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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】保線作業用警告灯
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20220204BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20220204BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20220204BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220204BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220204BHJP
   F21W 131/10 20060101ALN20220204BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20220204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220204BHJP
【FI】
H05B47/115
G08B21/02
F21S9/02
F21S2/00 663
F21V23/00 115
F21W131:10
F21Y113:10
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018026819
(22)【出願日】2018-02-19
(65)【公開番号】P2019145266
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-01-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月29日(水)~12月1日(金)に幕張メッセにて開催された「第5回鉄道技術展2017」に出品。
(73)【特許権者】
【識別番号】390007607
【氏名又は名称】大鉄工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390041379
【氏名又は名称】株式会社山崎歯車製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】坂本 士
(72)【発明者】
【氏名】安田 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】山崎 清水
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-185892(JP,A)
【文献】特開平5-319266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
G08B 21/02
F21S 9/02
F21S 2/00
F21V 23/00
F21W 131/10
F21Y 113/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保線作業の作業エリアの両端に設置する保線作業用警告灯であって、
保線作業員を検知する人感センサが設けられた警告灯本体と、
前記警告灯本体に設けられ、前記人感センサが保線作業員を検知した際に点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、前記人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知する報知手段とを有することを特徴とする保線作業用警告灯。
【請求項2】
請求項1記載の保線作業用警告灯において、
前記警告灯本体は、正面視、両端部から中心に向かって傾斜する斜め上向きの一対の傾斜面を有し、
前記人感センサは、それぞれ、前記一対の傾斜面に設けられていることを特徴とする保線作業用警告灯。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の保線作業用警告灯において、
さらに、
電池から前記人感センサおよび前記報知手段への電源電流の供給を制御して前記人感センサおよび前記報知手段の動作のオン・オフを制御する電源スイッチと、
前記人感センサが保線作業員を検知して前記報知手段が点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、前記人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知した場合、その報知をリセットして前記人感センサが保線作業員を検知していない状態に戻すリセットスイッチとを有することを特徴とする保線作業用警告灯。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の保線作業用警告灯において、
さらに、
前記警告灯本体の底面側には、折り畳み可能な開閉式の脚部が設けられていることを特徴とする保線作業用警告灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道(線路)の保線作業を行う際、作業エリアの両端部等に設置する保線作業用警告灯に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道(線路)の保線作業の多くは夜間であり暗いため、作業エリアの両端部等に設置した警告灯(例えば、特許文献1参照。)