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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】基板表面洗浄方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220204BHJP
   B08B 1/02 20060101ALI20220204BHJP
   B08B 1/04 20060101ALI20220204BHJP
   B08B 7/04 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B1/02
B08B1/04
B08B7/04 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017527617
(86)(22)【出願日】2015-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 US2015061007
(87)【国際公開番号】W WO2016085703
(87)【国際公開日】2016-06-02
【審査請求日】2018-11-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】62/083,518
(32)【優先日】2014-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】クオ,チェン-クゥン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チエン-リン
(72)【発明者】
【氏名】パン,クオ-スゥン
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】小川 恭司
【審判官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104084859(CN,A)
【文献】特開2008-142590(JP,A)
【文献】特開平9-155434(JP,A)
【文献】特開2006-196781(JP,A)
【文献】特開平10-335283(JP,A)
【文献】特開2014-19819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面と該第1の表面に実質的に平行な第2の表面を有する基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する方法であって、前記基板の前記少なくとも1つの縁部を、少なくとも1つのノズルと複数のローラとを有する洗浄システムに通して搬送方向に搬送するステップを含み、前記方法がさらに、
前記少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を前記少なくとも1つのノズルで送出するステップ、および、
前記複数のローラであって、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせる複数の斜めの溝を、該ローラの外側表面に備えている前記ローラが前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に接触するステップ、
を備えており、
前記複数の斜めの溝は、前記ローラの軸方向における両側で互いに鏡像であり、前記溝は前記ローラの中点と各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、前記溝は夫々その鏡像に対し、60°から120°のミラー角度で傾斜しており、かつ前記複数のローラのうち第1のローラが前記第1の表面に接触し、前記複数のローラのうち第2のローラが前記第2の表面に接触するように構成され
前記第1のローラは、前記第1の表面に、前記基板の前記搬送方向が前記第1のローラの回転方向と同一になるような地点で接触し、
前記第2のローラは、前記第2の表面に、前記基板の前記搬送方向が前記第2のローラの回転方向と反対になるような地点で接触することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面を洗浄するステップを含み、前記少なくとも1つのノズルが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、前記少なくとも1つの洗浄流体を送出することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基板の前記第1の表面が前記第1のローラと接触するステップが前記基板の前記第1の表面に、前記各ローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の逆方向に延びるようになる地点で、接触することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の表面および前記第2の表面が前記複数のローラと接触するステップが、前記基板の前記第2の表面に前記第2のローラがさらに接触するステップを有し、前記ローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の同一方向に延びるようになる地点で、接触することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
第1の表面と該第1の表面に実質的に平行な第2の表面を有する基板の少なくとも1つの縁部を洗浄するための、前記基板の前記少なくとも1つの縁部を、少なくとも1つのノズルと複数のローラとを有する洗浄システムに通して搬送方向に搬送するように構成された、装置において、
前記基板の前記少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、前記少なくとも1つのノズル、および、
前記複数のローラであって、各ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成された複数の斜めの溝を、該ローラの外側表面に備えている前記複数のローラを具備し、
