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特許7018683施設情報提供方法、施設情報提供サーバ、施設情報提供プログラム及び施設情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】施設情報提供方法、施設情報提供サーバ、施設情報提供プログラム及び施設情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20220204BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20220204BHJP
【FI】
G16H10/00
G16H40/20
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021102143
(22)【出願日】2021-06-21
(62)【分割の表示】P 2021531644の分割
【原出願日】2021-01-25
【審査請求日】2021-07-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年2月1日に下記ウェブサイト https://www.3sunny.net/cb-search にて掲載。 令和2年2月1日に下記ウェブサイト https://search.carebook.jp/にて掲載。 令和2年4月1日に下記ウェブサイト https://www.kmcb.or.jp/training/pdf/riji/2020/Rr0にて掲載。 令和2年4月4日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900000にて掲載。 令和2年4月11日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900000にて掲載。 令和2年4月14日に下記ウェブサイト https://twitter.com/shimonnzu/status/1249966895521にて掲載。令和2年4月27日に下記ウェブサイト https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000052にて掲載。 令和2年5月2日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900000にて掲載。 令和2年5月13日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900000にて掲載。 令和2年5月29日に下記ウェブサイト https://twitter.com/shimonnzu/status/1266209322758にて掲載。 令和2年6月20日に下記ウェブサイト https://compass.healthcare-ops.org/entry/2020/06/0にて掲載。 令和2年7月4日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900001にて掲載。 令和2年7月18日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900001にて掲載。令和2年7月30日に下記ウェブサイト https://twitter.com/shimonnzu/status/1288672733295にて掲載。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月20日に下記ウェブサイト https://twitter.com/shimonnzu/status/1318371975258にて掲載。 令和2年10月31日に下記ウェブサイト https://carebook.zendesk.com/hc/ja/articles/900004にて掲載。 令和2年12月1日に下記ウェブサイト https://twitter.com/shimonnzu/status/1333598176310にて掲載。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518065876
【氏名又は名称】株式会社3Sunny
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 慎之介
(72)【発明者】
【氏名】志水 文人
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/071540(WO,A1)
【文献】特開2008-059278(JP,A)
【文献】特開2017-079065(JP,A)
【文献】特開2002-334175(JP,A)
【文献】特開2020-149646(JP,A)
【文献】特開2017-068348(JP,A)
【文献】特開2020-197887(JP,A)
【文献】特開2006-023865(JP,A)
【文献】特開2002-358373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-99/00
G16H10/00-80/00
G16Z99/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにネットワークで接続された施設情報提供サーバと、病院端末と、施設端末とを利用して、前記病院端末を操作するユーザが前記施設端末を操作するユーザに対して病院の対象者の受け入れの打診を行うための施設情報提供方法であって、
前記施設情報提供サーバは、前記病院端末から前記対象者の個人を特定する情報を取得せず、かつ、記憶しない構成とされており、前記病院端末を操作するユーザから当該個人を特定する情報を受け付けることなく条件情報の入力を受け付ける条件入力ステップと、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出ステップと、
抽出された前記施設情報を前記病院端末に提供する施設情報提供ステップと、
提供された前記施設情報の選択操作を前記病院端末から受け付ける施設情報選択ステップと、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、前記対象者の受け入れに関するリクエストを関連付けるリクエスト関連付けステップと、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付ステップと、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記病院端末に提供する応答施設情報提供ステップと、を含む、
