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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】無線タグ読み取り装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220204BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
G06K7/10 276
H04B5/02
G06K7/10 164
G06K7/10 128
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017139439
(22)【出願日】2017-07-18
(65)【公開番号】P2019021066
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 渉
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0043337(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0177291(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0187195(US,A1)
【文献】特開2017-117219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0170556(US,A1)
【文献】国際公開第2006/028086(WO,A1)
【文献】特開2002-279362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
H04B 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグが設けられた物体を載せて搬送する搬送部の一部の上部を取り囲むように設置されるトンネル部と、
電波を放射して前記無線タグの情報を読み取るアンテナ部と、を備え、
前記トンネル部の入口には、前記物体の搬送位置に応じて開閉する第1の扉が設けられ、
前記トンネル部の出口には、前記物体の搬送位置に応じて開閉する第2の扉が設けられ、
前記トンネル部の前記第1の扉と前記第2の扉との間には、前記物体の搬送位置に応じて開閉する第3の扉が設けられ、
前記第2の扉と前記第3の扉との間の前記搬送部として、前記第3の扉の方向から前記第2の扉の方向に向かって下る傾斜部材が設けられ、
前記アンテナ部は、前記傾斜部材の傾斜面に設けられる、
無線タグ読み取り装置。
【請求項2】
前記第1の扉と前記第3の扉との間の距離は、前記第1の扉および前記第3の扉のうちの一方が開いた状態のときは他方は閉まった状態となるように設定される、
請求項1に記載の無線タグ読み取り装置。
【請求項3】
前記トンネル部と連続する第2のトンネル部をさらに備え、
前記第2のトンネル部の入口には、前記第2の扉が設けられ、
前記第2のトンネル部の出口には、前記物体の搬送位置に応じて開閉する第4の扉が設けられる、
請求項1または2に記載の無線タグ読み取り装置。
【請求項4】
前記第2の扉と前記第4の扉との間の距離は、前記第2の扉および前記第4の扉のうちの一方が開いた状態のときは他方は閉まった状態となるように設定される、
請求項3に記載の無線タグ読み取り装置。
【請求項5】
前記第1の扉、前記第2の扉、前記第3の扉、および、前記第4の扉の各々は、前記物体の搬送位置に応じて開閉する両開きの扉である、
請求項3または4に記載の無線タグ読み取り装置。
【請求項6】
電波を反射する材料を示す電波反射材が、前記両開きの扉の隙間に設けられる、
請求項5に記載の無線タグ読み取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線タグ読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばRFID(Radio Frequency Identifier)等の無線通信において、電波を放射するアンテナの周囲を電波反射材で取り囲むことで、情報の読み取り範囲を制御する技術が知られている。
【0003】
