(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】棚板固定装置
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20220204BHJP
A47F 5/10 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A47F5/00 C
A47F5/10 A
(21)【出願番号】P 2017088540
(22)【出願日】2017-04-27
【審査請求日】2020-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】593006010
【氏名又は名称】株式会社ロイヤル
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【氏名又は名称】鳥居 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】嘉見 哲志
【審査官】関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3103885(JP,U)
【文献】登録実用新案第3187045(JP,U)
【文献】特開平11-148505(JP,A)
【文献】特開2008-241019(JP,A)
【文献】国際公開第2016/072170(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下多段にスリットが設けられたサポート部材と、前記スリットに挿入される係止フックを有し、前記サポート部材に片持ち支持されるブラケットと、前記ブラケットに水平方向に折り曲げられて設けられた棚板支持片と、前記棚板支持片上に載置される棚板と、前記棚板の棚板支持片側に設けられたダボ穴と、を有し、前記棚板支持片に装着され、前記ダボ穴に嵌め込まれる棚板固定装置であって、
前記棚板固定装置は、複数に分割された固定ピースと、前記固定ピースの外周に設けられ、前記ダボ穴の内周と当接する当接部と、前記固定ピースの外周に設けられた係合溝と係合するOリングと、前記固定ピースの内周面に設けられた嵌合溝と、前記嵌合溝の先端部に設けられたテーパー状の凹部と、頭部に前記凹部と当接するテーパー面を有し前記嵌合溝に嵌め込まれるシャフトと、前記シャフトの下端部に回動自在に取り付けられた作用クリップと、前記作用クリップの回動により前記シャフトを上下させるカム機構と、を備え、前記シャフトを前記嵌合溝に嵌め込み、前記Oリングを前記係合溝と係合させ、前記シャフトに複数の固定ピースが取り付けられ、前記シャフトが下がると前記シャフト頭部のテーパー面と固定ピースの凹部との当接により、前記固定ピース
は、前記シャフトに対して前記嵌合溝の先端部から下端部まで径方向に拡がり、前記当接部が前記ダボ穴の内周面に圧接されることを特徴とする棚板固定装置。
【請求項2】
前記シャフトは前記作用クリップが取り付けられる下端部と、前記
頭部と下端部の間の胴部からなり、前記胴部を支持するテーパーワッシャーが前記作用クリップと前記固定ピースとの間に装着されることを特徴とする請求項1に記載の棚板固定装置。
【請求項3】
前記嵌合溝の下端部にテーパー状の第2の凹部が設けられ、前記テーパーワッシャーに前記第2の凹部と当接する一対の立ち上がり片が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の棚板固定装置。
【請求項4】
前記立ち上がり片間に前記シャフトの胴部が挿入されて支持されることを特徴とする請求項3に記載の棚板固定装置。
【請求項5】
前記胴部が挿入される切り欠き凹所と、前記棚板支持片を挟み込むクリップを有する固定金具を有し、前記棚板支持片と作用クリップの間に
前記固定金具が挿入されていることを特徴とする請求項
2~請求項4のいずれか1項に記載の棚板固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗等で用いられる陳列棚の棚板固定装置に係り、特に、木棚をブラケットに確実に固定することができる棚板固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前面に多数のスリットを設けたチャンネル鋼材からなるサポート部材が、所定の間隔を隔てて設けられた支柱等にねじ等により取り付けられ、左右のサポート部材のスリットに、ブラケット後端に設けられた下向きのL字型の係止フックを係止してブラケットを取り付け、このブラケット上に棚板を載置した陳列棚がある。
【0003】
上記棚板として木製の棚板を用いる場合には、ブラケットに水平方向に折り曲げられた棚板載置片を設け、この載置片に棚板を載置してビスにより棚板をブラケットに固定したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ビスでブラケットに一体に固定する場合には、棚板にかかる突き上げ力に対する抵抗力があり、棚板が脱落する虞がない。しかし、棚板の高さを変更する場合には、その都度、ビスを脱着する必要があり、棚板の高さ調整に手間がかかる。
【0005】
一方、
図39及び
図40に示すように、サポート部材102のスリット110に係止フックを挿入したブラケット111の棚板載置片121に固定用ダボ113を設け、棚板108に、この固定用ダボ113が嵌まり込むダボ穴118を設け、固定用ダボ113を棚板108のダボ穴118を嵌め込み、ブラケット111上に棚板を載置するものがある。
【0006】