施設情報提供方法。
【請求項2】
請求項1に記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記応答施設情報提供ステップにおいて、前記病院端末から追加のリクエスト操作があった場合に、前記条件情報又は当該条件情報に追加条件を受け付けて、再度、前記記憶手段から一以上の施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記施設端末から提供された前記対象者の受け入れ可否に関する情報を参照して、前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記対象者に関連付けられた所定の住所情報に基づいて前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記対象者に関連づけられた関係者が指定した地理情報に基づいて前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、少なくとも前記対象者の属性に基づいて前記病院端末によって予め登録された施設に関連付けられた前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報提供ステップは、前記病院端末に、地図と前記条件情報を満たす前記施設情報とを表示し、
前記施設情報選択ステップは、前記地図上から前記施設情報の前記選択操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報は、第1属性の施設に関する第1施設情報と、当該第1属性とは異なる第2属性の施設に関する第2施設情報とを少なくとも含んでおり、
前記施設情報提供ステップは、抽出した前記施設情報を提供する際に、前記第1施設情報を第1表示領域に表示するとともに、前記第2施設情報を第2表示領域に表示し、
前記施設情報選択ステップは、前記第1表示領域に表示された前記第1施設情報と、前記第2表示領域に表示された前記第2施設情報とのそれぞれに対して前記選択操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
応答した前記施設端末に関する前記施設情報のうち、一の前記施設情報に対して前記病院端末から受け入れの確定を受け付ける確定ステップと、
前記一の施設情報に対して受け入れの依頼を関連付けると共に、前記一の施設情報以外の施設情報に対して受け入れの中止の依頼を関連付ける依頼関連付けステップと、を更に含む、
施設情報提供方法。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記病院端末と、前記選択操作を受け付けた前記施設情報に関連付けられた前記施設端末のそれぞれとの間においてトークルームをそれぞれ生成するトークルーム生成ステップを更に含む、
施設情報提供方法。
【請求項11】
請求項10に記載の施設情報提供方法であって、
トークルーム生成ステップは、前記病院端末から、前記トークルームに対してフラグを関連付ける操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記対象者毎にステータスを一覧で出力するステータス出力ステップを更に含む、
施設情報提供方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずかに記載の施設情報提供方法であって、
前記条件入力ステップで前記病院端末から前記条件情報の入力を受け付ける際に、前記対象者の個人を特定する情報が含まれているか否かを検知する検知ステップ、を更に備える、
施設情報提供方法。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずかに記載の施設情報提供方法であって、
前記対象者には、少なくとも氏名を含む個人を特定する情報と、個人を特定する情報を含まない属性情報とが関連付けられており、
前記条件情報は、前記属性情報で構成される、
施設情報提供方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずかに記載の施設情報提供方法であって、
前記病院端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力ステップと、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出ステップと、
抽出された前記施設を前記病院端末に提供する施設情報提供ステップと、を含む、
施設情報提供方法。
【請求項16】
請求項15に記載の施設情報提供サーバであって、
提供された前記施設情報の選択操作を前記病院端末から受け付ける施設情報選択ステップと、
選択された前記施設情報に関連付けられた施設端末に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを送信するリクエスト送信ステップと、を更に含む、
施設情報提供方法。
【請求項17】
病院端末と施設端末と互いにネットワークで接続され、前記病院端末を操作するユーザが前記施設端末を操作するユーザに対して病院の対象者の受け入れの打診を行うための施設情報提供サーバであって、
当該施設情報提供サーバは、前記病院端末から前記対象者の前記対象者の個人を特定する情報を取得せず、かつ、記憶しない構成とされており
病院端末から前記対象者の個人を特定する情報の入力を受け付けることなく条件情報の入力を受け付ける条件入力部と、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出部と、
抽出した前記施設情報を前記病院端末に提供する施設情報提供部と、
提供した前記施設情報の選択操作を前記病院端末から受け付ける施設情報選択部と、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付ける関連付け部と、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付部と、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記病院端末に提供する応答施設情報提供部と、を備える、
施設情報提供サーバ。
【請求項18】
病院端末と施設端末と互いにネットワークで接続され、前記病院端末を操作するユーザが前記施設端末を操作するユーザに対して病院の対象者の受け入れの打診を行うための施設情報提供サーバプログラムであって、
