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特許7018699管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法
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  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図1
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図1A
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図1B
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図2
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図2A
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図2B
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図2C
  • 特許-管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】管材、二重壁鋼管および二重壁鋼管を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 9/02 20060101AFI20220204BHJP
   B21C 37/06 20060101ALI20220204BHJP
   C23C 2/12 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
F16L9/02
B21C37/06 C
C23C2/12
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016139775
(22)【出願日】2016-07-14
(65)【公開番号】P2017026147
(43)【公開日】2017-02-02
【審査請求日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】62/197,112
(32)【優先日】2015-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/099,732
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506341607
【氏名又は名称】クーパー-スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ホセ・レイエス・フローレス・ラミレス
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナマチャリ・ゴパラン
(72)【発明者】
【氏名】ライル・オトレンバ
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-330346(JP,A)
【文献】特開平08-319548(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0075277(KR,A)
【文献】特開2002-105689(JP,A)
【文献】特開2009-132957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 9/02
B21C 37/06
C23C 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄合金の内側層と、
アルミニウムおよびケイ素の合金の第1および第2の外側層と、
前記内側層と前記第1の外側層との間に配置される第1の中間層と、
前記内側層と前記第2の外側層との間に配置される第2の中間層とを備え、
前記第1および第2の外側層は、12重量%のケイ素組成を有し、
前記第1および第2の中間層は、アルミニウム、ケイ素および鉄からなり、2.4ミクロンから4.0ミクロンの厚さを有する、管材。
【請求項2】
前記第1および第2の外側層が、それぞれ5ミクロンから16ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の管材。
【請求項3】
前記第1および第2の外側層が、それぞれ10ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の管材。
【請求項4】
前記鉄が、高強度鋼である、請求項1に記載の管材。
【請求項5】
前記第1および第2の中間層が、44重量%のアルミニウム、7重量%のケイ素、および49重量%の鉄を含む、請求項1に記載の管材。
【請求項6】
内側管壁と、
外側管壁と、
前記内側管壁と前記外側管壁との間に、ろう付け接合部とを備え、
前記ろう付け接合部は、フラックスを含まず、
前記内側管壁および前記外側管壁は、鉄合金の内側層と、アルミニウムおよびケイ素の合金の第1および第2の外側層と、前記内側層と前記第1の外側層との間に配置される第1の中間層と、前記内側層と前記第2の外側層との間に配置される第2の中間層とを含む管材から形成され、