このタイプのものでは、棚板108のダボ穴118から固定用ダボ113を外すことにより、棚板108をブラケット111から取り外すことができ、棚板108の高さ調整が容易に行える。しかしながら、棚板108に突き上げ力がかかると、棚板108が外れる虞がある。そこで、サポート部材のスリットに装着して、棚板を上側から抑えて棚板を固定する棚板固定装置がある(特許文献2参照)。棚板固定装置を取り付けた陳列棚につき、
図41及び
図42を参照して説明する。
【0007】
例えば、
図41の陳列棚の斜視図に示すように、壁面101に適当な間隔を置いてチャンネル鋼材などからなるサポート部材102を、タップねじ103を用いて固定する。なお、壁面101に直接サポート部材102を取り付けるのではなく、支柱を適当な間隔を置いて設置し、支柱にサポート部材102を、タップねじ103を用いて固定する場合もある。そして、サポート部材102間には必要に応じてバックボードが取り付けられる。
【0008】
サポート部材102は、上下多段のスリット110が設けられていると共に、スリット110内部に挿入されたブラケット111の係止フックが上下に移動できる縦溝が設けられている。
【0009】
サポート部材102のスリット110は、縦長の各長孔に形成され、その幅は係止フックの挿抜を容易にするために、ブラケット111の板厚よりも若干大きくしている。
【0010】
図42の側面図に示すように、サポート部材102に係止されたブラケット111の上にガラス板等からなる棚板108が載置される。そして、棚板108の上部に位置するサポート部材102のスリット110に、この発明の棚板固定装置120が装着され、棚板固定装置120とブラケット2の間で棚板108を挟み込み、棚板108の跳ね上がりを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2002-345609号公報
【文献】特開2015-29644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記した棚板固定装置を用いれば、棚板の跳ね上がりが防止され、棚板の脱落を防止することができる。しかしながら、特許文献2のものでは、棚板の上に棚板固定装置が取り付けられているので、その分、棚板上の商品等が載置できる面積を犠牲にすることになる。
【0013】
この発明は、棚板上の商品等が載置できる面積を犠牲にすることなく、棚板を確実に固定することができる棚板固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、上下多段にスリットが設けられたサポート部材と、前記スリットに挿入される係止フックを有し、前記サポート部材に片持ち支持されるブラケットと、前記ブラケットに水平方向に折り曲げられて設けられた棚板支持片と、前記棚板支持片上に載置される棚板と、前記棚板の棚板支持片側に設けられたダボ穴と、を有し、前記棚板支持片に装着され、前記ダボ穴に嵌め込まれる棚板固定装置であって、前記棚板固定装置は、複数に分割された固定ピースと、前記固定ピースの外周に設けられ、前記ダボ穴の内周と当接する当接部と、前記固定ピースの外周に設けられた係合溝と係合するOリングと、前記固定ピースの内周面に設けられた嵌合溝と、前記嵌合溝の先端部に設けられたテーパー状の凹部と、頭部に前記凹部と当接するテーパー面を有し前記嵌合溝に嵌め込まれるシャフトと、前記シャフトの下端部に回動自在に取り付けられた作用クリップと、前記作用クリップの回動により前記シャフトを上下させるカム機構と、を備え、前記シャフトを前記嵌合溝に嵌め込み、前記Oリングを前記係合溝と係合させ、前記シャフトに複数の固定ピースが取り付けられ、前記シャフトが下がると前記シャフト頭部のテーパー面と固定ピースの凹部との当接により、前記固定ピースは、前記シャフトに対して前記嵌合溝の先端部から下端部まで径方向に拡がり、前記当接部が前記ダボ穴の内周面に圧接されることを特徴とする。
【0015】
また、前記シャフトは前記作用クリップが取り付けられる下端部と、前記頭部と下端部の間の胴部からなり、前記胴部を支持するテーパーワッシャーが前記作用クリップと前記固定ピースとの間に装着されるように構成できる。
【0016】
また、前記嵌合溝の下端部にテーパー状の第2の凹部が設けられ、前記テーパーワッシャーに前記第2の凹部と当接する一対の立ち上がり片が設けられている。
【0017】
前記立ち上がり片間に前記シャフトの胴部が挿入されて支持すればよい。
【0018】
また、前記胴部が挿入される切り欠き凹所と、前記棚板支持片を挟み込むクリップを有する固定金具を有し、前記棚板支持片と作用クリップの間に固定金具を挿入するとよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明は、作用クリップの回動により、固定ピースを棚板のダボ穴の内周に圧接又は離間させることができるので、棚板の固定を確実に行うと共に解除が容易に行える。また、棚板固定装置は、棚板の下に配置されるので、棚板上には、邪魔になるものを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、開放状態を示している。
【
図2】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、開放状態を示している。
【
図3】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の上面図である。
【
図5】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の横断面図である。
【