を点灯や点滅等させて作業エリア外に保線作業員が出ないようにして、危険防止を図ると共に、作業エリア外での工具等の置き忘れ防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平7-33297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のように作業エリアの両端部等に警告灯を設置した場合でも、保線作業員が誤って作業エリア外に出たり、また作業エリア外に出て作業道具を置き、作業終了後に作業道具を回収し忘れるおそれがある、という問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、保線作業員が誤って作業エリア外に出ることを確実に防止することができる保線作業用警告灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る保線作業用警告灯は、保線作業の作業エリアの両端に設置する保線作業用警告灯であって、保線作業員を検知する人感センサが設けられた警告灯本体と、前記警告灯本体に設けられ、前記人感センサが保線作業員を検知した際に点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、前記人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知する報知手段とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る保線作業用警告灯では、前記警告灯本体は、正面視、両端部から中心に向かって傾斜する斜め上向きの一対の傾斜面を有し、前記人感センサは、それぞれ、前記一対の傾斜面に設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る保線作業用警告灯では、さらに、電池から前記人感センサおよび前記報知手段への電源電流の供給を制御して前記人感センサおよび前記報知手段の動作のオン・オフを制御する電源スイッチと、前記人感センサが保線作業員を検知して前記報知手段が点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、前記人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知した場合、その報知をリセットして前記人感センサが保線作業員を検知していない状態に戻すリセットスイッチとを有することも特徴とする。
また、本発明に係る保線作業用警告灯では、さらに、前記警告灯本体の底面側には、折り畳み可能な開閉式の脚部が設けられていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る保線作業用警告灯によれば、警告灯本体と、警告灯本体に設けられた人感センサと、警告灯本体に設けられ、人感センサが保線作業員を検知した際に点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知する報知手段とを有するため、保線作業用警告灯を保線作業の作業エリアの両端それぞれに設置すると、保線作業員が作業エリアから出た際に人感センサが検知して報知手段が報知する。
そのため、保線作業員が誤って作業エリア外に出ることを確実に防止することができ、作業エリア外に作業道具を置き忘れることも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す正面図である。
図2】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す平面図である。
図3】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す背面図である。
図4】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す右側面図である。
図5】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す左側面図である。
図6】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す底面図である。
図7図4におけるA-A線断面図である。
図8】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯において脚部を開いた状態の外観を示す右側面図である。
図9】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯をマクラギ上に設置して保線作業エリアを設定した状態を示す平面図である。
図10】本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯をマクラギ上に設置して保線作業エリアを設定して、保線作業用警告灯によって保線作業員を検知した状態を示す正面図である。
図11】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す正面図、平面図である。
図12】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す背面図、右側面図である。
図13】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の保線作業用警告灯の外観を示す左側面図、図12(b)におけるB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る保線作業用警告灯の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態は、あくまで、本発明の一例であり、本発明は、下記に説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜改変可能である。
【0010】
<実施形態の保線作業用警告灯1の構成>
実施形態の保線作業用警告灯1は、保線作業の作業エリアの両端に設置して保線作業員が作業エリア外に出たときに報知するもので、警告灯本体11と、人感センサ12と、報知手段としてのパトライト13と、センサキャップ14と、電源スイッチ15と、リセットスイッチ16と、一対の脚部17,17とを備える。以下、分説する。
【0011】
<警告灯本体11>
警告灯本体11は、正面視、台形状の前側面11aおよび後側面11bを有する共に、正方形または長方形の上側面11c、底面11dおよび左右両側に底面11dの両端部から上側面11cに向かって傾斜する斜め上向きの一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fとから構成された台形ホックスの中に、回路基板11gと、乾電池や充電池等の電池11hとを備えて構成される。
【0012】
上側面11cには、人感センサ12が保線作業員を検知すると回路基板11gの制御によって検知前と点灯または点滅状態を変更して保線作業員が人感センサ12のセンサ範囲を通過したことを報知する報知手段としてパトライト13が設けられている。尚、パトライト13は、人感センサ12が保線作業員を検知した際、必要あれば警告音も発生するように構成しても勿論良い。
