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  • 特許-洗浄装置 図1
  • 特許-洗浄装置 図2
  • 特許-洗浄装置 図3
  • 特許-洗浄装置 図4
  • 特許-洗浄装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
B08B3/02 E
B08B3/02 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2016228585
(22)【出願日】2016-11-25
(65)【公開番号】P2018083167
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-08-22
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】597095120
【氏名又は名称】株式会社岡常歯車製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 浩治
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】木戸 優華
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-138530(JP,A)
【文献】特開2015-100782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水が外部から供給される貯水用タンク(4)と、該タンク(4)内の水(W)を外部の洗浄ガン(8)に圧送するポンプ(2)と、該ポンプ(2)を回転駆動するエンジン(3)とを、箱体(1)内に設けた洗浄装置に於て、
上記タンク(4)に水道水を供給する給水管(10)は、上記エンジン(3)の少なくとも高温部位(3A)とは直に接することなくかつ高温部位(3A)に接近対向して包囲状に配設された螺旋状パイプ部(15)を有し、上記ポンプ(2)が回転するポンプ稼働状態下で、上記高温部位(3A)からの放射熱を、該高温部位(3A)に接近対向した上記螺旋状パイプ部(15)によって、受け、該螺旋状パイプ部(15)を流れる水道水の昇温によって熱量を吸収して、該水道水をタンク(4)に供給すると共に
上記ポンプ(2)は、該タンク(4)内の水(W)を上記洗浄ガン(8)に圧送して該洗浄ガン(8)から噴射させて、
上記箱体(1)内の空気が高温となるのを抑制するように構成した
ことを特徴とする洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン及びエンジンによって回転駆動されるポンプを、箱体内に収容して、ポンプにより箱体外部の洗浄ガンへ水を圧送して噴射ノズルから洗浄水を噴射する洗浄装置があった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-297789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の洗浄装置は、ポンプの稼働時にエンジンで発生する熱によって、箱体内が高温になってしまう虞れがある。そのまま運転を続けると、エンジンのオーバーヒートや、高熱によってエンジンオイルが早期に劣化するという問題が発生する。
一般的に、自動車のエンジンには、ラジエータ(冷却装置)が設けられているが、特許文献1記載のような洗浄装置は、走行して風を受けるものではないので、ラジエータを付設しても、その冷却効果が得られなかった。
【0005】
そこで、本発明は、水道から供給される水道水を利用して、箱体内が高温となるのを抑制できる洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄装置は、水道水が外部から供給される貯水用タンクと、該タンク内の水を外部の洗浄ガンに圧送するポンプと、該ポンプを回転駆動するエンジンとを、箱体内に設けた洗浄装置に於て、上記タンクに水道水を供給する給水管は、上記エンジンの少なくとも高温部位とは直に接することなくかつ高温部位に接近対向して包囲状に配設された螺旋状パイプ部を有し、上記ポンプが回転するポンプ稼働状態下で、上記高温部位からの放射熱を、該高温部位に接近対向した上記螺旋状パイプ部に、受けて、該螺旋状パイプ部を流れる水道水の昇温によって熱量を吸収して、該水道水をタンクに供給すると共に、該タンク内の水上記洗浄ガンから噴射して、上記箱体内の空気が高温となるのを抑制するように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗浄装置によれば、外部からタンクに供給される水道水が給水管に流れることで、エンジンの高温部位から熱を奪って、洗浄ガンからの水の噴射によって排熱できる。
エンジンのオーバーヒートを防止でき、かつ、エンジンオイルの寿命を延ばすことができる。ラジエータが不要で、簡素な構造で、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の一形態を簡略化した全体構造の正面図である。
図2】要部断面正面図である。
図3】要部断面側面図である。
図4】要部拡大平面図である。
図5】本発明の洗浄装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示すように、本発明の洗浄装置は、自動車等の洗浄に使用されるものであって、貯水用タンク4と、タンク4内の水Wを吸い込んで洗浄ガン8に圧送するポンプ2と、ポンプ2を回転駆動するエンジン3とを、箱体1に内蔵(内設)している。