図6】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置に用いられるテーパーワッシャーを示す平面図である。
【
図7】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、ロック状態を示している。
【
図8】この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置のロック状態を示す縦断面図である。
【
図9】この発明に用いられるブラケットを示す斜視図である。
【
図10】ブラケットの棚板載置片に棚板固定装置を差し込んだ状態を示す斜視図である。
【
図11】ブラケットの先端側の棚板載置片に棚板固定装置を差し込んだ状態を示す斜視図である。
【
図12】ブラケットの先端側の棚板載置片に棚板固定装置を差し込んだ状態を示す側面図である。
【
図13】ブラケットの基端側の棚板載置片に棚板固定装置を差し込んだ状態を示す側面図である。
【
図14】固定板を棚板載置片に装着する状態を示す上面図である。
【
図15】固定板を棚板載置片に装着する状態を示す斜視図である。
【
図16】固定板を棚板載置片に装着する状態を示す側面図である。
【
図17】ブラケットの先端側の棚板載置片に棚板固定装置を装着した状態を示す斜視図である。
【
図18】ブラケットの基端側の棚板載置片に棚板固定装置を装着した状態を示す斜視図である。
【
図19】ブラケットに載置した棚板を棚板固定装置で固定した状態を示す斜視図である。
【
図20】ブラケットに載置した棚板のダボ穴に棚板固定装置を挿入した状態を示す説明図である。
【
図21】ブラケットに載置した棚板のダボ穴を棚板固定装置で固定した状態を示す説明図である。
【
図22】棚板固定装置を取り付けた陳列棚を示す斜視図である。
【
図23】この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、開放状態を示している。
【
図24】この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置の上面図である。
【
図26】この発明の第2実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、ロック状態を示している。
【
図27】この発明の第2実施形態にかかる棚板固定装置の上面図であり、ロック状態を示している。
【
図28】この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置のロック状態を示す縦断面図である。
【
図29】ブラケットの先端側に第2の実施形態にかかる棚板固定装置を装着した状態の斜視図である。
【
図30】ブラケットの基端側に第2の実施形態にかかる棚板固定装置を装着した状態の斜視図である。
【
図31】この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、開放状態を示している。
【
図32】この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置の上面図である。
【
図34】この発明の第3実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、ロック状態を示している。
【
図35】この発明の第3実施形態にかかる棚板固定装置の上面図であり、ロック状態を示している。
【
図36】この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置のロック状態を示す縦断面図である。
【
図37】ブラケット2の先端側に第3の実施形態にかかる棚板固定装置を装着した状態の斜視図である。
【
図38】ブラケット2の基端側に第3の実施形態にかかる棚板固定装置3aを装着した状態の斜視図である。
【
図39】固定ダボを取り付けたブラケットとサポート部材を示す斜視図である。
【
図40】棚板に設けたダボ穴に固定ダボを嵌め込んだ状態を示す説明図である。
【
図41】従来の棚板固定装置を用いた陳列棚を示す斜視図である。
【
図42】従来の棚板固定装置を用いた陳列棚を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0022】
棚板固定装置を取り付けた陳列棚につき、
図22を参照して説明する。
例えば、
図22の斜視図に示すように、壁面に適当な間隔を置いてチャンネル鋼材などからなるサポート部材1を、タップねじ(図示しない)を用いて固定する。なお、壁面に直接サポート部材1を取り付けるのではなく、支柱を適当な間隔を置いて設置し、支柱にサポート部材1を、タップねじを用いて固定する場合もある。そして、サポート部材1間には必要に応じてバックボードが取り付けられる。
【0023】
サポート部材1は、上下多段のスリット11が設けられていると共に、スリット11内部に挿入されたブラケット2の係止フック24が上下に移動できる縦溝13が設けられている。そして、ブラケット2の後端部には上下2段以上、この実施形態では3段のL字型の係止フック24が形成されている(
図9、
図13参照)。サポート部材1のスリット11に係止フック24が挿入され、ブラケット2を下げることにより、ブラケット2がサポート部材1に係止される。
【0024】
サポート部材1のスリット11は、縦長の長孔に形成され、その幅はブラケット2の係止フックの挿抜を容易にするために、ブラケット2の板厚よりも若干大きくしている。さらに、このブラケット2には、抜け止め具4が装着され、スリット11と係止フック24との間に抜け止め具4の一部41が入り込み、ブラケット2がサポート部材1より脱落することを防止している。