前記複数の斜めの溝は、前記各ローラの軸方向における両側で互いに鏡像であり、前記溝は前記ローラの中点と各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、前記溝は夫々その鏡像に対し、60°から120°のミラー角度で傾斜しており、かつ前記複数のローラのうち第1のローラが前記第1の表面に接触し、前記複数のローラのうち第2のローラが前記第2の表面に接触するように構成され、
前記第1のローラは、前記第1の表面に、前記基板の前記搬送方向が前記第1のローラの回転方向と同一になるような地点で接触し、
前記第2のローラは、前記第2の表面に、前記基板の前記搬送方向が前記第2のローラの回転方向と反対になるような地点で接触することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記ローラが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ウレタン、およびモヘア、から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、少なくとも1つのスポンジまたはスポンジ状材料を含むことを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記装置が、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面を洗浄するように構成されており、前記少なくとも1つのノズルが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、前記少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成されていることを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
前記複数の斜めの溝が夫々、前記ローラの本体の半径の、2から20パーセントの深さと、前記ローラの本体の外周の、1から10パーセントの幅とを有していることを特徴とする請求項5から7いずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2014年11月24日に出願された米国仮特許出願第62/083518号の優先権の利益を米国特許法第119条の下で主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する方法および装置に関し、特にガラス基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
液晶およびプラズマディスプレイなどの高性能ディスプレイ装置に対する消費者需要は、装置の継続的なディスプレイ品質の向上、重量および厚さの減少、低消費電力、および値頃感の高まりのために、近年著しく成長した。このような高性能ディスプレイ装置は、画像、グラフ、およびテキストなど、様々な種類の情報を表示するために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高性能ディスプレイ装置は典型的には、1以上のガラス基板など、1以上の基板を採用している。基板に対する表面の品質要件は、解像度および画像性能の向上に対する要求が増え続けるにつれて、ますます厳しくなった。例えば画素サイズがより小さい、より高解像度のディスプレイにおいて、パネル性能は、表面の粒子、ガラスの付着(ADG)、染み、引っ掻き傷、および他の異常に、より敏感になる。従ってこれらの特性に対する顧客の要件はますます厳しいものとなり、その関連で、可能な限り粒子の密度が低い基板表面を生み出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態においては、基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する方法が、基板の少なくとも1つの縁部を、洗浄システムに通して搬送するステップを含む。洗浄システムは、基板の少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、少なくとも1つのノズルを備えている。洗浄システムは少なくとも1つのローラをさらに備え、ローラはローラの外側表面に、複数の斜めの溝を有している。複数の斜めの溝は、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成されている。基板は、第1の表面と、第1の表面に実質的に平行な第2の表面とを備え、少なくとも1つのローラは、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方に接触するように構成されている。
【0006】
別の実施形態においては、基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する装置が、基板の少なくとも1つの縁部を洗浄システムに通して搬送するように構成されている。洗浄システムは、基板の少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、少なくとも1つのノズルを備えている。洗浄システムは少なくとも1つのローラをさらに備え、ローラはローラの外側表面に、複数の斜めの溝を有している。複数の斜めの溝は、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成されている。基板は、第1の表面と、第1の表面に実質的に平行な第2の表面とを備え、少なくとも1つのローラは、第1の表面および第2の表面のうちの少なくとも一方に接触するように構成されている。
【0007】
これらおよび他の実施形態のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度はその説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは以下の詳細な説明、請求項、並びに添付の図面を含め、本書で説明されたように実施形態を実施することにより認識されるであろう。