例えば図1に示すように、コンベアーなどの搬送部1で搬送される梱包物2に搭載された商材3に付けられた無線タグ4に格納(記録)された情報を、搬送部1の中間部分の周囲を取り囲むトンネルゲート5の内面に設けられたアンテナ6(RFID対応のリーダライタ・アンテナ)で読み取る構成が知られている。トンネルゲート5の入口には、梱包物2の搬送位置に応じて開閉する入口側の扉7が設けられる。また、トンネルゲート5の出口には、梱包物2の搬送位置に応じて開閉する出口側の扉8が設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図1の構成では、梱包物2の搬送中に入口側の扉7が開いた状態になると、アンテナ6からの電波がトンネルゲート5の外に漏れてしまう。これにより、トンネルゲート5の外(読み取り範囲外)の無線タグを読み取ってしまうおそれがある上、トンネルゲート5内(読み取り範囲内)の無線タグの読み取り精度が低下してしまうといった問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、読み取り範囲外の無線タグを読み取ることを抑制しつつ読み取り範囲内の無線タグの読み取り精度を向上させることが可能な無線タグ読み取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の無線タグ読み取り装置は、無線タグが設けられた物体を載せて搬送する搬送部の一部の上部を取り囲むように設置されるトンネル部と、電波を放射して無線タグの情報を読み取るアンテナ部と、を備える。トンネル部の入口には、物体の搬送位置に応じて開閉する第1の扉が設けられる。トンネル部の出口には、物体の搬送位置に応じて開閉する第2の扉が設けられる。トンネル部の第1の扉と第2の扉との間には、物体の搬送位置に応じて開閉する第3の扉が設けられる。第2の扉と第3の扉との間の搬送部として、第3の扉の方向から第2の扉の方向に向かって下る傾斜部材が設けられる。アンテナ部は、傾斜部材の傾斜面に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来の無線タグ読み取り装置の構成を示す図。
図2】第1の実施形態の無線タグ読み取り装置の構成を示す図。
図3】第1の実施形態のトンネル部の上面模式図。
図4】第2の実施形態の無線タグ読み取り装置の構成を示す図。
図5】第2の実施形態のトンネル部の上面模式図。
図6】変形例における両開きの扉の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、無線タグ読み取り装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、無線タグ読み取り装置の一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態の無線タグ読み取り装置10の構成の一例を示す図である。図2に示すように、無線タグ読み取り装置10は、第1のコンベアー11と、第2のコンベアー12と、傾斜部材13と、トンネル部14とを備える。
【0010】
この例では、第1のコンベアー11、第2のコンベアー12、傾斜部材13は、無線タグ4が設けられた物体を載せて搬送する「搬送部」を構成する。なお、「無線タグ4が設けられた物体(搬送対象の物体)」とは、無線タグ4が付された商材3であると考えてもよいし、無線タグ4が付された商材3が搭載された梱包物2(例えば段ボール等)であると考えてもよい。
【0011】
第1のコンベアー11は、駆動ローラ101と、従動ローラ102と、駆動ローラ101および従動ローラ102に巻回されたベルト103と、から構成されている。例えば不図示の制御装置がモータを駆動する制御を行って駆動ローラ101を回転させることにより、ベルト103上の物体(梱包物2)を図2の矢印の方向に搬送することができる。同様に、第2のコンベアー12は、駆動ローラ201と、従動ローラ202と、駆動ローラ201および従動ローラ202に巻回されたベルト203と、から構成されている。例えば制御装置がモータを駆動する制御を行って駆動ローラ201を回転させることにより、ベルト203上の物体を図2の矢印の方向に搬送することができる。なお、図2の例では、第1のコンベアー11の高さH1は、第2のコンベアー12の高さH2よりも大きい値に設定されている。
【0012】
傾斜部材13は、第1のコンベアー11と第2のコンベアー12との間に介在し、第1のコンベアー11で搬送された梱包物2を第2のコンベアー12へ導くための傾斜面300を有している。傾斜面300の第1のコンベアー11側の高さはH1に設定され、第2のコンベアー12側の高さはH2に設定されている。第1のコンベアー11で傾斜部材13へ搬送された梱包物2は、その自重により傾斜面300を滑り落ちて第2のコンベアー12に導かれる。なお、これに限らず、例えば傾斜部材13が設けられずに、1つのコンベアーで「搬送部」が構成される形態であっても構わない。
【0013】
トンネル部14は、無線タグ4が設けられた物体を載せて搬送する搬送部の一部の上部を取り囲むように設置される。トンネル部14は、搬送部が挿通される部材である。この例では、トンネル部14は、搬送部の中間部分の周囲を取り囲んでいる。より具体的には、トンネル部14は、傾斜部材13の周囲を取り囲むとともに、傾斜部材13が挿通される穴(搬送方向と同じ方向に延びる通路)を有する部材である。なお、トンネル部14の内面(穴の内面)は、電波を反射する材料を示す電波反射材で構成される。電波反射材としては、例えば金属などが挙げられる。また、トンネル部14の断面の形状(穴の断面形状)は任意であり、例えば矩形であってもよいし円形であってもよい。
【0014】