【0025】
図9に示すように、ブラケット2には、水平方向に折り曲げられた棚板載置片21が設けられている。この実施形態では、ブラケット2の先端側と基部側の2箇所に棚板載置片21が設けられている。
【0026】
棚板載置片21には、ビス穴22とこの発明の棚板固定装置3が取り付けられる小判穴23が設けられている。棚板固定装置3は、後述するように、小判穴23の長さ方向(e)に対して挿入可能な幅(f)を有する一辺とこの辺と直交し、小判穴23より大きな幅(g)を有する作用クリップ34を有する。棚板固定装置3は、小判穴23に作用クリップ34の幅の狭い側(f)から挿入し、90°回転させることにより、幅の広い(g)側が小判穴23に対向し、棚板載置片21から棚板固定装置3が抜けることなく取り付けられる。
【0027】
次に、この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置3について、
図1~
図8を参照して説明する。
図1及び
図2は、この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、開放状態を示している。
図3は、この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の上面図、
図4は
図3のIV-IV線断面図である。
図5は、横断面図、
図6は、この発明の棚板固定装置に用いられるテーパーワッシャーを示す平面図である。
図7は、この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置の斜視図であり、ロック状態を示している。
図8は、この発明の第1の実施形態にかかる棚板固定装置のロック状態を示す縦断面図である。
【0028】
棚板固定装置3は、円柱を2分割した固定ピース30、30を有している。この固定ピース30の外周には棚板に設けられたダボ穴の内周面と当接する当接部31と、弾性体からなるOリング37が嵌め込まれる係合溝32が設けられている。固定ピース30の中央部にはシャフト33が嵌まり込む矩形溝35が設けられている(
図4、
図5参照)。
【0029】
図4に示すように、この矩形溝35の先端部には、テーパー状の凹部30aが設けられている。この凹部30aは、先端側から軸方向の後端に向かうテーパー面が形成されている。また、矩形溝35の後端部にもテーパー状の凹部30bが設けられている。この凹部30bは、後端側から軸方向の先端に向かうテーパー面が形成されている。
【0030】
この実施形態では、シャフト33は板状の金属板を打ち抜き等により形成され、2枚のシャフト33を用いて、矩形溝35に嵌め込んでいる。
【0031】
矩形溝35に嵌め込まれるシャフト33の頭部33aは凹部30aと当接するテーパー面33b有する。シャフト33の下端部には、作用クリップ34を取り付けるための円板部33cが設けられている。この円板部33cの中央に設けられた33dに作用クリップ34を取り付けるための取り付けねじ5が挿通される。シャフト33の胴部33eが矩形溝35に嵌め込まれる。
図5に示すように、矩形溝35に一対のシャフト33、33が嵌め込まれる。
【0032】
一対のシャフト33は、テーパーワッシャー36により支持される。
図6に示すように、テーパーワッシャー36には、シャフト33の円板部33cが挿入される長穴36aと長穴36aと連通する矩形穴36cと矩形穴36cに対向して形成された一対の立ち上がり片36bが設けられている。長穴36aの長辺の長さ(a)は、円板部33cが挿入可能な大きさに形成され、長穴36aの長辺の長さ(b)はシャフト33の板厚より僅かに大きな大きさに形成されている。矩形穴36cの幅(c)は、シャフト33の胴部33eの幅と略同じ大きさに形成されている。矩形穴36cの奥行きは、一対のシャフト33、33の板厚の合計の厚さと略同じに形成されている。
【0033】
長穴36aからシャフト33を通し、矩形穴36cに一対のシャフト33が挿入される。そして、矩形穴36cから対向して立ち上がった一対の立ち上がり片36bでシャフト33の胴部33eを支持する。立ち上がり片36bは中央部に向けて斜めに傾斜され、立ち上がり片36bは固定ピース30の凹部30bと当接する傾斜面となっている。
【0034】
長穴36aからシャフト33を通し、一対のシャフト33の胴部33eを立ち上がり片36b間に移動させて対向する立ち上がり片36bで支持する。そして、2分割された固定ピース30の凹部30a、30bをシャフト33のテーパー面33bと立ち上がり片36bの傾斜面に合わせて、係合溝32にOリング37を嵌め込んでシャフト33に一対の固定ピース30が取り付けられる。
【0035】
シャフト33の下端部に設けられた円板部33cに取り付けねじ5により作用クリップ34が回動自在に取り付けられる。作用クリップ34は、対向するように折り曲げられた取り付け部34bが設けられている。取り付け部34bの間にシャフト33の円板部33cを挟み込み、取り付けねじ5により、シャフト33に作用クリップ34が取り付けられている。作用クリップ34の先端には、ベロ34aが設けられている。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3は棚板に形成されたダボ穴に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴には当接しない。
【0036】