前記第1および第2の外側層が、12重量%のケイ素組成を有し、
前記第1および第2の中間層は、アルミニウム、ケイ素および鉄からなる、二重壁鋼管。
【請求項7】
前記第1および第2の外側層が、それぞれ5ミクロンから16ミクロンの厚さを有する、請求項6に記載の二重壁鋼管。
【請求項8】
前記第1および第2の外側層が、10ミクロンの厚さを有する、請求項6に記載の二重壁鋼管。
【請求項9】
前記鉄合金が、高強度鋼である、請求項6に記載の二重壁鋼管。
【請求項10】
前記第1および第2の中間層が、44重量%のアルミニウム、7重量%のケイ素、および49重量%の鉄を含む、請求項6に記載の二重壁鋼管。
【請求項11】
二重壁鋼管を製造する方法であって、
鉄合金基板をアルミニウムおよびケイ素の液体浴中に浸漬し、鋼基板上にアルミニウムおよびケイ素の合金の第1および第2の外側層を形成するステップであって、前記第1および第2の外側層が、12重量%のケイ素組成を有するステップと、
前記アルミニウムおよびケイ素を、前記鉄合金基板の鉄と反応させ、アルミニウム、ケイ素および鉄からなる第1および第2の中間層を形成するステップと、
得られた管材を、内側管壁および外側管壁を有する二重壁管にロール成形するステップと、
前記二重壁管をろう付けして、前記内側管壁および前記外側管壁を融合するステップとを含み、
前記ろう付けは、フラックスなしで行われる方法。
【請求項12】
前記二重壁管をろう付けするステップが、480℃から600℃の間の温度でろう付けすることを含む、請求項11に記載の二重壁鋼管を製造する方法。
【請求項13】
前記第1および第2の外側層が、それぞれ5ミクロンから16ミクロンの厚さを有する、請求項11に記載の二重壁鋼管を製造する方法。
【請求項14】
前記第1および第2の外側層が、それぞれ10ミクロンの厚さを有する、請求項11に記載の二重壁鋼管を製造する方法。
【請求項15】
前記鉄合金が、高強度鋼である、請求項11に記載の二重壁鋼管を製造する方法。
【請求項16】
前記第1および第2の中間層が、44重量%のアルミニウム、7重量%のケイ素、および49重量%の鉄を含む、請求項11に記載の二重壁鋼管を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、管材および二重壁鋼管に関する。本開示はまた、概して、二重壁鋼管を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この項は、単に本開示に関する背景技術情報を提供するものであり、先行技術を構成し得るものではない。
【0003】
二重壁管は、従来から様々な用途に使用されている。例えば、二重壁管は、ブレーキ液等の自動車油圧油に使用され得る。燃料経路、油送経路、加熱および冷却ユニット等を含む、二重壁管の他の多くの用途が知られている。
【0004】
従来、二重壁管は、(ASTM A-254基準に記載のように)銅めっき低炭素鋼帯から構成され得る。銅めっき鋼帯は、管形態にロールされ、その後還元雰囲気中でろう付けされる。ろう付けは、抵抗溶接、誘導溶接または炉内融接により達成され得る。適切な接合を達成するためには、約1010℃の温度に達することが必要である。層は互いに融合し、または温度が低下するにつれて固化する。
【0005】
低炭素鋼系材料を1010℃から1200℃の温度範囲に曝露すると、再結晶として知られる冶金学的変態が生じる。この冶金学的変態は、粒度だけでなく、鋼の全体的な機械特性にも悪影響を及ぼし得る。その結果、高温が関与するこれらのろう付け条件は、二重壁管との使用に好適な鋼種の範囲を大きく制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知の二重壁鋼管、および二重壁鋼管を製造する関連した方法は、それらの使用目的に概して許容され得ることが証明されているが、関連技術において引き続き改善の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この項は、本開示の概要を提供するものであり、その全範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0008】
1つの具体的態様によれば、本教示は、内側層と、第1および第2の外側層と、第1および第2の中間層とを含む管材を提供する。内側層は、鉄である。第1および第2の外側層は、アルミニウムおよびケイ素の合金である。第1の中間層は、内側層と第1の外側層との間に配置される。第2の中間層は、内側層と第2の外側層との間に配置される。第1および第2の中間層は、アルミニウム、ケイ素および鉄を含む。
【0009】
別の具体的態様によれば、本教示は、内側管壁と外側管壁とを含む二重壁鋼管を提供する。内側および外側管壁は、内側層と、第1および第2の外側層と、第1および第2の中間層とを含む管材から形成される。内側層は、鉄である。第1および第2の外側層は、アルミニウムおよびケイ素を含む。第1の中間層は、内側層と第1の外側層との間に配置される。第2の中間層は、内側層と第2の外側層との間に配置される。第1および第2の中間層は、アルミニウム、ケイ素および鉄を含む。
【0010】
