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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】指針表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20220204BHJP
   G04G 9/00 20060101ALI20220204BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
G02F1/1345
G04G9/00 301D
G02F1/13 505
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017202020
(22)【出願日】2017-10-18
(65)【公開番号】P2019074694
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000115773
【氏名又は名称】リズム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 伸也
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-178283(JP,A)
【文献】米国特許第04385842(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0076357(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1345
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G02F 1/13
G04G 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セグメント基板と、
コモン基板と、
前記セグメント基板と前記コモン基板との間に設けられた液晶層と、を有し、
前記セグメント基板は、複数の第1種セグメント表示部を含む複数種のセグメント表示部を有し、
前記複数の第1種セグメント表示部は、i個(iは2以上の整数であって、前記第1種セグメント表示部の総数よりも小さい数)単位で1つのまとめ配線でまとめられ、前記i個単位の前記第1種セグメント表示部を接続する前記まとめ配線のそれぞれはさらに所定箇所で1つにまとめられ、第1セグメント端子に接続されており、
前記第1種セグメント表示部とは別の各種セグメント表示部の配線は、前記第1種セグメント表示部の配線とは交差せずに、前記第1セグメント端子とは異なるセグメント端子まで引き出されている、指針表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記別の各種セグメント表示部は、種類別に、前記指針表示装置の表示デューティに応じた個数単位でそれぞれ1つの配線でまとめられ、
前記別の各種セグメント表示部の配線および前記第1種セグメント表示部の配線のそれぞれは、互いに交差せずに対応する各セグメント端子まで引き出されている、指針表示装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記複数の第1種セグメント表示部は、前記セグメント基板において、前記別の各種セグメント表示部よりも外周に配設され、
前記まとめ配のそれぞれは、前記セグメント基板の中央付近でまとめられている、指針表示装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項において、
前記複数の第1種セグメント表示部の1つから引き出された配線が前記第1セグメント端子に接続されている、指針表示装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項において、
前記指針表示装置は、アナログ指針表示によって数値を通知する装置であり、
前記第1種セグメント表示部は、前記セグメント基板の最外周部に配設された目盛表示であり、
前記別の各種セグメント表示部は、前記目盛表示を指す針表示である、指針表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記指針表示装置は、アナログ表示液晶時計であり、
前記第1種セグメント表示部は、前記セグメント基板の最外周部に60個配設された1秒単位の目盛表示であり、
前記別の各種セグメント表示部は、前記セグメント基板の中心部から外周に向かって放射状に設けられた針表示部であって、1秒毎に遷移する、60個の秒針表示部と、60個の短針表示部とを含み、
