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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】送風装置および空調衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20220204BHJP
   A41D 13/005 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D13/005 103
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020186511
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2020-11-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518369350
【氏名又は名称】株式会社ACB
(74)【代理人】
【識別番号】100184789
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼ 浩充
(72)【発明者】
【氏名】松井 正和
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/006481(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3225641(JP,U)
【文献】登録実用新案第3225480(JP,U)
【文献】特開2018-009264(JP,A)
【文献】国際公開第2006/009108(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3226981(JP,U)
【文献】特開2017-078235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/002
A41D 13/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能な送風部と、
前記送風部と一体に構成され、前記空調衣服の外側に配設可能な電源部と、
前記送風部を前記空調衣服に係止可能な係止部と、
を備え、
前記電源部は、前記空調衣服に装着される際に、前記空調衣服の内側から前記挿通孔に挿通されるとともに、前記空調衣服の外側に配置され、
前記係止部は、前記空調衣服の内側において、前記挿通孔周縁に当接可能に構成される送風装置。
【請求項2】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能な送風部と、
前記送風部と一体に構成され、前記空調衣服の内側に配設可能な電源部と、
前記送風部を前記空調衣服の外側に係止可能であり、前記挿通孔の周縁に当接可能な第1の係止部と、
前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置され、前記挿通孔の周縁の布地を保持可能な凹部と、
を備え、
前記凹部は、
前記空調衣服に装着される際に、前記凹部は、前記挿通孔の下端の布地に当接し、
幅方向のサイズが、前記布地の厚さより大きく構成される送風装置。
【請求項3】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、
前記送風部と一体に構成され、前記空調衣服の内側に配設可能な電源部と、
前記送風部を前記空調衣服の外側に係止可能であり、前記挿通孔の周縁に当接可能な第1の係止部と、
前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置される凹部と、
を備え、
前記空調衣服に装着される際に、予め配置される前記凹部に前記挿通孔の周縁の布地を収容させて装着される送風装置。
【請求項4】
前記送風部に接合されるとともに、前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置される第2の係止部、
をさらに備え、
前記凹部は、前記第1の係止部と前記第2の係止部との間に形成され
前記第1の係止部は、前記凹部に前記挿通孔の周縁の布地の一部が収容された状態において、前記挿通孔に挿通可能に構成される請求項2又は3に記載の送風装置。
【請求項5】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の外側の空気を吸引して前記空調衣服の内側に排出する軸流ファンを有する送風部と、
前記送風部に対して一体に構成され、電源を供給可能な電源部と、
前記送風部を前記空調衣服に係止させる係止部と、
を備え、
前記係止部は、
前記空調衣服の外側に配置され、前記空調衣服の外側の空気を吸引する吸気口を閉塞させる吸気口カバーをさらに備え、
前記吸気口カバーは、前記挿通孔と略面一に配置され、
前記送風部は、前記軸流ファンの回転軸が前記吸気口カバーの背面に対して直交方向より上方向に傾斜して構成される送風装置。
【請求項6】
前記送風部は、空気の排出方向を変更可能に構成される請求項1乃至5のいずれかに記載の送風装置。
【請求項7】
前記電源部は、前記送風部に対して着脱自在に構成される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の送風装置を挿通可能な挿通孔と、
前記送風装置に備えられる電源部を支持可能な電源支持部と、
を備える空調衣服。
【請求項9】
前記電源支持部は、前記挿通孔の周辺にスリットを備える請求項8に記載の空調衣服。
【請求項10】
前記電源支持部は、前記挿通孔の周辺に袋状に構成される請求項8に記載の空調衣服。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれかに記載の送風装置を装着可能な空調衣服であって、
前記送風装置に備えられる送風部を支持するファン支持部、
を備える空調衣服。
【請求項12】
前記ファン支持部は、前記送風部を吊架可能に構成され、一端が袖ぐりの周縁に係合される請求項11に記載の空調衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置および空調衣服の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調衣服に装着可能な送風装置において、モータを備えるファンユニットにバッテリが一体的に組み込まれるファン装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3225641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において開示されるファン装置は、バッテリがファン近傍における下方側に偏在して組み込まれる。そのため、空調衣服に装着する場合に、バッテリの重量によりファンが下方向に傾くことがある。
【0005】
ファンが下方向に傾くと、ファン装置から排出される空気が空調衣服内の下方に集中的に排出される。そこで、空調衣服内における空気の循環を促進させるという点において改良の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するべく、空調衣服内における空気の循環を促進可能な送風装置および空調衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能な送風部と、前記送風部と一体に構成され、前記空調衣服の外側に配設可能な電源部と、前記送風部を前記空調衣服に係止可能な係止部とを備え、前記電源部は、前記空調衣服に装着される際に、前記空調衣服の内側から前記挿通孔に挿通されるとともに、前記空調衣服の外側に配置され、前記係止部は、前記空調衣服の内側において、前記挿通孔周縁に当接可能に構成される送風装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明における送風装置によると、空調衣服内における空気の循環を促進させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における送風装置の使用態様の一例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図10】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図11】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図12】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図13】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図14】本発明の第4実施形態における空調衣服の構成の一例を示す図である。
