(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20220204BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220204BHJP
F21V 29/10 20150101ALI20220204BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220204BHJP
【FI】
F21S9/02 215
F21V23/00 120
F21V29/10
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2017234748
(22)【出願日】2017-12-07
【審査請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399018471
【氏名又は名称】国分電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 昌寛
(72)【発明者】
【氏名】湯田 隆志
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060808(JP,A)
【文献】特開2014-232639(JP,A)
【文献】特開2017-091880(JP,A)
【文献】特開2014-056691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 23/00
F21V 29/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源と、
前記光源に電力を供給する少なくとも1つの電源装置と、
前記光源を保持する光源支柱が形成されているとともに、前記電源装置を保持するケースと、
を備え、
前記電源装置は、
前記光源と前記ケースとの間に配置され、かつ、前記光源と平面視にて重なる位置に配置され
ており、
前記光源支柱は、平面視で前記ケースの中心部分に形成されており、
前記光源支柱の側壁部は、平面視で、円弧状に形成された曲面部と直線状に形成された平板部とを有する照明器具。
【請求項2】
前記側壁部は、
前記電源装置の一部が挿入される切り欠き部が形成され
ている請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記電源装置は、
前記電源装置が配置されるケース底面部と垂直な方向において、前記ケース底面部から最も離れた面を構成する第1天面部と、
前記第1天面部の周囲に形成され、前記ケース底面部と垂直な方向において、前記ケース底面部と前記第1天面部との間に位置する第2天面部と、
を有し、
前記第2天面部の一部が前記光源と平面視にて重なる位置に配置される請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記電源装置は、
前記第2天面部の一部が、前記光源支柱の前記切り欠き部に挿入されて配置されている請求項2に従属する請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記電源装置は、前記光源支柱の前記平板部と接するように前記ケースに取り付けられている請求項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電源装置は、複数の電源装置を備えており、
前記複数の電源装置のうち少なくとも1つの電源装置は、
前記第2天面部の一部が、前記光源支柱の前記切り欠き部に挿入されて配置されており、
前記複数の電源装置のうち他の少なくとも1つの電源装置は、
前記光源支柱の前記平板部と接するように前記ケースに取り付けられている請求項2に従属する請求項3に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第2天面部は、前記ケース底面部に対して斜面を形成している請求項3、請求項4、請求項6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記電源装置は、発熱部品を有し、
前記発熱部品は、前記光源及び前記光源支柱とは平面視にて重ならない位置に配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記光源は、平面視で円形状に形成されており、
前記発熱部品は、前記光源支柱の
前記側壁部から前記光源の半径の長さ以上に離して配置されている請求項8に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、円形の照明器具において、照明器具の高さを抑えて薄型に構成するために、電源ユニットを本体の反射面の反対側の面に配置し、かつ、平面視にて光源と重ならない位置に配置する照明器具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具は、照明器具を径方向に小型化しようとすると、内蔵部品を取り付ける設置空間の制約がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、照明器具の高さを抑えつつ、径を小さくした照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光を発する光源と、光源に電力を供給する少なくとも1つの電源装置と、光源を保持する光源支柱が形成されているとともに、電源装置を保持するケースと、を備え、電源装置は、光源とケースとの間に配置され、かつ、光源と平面視にて重なる位置に配置されており、光源支柱は、平面視でケースの中心部分に形成されており、光源支柱の側壁部は、平面視で、円弧状に形成された曲面部と直線状に形成された平板部とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明器具は、電源装置が、光源とケースとの間に配置され、かつ、光源と平面視にて重なる位置に配置されることにより、照明器具の高さを抑えつつ、照明器具の径を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す側面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源モジュールの配置を示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す
図2のA-A線断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す
図7のB-B線断面図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示す
図7のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る照明器具100について、図面を参照しながら説明する。なお、
図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向あるいは位置を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いる。しかし、これらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具100を示す側面図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を示す分解斜視図である。まず、
図1~
図3を参照して、本発明の実施の形態1に係る照明器具100の全体構成を説明する。
【0011】
[照明器具100]
照明器具100は、
図1及び
図2に示すように、円筒形状に構成されている。照明器具100は、カバー10と、ケース20とを備える。照明器具100の以下の説明において、円筒形状に構成された照明器具100の径方向を径方向Rと称し、径方向Rを構成する面と直交する方向を上下方向Zとする。また、照明器具100が取り付けられる天井などの被取付面側を上方向Z1とし、上方向Z1と反対方向であり、照明器具100による光の照射側を下方向Z2とする。なお、以下の説明では、特別の指定がない限り、「平面視」とは、照明器具100の下方向Z2側から、照明器具100を上方向Z1に見た状態をいう。
【0012】
(カバー10)
カバー10は、
図3に示すように、ケース20に設置された光源モジュール30を覆う。カバー10は、例えば、ガラス製である。なお、カバー10は、ガラス製に限定されるものではなく、樹脂など他の部材で構成されてもよい。カバー10は、光源モジュール30から発せられる光を、透過させ、拡散させ、または、透過及び拡散させる。カバー10は、上方向Z1が開口した有底の円筒形状に形成されており、
図3に示すように、環状のカバー周壁部11と、平面視で円形状のカバー正面部12とから構成されている。カバー10には、落下防止チェーン51の一端が取り付けられる。落下防止チェーン51の他端は、ケース20に固定されている。
【0013】
カバー10は、上下方向Zにおいて、カバー周壁部11の一方の端部11aに、カバー正面部12が位置しており、他方の端部11bがカバー10の開口を形成している。カバー周壁部11の端部11bの外周壁には雄ねじ13が形成されている。カバー10に形成された雄ねじ13が、ケース20に形成された雌ねじ23にねじ止めされることにより、カバー10はケース20に固定される。カバー10の雄ねじ13にはリング状のカバーパッキン14が取り付けられている。カバーパッキン14はOリングであり、カバー10及びケース20内への水及び埃の浸入を抑制する。
【0014】
カバー正面部12は、平面視で円形状に形成されており、
図2に示すように、縦断面視で円の周縁部から中心部に向かって緩やかな凸状に形成されている。なお、カバー正面部12は、縦断面視で円の周縁部から中心部に向かって緩やかな凸状に形成されるものに限定されるものではなく、例えば、縦断面視で円の周縁部から中心部に向かって緩やかに凹状に形成されてもよく、平坦状に形成されてもよい。
【0015】
(ケース20)
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を示す分解斜視図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100の光源モジュール30の配置を示す分解斜視図である。照明器具100は、
図4及び
図5に示すように、カバー10とケース20とで構成される内部空間に、光源モジュール30と、電源40と、非常用点灯装置42とを備える。また、照明器具100は、
図4及び