前記秒針表示部と前記短針表示部との組み合わせによって60個の長針表示部が表される、指針表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記まとめ配のぞれぞれは、前記別の各種セグメント表示部の間のスペースを通って前記セグメント基板の中央部でまとめられ、
前記別の各種セグメント表示部の各配線は、前記第1種セグメント表示部の前記まとめ配のそれぞれが通るスペースとは異なる、前記別の各種セグメント表示部の間のスペースを通って前記セグメント基板の外周まで引き出されて対応する各セグメント端子に接続される、指針表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、指針表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、例えば、第1ガラス基板やそれに対向する第2ガラス基板上に、セグメント表示部と引き回し配線やコモン表示部と引き回し配線を設け、第1ガラス基板と第2ガラス基板とを合わせることにより、液晶表示装置における各電極の結線を実現している。そして、各表示部を結線する際にジャンパー配線を用いることにより、限られたガラス基板上のスペースを活用している。例えば、特許文献1には、特定のコモン表示部からの引き回し配線同士を接続するためにジャンパー配線を配置する配線構成例が開示されている。このジャンパー配線により、表示部の引き回し配線同士の接続を確実に実現することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-121584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるようなジャンパー配線を用いると、ジャンパー配線の端子が小さなドットとなって液晶表示装置の表示画面上に現れてきてしまい、液晶表示の外観が悪くなるという課題がある。ジャンパー配線が少なければドットとして現れるジャンパー配線の端子の数も少なくなるが、ジャンパー配線を少なくしようとすると、通常、表示面のデザインの制約が増えてしまう。また、ジャンパー配線によって電気抵抗が増えるため、電力損失も増加してしまうという課題も生じてしまう。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、指針表示装置においてジャンパー配線を用いずに、各表示部から電極端子への結線を実現する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示による指針表示装置は、セグメント基板と、コモン基板と、セグメント基板とコモン基板との間に設けられた液晶層と、を有し、セグメント基板は、複数の第1種セグメント表示部を含む複数種のセグメント表示部を有し、複数の第1種セグメント表示部は、i個(iは2以上の整数)単位で1つの配線でまとめられ、当該まとめられた各配線はさらに所定箇所で1つにまとめられ、第1セグメント端子に接続されており、第1種セグメント表示部とは別の各種セグメント表示部の配線は、第1種セグメント表示部の配線とは交差せずに、第1セグメント端子とは異なるセグメント端子まで引き出されている。
【0007】
上記指針表示装置において、第1種セグメントと別の各種セグメント表示部は、種類別に、指針表示装置の表示デューティに応じた個数単位でそれぞれ1つの配線でまとめられ、別の各種セグメント表示部の配線および第1種セグメント表示部の配線のそれぞれは、互いに交差せずに対応する各セグメント端子まで引き出されている。
【0008】
上記指針表示装置において、複数の第1種セグメント表示部は、セグメント基板において、別の各種セグメント表示部よりも外周に配設され、まとめられた各配線は、セグメント基板の中央付近でまとめられている。
上記指針表示装置において、複数の第1種セグメント表示部の1つから引き出された配線が第1セグメント端子に接続されている。
【0009】
本開示の指針表示装置は、アナログ指針表示によって数値を通知する装置であり、第1種セグメント表示部は、セグメント基板の最外周部に配設された目盛表示であり、別の各種セグメント表示部は、目盛表示を指す針表示である。例えば、当該指針表示装置は、アナログ表示液晶時計であり、第1種セグメント表示部は、セグメント基板の最外周部に60個配設された1秒単位の目盛表示であり、別の各種セグメント表示部は、セグメント基板の中心部から外周に向かって放射状に設けられた針表示部であって、1秒毎に遷移する、60個の秒針表示部と、60個の短針表示部とを含み、秒針表示部と短針表示部との組み合わせによって60個の長針表示部が表される。また、この場合、まとめられた各配線は、別の各種セグメント表示部の間のスペースを通ってセグメント基板の中央部でまとめられ、別の各種セグメント表示部の各配線は、第1種セグメント表示部のまとめられた各配線が通るスペースとは異なる、別の各種セグメント表示部の間のスペースを通ってセグメント基板の外周まで引き出されて対応する各セグメント端子に接続される。