図15】本発明の第4実施形態における空調衣服の構成の一例を示す図である。
図16】本発明の第4実施形態における送風装置の装着態様の一例を示す図である。
図17】本発明の第4実施形態における送風装置の装着態様の一例を示す図である。
図18】本発明の第4実施形態における送風装置の装着態様の一例を示す図である
図19】本発明の第5実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図20】本発明の第5実施形態における空調衣服の構成の一例を示す図である。
図21】本発明の第6実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図22】本発明の第6実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図23】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図24】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図25】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
図26】本発明の第8実施形態における空調衣服の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者は、送風装置および空調衣服について鋭意検討した結果、以下の知見を得るに至った。
【0011】
本発明の一態様である送風装置は、空調衣服に取り付けられる際に、空調衣服の内側に配設される送風部と、送風部と一体に構成されるとともに、空調衣服の外側に配設される電源部と、送風部を空調衣服に係止する係止部とを備えてもよい。
【0012】
このような構成により、空調衣服の外側に電源部の重量がかかり、下方に引っ張る力が作用する。そして、空調衣服において送風装置を係止する点を支点として、空調衣服の内側に配置される送風部が上方向を向くため、下方に傾斜するのを抑制可能となる。
【0013】
本発明の一態様である送風装置において、電源部は送風部の下方に配置されてもよい。
【0014】
このような構成により、電源部の重量により空調衣服が外側に引っ張られ、送風部が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0015】
本発明の一態様である送風装置において、電源部は送風部の下方に偏在して配置されてもよい。
【0016】
このような構成により、電源部の重量により空調衣服が外側に向かって斜め下方向に引っ張られるため、送風部が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0017】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、ファンと、ファンを回転させるモータとをさらに備え、電源部は、送風部に着脱自在に収容されてもよい。
【0018】
このような構成により、送風部に電源部が収容されるため、導電ケーブルの損耗や接続不良を良好に抑制可能となる。このような構成により、送風装置を空調衣服に装着させる際に、送風部を空調衣服の内側に配置し、電源部を外側に配置して、挿通孔にいずれかを挿通させて両者を一体にすることで装着可能となる。
【0019】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、電源部を収容する本体部と係合可能に構成されてもよい。
【0020】
このような構成により、送風部と電源部とがともに本体部に配設されるため、導電ケーブルの損耗や接続不良を良好に抑制可能となる。
【0021】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は遠心ファンにより構成されてもよい。
【0022】
このような構成により、空調衣服内に空気を拡散させることが可能となる。
【0023】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は軸流ファンにより構成されてもよい。
【0024】
このような構成により、装着者の身体に向けて空気を排出可能となる。
【0025】
本発明の一態様である送風装置において、空調衣服外の空気を吸入して空調衣服内に排出する送風部と、送風部に対して一体に構成され、電源を供給する電源部と、送風部を空調衣服に係止させる係止部とを備え、送風部は、斜め上方向に空気を排出可能に構成されてもよい。
【0026】
このような構成により、空調衣服内において空気を上方に流動させることが可能となる。このような構成により、空調衣服内を効率的に冷却可能となる。このような構成により、空調衣服内の空気を下方から上方に流動させ、襟ぐりや袖から空気を外部に排出させることが可能となる。
【0027】
本発明の一態様である送風装置において、空調衣服が送風部を挿通可能な挿通孔を有し、送風部は、空調衣服に装着される場合に挿通孔から空調衣服外に配置されるとともに、気体を吸引する吸気口をさらに備え、係止部は、吸気口近傍に配設されてもよい。
【0028】
このような構成により、送風部が空調衣服に係止されると、吸気口から良好に空調衣服外の空気を吸気可能となる。
【0029】
本発明の一態様である送風装置において、係止部は、吸気口を閉塞させる吸気口カバーとして構成されてもよい。
【0030】
このような構成により、吸気口カバーを閉塞させることにより送風部を空調衣服に係止可能となり、装着作業が簡便化される。
【0031】
本発明の一態様である送風装置において、吸気口カバーは空調衣服に対して断面視略平行に係止されてもよい。
【0032】
このような構成により、吸気口カバーの着脱が簡便化される。
【0033】
本発明の一態様である送風装置において、電源部は、挿通孔に対して挿通可能に構成され、係止部は、挿通孔周縁に当接可能に構成されてもよい。
【0034】
このような構成により、挿通孔に電源部が挿通され、係止部が挿通孔周縁に当接すると、送風装置が空調衣服に係止されることから、送風装置の着脱作業がより簡便化される。このような構成により、送風装置をより効率的に着脱可能となる。
【0035】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、挿通孔に対して挿通可能に構成され、係止部は、挿通孔周縁に当接可能に構成されてもよい。
【0036】
このような構成により、挿通孔に送風部が挿通され、係止部が挿通孔周縁に当接すると、送風装置が空調衣服に係止される。このような構成により、送風装置の着脱作業が簡便化される。
【0037】
本発明の一態様である送風装置において、電源部は、送風部の近傍に配設され、送風部の横に不均衡に偏在して配設されてもよい。
【0038】
このような構成により、送風装置が左右方向における一方に傾斜し、送風部が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0039】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服は、電源部を隠蔽可能なカバー部を備えてもよい。
【0040】
このような構成により、電源部に対する風雨や衝撃などを緩和することが可能となる。
【0041】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服は、挿通孔の下方に配設され、電源部を支持可能な電源支持部を備えてもよい。
【0042】
このような構成により、電源部が支持され、送風部が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0043】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服において、電源支持部は、電源部を挿通可能なスリットを備えてもよい。
【0044】
このような構成により、一旦空調衣服外に露出する電源部は、スリットに挿通されて空調衣服内に収容される。このような構成により、電源部が空調衣服の内側に当接して支持され、送風装置が安定して空調衣服に装着可能となる。このような構成により、電源部が空調衣服の内側の布地に当接して押圧されるため、送風部が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0045】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服において、電源支持部は、電源部を収容可能な袋状に構成されてもよい。
【0046】
