(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20220204BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20220204BHJP
F24C 15/08 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
H05B6/12 313
H05B6/12 303
F24C15/00 M
F24C15/08 G
(21)【出願番号】P 2018128954
(22)【出願日】2018-07-06
【審査請求日】2020-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】須永 隆司
(72)【発明者】
【氏名】星野 晃一
(72)【発明者】
【氏名】杉本 芳之
(72)【発明者】
【氏名】大久保 直也
(72)【発明者】
【氏名】吉元 信夫
(72)【発明者】
【氏名】横井川 裕司
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-104607(JP,A)
【文献】特開2010-108612(JP,A)
【文献】特開2009-198127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
F24C 15/00
F24C 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置され
、前記トッププレートに載置された前記調理容器を加熱する複数の加熱部と、
加熱調理器の動作を制御する制御部と、
前記加熱部ごとに対応させて設けられ、前記制御部に操作指令を与える複数の操作部と、
前記操作部を保持する操作部保持台と、を備え、
前記操作部は、前記操作部保持台に着脱自在に保持されており、前記制御部に無線通信を介して操作指令を与えるように構成されている、加熱調理器。
【請求項2】
前記操作部保持台から取り外した各々の前記操作部は、複数の前記加熱部のうちいずれかを選択して操作することができる構成とされ、
前記制御部は、前記操作部が選択した前記加熱部を制御する、請求項
1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
調理台と一体として構成されており、
前記操作部保持台は、前記操作部と共に前記調理台の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている、請求項1
又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記操作部が前記調理台の内部に収納されたか否かを検知する操作部検知手段を更に備えており、
前記制御部は、前記操作部検知手段の検知に基づいて、いずれかの前記操作部が前記調理台の内部に収納された
と判断すると、すべての前記加熱部を停止させる制御を行う、請求項
3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記操作部保持台は、前記操作部と共に調理器本体の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている、請求項1
又は2に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記操作部が前記調理器本体の内部に収納されたか否かを検知する操作部検知手段を更に備えており、
前記制御部は、前記操作部検知手段の検知に基づいて、いずれかの前記操作部が前記調理器本体の内部に収納された
と判断すると、すべての前記加熱部を停止させる制御を行う、請求項
5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記操作部の振動を検知する振動検知手段を更に備えており、
前記制御部は、前記振動検知手段の検知に基づいて、すべての前記加熱部を停止させる制御を行う、請求項1~
6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記操作部保持台に保持されておらず、前記操作部とは別に、前記制御部に無線通信を介して操作指令を与える独立したリモコン操作機を、更に備えており、
前記リモコン操作機は、複数の前記加熱部のうちいずれかを選択して操作することができる構成とされ、
前記制御部は、前記リモコン操作機が選択した前記加熱部を制御する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作部を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、調理台の内部に格納されるビルトイン型の加熱調理器、或いは調理台の上部に設置される据置型の加熱調理器が知られている。この加熱調理器は、調理容器が載置されるトッププレートと、複数の加熱部と、加熱調理器の動作を制御する制御部と、制御部に操作指令を与える複数の操作部と、を備えている。例えば特許文献1に開示された加熱調理器は、アイランドキッチンと称されるキッチンキャビネットの内部に格納されたものであって、キッチン側のキッチン天面の手前とリビング側のキッチン天面の手前のそれぞれに、操作ユニットが設けられた構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された加熱調理器は、操作部がキッチンキャビネットに設けられた操作部置台等に固定されている。そのため、使用者は、使用したい加熱部に対応する操作部の位置まで移動しなければならず、不便を強いられていた。また、加熱調理器100で調理しながら、その上面を食卓としても使用する場合には、使用したい加熱部の前に人が座っていると、当該加熱部の操作部を使用するために、席を替わらなければならず、面倒であった。例えば加熱調理器から離れた場所で加熱部を操作することができれば、利便性が向上し、種々の調理スタイルに合わせて操作することができる。