(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】リマインダーリブをもつゴルフグリップ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20220204BHJP
A63B 60/10 20150101ALI20220204BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20220204BHJP
【FI】
A63B53/14 G
A63B60/10
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2017170949
(22)【出願日】2017-09-06
【審査請求日】2020-09-07
(32)【優先日】2016-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジェームス・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ウォールズ
(72)【発明者】
【氏名】アンディー・アリントン
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・ミラー
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08062147(US,B2)
【文献】特開2010-269149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0228929(US,A1)
【文献】特開2011-030938(JP,A)
【文献】特表2010-521320(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00474058(GB,A)
【文献】国際公開第2007/141637(WO,A1)
【文献】特開2006-087940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0321011(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0209359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/14
A63B 60/10-60/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にエンドキャップと、他端にボアとを有する長尺の管状本体であって、前記ボアをもつ前記管状本体は、ゴルフクラブシャフトを受け入れるように構成され、前記管状本体は中空で、その中に形成された凸条を有し、前記凸条は前記管状本体内で長手方向に延びる、長尺の管状本体と、
前記管状本体の外側表面上に設けられた第1溝及び第2溝であって、外側の前記第1溝及び前記第2溝は、内側の前記凸条の対応する縁に隣接して前記管状本体の前記外側表面上に位置され、内側の前記凸条の長さと同じである前記第1溝及び前記第2溝とを備える、リマインダーリブをもつゴルフクラブグリップ。
【請求項2】
前記第1溝及び前記第2溝は、前記管状本体の前記外側表面上の前記内側の凸条を囲繞する、請求項1記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項3】
前記凸条は、可変の形状をもつリマインダーリブを形成する、その長さに沿う可変の形状を備える、請求項1記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項4】
前記第1溝及び前記第2溝が、前記管状本体と異なる色を含む、前記管状本体の前記外側表面上の長手領域を規定する、請求項1記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項5】
前記第1溝及び前記第2溝が、前記管状本体と異なる模様を含む、前記管状本体の前記外側表面上の長手領域を規定する、請求項1記載のゴルフクラブグリップ。
【請求項6】
前記管状本体の選択された外側部分は、前記管状本体の材料と異なる第2の材料を備える、請求項1記載のリマインダーリブをも
つゴルフクラブグリップ。
【請求項7】
前記リマインダーリブは、少なくとも1つのY形状部分を含む、請求項3記載のリマインダーリブをも
つゴルフクラブグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、改善されたゴルフクラブグリップに関し、より詳細には、改善されたリマインダーリブをもつ新規の改善されたゴルフクラブグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、正確に反復するスポーツである。ゴルファーが、より一貫して反復的に、ゴルフクラブのグリップに手を置くことができるほど、ゴルフクラブヘッドとのアラインメントがより一貫することとなる。その結果、より一貫してゴルフの球が打撃される、すなわちショットとなることとなる。本明細書で単にゴルフグリップとも称するゴルフクラブグリップの従来のものは、ゴルファーの手の位置決めを補助する種々の技術が用いられてきた。手の位置を誘導する、グリップ表面に塗布した線又は他の印を、ゴルフグリップにつけることができる。プロゴルフ協会(PGA)の規則は、ゴルフグリップ内に形成するものである、リマインダーリブと称される盛り上がったリブを確かに許可している。リマインダーリブは、クラブのアラインメントにおいてゴルファーを補助するように設計された隆起した凸条である。
【0003】
感触としてよりはっきりとし、より目立つ改善されたリマインダーリブをもつ改善されたゴルフクラブグリップが、いまだ要望されている。そうしたグリップは、ゴルフゲームでのより良好な反復のため、ゴルファーに対してゴルフグリップをより位置合わせしやすくさせる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、改善された外側リブをもつ改善されたゴルフグリップを対象にする。
【0005】
本開示による改善されたゴルフクラブグリップは、一端にエンドキャップと、他端にボアとを有する長尺の管状本体を備える。上記ボアは、ゴルフクラブシャフトを受け入れるように構成されている。管状本体は中空で、内部に形成された凸条を有するものであって、上記凸条は該本体の内部で長手方向に延びる。少なくとも1つの溝が、管状本体の外側表面上に設けられるものであって、上記少なくとも1つの溝は、該本体の内側表面の上記凸条を設ける場所の少なくとも一方の側の該本体の外側表面上に配置されている。
【0006】
本開示はまた、外側リブをもつ改善されたゴルフグリップを対象にするものであって、少なくとも1つの溝が、外側リブの隆起した部分に隣接して設けられている。
【0007】
本開示を特徴付ける新規性の様々な特徴を、特に、添付されてこの開示の一部を形成する特許請求の範囲とともに示す。より良好な理解及びその使用により達成されるその運用上の利点のため、添付の図面及び説明的事項を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、シャフト上のゴルフクラブグリップの断面図である。
【
図2】
図2は、先行技術である
図1のゴルフクラブシャフトに装着したゴルフクラブグリップの2-2線における断面図であって、リマインダーリブ形成に用いるため、ゴルフクラブグリップの内側表面の一部が平坦である。
【
図3】
図3は、別の先行技術であるゴルフクラブシャフトに装着したゴルフクラブグリップの、
図2と類似の断面図であって、ゴルフクラブグリップはリマインダーリブ形成に用いるその内側表面上の凸条を有する。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による、改善されたゴルフクラブグリップの断面図である。
【
図5】
図5は、ゴルフクラブシャフトに装着された
図4のゴルフクラブグリップの断面図であって、リマインダーリブが形成されている。
【
図6】
図6は、本開示の第1の実施形態による改善されたゴルフクラブグリップの正面図であって、ゴルフクラブグリップ上の外側リブを図示している。
【
図7】
図7は、本開示の第1の実施形態による改善されたゴルフクラブグリップの底面図であって、グリップ上の外側リブを図示している。
【
図8】
図8は、本開示の別の実施形態による改善されたゴルフクラブグリップの断面図である。
【
図9】
図9は、本開示のさらに別の実施形態による改善されたゴルフクラブグリップの断面図である。
【
図10】
図10は、本開示のある実施形態による隆起した部分をもつアンダーリスティングの背面図である。
【
図11】
図11は、