【0010】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになる。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではないことを理解する必要がある。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、指針表示装置においてジャンパー配線を用いずに、各表示部から電極端子への結線を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の実施形態によるアナログ表示LCD時計1の外観を示す図である。図1Aはアナログ表示LCD時計1の正面図(文字盤)であり、図1Bはアナログ表示LCD時計1の側面図である。
図2図2は、アナログ表示LCD時計1の時計本体10の内部の概略構成を示す図である。図2Aは、時計本体10の断面構成を示し、図2Bは、文字盤11の下層に配置される導光板15の構成を示している。
図3】本実施形態によるアナログ表示LCD時計1のセグメントガラス基板(SEG)12の配線(基本構成)を示す図である。
図4】本実施形態の別形態の構成によるアナログ表示LCD時計1のセグメントガラス基板(SEG)12の配線とコモンガラス基板(COM)14の配線例を示す図である。図4Aはセグメントガラス基板(SEG)12の1/3デューティの場合の配線構成例を示す図であり、図4Bはコモンガラス基板(COM)14の配線構成例を示す図である。
図5図4Aのセグメントガラス基板(SEG)12の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態は、アナログ表示LCD時計(信号処理はデジタルで実行されるが、LCDによって時刻表示をアナログ時計のように行う時計をいう)におけるセグメントガラス基板の配線に関する。具体的には、小さいスペースを活用するために従来から用いられているジャンパー配線を用いずにセグメントガラス基板における配線を実現している。ここでは、アナログ表示LCD時計を例として本実施形態について説明するが、本実施形態の技術的思想は、アナログ表示LCD重量計、アナログ表示LCD温湿度計、電子チューナ、自動車のスピードメータなどにも適用可能である。なお、アナログ表示LCD時計、アナログ表示LCD重量計、アナログ表示LCD温湿度計、電子チューナ、自動車のスピードメータなどを総称して指針表示装置と呼ぶこともできる。
【0014】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
【0015】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0016】
<アナログ表示LCD時計の外観>
図1は、本開示の実施形態によるアナログ表示LCD時計1の外観を示す図である。図1Aはアナログ表示LCD時計1の正面図(文字盤)であり、図1Bはアナログ表示LCD時計1の側面図である。
【0017】
図1Bからも分かるように、アナログ表示LCD時計1は、時計本体10と、時計本体10が安定的に載置される台座部20と、を備えている。アナログ表示LCD時計1の文字盤11は、数字表示部111と、秒目盛表示部112と、短針表示部113と、長針表示部114と、秒針表示部115と、日付表示部116と、によって構成される(図1A参照)。文字盤11は、複数の領域に分割され、各領域に対して異なる色が割り当てられる。各領域に対して色を割り当てるために、文字盤11の下に導光板15(図2参照)を配置し、導光板15の真中には発光ブロック16が設置されている。発光ブロック16は、複数のLEDブロックを備え、各LEDブロックは異なる色の光を射出するように構成されている。例えば、隣り合う2つ領域を照らすLEDブロックが赤色光と黄色光をそれぞれ射出する場合、当該2つの領域の境界は、赤色と黄色が混ざってオレンジ色で光ることになる。
【0018】
<アナログ表示LCD時計の本体の内部の概略構成>