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加熱調理器から離れた場所で加熱部を操作することができ、使い勝手に優れた加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、調理容器が載置されるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置され、前記トッププレートに載置された前記調理容器を加熱する複数の加熱部と、加熱調理器の動作を制御する制御部と、前記加熱部ごとに対応させて設けられ、前記制御部に操作指令を与える複数の操作部と、前記操作部を保持する操作部保持台と、を備え、前記操作部は、前記操作部保持台に着脱自在に保持されており、前記制御部に無線通信を介して操作指令を与えるように構成されているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る加熱調理器によれば、操作部が操作部保持台に着脱自在に保持されており、制御部に無線通信を介して操作指令を与えるように構成されているので、操作部保持台から取り外した操作部を使用して、加熱調理器から離れた場所で加熱部を操作することができ、使い勝手に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であって操作部を調理台の内部から引き出した状態を示した外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であって操作部を調理台の内部に収納した状態を示した外観斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であっていずれかの操作部を操作部保持台から取り外した状態を示した外観斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示した要部断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の主要部の概略構成図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の操作部を模式的に示した斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例であって、内部構造を示した要部断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であってリモコン操作機を備えた構成を示した説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の要部を拡大して示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であって操作部を調理台の内部から引き出した状態を示した外観斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であって操作部を調理台の内部に収納した状態を示した外観斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であっていずれかの操作部を操作部保持台から取り外した状態を示した外観斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構造を示した要部断面図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の主要部の概略構成図である。
【0011】
実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱源である誘導加熱コイルに高周波電流を流すことによって生じる高周波磁束で渦電流を誘起し、それによって発生するジュール熱で被加熱物の加熱を行う誘導加熱調理器である。この加熱調理器100は、
図1及び
図2に示すように、例えば壁から離れた場所に島のようにシンク201及びキッチン天面202が配置されたアイランドキッチンと称される調理台200の内部に格納されており、該調理台200と一体となっている。調理台200が設置された空間では、調理台200を挟んでキッチン側Aとリビング側Bとで構成される。このような調理台200は、加熱調理を行いながら周囲を食卓として利用することもできるし、加熱調理を行わないときに加熱調理器100の上面を食卓して使用することもできる。なお、加熱調理器100は、調理台200の内部に格納された構成に限定されるものではなく、例えば調理台200に連結されたテーブル状の台又は食卓に格納される場合もある。
【0012】
実施の形態1に係る加熱調理器100は、
図1~
図5に示すように、本体ケース1と、本体ケース1の内部に収納された複数の加熱部2a~2dと、加熱調理器100の動作を制御する制御部3と、制御部3に操作指令を与える複数の操作部4a~4hと、操作部4a~4hをそれぞれ保持する操作部保持台5A及び5Bと、を備えている。
【0013】
本体ケース1は、上部が開口した箱形状で構成され、調理台200の内部に格納されている。本体ケース1の上面には、上面開口を覆うトッププレート10が設けられている。なお、図示することは省略したが、本体ケース1には、本体ケース1内の部品を冷却するための冷却風を吸込み或いは排出する開口部が形成されている。
【0014】
トッププレート10は、平板形状に形成された例えば耐熱性ガラス又はセラミック等の非金属材料で構成されている。トッププレート10は、上面がキッチン天面202と略同一面となるように設けられている。トッププレート10の上面には、調理容器9の載置位置を示す載置位置表示部10a~10dが印刷等により表示されている。これらの載置位置表示部10a~10dの下方には、加熱手段である加熱部2a~2dが対向して配置されている。なお、載置位置表示部10a~10dは、印刷等による表示に限らず、例えば電源を入れると光って載置位置を表示する構成でもよい。
