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特許7018879エアロゾル発生システム用カートリッジおよびカートリッジを含むエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム用カートリッジおよびカートリッジを含むエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20220204BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20220204BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20220204BHJP
   A24F 40/485 20200101ALI20220204BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A24F47/00
A24F40/30
A24F40/42
A24F40/485
A61M15/06 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018529101
(86)(22)【出願日】2016-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2016082237
(87)【国際公開番号】W WO2017108991
(87)【国際公開日】2017-06-29
【審査請求日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】15202213.3
(32)【優先日】2015-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ファリーヌ マリー
(72)【発明者】
【氏名】シルヴェストリーニ パトリック チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーラー ジュディス
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/040180(WO,A2)
【文献】特表2007-512880(JP,A)
【文献】特表2012-520736(JP,A)
【文献】国際公開第2014/187763(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/000974(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/177043(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0351456(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/30
A24F 40/42
A24F 40/485
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の空気吸込み口と第一の空気出口を有する第一の区画であって、1ミリグラム~40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含むニコチン供与源を含有する、第一の区画と、
第二の空気吸込み口と第二の空気出口を有する第二の区画であって、2ミリグラム~60ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含有する、第二の区画と、
前記第一の区画と前記第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを受けるための、前記第一の区画と前記第二の区画との間に位置するくぼみを含む、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジ。
【請求項2】
前記第一の担体材料は8ミリグラム~18ミリグラムのニコチンが浸み込まされ、前記第二の担体材料は10ミリグラム~30ミリグラムの乳酸が浸み込まされている、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ニコチンが浸み込まされていない前記第一の担体材料および前記乳酸が浸み込まされていない前記第二の担体材料は、0.1グラム/立法センチメートル~0.3グラム/立法センチメートルの密度を有する、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ニコチンが浸み込まされていない前記第一の担体材料および前記乳酸が浸み込まされていない前記第二の担体材料は、15パーセント~55パーセントの空隙率を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第一の区画が、風味剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第一の担体材料は、3ミリグラム~12ミリグラムの風味剤が浸み込まされている、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第一の区画および前記第二の区画が、前記カートリッジ内に平行に配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第一の区画の前記第一の空気出口および前記第二の区画の前記第二の空気出口と流体連通した、第三の区画をさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第一の区画の前記第一の空気吸込み口および前記第一の空気出口、ならびに前記第二の区画の前記第二の空気吸込み口および前記第二の空気出口が、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止される、請求項1~8のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記第一の区画と前記第二の区画との間の前記くぼみに位置するヒーターであって、前記第一の区画と前記第二の区画とを加熱するように構成された、ヒーターをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか1項に記載のカートリッジと、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジングと、
前記カートリッジの前記第一の区画と前記第二の区画とを加熱するためのヒーターと、を含む、エアロゾル発生装置と、を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記ヒーターが、前記エアロゾル発生装置の前記くぼみ内に位置し、前記カートリッジが前記ヒーターを受けるための、前記第一の区画と前記第二の区画との間に位置するくぼみを含む、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記カートリッジが、前記第一の区画と前記第二の区画との間の前記くぼみに位置するサセプタを含み、前記ヒーターが、前記エアロゾル発生装置の前記くぼみの少なくとも一部を囲む誘導ヒーターを含む、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
請求項10に記載のカートリッジと、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジングと、
前記カートリッジの前記ヒーターに電力を供給するように構成された電源と、を含む、エアロゾル発生装置と、を含む、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジ、および、こうしたカートリッジを含むエアロゾル発生システムに関する。特に、本発明は、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルin situ生成用のエアロゾル発生システムで使用するためのニコチン供与源および酸供与源を備えた、カートリッジ組立品、ならびに、こうしたカートリッジを含むエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン供与源および揮発性送達促進化合物供与源を備える、ニコチンをユーザーに送達するための装置が公知である。例えば、国際特許公開公報第2008/121610A1号は、ニコチンおよび酸(ピルビン酸など)が気相で相互に反応して、ユーザーによって吸入されるニコチン塩粒子のエアロゾルを形成する装置を開示している。