図5に示すように、カバー10とケース20とで構成される内部空間に、バッテリ41と、電源端子台43と、点検モニタ44と、点検スイッチ45とを備える。光源モジュール30、電源40、バッテリ41、非常用点灯装置42、電源端子台43、点検モニタ44および点検スイッチ45は、それぞれケース20に保持される。また、照明器具100は、
図3及び
図4に示すように、目隠し板50を備える。目隠し板50は、ケース20に取り付けられる。なお、光源モジュール30は、本発明の「光源」に相当する。また、電源40及び非常用点灯装置42は、本発明の「電源装置」に相当する。
【0016】
ケース20は、例えば、樹脂製である。なお、ケース20は、樹脂製に限定されるものではなく、金属など他の部材で構成されてもよい。ケース20は、下方向Z2が開口した有底の円筒形状に形成されており、
図4に示すように、環状のケース周壁部21と、円形板状のケース底面部22とから構成されている。
【0017】
ケース20は、上下方向Zにおいて、ケース周壁部21の一方の端部21aに、ケース底面部22が位置しており、他方の端部21bがケース20の開口を形成している。ケース周壁部21の端部21bの内周壁には雌ねじ23が形成されている。ケース20に形成された雌ねじ23が、カバー10に形成された雄ねじ13をねじ止めすることにより、カバー10はケース20に固定される。
【0018】
ケース底面部22は、円形板状に形成されており、一方の面には、電源40、バッテリ41、非常用点灯装置42、電源端子台43、点検モニタ44および点検スイッチ45が配置されている。また、ケース20のケース底面部22には、
図5に示すように、光源支柱24と、目隠し板支柱25とが形成されている。ケース底面部22の他方の面は、照明器具100が天井又は壁などの被取付面に取り付けられている際には、天井又は壁などの被取付面と対向する。
【0019】
図4及び
図5に示すように、光源支柱24の先端部には、光源モジュール30が固定される。光源支柱24は、光源モジュール30をケース20のケース底面部22よりも高い位置に保持する。光源支柱24は、円形板状に形成されたケース底面部22の中心部分から突出しており、略円筒形状に形成されている。光源支柱24の突出方向は、光源モジュール30の照射方向に突出する。なお、光源支柱24は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)に突出することが望ましい。光源支柱24の側壁部24aには、光源支柱24の突出方向に沿って、押さえ板支柱26が設けられている。押さえ板支柱26の先端部には、後述する光源モジュール30の押さえ板33を固定するねじが固定される。押さえ板支柱26の先端部に光源モジュール30の押さえ板33がねじ止めされることで、光源支柱24の先端部に、光源モジュール30が固定される。押さえ板支柱26は、光源支柱24の側壁部24aと一体に形成されている。押さえ板支柱26は、光源支柱24の周方向において、2つ設けられているが、1つ又は3つ以上設けられていてもよい。押さえ板支柱26は、光源支柱24を補強するリブの役割も担っている。
【0020】
目隠し板支柱25の先端部には、目隠し板50が固定される。目隠し板支柱25は、ケース20の中心部から周縁部への径方向Rにおいて、光源支柱24と、ケース周壁部21との間に形成されている。目隠し板支柱25は、ケース底面部22から光源モジュール30の照射方向に突出する。なお、目隠し板支柱25は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)に突出することが望ましい。目隠し板支柱25は、円柱形状に形成された基部25aと、基部25aの先端から突出した六角柱状に形成されたねじ止め部25bとを有する。なお、目隠し板支柱25は、目隠し板50を固定するためにケース底面部22から突出した構成を有していればよい。そのため、目隠し板支柱25は、基部25aが多角柱形状、ねじ止め部25bが円柱形状等、他の形状であってもよい。あるいは、目隠し板支柱25は、基部25aと、ねじ止め部25bとを有するものではなく、例えば、単一構造の円柱形、多角柱形等他の形状であってもよい。
【0021】
(光源モジュール30)
図6は、
図5の光源モジュール30の分解斜視図である。光源モジュール30は、半球状に形成されている。光源モジュール30は、光を発する。光源モジュール30は、
図6に示すように、LED31、ソケット32、押さえ板33、光源カバー34とから構成されている。LED31は、光源であり、COB(Chip on Board)-LED(light‐emitting diode)で構成されている。なお、LED31は、複数のLEDが配置された基板で構成されていてもよい。ソケット32は、セラミック製であり、押さえ板33は、アルミ製である。ソケット32及び押さえ板33は、LED31の熱を放熱させる。LED31は、ソケット32と押さえ板33とに挟持される。ソケット32は、複数のねじで押さえ板33にねじ止めされる。押さえ板33は、円形板状に形成され、押さえ板支柱26にねじ止めされるねじ止め部33aが、円形板状の周縁部から突出している。LED31は、光源カバー34に覆われる。LED31が発する光は、光源カバー34により拡散される。
【0022】
光源モジュール30は、ケース20の光源支柱24に保持される。押さえ板33は、ケース20の押さえ板支柱26に形成されたねじ穴にねじで固定される。光源カバー34も押さえ板支柱26に形成されたねじ穴に共締めにより固定される。ソケット32を押さえ板33に固定するねじで、LED31を挟持したソケット32と押さえ板33とを光源支柱24に共締めしてもよい。