【0015】
加熱部2a~2dは、本体ケース1の内部に配置された例えば4つの加熱コイルからなり、これらの加熱コイルの電力を制御する制御基板30によって制御される。なお、加熱源として4つの加熱コイルを用いているが、すべてを加熱コイルとする必要は無く、例えば、載置位置表示部10a~10dの下方にラジエントヒーターを設置しても良い。また、加熱部2a~2dは、加熱コイルを4つ設けた構成を示しているが、1以上あればよい。
【0016】
なお、詳細に図示することは省略したが、本体ケース1の内部には、加熱部2a~2dを冷却する冷却装置11が設けられている。冷却装置11は、例えば冷却ファンで構成され、加熱部2a~2dごとに設けられている。冷却装置11は、加熱部2a~2d及び高周波インバータ回路12などを冷却する。なお、冷却装置11は、複数設けることに限らず、1つでもよい。
【0017】
制御部3は、例えば制御基板30に実装されたマイコン又はCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成されている。なお、制御部3は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアにより構成されてもよい。制御部3は、
図5に示すように、操作部4a~4hから出力される操作信号に基づいて、加熱部2a~2dの加熱制御を行うとともに、冷却装置11の動作制御を行う。制御部3は、操作部4a~4hにより指示された火力が入力されると、その火力に応じて設定された電力と高周波インバータ回路12の出力電力とがほぼ同一となるように駆動信号を生成し、その駆動信号により高周波インバータ回路12を駆動し、高周波電流を加熱部2a~2dに供給する。
【0018】
操作部4a~4hは、加熱部2a~2dの動作に関する入力操作を受け付けるものである。
図1に示すように、操作部4a~4hは、複数の加熱部2a~2dごとに対応するように複数で構成されている。具体的には、操作部4a~4hは、キッチン側Aに設けられた4つの操作部4a~4dと、リビング側Bに設けられた4つの操作部4e~4hとで構成されている。例えば操作部4a及び4eは、載置位置表示部10aが表示された加熱部2aを操作するものである。操作部4b及び4fは、載置位置表示部10bが表示された加熱部2bを操作するものである。操作部4c及び4gは、載置位置表示部10cが表示された加熱部2cを操作するものである。操作部4d及び4hは、載置位置表示部10dが表示された加熱部2dを操作するものである。操作部4a~4hは、同一の構成であり、それぞれ独立して操作することができる。
【0019】
図1~
図4に示すように、操作部4a~4dの組は、調理台200の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成された共通の操作部保持台5Aによって着脱自在に保持されている。また、操作部4e~4hの組は、調理台200の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成された共通の操作部保持台5Bによって着脱自在に保持されている。操作部4a~4hが操作部保持台5A又は5Bに着脱自在に保持された構成とは、例えば操作部4a~4hと操作部保持台5A又は5Bとが互いに嵌り合う嵌合構造を設けた構成でもよいし、操作部保持台5A又は5Bの上面に各操作部4a~4hを単に載置させただけでもよい。また、操作部4a~4hと操作部保持台5A又は5Bとにマグネットを設けた構成でもよい。要するに、操作部4a~4hを操作部保持台5A又は5Bから着脱自在に保持することができれば、どのような形態でもよい。
【0020】
図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の操作部を模式的に示した斜視図である。操作部4a~4hは、複数の加熱部2a~2dのいずれかを選択する加熱源選択ボタン40と、各種の設定ボタン群41とが設けられている。操作部4a~4hは、操作部保持台5A又は5Bから取り外した場合に、加熱源選択ボタン40を押すことによっていずれかの加熱部2a~2dを選択して操作することができる。各種の設定ボタン群41とは、例えば加熱部2a~2dの電源ボタン、加熱部2a~2dの火力を設定する火力設定ボタン、揚げ物調理又は煮込み調理などの調理に応じた加熱モードを設定する機能設定ボタン、タイマーを設定するタイマー設定ボタン等である。また、操作部4a~4hには、使用者が操作した操作情報を表示する操作表示部42が設けている。操作表示部42には、例えば加熱源選択ボタン40で選択した加熱部2a~2dを表示させてもよい。
【0021】
操作部4a~4hは、操作部保持台5A又は5Bから取り外して制御部3と無線通信できる構成されている。具体的には、各操作部4a~4hには、制御部3と通信する通信制御部を備えている。通信制御部は、例えば赤外線を発光する赤外LEDと、赤外LEDの発した赤外線を受光するフォトトランジスタとで構成され、制御部3に設けられた通信手段と赤外線通信を行うものである。なお、操作部4a~4hは、加熱調理器100の制御部3と例えば無線LAN、近距離無線通信(NFC)、又はBluetooth(登録商標)等で直接通信できる構成としてもよい。
【0022】
各操作部4a~4hは、
図3に示すように、操作部保持台5A又は5Bから取り外し、4つの加熱部2a~2dのうちいずれかを選択して操作することができる構成とされている。例えば操作部4aは、加熱源選択ボタン40を押して、載置位置表示部10a~10dが表示された加熱部2a~2dを操作することができる。制御部3は、各操作部4aが選択した加熱部2a~2dの制御を行う。
【0023】
なお、操作部4a~4hは、図示した構成に限定されない。例えば操作部4a~4hは、8つに限定されず2つ以上であればよい。また、操作部4a~4hの各種操作ボタン等は、加熱調理器100の用途に応じて、種々の態様で実施するものとする。