【0003】
国際特許公開公報第2008/121610A1号に開示されているタイプのエアロゾル発生システムで使用するためのニコチン供与源および揮発性送達促進化合物供与源は、長さに限らずある期間だけ保管する時に、ニコチンおよび酸をそれぞれ失う傾向にある。ユーザーに送達するための望ましいニコチン塩粒子のエアロゾルを発生させるために、保管の間十分なニコチンおよび酸が保持されることを確実にするために、個別の区画内に収容されたニコチン供与源および酸が、エアロゾル発生システムの初期段階での使用の前に1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアによりシールされる、国際特許公開公報第2008/121610A1号で開示されているタイプのエアロゾル発生システムを製造することが提案されている。
【0004】
一貫した量でニコチンおよび酸が含有され、単純かつ確実に製造されうるニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置での発生のための、エアロゾル発生システムを提供することが望ましい。また、そこに含有されるニコチンと酸の実質的に全てがエアロゾルを発生させるために使用されうる、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの原位置での発生のための、エアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明によると、エアロゾル発生システムにおける使用のためのカートリッジが提供され、該カートリッジは、第一の空気吸込み口および第一の空気出口を有する第一の区画であって、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含むニコチン供与源を含む第一の区画と、第二の空気吸込み口および第二の空気出口を有する第二の区画であって、約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含む第二の区画、とを含む。
【0006】
本発明によると、:本発明によるカートリッジと;該カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジング;および該カートリッジの第一の区画と第二の区画とを加熱するためのヒーターを備えたエアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムがまた提供される。
【0007】
本発明によると、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを含む本発明のカートリッジと;該カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジング;および該カートリッジの該ヒーターに電力を供給するように構成された電源を備えたエアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムがさらに提供される。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気吸込み口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジの構成要素または構成要素の部分の中へと引き出されうる1つ以上の開口部を記述するために使用される。
【0009】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「空気出口」という用語は、空気がそれを通してカートリッジの構成要素または構成要素の部分から外へ引き出されうる1つ以上の開口部を記述するために使用される。
【0010】
以下にさらに説明するように、ニコチン供与源および乳酸供与源を、別個の空気吸込み口と別個の空気出口とを備えた別個の区画に提供することによって、本発明のカートリッジおよびエアロゾル発生システムが、有利なことに、ニコチンと乳酸との間の反応化学量論の制御を容易にする。
【0011】
有利には、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料および約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料が含まれることにより、本発明によるカートリッジは、一貫した量でニコチンおよび酸が含有され、単純かつ確実に製造されうる。
【0012】
有利には、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料および約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸が浸込まされた第二の担体材料が含まれることにより、また、本発明によるカートリッジに含有されるニコチンと乳酸の実質的に全てがエアロゾルを発生させるために使用されることが容易になる。
【0013】
有利には、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料および約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料が含まれることにより、また、本発明によるカートリッジに含有されるニコチンと乳酸が漏れるのを防ぐ助けとなる。
【0014】
カートリッジの第一の区画は、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含む、ニコチン供与源を含有する。
【0015】
好ましくは、カートリッジの第一の区画は、約3ミリグラム~約30ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含む、ニコチン供与源を含有する。より好ましくは、カートリッジの第一の区画は、約6ミリグラム~約20ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含む、ニコチン供与源を含有する。最も好ましくは、カートリッジの第一の区画は、約8ミリグラム~約18ミリグラムのニコチンが浸み込まされた第一の担体材料を含む、ニコチン供与源を含有する。
【0016】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述するために使用される。第一の担体材料がニコチン塩基またはニコチン塩が浸み込まされた実施形態では、本明細書で列挙したニコチンの量は、それぞれニコチン塩基の量またはイオン化されたニコチンの量である。
【0017】
第一の担体材料は、水性溶媒または非水性溶媒中の液体ニコチンまたはニコチン溶液で含浸されうる。
【0018】
第一の担体材料は、天然ニコチンまたは合成ニコチンで含浸されうる。
【0019】
カートリッジの第二の区画は、約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含有する。
【0020】
好ましくは、カートリッジの第二の区画は、約5ミリグラム~約50ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含有する。より好ましくは、カートリッジの第二の区画は、約8ミリグラム~約40ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含有する。最も好ましくは、カートリッジの第二の区画は、約10ミリグラム~約30ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料を含む乳酸供与源を含有する。
【0021】
有利なことには、カートリッジの第一の区画は、さらに風味剤を含みうる。適切な風味剤は、メントールを含むが、これに限定されない。
【0022】
有利なことには、第一の担体材料は、約3ミリグラム~約12ミリグラムの風味剤で含浸されうる。
【0023】
第一の担体材料および第二の担体材料は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0024】
有利なことには、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立法センチメートル~約0.3グラム/立法センチメートルの密度を有する。
【0025】
有利なことには、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント~約55パーセントの空隙率を有する。
【0026】
第一の担体材料は、ニコチン用の貯蔵部としての役目をする。
【0027】
有利なことには、第一の担体材料は、ニコチンに対して化学的に不活性である。