【0008】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本開示の実施形態を示したものであること、また請求される実施形態の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供するよう意図されたものであることを理解されたい。添付の図面は、これらおよび他の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は、種々のこれらのおよび他の実施形態を示し、その説明とともに、実施形態の原理および動作の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本書で開示される少なくとも1つの実施形態による、その外側表面に複数の斜めの溝を備えているローラの上面図
図2】1つの溝の拡大図を含む、本書で開示される少なくとも1つの実施形態による、その外側表面に複数の斜めの溝を備えているローラの切欠き側面図
図3】本書で開示される少なくとも1つの実施形態による、その外側表面に複数の斜めの溝を備えているローラの斜視図
図4】基板表面に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された複数のノズルと、その外側表面に複数の斜めの溝を備えている複数のローラとを含む、洗浄システムの一部の側面図
図5A】ローラが基板の第1の表面に接触する、ローラの上面図および対応するローラおよび基板の側面図
図5B】ローラが基板の第2の表面に接触する、ローラの上面図および対応するローラおよびガラス基板の側面図
図5C】ローラが基板の第1の表面に接触する、ローラの上面図および対応するローラおよびガラス基板の側面図
図5D】ローラが基板の第2の表面に接触する、ローラの上面図および対応するローラおよびガラス基板の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで本開示の実施形態を参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部分の参照に同じ参照番号を使用する。
【0011】
図1は、本書で開示される1以上の実施形態による例示的なローラの上面図である。ローラ10は、ローラ本体12、カラー14、および心棒16を備えている。ローラ本体12は複数の斜めの溝20を含む。斜めの溝20は、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成されている。
【0012】
ローラ本体12は、特定の実施形態において、少なくとも1つの多孔質のスポンジまたはスポンジ状材料から成るものでもよい。この材料としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ウレタン、モヘア、または任意の他の多孔質またはスポンジ状材料を含む、スポンジまたはスポンジ状材料が挙げられる。この多孔質のスポンジまたはスポンジ状材料は、高水準の吸収能力を提供すると同時に、ガラス基板などの基板上に著しい引っ掻き傷または他の欠陥を生じさせない性質を有するものであるべきである。
【0013】
例えば特定の実施形態において、多孔質のスポンジまたはスポンジ状材料の平均細孔サイズは、例えば30μmから200μm、さらには50μmから150μmなど、10μmから250μmであり、またその気孔率は、例えば75%から93%、さらには80%から90%など、50%から96%であり、硬度は、例えば30gf/cm2から150gf/cm2、さらには50gf/cm2から100gf/cm2など、15gf/cm2から250gf/cm2であり、吸水率は、例えば200%から1400%、さらには400%から1200%など、100%から1600%であり、単位面積吸水率は、例えば0.02ml/sから0.25ml/s、さらには0.05ml/sから0.15ml/sなど、0.01ml/sから0.5ml/sである。
【0014】
例えばローラ本体12は、平均細孔サイズが100±50μm、気孔率が89±1%、硬度が75±5gf/cm2、吸水率が800±30%、および単位面積吸水率が0.10±0.01ml/sのポリ酢酸ビニルなど、ポリ酢酸ビニルを含むスポンジ材料を含み得る。
【0015】
ローラ本体12はまた、平均細孔サイズが100±50μm、気孔率が89±1%、硬度が75±5gf/cm2、吸水率が800±30%、および単位面積吸水率が0.10±0.01ml/sのポリ酢酸ビニルなど、ポリ酢酸ビニルを含むスポンジ材料から実質的に構成され得る。
【0016】
斜めの溝は、特定の例示的な実施形態において、図1に示されているものなど、その長さの少なくとも一部に沿って互いに実質的に平行になり得る。図1に示されているように斜めの溝20は、ローラ本体12の軸方向における両側で、互いに鏡像となるものでもよく、このとき斜めの溝20は、ローラ本体12の中点(M)とローラ本体12の各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、ローラ本体12の中点(M)と第1の軸方向端部との間の溝はライン(X)の接線方向に延在し、かつローラ本体12の中点(M)と第2の軸方向端部との間の溝はライン(Y)の接線方向に延在し、(X)と(Y)との間のミラー角度をアルファ(α)で示す。別の言い方をすると、複数の斜めの溝20はローラ本体12の軸方向中点(M)からローラ本体12の第1の軸方向端部に向かって延在していてもよく、一方複数の斜めの溝20はローラ本体12の軸方向中点からローラ本体12の第2の軸方向端部に向かっても延在しており、このとき各斜めの溝の端部は夫々、その斜めの溝の軸方向中点(M)を通って延在している部分から、略等しく周方向に位置ずれしている。
【0017】
特定の例示的な実施形態において、アルファ(α)は例えば70から110°、さらには80から100°など、60から120°の範囲でもよい。
【0018】