作用クリップ34の取り付け部34bの固定ピース30側は、クリップ34を90°回転させることにより、固定金具7に当接して、シャフト33を上下に移動させるカム板の機能を有している。この作用クリップ34の取り付け部34bと後述する固定金具7と棚板載置片21がカム機構を構成する。
【0037】
図7及び
図8に示すように、作用クリップ34を90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態がロック状態である。作用クリップ34をベロ34aが横向く方向に回転させると、作用クリップ34のカム板の機能により、シャフト33は下がる。シャフト33が下がることにより、シャフト33のテーパー面33bにより、固定ピース30の凹部30aが押され、固定ピース30が径方向に拡がる。この固定ピース30
の径方向への拡がりは、棚板のダボ穴の内周面に当接部31がくい込み圧接する量になっている。
【0038】
次に、
図10~
図21に従い、この棚板固定装置3の取り付けについて説明する。
図10は、ブラケット2の棚板載置片21に棚板固定装置3を差し込んだ状態を示す斜視図、
図11は、ブラケット2の先端側の棚板載置片21に棚板固定装置3を差し込んだ状態を示す斜視図、
図12は、ブラケット2の先端側の棚板載置片21に棚板固定装置3を差し込んだ状態を示す側面図、
図13は、ブラケット2の基端側の棚板載置片21に棚板固定装置3を差し込んだ状態を示す側面図、
図14は、固定金具7を棚板載置片21に装着する状態を示す上面図、
図15は、固定金具7を棚板載置片21に装着する状態を示す斜視図、
図16は固定金具7を棚板載置片21に装着する状態を示す側面図、
図17は、ブラケット2の先端側の棚板載置片21に棚板固定装置3を装着した状態を示す斜視図、
図18は、ブラケット2の基端側の棚板載置片21に棚板固定装置3を装着した状態を示す斜視図、
図19は、ブラケット2に載置した棚板8を棚板固定装置3で固定した状態を示す斜視図、
図20は、ブラケット2に載置した棚板8のダボ穴81に棚板固定装置3を挿入した状態を示す説明図、
図21は、ブラケット2に載置した棚板8のダボ穴81を棚板固定装置3で固定した状態を示す説明図である。
【0039】
図1、
図9及び
図10~
図13に示すように、棚板固定装置3をブラケット2の棚板載置片21の小判穴23から挿入する。棚板固定装置3の作用クリップ34の一方の幅(f)は、小判穴23の長さ(e)より小さいので、棚板固定装置3の幅(f)方向と、小判穴23の(e)方向を合わせることにより、小判穴23に棚板固定装置3が挿入され、棚板載置片21の上面にテーパーワッシャー36が当接した状態で棚板固定装置3が支持される。
【0040】
その後、棚板固定装置3を90°回転させて、棚板載置片21上に棚板固定装置3を支持させる。この時、
図12及び
図13に示すように、棚板固定装置3のクリップ34のベロ34部分の曲がった部分が棚板載置片21側へ向かうように回転させる。
図12に示すように、ブラケット2の先端側に取り付けた棚板固定装置3は、図中矢印方向である先端側へクリップ34を回転させることになる。同様に、
図13に示すように、ブラケット2の基端側に取り付けた棚板固定装置3は、図中矢印方向であるサポート部材側へクリップ34を回転させることになる。小判穴23の幅(d)は、棚板固定装置3の作用クリップ34の他辺(g)より小さく形成されている。棚板固定装置3を90°回転させることにより、棚板固定装置3が小判穴23から抜けることがなくなる。
【0041】
続いて、
図14~
図16に示すように、棚板載置片21に棚板固定装置3を確実に固定するために、棚板載置片21と作用クリップ34の間に、固定金具7を差し込む。この固定金具7は、例えば、バネ材からなり、棚板載置片21を挟み込むクリップ72が設けられている。さらに、シャフト33が入り込む切り欠き凹所71が設けられている。
【0042】
固定金具7の切り欠き凹所71に棚板載置片21のシャフト33を挿入し、固定金具7を棚板載置片21と作用クリップ34の間に差し込み、作用クリップ34内に棚板載置片21を挿入して固定金具7が取り付けられる。作用クリップ34と棚板載置片21との間には固定金具7が介在し、作用クリップ34を回すと、作用クリップ34は固定金具7を介して棚板載置片21を押すことになり、カム機構として動作してシャフト33を上下に移動させる。
【0043】
図17及び
図18に示すように、作用クリップ34のベロ34aが下に向いている時には、固定ピース30は閉じた状態で、棚板のダボ穴に挿入可能な外径となっている。
【0044】
図20に示すように、棚板8に設けたダボ穴81に棚板固定装置3を差し込む。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3は棚板8に形成されたダボ穴81に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴81には当接しない。
【0045】
前述したように、作用クリップ34の固定ピース30側は、作用クリップ34を90°回転させることにより、固定金具7に当接して、シャフト33を下に移動させる。
【0046】
図19及び
図21に示すように、作用クリップ34を90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態になると、シャフト33は下がる。シャフト33が下がることにより、シャフト33のテーパー面33bにより、固定ピース30の凹部30aが押され、固定ピース30が径方向に拡がる。この固定ピース30が径方向に拡
がることにより、棚板8のダボ穴81の内周面に当接部31がくい込み、棚板8が棚板固定装置3に圧接固定される。