前記病院端末から前記対象者の個人を特定する情報を取得しない構成とされたコンピュータ端末を、
前記病院端末から、前記対象者の個人を特定する情報の入力を受け付けることなく条件情報の入力を受け付ける条件入力部と、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出部と、
抽出した前記施設情報を前記病院端末に提供する施設情報提供部と、
提供した前記施設情報の選択操作を前記病院端末から受け付ける施設情報選択部と、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付ける関連付け部と、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付部と、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記病院端末に提供する応答施設情報提供部と、を備える施設情報提供サーバとして機能させる、
施設情報提供サーバプログラム。
【請求項19】
互いにネットワークで接続された施設情報提供サーバと、病院端末と、施設端末とを利用して、前記病院端末を操作するユーザが前記施設端末を操作するユーザに対して病院の対象者の受け入れの打診を行うための施設情報提供システムであって、
前記施設情報提供サーバは:
前記病院端末から前記対象者の個人を特定する情報を取得せず、かつ、記憶しない構成とされており;
前記病院端末から前記対象者の個人を特定する情報の入力を受け付けることなく条件情報の入力を受け付け;
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出し;
抽出された前記施設情報を前記病院端末に提供し;
提供された前記施設情報の選択操作を前記病院端末から受け付け;
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付け;
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付け;
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記病院端末に提供する;
施設情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設情報提供方法、施設情報提供サーバ、施設情報提供プログラム及び施設情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者患者の入退院の増加に伴い、病院を起点とした患者の受け入れに関するさまざまな技術が提案されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、急性期医療施設と回復期リハビリ医療施設と一般療養型医療施設と介護施設とかかりつけ医との間で患者に関する情報を共有するためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-122380号公報
【文献】特開2010-9086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術は、いずれも、受け入れが決まった施設に対して、電子化された患者情報を迅速に共有するとによって、受け入れ業務の負荷低減を図ったものである。
【0006】
一方、入退院・転院等に伴う患者の施設移動は、そもそも受け入れ候補を調べ、受け入れが可能かどうかを打診し、受け入れを確定するまでの前段階(「入退院等調整業務」という)に大きな課題が存在している。具体的には、現状の退院等支援業務においては、電話及びファクシミリによる連絡が主な手段であり、特に電話業務は改善余地が特に多い。背景として、双方の実務者は院内・施設内を移動しながら作業している。外線電話に関しては自席に戻る必要があるので、電話の折返しが複数回発生するのが当たり前の環境となっている。合わせて、施設移動にともなう相手先病院・施設との連絡における、言った言わない問題や、薬等に関する重要事項の聞き取りには特に神経を使うため、業務負荷となっている。これら電話に関する課題が複数施設と発生している。また、実務者の作業記録も殆どがペーパーワークとなっており、実務者の上長や同僚との適切な情報共有ができているとはいえず、上長が週次や月次等で行う集計作業の負荷も高いなど、改善余地が多い。
【0007】
そこで、本発明は、上述したような入退院等調整業務における課題を解決することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力ステップと、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出ステップと、
抽出された前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する施設情報提供ステップと、
提供された前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付ける施設情報選択ステップと、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付けるリクエスト関連付けステップと、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付ステップと、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する応答施設情報提供ステップと、を含む、
施設情報提供方法が得られる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入退院等調整業務におけるコミュニケーションをワンストップで行うことが可能になることから、施設間の調整業務において、特に、受け入れ打診先施設へ一括で打診を行ったり、受け入れ確定時に他の打診先の施設に対して受け入れキャンセルの関連付け(キャンセルの自動通知)等、実務に携わる者同士の作業効率の向上、調整時間の削減及びコミュニケーションコストの減少、ひいては調整時間の短縮に伴う患者の移転時期の遅延等を改善することができる。
【0010】
また、本発明においては、特に、本発明を実施する事業者に対して、患者の個人情報を共有することなく、調整業務を行うこともできることから、セキュリティやプライバシーを守ることが可能となる。
【0011】
本発明によれば、患者ごとに発生している入退院等調整業務(以下、調整案件)を一覧で俯瞰することができ、上長ならびに同僚間で調整案件の情報共有や進捗管理をペーパーワークに依存することなく実現でき、業務負荷を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