特定の例示的な実施形態において、各斜めの溝の両端部と、斜めの溝の軸方向中点(M)を通って延在している部分との間の周方向の位置ずれの量は、90°から180°を含め、60°から270°など、少なくとも60°である。
【0019】
特定の例示的な実施形態において、基板の搬送方向は図1の矢印(Z)で表すことができ、複数の斜めの溝20はローラ本体12の中点(M)とローラ本体12の各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、搬送方向(Z)とライン(X)の接線方向の溝との間の角度が30から60°の範囲となりかつ搬送方向(Z)とライン(Y)の接線方向の溝との間の角度が30から60°の範囲となるように、ローラ本体12の中点(M)と第1の軸方向端部との間の溝はライン(X)の接線方向に延在し、かつローラ本体12の中点(M)と第2の軸方向端部との間の溝はライン(Y)の接線方向に延在している。
【0020】
図2は、1つの溝の拡大図を含む、本書で開示される1以上の実施形態による、その外側表面に複数の斜めの溝を備えている例示的なローラの切欠き側面図である。ローラ10は、ローラ本体12、カラー14、および心棒16を備えている。ローラ本体12は複数の斜めの溝20を含む。
【0021】
図2は6つの斜めの溝20の切欠き側面図を示しているが、ローラ本体の斜めの溝の数はこれに限定されるものではなく、図2などの切欠き側面図で見て、例えば3から40、さらには4から20など、例えば2から100の範囲でもよい。
【0022】
斜めの溝の深さ(D)と幅(W)は、同一でもよいし、あるいは異なっていてもよく、ローラ本体12の半径および外周に対して測定され得る。例えば各溝の深さ(D)は、ローラ本体12の半径の例えば3から15パーセント、さらには4から10パーセントなど、2から20パーセントでもよく、また各溝の幅(W)は、ローラ本体12の外周の例えば2から8パーセント、さらには3から6パーセントなど、1から10パーセントでもよい。
【0023】
図3は、本書で開示される少なくとも1つの実施形態による、その外側表面に複数の斜めの溝を備えているローラの斜視図である。ローラ10は、ローラ本体12と、心棒16と、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成された、複数の斜めの溝20とを備えている。
【0024】
図4は、本書で開示される実施形態による洗浄システムの一部の側面図である。洗浄システムは、矢印23によって示されている搬送方向へと動いている基板40の表面に、少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、複数のノズル30を備えている。洗浄システムは、その外側表面に複数の斜めの溝を備えている複数のローラ10をさらに含んでいる。図4に示されているように、各ローラ10は対応するノズル30の下流に位置付けられている。
【0025】
図4に示されているシステムは、基板40の第1の表面および第2の表面を洗浄可能なものとされ得、2つのノズル30が基板の第1の表面に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成されており、さらに2つのノズル30が基板の第2の表面に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成されている。さらに2つのローラ10が夫々、基板の第1の表面に接触するように構成されており、かつ2つのローラ10が夫々、基板の第2の表面に接触するように構成されている。図4では、基板の各側に2つのローラおよび2つのノズルが示されているが、本書で開示される実施形態は基板の片面側または両面側に、例えば1から20のローラおよびノズルなど他の数のローラおよびノズルを含み得ることを理解されたい。
【0026】
本書では「洗浄流体」という用語は、基板縁部の洗浄に適した任意の流体を示すよう意図されており、この流体は溶剤および洗浄用流体から選択される。流体は、例えば、水、脱イオン水、界面活性剤溶液、清浄液、酸、塩基、これらの組合せ、から選択され得る。種々の例示的な実施形態において、塩基のpH範囲は約9から約13でもよく、この塩基は例えば、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、および水酸化ナトリウム(NaOH)、から選択され得る。適切な酸は、限定するものではないが、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、およびクエン酸など、pH範囲が約1から約3である酸を含む。理論に拘束されることを望むものではないが、酸性および塩基性の流体は、粒子と基板との間の高い反発度によって洗浄効率を増加させたのであろうと考えられる。反発は、強酸性環境における正に帯電された粒子、または強塩基性環境における負に帯電された粒子による。
【0027】
少なくとも1つの洗浄流体は、特定の実施形態において、室温および周囲圧力で、少なくとも1つのノズルから送出され得る。あるいはノズルは、例えば噴霧ジェットとして動作して、流体を高圧で送出することができる。一実施の形態においては流体を、約0.1MPaから約5MPa、例えば約0.1MPaから約0.8MPa、または約1MPaから約3MPaの範囲の圧力で送出してもよい。流体を高圧で送出するノズルが少なくとも1つ存在していると、粒子を基板縁部から取り去るのに役立ち、それにより基板表面を汚染する可能性を低減することができる。さらなる実施形態においては、少なくとも1つの流体を、洗浄界面に送出する前に加熱してもよい。例えば少なくとも1つの流体を、約40℃から約75℃など、約20℃から約90℃の範囲の温度に加熱してもよい。
【0028】
基板は、洗浄システムを、基板表面の洗浄を達成するのに適した任意の速さで通って搬送され得る。例えば基板を、1分当たり約1から約25メートルの範囲の速さで搬送してもよい。他の実施形態では、基板を、1分当たり約3から約8メートル、例えば1分当たり約6から約10メートルなどで、または1分当たり約15から約22メートルの範囲の速さで搬送してもよい。