【0024】
操作部保持台5A及び5Bは、
図4に示すように、調理台200の内部であって、キッチン天面202の直下に形成された収納スペースに収納自在に設けられている。具体的には、操作部保持台5A及び5Bは、固定レールに対して可動レールをスライド自在としたスライドレールから成るスライド機構によって、操作部4a~4hと共に調理台200の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている。なお、操作部保持台5A及び5Bは、スライド機構に加えて、公知のプッシュ式を採用してもよい。つまり、調理台200の内部に収納された操作部保持台5A及び5Bを押し込むと、操作部保持台5A及び5Bが手前に飛び出す。調理台200から引き出された操作部保持台5A及び5Bを、調理台200の内部に押し込むと固定される。また、上記した操作部保持台5A及び5Bの構成は、一例であって、調理台200の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成することができれば、他の形態でもよい。また、操作部保持台5A及び5Bは、調理台200の外部に固定して設けてもよい。
【0025】
なお、
図7は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の変形例であって、内部構造を示した要部断面図である。
図7に示すように、加熱調理器100の大きさ及び形状によっては、キッチン天面202の直下に形成された収納スペースに操作部保持台5A及び5Bを収納自在に設けることができない場合がある。この場合、操作部保持台5A及び5Bは、調理台200の内部であって本体ケース1の下方に形成された収納スペースに収納自在に設けてもよい。
【0026】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100は、
図1~
図3及び
図5に示すように、操作部4a~4hが調理台200の内部に収納されたか否かを検知する操作部検知手段6を備えている。操作部検知手段6は、例えばセンサ又はスイッチ等で構成されており、各操作部4a~4hが調理台200の内部に収納されたか否かを検知する。なお、実施の形態1における操作部検知手段6は、操作部保持台5Aに保持された操作部4a~4dのユニット、又は操作部保持台5Bに保持された操作部4e~4hのユニットが、調理台200の内部に収納されたか否かを検知する。
【0027】
操作部検知手段6は、使用者によって操作部4a~4hの検知をオン又はオフに切り換えられる構成とされている。制御部3は、操作部検知手段6がオンである場合において、操作部検知手段6の検知に基づき、操作部4a~4dのユニット又操作部4e~4hのユニットが、調理台200の内部に収納された判断すると、すべての加熱部2a~2dを停止させる制御を行う。なお、加熱調理器100を通常使用する場合においては、操作部検知手段6をオフにしておく。操作部4a~4hのいずれかが収納される度に、すべての加熱部2a~2dが停止される事態を防ぐためである。そして、使用環境に応じて緊急停止させたい場合に、操作部検知手段6をオンに切り換える。つまり、実施の形態1における操作部検知手段6は、緊急停止スイッチとして機能するものである。
【0028】
なお、操作部検知手段6は、調理台200の内部に設けてもよいし、調理台200の外部に設けてもよい。或いは、操作部4a~4hに内蔵させてもよい。要するに、操作部検知手段6は、各操作部4a~4hが調理台200の内部に収納されたか否かを検知することができれば、どのような構成であってもよい。
【0029】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100は、
図5及び
図6に示すように、操作部4a~4hの振動を検知する振動検知手段7を備えている。振動検知手段7は、各操作部4a~4hに内蔵することが好ましいが、調理台200に設けてもよい。振動検知手段7は、例えば加速度センサ等であり、操作部4a~4hに発生した振動を検知するものである。制御部3は、振動検知手段7の検知に基づいて、すべての加熱部2a~2dを停止させる制御を行う。つまり、実施の形態1における振動検知手段7は、操作部検知手段6と同じく、緊急停止スイッチとして機能するものである。
【0030】
なお、
図8は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器であってリモコン操作機を備えた構成を示した説明図である。
図8に示すように、実施の形態1に係る加熱調理器100は、制御部3に無線通信を介して操作指令を与える独立したリモコン操作機8を備えてもよい。リモコン操作機8は、複数の加熱部2a~2dのうちいずれかを選択して操作することができる構成とされている。制御部3は、リモコン操作機8が選択した加熱部2a~2dを制御する。リモコン操作機8の構成は、操作部4a~4hと同じである。
【0031】
以上のように、実施の形態1に係る加熱調理器100では、調理容器9が載置されるトッププレート10と、トッププレート10の下方に配置された複数の加熱部2a~2dと、加熱調理器100の動作を制御する制御部3と、制御部3に操作指令を与える複数の操作部4a~4hと、操作部4a~4hを保持する操作部保持台5A及び5Bと、を備えている。操作部4a~4hは、操作部保持台5A又は5Bから着脱自在に保持されており、制御部3に無線通信を介して操作指令を与えるように構成されている。よって、加熱調理器100は、操作部保持台5A又は5Bから取り外した操作部4a~4hを使用して、加熱調理器100から離れた場所で加熱部2a~2dを操作することができるので、種々の調理スタイルに合わせて操作することができ、使い勝手に優れている。
【0032】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、操作部4a~4hが、加熱部2a~2dごとに対応させて設けられているので、複数の加熱部2a~2dを同時に操作することができるし、使用している加熱部2a~2dの操作部4a~4hをすぐに確認することができ、使い勝手に優れている。
