なり、前記センターライン表示は、前記吸収性物品の種別を特定する種別表示であること
を特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記種別表示は、前記吸収体の吸収量レベル又は前記吸収性物品の種類を特定することを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記組合せ図形を形成する前記単位図形を変化させることにより、前記組合せ図形が前記吸収性物品の種別によって異なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記単位図形には、前記吸収体の吸収量レベルを示す数字又は吸収性物品の種類を示す文字が付されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記外装シートの前記センターライン表示の両側には、前記センターライン表示に沿って補助パターンが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した吸収性物品。
【請求項6】
前記組合せ図形列は、前記中心線を挟んで配置された2列の図形列であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載した吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装シートと内面シートとその間に挟持された吸収体を備え、パンツ型の紙おむつ等のアウターと組み合わせて使用されるパッドタイプあるいはテープ止めタイプ等の吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙おむつ等の吸収性物品は、使用者の年齢、性別、用途等に対応して種々の形態のものがある。例えば、パッドタイプの吸収性物品(紙おむつ)は、パンツ型の紙おむつ、おむつカバー、布製下着等のアウターと共に使用される。すなわち、パッドタイプの吸収性物品は、使用者が装着したアウターの内側に挿入されて使用され、使用後は吸収性物品のみが廃棄され、簡易な吸収性物品として、特に成人向けの吸収性物品として広く使用されている。
このパッドタイプの吸収性物品は、外装シート(バックシート)と内面シート(トップシート)とその間に挟持された吸収体を備え、使用者の股部を覆うように腹側から背側にかけて装着され、吸収性物品や吸収体の外形は縦長の形状となっている。
また、パッドタイプの吸収性物品の同様の構成を備え、背側部の両側部にテープ部材(ファスニングテープ)を設け、腹側部の両側部に止着部材(フロントシート)を設けたテープ止めタイプの吸収性物品も、パッドタイプの吸収性物品の同様に広く使用されている。
このテープ止めタイプの吸収性物品は、パッドタイプの吸収性物品と異なって単独で、またはパッドと併用して使用され、その使用に際しては、吸収性物品の腹側部、股側部及び背側部を使用者の腹側、股側及び背側にあてがい、背側部のテープ部材(ファスニングテープ)を腹側部の止着部材(フロントシート)に係合させて使用者に装着される。
そして、パッドタイプやテープ止めタイプ等の吸収性物品を装着するに際しては、吸収性物品の左右部分が均等になるように使用者にあてがう必要があり、そのため、吸収性物品と使用者の中心位置合わせ用として、外装シートには、外装シートの長手方向に延びる中心線(外装シートの短手方向を二分する中心線)に沿って、直線等のセンターライン、直線状に配したドット等やこれに類する表示(以下「センターライン表示」という。)が施される場合が多い。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2004-298571号公報)には、裏面シート(外装シート)において、表裏判別手段として、長手方向に延びる中心線近傍(幅方向の中央位置)に直線状の太線形図柄模様等が印刷された吸収性物品が開示されているが、この太線形図柄模様等は、吸収性物品と使用者の中心位置合わせ用としても機能するものである。
そして、外装シートにセンターライン表示を施すに際しては、長手方向において、外装シートの中心にセンターライン表示を施すのが望ましいが、吸収性物品の製造上、基材シート等の材料の蛇行や印刷時の位置ずれ等によって、外装シートの中心から少しずれた位置にセンターライン表示が施される場合がある。
図26は、上記のようなパッドタイプの吸収性物品を拡げて平面的にした状態の正面図であり、図において、100は吸収性物品、101は外装シート(バックシート)、102は吸収体、103はセンターライン表示、C100は長手方向に延びる中心線である。
図26に示すように、吸収性物品100においては、外装シート101(これに貼り合わされる内面シートを含む)と吸収体102は共に、長手方向上部が左右にふくらみ、同方向中央部が左右にへこみ、同方向下部が左右にふくらんだ形状を有し、その横幅(左右方向の幅)は、中央部、上部、下部の順に広くなっており、外装シート100の中心線C100から少し右にずれた位置にセンターライン表示103が施されている。
この場合、上部は腹側部または背側部となり、中央部が股側部となり、下部が背側部または腹側部となるが、横幅(面積)が下部より狭い上部を腹側部とするか背側部とするかは使用者により異なり、例えば、女性の使用者は上部を腹側部とする場合が多く、男性の使用者は上部を背側部とする場合が多い。
【0004】
そして、この吸収性物品100は、省スペースや取扱いの便宜等のため、通常、折り畳んだ状態で運搬・保管される。
図27は、図26に示す吸収性物品100を折り畳む状態を説明した説明図であり、同図(a)は折畳み前の吸収性物品100の正面図、同図(b)は折畳み途中の吸収性物品100の正面図、同図(c)は折畳み後の吸収性物品100の正面図であり、図においてf10~f12は折り線である。
まず、図27(a)に示すような折畳み前の広げた状態の吸収性物品100は、長手方向の折り線f10、f11に沿って、その左側部と右側部が内側に折り畳まれ、同図(b)に示すように3つ折り状態とされる。
次いで、3つ折りされた吸収性物品100は、長手方向と直角方向の折り線f12に沿って、内側に折り畳まれ、同図(c)に示すように6つ折り状態とされる。
この場合、図24(a)に示すように外装シート101の中心線C100から少し右にずれた位置にセンターライン表示103が施され、吸収性物品100と使用者の中心位置が少しずれて吸収性物品100が装着されても、吸収性物品100の使用上は問題がない。
しかしながら、使用者(吸収性物品を使用者に装着する装着者を含む)が、外装シート101の中心線C100からずれた位置にセンターライン表示103が施されていることに気づくと、使用者によっては、吸収性物品100があたかも不良品か粗悪品であるかのような悪い印象を持つ場合がある。
吸収性物品の製造・販売者は、使用者に悪い印象を与えるおそれある製品の出荷を控えることから、センターライン表示103が中心線C100から少しずれているような吸収性物品100は、製造時に廃棄せざるを得ないという問題が生ずる。
特に、図27(b)、(c)のように折り畳んで小さくなった吸収性物品100では、外装シート101の中心線C100とセンターライン表示103のずれが目立ち、上記のような問題が顕著となる。
上記の点は、テープ止めタイプの吸収性物品においても同じである。
【0005】
図28は、図27(c)に示す折り畳まれた吸収性物品100の側面図であり、同図(a)は1枚の折り畳まれた吸収性物品100の側面図、同図(b)は折り畳まれた吸収性物品100を複数枚重ねた状態の側面図を示し、図において104(104a、104b)は側面である。
図28(b)に示すように、吸収性物品100は、側面104が使用者の正面を向くようにして複数枚重ねた状態で保管される。この点は、テープ止めタイプの吸収性物品においても同じである。
ところで、吸収性物品100には、吸収体102の吸収量が異なる等、外形は同じで異なる種類ものが存在することから、その吸収性物品100がどのような種類であるかを識別するための表示が必要となる。この点は、テープ止めタイプの吸収性物品においても同じである。