【0029】
ローラ10は、ローラの両側の軸方向端部へと流体および粒子を効果的に向かわせるのに適した、任意の速さで回転し得る。例えばローラは、100から1,000rpm、さらには200から600rpm、300から500rpmなど、50から2,000rpmの範囲の速さで回転し得る。ローラの速さは、基板のサイズ(例えば幅および/または長さ)に応じたものとしてもよい。例えばより小さい基板で、より高速のローラの速さを用いてもよく、また逆も可能である。
【0030】
各ローラが基板の表面に接触する地点でのローラと基板との間の接触の長さまたは程度は、ローラ間で同じでも、あるいは変化していてもよいし、また基板の面によって異なっていてもよい。例えばローラと基板との間の接触の長さは、例えば0.2から2ミリメートル、さらには0.5ミリメートルから1ミリメートルなど、0.1ミリメートルから5ミリメートルの範囲でもよい。特定の例示的な実施形態において、ローラと基板の第1の表面(すなわち、図4に示されている基板の上方側)との間の接触の長さは、平均で、ローラと基板の第2の表面(すなわち、図4に示されている基板の下方側)との間の接触の長さよりも大きくてもよい。例えば、ローラと基板の第2の表面との間の平均の接触の長さが0.1から0.4ミリメートルである場合、ローラと基板の第1の表面との間の平均の接触の長さは0.5から1.5ミリメートルでもよい。
【0031】
図4に示されている実施形態において、ローラ10は基板40の第1の表面(すなわち図4に示されている基板の上方側)に、基板の搬送方向23がローラの回転方向と同一になるような地点で接触する。その実施形態において、ローラ10は基板40の第2の表面(すなわち図4に示されている基板の下方側)に、基板の搬送方向23がローラの回転方向と反対になるような地点で接触する。
【0032】
特定の例示的な実施形態において、基板はガラスを含む。
【0033】
特定の例示的な実施形態において、基板はガラスから実質的に成る。
【0034】
特定の例示的な実施形態において、基板は本質的に平坦なガラスの平面を含む。
【0035】
特定の例示的な実施形態において、基板は、本質的に平坦なガラスの平面から実質的に成る。
【0036】
特定の例示的な実施形態において、基板はフレキシブルガラスを含む。
【0037】
特定の例示的な実施形態において、基板はフレキシブルガラスから実質的に成る。
【0038】
特定の例示的な実施形態において、基板は、フュージョンドロープロセス、フロートプロセス、およびスロットドロープロセスから成る群から選択される、ガラス製造プロセスによって製造されたガラス組成物を含む。
【0039】
特定の例示的な実施形態において、基板は無アルカリガラスを含み、この無アルカリガラスは酸化物基準のモル%で、SiO2:64.0~71.0、Al23:9.0~12.0、B23:7.0~12.0、MgO:1.0~3.0、CaO:6.0~11.5、SrO:0~2.0、BaO:0~0.1を含み、このとき1.00≦Σ[RO]/[Al23]≦1.25であり、[Al23]はAl23のモル%であり、Σ[RO]は、MgO、CaO、SrO、およびBaOの、モル%の合計に等しく、さらにガラスは以下の組成特性、すなわち(i)酸化物基準でガラスが最大0.05モル%のSb23を含む、(ii)酸化物基準でガラスが少なくとも0.01モル%のSnO2を含む、のうちの少なくとも一方を有する。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、国際公開第2007/002865号において開示されている。
【0040】
特定の例示的な実施形態において、基板は無アルカリガラスを含み、この無アルカリガラスは酸化物基準のモル%で、SiO2:64.0~72.0、Al23:9.0~16.0、B23:1.0~5.0、MgO+La23:1.0~7.5、CaO:2.0~7.5、SrO:0.0~4.5、BaO:1.0~7.0を含み、このときΣ(MgO+CaO+SrO+BaO+3La23)/(Al23)≧1.15であり、Al23、MgO、CaO、SrO、BaO、およびLa23は、夫々の酸化物成分のモル%を表す。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、国際公開第2007/095115号において開示されている。
【0041】
特定の例示的な実施形態において、基板はガラスを含み、このガラスは、67≦SiO2≦70、11≦Al23≦13.5、3≦B23≦6、3.5≦MgO≦7、4≦CaO≦7、1≦SrO≦4、0≦BaO≦3、0.02≦SnO2≦0.3、0≦CeO2≦0.3、0.00≦As23≦0.5、0.00≦Sb23≦0.5、0.01≦Fe23≦0.08、F+Cl+Br≦0.4、を含み、このとき全ての酸化物はモル%でのものであり、さらに1.05≦(MgO+BaO+CaO+SrO)/Al23≦1.25、0.7≦(CaO+SrO+BaO)/Al23≦0.9、および0.3≦MgO/(CaO+SrO+BaO)≦0.6であり、Al23、MgO、CaO、SrO、およびBaOは、代表的な酸化物成分のモル%を表す。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第8,598,056号明細書において開示されている。
【0042】
特定の例示的な実施形態において、基板は約90,000ポアズ以上の液相粘度を有する無アルカリガラスを含み、このガラスは酸化物基準のモル%で、64≦SiO2≦68.2、11≦Al23≦13.5、5≦B23≦9、2≦MgO≦9、3≦CaO≦9、および1≦SrO≦5となるような、SiO2、Al23、B23、MgO、CaO、およびSrOを含む。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第8,598,055号明細書において開示されている。
【0043】