トンネル部14の入口(トンネル部14の穴の両端のうち搬送方向の上流側)には、搬送対象の物体の搬送位置に応じて開閉する第1の扉111が設けられる。また、トンネル部14の出口(トンネル部14の穴の両端のうち搬送方向の下流側)には、搬送対象の物体の搬送位置に応じて開閉する第2の扉112が設けられる。さらに、トンネル部14の第1の扉111と第2の扉112との間には、物体の搬送位置に応じて開閉する第3の扉113が設けられる。なお、トンネル部14のうち、第1の扉111と第3の扉113との間の部分と、第3の扉113と第2の扉112との間の部分と、は一体的に構成されてもよいし、別々に構成されて接続される形態であってもよい。
【0015】
本実施形態では、第1の扉111と第3の扉113との間の距離は、第1の扉111および第3の扉113のうちの一方が開いた状態のときは他方は閉まった状態となるように設定される。より具体的には、第1の扉111と第3の扉113との間の距離は、搬送対象の物体(梱包物2)の搬送方向の最大サイズよりも大きい値に設定されることが好適である。このように設定することで、梱包物2の搬送位置に応じて第1の扉111および第3の扉113のうちの一方が開いた状態になっても、他方を閉まった状態とすることができる。
【0016】
また、本実施形態における第1の扉111、第2の扉112、第3の扉113の各々は、搬送対象の物体の搬送位置に応じて開閉する両開きの扉である。この例では、第1の扉111、第2の扉112、第3の扉113の各々は、左右の扉のそれぞれが蝶番を軸に回動可能に構成された観音開きの扉である。なお、蝶番に対しては、バネやスプリング等の弾性部材によって、左右の扉を閉じた状態に維持しようとする付勢力が常に加えられている。そして、搬送対象の物体の移動荷重が付勢力を上回ると、左右の扉は開く方向に回動することになる。他の扉についても同様の構造である。また、第1の扉111、第2の扉112、第3の扉113の各々は、例えば電波反射材で構成されてもよい。
【0017】
図2に示すように、トンネル部14の内面には、電波を放射して無線タグ4の情報を読み取るアンテナ部の一例であるリーダライタ・アンテナ114が設けられる。より具体的には、リーダライタ・アンテナ114は、トンネル部14の内側の空間であって、かつ、第2の扉112と第3の扉113との間の空間(以下、「アンテナ設置空間」と称する場合がある)に設けられる。この例では、第3の扉113から第2の扉112までのトンネル部14の内面に2つのリーダライタ・アンテナ114が設けられ、傾斜部材13の傾斜面300上に2つのリーダライタ・アンテナ114が設けられている。ここでは、トンネル部14の内面と同様、傾斜面300も電波反射材で構成される。なお、リーダライタ・アンテナ114の数や設置場所は任意に変更可能であり、例えば第3の扉113から第2の扉112までのトンネル部14の内面のみに1以上のリーダライタ・アンテナ114が設けられる形態であってもよいし、傾斜面300上のみに1以上のリーダライタ・アンテナ114が設けられる形態であってもよい。要するに、1以上のリーダライタ・アンテナ114が、トンネル部14の内側の空間であって、かつ、第2の扉112と第3の扉113との間の空間(アンテナ設置空間)に設けられる形態であればよい。
【0018】
リーダライタ・アンテナ114は定期的に電波を放射し、この電波を受信した無線タグ4は、自装置に格納(記録)された情報を応答する。無線タグ4に格納された情報としては、例えば無線タグ4を識別する情報や該無線タグ4が付された商材3に関する情報(商材情報)などが挙げられる。リーダライタ・アンテナ114は、無線タグ4からの応答を受信することで、その受信した応答に含まれる情報を読み取ることができる。例えばリーダライタ・アンテナ114は、アンテナと、アンテナを駆動して無線タグ4に格納された情報の読み取りや情報の書き込みを行う駆動部と、から構成されてもよい。
【0019】
以上の構成の下、図3を用いて、無線タグ4が付された商材3が梱包された梱包物2が、搬送部によって搬送される場合を想定する。図3は、トンネル部14を上方から見たときのイメージを表す模式図である。図3の(A)に示すように、梱包物2がトンネル部14の入口に設けられた第1の扉111に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第1の扉111は開いた状態となる。このとき、第3の扉113および第2の扉112の各々は閉じた状態のままであるため、リーダライタ・アンテナ114から放射される電波は、梱包物2内の無線タグ4へは届かない。
【0020】