例えば、特許文献2(特開2008-264232号公報)には、吸収性物品をパッケージから取り出した後であっても、その吸収能力を識別できるようにするため、バックシートに、吸収体の吸収能力を識別可能な識別部としての情報表示部が、各コーナー部及び中央部に合わせて6箇所に印刷表示された吸収性物品が開示されている。
しかしながら、特許文献2の吸収性物品においては、図24に示すような折り畳まない状態において、バックシートに情報表示部が印刷表示されており、図28(b)に示すように折り畳まれて複数枚重ねた状態で保管されている吸収性物品に対して、特許文献2の情報表示部は、識別表示として機能しないという問題がある。
また、特許文献2の吸収性物品にはセンターライン表示がなく、センターライン表示が必要な吸収性物品に特許文献2の情報表示部を設けた場合、バックシートの中央部に設けられた情報表示部がセンターライン表示と重なり、センターライン表示が見にくくなってその機能が損なわれという問題が生ずる。
さらに、特許文献2の図4には、バックシートの中央部にその長手方向に沿って情報表示部が4箇所に設けられたテープ止めタイプの吸収性物品が示されているが、この4箇所に設けられた情報表示部は、長手方向の中心線に沿って直線を形成するものではなく、センターライン表示として機能するものではない。
この点、特許文献3(特開2005-177160号公報)には、バックシートの面の全体に、長手方向に対して斜め方向の目印を複数列形成して、折り畳んだ状態の吸収性物品の正面や側面等にこの目印が現れるようにし、この目印が連続線であるか不連続線であるかによって吸収性物品の種類を識別できるようにした吸収性物品が開示されている。
しかしながら、長手方向の中心線に沿ってセンターライン表示が施されるパッドタイプやテープ止めタイプ等の吸収性物品においては、特許文献3の目印は、図26図27に示すセンターライン表示103と重なり、センターライン表示103が見にくくなってその機能が損なわれ、吸収性物品100と使用者の位置合わせがやりにくくなるという問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-298571号公報
【文献】特開2008-264232号公報
【文献】特開2005-177160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、外装シートと内面シートとの間に吸収体が挟持され、縦長形状であって外装シートの長手方向に延びる中心線に沿ってセンターライン表示が施される吸収性物品において、センターライン表示によって吸収性物品の種類等を識別できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、外装シートと内面シートと、この外装シートと内面シートとの間に挟持され、体液を吸収して保持する吸収体とを備えた縦長形状の吸収性物品であって、前記外装シートには、前記吸収性物品の左右部分が均等になるように前記吸収性物品を前記吸収性物品の使用者にあてがうための前記吸収性物品と前記使用者の中心位置合わせ用として、前記吸収性物品の長手方向に延びる中心線に沿ってセンターライン表示が施され、前記センターライン表示は、複数の単位図形からなる組合せ図形を前記中心線上又は前記中心線と平行な直線上に配置した組合せ図形列から構成され、前記組合せ図形は、花びらの形状の前記単位図形を花の形に配置した形状を備え、前記組合せ図形は前記吸収性物品の種別によって異なり、前記センターライン表示は、前記吸収性物品の種別を特定する種別表示である吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記種別表示は、前記吸収体の吸収量レベル又は前記吸収性物品の種類を特定する吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記組合せ図形を形成する前記単位図形を変化させることにより、前記組合せ図形が前記吸収性物品の種別によって異なる吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記単位図形には、前記吸収体の吸収量レベルを示す数字又は吸収性物品の種類を示す文字が付されている吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記外装シートの前記センターライン表示の両側には、前記センターライン表示に沿って補助パターンが設けられている吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記組合せ図形列は、前記中心線を挟んで配置された2列の図形列である吸収性物品を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明の吸収性物品においては、吸収性物品の正面にセンターライン表示とは別に吸収性物品の種別表示を設ける必要がなく、デザインスペースを広げ、吸収性物品と使用者の位置合わせが容易になるという効果を奏する。
【0015】
請求項2に記載の発明の吸収性物品においては、吸収性物品の正面にセンターライン表示とは別に吸収体の吸収量レベル又は吸収性物品の種類を特定する種別表示を設ける必要がなく、デザインスペースを広げるという効果を奏する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載した発明と同様の効果を奏する。
【0018】
請求項5に記載の発明の吸収性物品においては、さらに、外装シートの中心線からずれた位置にセンターライン表示が施されても、使用者がそのずれに気づきにくく、その吸収性物品があたかも不良品か粗悪品であるかのような印象を持たないようにするという効果を奏する。
【0019】
請求項6に記載の発明の吸収性物品においては、さらに、吸収性物品と使用者の位置合わせがより容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明が適用されるパッドタイプの吸収性物品を拡げて平面的にした状態の正面図である。
図2図1の吸収性物品の背面図である。
図3図2のY-Y断面図である。
図4図2のX-X断面図である。
図5】起立部5a、6aが起立して立体ギャザーを形成した状態におけるX-X断面図である。
図6】本発明の一実施形態であるセンターライン表示と補助パターンが設けられた吸収性物品を広げて平面的にした状態の正面図である。
図7図6に示す吸収性物品1を折り畳む状態を説明した説明図である。
図8】吸収性物品1を広げた状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図である。
図9】吸収性物品1を内面シート側に折り畳んで3つ折りとした状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図である。
図10】3つ折りした吸収性物品1を内面シート側に折り畳んだ6つ折りとした状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図である。
図11】センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第1の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図12】センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第2の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図13】センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第3の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図14】センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第4の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図15】センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第5の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図16】複数の単位図形からなる組合せ図形が種別表示となる一例を説明する説明図である。