特定の例示的な実施形態において、基板はガラスを含み、このガラスは以下の性能基準、すなわちA:LTTC(低温試験サイクル)で5.5ppm以下の圧縮、B:HTTC(高温試験サイクル)で40ppm以下の圧縮、およびC:SRTC(応力緩和試験サイクル)で50%未満の誘起応力の緩和、を呈し、酸化物基準のモル%で、50~85のSiO2、0~20のAl23、0~10のB23、0~20のMgO、0~20のCaO、0~20のSrO、0~20のBaO、を含むガラスを含み、ここでSiO2、Al23、B23、MgO、CaO、SrO、およびBaOは、酸化物成分のモル%を表す。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0179510号明細書において開示されている。
【0044】
特定の例示的な実施形態において、基板は実質的に無アルカリのガラスを含み、このガラスは酸化物基準のモル%で、SiO2:65~70.3、Al23:11~14、B23:2~7.5、MgO:2~7.5、CaO:3~11、SrO:0~5.5、BaO:0~2、ZnO:0~2を含み、このとき(a)[SiO2]+[Al23]≦81.3、および(b)Σ[RO]/[Al23]≦1.3であり、[SiO2]および[Al23]は夫々SiO2およびAl23のモル%であり、さらにΣ[RO]は、MgO、CaO、SrO、BaO、およびZnOの、モル%の合計に等しい。このガラス組成物の例は、その全開示が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願第14/204,456号明細書において開示されている。
【0045】
図5A~5Dは、ローラが基板の第1の表面または第2の表面のいずれかに接触しており、基板の搬送方向が左から右へのものから、右から左へのものまで様々である、ローラの種々の上面図と、そのローラおよび基板の対応する側面図とを示している。特に図5Aは、ローラが基板の第1の表面に接触しており、基板の搬送方向が矢印23によって示されているように左から右へのものである、ローラ10の上面図と、そのローラ10および基板40の対応する側面図とを示している。図5Aから分かるように、ローラ10は基板40の第1の表面に、基板の搬送方向がローラ10の回転方向と同一(左から右)になるような地点で接触する。さらにローラ10は、基板40の第1の表面に、ローラ10の外側表面の複数の斜めの溝がローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に基板の搬送方向の逆方向に延びるようになる地点で、接触する。複数の斜めの溝は、矢印21によって示されているように、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせる。
【0046】
図5Bは、ローラが基板の第2の表面に接触しており、基板の搬送方向が矢印23によって示されているように左から右へのものである、ローラ10の上面図と、そのローラ10および基板40の対応する側面図とを示している。図5Bから分かるように、ローラ10は基板40の第2の表面に、基板の搬送方向がローラ10の回転方向と反対(左から右)になるような地点で接触する。さらにローラ10は、基板40の第2の表面に、ローラ10の外側表面の複数の斜めの溝がローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に基板の搬送方向の同一方向に延びるようになる地点で、接触する。複数の斜めの溝は、矢印21によって示されているように、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせる。図5Bに示されている実施形態は、図5Aに示されている実施形態と併せて使用することができる。
【0047】
図5Cは、ローラが基板の第1の表面に接触しており、基板の搬送方向が矢印27によって示されているように右から左へのものである、ローラ10の上面図と、そのローラ10および基板40の対応する側面図とを示している。図5Cから分かるように、ローラ10は基板40の第1の表面に、基板の搬送方向がローラ10の回転方向と同一(右から左)になるような地点で接触する。さらにローラ10は、基板40の第1の表面に、ローラ10の外側表面の複数の斜めの溝がローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に基板の搬送方向の逆方向に延びるようになる地点で、接触する。複数の斜めの溝は、矢印25によって示されているように、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせる。
【0048】
図5Dは、ローラが基板の第2の表面に接触しており、基板の搬送方向が矢印27によって示されているように右から左へのものである、ローラ10の上面図と、そのローラ10および基板40の対応する側面図とを示している。図5Dから分かるように、ローラ10は基板40の第2の表面に、基板の搬送方向がローラ10の回転方向と反対(右から左)になるような地点で接触する。さらにローラ10は、基板40の第2の表面に、ローラ10の外側表面の複数の斜めの溝がローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に基板の搬送方向の同一方向に延びるようになる地点で、接触する。複数の斜めの溝は、矢印25によって示されているように、ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせる。図5Dに示されている実施形態は、図5Cに示されている実施形態と併せて使用することができる。
【0049】
本書で開示される実施形態は、基板表面からの粒子の除去に関して性能を向上させることができると同時に、望ましくない引っ掻き傷、染み、および表面損失効果を実質的に含まない、高品質のガラス基板表面などの基板表面を維持することができる。例えば本書で開示される実施形態は、高解像度用途での比較的大きい(5μm超)、中間(1~5μm)、および小さい(0.3~1μm)粒子の他、低解像度用途での比較的大きい(5μm超)、中間(3~5μm)、および小さい(1~3μm)粒子の除去に関して、性能の向上をもたらすことができる。その点で、本書で開示される実施形態は、ガラス基板に適用した場合、全体的に低解像度の粒子密度が0.004個/cm2未満、全体的に高解像度の粒子密度が0.065個/cm2未満など、全体的に残留粒子密度が比較的低い基板表面をもたらすことができる。