このような構成により、電源部を電源支持部内に格納できる。このような構成により、装着者の身体の動きにかかわらず電源部を安定的に保持可能となる。
【0047】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服において、送風装置の一部を挿通可能な挿通孔は、袖ぐりの下方に形成されてもよい。
【0048】
このような構成により、送風装置から排出される空気を装着者の身体前方に流動させることが可能となる。このような構成により、装着者が着座や横臥する場合において、送風装置が身体に接触することによる不快感を緩和又は回避可能となる。
【0049】
本発明の一態様である送風装置は、空調衣服の挿通孔が袖ぐりの下方に形成される場合に、電源部がファンの外周近傍に配設されるとともに、装着の際に、前方に傾斜するよう配設されてもよい。
【0050】
このような構成により、空気を装着者の身体前方に流動させることが可能となる。
【0051】
本発明の一態様である送風装置は、送風部と電源部とが一体に構成され、電源部は、送風部に近接して配設され、係止部は、送風部と電源部との間に形成されてもよい。
【0052】
このような構成により、送風装置は、電源部を空調衣服の外側に露出させるとともに、送風部を空調衣服の内側に隠蔽して空調衣服に良好に係止可能となる。
【0053】
本発明の一態様である送風装置は、送風部と電源部とが一体に構成され、係止部は、空調衣服の外側に配設されてもよい。このような構成により、送風装置は、送風部と電源部をともに空調衣服の内側に隠蔽させて空調衣服に係止可能となる。
【0054】
本発明の一態様である送風装置は、空調衣服に係合して、送風部を支持するファン支持部をさらに備えてもよい。
【0055】
このような構成により、送風部が下方に傾くのを抑制することが可能となる。
【0056】
本発明の一態様である送風装置において、ファン支持部は、空調衣服に形成される袖ぐりの周縁に係合可能に構成されてもよい。
【0057】
このような構成により、ファン支持部は装着者の肩により良好に支持される。このような構成により、送風部が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0058】
本発明の一態様である送風装置において、ファン支持部は、送風部の前方を吊架するよう構成されてもよい。
【0059】
このような構成により、送風部が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0060】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服において、ファン支持部は、送風部を吊架可能に構成されてもよい。吊架とは、上方に引っ張ることを含む。
【0061】
このような構成により、送風装置を装着する場合に、送風部が下方に傾くのを抑制することが可能となる。
【0062】
本発明の一態様である送風装置を装着可能な空調衣服において、ファン支持部は、基端が袖ぐりに配設され、他端部が送風部に係合してもよい。
【0063】
このような構成により、ファン支持部は装着者の肩に支持されることから、良好に送風部を吊架可能となる。
【0064】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、ファン支持部に係合可能な係合部を備えてもよい。
【0065】
このような構成により、ファン支持部が送風部に係合され、送風部を支持することが可能となる。
【0066】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、ファンおよびモータを格納するハウジングを備え、ハウジングの一部が開放されている状態において通電を制限されるように構成されてもよい。
【0067】
このような構成により、ハウジングが開放されている状態でファンが回転することを回避可能となり、安全性が高まる。
【0068】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は、空気の排出方向を変更可能に構成されてもよい。
【0069】
このような構成により、ユーザーは所望の方向に空気を排出させることが可能となる。このような構成により、ユーザーは冷却したい部位に向けて空気を排出させることが可能となる。
【0070】
本発明の一態様である送風装置において、送風部は回動可能に軸支されてもよい。
【0071】
このような構成により、空気の排出方向を変更可能となる。
【0072】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。本発明における空調衣服は、本発明における送風装置を挿通可能な挿通孔を備える衣服であり、一例として、作業用衣服、運動用衣服あるいは医療用衣服などを含む。
【0073】
図1は、本発明の第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第1実施形態における送風装置1は、挿通孔100a(100)を備える空調衣服100に装着可能な装置である。送風装置1は、送風部2と、バッテリ3とを備える。本発明における電源部の一例として、本実施形態においてバッテリ3を示す。
【0074】
第1実施形態において、空調衣服100は、装着者の背中に当接する領域における下方側に、挿通孔100a(100)を備える。
【0075】
第1実施形態における送風部2は、ファン2b(2)の回転により送風可能な構成要素である。送風部2は、ファン2b(2)と、ファン2b(2)を回転させるモータ(図示せず)とを備える。
【0076】
ファン2b(2)は、軸流ファンにより構成されてもよい。このような構成により、ファン2b(2)の回転により発生する風が装着者の身体に当たるよう排出される。そのため、装着者に涼感を与えることが可能となる。
【0077】
ファン2b(2)は、遠心ファンにより構成されてもよい。このような構成により、空調衣服100内に空気を拡散させることが可能となる。
【0078】
バッテリ3は、送風部2に電源を供給可能な構成要素である。バッテリ3は、単数又は複数備えられてもよい。バッテリ3は、送風部2とともに一体の筐体内に収容されてもよいし、着脱自在に係合してもよい。バッテリ3は、リチウムイオン電池など充電可能な蓄電池により構成される。
【0079】
第1実施形態において、バッテリ3は、送風部2と一体に構成される。バッテリ3は、送風部2と着脱自在に一体に構成されてもよい。図1に示される例において、バッテリ3は送風部2の下方に配設される。図1に示される例のバッテリ3は、背面カバー6と一体形成される筐体内に収容される。
【0080】
バッテリ3は、筐体内から取り出し可能に構成されてもよい。このような構成により、送風装置1からバッテリ3を取り外して充電を行うことが可能となる。このような構成により、バッテリ3の損耗の度合いに応じて、バッテリ3の交換を行うことが可能となる。
【0081】
図1のバッテリ3は、背面カバー6と一体形成される筐体内に収容される例を示したが、これとは異なり、送風部2と一体に構成されてもよい。また、第1実施形態において、送風装置1は背面カバー6を備えなくともよい。
【0082】
バッテリ3は、空調衣服100の外側に配設される。送風装置1が空調衣服100に装着される際に、バッテリ3は、空調衣服100の外側に配設される。このような構成により、空調衣服100の外側にバッテリ3の重量がかかるため、空調衣服の内側に配設される送風部2が下方に傾くのを抑制可能となる。このような構成により、送風部2の回転軸が水平より上方に傾くため、送風部2は斜め上方に向けて空気を排出し、空調衣服100内の空気を循環させることが可能となる。
【0083】
バッテリ3は、正面視送風部2の外縁より外側に配設される。図1に示される例において、バッテリ3は、送風部2の下方に偏在して配設される。このような構成により、バッテリ3の重量により空調衣服100が外側に向かって斜め下方向に引っ張られる。そのため、送風部2が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0084】
バッテリ3は、空調衣服100に形成される挿通孔100a(100)に挿通可能に構成される。このような構成により、送風装置1を空調衣服100に装着させる際に、空調衣服100の内側から外側に向け、挿通孔100a(100)にバッテリ3を挿通させて装着可能となる。このような構成により、送風装置1の装着作業の効率性が向上する。
【0085】
第1実施形態において、送風装置1は、係止部4を備える。係止部4は、送風部2を空調衣服100に係止させる構成要素である。係止部4は送風部2より後方に配設される。
【0086】