【0023】
(目隠し板50)
図3及び
図4に戻り、目隠し板50は樹脂製の円形板である。目隠し板50は、電源40、バッテリ41、非常用点灯装置42、電源端子台43、点検モニタ44および点検スイッチ45と、カバー正面部12との間に配置される。光源モジュール30は、目隠し板50の中央部分から突出して露出している。ケース20に配置される部品の内、光源モジュール30及び落下防止チェーン51以外の部品は、目隠し板50で覆われる。目隠し板50は、中央に光源モジュール30を露出させるための光源孔50aが形成されている。また、目隠し板50は、周辺部にネジ等でケース20の目隠し板支柱25に固定するためのねじ止め孔50b、点検モニタ44のLED表示を露出させるためのモニタ孔50cが形成されている。さらに、目隠し板50は、周辺部に点検スイッチ45を操作するためのスイッチ孔50d、周縁部に落下防止チェーン51を通す切り欠き50eが形成されている。
【0024】
(照明器具100内の構成部品の詳細な構成)
図7は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を示す
図2のA-A線断面図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を示す
図7のB-B線断面図である。
図9は、本発明の実施の形態1に係る照明器具100を示す
図7のC-C線断面図である。なお、
図9は、ケース20内の構成部品の配置関係を明確にするために、目隠し板50及び光源カバー34を省略している。本発明の実施の形態1に係る照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42が長尺状であり、ケース20内で大きなスペースを占める。そのため、径方向Rにおいて、電源40又は非常用点灯装置42をケース20のケース周壁部21と光源支柱24との間に配置した場合、ケース20の外形を小さくすることが難しくなる。そこで、ケース20内において、電源40を光源モジュール30と平面視で重なる位置に配置することを検討する。
【0025】
電源40は、通常時において、光源モジュール30に電力を供給する電源装置である。電源40は、略直方体状に形成されている。電源40は、電源40が配置されるケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22から最も離れた面を構成する第1天面部40aを有する。また、電源40は、第1天面部40aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22と第1天面部40aとの間に位置する第2天面部40bを有する。
【0026】
図7又は
図9に示すように、電源40の形状は完全な直方体ではなく、第2天面部40bを有する。第2天面部40bは、少なくとも電源40の長手方向に形成されている。第2天面部40bは、ケース底面部22と第1天面部40aとの間に位置しており、ケース底面部22からの距離が第1天面部40aよりも短い。第2天面部40bは、光源モジュール30と対向する電源側壁部40cと、第1天面部40aとの間に形成された、面取りされた角面である。第2天面部40bは、
図7に示すように、ケース底面部22に対して斜面を形成している。なお、第2天面部40bは、角面として形成されているが、丸面として形成されていてもよく、他の種類の面取りで形成されていてもよい。電源40は、光源モジュール30と反対側の電源側壁部40cと第1天面部40aとの間にも第2天面部40bが形成されていてもよい。
【0027】
電源40は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)に延設され、ケース底面部22と第2天面部40bとの間に位置し、電源40の側壁を構成する電源側壁部40cを有する。
図7及び
図9に示すように、平面視でケース20の外周縁に位置する第2天面部40bの端縁部40b1は、電源側壁部40cと連続する。第2天面部40bの端縁部40b1は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22の位置と、押さえ板33の位置との間に位置する。
【0028】
照明器具100は、
図7に示すように、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22からの電源40の高さ(第1天面部40aの位置)は、光源モジュール30の底面である押さえ板33が位置する高さよりも高い。照明器具100は、
図8に示すように、光源支柱24の断面積が、光源モジュール30の占有面積と同じ面積を占める略円柱とせず、光源支柱24の側壁部24aは、電源40と接する箇所が距離t1分だけ凹んでいる。光源支柱24は、
図8に示すように、突出方向(Z軸方向)と垂直な断面において、側壁部24aに直線部分DEを有している。すなわち、光源支柱24の側壁部24aは、平面視で、円弧状に形成された曲面部24cと直線状に形成された平板部24dとを有している。光源支柱24は、