図2は、アナログ表示LCD時計1の時計本体10の内部の概略構成を示す図である。図2Aは、時計本体10の断面構成を示している。図2Bは、文字盤11の下層に配置される導光板15の構成を示している。
【0019】
図2Aを参照すると、時計本体10は、時計本体筐体内部に、導光板15と、当該導光板15の上に設けられたコモンガラス基板(COM)14と、当該コモンガラス基板(COM)14とペアをなすセグメントガラス基板(SEG)12と、コモンガラス基板(COM)14とセグメントガラス基板(SEG)12との間に設けられた液晶層13と、セグメントガラス基板(SEG)12の上に設けられた文字盤11と、を備えている。なお、文字盤11は、筐体外部に露出していてもよいし、表示面が透明板で構成された筐体の内部に収納され、筐体の透明板を介して各種表示が視認可能になるように構成してもよい。
【0020】
図2Bに示されるように、導光板15は、その略中央部に発光ブロック16を備えている。発光ブロック16は、例えば、4つのLEDブロック161~164で構成されている。LEDブロック161~164は、それぞれ異なる色の光を射出するように構成されている。例えば、LEDブロック161は赤色光を、LEDブロック162は黄色光を、LEDブロック163は緑色光を、LEDブロック164は青色光を、それぞれ射出する。各LEDブロック161~164は、RGBの光を発するLEDとICとを有し、当該ICで各LEDのパルスデューティを変更することにより(PWM制御)所望の異なる色を射出する。各LEDブロック161~164から射出された光は、導光板15の中心付近から外周に向かって放射状に進行する。従って、隣り合うLEDブロックから射出された光が混ざり合う領域が存在し、その領域では異なる色の光が混ざり合うため、導光板15は、射出された光の色および射出された光が混ざり合って生成される光の色で光ることになる。そして、導光板15の上に設けられた、セグメントガラス基板(SEG)12、液晶層13、およびコモンガラス基板(COM)14によって文字盤11上の各表示部111~116の所望の箇所における光の透過および不透過を適宜制御する。光が透過するように制御された箇所は、導光板15からの光を透過させる。以上のようにアナログ表示LCD時計1の時計本体10を構成することにより、デザイン性に優れた時計の文字盤11を提供することができる。
【0021】
<セグメントガラス基板の配線:基本構成>
従来のアナログ表示LCD時計では、1つの外周目盛に1つのLCD駆動セグメント出力(例えば、図3に示すSEG1)を割り当て、外周エリアで各目盛から引き出された線を1つのセグメント出力に接続されている。これにより、当該セグメント出力に電圧を印加すれば、配置された全ての外周目盛の部分を透過状態にすることができるようになる。しかし、上述のように、外周エリアで各目盛からの引き出し線をまとめると、文字盤11の他の部分(例えば、針表示部分)に別のLCD駆動セグメントを割り当てる際にジャンパー配線(ジャンプ処理部)が必要となる。このジャンパー配線を用いると、ジャンパー配線の端子が小さなドットとなって液晶表示装置の表示画面上に現れてきてしまい、液晶表示の外観が悪くなってしまう。また、ジャンパー配線によって電気抵抗が増えるため、電力損失も増加してしまう。そこで、本実施形態では、ジャンパー配線を用いずに、特定部分(例えば、各外周目盛)に1つのセグメントを割り当てるための提案を行っている。
【0022】
図3は、本実施形態によるアナログ表示LCD時計1のセグメントガラス基板(SEG)12の配線(基本構成)を示す図である。
【0023】
図3に示すように、本実施形態によるセグメントガラス基板(SEG)12(基本構成)は、例えば、最外周に設けられた複数の目盛ドット表示部(例えば、秒に対応する60個の目盛ドット表示部)31_1~31_60と、複数の秒針表示部(例えば、60個の秒針表示部)32_1~32_60と、複数の短針表示部(例えば、60個の短針表示部)33_1~33_60(1つの秒針表示部と1つの短針表示部とにより長針表示が構成される)と、目盛ドット表示用配線34_1~34_30と、複数の目盛ドット表示部に接続されたセグメント端子(例えば、SEG1)36と、図示しない複数の針表示用配線と、によって構成される。なお、各針表示部の間には一配線を通す程度の隙間が形成されている。また、複数の秒針表示部32_1~32_60と複数の短針表示33_1~33_60(合わせてアナログ表示部、あるいは針表示部ということもできる)に関する配線(針表示部用配線)は、目盛ドット表示用配線34_1~34_30が配線されていない領域を用いて設定される。
【0024】