さらに別の具体的態様によれば、本教示は、二重壁鋼管を製造する方法を提供する。方法は、鋼基板をアルミニウムおよびケイ素の液体浴中に浸漬し、鋼基板上にアルミニウムおよびケイ素の外側層を形成するステップを含む。方法は、さらに、アルミニウムおよびケイ素を鋼と反応させ、アルミニウム、ケイ素および鉄の第1および第2の中間層を形成するステップを含む。方法は、さらに、得られた管材を、内側管壁および外側管壁を有する二重壁管にロール成形するステップを含む。方法は、さらに、二重壁管をろう付けして、内側および外側管壁を融合するステップを含む。
【0011】
さらなる適用分野は、本明細書に記載の説明から明らかとなる。本概要における説明および具体例は、例示のみを目的とすることを意図し、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0012】
本教示は、詳細な説明、任意の添付の請求項、および以下の図面からより十分に理解される。図面は、例示のみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本教示に従って構築された管材の層を通して描かれた断面図である。
図1A図1と同様の断面画像である。
図1B図1Aの四角で囲まれた部分の拡大図である。
図2】本教示に従って構築された二重壁鋼管の簡略化された断面図である。
図2A図2と同様の断面画像である。
図2B図2Aの四角で囲まれた部分の拡大図である。
図2C図2Bの四角で囲まれた部分の拡大図である。
図3】本教示による二重壁鋼管を製造するための方法の概略的ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照数字は、対応する部分を指す。
【0015】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その用途または使用を限定することを意図しない。図面を通して、対応する参照数字は、類似または対応する部分および特徴を示すことが理解されるべきである。
【0016】
最初に図1Aおよび1Bの断面図を参照すると、本教示に従って構築された管材が示され、概して参照文字10で特定される。管材10は、概して、内側層12と、第1および第2の外側層14と、第1および第2の中間層16とを含むように示されている。内側層12は、鋼または高強度鋼帯であってもよい。外側層14は、アルミニウムおよびケイ素のアルミニウム合金コーティングであってもよい。中間層16は、金属間相であってもよい。
【0017】
管材10は、溶融めっきプロセスにより得られてもよい。溶融めっきアルミコーティングは、フェライト基板が溶融アルミニウム中に含浸された際の鉄とアルミニウムとの間の冶金反応に起因して形成される、異なる相の不均一集合体からなる。溶融アルミニウムを使用した従来の溶融めっきプロセスを通して、固化後のコーティングは、100%アルミニウムの外側層と、FeAl3およびFe2Al5の金属間相からなる合金層と呼ばれる中間層とからなる。この相の成長速度論は拡散律速であり、律速段階は境界層Fe2Al5を通したAl原子の拡散であることが報告されている。
【0018】
本教示によれば、鋼基板12は、溶融めっき浴内で処理される。1つの具体的用途において、鋼基板12は、高強度鋼、例えば高強度低合金鋼またはHSLA鋼である。しかしながら、本教示の範囲内で、他の鋼が利用されてもよいことが理解される。例示的な鋼は、その比較的低いコストを考慮して、ある特定の用途に好ましいものとなり得る。
【0019】
Al溶融物にSiが存在しないことにより、Feは遊離Alと結合して、金属/コーティング界面に位置するFe2Al5金属間層を主に形成する。この金属間相の成長速度は、約2秒の期間内に約4~7ミクロンの大きさに達するように非常に急速となり得る。一方、Al溶融物にSiが添加されると、SiはFeの速度を低下させ、したがってAlとの結合は非常に遅くなる。その結果、Al-Feの間の結合プロセスが遅いことによって、新たに形成されるFeSiAlの金属間層の成長速度が遅くなり、したがって、大きさは、約2秒の期間中に約500nmから3ミクロンの間となる。さらに、Siは、有益にも、プロセスに温度安定性をもたらす。これは、FeSiAl金属間層が、ろう付けプロセスの間温度により悪影響を受けず、また受けないであろうことを意味する。換言すれば、FeSiAl金属間層は、成長しない。6重量%を超えると、Siは、金属間層の大きさ(すなわち厚さ)に対して、認識され得るさらなる影響を有し得ない。その結果、12重量%の共晶点に達することが可能であり、AlおよびSiの完全な混和性を伴って溶融めっきプロセスを実行することがより容易である。この薄いFeSiAl金属間層16は、コーティングの延性を改善し、それにより、剥離のないより厳しい条件の製造が可能となる。
【0020】
溶融めっき浴は、約1~15重量%のケイ素を含有してもよい。1つの具体的用途において、溶融めっき浴は、約12重量%のケイ素を含有する。他の用途において、溶融めっき浴は、より高い、またはより低い重量%のケイ素を含んでもよい。
【0021】