図7に示すように、平板部24dを有しているため、光源支柱24の先端部では、平板部24dにおいて、光源モジュール30の円形板状の押さえ板33の周縁部が、光源支柱24からケース20の径方向に突出している。電源40は、光源支柱24の平板部24dと接するようにケース20に取り付けられている。電源40と接する箇所の、光源支柱24の側壁部24aが少なくとも距離t1分だけ凹んでおり、光源支柱24の径は距離t1分だけ細くされている。また、第2天面部40bの端縁部40b1は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22の位置と、押さえ板33の位置との間に位置する。そのため、照明器具100は、第1天面部40aの位置が押さえ板33が位置する高さよりも高い電源40を光源モジュール30と平面視で重なる位置に配置することができる。
【0029】
このように、光源支柱24の側壁部24aは、平面視で、円弧状に形成された曲面部24cと直線状に形成された平板部24dとを有している。また、電源40は、光源支柱24の平板部24dと接するようにケース20に取り付けられている。そして、電源40は、第1天面部40aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22と第1天面部40aとの間に位置する第2天面部40bを有する。そして、第2天面部40bの一部が、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置される。すなわち、当該構成を有する照明器具100は、
図7~
図8に示すように、電源40が、光源モジュール30とケース20との間に配置され、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置されている。
【0030】
次に、電源40と同様に非常用点灯装置42も、ケース20内において、光源モジュール30と平面視で重なる位置に配置することを検討する。非常用点灯装置42は、非常時又は点検時において、光源モジュール30に電力を供給する電源装置である。非常用点灯装置42は、直方体状に形成されている。非常用点灯装置42は、非常用点灯装置42が配置されるケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22から最も離れた面を構成する第1天面部42aを有する。また、非常用点灯装置42は、第1天面部42aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向において(Z軸方向)、ケース底面部22と第1天面部42aとの間に位置する第2天面部42bを有する。さらに、非常用点灯装置42は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)に延設され、ケース底面部22と第2天面部42bとの間に位置し、非常用点灯装置42の側壁を構成する電源側壁部42cを有する。照明器具100は、
図7に示すように、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22からの非常用点灯装置42の高さ(第1天面部42aの位置)が、光源モジュール30の底面である押さえ板33が位置する高さよりも低い。照明器具100は、
図8に示すように、光源支柱24の断面積が、光源モジュール30の占有面積と同じ面積を占める略円柱とせず、光源支柱24の側壁部24aは、非常用点灯装置42が挿入される箇所が少なくとも距離t2分だけ凹んでいる。非常用点灯装置42が挿入される箇所の、光源支柱24の側壁部24aが少なくとも距離t2分だけ凹んでおり、光源支柱24の径が距離t2分だけ細くされているため、非常用点灯装置42は光源モジュール30と平面視で重なる位置に配置される。
【0031】
光源支柱24は、
図7及び
図8に示すように、非常用点灯装置42の一部が挿入される切り欠き部24bが形成された側壁部24aを有する。光源支柱24の側壁部24aに形成された距離t2分の凹部は、切り欠き部24bにより形成されている。非常用点灯装置42は、第2天面部42bの一部が、光源支柱24の切り欠き部24bに挿入されて配置されている。すなわち、当該構成を有する照明器具100は、
図7~
図8に示すように、非常用点灯装置42が、光源モジュール30とケース20との間に配置され、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置されている。
【0032】
光源モジュール30のLED31は、発光時に発熱する。また、電源40及び非常用点灯装置42は、
図9に示すように、内部にスイッチング素子などの発熱部品40d及び発熱部品42dを有している。
図9に示す点線は、電源40及び非常用点灯装置42の内部の、発熱部品40d及び発熱部品42dの位置を示したものである。なお、
図9に示す発熱部品40d及び発熱部品42dの位置は例示であって、当該位置に限定されるものではない。発熱部品40d及び発熱部品42dは、光源モジュール30及び光源支柱24とは平面視にて重ならない位置に配置されている。また、照明器具100は、
図9に示すように、光源モジュール30が、平面視で円形状に形成されており、発熱部品40d及び発熱部品42dが、光源支柱24の側壁部24aから光源モジュール30の半径R1の長さ以上に離して配置されている。
【0033】
(照明器具100の動作)