図1に示される例において、係止部4は円板状に構成される。係止部4の直径は、挿通孔100a(100)より長く構成される。係止部4は、空調衣服100の内側において、挿通孔100a(100)周縁の布地に当接する。このような構成により、送風部2を空調衣服100に係止可能となる。このような構成により、送風装置1が空調衣服100の挿通孔100a(100)を通って外側に脱落するのを抑制可能となる。
【0087】
図1に示される例において、送風部2とバッテリ3とを中継するケーブルは、送風部2の背面側に配設される背面カバー6内に配設されてもよい。このような構成により、ケーブルの損傷や断線を良好に抑制可能となる。
【0088】
図2は、第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図2は、送風装置1の断面の構成の一例を簡略化して示す図である。送風部2は、背面側に吸気部2a(2)を備える。
【0089】
図2に示される例において、吸気部2a(2)は背面カバー6の背面側に開口して形成される。係止部4は、送風部2の後方に配設される。係止部4は、送風部2から連続して外方に拡張して形成されてもよい。
【0090】
係止部4は、挿通孔100a(100)を挿通不能又は挿通困難に構成される。一例として、係止部4における最長箇所の長さが挿通孔100a(100)の直径より長く構成される。このような構成により、係止部4は挿通孔100a(100)を通過することなく、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0091】
図2に示される例において、バッテリ3は、送風部2の下方に配設される。バッテリ3は、背面カバー6から連続する筐体内に収容される。このような構成により、水滴や衝撃からバッテリ3を防護することが可能となる。バッテリ3は当該筐体から着脱可能であってもよい。
【0092】
バッテリ3は、挿通孔100a(100)に挿通可能に構成される。送風装置1を空調衣服100に装着する際に、空調衣服100の内側から挿通孔100a(100)にバッテリ3を挿通させ、引き続いて背面カバー6を通過させる。
【0093】
送風装置1を空調衣服100に装着する場合に、係止部4が挿通孔100a(100)周縁の布地に当接する。そして、挿通孔100a(100)の周縁の布地は、内側において係止部4に当接し、外側において背面カバー6に当接する。これにより、送風装置1が空調衣服100に係止される。
【0094】
あるいは、これとは異なり、背面カバー6が係止部4と着脱自在に係合するよう構成されてもよい。この場合、空調衣服100の内側から係止部4を挿通孔100a(100)に近接させるとともに、空調衣服100の外側から背面カバー6を挿通孔100a(100)に近接させる。係止部4と背面カバー6とを係合させて挿通孔100a(100)周縁の布地を挟持させることにより、送風装置1を空調衣服100に装着する。このような構成により、送風装置1の装着作業の効率性が向上する。
【0095】
図3は、第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図3は、送風装置1の背面斜視図である。送風部2は、吸気部2a(2)を備える。吸気部2a(2)は、気体を吸引する構成要素である。
【0096】
ファン2b(2)が回転すると送風部2内が負圧になり、吸気部2a(2)から気体が吸引される。吸気部2a(2)は、送風部2の背面側に形成される。第1実施形態において、送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、吸気部2a(2)は、空調衣服100の外側に配設される。このような構成により、空調衣服100の外の空気を良好に吸引し、空調衣服100内に排出可能となる。
【0097】
吸気部2a(2)は、背面カバー6に形成されてもよい。一例として、背面カバー6が送風部2の背面側に形成され、背面カバー6に吸気部2a(2)が形成されてもよい。このような構成により、背面カバー6が挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接し、送風装置1が空調衣服100から脱落し難い状態において吸気部2a(2)から気体が吸引され、空調衣服100の内側に排出される。
【0098】
背面カバー6は、送風部2の背面側に連続して形成されてもよい。背面カバー6は、送風部2と着脱自在に係合してもよい。
【0099】
図4は、第1実施形態における送風装置1の使用態様の一例を示す図である。送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、送風部2が空調衣服100の内側に配設され、バッテリ3が空調衣服100の外側に配設される。このような構成により、バッテリ3の重量により空調衣服100の外側において下方に押し下げる力が作用する。そのため、挿通孔100a(100)の下端を支点として、空調衣服100の内側に配設される送風部2は上方を向く。これにより、空調衣服100の内側の上方に向けて空気が排出されるため、空調衣服100内の空気の循環を促進できる。
【0100】
図4に示される例において、係止部4は、空調衣服100の内側において挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接する。このような構成により、送風部2が挿通孔100a(100)を通って空調衣服100の外側に脱落するのを抑制可能となる。
【0101】
バッテリ3は、挿通孔100a(100)に挿通可能に構成される。送風装置1を装着する際に、バッテリ3を空調衣服100の内側から挿通孔100a(100)に挿通させ、係止部4が挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接するまでバッテリ3を進行させる。
【0102】
第1実施形態において、バッテリ3は、背面カバー6から送風部2の方向に突出して配設される。送風装置1は、側面視C字状に構成される。このような構成により、送風装置1は、挿通孔100a(100)の下方の布地を凹部に巻き込むようにして空調衣服100に装着される。このような構成により、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを良好に抑制可能となる。
【0103】
図4に示される例とは異なり、送風装置1は、背面カバー6を備えなくともよい。バッテリ3は、送風部2に着脱自在に係合するとともに、空調衣服100の外側に配設されてもよい。このような構成により、バッテリ3の重量により空調衣服100の外側から下方に押し下げる力が作用する。そうすると、挿通孔100a(100)の下端を支点として、送風部2が上方に向く。
【0104】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において送風装置1は、平板状に構成されるバッテリ3を備える。図5は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
【0105】
図5に示される例において、送風装置1は、平板状に構成されるバッテリ3を備える。バッテリ3は、充電可能なリチウムイオン電池など公知の蓄電池により構成される。このような構成により、送風装置1の厚さ方向におけるサイズを抑えることができる。
【0106】
バッテリ3は、薄型かつ平板状に構成されてもよい。このような構成により、送風装置1の厚さ方向におけるサイズが嵩張るのを抑制可能となり、幅が狭い領域での作業を円滑に行うことが可能となる。
【0107】
バッテリ3は、送風部2より下方に配設される。図5に示される例において、バッテリ3は、吸気部2a(2)の下方に配設される。このような構成により、バッテリ3の重量により良好に吸気部2a(2)を下方に押し下げることが可能となる。これにより、挿通孔100a(100)を挟んで空調衣服100の内側に配設されるファン2b(2)の回転軸t1が、空気の流動方向に向かって上方に傾く。
【0108】
図6は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図6において、簡略化された送風装置1の側面視断面の構成の一例を示す。バッテリ3は、背面カバー6より後方に配設される。このような構成により、空調衣服100に対して、より外側から下方に押し下げる力が作用する。これにより、空調衣服100の内側に配設される送風部2を上方に傾かせることが可能となる。
【0109】
図6に示される例において、バッテリ3は、背面カバー6に係合する。バッテリ3は、背面カバー6に着脱自在に係合してもよい。バッテリ3とモータとを接続する導電ケーブルは、背面カバー6内に収容されてもよい。このような構成により、導電ケーブルの損耗や断線を良好に抑制可能となる。
【0110】