図2図1に示される端末のハードウェア構成例を示す図である
図3図1の管理サーバの機能ブロック図を示す図である。
図4】本システムにおける画面例のうち、条件情報を入力する画面を示す図である。
図5】本システムにおける画面例のうち、打診先の施設の選択画面を示す図である。
図6】本システムにおける画面例のうち、病院端末のユーザが施設を検索する際の画面を示す図である。
図7】本システムにおける画面例のうち、病院端末側のチャットインターフェースを示す図である。
図8】本システムにおける画面例のうち、介護施設端末側のチャットインターフェースを示す図である。
図9】本システムにおける画面例のうち、案件のステータスを一覧する画面を示す図である。
図10】本システムにおける画面例のうち、ステータスの変更を行う操作画面を示す図である。
図11】本システムにおける画面例のうち、介護施設端末に対して、他の施設に受け入れが確定したことを通知する通知画面例を示す図である。
図12図7に示されるチャットインターフェースの入力欄の表示態様である。
図13】本システムにやけるステータスの集計・出力画面例である。
図14図13の集計例を出力したデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力ステップと、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出ステップと、
抽出された前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する施設情報提供ステップと、
提供された前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付ける施設情報選択ステップと、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付けるリクエスト関連付けステップと、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付ステップと、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する応答施設情報提供ステップと、を含む、
施設情報提供方法。
[項目2]
項目1に記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記応答施設情報提供ステップにおいて、前記ユーザ端末から追加のリクエスト操作があった場合に、前記条件情報又は当該条件情報に追加条件を受け付けて、再度、前記記憶手段から一以上の施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
[項目3]
項目1又は項目2に記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記施設端末から提供された前記対象者の受け入れ可否に関する情報を参照して、前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記対象者に関連付けられた所定の住所情報に基づいて前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
[項目5]
項目1乃至項目4のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、前記対象者に関連づけられた関係者が指定した地理情報に基づいて前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。
[項目6]
項目1乃至項目5のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報抽出ステップは、少なくとも前記対象者の属性に基づいて前記ユーザ端末によって予め登録された施設に関連付けられた前記施設情報を抽出する、
施設情報提供方法。

[項目7]
項目1乃至項目6のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報提供ステップは、前記ユーザ端末に、地図と前記条件情報を満たす前記施設情報とを表示し、
前記施設情報選択ステップは、前記地図上から前記施設情報の前記選択操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
[項目8]
項目1乃至項目7のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記施設情報は、第1属性の施設に関する第1施設情報と、当該第1属性とは異なる第2属性の第2施設に関する情報とを少なくとも含んでおり、
前記施設情報提供ステップは、抽出した前記施設情報を提供する際に、前記第1施設情報を第1表示領域に表示するとともに、前記第2施設情報を第2表示領域に表示し、
前記施設情報選択ステップは、前記第1表示領域に表示された前記第1施設情報と、前記第2表示領域に表示された前記第2施設情報とのそれぞれに対して前記選択操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
[項目9]
項目1乃至項目8のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
応答した前記施設端末に関する前記施設情報のうち、一の前記施設情報に対して前記ユーザ端末から受け入れの確定を受け付ける確定ステップと、
前記一の施設情報に対して受け入れの依頼を関連付けると共に、前記一の施設情報以外の施設情報に対して受け入れの中止の依頼を関連付ける依頼関連付けステップと、を更に含む、
施設情報提供方法。
[項目10]
項目1乃至項目9のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記ユーザ端末と、前記選択操作を受け付けた前記施設情報に関連付けられた前記施設端末のそれぞれとの間においてトークルームをそれぞれ生成するトークルーム生成ステップを更に含む、
施設情報提供方法。
[項目11]
項目10に記載の施設情報提供方法であって、
トークルーム生成ステップは、前記ユーザ端末から、前記トークルームに対してフラグを関連付ける操作を受け付ける、
施設情報提供方法。
[項目12]
項目1乃至項目11のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記対象者毎にステータスを一覧で出力するステータス出力ステップを更に含む、