図8と類似の図であるが、本開示による外側被覆したゴルフグリップを示していることが異なる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を限定することを意図せず、それぞれの図を通して同様又は類似の特徴には同様の符号を付す図面を参照、特にまず
図1を参照すると、ゴルフクラブシャフト12上に配置する、概して10が付された、本明細書で「ゴルフグリップ」又はより簡単に「グリップ」とも称されるゴルフクラブグリップの断面図を示している。ゴルフグリップ10は、わずかに円錐台形状を有し、一端にボア16と、他端にエンドキャップ18とを有する長尺で中空の管状本体14を含む。ゴルフグリップ10は、典型的に、クラブシャフト12上を摺動し、そしてそこに両面テープ又は他の好適な方法で固定されるゴム又は他の弾性重合体より成る差込み型のグリップである。
【0010】
全米ゴルフ協会(U.S.G.A)及びゴルフの現行規則は、パターのグリップ以外のゴルフグリップがほぼ円形の断面であることを要求する。この規則には例外があり、それはリマインダーリブを設けることである。本明細書で外側リブとも称されるリマインダーリブ20は、
図2で見られるような内側平坦22などのゴルフグリップ内にある内側形状によって、又は、
図3の断面図により見られるように、円形クラブシャフト14上に取り付けるとグリップ材料を変形させる凸条又はレール24のように見える内側の幾何学的構造によって、形成できる。平坦22又は凸条24を押圧する円形シャフトによって引き起こされる内圧が、典型的にはゴム、熱可塑性材料又は他の弾性重合体である外側グリップ表面を真円でなくさせ、グリップ長に沿ってリマインダーリブ20を形成する。内側凸条24又は内側平坦22がグリップの内部にあり、グリップ10の外側から隠れているため、シャフト12をグリップ10のボア16に挿入するとき、グリップ10をクラブシャフト12に装着しているとき、リマインダーリブ20がクラブシャフト12上のどこに形成されることとなるかが取り付ける者には見えない。このことが、シャフト12へのグリップ10の取り付けの間に、適切に一直線にすることを難しくさせることがある。
【0011】
多くのゴルフグリップを箱の中で大量に販売するといった小売環境で、円形の標準のゴルフグリップとリマインダーリブを形成したゴルフグリップとが、しばしば、リマインダーリブが目立ちにくいことから誤って混在している。このことは、顧客に対して、混乱させ、失望させ、返品させうる。
【0012】
内側平坦22又は内側凸条24を用いて所望の大きさのリマインダーリブ20を形成することは、様々な種類のグリップ材料及びグリップの大きさを理由に、困難であることがあり、時には予測できないことがある。ゴルフグリップが大きいほどより多くの材料が必要であり、ゴルファーが感じ取ることができるリマインダーリブを形成することをより困難にさせる。繊維強化ゴムを用いたより硬い材料は、非強化ゴムよりも変形性が乏しい。これらの状況のいずれにおいても、結果として目立ちにくいリマインダーリブとなる。
【0013】
図4及び5を参照すると、本開示の第1の実施形態は、ゴルフクラブグリップ10aの内側表面26aに配置される、グリップ10aの本体14a内部の、内側凸条24aと称される隆起した構造を提供する。凸条24aは、高さ約0.5ミリメートル(mm)から約3.0mmの範囲であり得、約1.0mmから約6.0mmの範囲の幅を有する。凸条24aの高さ及び凸条24aの幅は、グリップに対して所望の効果を達成するように、必要に応じて、グリップ10aの本体14a内で場所ごとに変更してよい。凸条24aは、その長さに沿って変化させるか又は一貫させることが可能である任意の種類の形状、構造又は形を有しうる。凸条24aは、ゴルフグリップ10aの内側において実質的に直線で、長手方向に、グリップの本体14aの実質的に全長でありうる約175mmから約250mmの範囲の所望の距離で延びる。単に例示目的としては、凸条24aは、凸条24aの上面28における幅がその基部30よりも小さい台形形状を有してよい。凸条24aは、平坦上面又は隆起した(王冠状又は丸みのある)上面を有してよい。本開示のこの実施形態のゴルフクラブグリップ10aは、ゴルフクラブグリップ10aの外側表面34a上に配置される、少なくとも1つの溝32、より好ましくは2つ以上の溝32を含むものであって、少なくとも1つの溝32を、
図4に見られるようにグリップ10aの内側上にある凸条24aの各側に設ける。溝32は、