空調衣服100に送風装置1を装着させる際に、バッテリ3を空調衣服100の内側から挿通孔100a(100)に挿通させ、引き続き背面カバー6を通過させ、係止部4により停止させられるまで進出させる。
【0111】
係止部4は、挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接する。これにより、送風装置1が挿通孔100a(100)を通過して空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0112】
図6に示される例において、挿通孔100a(100)の下端の布地は、係止部4と背面カバー6との間において送風装置1を支持する。バッテリ3は、空調衣服100の外側に配設されるとともに、自重により下方に押し下げる。そうすると、挿通孔100a(100)の下端を支点として、空調衣服100の内側に配設される送風部2が上方に傾く。
【0113】
図7は、図6に示された例とは異なる第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図7において、送風部2は、挿通孔100a(100)に挿通可能に構成される。
【0114】
図7に示される例において、係止部4は、挿通孔100a(100)に挿通可能に構成される。係止部4の背面側に、背面カバー6が配設される。背面カバー6は挿通孔100a(100)の周縁に当接可能に構成される。
【0115】
係止部4と背面カバー6との間に、側面視凹みが形成されてもよい。挿通孔100a(100)の布地が、この凹みに保持されることにより、送風装置1が空調衣服100に装着される。
【0116】
図7に示される例において、バッテリ3は、背面カバー6の下方に配設される。バッテリ3は、背面カバー6に着脱自在に係合してもよい。
【0117】
図7に示される例とは異なり、バッテリ3は、空調衣服100の内側に配設されてもよい。一例として、バッテリ3は、係止部4に着脱自在に係合してもよいし、係止部4と一体に構成されてもよい。
【0118】
バッテリ3が係止部4に係合し、或いは一体に構成される場合に、バッテリ3は、係止部4とともに挿通孔100a(100)を挿通可能に構成される。
【0119】
図8は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図8において、図5および図6にて示した例とは異なる場合の送風装置1の一例を示す。バッテリ3は、平板状に構成される。
【0120】
バッテリ3は、背面カバー6の前方に配設される。このような構成により、送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、バッテリ3が背面カバー6より背面側に露出するのを抑制可能となる。このような構成により、送風装置1が空調衣服100に装着されている状態において、水滴・塵芥や衝撃などからバッテリ3を防護可能となる。
【0121】
図9は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図9では、簡略化された送風装置1の側面視断面の構成の一例を示す。図9(a)に示される例において、平板状に構成されるバッテリ3は、背面カバー6の前方に配設される。このような構成により、バッテリ3が前方に突出するのを抑制可能となる。このような構成により、空調衣服100に送風装置1を装着する場合に、装着者の身体にバッテリ3が当たることによる不快感を緩和可能となる。バッテリ3は、背面カバー6に着脱自在に係合されてもよいし、一体に構成されてもよい。
【0122】
図9(a)に示される例とは異なり、送風装置1は、背面カバー6を備えなくともよい。バッテリ3は、送風部2に着脱自在に係合してもよい。このような構成により、送風装置1の縦方向におけるサイズを抑制することができる。
【0123】
図9(b)に示される例において、バッテリ3は、吸気部2a(2)の下方に係合する。このような構成により、空調衣服100の外側において、下方に引き下げる力が作用する。
【0124】
バッテリ3は、吸気部2a(2)より断面視前方に配設されてもよい。このような構成により、バッテリ3と係止部4との間に挿通孔100a(100)の下端周縁の布地を挟み、送風装置1を良好に係止可能となる。
【0125】
図9に示される例とは異なり、バッテリ3は、背面カバー6の下方に配設されてもよい。バッテリ3は、背面カバー6と着脱自在に係合してもよいし、一体に構成されてもよい。
【0126】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態における送風装置1において、送風部2は斜め上方向に空気を排出可能に構成される。
【0127】
図10は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。送風部2は、上方に傾いて構成される。このような構成により、送風装置1は、空調衣服100の内側において空気を斜め上方に向かって排出させることが可能となる。このような構成により、空調衣服100の内側の空気を下方から上方に向かって流動させて、襟ぐりや袖から空気を外部に排出するのを促進可能となる。
【0128】
図11は、第3実施形態における送風装置1の構成の側面視断面図の一例を示す図である。送風部2は、ファン2b(2)を備える。ファン2b(2)の回転軸t1は、空気の流動方向に向かって上方に傾いて形成される。このような構成により、送風部2は、空気を上方に向けて排出可能となる。
【0129】
送風部2は、ファン2b(2)を収容するハウジング2c(2)を備える。図11に示される例において、ファン2b(2)を収容するハウジング2c(2)は、後傾して配設される。このような構成により、ファン2b(2)の回転軸t1は、空気の流動方向に向かって上方に傾く。
【0130】
送風部2は、ハウジング2c(2)の背面側に、台部2d(2)を備えてもよい。台部2d(2)は、ハウジング2c(2)を傾斜させる構成要素である。図11に示される例において、台部2d(2)は、筒状に構成され、前方が傾斜する。台部2d(2)は、前方が上方に傾いてハウジング2c(2)に当接する。台部2d(2)は、ハウジング2c(2)に着脱自在に当接してもよい。
【0131】
図11に示される例とは異なり、送風部2は、台部2d(2)を備えなくともよい。ハウジング2c(2)は、ファン2b(2)の回転軸t1が空気の流動方向に向かって上方に傾くように構成されてもよい。あるいは、台部2d(2)は、ハウジング2c(2)と一体に形成されてもよい。
【0132】
図11に示される例において、吸気部2a(2)は、背面カバー6に対して傾斜することなく形成される。吸気部2a(2)は、空調衣服100に装着される際に、空調衣服100に対して傾斜することなく当接する。
【0133】
図12は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図12において、送風装置1が空調衣服100に装着される態様の一例を示す。
【0134】
係止部4は、挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接して、送風装置1を空調衣服100に係止する。空調衣服100に係止された状態において、吸気部2a(2)は、空調衣服100に対して傾斜することなく配設される。このような構成により、送風部2の縦方向のサイズを抑制可能となる。
【0135】
図12に示される例とは異なり、吸気部2a(2)は、回転軸t1の傾きに応じて傾いて形成されてもよい。このような構成により、吸気部2a(2)からファン2b(2)までの空気の流路が直線状に形成されるため、空気抵抗を抑制可能となる。
【0136】
送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、バッテリ3が空調衣服100の外側に配設される。図12に示される例におけるバッテリ3は、背面カバー6の後方に配設される。このような構成により、挿通孔100a(100)の下端を支点として、バッテリ3の重量により、空調衣服100の外側において下方に力が作用するとともに、空調衣服100の内側において送風部2を良好に上方に傾けることが可能となる。
【0137】
図13は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図13において、バッテリ3は、係止部4より前方に配設される。或いは、バッテリ3は、台部2d(2)に着脱自在に係合してもよいし、台部2d(2)と一体に構成されてもよい。バッテリ3が空調衣服100の内側に配設されることにより、バッテリ3を水滴・塵芥や衝撃から防護可能となる。
【0138】
係止部4と背面カバー6との間に、側面視凹みが形成されてもよい。この凹みに挿通孔100a(100)周縁の布地が保持されることにより、送風装置1が挿通孔100a(100)を通過して空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0139】