【0047】
棚板固定装置3で固定した状態では、棚板8にかかる突き上げ力に対する抵抗力があり、棚板8が脱落する虞がない。また、棚板固定装置3のくリップ34を回転させ、
図20に示す状態にすると、棚板8は棚板固定装置3から容易に外すことができ、棚板8の高さを変更も容易に行える。
【0048】
次に、この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aについて、
図23~
図30を参照して説明する。
図23は、この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aの斜視図であり、開放状態を示している。
図24は、この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aの上面図、
図25は
図24のV-V線断面図である。
図26は、この発明の第2実施形態にかかる棚板固定装置3aの斜視図であり、ロック状態を示している。
図27は、この発明の第2実施形態にかかる棚板固定装置3aの上面図であり、ロック状態を示している。
図28は、この発明の第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aのロック状態を示す縦断面図である。
図29は、ブラケット2の先端側に第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aを装着した状態の斜視図、
図29は、ブラケット2の基端側に第2の実施形態にかかる棚板固定装置3aを装着した状態の斜視図である。
【0049】
棚板固定装置3aは、円柱を3分割した固定ピース30、30、30を有している。この固定ピース30の外周には棚板に設けられたダボ穴の内周面と当接する当接部31と、弾性体からなるOリング37が嵌め込まれる係合溝32が設けられている。固定ピース30の中央部にはシャフト33が嵌まり込む円溝35aが設けられている(
図25参照)。
【0050】
図25に示すように、この円溝35aの先端部には、テーパー状の凹部30aaが設けられている。この凹部30aaは、先端側から軸方向の後端に向かうすり鉢状のテーパー面が形成されている。また、円溝35aの後端部にテーパー状の凹部30abが設けられている。この凹部30abは、後端側から軸方向の先端に向かうすり鉢状のテーパー面が形成されている。
【0051】
この第2の実施形態では、シャフト33sは棒状の一本のシャフトを用いている。
【0052】
円溝35aに嵌め込まれるシャフト33sの頭部33aは凹部30aaと当接するテーパー面33ab有する。シャフト33sの下端部には、作用クリップ34を取り付けるための穴33sdが設けられている。この穴33sdに作用クリップ34を取り付けるための取り付けねじ5が挿通される。シャフト33sの胴部33seが円溝35aに嵌め込まれる。
図25に示すように、円溝35aに棒状のシャフト33sが嵌め込まれる。
【0053】
このシャフト33sは、第1の実施形態と同様、
図6に示すテーパーワッシャー36により支持される。テーパーワッシャー36には、シャフト33sの胴部33seが挿入される長穴36aと長穴36aと連通する矩形穴36cと矩形穴36cに対向して形成された一対の立ち上がり片36bが設けられている。長穴36aは、胴部33seが挿入可能な大きさに形成され、長穴36aの幅はシャフト33sの直径より僅かに大きな大きさに形成されている。矩形穴36cは、シャフト33sの胴部33seの直径と略同じ大きさに形成されている。矩形穴36cの奥行きはシャフト33sの胴部33seの直径と略同じに形成されている。
【0054】
長穴36aからシャフト33sを通し、矩形穴36cにシャフト33sが挿入される。そして、矩形穴36cから対向して立ち上がった一対の立ち上がり片36bでシャフト33sの胴部33seを支持する。立ち上がり片36bは中央部に向けて斜めに傾斜され、立ち上がり片36bは固定ピース30の凹部30abと当接する傾斜面となっている。
【0055】
長穴36aからシャフト33sを通し、シャフト33sの胴部33seを立ち上がり片36b間に移動させて対向する立ち上がり片36bで支持する。そして、3分割された固定ピース30aの凹部30aa、30abをシャフト33sのテーパー面33abと立ち上がり片36bの傾斜面に合わせて、係合溝32にOリング37を嵌め込んでシャフト33sに3分割の固定ピース30が取り付けられる。
【0056】
シャフト33sの下端部に設けられた穴33sdに取り付けねじ5により作用クリップ34が取り付けられる。作用クリップ34は、対向するように折り曲げられた取り付け部34bが設けられている。取り付け部34bの間にシャフト33sの胴部33seを挟み込み、取り付けねじ5により、シャフト33に作用クリップ34が取り付けられている。作用クリップ34の先端には、ベロ34aが設けられている。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3は棚板に形成されたダボ穴に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴には当接しない。
【0057】
第1の実施形態と同様に、作用クリップ34の取り付け部34bの固定ピース30側は、作用クリップ34を90°回転させることにより、固定金具7に当接して、シャフト33sを下に移動させるカム板の機能を有している。
【0058】