箱体1の給水接続口11に、水道の蛇口21に接続された可撓性ホース22が連結されており、給水接続口11とタンク4の入口は、箱体内給水管10によって連通連結されている。タンク4の入口には、定水位弁(ボールタップ)20が設けられている。定水位弁(ボールタップ)20は、タンク4内の水面が所定の高さを下回ると、開弁して、給水管10からタンク4に水道水が供給される。タンク4内の水面が所定の高さに戻ると、弁を閉じて、タンク4への水道水の供給が停止される。ポンプ2の下流側に設けられた圧送管12の吐出接続口13に、可撓性高圧ホース6を接続し、この高圧ホース6の先端に洗浄ガン8が連通連結されている。洗浄ガン8の先端には噴射ノズル9が設けられている。
【0010】
図2図4に示すように、箱体内給水管10は、エンジン3の少なくとも高温部位3Aに接近状に対向して配設されている。
エンジン3の高温部位3Aとは、上部に設けられたマフラー30や、上部側面に設けられた放熱(排熱)用フィン31を示している。エンジン3は、その出力軸がポンプ2の回転軸に連結され、ポンプ2を回転駆動する。なお、給水管10は、エンジン3の高温部位3Aとは直に接していない。
【0011】
給水管10は、エンジン3の高温部位3Aに包囲状に配設された螺旋状パイプ部15を有している。
螺旋状パイプ部15は、直径が10mm~25mmの金属製パイプを螺旋状に弯曲させて形成されている。図2図3では、螺旋状パイプ部15は、内外2重螺旋構造であって、弯曲したパイプどうしが相互に上下方向の隙間を空けて、この隙間から空気が通過し易く(外側から内側への風通しが良く)形成されている。
また、給水管10は、エンジン3の下部にも包囲状に設けられている。エンジン3の下部からは直接的な発熱が無いと予測されるが、上部の高温部位3Aからの熱伝導があるため、下部を含めたエンジン3全体を包囲する方が、効率が良く、好ましい。なお、給水管10は、上部の高温部位3Aに対向する部位(螺旋状パイプ部15)と、エンジン3の下部に対向する部位とが、エンジン3とポンプ2の連結部を避けるように、間隔を空けて形成されている。
【0012】
図5に示すように、箱体1は、直方体状であって、下部に複数のキャスター16を有し、手動走行可能である。洗浄ガン8に連結される可撓性高圧ホース6が、箱体1に外方延伸状に設けられている。箱体1は、エンジン3の吸気口又はフィン31に対応する箇所に、外部から空気を取り込むための開口孔部14が形成されている。開口孔部14には、ルーバーが設けられている。この開口孔部14に対応する箱体1の壁面内部に、送風ファンを付設しても良い。この開口孔部14から自然吸気にて、又は、送風ファンによる吸気によって、外部の空気を取り込んで、エンジン3の吸気口やフィン31に供給している。
【0013】
上述した本発明の洗浄装置の使用方法(作用)について説明する。
図1に示すように、エンジン3によってポンプ2が回転駆動されて、洗浄ガン8の先端の噴射ノズル9から水W(洗浄水)が噴射する。このポンプ稼働状態下で、タンク4に給水管10から水道水が供給される。この際、給水管10は、エンジン3の高温部位3Aからの放射熱(輻射熱)を、高温部位3Aに接近対向する螺旋状パイプ部15に受けて、螺旋状パイプ部15を流れる水道水の昇温によって熱量を吸収しつつ、水道水がタンク4に流入する。即ち、給水管10は、エンジン3の周囲から熱(雰囲気熱)を回収し、水道水と共に熱量をタンク4に搬送する。タンク4の水Wと共に蓄えられた熱量は、洗浄ガン8から水W(洗浄水)の噴射によって、排熱される。このようにして、ポンプ2の稼働に伴ってエンジン3で発生する熱を箱体1外へ排出し、箱体1内の空気が高温になるのを抑制する。
【0014】
図2に示すように、箱体1の外部から開口孔部14を通過した風Zが、エンジン3の吸気口やフィン31に向けて吹き込んで、エンジン3を冷却する。給水管10(螺旋状パイプ部15)は、外側から内側への風通しが良く、風Zの流れを遮ることなく、箱体1外部から取り込んだ比較的低温の空気が、風Zに乗ってスムーズにエンジン3の吸気口やフィン31に供給される
【0015】
上のように、本発明に係る洗浄装置は、水道水が外部から供給される貯水用タンク4と、該タンク4内の水Wを外部の洗浄ガン8に圧送するポンプ2と、該ポンプ2を回転駆動するエンジン3とを、箱体1内に設けた洗浄装置に於て、上記タンク4に水道水を供給する給水管10が、上記エンジン3の少なくとも高温部位3Aに接近状に対向して配設されているので、外部からタンク4に供給される水道水が給水管10に流れることで、エンジン3の高温部位3Aから熱を奪って、洗浄ガン8からの水Wの噴射によって排熱できる。エンジン3のオーバーヒートを防止でき、かつ、エンジンオイルの寿命を延ばすことができる。ラジエータが不要で、簡素な構造で、コストを低減できる。自動車等の洗浄に使用するための水Wを利用して、エンジン3の高温部位3Aを冷却でき、無駄が無い。
【0016】
また、上記ポンプ2が回転するポンプ稼働状態下で、上記高温部位3Aの熱を、上記給水管10を流れる水道水の昇温によって吸収して、上記タンク4に供給されると共に、該タンク4内の水Wが上記洗浄ガン8から噴射されて、上記箱体1内の空気が高温となるのを抑制するように構成されているので、高温部位3Aの放射熱(輻射熱)を、給水管10の高温部位3Aに対向する部位(螺旋状パイプ部15)にて確実に受けて、エンジン3の周囲から熱(雰囲気熱)を取り除くことができる。タンク4に水Wと共に蓄えられた熱量を、洗浄ガン8から水W(洗浄水)の噴射によって、箱体1の外部へ排出できる。
【0017】
また、上記給水管10は、上記エンジン3の上記高温部位3Aに包囲状に配設された螺旋状パイプ部15を有しているので、エンジン3の高温部位3Aから放射熱(輻射熱)を受けて、効率よく熱を回収することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 箱体
2 ポンプ
3 エンジン
3A 高温部位
4 タンク
8 洗浄ガン
10 給水管
15 螺旋状パイプ部
W 水
図1
図2
図3
図4
図5