図3に示すように、セグメントガラス基板(SEG)12の配線の基本構成では、最外周に設けられた複数の目盛ドット表示部(例えば、秒に対応する60個の目盛ドット表示部)31_1~31_60における隣り合う2つの目盛ドット表示部によってペアが構成される。図3の基本構成の例では、30個のペアが形成される。そして、それぞれのペア(目盛ドット表示部31_1と31_2のペア~目盛ドット表示部31_59と31_60のペア)は、目盛ドット表示用配線によって接続される。例えば、目盛ドット表示部31_1と31_2のペアは、目盛ドット表示用配線34_1によって繋がれる。繋がれた各ペアから引き出された目盛ドット表示結線用配線37_1~37_30は、セグメントガラス基板(SEG)12の中央部に集められ、中央結合部35において1つにまとめられる。そして、60個の目盛ドット表示部31_1~31_60のうち1つとセグメント端子(例えば、SEG1)36とが接続されている。セグメント端子(SEG1)36に電圧が印加されると、コモンガラス基板(COM)14(図3には示されていない)におけるCコモン端子(例えば、COM1~3:別形態であるが図4参照)に対する電圧印加により、目盛ドット表示部の領域における液晶層13が透過状態となり、60個全ての目盛ドット表示部31_1~31_60が点灯することなる(正確には、発光ブロック16から発せられた光が目盛ドット表示部を透過する)。以上のような配線をすることにより、1セグメント出力のみで最外周の複数の目盛ドット表示部を点灯させることできるようになる。また、文字盤11内部(文字盤表示内部)の針表示部の配線に対してジャンプ配線処理をする必要がなくなるため、文字盤11内の小さなドット表示の出現を排除することにより、文字盤11の外観表示を改善することが可能となる。
【0025】
<セグメントガラス基板の配線:別形態による構成>
図4は、本実施形態の別形態の構成によるアナログ表示LCD時計1のセグメントガラス基板(SEG)12の配線とコモンガラス基板(COM)14の配線例を示す図である。図4Aがセグメントガラス基板(SEG)12の配線構成例を示す図であり、図4Bがコモンガラス基板(COM)14の配線構成例を示す図である。また、図5は、図4Aのセグメントガラス基板(SEG)12の一部の拡大図である。当該構成例は、いわゆる1/3デューティを実現する構成である。なお、デューティの値は、適宜変更可能であり、例えば、1/2デューティ、1/4デューティ、・・・と任意の値にすることが可能である。ただし、デューティを増やすと分割数が増えるため、デューティ増加に伴いコントラストが低下し、見た目が徐々に暗くなるという現象が見られることになる。
【0026】
基本構成(図3)とは異なり、当該別形態によるセグメントガラス基板(SEG)12においては、6個の目盛ドット表示部(例えば、目盛ドット表示部41_1~41_6)を一組として1つの目盛ドット表示用配線44_1~44_10によって繋がれ、そこから引き出された目盛ドット表示結線用配線47_1~47_10によってセグメントガラス基板(SEG)12の中央部に集められ、中央結合部45において1つにまとめられる(図4Aおよび図5)。そして、60個の目盛ドット表示部41_1~41_60のうち1つとセグメント端子(例えば、SEG1)46とが接続されている。図4は、1/3デューティを実現する構成例であるため6個の目盛ドット表示部を一組としているが、デューティが異なれば一組を構成する(1つにまとめられる)目盛ドット表示部の個数も変わってくる。
【0027】
また、当該別形態の構成では、図5に示されるように、3個の秒針表示部42_7~42_9が一つの秒針表示用配線48_2でまとめられ、1つのセグメント端子(例えば、SEG34)に接続されている。また、3個の短針表示部43_7~43_9が一つの短針表示用配線49_2でまとめられ、1つのセグメント端子であって、秒針表示部42_7~42_9が接続された端子とは別のセグメント端子(例えば、SEG35)に接続されている。さらに、図5を見ると、セグメントガラス基板(SEG)12において、秒針表示用配線48_2および短針表示用配線49_2が対応するセグメント端子まで引き出される経路は、目盛ドット表示用配線47_2が引き出される経路とは異なっていることが分かる。このように、セグメントガラス基板(SEG)12上の空いたスペースを効率的に利用し、各種配線を設けるようにしているため、ジャンプ配線が不要となる。なお、本実施形態では、一例として、秒針表示用配線は、秒針表示用配線48_1~48_20の20個設けられ、短針表示用配線は、短針表示用配線49_1~49_20の20個設けられている。
【0028】