【0050】
さらに本書で開示される実施形態は、代替のローラ技術よりも、中間および小さい粒子(例えば、5μm未満の大きさの粒子)の除去を著しく向上させることができる。例えば本書で開示される実施形態は、適用後に、代替のローラ技術に比べて、5μm未満の大きさの残留粒子(0.3から5μmの大きさの粒子など)の50%から96%、さらには75%から90%の減少など、少なくとも50%、さらには例えば少なくとも70%、またさらには少なくとも80%などの減少が結果として得られるように、粒子の除去を実現することができる。適用後に80%の残留粒子が減少するとは、本書で開示される少なくとも1つの実施形態の後に、代替のローラ技術に比べて20%の粒子のみが基板上に残ること(例えば、20%の粒子密度)を意味し、また適用後に95%の残留粒子が減少するとは、本書で開示される少なくとも1つの実施形態の後に、代替のローラ技術に比べて5%の粒子のみが基板上に残ること(例えば、5%の粒子密度)を意味する。
【0051】
本書で開示される実施形態は、さらに、引っ掻き傷、染み、および表面損失特性に関して高品質の基板表面を維持しながら、優れた粒子除去を実現することができる。例えば基板表面がガラス表面である場合、本書で開示される実施形態は優れた粒子除去を実現すると同時に、その表面損失が例えば0.045%未満など0.05%未満、その表面の引っ掻き傷が0.0045%未満など0.005%未満、さらにその表面の染みが0.0016%未満である表面を維持することができる。
【0052】
本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。従って、これらの改変および変形さらに他の実施形態が、添付の請求項およびその同等物の範囲内に入るならば、本開示はこれらを含むと意図されている。
【0053】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0054】
実施形態1
基板の少なくとも1つの縁部を洗浄する方法であって、前記基板の前記少なくとも1つの縁部を、洗浄システムに通して搬送するステップを含み、前記洗浄システムが、
前記基板の前記少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、少なくとも1つのノズル、および、
少なくとも1つのローラであって、該ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成された複数の斜めの溝を、該ローラの外側表面に備えている、少なくとも1つのローラ、
を備えており、前記基板が、第1の表面と、該第1の表面に実質的に平行な第2の表面とを備え、かつ前記少なくとも1つのローラが、前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方に接触するように構成されていることを特徴とする方法。
【0055】
実施形態2
前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面を洗浄するステップを含み、前記少なくとも1つのノズルが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、前記少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成されており、かつ前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0056】
実施形態3
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面に、前記基板の搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と同一になるような地点で接触することを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0057】
実施形態4
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記基板の前記搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と反対になるような地点で接触することを特徴とする実施形態3記載の方法。
【0058】
実施形態5
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面に、前記少なくとも1つのローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の逆方向に延びるようになる地点で、接触することを特徴とする実施形態3記載の方法。
【0059】
実施形態6
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記少なくとも1つのローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の同一方向に延びるようになる地点で、接触し、さらに前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記基板の前記搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と反対になるような地点で接触することを特徴とする実施形態5記載の方法。
【0060】
実施形態7
前記基板がガラスを含むことを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0061】
実施形態8
前記ローラが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ウレタン、およびモヘア、から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、少なくとも1つのスポンジまたはスポンジ状材料を含むことを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0062】