図17図16の組合せ図形71に数字を付して吸収体の吸収量を表した種別表示を説明する説明図である。
図18図16の組合せ図形71に文字を付して吸収性物品の種類を表した種別表示を説明する説明図である。
図19】組合せ図形71a~71eのいずれかからなる図形列の一例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図20】組合せ図形71a~71eのいずれかからなる図形列の他の例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図21】複数の単位図形からなる組合せ図形が吸収量識別表示となる他の例を説明する説明図である。
図22】組合せ図形75a~75dのいずれかからなる図形列の一例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図23】本発明の一実施形態であるセンターライン表示と補助パターンが設けられたテープ止めタイプの吸収性物品を広げて平面的にした状態の正面図である。
図24】センター表示・補助パターンに合わせて判別表示を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図である。
図25】文字を付加した判別表示51A~51Dの例を示した説明図である。
図26】パッドタイプの吸収性物品を拡げて平面的にした状態の正面図である。
図27図26に示す吸収性物品100を折り畳む状態を説明した説明図である。
図28図27に示す折り畳まれた吸収性物品100の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[パッドタイプの吸収性物品の基本構成]
本発明をパッドタイプの吸収性物品に適用した実施形態について説明するが、まず、パッドタイプの吸収性物品の基本構成について説明する。
図1は、本発明が適用されるパッドタイプの吸収性物品を拡げて平面的にした状態の正面図、図2図1の吸収性物品の背面図、図3図2のY-Y断面図、図4図2のX-X断面図である。
図中、1はパッドタイプの吸収性物品、2は吸収体、3は外装シート、3aはポリエチレンフィルム、3bは不織布、4は内面シート、5、6は立体ギャザーシート、5a、6aは起立部、5b、6bは先端縁、5c、6cは折返し部、CLは長手方向に延びる中心線、SFはサイドフラップ、D1、D2は弾性部材であり、吸収性物品1の長手方向と直角方向(横方向)X方向、長手方向(縦方向)をY方向とする。
図に示すように吸収性物品1は、吸収体2と、これを正面側から覆う外装シート3と、吸収体2を背面側から覆う内面シート4と、内面シート4に重ねられる立体ギャザーシート5、6から構成される。
吸収体2は、高吸収性ポリマー粒子を含む綿状パルプを主体としてこれに吸収紙等(図示せず)を組み合わせたものからなり、使用者が排出した体液等を吸収して保持する。
外装シート3は、バックシートとも呼ばれ、図3図4に示すように不透液性のポリエチレンフィルム3aと不織布3bを積層したものである。不織布3bは外観や肌ざわりを良くするために積層しているもので、ポリエチレンフィルム3bだけで外装シート3が構成されていてもよい。
また、吸収性物品1を表す図には示していないが、通常、紙おむつに使用されるようなアウターや身体に吸収性物品を固定する手段として、粘着材、フック材などの係止手段を外装シート3に設けたり、ベルト状やタブ状の固定手段を外装シート3に設けてもよい。
内面シート4は、トップシートとも呼ばれ、不織布からなる。
この外装シート3と内面シート4は、吸収体2の周縁より外側で重なり合い、この重なり合う部分で互いに接着剤(図示せず)や熱融着により接着され、これにより、吸収体2が封入される。
【0022】
立体ギャザーシート5、6は、不織布からなり、図4に示すように起立部5a、6aを除いて外装シート3に接着剤(図示せず)で接着されている。起立部5a、6aは、その先端部が折り返されて折返し部5b、6bを形成し、この折返し部5b、6bにゴム糸等の弾性部材D1、D2が挟まれ、折返し部5b、6bの重なり合う面は接着剤(図示せず)や熱融着によって接着されている。
図5は、起立部5a、6aが起立して立体ギャザーを形成した状態におけるX-X断面図である。
弾性部材D1、D2は、図2に示すように、吸収性物品1の長手方向に沿って配置され、伸長した状態で折返し部5b、6bに接着固定されるため、弾性部材D1、D2が縮むことにより、吸収性物品1全体が、長手方向に外装シート3側が凸となるように湾曲し、これにより図5に示すように先端縁5b、6bが内面シートから離れて起立部5a、6aがハの字状に起立し、アーチ状の立体ギャザーを形成する。このようにして立体ギャザーを形成することにより、体液等の横漏れが防止される。
サイドフラップSFは、外装シート3と内面シート4を貼り合わせたフラップ状の部分であり、吸収体2の周縁より外側に形成されている。
なお、弾性部材D1、D2は、各1本ずつ配置されているが、複数本ずつ配置してもよく、また、立体ギャザーシート5、6は、上記と異なる構成であってもよく、さらに、立体ギャザーシート5、6を設けなくてもよい。
【0023】
[吸収性物品1と吸収体2の外形]
吸収性物品1の外形と吸収体2の外形は、図1に示すように近似し、共にY方向(縦方向)に縦長の形状であって、X方向(横方向)の幅(横幅)は変化している。
そして、Y方向の上部、下部(以下単に「上部」、「下部」という。)において、吸収性物品1の吸収体2の外形はX方向にふくらみ、Y方向の中央部(以下単に「中央部」という。)において、吸収性物品1と吸収体2の外形はX方向にへこみ、下部の横幅は上部の横幅より広く、下部の面積も上部の面積より広くなっている。
すなわち、吸収性物品1と吸収体2は共に、中央部、上部、下部の順に横幅と面積が広くなっている。
このように吸収性物品1と吸収体2の外形の横幅と面積を変化させているのは、股部より幅も長さも大きい吸収性物品を、身体に沿った形状にすることで、吸収体や立体ギャザーを使用者の腹側、股側及び背側(臀部)に密着させ、使用者が排出する体液等の漏れを防止したり、吸収体の剛性による違和感を軽減するためである。
この場合、中央部は使用者の股部にあてがわれる股側部となる。
また、広い方のふくらみ部である下部が、使用者の腹側にあてがう腹側部となるか背側(臀部)にあてがう背側部となるかは、必ずしも一定しておらず、使用者や用途によって異なっている。
例えば、使用者が女性の場合は、下部が背側(臀部)にあてがう背側部となることが多く、使用者が男性の場合は、下部が腹側にあてがう腹側部となることが多い。また、ベッドに横になって使用する場合は、下部を背側(臀部)の下に敷き込むようすることから、使用者の性別にかかわらず、下部が背側部となる。
なお、本発明が適用されるパッドタイプの吸収性物品等の形状(外形)は、図1に示す吸収性物品1のような上部と下部がX方向にふくらんだ外形に限定されるものではなく、上部または下部のいずれか一方のみがX方向にふくらみ、他方は中央部と同じ横幅であってもよく、横幅が一定のものであってもよい。吸収体についても同様に、上部または下部のいずれか一方のみがX方向にふくらみ、他方は中央部と同じ横幅であってもよく、横幅が一定のものであってもよい。
【0024】
[センターライン表示と補助パターンが設けられたパッドタイプの吸収性物品]
図6は、本発明の一実施形態であるセンターライン表示と補助パターンが設けられたパッドタイプの吸収性物品を広げて平面的にした状態の正面図であり、図において、10は第1図形、11はセンターライン表示、12a、12bは第2図形、13A、13Bは補助パターン、f1、f2は縦折り線、f3は横折り線、SR1、SR2は折り畳んだ吸収性物品1の側面となる側面領域である。