図6及び7に見られるように、グリップ10a上でリマインダーリブを形成する場所である、グリップ10aの外側表面上の長手領域19を規定するために、エンドキャップ18aの付近もしくはエンドキャップ18aにおけるグリップ10aの上面もしくは太い方の端部におけるか、又は、グリップ10aのボア16aによる下端の付近もしくは下端におけるグリップ上で、凸条24aとともに延びて凸条24aを囲繞しうる。外側の溝32は、内側表面26a上に配置した凸条24aの対応する縁に隣接して、グリップ10aの外側表面34a上に配置される。溝32が凸条24aの部分を完全に囲繞する場合、このことが、
図5から7に見られるように、外側表面34a上の隆起して目立つリマインダーリブ20aのための、包含された非常に目立つ領域19を作り出す。
図6及び7に示すように、長手領域19は、リブ20aの全体又は一部にデザイン、色及び/又は模様を含んでもよく、又は、リブ20aに対してデザイン、色及び/又は模様を含まなくてもよく、それはグリップ10aの本体14aと類似する又は異なることが可能である。
図6及び7は、グリップ10aの本体14aに示す部分的デザインと異なる部分的デザイン及び模様をもつグリップ10aの底面にある長手領域19の部分図を示す。長手領域19を構成する材料は、本体14a又はグリップ10aの本体14aの特定の領域よりも上回る又は柔らかいものでありうる硬度を有しうる。
図6及び7は、ゴルフクラブシャフト12に取り付けると外側リブ20aを形成する長手領域19を図示しているが、グリップ10aの端部において直線状の構造で終わりとなる。外側リブ20aを形成する領域19は、グリップの任意の部分にY形状を有してもよく、
図7において破線で図示している。別の実施形態では、溝32は、グリップ上に装飾的なパターンを形成するために利用でき、エンドキャップまで延在可能である。溝32は、外側リブ20aを形成することの所望の効果を達成するために望まれる任意の長さ、幅又は深さのものであってよい。少なくとも1つであるが1つより多い溝32は、内側凸条24aの各側の部分に、外側表面34a上に配置されうる。溝32は、約0.3mmから約2.0mmの範囲の深さ(d)を有し、凸条24aとほぼ同じ長さであるがゴルフクラブグリップ10aの外側表面34a上を長手方向に通りうる。溝32は、グリップが取り付けられて外側リブ20aを形成しているときに、凸条24aのいずれかの側においてグリップ肉厚を減少させ、さらに伸びることを許容して、グリップ10aの外側表面34a上で外側リブ20aをより目立たせる。凸条24aは、例として本開示の譲受人が所有し、参照によりここに組み入れる米国特許第8,485,916号で教示しているように形成することができる。溝32は、外側リブ20aの存在感を増し、リマインダーリブをより規定して目立たせる。溝32に、装飾又は色を塗布してよく、グリップの設計に対して、デザイン要素、模様及びファッションのいくつかの形を付加することさえ可能である。目立つ外側リブ20aが、シャフト12上で適切に一直線にすることを確実にすることでシャフト12上へのグリップ10aの取り付けを補助し、それがゲーム中のゴルファーの反復を容易にする。
【0014】
先述したように、外側リブ20aを構成する材料は、グリップ10aのリマインダーと同等か、該リマインダーよりも柔らかいか又は硬い硬度を有しうる。グリップ10aは、ショアA(Shore A)で測定する硬度の4つに区別した区分数を有しうる。例えば、グリップ10aの下方部分は、グリップ10aの上方部分よりもより柔らかいデュロメータ値を有する。外側リブ20aは、それら2つの領域又は区分と異なるデュロメータ値を有することができ、エンドキャップは、約70ショアAと同程度に高いものであることが可能なそれ独自のデュロメータ値を有することができる。グリップの本体のデュロメータ値は、約40から約60ショアAの間のデュロメータの範囲であることが可能であり、所望の感触に応じて、グリップ長に沿って調節又は変化させることが可能である。外側リブ20aは、好ましくは約ショアA60の硬度を有しうる。
【0015】
本開示はまた、
図8に見られるような、リマインダーリブを作製するための代替的な実施形態を対象とする。この実施形態における外側リブ20bは、先述した長手領域19と類似の方式で、グリップ10bの長さに沿って、ゴルフグリップ10bの本体14bにおける所望の場所又は領域内に隆起した部分36を形成するために、外側表面の厚さ及び幅を増加させることによって形成する。隆起した部分36は、それに隣接する少なくとも1つの溝32を含み、隆起した部分36は、