【0033】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、操作部保持台5A又は5Bから取り外した各々の操作部4a~4hが、複数の加熱部2a~2dのうちいずれかを選択して操作することができる構成とされている。そして、制御部3は、操作部4a~4hが選択した加熱部2a~2dを制御する。よって、加熱調理器100では、使用者の操作性をより向上させることができ、使い勝手に優れている。
【0034】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、操作部保持台5A及び5Bが操作部4a~4hと共に調理台200の内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている。よって、加熱調理器100は、加熱調理を行わない場合に、操作部4a~4hを調理台200の内部に収納することができるので、加熱調理器100の上面を食卓して使用する際に、操作部4a~4hが邪魔になることがない。
【0035】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、操作部4a~4hが調理台200の内部に収納されたか否かを検知する操作部検知手段6を備えている。制御部3は、操作部検知手段6の検知に基づいて、いずれかの操作部4a~4hが調理台200の内部に収納された判断すると、すべての加熱部2a~2dを停止させる制御を行う。よって、加熱調理器100は、使用環境に応じて緊急停止させたい場合に、操作部検知手段6を緊急停止スイッチとしての機能させることができるので、危険な事故を未然に防止することができ、安全かつ安心して使用することができる。
【0036】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、操作部4a~4hの振動を検知する振動検知手段7を備えている。制御部3は、振動検知手段7の検知に基づいて、すべての加熱部2a~2dを停止させる制御を行う。よって、加熱調理器100は、使用環境に応じて緊急停止させたい場合に、操作部検知手段6を緊急停止スイッチとしての機能させることができるので、危険な事故を未然に防止することができ、安全かつ安心して使用することができる。
【0037】
また、実施の形態1に係る加熱調理器100では、制御部3に無線通信を介して操作指令を与える独立したリモコン操作機8を備えている。リモコン操作機8は、複数の加熱部2a~2dのうちいずれかを選択して操作することができる構成とされている。制御部3は、リモコン操作機8が選択した加熱部2a~2dを制御する。したがって、加熱調理器100は、例えば使用したい加熱部2a~2dの前に他の人が座っていてもリモコン操作機8で加熱部2a~2dを操作することができるので、使い勝手に優れている。また、とっさに加熱部2a~2dを停止させたい場合に、即座に対応することができ、危険な事故を未然に防止することもできる。
【0038】
実施の形態2.
次に、
図9に基づいて、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器101を説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の要部を拡大して示した側面図である。なお、実施の形態1で説明した加熱調理器100と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0039】
図9に示す実施の形態2の加熱調理器101は、据え置き型であり、調理台200の上面に設置される。実施の形態2の加熱調理器101では、操作部保持台5A又は5Bが調理器本体101Aの内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている。具体的には、操作部保持台5A又は5Bは、固定レールに対して可動レールをスライド自在としたスライドレールから成るスライド機構によって、操作部4a~4hと共に調理器本体101Aの内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成されている。なお、操作部保持台5A又は5Bは、スライド機構に加えて、公知のプッシュ式を採用してもよい。また、上記した操作部保持台5A又は5Bの構成は、一例であって、調理器本体101Aの内部から引き出し又は内部へ収納自在に構成することができれば、他の形態でもよい。
【0040】
なお、その他の構成については、上記実施の形態1の加熱調理器100と同じ構成であり、同様の効果を奏するものである。
【0041】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図示した加熱調理器100の構成は、一例であって、上述した内容に限定されるものではなく、他の構成要素を含んでも同様に実施することができる。また、操作部4a~4hは、それぞれ独立して操作部保持台5A又は5Bに保持された構成としてもよい。また、操作部検知手段6及び振動検知手段7は、必ずしも設ける必要はなく、省略してもよい。要するに、本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0042】
1 本体ケース、2a~2d 加熱部、3 制御部、4a~4h 操作部、5A、5B 操作部保持台、6 操作部検知手段、7 振動検知手段、8 リモコン操作機、9 調理容器、10 トッププレート、10a~10d 載置位置表示部、11 冷却装置、12 高周波インバータ回路、30 制御基板、40 加熱源選択ボタン、41 設定ボタン群、42 操作表示部、100、101 加熱調理器、101A 調理器本体、200 調理台、201 シンク、202 キッチン天面、A キッチン側、B リビング側。