図28に示すように、作用クリップ34を90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態がロック状態である。作用クリップ34をベロ34aが横向く方向に回転させると、作用クリップ34のカム板の機能により、シャフト33sは下がる。シャフト33sが下がることにより、シャフト33sのテーパー面33abにより、固定ピース30の凹部30aaが押され、固定ピース30が径方向に拡がる。この固定ピース30が径方向への拡がりは、棚板のダボ穴の内周面に当接部31がくい込む量になっている。
【0059】
第1の実施形態と同様に、棚板固定装置3aをブラケット2の棚板載置片21の小判穴23から挿入し、棚板固定装置3aを90°回転させて、棚板載置片21上に棚板固定装置3を支持させる。
【0060】
続いて、棚板載置片21に棚板固定装置3aを確実に固定するために、固定金具7を棚板載置片21と作用クリップ34の間に差し込む。
【0061】
固定金具7の切り欠き凹所71に、棚板固定装置3aのシャフト33sを挿入し、固定金具7を棚板載置片21と作用クリップ34の間に差し込み、クリップ72内に棚板載置片21を挿入して固定金具7を棚板載置片21に取り付ける。作用クリップ34と棚板載置片21との間には固定金具7が介在し、作用クリップ34を棚板載置片21の方向へ回すと、作用クリップ34の取り付け部34bは固定金具7を介して棚板載置片21を押すことになる。
【0062】
作用クリップ34のベロ34aが下に向いている時には、固定ピース30は閉じた状態で、棚板のダボ穴に挿入可能な外径となっている。
【0063】
このように、ブラケット2の棚板載置片21に棚板固定装置3aを取り付け、第1の実施形態と同様に、棚板8に設けたダボ穴81に棚板固定装置3aを差し込む。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3aは棚板8に形成されたダボ穴81に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴81には当接しない。
【0064】
作用クリップ34を棚板載置片21方向へ90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態になると、シャフト33sは一番下まで下がる。シャフト33sが下がることにより、シャフト33sのテーパー面33abにより、固定ピース30の凹部30aaが押され、固定ピース30が径方向に最大に拡がる。この固定ピース30が径方向へ拡がることにより、棚板8のダボ穴81の内周面に固定ピース30の当接部31がくい込み、棚板8が棚板固定装置3aに固定される。
【0065】
次に、この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bについて、
図31~
図39を参照して説明する。
図31は、この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bの斜視図であり、開放状態を示している。
図32は、この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bの上面図、
図33は
図32のVI-VI線断面図である。
図34は、この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bの斜視図であり、ロック状態を示している。
図35は、この発明の第3実施形態にかかる棚板固定装置3bの上面図であり、ロック状態を示している。
図36は、この発明の第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bのロック状態を示す縦断面図である。
図37は、ブラケット2の先端側に第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bを装着した状態の斜視図、
図38は、ブラケット2の基端側に第3の実施形態にかかる棚板固定装置3bを装着した状態の斜視図である。
【0066】
棚板固定装置3bは、円柱を4分割した固定ピース30、30、30、30を有している。この固定ピース30の外周には棚板に設けられたダボ穴の内周面と当接する当接部31と、弾性体からなるOリング37が嵌め込まれる係合溝32が設けられている。固定ピース30の中央部にはシャフト33sが嵌まり込む円溝35baが設けられている(
図33参照)。
【0067】
図33に示すように、この円溝35baの先端部には、テーパー状の凹部30baが設けられている。この凹部30baは、先端側から軸方向の後端に向かうすり鉢状のテーパー面が形成されている。また、円溝35baの後端部にテーパー状の凹部30bbが設けられている。この凹部30bbは、後端側から軸方向の先端に向かうすり鉢状のテーパー面が形成されている。
【0068】
この第3の実施形態では、シャフト33sは棒状の一本のシャフトを用いている。
【0069】
円溝35baに嵌め込まれるシャフト33sの頭部33aは凹部30baと当接するテーパー面33ab有する。シャフト33sの下端部には、作用クリップ34を取り付けるための穴33sdが設けられている。この穴33adに作用クリップ34を取り付けるための取り付けねじ5が挿通される。シャフト33sの胴部33seが円溝35baに嵌め込まれる。
図33に示すように、円溝35baに棒状のシャフト33sが嵌め込まれる。
【0070】
このシャフト33sは、第1、第2の実施形態と同様に、