【0013】
底面11dには、電池を交換するため取り外し可能な電池交換用裏蓋11d1と、底面11dに折り畳んで収納可能な開閉式の一対の脚部17,17の基部を開閉可能に支持する脚支持金具11d2,11d2とが設けられている。
【0014】
一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fには、それぞれ、人感センサ12と、人感センサ12の検知エリアがなるべくレールの長手方向に広がらないように縦長形状のスリット14aを有するキャップ14とが設けられている。
【0015】
また、右側傾斜面11eには、電池11hから人感センサ12および報知手段としてのパトライト13への電源電流の供給を制御して人感センサ12およびパトライト13の動作のオン・オフを制御する電源スイッチ15と、人感センサ12が保線作業員を検知してパトライト13が点灯または点滅等させて保線作業員検知を報知した場合、人感センサ12が保線作業員を検知していない状態に戻すためのリセットスイッチ16とが設けられている。尚、電源スイッチ15は、オン側とオフ側とがシーソー式に揺動する揺動スイッチで構成されている一方、リセットスイッチ16は収縮状態のスプリング(図示せず。)によって押したら戻る押しスイッチにより構成されている。
【0016】
回路基板11gは、電源スイッチ15のオンによって電池11hから人感センサ12へ電源電流を供給して作動させる一方、電源スイッチ15のオフによって人感センサ12への電源電流の供給を停止するように制御する。また、回路基板11gは、人感センサ12が保線作業員を検知すると電池11hからパトライト13へ電源電流を供給して点灯または点滅等させて保線作業員検知を報知し、パトライト13の点灯または点滅等の動作中にリセットスイッチ16が押されると、人感センサ12が保線作業員を検知していない状態に戻すように制御する。
【0017】
人感センサ12,12は、それぞれ、焦電型赤外線センサ等の周知のセンサで、保線作業員が人感センサ12,12のセンサエリアSAで動くと赤外線エネルギー量の分布が変化するので、その変化によって保線作業員が通過したことを検知するもので、上述したように警告灯本体11の一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fにそれぞれ設けられるもので、その検知エリアで保線作業員等を検知すると、保線作業員等を検知したことを回路基板11gに対し出力するように構成されている。
【0018】
ここで、人感センサ12,12は、後述する図に示すように、レールの長手方向に検知エリアが広がらないように縦長形状のスリット14aを有するキャップ14が設けられている。
【0019】
パトライト13も周知のもので、通常は消滅または弱い光で発光しており、人感センサ12,12が保線作業員等を検知した場合には、回路基板11gからの制御信号によって明るいまたは強い光で発光したり、あるいは点滅したり、点灯色を変えて点灯する等、人感センサ12,12が保線作業員等を検知したことを報知するように構成されている。尚、パトライト13は、人感センサ12,12が保線作業員を検知した際、さらに警告音も発生するように構成しても勿論良い。
【0020】
一対の脚部17,17は、それぞれ、短尺で脚支持金具11d2,11d2によって回動可能に支持される基部17aと、その基部17aから90度折れ曲がり、底面11dの短辺方向に延びる立設部17bと、立設部17bから90度折れ曲がって基部17aと平行に延びる長尺の接地部17cとから構成され、図6に示すように互いの基部17aを固定する脚支持金具11d2,11d2と、接地部17cとが対向するように設けられている。
【0021】
そのため、実施形態の保線作業用警告灯1は、図1図7に示すように一対の脚部17,17を閉じて警告灯本体11の底面11dに収納したまま底面11dをマクラギや砕石等の軌道上に接地させて使用することもできるし、図8に示すように一対の脚部17,17を開いて警告灯本体11の底面11dから下方に向け突出させ、一対の脚部17,17それぞれの接地部17c,17cをマクラギや砕石等の軌道上に接地させて使用することもできる。
【0022】
<実施形態の保線作業用警告灯1の使用方法および効果等>
次に以上のように構成された実施形態の保線作業用警告灯1の使用方法および効果等について説明する。
【0023】
図9は、以上のように構成された実施形態の保線作業用警告灯1の設置例を示す平面図である。
例えば、図9に示すように、レールRの長手方向における作業エリアの両端部である先端部のマクラギM1と、後端部のマクラギM2とにそれぞれ実施形態の保線作業用警告灯1を設置する。その際、保線作業用警告灯1は、マクラギM1およびマクラギM2の中央であって、かつ、左右の一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fが、それぞれ左右のレールRに対向するように設置する。
【0024】
その際、必要あれば、図8に示すように、警告灯本体11の底面11dから折り畳まれている一対の脚部17,17を開いて、一対の脚部17,17それぞれの接地部17c,17cをマクラギM1とマクラギM2上に設置するようにしても良い。
【0025】
そしてマクラギM1とマクラギM2上に設置された各警告灯本体11にて電源スイッチ15が押されると、回路基板11gは、電源スイッチ15のオンによって電池11hから左右の人感センサ12へ電源電流を供給して作動させる。
【0026】
人感センサ12は、保線作業用警告灯1の右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fに設けられており、左右の人感センサ12,12の上にはそれぞれ縦長形状のスリット14aを有するキャップ14が設けられているため、図9に示すようにレールRの長手方向には人感センサ12からのセンサ範囲SAが広がらないように、図10に示すように保線作業用警告灯1が設置されたマクラギM1とマクラギM2の上から斜め上方に向かって保線作業員の検知を行う。
【0027】
そのため、作業者が作業エリアの両端部であるマクラギM1とマクラギM2との間の作業エリア外に誤って出ようとすると、マクラギM1とマクラギM2と設置された保線作業用警告灯1の人感センサ12が反応して保線作業員を検知して、その検知信号を回路基板11gへ出力する。