照明器具100は、通常時には、外部から商用電源が供給され、電源端子台43を介して点灯装置である電源40、及び、非常用点灯装置42に供給される。また、照明器具100は、通常時には、電源40が光源モジュール30に電力を供給するとともに、非常用点灯装置42がバッテリ41をトリクル充電する。照明器具100は、外部電源より商用電源を直接供給する配線により、通常時に光源モジュール30を常時点灯する照明として照明器具100を使用することができる。また、照明器具100は、外部のスイッチを介して商用電源を供給する配線により、常時点灯とせず必要な時に点灯させる照明として照明器具100を使用することもできる。
【0034】
照明器具100は、外部からの商用電源の供給が停止する非常時には、バッテリ41内の直流電力が非常用点灯装置42を介して光源モジュール30に供給される。また、照明器具100は、点検時には、点検者が点検スイッチ45を操作することにより、バッテリ41から非常用点灯装置42を介して光源モジュール30に直流電力が供給される。
【0035】
照明器具100は、点検者が点検スイッチ45を操作した際の、点検モニタ44のLED表示により、バッテリ41の充電状態を確認することができる。バッテリ41が十分に充電されている場合、点検モニタ44のLEDが緑色に点灯する。本発明の実施の形態1に係る照明器具100は、照明器具100に外部から商用電源が48時間以上供給されることにより、バッテリ41は十分に充電され、点検モニタ44のLEDが点灯する。バッテリ41が十分に充電されていない場合、点検モニタ44のLEDは非点灯となる。バッテリ41が非常用点灯装置42に電気的に接続されていない場合も、バッテリ41への充電ができないことを表示するため、及び、バッテリ41から光源モジュール30への電力供給ができないことを表示するため、点検モニタ44のLEDは非点灯となる。
【0036】
以上のように、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42が、光源モジュール30とケース20との間に配置され、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置されている。その結果、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42をケース20の中央に配置しても、電源40及び非常用点灯装置42が光源モジュール30に干渉せず、高さを抑えつつ、照明器具100の径を小さくすることができる。また、照明器具100は、ケース20の外径を小さくしても、ケース20内において、電源40及び非常用点灯装置42よりもケース20の周縁側に、バッテリ41を配置する空間を設けることができる。
【0037】
また、照明器具100は、光源支柱24が、非常用点灯装置42の一部が挿入される切り欠き部24bが形成された側壁部24aを有する。そして、第2天面部40bの一部が、光源支柱24の切り欠き部24bに挿入されて配置されている。すなわち、当該構成を有する照明器具100は、非常用点灯装置42が、光源モジュール30とケース20との間に配置され、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置されている。このように光源支柱24の側壁部24aに切り欠き部24bを設けることにより、非常用点灯装置42が光源モジュール30と平面視で重なる長さとなる距離t2を長くできるとともに、ケース20を成形しやすくしている。同様に、光源支柱24の側壁部24aの電源40か挿入される箇所に切り欠き部24bが形成されていてもよい。光源支柱24の側壁部24aの電源40が挿入される箇所に切り欠き部24bが形成されていることにより、電源40が光源モジュール30と平面視で重なる長さとなる距離t1を長くすることができる。その結果、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42をケース20の中央に配置しても、電源40及び非常用点灯装置42が光源モジュール30に干渉せず、高さを抑えつつ、照明器具100の径を小さくすることができる。
【0038】
また、照明器具100は、電源40が、ケース底面部22と垂直な方向において、ケース底面部22から最も離れた面を構成する第1天面部40aを有する。また、照明器具100は、電源40が、第1天面部40aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向において、ケース底面部22と第1天面部40aとの間に位置する第2天面部40bを有する。また、照明器具100は、非常用点灯装置42が、ケース底面部22と垂直な方向において、ケース底面部22から最も離れた面を構成する第1天面部42aを有する。また、照明器具100は、非常用点灯装置42が、第1天面部42aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向において、ケース底面部22と第1天面部42aとの間に位置する第2天面部42bを有する。そして、第2天面部40b又は第2天面部42bの一部が光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置される。その結果、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42をケース20の中央に寄せて配置しても、電源40及び非常用点灯装置42が光源モジュール30に干渉せず、高さを抑えつつ、照明器具100の径を小さくすることができる。
【0039】