その後、図3の(B)に示すように、梱包物2が第3の扉113の入口に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第3の扉113は開いた状態となる一方、第1の扉111は閉じた状態となる。上述したように、第1の扉111は観音開きの扉で構成されるので、梱包物2が、第1の扉111が開き切った状態となる搬送位置よりも下流側へ搬送されて移動荷重が無くなると、第1の扉111は蝶番を軸として元に戻る方向に回転し、第1の扉111は閉じた状態になる。また、第2の扉112は閉じた状態のままである。このとき、リーダライタ・アンテナ114から放射された電波は、梱包物2内の無線タグ4へ届くので、リーダライタ・アンテナ114は無線タグ4の読み取りを行うことができる。上述したように、このときの第1の扉111および第2の扉112は閉じた状態であるので、リーダライタ・アンテナ114からの電波はトンネル部14の外に漏れることはない。これにより、トンネル部14の外の無線タグ4(読み取り範囲外の無線タグ4)を読み取ることを抑制しつつ、トンネル部14内(読み取り範囲内)の無線タグ4の読み取り精度を高めることができる。その後、梱包物2はトンネル部14を通過し、第2のコンベアー12で搬送されていく。
【0021】
以上に説明したように、本実施形態では、トンネル部14の入口に設けられた第1の扉111と、トンネル部14の出口に設けられた第2の扉112と、の間に第3の扉113が設けられる。そして、トンネル部14の内側の空間であって、かつ、第2の扉112と第3の扉113との間の空間(上述のアンテナ設置空間)にリーダライタ・アンテナ114が設けられる。また、本実施形態では、第1の扉111と第3の扉113との間の距離は、第1の扉111および第3の扉113のうちの一方が開いた状態のときは他方は閉まった状態となるように設定される。
【0022】
つまり、本実施形態では、アンテナ設置空間の入口側を二重構造にして、アンテナ設置空間の入口に設置された第3の扉113が梱包物2の移動荷重によって開いた状態になっても、トンネル部の14の入口に設置された第1の扉111は閉じた状態になるようにする。これにより、搬送対象の物体がアンテナ設置空間の入口に到達して第3の扉113が開いた状態になっても、リーダライタ・アンテナ114から放射される電波がトンネル部14の外へ漏れることを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、読み取り範囲外の無線タグ4を読み取ることを抑制しつつ読み取り範囲内の無線タグ4の読み取り精度を向上させることができる。
【0023】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、上述のトンネル部14と連続する第2のトンネル部がさらに設けられる点で上述の第1の実施形態と相異する。以下、具体的に説明する。なお、上述の第1の実施形態と共通する部分については適宜に説明を省略する。
【0024】
図4は、本実施形態の無線タグ読み取り装置100の構成の一例を示す図である。図4に示すように、無線タグ読み取り装置100は、上述のトンネル部14と連続する第2のトンネル部15をさらに備える。第2のトンネル部15は、搬送部の一部の上部を取り囲むように設置され、搬送部が挿通される。第2のトンネル部15は、トンネル部14よりも搬送方向の下流側に設けられる。第2のトンネル部15の入口(搬送部が挿通される第2のトンネル部15の穴の両端のうち、搬送方向の上流側)には、上述の第2の扉112が設けられる。また、第2のトンネル部15の出口(第2のトンネル部15の穴の両端のうち、搬送方向の下流側)には、物体の搬送位置に応じて開閉する第4の扉115が設けられる。第4の扉115は、搬送対象の物体の移動荷重に応じて開閉する両開きの扉であり、他の扉と同様に、観音開きの扉で構成されている。なお、第4の扉115は電波反射材で構成されてもよい。
【0025】
本実施形態では、第2の扉112と第4の扉115との間の距離は、第2の扉112および第4の扉115のうちの一方が開いた状態のときは他方は閉まった状態となるように設定される。より具体的には、第2の扉112と第4の扉115との間の距離は、搬送対象の物体(梱包物2)の搬送方向の最大サイズよりも大きい値に設定されることが好適である。このように設定することで、梱包物2の搬送位置に応じて第2の扉112および第4の扉115のうちの一方が開いた状態になっても、他方を閉まった状態とすることができる。
【0026】
なお、本実施形態における第2のトンネル部15の内面(傾斜部材13が挿通される穴の内面)は、電波を反射する材料を示す電波反射材で構成される。また、トンネル部14と第2のトンネル部15は、一体的に構成されてもよいし、別々に構成されて接続される形態であってもよい。
【0027】
以上の構成の下、図5を用いて、無線タグ4が付された商材3が梱包された梱包物2が、搬送部によって搬送される場合を想定する。図5は、トンネル部14および第2のトンネル部15を上方から見たときのイメージを表す模式図である。図5の(A)に示すように、梱包物2がトンネル部14の入口に設けられた第1の扉111に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第1の扉111は開いた状態となる。このとき、第3の扉113および第2の扉112の各々は閉じた状態のままであるため、リーダライタ・アンテナ114から放射される電波は、梱包物2内の無線タグ4へは届かない。