図6に示すように、吸収性物品1においては、中心線CLに沿ってセンターライン表示11が設けられ、その両側に補助パターン13A、13Bが設けられている。
センターライン表示11は、ひし形(正方形)の第1図形10がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形10は同一形状となっており、中心線CLと平行な直線上に配置されている。このセンターライン表示11は、通常、その長手方向に延びる中心線(対称軸)が中心線CLと一致するように配置される。
本実施形態においては、センターライン表示11は2列の図形列から構成されているが、第1図形10を中心線CLに配置した1列の図形列からセンターライン表示11を構成してもよく、3列以上の図形列で構成してもよい。
また、補助パターン13Aは、第1図形10と相似形のひし形(正方形)の第2図形12aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン13Bは、第1図形10と相似形のひし形(正方形)の第2図形12bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第2図形12a、12bの大きさは異なり、補助パターン13A、13Bは、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
センターライン表示11を構成する第1図形10や補助パターン13A、13Bを構成する第2図形12a、12bの大きさ、個数等は、図6に示すものに限定されず、これらを変えてもよい。例えば、第1図形10を図6のものより大きくして、個数を減らしてセンターライン表示11を構成してもよく、逆に、図形10を図6のものより小さくして、個数を増やしてセンターライン表示11を構成してもよい。
センターライン表示11と補助パターン13A、13B(以下「センターライン表示11等」という。)は、外装シート3のポリエチレンフィルム3aに印刷されることにより設けられる。センターライン表示11等が印刷されたポリエチレンフィルム3aは不織布3bに覆われているが、不織布3bは薄いため、外部からセンターライン表示11等を視認することができる。
また、センターライン表示11等は、ポリエチレンフィルム3aではなく不織布3bの外側の面あるいは内側の面に印刷してもよい。
さらに、センターライン表示11等の表示方法も印刷に限定されるものではなく、センターライン表示11等を印刷したラベル等をポリエチレンフィルム3aあるいは不織布3b等に貼り付けたりしてもよい。
【0025】
[吸収性物品の折り畳み]
そして、センターライン表示11等が設けられた吸収性物品1は、省スペースや取扱いの便宜等のため、通常、折り畳んだ状態で運搬・保管される。
図7は、図6に示す吸収性物品1を折り畳む状態を説明した説明図であり、同図(a)は折畳み途中の吸収性物品1の正面図、同図(b)は折畳み後の吸収性物品1の正面図である。
まず、図6に示すような折畳み前の広げた状態の吸収性物品1は、縦折り線f1、f2に沿って、その左側部と右側部が内側に折り畳まれ、図7(a)に示すように3つ折り状態とされる。
次いで、3つ折りされた吸収性物品1は、横折り線f3に沿って内側に折り畳まれ、図7(b)に示すように6つ折り状態とされる。
【0026】
[補助パターンの機能1]
次に、補助パターン13A、13Bの機能の機能について説明するが、まず、吸収性物品1において、センターライン表示11が中心線CLから左右方向(X方向)にずれた位置に設けられた場合の、補助パターン13A、13Bの機能(機能1)について説明する。
図8は、吸収性物品1を広げた状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図であり、図を見やすくするため中心線CLは図示しないこととする。
図8(a)は、センターライン表示11だけが中心線CLから右に少しずれた位置に設けれ、補助パターン13A、13Bは左右方向にずれずに設けられた場合を示し、同図(b)は、センターライン表示11と補助パターン13A、13Bの両方が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合を示し、同図(c)は、補助パターン13A、13Bがない状態でセンターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合を示している。
図8から明らかなように、補助パターン13A、13Bがない図8(c)においては、センターライン表示11が右にずれていることが視覚的に分るが、補助パターン13A、13Bのある同図(a)、(b)においては、センターライン表示11が右にずれていることが視覚的に分りにくくなっている。
図9は、吸収性物品1を縦折り線f1、f2に沿って内面シート側に折り畳んで3つ折りとした状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図であり、同図(a)~(c)は、図8(a)~(c)と同じ場合を示しており、この場合も図を見やすくするため中心線CLは図示しないこととする。
図9から明らかなように、補助パターン13A、13Bがない図9(c)においては、センターライン表示11が右にずれていることが目立っており、視覚的にもずれが十分に分るが、補助パターン13A、13Bのある同図(a)、(b)においては、センターライン表示11が右にずれていることがそれほど目立たず、視覚的にもずれがわかりにくくなっている。
図10は、3つ折りした吸収性物品1を横折り線f3に沿って内面シート側に折り畳んだ6つ折りとした状態において、センターライン表示11が中心線CLから右に少しずれた位置に設けられた場合の状態を示した説明図であり、同図(a)~(c)は、図8(a)~(c)と同じ場合を示しており、この場合も図を見やすくするため中心線CLは図示しないこととする。
図10から明らかなように、図9と同様に、補助パターン13A、13Bがない図10(c)においては、センターライン表示11が右にずれていることが目立っており、視覚的にもずれが十分に分るが、補助パターン13A、13Bのある同図(a)、(b)においては、センターライン表示11が右にずれていることがそれほど目立たず、視覚的にもずれがわかりにくくなっている。
このように、補助パターン13A、13Bは、センターライン表示11が、吸収性物品1の中心線CLから左右方向にずれた位置に設けられた場合であっても、そのずれを分りにくくし、使用者に対してセンターライン表示11がずれていること意識させない機能1を果たす。
【0027】
[補助パターンの機能2]
次に、補助パターン13A、13Bが果たす吸収性物品の種別表示機能について説明する。
吸収性物品1においては、吸収体2の大きさ・形状や体液の吸収量が異なるものが数種類用意され、使用者は、その中から自己に適したものを選択して使用する。
そのため、吸収性物品1には、吸収体2の大きさ・形状や体液の吸収量を区別するための種別表示がなされる。
例えば、通常の大きさの吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては「ロング」の文字が付され、それより縦方向(Y方向)に長い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては「スーパーロング」の文字が付され、横幅(X方向)の広い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては「ワイド」の文字が付され、さらに横幅(X方向)の広い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては「エキストラワイド」の文字が付され、これらの「ロング」、「スーパーロング」、「ワイド」、エキストラワイド」の文字が種別表示となる。