【0028】
回路基板11gは、人感センサ12が保線作業員を検知すると、電池11hから報知手段であるパトライト13へ電源電流を供給してパトライト13を点灯や点滅、消灯等の人感センサ12が保線作業員を検知しない時と状態を変えて、保線作業員が作業エリア外へ通過しそうになったことを報知する。
【0029】
例えば、人感センサ12が保線作業員を検知しない時にパトライト13が消灯している場合は、人感センサ12が保線作業員を検知した時にパトライト13を点灯や点滅させる。また、人感センサ12が保線作業員を検知しない時にパトライト13が単に点灯している場合は、人感センサ12が保線作業員を検知した時にパトライト13を点滅させたり、さらに検知しない時より明るく点灯したり、消灯したり、点灯色を変えて点灯や点滅する等、保線作業員を検知しない時と状態を変えて、保線作業員が作業エリア外へ通過しそうになったことを報知する。
【0030】
すると、保線作業員は、パトライト13の状態の変更によって保線作業員が作業エリア外へ通過したことを認識することができるので、保線作業員が誤って作業エリア外に出ることを確実に防止することができると共に、作業エリア外に作業道具を置き忘れることも確実に防止することができる。
【0031】
その後、保線作業員はリセットスイッチ16を押せば、パトライト13の点灯または点滅等の動作がリセットされるので、人感センサ12が保線作業員を検知していない状態に戻すことができる。
【0032】
従って、実施形態の保線作業用警告灯1によれば、保線作業員は、パトライト13の点灯または点滅等による報知によって、保線作業員が誤って作業エリア外に出ることを確実に防止することができ、作業エリア外に作業道具を置き忘れることも確実に防止することができる。
【0033】
特に、実施形態の保線作業用警告灯1は、マクラギや砕石の上等の軌道上の低い箇所に直接設置しても、警告灯本体11は、正面視、両端部から中心に向かって傾斜する斜め上向きの一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fを有し、人感センサ12は、それぞれ、一対の傾斜面である右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fに設け、斜め上方に向かってセンサ光を放射するため、確実に作業員を検知することができる。
【0034】
また、実施形態の保線作業用警告灯1では、右側傾斜面11eおよび左側傾斜面11fには、それぞれ、人感センサ12の検知エリアがなるべくレールの長手方向に広がらないように縦長形状のスリット14aを有するキャップ14を設けたため、人感センサ12による保線作業員の誤検出を減少させることができると共に、軌道上の同じ長さの保線作業エリアの両端部にそれぞれ保線作業用警告灯1を設置する場合でも、保線作業用警告灯1,1間の距離を短くすることができるので、保線作業用警告灯1の設置作業の負担も軽減することができる。
【0035】
また、実施形態の保線作業用警告灯1では、電源スイッチ15以外に、人感センサ12が保線作業員を検知して報知手段としてのパトライト13が点灯、点滅、消灯あるいは点灯色を変える等、前記人感センサが保線作業員を検知しない時と状態を変えて報知した場合、その報知をリセットして人感センサ12が保線作業員を検知していない状態に戻すリセットスイッチ16も設けたため、人感センサ12が保線作業員を検知してパトライト13が警告した場合でも、電源スイッチ15でオフおよびオンすることなく、リセットスイッチ16を押下するだけでその警告状態をリセットできるので、保線作業の作業効率を向上させることができる。
【0036】
特に、実施形態の保線作業用警告灯1では、リセットスイッチ16や電源スイッチ15は人感センサ12の直ぐ横に並列して斜め上方を向いた右側傾斜面11eに設けられており、人感センサ12が保線作業員を検知してパトライト13の点灯や点滅等した場合、パトライト13の光が照射される範囲に設けられているので、夜間の保線作業時でもリセットスイッチ16の位置を確認し易く、この点でも保線作業の作業効率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明に係る保線作業用警告灯1では、さらに、警告灯本体11には、折り畳み可能な開閉式の一対の脚部17,17が設けられているため、マクラギや砕石の上等の軌道上の低い箇所に直接設置する場合に、高さを高く設定することができると共に、使用しない場合には一対の脚部17,17を警告灯本体11の底面11dに収容することができる。
【0038】
そのため、一対の脚部17,17を拡げてマクラギや砕石の上等の軌道上に設置することによって、拡げた一対の脚部17,17の高さの分だけ人感センサ12の高さも高い位置に設置することが可能となるので、人感センサ12によって保線作業員を確実に検知して保線作業員が誤って作業エリア外に出ることを確実に防止することができ、作業エリア外に作業道具を置き忘れることも確実に防止することができると共に、使用しない場合には一対の脚部17,17を閉じて警告灯本体11の底面11dに収容することにより、保線作業用警告灯1全体を小型化することができるので、保管スペースを削減できると共に、運搬も容易にすることができる。
【0039】
尚、上記実施形態では、警告灯本体11の上側面11cに報知手段としてパトライト13を設けて説明したが、本発明では、これに限らず、図11図13に示すように、警告灯本体11の例えば前側面11a等に孔を開けて報知手段としてのLED13’等を埋め込み、人感センサ12が保線作業員を検知した際、LED13’がパトライト13と同様に点灯や、点滅、消灯あるいは色を変えて点灯すること等によって人感センサ12のセンサ範囲を保線作業員が通過したことを報知するように構成しても勿論良い。
【符号の説明】
【0040】
1 保線作業用警告灯
11 警告灯本体
11a 前側面
11b 後側面
11c 上側面
11d 底面
11d1 電池交換用裏蓋
11d2 脚支持金具
11e 右側傾斜面
11f 左側傾斜面
11g 回路基板
11h 電池
12 人感センサ
13 パトライト(報知手段)
13’ LED(報知手段)
14 センサキャップ
14a スリット
15 電源スイッチ
16 リセットスイッチ
17 脚部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13