【0028】
その後、図5の(B)に示すように、梱包物2が第3の扉113の入口に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第3の扉113は開いた状態となる一方、第1の扉111は閉じた状態となる。また、第2の扉112は閉じた状態のままである。このとき、リーダライタ・アンテナ114から放射された電波は、梱包物2内の無線タグ4へ届くので、リーダライタ・アンテナ114は無線タグ4の読み取りを行うことができる。上述したように、このときの第1の扉111および第2の扉112は閉じた状態であるので、リーダライタ・アンテナ114からの電波はトンネル部14の外に漏れることはない。
【0029】
その後、図5の(C)に示すように、梱包物2が第2の扉112の入口に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第2の扉112は開いた状態となる。このとき、第2のトンネル部15の出口に設けられた第4の扉115は閉じた状態のままである。また、このとき、例えばトンネル部14において第2の扉112よりも搬送方向の上流側に設けられた第3の扉113が開いた状態であっても、トンネル部14の入口に設けられた第1の扉111は閉じた状態となる。つまり、連続するトンネル部14および第2のトンネル部15を一体のトンネル部とみなした場合、該トンネル部の入口(第1の扉111)および出口(第4の扉115)は閉じた状態になるので、リーダライタ・アンテナ114からの電波は該トンネル部の外に漏れることはない。
【0030】
その後、図5の(D)に示すように、梱包物2が第2のトンネル部15を通過して第4の扉115の入口に到達した場合、梱包物2の移動荷重により第4の扉115は開いた状態となる一方、第2のトンネル部15の入口(トンネル部14の出口)に設けられた第2の扉112は閉じた状態となる。このとき、第2の扉112よりも搬送方向の上流側に設けられた第3の扉113も閉じた状態であり、上述のアンテナ設置空間は密閉された空間になるため、リーダライタ・アンテナ114からの電波がトンネル部の外に漏れることはない。
【0031】
つまり、本実施形態では、アンテナ設置空間の入口側および出口側の各々を二重構造とすることで、梱包物2が、トンネル部(トンネル部14および第2のトンネル部115を一体のトンネル部と考える)に入ってから出るまでの全期間にわたって、アンテナ設置空間内に設けられたリーダライタ・アンテナ114からの電波が該トンネル部の外に漏れることを確実に抑制できる。
【0032】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら新規な実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0033】
以下、変形例を記載する。以下に記載する変形例は、上述の各実施形態と組み合わせることができる。
【0034】
(1)変形例1
例えば、電波を反射する材料を示す電波反射材が、両開きの扉の隙間に設けられる形態であってもよい。図6は、第1の扉111、第2の扉112、第3の扉113および第4の扉115の何れかを正面から見た図である。以下では、第1の扉111、第2の扉112、第3の扉113および第4の扉115を互いに区別しない場合は単に「扉」と称する。図6の例では、扉(この例では両開きの扉)を構成する左右の扉のそれぞれは、蝶番116を軸に回動可能に構成される。また、図6において斜線で示された部分の領域は、トンネル部14または第2のトンネル部15の穴と、扉との隙間を示し、ここでは、この隙間を埋めるように電波反射材が設けられている。これにより、リーダライタ・アンテナ114から放射された電波が、トンネル部14または第2のトンネル部15の外に漏れることをさらに抑制できる。
【0035】
(2)変形例2
上述の各実施形態では、扉は、搬送対象の物体の搬送位置に応じて開閉する観音開きの扉であるが、これに限らず、例えばスライド方式の両開きの扉であってもよいし、シャッター方式の一枚の扉であってもよい。これらの形態においては、搬送対象の物体の位置をセンシングし、そのセンシングされた位置に応じて、扉の開閉を自動的に制御する形態が有効である。要するに、扉は、物体の搬送位置に応じて開閉する形態であればよい。
【符号の説明】
【0036】
10 無線タグ読み取り装置
11 第1のコンベアー
12 第2のコンベアー
13 傾斜部材
14 トンネル部
15 第2のトンネル部
111 第1の扉
112 第2の扉
113 第3の扉
114 リーダライタ・アンテナ
115 第4の扉
300 傾斜面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【文献】特開2015-141657号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6