一方、図4Bに示されるコモンガラス基板(COM)14においては、複数の領域に分割されて、各表示部に関する配線が設置されている。例えば、領域1においては、目盛ドット表示用配線51_1は針表示用配線(秒針表示用配線と短針表示用配線とが共通配線)54_1と接続され、配線の一方が領域2の目盛ドット表示用配線(領域2では、秒針表示用配線と短針表示用配線とが共通配線となっていない)51_2につながれ、もう一方が領域10の針表示用配線(秒針表示用配線と短針表示用配線とが共通配線)54_10および目盛ドット表示用配線51_10につながれて、最終的にはコモン端子(COM1)55_1に接続されている。また、領域1における針表示用配線(秒針表示用配線と短針表示用配線とが共通配線)53_1は、最外周部のスペースを引き回されつつ、領域10における針表示用配線53_10と領域9における針表示用配線53_9とつながれ、コモン端子(COM2)55_1に接続されている。さらに、領域1における針表示用配線52_1は、最外周部のスペースを引き回されつつ、領域10における針表示用配線53_10とつながれ、領域9を経由して最終的にコモン端子(COM3)55_3に接続されている。なお、他の領域の各配線も同様の考えに基づいて設けられているため、詳細な説明は省略する。
【0029】
前述のように、図4Aで示されるセグメントガラス基板(SEG)12と図4Bで示されるコモンガラス基板(COM)14とは、それらの間に設けられた液晶層13を介して重ね合される。セグメントガラス基板(SEG)12の各表示部に対応するセグメント端子とコモンガラス基板(COM)14の各表示部に対応するコモン端子の両方に電圧が印加されると、対応する表示部の液晶層13は透過状態となり、何れかの端子に電圧が印加されていないときには、対応する液晶層13は非透過状態となる。本実施形態の場合、例えば、セグメントガラス基板(SEG)12およびコモンガラス基板(COM)14においては、目盛ドット表示部41_1~41_60の部分にはセグメント端子(SEG1)46およびコモン端子(COM1端子55_1および他のCOM1端子)を介して電圧が常に印加されるため、目盛ドット表示部に対応する液晶層13の部分は常に透過状態となっている。その他、各秒針表示部(例えば、60個の秒針表示部)の部分や各短針表示部(例えば、60個の短針表示部)に対応する液晶層13の部分を透過・非透過状態は、各コモン端子(各COM1~COM3)および各セグメント端子(SEG2~35:SEG1は目盛ドット表示部に用いられる)への電圧の印加によって制御される。また、長針表示は、1つの秒針表示部と1つの短針表示部とにより構成されるため、各秒針表示部に対する液晶層13の透過・不透過状態の制御と各短針表示部に対する液晶層13の透過・不透過状態の制御を行うことによって表現することができる。
【0030】
<まとめ>
本開示による技術的思想は、上述のアナログ表示LCD時計だけでなく、アナログ表示LCD重量計やアナログ表示LCD温湿時計などの指針表示装置全般に適用することができる。
【0031】
また、上述の実施形態では、セグメントガラス基板においてジャンパー配線(ジャンプ処理部)を用いずに各セグメント表示部の配線を実現する例について説明したが、当該技術的思想は、セグメントガラス基板だけでなく、コモンガラス基板における配線にも同様に適用することができる。
【0032】
以上のように、ジャンプ処理部を用いずにセグメントガラス基板および/またはコモンガラス基板における配線を実現するので、指針表示面(例えば、時計にける文字盤)にいてジャンプ処理部を起因とする、外観悪化の原因となる不要なドット表示の発生を防止することができるようになる。
【符号の説明】
【0033】
1 アナログ表示LCD時計
10 時計本体
11 文字盤
12 セグメントガラス基板(SEG)
13 液晶層
14 コモンガラス基板(COM)
15 導光板
20 台座部
31_1~31_60、41_1~41_60 目盛ドット表示部
32_1~32_60、42_1~42_60 秒針表示部
33_1~33_60、43_1~43_60 短針表示部
34_1~34_30、44_1~44_10、51_1~51_10 目盛ドット表示用配線
35、45 中央結合部
36、46 セグメント端子
37_1~37_30、47_1~47_10 目盛ドット表示結線用配線
48_1~48_20 秒針表示用配線
49_1~49_20 短針表示用配線
52_1~52_10、53_1~53_10、54_1~54_10 針表示用配線
55_1~55_3 コモン端子(COM1~COM3)
図1
図2
図3
図4
図5