溶融めっき浴が12重量%のケイ素を有する場合、第1および第2の外側層または外側コーティング14は、それに対応して12重量%のケイ素を有する。鋼基板12上にアルミニウム層を堆積させるために、より低い温度が必要となり得る(共晶点溶融めっきプロセス)。換言すれば、ケイ素の添加により、より低い温度の使用が可能となる。また、12重量%のケイ素を有することは、アルミ被覆層内への鉄の拡散、および鋼基板内へのアルミニウムの拡散を低減するのに役立つ。第1および第2の外側層14の厚さは、約5ミクロンから約16ミクロンの範囲であってもよい。1つの具体的用途において、第1および第2の外側層14の厚さは、約10ミクロンである。この具体的用途において、FeSiAl金属間層16は、約2.4ミクロンから約4.0ミクロンの範囲であってもよい。この明確な金属間層は、図1の断面図において具体的に示されており、図1Aおよび1Bの断面図においてさらに示されている。1つの具体的用途において、金属間層16は、重量パーセントに関して、Alが44重量%、Siが7重量%、およびFeが49重量%である。この「中間」層の組成は、拡散/反応が生じる場所に存在する。
【0022】
図2、2A、2Bおよび2Cを具体的に参照すると、本教示の管材10で構築された例示的二重壁鋼管が示され、概して参照文字20で特定されている。管材10は、例えば第1または外側管層22および第2または内側管層24を含むように、従来の様式で図2に示される形態にロール成形または別様に成形され得る。図2は、簡略化された断面図であることが理解される。これに関して、外側および内側管22および24の層(例えば図1を参照されたい)は、具体的に示されていない。鋼管20は、管20の外側および内側層22および24の間にろう付けされた接合部26を含むように示されている。従来、アルミニウムまたはアルミニウム合金をろう付けする場合、金属の表面上に堆積した酸化アルミニウム層が、ろう付けプロセスの間悪影響を及ぼす。銅集合体のろう付けとは異なり、アルミニウム構成要素のろう付けは、典型的には、フラックスの使用を必要とする。冶金学において、フラックスは、化学的清浄化剤、流動化剤、または浄化剤である。接合プロセスにおけるフラックスの役割は、典型的には2つあり、(1)金属表面上の酸化物を溶解し、溶融金属による濡れを促進すること、および(2)高温表面をコーティングすることにより酸素バリアとして作用し、その酸化を防止することである。
【0023】
本教示の管材10は、有利には、フラックスなしでろう付けされ得る。アルミ被覆鋼のろう付けは、有利には、電流に関してより幅広いウィンドウを提供する(ろう付けは、導電性ろう付けまたは連続抵抗溶接として知られるプロセスを通して行われる)。低電流(例えばI=6アンペア以下)では、アルミ被覆鋼の表面は、良好で強固なろう付け接合を達成するために、アルカリ溶液で清浄化されるべきである。高電流(例えばI=11アンペア以上)では、良好で強固なろう付け接合を提供するために、アルミ被覆鋼の表面を清浄化する必要はない。1つの用途によれば、二重壁管20は、約0.89~2.1kNの電極加圧力、約6~11kAの電流、および約800ミリ秒から3秒のろう付け時間でろう付けされる。
【0024】
アルミ被覆鋼帯を使用することにより、銅めっき二重壁鋼管に対する従来のろう付け(1000~1100℃)と比較して、より低い温度(480~600℃)を使用して二重壁管20をろう付けすることが可能である。ろう付け温度を低下させることにより、高強度鋼が、従来の低炭素低強度用品鋼(「軟鋼」とも呼ばれる)の代替品として利用され得る。本明細書において使用される場合、「高強度鋼」という用語は、400MPa以上の降伏強度、480MPa以上の引張強度、および24%以上の50mm伸長率を有する鋼を意味するように理解される。高強度鋼系材料の使用は、従来の低炭素(軟)鋼系材料の使用と比較して、二重壁管20の全質量を30%まで低減し得る。
【0025】
ここで、図3を参照すると、上記に基づいて、本教示の方法が、鋼基板12を溶融または液体アルミニウムおよびケイ素の浴中に浸漬し、アルミニウムおよびケイ素を含有するアルミニウム合金の外側層14を提供する第1の概略的ステップ100を含んでもよいことが理解される。第2の概略的ステップ110において、本方法は、Fe-Si-Alの中間層16を形成するステップを含んでもよい。第3の概略的ステップ120において、本方法は、得られた管材10を二重壁管20にロール成形するステップを含んでもよい。第4の概略的ステップ130において、本方法は、管状形態をろう付けして、管20の第1および第2の層22および24を融合するステップを含んでもよい。
【0026】
特定の例が明細書において議論され、図面に例示されているが、当業者には、本教示の範囲から逸脱せずに様々な変更が行われてもよく、均等物がその要素と置換されてもよいことが理解される。さらに、様々な例の間での特徴、要素および/または機能の混合および調和が、本明細書において明示的に企図され得、したがって当業者には、本教示から、上で異なるように議論されていない限り、1つの例の特徴、要素および/または機能が別の例に適宜組み込まれてもよいことが理解される。さらに、具体的な状況または材料を本教示に適応させるために、その本質的な範囲から逸脱せずに、多くの変更がなされてもよい。したがって、本教示は、本教示を実行するために現在企図される最良の形態として図面により例示され、本明細書において議論された具体例に限定されず、本開示の範囲は、上記説明および任意の添付の請求項に含まれる任意の実施形態を含むことが意図され得る。
図1
図1A
図1B
図2
図2A
図2B
図2C
図3