このような種別表示は、通常、吸収性物品1の左右方向(X方向)の中央部分のセンターライン表示11と重ならない位置に、中心線CLを跨ぐように設けられる。
しかしながら、吸収性物品1は、図7(b)に示すような6つ折りに折り畳まれた状態で複数枚重ねて保管され(図18(b)参照)、吸収性物品1の左右方向の中央部分に設けた種別表示は、隠れて見えなくなり機能しないこととなる。
このため、吸収性物品1においては、縦折り線f1、f2と横折り線f3に沿って6つ折りに折り畳まれた吸収性物品1の側面(図18の側面104)となる側面領域(縦折り線f1、f2より外側の領域)SR1、SR2(図6)に種別表示を施す必要がある。
この点、図6に示すように補助パターン13A、13Bは、そのX方向の中央部分から外側部分が側面領域SR1、SR2に設けられ、折り畳まれて複数枚重ねられた吸収性物品1の種別表示として外部から視認できる位置に設けられている。
そして、後述するように吸収性物品1の種類に応じて異なるパターンの補助パターンを、側面領域SR1、SR2を含む領域に設けることにより、補助パターン13A、13B等は、吸収性物品1の種別表示としての機能2を果す。
【0028】
[センターライン表示と補助パターンの他の例]
図11図15は、センター表示11と補助パターン13A、13Bとは異なるパターンのセンター表示と補助パターン(第1~第5の例)を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図であり、図において、20、30、40、50、60は第1図形、21、31、41、51、61はセンターライン表示、22a、22b、32a、32b、42a、42b、52a、52b、62a、62bは第2図形、23A、23B、33A、33B、43A、43B、53A、53B、63A、63Bは補助パターンである。
図11図15に示すように、吸収性物品1においては、中心線CLに沿ってセンターライン表示21、31、41、51、61が設けられ、その両側に補助パターン23A、23B、33A、33B、43A、43B、53A、53B、63A、63Bが設けられている。
【0029】
図11に示す第1の例のセンターライン表示21は、円形の第1図形20がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形20は同一形状となっている。
図11に示す第1の例の補助パターン23Aは、第1図形20と相似形の円形の第2図形22aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン23Bは、第1図形20と相似形の円形の第2図形22bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第2図形22a、22bの大きさは異なり、補助パターン23A、23Bは、補助パターン13A、13Bと同様に、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
図12に示す第2の例のセンターライン表示31は、正方形の第1図形30がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形30は同一形状となっている。
図12に示す第2の例の補助パターン33Aは、第1図形30と相似形の正方形の第2図形32aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン33Bは、第1図形30と相似形の正方形の第2図形32bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第2図形32a、32bの大きさは異なり、補助パターン33A、33Bは、補助パターン13A、13Bと同様に、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
図13に示す第3の例のセンターライン表示41は、星形の第1図形40がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形40は同一形状となっている。
図13に示す第3の例の補助パターン43Aは、第1図形40と相似形の星形の第2図形42aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン43Bは、第1図形40と相似形の星形の第2図形42bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第2図形42a、42bの大きさは異なり、補助パターン43A、43Bは、補助パターン13A、13Bと同様に、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
【0030】
図14に示す第4の例のセンターライン表示51は、第1図形40(図13)とは異なる形状の星形の第1図形50がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形50は同一形状となっている。
図14に示す第4の例の補助パターン53Aは、第1図形50が表す星と観念的に関連した月を表す月形の第3図形52aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン53Bは、第1図形50が表す星と観念的に関連した月を表す月形の第3図形52bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第3図形52a、52bの大きさは異なり、補助パターン53A、53Bは、補助パターン13A、13Bと同様に、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
図15に示す第5の例のセンターライン表示61は、花形の第1図形50がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形50は同一形状となっている。
図15に示す第5の例の補助パターン63Aは、花形の第1図形60が表す花びらと観念的に関連した葉っぱを表す葉形の第3図形62aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン63Bは、花形の第1図形60が表す花びらと観念的に関連した葉っぱを表す葉形の第3図形62bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第3図形62a、62bの大きさは異なり、補助パターン63A、63Bは、補助パターン13A、13Bと同様に、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
【0031】
[各補助パターンと吸収性物品の種類の関係]
パターンの異なる補助パターン13A・13B、23A・23B、33A・33B、43A・43Bを吸収性物品1の種類に応じて設けることにより、補助パターン13A・13Bは、吸収性物品1の種別表示として機能することとなる。
例えば、通常の大きさの吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては、図11の補助パターン23A・23Bを設け、それより縦方向(Y方向)に長い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては、図12の補助パターン33A・33Bを設け、横幅(X方向)の広い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては、図6の補助パターン13A・13Bを設け、さらに横幅(X方向)の広い吸収体2を備えた縦長の吸収性物品1に対しては、図13の補助パターン43A・43Bを設けるようにする。
そして、各補助パターン13A・13B、23A・23B、33A・33B、43A・43Bは、センター表示11、21、31、41と重ならなないから、これらのセンター表示の機能を損わないで設けることができる。