施設情報提供方法。
[項目13]
項目1乃至項目12のいずれかに記載の施設情報提供方法であって、
前記条件入力ステップにおいては、前記ユーザ端末から前記対象者の個人情報の入力を受け付けることなく前記条件情報の入力を受け付ける、
施設情報提供方法。
[項目14]
項目1乃至項目13のいずかに記載の施設情報提供方法であって、
前記条件入力ステップで前記ユーザ端末から前記条件情報の入力を受け付ける際に、前記対象者の個人情報が含まれているか否かを検知する検知ステップ、を更に備える、
施設情報提供方法。
[項目15]
項目1乃至項目14のいずかに記載の施設情報提供方法であって、
前記対象者には、少なくとも氏名を含む個人情報と、個人情報を含まない属性情報とが関連付けられており、
前記条件情報は、前記属性情報で構成される、
施設情報提供方法。
[項目16]
ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力ステップと、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出ステップと、
抽出された前記施設を前記ユーザ端末に提供する施設情報提供ステップと、を含む、
施設情報提供方法。
[項目17]
項目16に記載の施設情報提供サーバであって、
提供された前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付ける施設情報選択ステップと、
選択された前記施設情報に関連付けられた施設端末に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを送信するリクエスト送信ステップと、を更に含む、
施設情報提供サーバ。
[項目18]
ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力部と、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出部と、
抽出した前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する施設情報提供部と、
提供した前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付ける施設情報選択部と、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付ける関連付け部と、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付部と、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する応答施設情報提供部と、を備える、
施設情報提供サーバ。
[項目19]
コンピュータ端末を、
ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力部と、
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出部と、
抽出した前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する施設情報提供部と、
提供した前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付ける施設情報選択部と、
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付ける関連付け部と、
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付ける応答受付部と、
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する応答施設情報提供部と、を備える施設情報提供サーバとして機能させる、
施設情報提供サーバプログラム。
[項目20]
互いに通信可能な、ユーザ端末と、施設端末と、施設情報提供サーバとを含む施設情報提供システムであって、
前記施設情報提供サーバは:
前記ユーザ端末から条件情報の入力を受け付け;
入力された前記条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶手段から一以上の施設情報を抽出し;
抽出された前記施設情報を前記ユーザ端末に提供し;
提供された前記施設情報の選択操作を前記ユーザ端末から受け付け;
選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付け;
関連付けられた前記リクエストに対して前記施設端末から応答を受け付け;
応答を受け付けた前記施設端末に関する前記施設情報を前記ユーザ端末に提供する;
施設情報提供システム。
【0014】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
<概要>
本発明の実施の形態による施設情報提供方法、施設情報提供サーバ、施設情報提供プログラム及び施設情報提供システムは、第1の施設(現在入退院等している施設)から、第2の施設(退院先・転院先の介護施設等)へ対象者(高齢者患者等)を移転させる調整業務を支援するためのものである。
【0016】
以下においては、施設情報の提供を行う事業者の端末(管理サーバ)から、入退院等調整業務を行う必要のある施設の端末に対して、施設情報提供システム(以下、単に「システム」と呼ぶ)を所謂クラウドサービスとして提供する例を説明するが、本実施の形態による実施態様はこれに限られない。
【0017】
なお、上述した第1の施設は、例示すれば、高度急性期病院、急性期病院、一般的な総合病院、診療所(クリニック)等の施設が列挙でき、第2の施設は、回復期リハビリ病院、地域包括ケア病院、医療・介護療養病院、緩和ケア病院、在宅医療介護施設、老健、特養、民間介護施設等の施設が列挙できる。また、「施設」の意味は、実際の施設・設備の有無を問わず高齢者患者等の入退院等支援業務を行う事業者であればこれに含まれる。なお、本実施の形態においては、第1の施設から第2の施設に対して受け入れ先を打診し、確定し、移転を行うための入院等調整業務を説明する。しかしながら、本システムは、第2の施設において入院中(入所中)の高齢者患者等の健康状態が急変し、再び第1の施設に移転される場合のように、第1の施設及び第2の施設の双方向への入院等調整業務にも適用は可能である。