背面カバー6は、送風部2を空調衣服100に係止可能に構成されてもよい。図13に示される例では、背面カバー6は、挿通孔100a(100)周縁の布地に当接する。このような構成により、背面カバー6が挿通孔100a(100)を通過することにより、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制できる。
【0140】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。本発明の第4実施形態において、空調衣服100は、バッテリ3を支持可能なバッテリ支持部100b(100)を備える。
【0141】
図14は、第4実施形態における空調衣服100の構成の一例を示す図である。空調衣服100は、装着者の背中に対応する位置に、一又は複数の挿通孔100a(100)を備える。図14に示される例において、空調衣服100は、2つの挿通孔100a(100)を備える。
【0142】
空調衣服100は、挿通孔100a(100)の下方に、バッテリ支持部100b(100)を備える。バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100に送風装置1が装着される場合に、空調衣服100の外側に配設されるバッテリ3を支持する。
【0143】
図15は、第4実施形態における空調衣服100のバッテリ支持部100b(100)の構成の一例を示す図である。図15(a)のバッテリ支持部100b(100)は、スリットを備えて構成される。バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100の布地を切り込んで形成されてもよい。このような構成により、バッテリ3をスリット状の切込みに挿通させて空調衣服100の内側に収容し、水滴・塵芥や衝撃などから防護可能となる。
【0144】
送風装置1を空調衣服100に装着させる際に、装着者は、バッテリ3を空調衣服100の内側から挿通孔100a(100)に挿通させて、空調衣服100の外側表面に形成されるバッテリ支持部100b(100)にバッテリ3を挿通させる。
【0145】
このような構成により、バッテリ3をバッテリ支持部100b(100)に簡単に支持させることが可能となる。このような構成により、バッテリ3が空調衣服100の内側に当接して支持されるため、送風装置1を安定的に空調衣服100に装着可能となる。このような構成により、バッテリ3が空調衣服100の内側の布地に当接して内側に押圧されるため、送風部2が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0146】
図15(b)に示される例において、バッテリ支持部100b(100)は、袋状に構成される。バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100の外側に開放されるポケット状に形成されてもよい。このような構成により、バッテリ3の重量を良好に支持することが可能となる。このような構成により、装着者の身体の動きにかかわらず、バッテリを安定的に支持可能となる。
【0147】
バッテリ支持部100b(100)は、ファスナー等によりポケットの周縁を着脱自在に構成されてもよい。バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100の外側に配設されてもよいし、空調衣服100の内側に配設されてもよい。
【0148】
図15に示される例とは異なり、バッテリ支持部100b(100)は、挿通孔100a(100)の下方にバッテリ3を挿通可能な帯状に構成されてもよい。バッテリ支持部100b(100)は、バッテリ3を帯と空調衣服100の布地との間に挿通させ、バッテリ3を支持してもよい。
【0149】
図16は、第4実施形態における送風装置1の装着態様の一例を示す図である。送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、送風部2と係止部4とは、空調衣服100の内側に配設される。係止部4は、挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接する。
【0150】
図16に示される例において、バッテリ3と背面カバー6とは、挿通孔100a(100)に挿通され、空調衣服100の外側に配設される。バッテリ3は、バッテリ支持部100b(100)により支持される。
【0151】
図16に示される例において、バッテリ3は、挿通孔100a(100)に挿通されて一旦空調衣服100の外側に出る。そして、バッテリ3は、スリットを備えるバッテリ支持部100b(100)に挿通されて、再び空調衣服100の内側に配設される。
【0152】
このような構成により、バッテリ3が空調衣服100の内側に隠蔽され、水滴・塵芥や衝撃から防護可能となる。
【0153】
図17は、第4実施形態における送風装置1の装着態様の一例を示す断面図である。図17に示される例において、バッテリ支持部100b(100)はスリットを備える。
【0154】
バッテリ3は、バッテリ支持部100b(100)に挿通されて空調衣服100の内側に配設される。このような構成により、バッテリ3は空調衣服100の内側の布地に当接して支持されるため、送風装置1が安定的に空調衣服100に装着可能となる。このような構成により、バッテリ3は空調衣服100の内側の布地に当接して内側に押圧される。そのため、挿通孔100a(100)の下端を支点として、送風部2が上方に傾く。これにより、送風部2は、斜め上方に空気を排出可能となる。
【0155】
図18は、第4実施形態における送風装置1の装着態様の一例を示す断面図である。図18では、袋状に構成されるバッテリ支持部100b(100)を例示する。バッテリ3は、バッテリ支持部100b(100)の開口から袋内に収容される。このような構成により、バッテリ3は、装着者の身体の動作にかかわらず安定的に支持される。図18に示される例において、バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100の外側に配設される。これとは異なり、バッテリ支持部100b(100)は、空調衣服100の内側に配設されてもよい。
【0156】
係止部4は、挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接する。送風部2は、空調衣服100の内側に配設される。バッテリ3が空調衣服100の外側に配設されるため、挿通孔100a(100)の下端を支点として、送風部2は上方に傾く。
【0157】
バッテリ3がバッテリ支持部100b(100)内に収容されると、バッテリ3はバッテリ支持部100b(100)を構成する布地により内側に押圧される。そのため、挿通孔100a(100)の下端を支点として、送風部2を良好に上方に傾かせることが可能となる。
【0158】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態において、空調衣服100は、送風部2を支持するファン支持部100c(100)を備える。
【0159】
図19は、第5実施形態における空調衣服100の構成の一例を示す図である。ファン支持部100c(100)は、送風部2を支持する構成要素である。ファン支持部100c(100)は、空調衣服100の内側に基端を有し、送風部2を支持する。このような構成により、送風部2の回転軸が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0160】
図19に例示される送風装置1は、空調衣服100に装着される場合に、空調衣服100の内側に配設されるバッテリ3を備える。バッテリ3は、送風部2と一体に構成される。バッテリ3は、送風部2と着脱自在に一体に構成されてもよい。このような構成により、バッテリ3が空調衣服100に装着される場合に外側に露出せず、水滴・塵芥や衝撃から防護可能となる。
【0161】
バッテリ3は、背面カバー6から連続して形成される筐体内に収容されてもよい。背面カバー6は、吸気部2a(2)の周縁に形成されるフランジとして構成されてもよい。一例として、背面カバー6は、吸気部2a(2)の外周にフランジ状に構成されてもよい。係止部4は、吸気部2a(2)の開口を閉塞する吸気口カバーとして構成されてもよい。このような構成により、吸気部2a(2)が係止部4により通気可能に閉塞されるため、装着者が誤って手指をファン2b(2)に接触させるのを防止可能となる。
【0162】