図6及び7に見られる長手領域及び形19を規定するために、その長さに沿う、可変の形状又は形を有しうる。先に説明した実施形態のように、隆起した部分36に隣接する少なくとも1つの溝32は、外側リブ20bを形成する長手領域19を規定するが、この実施形態においては、ゴルフクラブシャフト上にグリップ10bを取り付けると、グリップ10bの外側表面上の隆起した部分36がこの形成を促す。グリップ10bをシャフト12に装着すると、その増加させた厚さに起因する隆起した部分36のより厚い材料が、グリップに対して剛性を加えることとなり、グリップ10bの外側に外側リブ20bを形成する。隆起した部分36は、高さ約0.5ミリメートル(mm)から約2.0mmであってよく、約3.0mmから約10.0mmの範囲の幅を有する。隆起した部分36は、ゴルフグリップ10bの外側表面34bにおいて実質的に直線で、長手方向に、実質的なグリップ長でありうる約175mmから約250mmの範囲の所望の距離で延びる。領域19における隆起した部分36は、色を塗布される、又は、デザインパターンもしくは表面模様を有することができ、それはグリップ10bの残りの部分と同じであっても又は外側リブ20bを独特の感触によりさらに目立たせるように異なってもよい。この実施形態の外側リブ20bは、所望の任意の形を有してよいが、ゴルフの規則に従うべきである。この実施形態の外側リブ20bだけでなく、本明細書に開示した他の外側リブは、グリップの長手領域上の少なくとも1つの箇所にY形状を形成できるものであり、一実施形態では、
図7の破線に見られるように、太い方の端部付近にY形状を形成する。この実施形態の外側リブ20bは、グリップ10bの残りの部分と同じ材料で形成でき、又は、グリップ10bの残りの部分よりも硬いか柔らかい材料もしくはデュロメータ値を有する異なる材料より構成できる。外側リブ20bは、滑らかであるか又はその表面に形成するその独自の色、デザインもしくは模様を有して、目立つリマインダーリブにさせることができる。U.S.G.A.規則で許可されるような、グラフィックス及び他の装飾又は印(insignia)を、外側リブ20b上に含むようにすることができる。
【0016】
グリップ10b及び外側リブ20bは、好ましくは、ゴム材料又は繊維強化ゴム材料で成形されるが、エラストマー、熱可塑性物質、シリコーンゴム、他のポリマー又はこれら材料の組み合わせのような、ゴルフクラブグリップに用いられる他の材料より構成することが可能である。本明細書で記載するグリップは、圧縮成形もしくは射出成形又は他の類似の製造工程により形成されうる。
【0017】
本開示は、
図9に見られるような、改善されたリマインダーリブ20cのさらなる別の実施形態をさらに対象とする。一部のゴルファーは、剛性すぎる又は硬すぎるリマインダーリブ20を見つけることができるが、こうしたゴルファーは、リマインダーリブに設けられる一貫した形状を確かに望んでいる。本開示は、隆起した部分36の全て又は一部の下方に加えられうる任意の凸条又は管である空気チャネル38を加えることが、この実施形態で隆起した部分36により形成する外側リブ20cをさらに規定する働きをするということを見出した。空気チャネル38は、外側リブ20cをインパクトの間圧縮され、ゴルファーに対してより快適さをもたらす。この実施形態は、目立ち、かつ、アラインメントを支援する外側リブ20cを提供する。グリップ10c内部に設ける空気チャネル38は、外側リブ20cに関して改善されたグリップの快適さをもたらす。空気チャネル38は、隆起した部分36の硬度を最適化するために望まれる任意の大きさのものでありうる。空気チャネルは好ましくは管であるが、高さ約0.3ミリメートル(mm)から約1.0mmの範囲であり、かつ、約0.3mmから約2.0mmの範囲の幅を有する開口をもつ構造を有することができる。凸条48は、ゴルフグリップの内側において、長手方向に、グリップ10cの実質的な長さでありうる約175mmから約250mmの範囲の所望の距離で延びる。
【0018】
本開示はまた、グリップ10b上の隆起した部分36の形成の代替的な固有の2ステップの成形工程を対象とし、それは隆起した部分36をグリップ10bの残りの部分と異なる材料で構成させる。