なお、センター表示11、21、31、41も、吸収性物品1の種類に対応していることから、種別表示として機能することとなる。
また、図14、15に示すような観念的に関連するセンターライン表示と補助パターンの組合せを複数組用意し、これを吸収性物品1の種別表示として用いてもよい。
【0032】
[吸収性物品の種別表示]
次に、センターライン表示が吸収性物品の種別を特定する種別表示となる場合について説明する。
図16は、複数の単位図形からなる組合せ図形が種別表示となる一例を説明する説明図であり、図において、70a、70bは単位図形、71(71a~71e)は組合せ図形である。
図16(a)に示すように、組合せ図形71は、5個の花びら形状の単位図形70aを花の形に配置した形状を備え、各単位図形70aを塗りつぶした単位図形70bの数により、吸収性物品の種別の1つである吸収体(吸収性物品)の吸収量(最大吸収量)を表している。
すなわち、吸収体(吸収性物品)の吸収量を5段階とすると(吸収量の小さいものから順にレベル1、レベル2、レベル3、レベル4、レベル5とする)、最上部の花びらのみを単位図形70bとした組合せ図形71a(図16(b))がレベル1の吸収量を表し、最上部と左上部の花びら2個を単位図形70bとした組合せ図形71b(同図(c))がレベル2の吸収量を表し、最上部と左右上部の花びら3個を単位図形70bとした組合せ図形71c(同図(d))がレベル3の吸収量を表し、最上部、左右上部及び右下部の花びら4個を単位図形70bとした組合せ図形71d(同図(e))がレベル4の吸収量を表し、全ての花びら5個を単位図形70bとした組合せ図形71e(同図(f))がレベル5の吸収量を表している。
【0033】
図17は、図16の組合せ図形71に数字を付して吸収体の吸収量を表した種別表示を説明する説明図であり、図において、71’(71a’~71e’)は組合せ図形である。
図17(a)に示すように、組合せ図形71’の各単位図形70aには吸収体の吸収レベルを示す1~5の数字が付され、同図(b)~(f)に示すように、吸収レベルに応じて塗りつぶした単位図形70bにその吸収レベルを表す白抜きの数字を付している。
すなわち、最上部の花びらのみを単位図形70bとしてそれに白抜きの数字「1」を付した組合せ図形71a’(図17(b))がレベル1の吸収量を表し、最上部と左上部の花びら2個を単位図形70bとして白抜きの数字「2」を付した組合せ図形71b’(同図(c))がレベル2の吸収量を表し、最上部と左右上部の花びら3個を単位図形70bとして白抜きの数字「3」を付した組合せ図形71c’(同図(d))がレベル3の吸収量を表し、最上部、左右上部及び右下部の花びら4個を単位図形70bとして白抜きの数字「4」を付した組合せ図形71d’(同図(e))がレベル4の吸収量を表し、全ての花びら5個を単位図形70bとして白抜きの数字「5」を付した組合せ図形71e’(同図(f))がレベル5の吸収量を表している。
【0034】
図18は、図16の組合せ図形71に文字を付して吸収性物品の種類を表した種別表示を説明する説明図であり、図において、71”(71a”~71e”)は組合せ図形である。
図18(a)に示すように、組合せ図形71”の各単位図形70aには吸収性物品の種類を示す文字「R」、「L」、「W」、「SL」、「EW」の文字が付され、同図(b)~(f)に示すように、吸収性物品の種類に応じて塗りつぶした単位図形70bにその種類を表す白抜きの文字を付している。
すなわち、最上部の花びらのみを単位図形70bとしてそれに白抜きの文字「R」を付した組合せ図形71a”(図18(b))が通常(レギュラー)の大きさの種類を表し、最上部と左上部の花びら2個を単位図形70bとして白抜きの文字「L」を付した組合せ図形71b”(同図(c))が「ロング」の文字で示される種類を表し、最上部と左右上部の花びら3個を単位図形70bとして白抜きの文字「W」を付した組合せ図形71c”(同図(d))が「ワイド」の文字で示される種類を表し、最上部、左右上部及び右下部の花びら4個を単位図形70bとして白抜きの文字「SL」を付した組合せ図形71d”(同図(e))が「スーパーロング」の文字で示される種類を表し、全ての花びら5個を単位図形70bとして白抜きの文字「EW」を付した組合せ図形71e”(同図(f))が「エキストラワイド」の文字で示される種類を表している。
【0035】
図19は、組合せ図形71a~71eのいずれかからなる図形列の一例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図であり、図において、72はセンターライン表示である。
図19に示すように、センターライン表示72は、組合せ図形71aを吸収性物品1の中心線CL上に配置した1列の図形列から構成される。組合せ図形71aは、レベル1の吸収量を表すことから、センターライン表示72は、レベル1の吸収量の吸収性物品1を示すこととなる。
そして、レベル2の吸収量の吸収性物品1に対しては、レベル2の吸収量を表す組合せ図形71bからなる図形列をセンターライン表示とし、レベル3の吸収量の吸収性物品1に対しては、レベル3の吸収量を表す組合せ図形71cからなる図形列をセンターライン表示とし、レベル4の吸収量の吸収性物品1に対しては、レベル4の吸収量を表す組合せ図形71dからなる図形列をセンターライン表示とし、レベル5の吸収量の吸収性物品に対しては、レベル5の吸収量を表す組合せ図形71eからなる図形列をセンターライン表示とすることにより、センターライン表示が吸収性物品の吸収量による種別表示として機能することとなる。
【0036】
図20は、組合せ図形71a~71eのいずれかからなる図形列の他の例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図であり、図において、73はセンターライン表示である。
図20に示すように、センターライン表示73は、組合せ図形71bを吸収性物品1の中心線CLを挟んだ中心線CLと平行な線上に配置した2列の図形列から構成される。組合せ図形71bは、レベル2の吸収量を表すことから、センターライン表示73は、レベル2の吸収量の吸収性物品1を示すこととなる。
そして、レベル1~5の吸収量の吸収性物品1を表す組合せ図形71a~71eからなる2列の図形列をセンターライン表示とすることにより、センターライン表示が吸収量識別表示として機能することとなる。
また、吸収量識別表示としてのセンターライン表示72、73が設けられた吸収性物品1には、図14に示す吸収性物品1と同様に、センターライン表示72、73の両側に、葉形の第3図形62a、62bがY方向に複数配置された図形列から構成される補助パターン63A、補助パターン63Bが設けられている。
補助パターン63A、63Bは、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっており、使用者に対してセンターライン表示72、73がずれていること意識させない機能や吸収性物品1の種別表示としての機能を果たす。
【0037】
図21は、複数の単位図形からなる組合せ図形が吸収性物品の種別表示となる他の例を説明する説明図であり、図において、74a、74bは単位図形、75(75a~75d)は組合せ図形である。
図21(a)に示すように、組合せ図形75は、4個のハート形の花びら形状の単位図形74aを花の形に配置した形状を備え、各単位図形74aを塗りつぶした単位図形74bの数により、吸収体(吸収性物品)の吸収量(最大吸収量)を表している。
すなわち、吸収体(吸収性物品)の吸収量を4段階とすると(吸収量の小さいものから順にレベル1、レベル2、レベル3、レベル44とする)、上側の花びらのみを単位図形74bとした組合せ図形75a(図21(b))がレベル1の吸収量を表し、上側と左側の花びら2個を単位図形74bとした組合せ図形75b(同図(c))がレベル2の吸収量を表し、上側、左側及び右側の花びら3個を単位図形74bとした組合せ図形75c(同図(d))がレベル3の吸収量を表し、全ての花びら4個を単位図形74bとした組合せ図形75d(同図(e))がレベル4の吸収量を表している。