図19に示される例において、送風装置1は、背面カバー6と係止部4により挿通孔100a(100)の周縁の布地を挟持することにより係止される。このような構成により、送風装置1を空調衣服100に装着させる際に、送風装置1を空調衣服100の内側に待機させて、吸気部2a(2)を係止部4により外側から閉塞させることにより装着可能となり、装着作業が簡素化される。
【0163】
送風部2は、ファン支持部100c(100)と係合可能な係合部2e(2)を備えてもよい。図19に示される例において、係合部2e(2)は送風部2の上部に配設される。係合部2e(2)がファン支持部100c(100)と係合する場合に、送風部2は、ファン支持部100c(100)により上方に引っ張られて支持される。このような構成により、送風部2が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0164】
係合部2e(2)は、送風部2の前方における上部に配設されてもよい。このような構成により、送風部2の前方が上方に引っ張られるため、ファン2b(2)の前方が下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0165】
係合部2e(2)は、送風部2の下部に配設されてもよい。ファン支持部100c(100)は、係合部2e(2)に係合して、送風部2の下部を支持する。
【0166】
ファン支持部100c(100)は、送風部2を吊架可能に構成されてもよい。ファン支持部100c(100)は、上方から送風部2に係合し、送風部2を吊架してもよい。このような構成により、送風部2が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0167】
図20は、第5実施形態における空調衣服100の構成の一例を示す図である。ファン支持部100c(100)の一端は、袖ぐり100d(100)の周縁に係合されてもよい。このような構成により、ファン支持部100c(100)は、装着者の肩部により良好に支持される。このような構成により、ファン支持部100c(100)は良好に送風部2を支持し、ファン2b((2)の回転軸が下方に傾くのを抑制可能となる。
【0168】
図20に示される例において、ファン支持部100c(100)は、袖ぐり100d(100)周縁に基端を有する。このような構成により、装着者の肩部によりファン支持部100c(100)が良好に支持されるため、送風部2の重量によりファン支持部100c(100)の基端が下がるのを防止できる。
【0169】
ファン支持部100c(100)は、袖ぐり100d(100)周縁に基端を有することにより、送風部2を吊架可能となる。これにより、ファン2b(2)の回転軸t1が、空気の流動方向に向かって下方に傾くのを良好に抑制可能となる。
【0170】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態において、送風部2は、回転軸t1が上方に傾くファン2b(2)を備える。
【0171】
図21は、第6実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。送風装置1は、ファン2b(2)を収容するハウジング2c(2)を有する送風部2と、モータ(図示せず)に電源を供給するバッテリ3と、空調衣服100に係止可能な係止部4とを備える。
【0172】
図21(a)の例に示されるように、送風部2とバッテリ3とは、一の筐体内に収容されてもよい。バッテリ3は、当該筐体から着脱自在に構成されてもよい。ハウジング2c(2)は、当該筐体に対して後傾して構成される。
【0173】
ハウジング2c(2)が後傾して構成されることから、ファン2b(2)の回転軸t1が空気の流動方向に向かって上方向に傾く。このような構成により、送風装置1は、空調衣服100の内側において、上方向に空気を排出することが可能となる。
【0174】
係止部4は、空調衣服100の外側に配設され、送風装置1を係止する。係止部4は、吸気部2a(2)を通気可能に閉塞する吸気部カバーとして構成されてもよい。係止部4が吸気部2a(2)を閉塞する状態において、バッテリ3からモータに対して通電可能に構成されてもよい。このような構成により、吸気部2a(2)が開放されている状態において、装着者が誤って手指を回転中のファン2b(2)に接触させるのを回避可能となる。
【0175】
図21(b)に示される例において、バッテリ3は、係止部4の近傍に配設される。このような構成により、バッテリ3の重量が送風装置1の前方にかかるのを抑制可能となる。
【0176】
バッテリ3は、送風装置1の厚さ方向において、後方に配設されてもよい。このような構成により、挿通孔100a(100)の周縁の布地が前方に引っ張られるのを抑制可能となり、ファン2b(2)の回転軸t1が下方に傾くのを抑制できる。
【0177】
図21において、バッテリ3がハウジング2c(2)の下方に配設される例を示したが、バッテリ3は、ハウジング2c(2)の周縁に配設されてもよい。バッテリ3は、回転軸t1方向に見てハウジング2c(2)の外周より外側に配設されてもよい。このような構成により、バッテリ3が空気の流路を妨げるのを回避可能となる。
【0178】
図22は、第6実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図22に示される例において、正面から見た係止部4のサイズは、挿通孔100a(100)の直径より長く構成される。このような構成により、係止部4は挿通孔100a(100)を通過困難となる。
【0179】
一例として、係止部4は、円板状に構成されてもよい。係止部4は、側面に凹みを有してもよい。このような構成により、挿通孔100a(100)の周縁の布地が凹みにより支持される。なお、係止部4は、通気可能に構成されてもよい。
【0180】
係止部4の前面側および背面側の直径は、挿通孔100a(100)の直径より長く構成されてもよい。このような構成により、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0181】
係止部4は、背面側が着脱自在に構成されてもよい。例えば図22に示される例において、凹みの後方の円板が着脱自在に構成されてもよい。このような構成により、挿通孔100a(100)を挟んで、係止部4を構成する2つの円板を係合させて、送風装置1を空調衣服100に装着可能となる。
【0182】
或いは、係止部4は、挿通孔100a(100)に挿通可能に構成されてもよい。一例として、図22に示される例において、係止部4の後方の円板を挿通孔100a(100)に挿通させ、挿通孔100a(100)周縁の布地を凹みにより支持させてもよい。このような構成により、送風装置1の装着作業が簡便化される。
【0183】
なお、図22において、係止部4における前方の円板の直径は、後方の円板の直径より長く構成されてもよい。このような構成により、挿通孔100a(100)に後方の円板を挿通させると、前方の円板に挿通孔100a(100)周縁の布地が当接する。これにより、係止部4に形成される凹みにより、挿通孔100a(100)の布地が支持され、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを良好に抑制可能となる。
【0184】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態における送風装置1において、送風部2は、空気の排出方向を変更可能に構成される。
【0185】
図23は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第7実施形態において、送風部2は、ファン2b(2)の回転軸の方向を変更可能な方向調整部2f(2)を備えてもよい。このような構成により、装着者は、所望の方向に空気を排出させることが可能となる。このような構成により、装着者は、冷却したい身体の部位に向けて空気を排出させることが可能となる。
【0186】
図23に示される例において、送風部2は、正面視ハウジング2c(2)の外側に方向調整部2f(2)を備える。方向調整部2f(2)は、ファン2b(2)の方向を変更させる構成要素である。
【0187】
一例として、方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)の外側に配設され、ハウジング2c(2)を回動可能に軸支する。ハウジング2c(2)は、軸支されることにより形成される軸を中心として回動可能となる。そうすると、ハウジング2c(2)内に収容されるファン2b(2)も、この軸を中心として回動することにより、空気の排出方向を変更可能となる。
【0188】
図23に示される例のように、方向調整部2f(2)がハウジング2c(2)を縦方向および横方向にそれぞれ回動可能に軸支する場合に、ハウジング2c(2)は、上下方向と左右方向のそれぞれに回動可能となる。