【0018】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態による発明は、システムを提供する管理サーバ(施設情報提供サーバ)1と、病院端末(ユーザ端末)2と、介護施設端末(施設端末)3とを含んでおり、これらはネットワーク4を介して互いに接続される。ネットワーク4は、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってかまわない。
【0019】
本実施の形態においては、説明を簡略化するため、病院端末2が設置された病院に入院する。高齢者患者を、介護施設端末3が設置された介護施設へ退院(転院)させる業務を例示して説明するが、受け入れ元の施設、受け入れ先の施設、受け入れの高齢者患者等はこれに限られない。
【0020】
管理サーバ1は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、病院端末2や、介護施設端末3に対し、本システムに必要なプログラムをインストールさせる。又は、管理サーバ1は、SaaS(Software as a Service)型のアプリケーションとして、本システムをクラウドサービスとして提供することができる。なお、管理サーバ1は、本システムをオンプレミスに提供するサーバとして実装することとしてもよい。提供の形態については、用途やニーズに応じて適宜採用することが可能である。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2に示されるように、本実施の形態による管理サーバ1、病院端末2、介護施設端末3は、以下のような一般的なハードウェア構成を有する。なお、構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよいし、複数の端末が協働することによって一のハードウェアが論理的に構成されていてもよい。
【0022】
本実施の形態における管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。病院端末2及び介護施設端末3は、パーソナルコンピュータのような汎用コンピュータや、タブレット端末及びスマートフォン端末のような携帯型端末であってもよい。
【0023】
図示されるように、ハードウェア構成としては、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備えている。プロセッサ10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行される処理及び各種設定情報等を格納する。ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータ(病院端末2や介護施設端末3により生成されたデータ等)を格納したデータベースがストレージ22に構築されていてもよい。送受信部13は、管理サーバ1をネットワーク4に接続する。入出力部14は、必要に応じて使用するキーボード、マウス、タッチパネル類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0024】
<機能>
図3を参照して、管理サーバ1の機能を説明する。管理サーバ1は、病院端末2及び介護施設端末3のそれぞれに対して、利用者のアカウントを登録、管理、更新することにより、本システムを利用可能に提供する。図示されるように、管理サーバ1は、記憶部、条件入力部、施設情報抽出部、施設情報提供部、施設情報選択部、リクエスト関連付け部、応答受付部、応答施設情報提供部、トークルーム生成部、ステータス出力部を備えている。
【0025】
条件入力部は、病院端末等、高齢者患者等の受け入れ元の施設のユーザや、受け入れ自体を仲介するユーザから条件情報の入力を受け付ける。実際には、図4に示されるように、何らかのフォーム等を病院端末に提供・表示してフォーム内の項目を選択させたり、情報を入力させることにより行うこととしてもよい。また、フリーワード欄等に入力されたテキスト情報を解析することにより必要な条件を抽出することとしてもよい。
【0026】
受け付ける条件情報を例示すると、依頼する担当者の情報、年齢、性別、介護保険負担割合の区分情報、介護保険区分、医学的診断名、申し送り事項、キーパーソン情報、DNR(Do Not Resuscitate:蘇生処置拒否指示)の取得状況等を含めることができる。
【0027】
施設情報抽出部は、入力された条件情報に基づいて、管理サーバ1の記憶部から適切な施設情報を抽出する。本実施の形態による記憶部には、本システムに登録されている病院端末や介護施設端末等に対応する施設の情報が記録されている。施設情報の抽出は、例えば、入力された条件情報と、施設情報とをタグ情報等に基づいてマッチングしてもよい。
【0028】
施設情報提供部は、抽出された施設情報を病院端末に一覧にして提供する。例えば、図5に示されるように、都道府県ごとに抽出された病院名が領域501にリスト表示される。図示される例においては、選択可能なチェックボックスと共に「あいうえお病院」から「なにぬねの病院」までを列挙している。
【0029】
施設情報には、受け入れの可否に関する情報(例えば、空床数やスタッフ数等に応じて各施設から設定されたパラメータ等)が関連付けられていてもよい。この場合、例えば、受け入れ可否に関する情報を当該施設にかかるユーザから受け付けることとすればよい。かかる構成によれば、施設情報抽出部は、当該受け入れ可否に関する情報を参照して、施設情報を抽出することが可能となり、効率的に業務を進めることが可能となる。
【0030】
また、施設情報には、住所情報に関する情報(拠点の場所や、受け入れ可能領域、介護者を派遣することが可能な範囲に関する情報等)が関連付けられていてもよい。当該情報についても、当該施設にかかるユーザから受け付けることとすればよい。かかる構成によれば、施設情報抽出部は、当該住所情報と、高齢者患者等について登録された住所とに基づいて施設情報を抽出することが可能となる。なお、高齢者患者等について登録された住所については、実際の生活拠点等でもよいし、高齢者患者等に関連づけられた関係者(キーパーソン:例えば、親族、後見人、知人、友人等)が指定した住所情報が登録されていてもよい。このような構成によれば、退院後においても、地理的な負担のない支援が実現できる。
【0031】
また、病院端末のユーザに高齢者患者等の属性と退院等させる施設の属性とのルールを予め設定させる操作を受け付けることとしてもよい。これにより、施設情報抽出部は当該ルールに基づいて抽出することとしてもよい。
【0032】