実施形態9
前記複数の斜めの溝が、前記少なくとも1つのローラの軸方向における両側で、互いに鏡像であり、前記溝が、前記ローラの中点と各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、かつ前記溝が夫々その鏡像に対し、60°から120°のミラー角度で傾斜していることを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0063】
請求項10
前記複数の斜めの溝が夫々、前記少なくとも1つのローラの本体の半径の、2から20パーセントの深さと、前記少なくとも1つのローラの本体の外周の、1から10パーセントの幅とを有していることを特徴とする実施形態1記載の方法。
【0064】
実施形態11
基板の少なくとも1つの縁部を洗浄するための、前記基板の前記少なくとも1つの縁部を洗浄システムに通して搬送するように構成された、装置において、
前記基板の前記少なくとも1つの縁部に少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成された、少なくとも1つのノズル、および、
少なくとも1つのローラであって、該ローラの両側の軸方向端部に向かって流体および粒子を横方向に向かわせるように構成された複数の斜めの溝を、該ローラの外側表面に備えている、少なくとも1つのローラ、
を備え、前記基板が、第1の表面と、該第1の表面に実質的に平行な第2の表面とを備え、かつ前記少なくとも1つのローラが、前記第1の表面および前記第2の表面のうちの少なくとも一方に接触するように構成されていることを特徴とする装置。
【0065】
実施形態12
前記装置が、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面を洗浄するように構成されており、前記少なくとも1つのノズルが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、前記少なくとも1つの洗浄流体を送出するように構成されており、かつ前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面および前記第2の表面の夫々に、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0066】
実施形態13
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面に、前記基板の搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と同一になるような地点で、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0067】
実施形態14
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記基板の搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と反対になるような地点で、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0068】
実施形態15
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第1の表面に、前記少なくとも1つのローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の逆方向に延びるようになる地点で、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0069】
実施形態16
前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記少なくとも1つのローラの前記外側表面の前記複数の斜めの溝が該ローラの両側の軸方向端部に向かって延び同時に前記基板の前記搬送方向の同一方向に延びるようになる地点で、接触するように構成されており、さらに前記少なくとも1つのローラが、前記基板の前記第2の表面に、前記基板の前記搬送方向が該少なくとも1つのローラの回転方向と反対になるような地点で、接触するように構成されていることを特徴とする実施形態15記載の装置。
【0070】
実施形態17
前記基板がガラスを含むことを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0071】
実施形態18
前記ローラが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ウレタン、およびモヘア、から成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、少なくとも1つのスポンジまたはスポンジ状材料を含むことを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0072】
実施形態19
前記複数の斜めの溝が、前記少なくとも1つのローラの軸方向における両側で、互いに鏡像であり、前記溝が、前記ローラの中点と各軸方向端部との間で互いに実質的に平行であり、かつ前記溝が夫々その鏡像に対し、60°から120°のミラー角度で傾斜していることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【0073】
実施形態20
前記複数の斜めの溝が夫々、前記少なくとも1つのローラの本体の半径の、2から20パーセントの深さと、前記少なくとも1つのローラの本体の外周の、1から10パーセントの幅とを有していることを特徴とする実施形態11記載の装置。
【符号の説明】
【0074】
10 ローラ
12 ローラ本体
20 斜めの溝
30 ノズル
40 基板
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D