図22は、組合せ図形75a~75dのいずれかからなる図形列の一例をセンターライン表示とした吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図であり、図において、76はセンターライン表示である。
図22に示すように、センターライン表示76は、組合せ図形75bを吸収性物品1の中心線CLを挟んだ中心線CLと平行な線上に配置した2列の図形列から構成される。組合せ図形75bは、レベル2の吸収量を表すことから、センターライン表示76は、レベル2の吸収量の吸収性物品1を示すこととなる。
そして、レベル1~4の吸収量の吸収性物品1を表す組合せ図形75a~75dからなる2列の図形列をセンターライン表示とすることにより、センターライン表示が吸収性物品の吸収量による種別表示として機能することとなる。
また、センターライン表示76が設けられた吸収性物品1には、図14に示す吸収性物品1と同様に、センターライン表示76の両側に、葉形の第3図形62a、62bがY方向に複数配置された図形列から構成される補助パターン63A、補助パターン63Bが設けられている。
補助パターン63A、63Bは、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっており、使用者に対してセンターライン表示76がずれていること意識させない機能や吸収性物品1の種類を特定する種別表示としての機能を果たす。
【0038】
[センターライン表示と補助パターンが設けられたテープ止めタイプの吸収性物品]
図23は、本発明の一実施形態であるセンターライン表示と補助パターンが設けられたテープ止めタイプの吸収性物品を広げて平面的にした状態の正面図であり、図において、80はテープ止めタイプの吸収性物品、82は吸収体、83は外装シート、87(87a、87b)はテープ部材であるファスニングテープ、88は止着部材であるフロントテープ、11Aはセンターライン表示、13C、13Dは補助パターンである。
図22に示すように、吸収性物品80は、図1の吸収性物品1と同様に、吸収体82と、これを正面側から覆う外装シート83と、吸収体82を背面側から覆う内面シート(図示せず)と、この内面シートに重ねられる立体ギャザーシート(図示せず)を備え、Y方向下部のX方向両端部には、外側に突出するファスニングテープ87a、87bが取付けられ、外装シート88のY方向上部には、X方向(左右方向)長さのほぼ3/4を占める長方形状の止着部材であるフロントテープ88が取付けられている。
吸収性物品80と吸収体82の形状は、図1の吸収性物品1と吸収体2の形状とは異なり、X方向において、上部と下部においてふくらみがなく、上部と下部の間の央部分が内側に湾曲してへんこんだ形状となっている。
この吸収性物品40の使用に際しては、上部を使用者の腹側又は背側にあてがい、下部を使用者の背側又は腹側にあてがい、ファスニングテープ87a、87bをフロントテープ88に係合させる。これにより、吸収性物品80が使用者に装着固定されることとなる。
【0039】
そして、吸収性物品80には、図6に示す吸収性物品1と同様に、中心線CLに沿ってセンターライン表示11Aが設けられ、その両側に補助パターン13C、13Dが設けられている。
センターライン表示11Aは、センターライン表示11(図6)と同様に、ひし形(正方形)の第1図形10がY方向(長手方向)に多数配置された2列の図形列から構成され、各図形列を形成する第1図形10は同一形状となっており、中心線CLと平行な直線上に配置されている。
補助パターン13Cは、補助パターン13A(図6)と同様に、第1図形10と相似形のひし形(正方形)の第2図形12aがY方向に複数配置された図形列から構成され、補助パターン13Dは、補助パターン13B(図6)と同様に、第1図形10と相似形のひし形(正方形)の第2図形12bがY方向に複数配置された図形列から構成され、各図形列の第2図形12a、12bの大きさは異なり、補助パターン13C、13Dは、中心線CLに平行な直線を形成しない屈曲したパターンとなっている。
そして、テープ止めタイプの吸収性物品40においても、パッドタイプの吸収性物品1と同様に、図11図15に示すようなセンターライン表示と補助パターンを設けることができ、センターライン表示と補助パターンを吸収性物品の種別表示としても機能させることができる。
また、テープ止めタイプの吸収性物品40においても、図16図20に示すような組合せ図形71(71a~71e)、75(75a~75d)から構成されるセンターライン表示を設け、センターライン表示を吸収量識別表示としての機能させることができる。
なお、吸収性物品40においては、フロントテープ88の部分に、センターライン表示11Aと補助パターン13C、13Dは設けてられていないが、フロントテープ88のY方向の長さは短く、これによりセンターライン表示と補助パターンの機能が損なわれることはない。
【0040】
[センターライン表示・補助パターンと判別表示の組合せ]
図24は、センター表示・補助パターンに合わせて判別表示を設けた吸収性物品1を広げて平面的にした状態の平面図であり、図において、90a、90bは第4図形、91A~91Dは判別表示、R1~R4は領域、SF1~SF4はサイドフラップである。
図24に示すように、吸収性物品1においては、中心線CLに沿ってセンターライン表示11が設けられ、その両側に補助パターン13A、13Bが設けられ、補助パターン13A、13Bの外側に判別表示91A~91Dが設けられ、センターライン表示11と補助パターン13A、13Bは、図6に示したものと同じである。
この場合、判別表示91Aは、領域R1(吸収性物品1の上部の左側部を占める領域)のサイドフラップSF1に設けられ、判別表示91Bは、領域R2(吸収性物品1の上部の右側部を占める領域)のサイドフラップSF2に設けられ、判別表示91Cは、領域R3(吸収性物品1の下部の左側部を占める領域)のサイドフラップSF3に設けられ、判別表示91Dは、領域R4(吸収性物品1の下部の右側部を占める領域)のサイドフラップSF4に設けられ、これらの判別表示91A~91Dは、補助パターン13A、13Bと重ならない位置に設けられている。
判別表示91Aは、左側を頂点とする正三角形ないし二等辺三角形をX方向に2個並べた第4図形90aをY方向に3個配置したものであり、判別表示91Bは、第4図形90aと線対称となる第4図形50bをY方向に3個配置したものであり、判別表示91Cは、第4図形90aをY方向に5個配置したものであり、判別表示91Dは、第4図形90bをY方向に5個配置したものである。
これらの判別表示91A~91Dを構成する第4図形90a、90bの形状、大きさ、個数は、図24に示すものに限定されず、これらを変えてもよい。例えば、第4図形90a、90bを図22のものより大きくして、個数を減らしてもよく(例えば、領域R1とR2には第4図形90a等を2個、領域R3とR4には第4図形90a等を4個配置する)、逆に、第4図形90a、90bを図22のものより小さくして、個数を増やしてもよい(例えば、領域R1とR2には第4図形90a等を4個、領域R3とR4には第4図形90a等を6個配置する。)。
また、判別表示91A~91Dは、センターライン表示11や補助パターン13A、13Bと同様に、外装シート3のポリエチレンフィルム3aや不織布3b印刷されること等により設けられる。
そして、センター表示11と補助パターン13A、13Bに合わせて判別表示91A~91Dが設けられた吸収性物品1は、図7(a)に示すように、X方向に3つ折りされ、さらに、図7(b)に示すようにY方向に2つ折りされた状態に折り畳まれて保管される。このとき、領域R1~R4に設けられた判別表示91A~91Dは、折り畳まれた吸収性物品1の内側に隠れ、外部からは視認できない状態となる。
【0041】
[判別表示の機能1]