図の領域502に示されるように、本実施の形態においては、病院端末から、提携している施設やよく利用する施設等、患者の状態や属性に応じて一意に定まる施設等、複数の施設を所定のカテゴリごとにグループ化して登録させる操作を受け付けておいてもよい。これにより、病院端末のユーザは、利用の頻度、利用の履歴等に基づいてスムーズに施設を絞り込むことが可能となる。
【0033】
施設情報選択部は、病院端末に表示した各施設(施設情報)に対して選択操作を受け付ける。具体的には、図5に示さるチェックボックスをチェックすることにより、受け入れ先の打診候補として一時的に施設を決定する。図示されるように、「あいうえお病院」~「たちつてと病院」のチェックボックス512にはチェックがされており、「なにぬねの病院」のチェックボックス514にはチェックが入っていない。この場合、管理サーバ1は、チェックがなされた「あいうえお病院」~「たちつてと病院」を領域503に打診候補先施設として表示する。
【0034】
リクエスト関連付け部は、選択操作を受けた「あいうえお病院」~「たちつてと病院」に対して、高齢者患者等の受け入れに関するリクエストを関連付け、これらの施設端末にその旨を共有可能にする。リクエストは、病院端末のユーザが「この内容で打診する」というボタン520を選択することによって行われる。
【0035】
従来の入退院等調整業務は、複数の介護施設等に高齢者患者等の情報を提供し、受け入れ可能な施設から受け入れ可能(立候補)の旨の表明を募ることとしていた。しかし、受け入れの可否を受け入れ先の施設に一任してしまう構造であることから、高齢者患者等にとって必ずしも最適な施設から連絡が来るとは限らない。病院側としては、高齢者患者等の状態や属性に合わない施設からの受け入れ表明を断る心理的負担も生じていた。一方、実務としては、病院側としては、受け入れ先の候補がイメージできていたり、既に頻繁に利用している施設等が存在していることもあった。本実施の形態によるシステムによれば、病院側からの信頼関係や実績がある病院を優先的に選択し打診のリクエストを行うことができることから入退院等調整業務を円滑かつ事務負担なく進めることが可能となる。
【0036】
なお、例えば、病院や介護施設等、施設の属性情報を各施設情報に関連付けておき、図5のように表示する際に、属性別に領域501に(又は領域501とは別の領域において)表示することとしてもよい。例えば、図示される領域501には病院のみが列挙されているが、上述したグループによってソートして表示してもよい。なお、チェックされた施設は領域503に表示され続けるため、例えば、領域501に表示さる施設のカテゴリを切り替えたとしても、既に選択した施設の情報を確認しながら選択操作が可能となる。
【0037】
本実施の形態における施設情報提供部は、図6に示されるように、病院端末に対して、地図上に施設情報を重ねて情報を提供することとしてもよい。また、この際に、入力された条件情報を満たす施設情報のみを表示することとしてもよい。
【0038】
本実施の形態による応答受付部、応答施設情報提供部、トークルーム生成部は、一体となってその機能を発揮する。即ち、応答受付部は、施設端末からは、リクエストに対して施設端末を介して受け入れに関する応答を受け付ける。応答施設情報提供部は、受け入れについての応答を受け付けた施設端末に関する施設情報を病院端末に提供する。トークルーム生成部は、病院端末と、選択操作を受け付けた(リクエストが関連付けられた)施設情報に関する施設端末のそれぞれとの間において、トークルームを生成する。これにより、病院端末と施設端末とのやりとりは所謂チャットインターフェースにより記録を残しつつスムーズに実現することが可能となる。
【0039】
図7は、チャットインターフェースを実現する画面表示例である。図示されるように、領域701には、条件情報入力部が取得した条件情報の一部又は全部が表示される。領域703には、図5においてリクエストが関連付けられた「あいうえお病院」~「たちつてと病院」との間で生成されたトークルームの一覧が表示される。領域705には、各トークルームでやり取りがされるチャット画面(メッセージ等)が表示される。
【0040】
図8に示されるように、介護施設端末においては、病院継端末からのリクエストが登録されていることを同様のチャットインターフェースによって確認することが可能となる。即ち、介護施設端末のユーザは、病院端末からのメッセージの内容のみならず、リクエスト打診側の病院端末側において他の施設に受け入れが決まったこと(リクエストの中止や完了)等を知ることができる。従来のように電話等において状況確認や調整の督促などを行う場合、電話がつながらなかったりすることに加え、そもそも電話のような一対一のコミュニケーションで行う場合の心理的なハードルや、調整する者同士の時間の確保という業務負荷が発生していた。本実施の形態によるチャットインターフェースを利用することとすれば調整相手の時間を拘束することなくスムーズに状況把握を行うことが可能となる。
【0041】
このように、病院端末と介護施設端末とがチャットインターフェースを利用して円滑にコミュニケーションをとることができることから、入院等調整業務を効率的、迅速に行うことが可能となる。なお、送受信できるデータはテキストに限られず、画像その他のファイル情報の送受信も可能である。これにより、受け入れの判断に必要な検査データ等、高齢者患者等に関する情報を効果的に提供することが可能となる。また、通話機能、ビデオミーティング機能が実装されていてもよい。
【0042】
なお、図7に示されるように、領域703には、「追加打診」のボタン711が表示されている。生成されたトークルームを利用して受け入れに関する連絡を行ったものの、何らかの事情により全ての介護施設への受け入れができなかった場合には、施設情報抽出部は、追加打診のボタン711を選択することによって、再度、同一条件で、又は別の条件情報を追加して、再度、記憶部から一以上の施設情報を抽出する。
【0043】
上述したチャットインターフェースを利用して連絡を行った結果、受け入れ先が決定した場合、当該施設端末に対しては受け入れが確定したことが関連付けられ、施設端末に通知される。一方、その他の施設端末については、コミュニケーションの進捗いかんにかかわらず、別の施設に受け入れ先が確定したことが通知される。
【0044】
各トークルームに新規のメッセージが届くと、新規メッセージが届いている旨の表示が行われる。また、各トークルームには病院端末のユーザがフラグをつけることができる。これにより、別の担当者への申し送りの際に、重要なトークルームの会話を見逃すことを防ぐことができる。
【0045】
図示される画面は、高齢者患者毎に生成される。情報は、個人名等ではなく、例えば、匿名化されたID714等で識別される。各IDにはステータス情報714が関連付けられ画面に表示される。なお、引継ぎのために、メモ等を登録し適宜、表示・更新することとしてもよい。メモがあることはアイコン716等を表示することにより別の担当者に知らせることができる。