図10及び11を参照すると、最終的な所望のグリップサイズの大きさよりもわずかに小さい大きさに成形される場合のアンダーリスティング40に対して材料を選択する。最終的なグリップサイズは、アンダーリスティングの本体41の上の破線で示している。まず、アンダーリスティング40を圧縮成形、射出成形等で成形する。アンダーリスティング40は、
図8に見られるようにアンダーリスティング40上を長手方向に所望の距離延びるアンダーリスティングの本体41のその外側表面上の隆起した部分36と一緒に成形する。アンダーリスティング40は、エンドキャップ42及び/又は下部のフェルール44を含みうる。成形したアンダーリスティング40は、その後、第1の鋳型(図示せず)にあるままにするか、又は、第2の鋳型(図示せず)に配置するかのいずれかであってよく、隆起した部分36を露出したままにしながら、グリップ10bの本体14bのカバー材料をアンダーリスティング40上に直接外側被覆する。本体14bのカバー材料は、アンダーリスティング40に用いた材料と同じであってよく、又は、異なってもよい。アンダーリスティング40上の隆起した部分36は、外側被覆ステップの後、露出した状態のままである。このように、アンダーリスティング40は、最終的なグリップ10bの材料と異なる材料のものであってよい。隆起した部分36は、グリップ10bの本体14bと異なる感触又は模様を有することが可能である。グリップ10bをゴルフクラブシャフト12に取り付けると、先述したように、隆起した部分36がリマインダーリブ20bになる。
【0019】
別の実施形態では、まず、隆起した部分36を、隆起した部分36のみを形成する型穴で成形しうる。この操作は、別個の鋳型内であってよく、又は、グリップの鋳型内で形成することが可能である。別個の鋳型で処理する場合、隆起した部分は、グリップの型穴に入れることとなり、そしてグリップ本体の材料を入れて、処理の間に隆起した部分と融合する。隆起した部分がグリップの鋳型内で処理されるのであれば、その場合それは型穴内にあるままにすることとなる一方、グリップ本体をその後圧縮するか又は射出して、先に成形した隆起した部分36と融合する。
【0020】
別の実施形態では、隆起した部分36を、同じ成形操作の間に、簡単に、グリップ本体14bと共に処理しうる。このことは、隆起した部分の穴に未処理のゴムを入れることに加えて、未処理のグリップ本体材料を入れることと、鋳型の中で両者を共に処理することとに関与することとなる。隆起した部分36のいずれかの側に溝を鋳型成形することにより、隆起した部分の材料の移動が溝領域を越えて流れ出ることを防止する堰を作り出すこととなる。
【0021】
ゴム、熱可塑性物質、シリコーン又は他の好適な弾性重合体のような、グリップ本体10b、10cと異なる材料で隆起した部分36を形成することが、グリップ本体材料と異なる性能特性を有するリマインダーリブ20b、20cを作り出すという選択肢を提供する。リマインダーリブ20b、20cは、グリップ本体の残りの部分よりも柔らかく、又は、硬くすることができる。そのことで、グリップ本体を形成する材料とは異なる感触及び/又は滑り抵抗特性をもたせることができる。さらに、隆起した部分36は、綿などの繊維補強ゴム材料を含み、より良好な滑り抵抗及び雨天時性能を提供することができる。
【0022】
隆起した部分36は、グリップサイズに関係なく、安定した、反復可能な感触のリマインダーリブ20b、20cの形成を可能にする。ミッドサイズ又はオーバーサイズなどの大きなサイズのグリップでは、より多くの材料を有し、内側リブ又は凸条24はこうした種類のグリップがもつ厚い肉厚では有効ではない。このことは、グリップ材料が、所望の領域又は場所において、直接にではなくグリップ表面に対して垂直に突出する方式で変形することに起因するようである。スインググリップでは、概して、先細り状の肉厚をもつ円錐台形形状を有するため、内側の凸条又は平坦は、シャフト上を最初に摺動するグリップの先端付近のグリップの薄い肉厚領域ではより目立つリマインダーリブを形成することができるが、グリップの太い方の端部付近の大きな直径の領域では目立たせることができない。このことが、ゴルフグリップにリマインダーリブが形成されるときに、内側凸条24の上に隆起した部分36があることの利点である。グリップ肉厚又はグリップサイズに関わらず、隆起した部分36が、リマインダーリブ14のより一貫した存在感又は感触を提供する。
【0023】
この発明の特定の実施形態を示して詳細に説明し、この開示の原理の適用を説明したが、この開示は、そうした原理から逸脱することなく別の方法で具体化されてよいということが理解されるであろう。