図7(b)に示すように折り畳まれた吸収性物品1は、図22に示すように広げられて使用者にあてがわれて装着される。その際、上部や下部の左側部や右側部(領域R1~R4)が完全に広げられず、その一部が内面シート4側に折り込まれた状態であてがわれた場合、判別表示91A~91Dのうち、折り込まれた部分に設けられた判別表示が隠れた状態のままとなる。このとき、吸収性物品1を使用者に装着する装着者は、判別表示が見えないことから、吸収性物品1の一部が内側または外側に折り込まれていることに気づき、折り込まれた部分を広げて吸収性物品1を装着することとなり、使用者の体液が漏れるのを防止できる。
このように判別表示91A~91Dは、吸収性物品1の左側部や右側部の一部が折り込まれて使用者にあてがわれた場合、隠れて見えないことにより、吸収性物品1の一部が折り込まれていることを装着者に気づかせる機能(機能1)を果たす。
そのため、判別表示91A~91Dは、吸収性物品1の折り込まれやすい部分である左右にふくらんだ上部と下部の左側部と右側部(領域R1~R4)に設けられる。
【0042】
[判別表示の機能2]
次に、判別表示91A~91Dを構成する第4図形90a、90bにおいて、第4図形90aを形成する2個の三角形の頂点は、吸収性物品1の左側の外縁側に位置し、第4図形90bを形成する2個の三角形の頂点は、吸収性物品1の右側の外縁側に位置する。
このため、第4図形90aは左向きの矢印の機能を果し、第4図形90aで形成される判別表示91Aと91Cは、この判別表示が設けられた部分(領域R1、R3)を左に向けること示唆する。
また、第4図形90bは右向きの矢印の機能を果し、第4図形90bで形成される判別表示91Bと91Dは、この判別表示が設けられた部分(領域R2、R4)を右に向けること示唆する。
すなわち、判別表示91Aは、この判別表示が設けられた上部の左側部(領域R1)を左方向に広げることを示唆し、判別表示91Bは、この判別表示が設けられた上部の右側部(領域R2)を右方向に広げることを示唆し、判別表示91Cは、この判別表示が設けられた下部の左側部(領域R3)を左方向に広げることを示唆し、判別表示91Dは、この判別表示が設けられた下部の右側部(領域R4)を右方向に広げることを示唆する。
これにより、判別表示91A~91Dは、吸収性物品1を使用者にあてがう際に、左側部と右側部を左右方向に広げて使用者にあてがうことを、装着者に意識させる機能(機能2)を果たす。
【0043】
このような判別表示91A~91Dの機能2は、判別表示91A~91Dに文字を付加することでさらに強められる。
図25は、文字を付加した判別表示91A~91Dの例を示した説明図であり、図において、w1、w2は文字である。
図25に示すように、判別表示91Aにおいて、中段の第4図形90aには、上から下に「ひろげる」と表記した文字w1が付加され(同図(a))、判別表示91Bにおいて、中段の第4図形90bには、下から上に「ひろげる」と表記した文字w2が付加され(同図(b))、判別表示91Cにおいて、上段と中段と下段の第4図形90aには文字w1が付加され(同図(c))、判別表示9Dにおいて、上段と中段と下段の第4図形90bには文字w2が付加されている(同図(d))。
このように、判別表示91A~91Dに「ひろげる」を意味する文字w1、w2を付加することにより、左側部と右側部を左右方向に広げて吸収性物品1を使用者にあてがうことを、装着者に強く意識させることができる。
なお、判別表示51A~51Dに付加する文字は、「ひろげる」と表記された文字w1、w2に限定されるものではなく、「広げる」、「拡張」、「引っ張る」等、X方向(左右方向)に広げることを意味する文字であればよい。
【0044】
[判別表示の機能3]
吸収性物品1の上部に設けられた判別表示91A、91Bは、3個の第4図形90a、90bから構成され、吸収性物品1の下部に設けられた判別表示91C、91Dは、5個の第4図形90a、90bから構成される。
そして、判別表示91A~91Dを構成する第4図形90a、90bの間隔は同じであるから、判別表示91Cにおける最上段の第4図形90aと最下段の第4図形90aの距離は、判別表示91Aにおける最上段の第4図形90aと最下段の第4図形90aの距離より長く、判別表示91Dにおける最上段の第4図形90bと最下段の第4図形90bの距離は、判別表示91Bにおける最上段の第4図形90bと最下段の第4図形90bの距離より長いこととなる。
これより、装着者にとって、5個の第4図形90a、90bが配置された下部の方が、3個の第4図形90a、90bが配置された上部よりY方向(長手方向)に長く、下部の面積は上部の面積より広いことが一目瞭然となり、吸収性物品1の使用者に装着する際に、上部と下部をあてがう部分を誤ることがなくなる。
また、装着者にとって、折り畳まれた吸収性物品1を完全に広げて、上部と下部のどちらが広いかを確認したり、外装シート3の中央部に設けられたマーク(上部より下部が広いことを表すマーク)等を見たりしなくても、いずれかの折り目を開いて判別表示91A~91Dを見るだけで、上部と下部のどちらが広いかの判別が可能となり、吸収性物品1を使用者にあてがう向きをすばやく判断できる。
このように、判別表示91A~91Dは、吸収性物品1の上部と下部のどちらの面積が広いかを見分けやすくする機能(機能3)を果たす。
この場合、上部と下部に配置される第4図形90a、90bの個数は、図22に示す3個と5個に限定されるものではなく、面積の狭い方に配置される第4図形90a、90bの個数が、面積の広い方に配置される第4図形90a、90bの個数より少なければよいが、面積の相違に対応して個数も相違することが望ましい。例えば、下部の面積が上部の面積の2倍であれば、下部に配置される第4図形90a等の個数は、上部に配置される第4図形90a等の個数の2倍とすることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の吸収性物品は、外装シートと内面シートとの間に吸収体が挟持され、縦長形状であって外装シートの長手方向に延びる中心線に沿ってセンターライン表示が施されるパッドタイプの吸収性物品において、センターライン表示によって吸収性物品の種類等を識別できるようにするものである。
【符号の説明】
【0046】
1 吸収性物品
2 吸収体
3 外装シート
3a ポリエチレンフィルム
3b 不織布、
4 内面シート
5、6 立体ギャザーシート
5a、6a 起立部
5b、6b 先端縁
5c、6c 折返し部
10 第1図形
11 センターライン表示
11A センターライン表示
12a、12b 第2図形
13A、13B 補助パターン
13C、13D 補助パターン
20 第1図形
21 センターライン表示
22a、22b 第2図形
23A、23B 補助パターン
30 第1図形
31 センターライン表示
32a、32b 第2図形
33A、33B 補助パターン
40 第1図形
41 センターライン表示
42a、42b 第2図形
43A、43B 補助パターン
50 第1図形
51 センターライン表示
52a、52b 第3図形
53A、53B 補助パターン
60 第1図形
61 センターライン表示
62a、62b 第3図形
63A、63B 補助パターン
70a、70b 単位図形
71、71’、71” 組合せ図形
71a~71e 組合せ図形
71a’~71e’ 組合せ図形
71a”~71e” 組合せ図形
72、73 センターライン表示
74a、74b 単位図形
75 組合せ図形
75a~75d 組合せ図形
76 センターライン表示
80 テープ止めタイプの吸収性物品
82 吸収体
83 外装シート
87、87a、87b ファスニングテープ
88 フロントテープ
90a、90b 第4図形
91A~91D 判別表示
100 吸収性物品
101 外装シート
102 吸収体
103 センターライン表示
104、104a、104b 側面
C100 中心線
f1、f2 縦折り線
f3 横折り線
f10~f12 折り線
w1、w2 文字
CL 中心線
C110 中心線
D1、D2 弾性部材
R1~R4 領域
SF サイドフラップ
SF1~SF4 サイドフラップ
SR1、SR2 側面領域



図1
図2
図3
図4
図5
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図28