また、照明器具100は、光源支柱24の側壁部24aが、平面視で、円弧状に形成された曲面部24cと直線状に形成された平板部24dとを有している。また、電源40は、光源支柱24の平板部24dと接するようにケース20に取り付けられている。そして、電源40は、第1天面部40aの周囲に形成され、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22と第1天面部40aとの間に位置する第2天面部40bを有する。この第2天面部40bの端縁部40b1は、ケース底面部22と垂直な方向(Z軸方向)において、ケース底面部22の位置と、押さえ板33の位置との間に位置する。そのため、電源40は、光源モジュール30とケース20との間に配置され、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置することができる。その結果、照明器具100は、光源モジュール30の押さえ板33以上の高さを有する電源40をケース20の中央に配置しても、電源40が光源モジュール30に干渉せず、照明器具100の高さを抑えつつ、照明器具100の径を小さくすることができる。
【0040】
また、照明器具100は、電源40が、光源支柱24の平板部24dと接するようにケース20に取り付けられている。照明器具100は、光源支柱24の側面を電源40で保持することにより、光源支柱24を光源モジュール30より細くするとともにケース20の剛性を上げることができる。
【0041】
また、照明器具100は、電源40の第2天面部40b及び非常用点灯装置42の第2天面部42bは各々、ケース底面部22に対して斜面を形成している。そのため、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42が、光源モジュール30とケース20との間に配置しやすくなり、かつ、光源モジュール30と平面視にて重なる位置に配置しやすくなる。その結果、照明器具100は、電源40及び非常用点灯装置42をケース20の中央に寄せて配置しても、電源40及び非常用点灯装置42が光源モジュール30に干渉せず、高さを抑えつつ、照明器具100の径を小さくすることができる。
【0042】
また、照明器具100は、発熱部品40d及び発熱部品42dが、光源モジュール30及び光源支柱24とは平面視にて重ならない位置に配置されている。このように電源40及び非常用点灯装置42が構成されていることにより、電源40及び非常用点灯装置42の熱が光源モジュール30に伝わりにくくされている。あるいは、光源モジュール30の熱が電源40及び非常用点灯装置42の発熱部品40d及び発熱部品42dへ伝わりにくくされている。つまり、光源モジュール30と、電源40及び非常用点灯装置42との発する熱が互いに干渉しにくくなる。
【0043】
また、照明器具100は、光源モジュール30が、平面視で円形状に形成されており、発熱部品40d及び発熱部品42dが、光源支柱24の側壁部24aから光源モジュール30の半径R1の長さ以上に離して配置されている。このように電源40及び非常用点灯装置42が構成されていることにより、電源40及び非常用点灯装置42の熱が光源モジュール30に伝わりにくくされている。あるいは、光源モジュール30の熱が電源40及び非常用点灯装置42の発熱部品40d及び発熱部品42dへ伝わりにくくされている。つまり、光源モジュール30と、電源40及び非常用点灯装置42との発する熱が互いに干渉しにくくなる。
【0044】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態1に限定されず、種々の変更を加えることができる。たとえば、照明器具100は、電源40が平板部24dと接している構成について記載しているが、非常用点灯装置42が平板部24dと接していてもよい。また、照明器具100は、カバー10に形成された雄ねじ13が、ケース20に形成された雌ねじ23にねじ止めされることにより、カバー10がケース20に固定される態様について記載している。しかし、照明器具100は、カバー10に雌ねじが形成され、ケース20に雄ねじが形成され、カバー10に形成された雌ねじが、ケース20に形成された雄ねじにねじ止めされることにより、カバー10がケース20に固定されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 カバー、11 カバー周壁部、11a 端部、11b 端部、12 カバー正面部、13 雄ねじ、14 カバーパッキン、20 ケース、21 ケース周壁部、21a 端部、21b 端部、22 ケース底面部、23 雌ねじ、24 光源支柱、24a 側壁部、24b 切り欠き部、24c 曲面部、24d 平板部、25 板支柱、25a 基部、25b ねじ止め部、26 押さえ板支柱、30 光源モジュール、31 LED、32 ソケット、33 押さえ板、33a ねじ止め部、34 光源カバー、40 電源、40a 第1天面部、40b 第2天面部、40b1 端縁部、40c 電源側壁部、40d 発熱部品、41 バッテリ、42 非常用点灯装置、42a 第1天面部、42b 第2天面部、42c 電源側壁部、42d 発熱部品、43 電源端子台、44 点検モニタ、45 点検スイッチ、50 目隠し板、50a 光源孔、50b ねじ止め孔、50c モニタ孔、50d スイッチ孔、50e 切り欠き、51 落下防止チェーン、100 照明器具。