【0046】
図9に示されるように、ステータス出力部は、病院端末及び介護施設端末のそれぞれに、入院等調整業務の進捗を一覧に出力、可視化することが可能である。一覧には、現在のステータスの表示列801の他、新規メッセージの通知やフラグの有無を知らせる表示列803が表示されることとしてもよい。また、この他にも、新規レコードが作られてからの経過日数、案件ID、病院端末(介護施設端末)の担当者の名前、レコードの作成日、受け入れ希望先の病棟、性別、年齢、医学的診断名等を表示されることとしてもよい。
【0047】
なお、図9及び図10に示されるように、各案件のステータスを変更することによって、当該ステータスの変更をリクエスト打診中の他の施設にも共有することが可能となる。例えば、上述した実施の形態において、あいうえお病院への受け入れが決まった場合、図10に示されるように、変更後のステータス選択領域1001より、「相談中」「完了」「中止」の中から「完了」を選択し、完了(中止)の理由を選択する領域1003の「転院先・施設が決定した」「自宅に決定した」「死亡した」「病状が変化した」「その他」の中から「転院先・施設が決定した」を選択し、最期に決定した病院・施設を選択する領域1005から「あいうえお病院」することとすればよい。かかる操作を受け付けるとによって、案件のステータスを変更して登録することができ、当該変更は病院端末側のユーザが確認することができる。
【0048】
受け入れ先が決定した場合、リクエストを打診していた他の病院(かきくけこ病院~たちつてと病院)のトークルームに対しては受け入れ先が確定した旨の投稿が自動でされる。また、図11に示されるように、ポップアップ通知によって介護施設端末に自動で送信することとしてもよい。
【0049】
本実施の形態においては、条件情報を入力させる際に、高齢者患者等の個人情報の入力を受け付けることなく条件情報のみの入力を受け付けることとしている。即ち、例えば、病院等の現場においては、当該高齢者患者等には、少なくとも氏名等を含む個人情報と、個人情報を含まない属性情報との2種類の情報が観念できる。本システムは、病院端末を操作するユーザ(メディカルソーシャルワーカー、看護師、スタッフ等)に対して、属性情報のみを条件情報として入力させることとしている。換言すれば、管理サーバ1においては、上述した個人情報を受け取らない構成となっている。なお、条件入力部は、病院端末から受け付けた条件情報の中に高齢者患者等の個人情報(氏名や電話番号等)が含まれているか否かを検知する検知部(図示せず)を備えることとしてもよい。また、検知された個人情報は、管理サーバ1の記憶部に保存される前に通知され削除を促す構成を採用することとしてもよい。
【0050】
例えば、図12(a)及び図12(b)に示されるように、上述したチャットインターフェース(図7参照)のテキスト入力欄(図12(a))においても、テキストを入力しようとした際に(図12(b))、患者の個人情報の入力を控えるように促す表示を行うこととしてもよい。また、入力されたテキストから個人情報を検知した際にアナウンスを表示することとしてもよい。更には、所定のタイミングで入力者に対して、「個人情報が含まれていないこと」の同意を取るようなステップを設けることとしてもよい。
【0051】
図13に示されるように、本実施の形態によるシステムには、病院端末毎(例えば、契約アカウント毎)に、様々なデータを集計及び出力することができ、これを経営情報として活用することができる。集計可能なデータの例としては、所定期間における受け入れ先毎の打診回数とそのステータスの内訳、患者の属性ごとの受け入れ先の施設名、受け入れを打診してから受け入れが確定するまでの時間、受け入れ先毎の受け入れ確定率等である。また、打診担当者ごとの業務実績を集計することとしてもよい。更に、必要があれば、図14に示されるように、所定の形式において必要な項目を書き出す処理を受け付けることとしてもよい。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、システム上に打診に関する情報が蓄積していくこととなる。当該情報に基づいて、過去の実績に応じた受け入れ先のサジェスト機能を実装することとしてもよい。例えば、属性ごとに得意不得意の推定を行い、新規の高齢者患者等の受け入れ打診の確定を機械学習その他の推定手法によって算出して施設情報をサジェストすることとすればよい。また、この際に、スピード優先や、距離優先などのよう打診先選定の優先軸を病院端末から取得して、当該優先軸を考慮したサジェストを行うこととしてもよい。
【0053】
なお、本実施の形態によるシステムは、その性質上、個人は特定できないものの個人情報に準じた情報管理が求められる場合がある。従って、病院端末及び介護施設端末の双方には、事前に管理サーバ1側において特定された認証IPアドレスからのみアクセスさせることでセキュリティを高めることとしている。なお、セキュリティを高めるためには、ネットワークや端末レベルでのクライアント認証を行うこととしてもよい。これにより、スマートフォンやタブレット端末等からも限られた者のみがアクセスすることが可能になる。
【0054】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1 管理サーバ
2 病院端末
3 介護施設端末
4 ネットワーク
10 プロセッサ
11 メモリ
12 ストレージ
13 送受信部
14 入出力部
【要約】      (修正有)
【課題】入退院等調整業務において迅速なコミュニケーションを可能にする施設情報提供方法、施設情報提供サーバ、施設情報提供プログラム及び施設情報提供システムを提供する。
【解決手段】施設情報提供システムにおいて、管理サーバ1は、ユーザ端末から条件情報の入力を受け付ける条件入力部と、入力された条件情報に基づいて、一以上の施設情報を格納する記憶部から一以上の施設情報を抽出する施設情報抽出部と、抽出した施設情報をユーザ端末に提供する施設情報提供部と、提供された施設情報の選択操作をユーザ端末から受け付ける施設情報選択部と、選択操作を受けた前記施設情報に対して、対象者の受け入れに関するリクエストを関連付けるリクエスト関連付け部と、関連付けられた前記リクエストに対して施設端末から応答を受け付ける応答受付部と、応答を受け付けた施設端末に関する施設情報をユーザ端末に提供する応答施設情報提供部と、を具備する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14