【0189】
図24は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図24(a)において、送風装置1の側面視断面の一例を示す。ファン2b(2)はハウジング2c(2)内に収容される。ファン2b(2)は、係止部4に対して略平行に配設される。空調衣服100に係止部4が係止される場合に、係止部4に対して略直角に回転軸t1が形成される。
【0190】
ハウジング2c(2)は、ハウジング2c(2)の外側に配設される方向調整部2f(2)に回動可能に軸支される。このような構成によると、ハウジング2c(2)は、軸支される箇所を軸として回動可能となる。
【0191】
バッテリ3は、ハウジング2c(2)の側方に配設されてもよいし、下方に配設されてもよい。バッテリ3は、送風装置1が空調衣服100に装着される際に、空調衣服100の内側に配設されてもよいし、これとは異なり、空調衣服100の外側に配設されてもよい。バッテリ3は、送風部2と一体的に構成されてもよいし、これとは異なり、送風部2とは別体に構成され、導電ケーブルにより接続されてもよい。
【0192】
図24(b)は、図24(a)に示した例とは異なる方向調整部2f(2)の一例を示す図である。、ハウジング2c(2)は、方向調整部2f(2)に摺動可能に係合してもよい。このような構成により、ハウジング2c(2)は、摺動方向に沿って摺動することにより、ファン2b(2)の回転軸t1の方向を調整可能となる。
【0193】
図24(b)に示される例において、方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)を摺動可能な摺動溝2g(2)をさらに備えてもよい。摺動溝2g(2)は、ハウジング2c(2)を摺動させることができるよう溝状に形成される。このような構成により、ハウジング2c(2)は、方向調整部2f(2)を摺動してファン2b(2)の回転軸t1の方向を調整可能となる。
【0194】
方向調整部2f(2)は、外側に湾曲して構成されてもよい。ハウジング2c(2)は、摺動溝2g(2)に当接する凸辺を備えてもよい。凸辺は、摺動溝2g(2)内を摺動可能である。このような構成により、ハウジング2c(2)は、水平方向に対する回転軸t1の角度を、上下方向、或いは左右方向に調整可能となる。
【0195】
図25は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。図25(a)に示される送風装置1において、バッテリ3は係止部4の後方に配設される。空調衣服100に送風装置1が装着される場合に、バッテリ3は、空調衣服100の外側に配設される。
【0196】
方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)の外周に沿って筒状に構成される。方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)を軸支する。このような構成によると、ハウジング2c(2)を軸支される箇所を中心として回動させることにより、ファン2b(2)の回転軸t1の方向を変更し、空気の排出方向を変更可能となる。
【0197】
図25(b)の例に示されるように、方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)の外周を覆う筒状に構成されてもよい。方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)を軸支してもよい。或いは、方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)が摺動可能に構成されてもよい。
【0198】
係止部4は、方向調整部2f(2)の背面側に配設される。係止部4は、挿通孔100a(100)の周縁の布地に当接して送風装置1を空調衣服100に係止する。バッテリ3は、係止部4より後方に配設される。送風装置1の装着の際に、バッテリ3は、空調衣服100の外側に配設される。
【0199】
図25(b)に示される例において、バッテリ3が空調衣服100の外側に配設されることにより、空調衣服100の内側に配設される送風部2が下方に傾くのを抑制可能となる。また、ファン2b(2)を収容するハウジング2c(2)が方向を変更可能に構成されることにより、空気の排出方向を所望の方向に調整可能となる。
【0200】
方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)の方向を変更させることが可能な形状を備えてもよい。図25(b)に示されるように、方向調整部2f(2)は、ハウジング2c(2)に対向する面が、ハウジング2c(2)の方向の変更を許容する形状に構成されてもよい。
【0201】
一例として、方向調整部2f(2)は、先端に向かって内径が漸次拡張するように構成されてもよい。このような構成により、ハウジング2c(2)が方向を変更する場合における可動範囲の制約を緩和することが可能となる。
【0202】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を説明する。第8実施形態の空調衣服100において、挿通孔100a(100)は、襟ぐり100d(100)の下方に形成される。
【0203】
図26は、第8実施形態における空調衣服100の構成の一例を示す図である。挿通孔100a(100)は、袖ぐり100(100d)の下方に形成される。このような構成により、送風装置1から排出される空気を装着者の身体の前方に流動させることが可能となる。
【0204】
挿通孔100a(100)は、袖部の下方に形成されてもよい。このような構成により、送風装置1から排出される空気が、装着者の側面下方から上方に向かい流動し、空調衣服100の内側の空気の循環が促進される。このような構成により、装着者が着座や横臥する場合に、送風装置1が身体に接触することによる不快感を緩和又は回避可能となる。
【0205】
図26に示される例において、送風装置1は、送風部2の正面視側方にバッテリ3を備えてもよい。このような構成により、送風装置1の縦方向のサイズを抑制可能となる。
【0206】
バッテリ3は、送風部2の正面視側方であって、装着者の身体の前方に配設されてもよい。このような構成により、バッテリ3の重量により、送風装置1が装着者の身体の前方側に傾き、装着者の身体の前方側に空気を排出させることが可能となる。これにより、装着者の身体の前方と首元に空気を流動させることが可能となる。
【0207】
(変形例)
上記第1実施形態乃至第8実施形態において、本発明が適用される一例を説明した。しかしながら、本発明は、上述の実施形態における場合に限定されるものではなく、種々の変形例への適用が可能である。
【0208】
上述の実施形態において、送風装置1を空調衣服100の内側から挿通孔100a(100)に挿通させて空調衣服100の外側にバッテリ3を配設させる場合を説明したが、本発明はこれに限られず、空調衣服100の外側から挿通孔100a(100)に送風部2を挿通させて、装着させてもよい。
【0209】
上述の実施形態において、挿通孔100a(100)の下方にバッテリ支持部100b(100)が配設される場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限られず、バッテリ支持部100b(100)は、挿通孔100a(100)の側方或いは上方など、挿通孔100a(100)の外周近傍に配設されてもよい。
【符号の説明】
【0210】
1 送風装置
2 送風部
2a 吸気部(吸気口)
2b ファン
2c ハウジング
2f 方向調整部(調整部)
3 バッテリ(電源部)
4 係止部(係止部,吸気口カバー)
6 背面カバー(フランジ)
100 空調衣服
100a 挿通孔
100b バッテリ支持部(電源支持部)
100c ファン支持部
100d 袖ぐり
【要約】      (修正有)
【課題】空調衣服内における空気の循環を促進可能な送風装置を提供する。
【解決手段】空調衣服に装着可能な送風装置1であって、前記空調衣服の内側に配設可能な送風部2と、前記送風部と一体に構成され、前記空調衣服の外側に配設可能な電源部3と、前記送風部を空調衣服に係止可能な係止部4とを備える送風装置。このような構成により、空調衣服の外側に電源部の重量がかかり、下方に引っ張る力が作用する。そして、空調衣服において送風装置を係止する点を支点として、空調衣服の内側に配置される送風部が上方向を向くため、下方に傾斜するのを抑制可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
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