図6に示すテーパーワッシャー36により支持される。テーパーワッシャー36には、シャフト33sの胴部33seが挿入される長穴36aと長穴36aと連通する矩形穴36cと矩形穴36cに対向して形成された一対の立ち上がり片36bが設けられている。長穴36aは、胴部33seが挿入可能な大きさに形成され、長穴36aの幅はシャフト33sの直径より僅かに大きな大きさに形成されている。矩形穴36cは、シャフト33sの胴部33seの直径と略同じ大きさに形成されている。矩形穴36cの奥行きはシャフト33sの胴部33seの直径と略同じに形成されている。
【0071】
長穴36aからシャフト33sを通し、矩形穴36cにシャフト33sが挿入される。そして、矩形穴36cから対向して立ち上がった一対の立ち上がり片36bでシャフト33sの胴部33seを支持する。立ち上がり片36bは中央部に向けて斜めに傾斜され、立ち上がり片36bは固定ピース30の凹部30bbと当接する傾斜面となっている。
【0072】
長穴36aからシャフト33sを通し、シャフト33sの胴部33seを立ち上がり片36b間に移動させて対向する立ち上がり片36bで支持する。そして、3分割された固定ピース30の凹部30ba、30bbをシャフト33sのテーパー面33abと立ち上がり片36bの傾斜面に合わせて、係合溝32にOリング37を嵌め込んでシャフト33sに3分割の固定ピース30が取り付けられる。
【0073】
シャフト33sの下端部に設けられた穴33sdに取り付けねじ5により作用クリップ34が取り付けられる。作用クリップ34は、対向するように折り曲げられた取り付け部34bが設けられている。取り付け部34bの間にシャフト33sの胴部33seを挟み込み、取り付けねじ5により、シャフト33sに作用クリップ34が取り付けられている。作用クリップ34の先端には、ベロ34aが設けられている。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3bは棚板に形成されたダボ穴に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴には当接しない。
【0074】
第1、第2の実施形態と同様に、作用クリップ34の取り付け部34bの固定ピース30側は、作用クリップ34を90°回転させることにより、固定金具7に当接して、シャフト33sを下に移動させるカム板の機能を有している。
【0075】
図34に示すように、作用クリップ34を90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態がロック状態である。作用クリップ34をベロ34aが横向く方向に回転させると、作用クリップ34のカム板の機能により、シャフト33sは下がる。シャフト33sが下がることにより、シャフト33sのテーパー面33abにより、固定ピース30の凹部30baが押され、固定ピース30が径方向に拡がる。この固定ピース30が径方向への拡がりは、棚板のダボ穴の内周面に当接部31がくい込む量になっている。
【0076】
第1、第2の実施形態と同様に、棚板固定装置3bをブラケット2の棚板載置片21の小判穴23から挿入し、棚板固定装置3bを90°回転させて、棚板載置片21上に棚板固定装置3bを支持させる。
【0077】
続いて、棚板載置片21に棚板固定装置3bを確実に固定するために、固定金具7を棚板載置片21と作用クリップ34の間に差し込む。
【0078】
固定金具7の切り欠き凹所71に、棚板固定装置3bのシャフト33sを挿入し、固定金具7を棚板載置片21と作用クリップ34の間に差し込み、クリップ72内に棚板載置片21を挿入して固定金具7を棚板載置片21に取り付ける。作用クリップ34と棚板載置片21との間には固定金具7が介在し、作用クリップ34を棚板載置片21の方向へ回すと、作用クリップ34の取り付け部34bは固定金具7を介して棚板載置片21を押すことになる。
【0079】
作用クリップ34のベロ34aが下に向いている時には、固定ピース30は閉じた状態で、棚板のダボ穴に挿入可能な外径となっている。
【0080】
このように、ブラケット2の棚板載置片21に棚板固定装置3bを取り付け、第1、第2の実施形態と同様に、棚板8に設けたダボ穴81に棚板固定装置3bを差し込む。このベロ34aが下に向いている時には、棚板固定装置3aは棚板8に形成されたダボ穴81に対して開放状態となっている。この状態では、固定ピース30の当接部31はダボ穴81には当接しない。
【0081】
作用クリップ34を棚板載置片21方向へ90°回転させ、作用クリップ34をロックする。作用クリップ34のベロ34aが横に向いた状態になると、シャフト33sは一番下まで下がる。シャフト33sが下がることにより、シャフト33のテーパー面33abにより、固定ピース30の凹部30baが押され、固定ピース30が径方向に最大に拡がる。この固定ピース30が径方向へ拡がることにより、棚板8のダボ穴81の内周面に固定ピース30の当接部31がくい込み、棚板8が棚板固定装置3に固定される。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 :サポート部材
2 :ブラケット
3 :棚板固定装置
4 :抜け止め具
5 :取り付けねじ
7 :固定金具
8 :棚板
11 :スリット
13 :縦溝
21 :棚板載置片
22 :ビス穴
23 :小判穴
24 :係止フック
30 :固定ピース
30a :凹部
30b :凹部
31 :当接部
32 :係合溝
33 :シャフト
33a :頭部
33ab :テーパー面
33ad :穴
33b :テーパー面
33c :円板部
33e :胴部
34 :作用クリップ
34a :ベロ
34b :取り付け部
35 :矩形溝
35a :円溝
35ba :円溝
36 :テーパーワッシャー
36b :立ち上がり片
37 :Oリング
81 :ダボ穴