【0028】
第一の担体材料は、適切な任意の形状およびサイズを持ちうる。例えば、第一の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0029】
有利なことには、第一の担体材料の形状は、カートリッジの第一の区画の形状およびサイズと同様である。
【0030】
第一の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第一の担体材料が望ましい量のニコチンを含浸できるように選択されうる。
【0031】
第二の担体材料は、乳酸用の貯蔵部としての役目をする。
【0032】
有利なことには、第二の担体材料は、乳酸に対して化学的に不活性である。
【0033】
第二の担体材料は、適切な任意の形状およびサイズを持ちうる。例えば、第二の担体材料はシートまたはプラグの形態でありうる。
【0034】
有利なことには、第二の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第二の区画の形状およびサイズと同様である。
【0035】
第二の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第二の担体材料が望ましい量の乳酸を含浸できるように選択されうる。
【0036】
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0037】
「近位」「遠位」「上流」および「下流」という用語は、本発明に関連して本明細書で使用される時、カートリッジおよびエアロゾル発生システムの、構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。
【0038】
本発明によるエアロゾル発生システムは、使用時にユーザーに送達するために、それを通してニコチン塩粒子のエアロゾルがエアロゾル発生システムを抜け出る近位端を備える。近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生システムの近位端上で吸い出す。エアロゾル発生システムは近位端と向かい合った遠位端を備える。
【0039】
ユーザーがエアロゾル発生システムの近位端で吸い込む時、空気はエアロゾル発生システムに引き出され、カートリッジを通過し、その近位端でエアロゾル発生システムから出る。エアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端と遠位端との間の相対的な位置に基づき、互いに上流または下流にあるものとして描写されうる。
【0040】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口は、カートリッジの第一の区画の近位端に位置する。カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の上流に位置する。カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口は、カートリッジの第二の区画の近位端に位置する。カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の上流に位置する。
【0041】
本発明に関連して本明細書で使用される時、「長手方向」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの近位端とそれに向かい合った遠位端との間の方向を描写するために使用され、また「横断」という用語は、長手方向と直角をなす方向を描写するために使用される。
【0042】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「長さ」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの近位端とそれに向かい合った遠位端との間の長手方向軸に平行である、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの、構成要素または構成要素の部分の最大長手方向寸法を描写するために使用される。
【0043】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「高さ」および「幅」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの長手方向軸に対して直角をなす、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの、構成要素または構成要素の部分の最大横断寸法を描写するために使用される。カートリッジまたはエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の高さと幅とが同一ではない場合、「幅」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの長手方向軸に対して直角をなす2つの横断寸法のうちの大きい方を表すために使用される。
【0044】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で直列に配置されうる。
【0045】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「直列」という用語は、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第一の区画と第二の区画のうちの一方を通過し、次いで第一の区画と第二の区画のうちのもう一方を通過するように、カートリッジ内に第一の区画と第二の区画とを配置することを意味する。ニコチン蒸気は、第一の区画内のニコチン供与源からカートリッジを通して引き出された気流内に放出され、乳酸蒸気は、第二の区画内の乳酸供与源からカートリッジを通して引き出された気流内に放出される。ニコチン蒸気は、乳酸蒸気と気相で反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成する。
【0046】
第一の区画と第二の区画とがカートリッジ内で直列に配置される場合、第二の区画は、第一の区画の下流に位置することができ、その結果、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出るように、および、次に、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出る。このような実施形態では、ニコチン蒸気は、第二の区画内で乳酸蒸気と反応してエアロゾルを形成しうる。そのような実施形態では、カートリッジは、第二の区画の下流にある、ならびに第二の区画の第二の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。ニコチン蒸気は、乳酸蒸気と第三の区画で反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0047】
別の方法として、第一の区画と第二の区画とがカートリッジ内で直列に配置される場合、第二の区画は、第一の区画の上流に位置することができ、その結果、使用時にカートリッジを通して引き出される気流が、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出るように、および、次に、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出る。このような実施形態では、乳酸蒸気は、第二の区画内でニコチン蒸気と反応してニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。こうした実施形態では、カートリッジは、第一の区画の下流にある、ならびに、第一の区画の第一の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。乳酸蒸気は、ニコチン蒸気と第三の区画で反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0048】
有利なことには、第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で平行に配置される。
【0049】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「平行」とは、使用時にカートリッジを通して引き出される第一の気流が、第一の空気吸込み口を通して第一の区画内に入り、第一の区画を通って下流に流れ、第一の空気出口を通して第一の区画の外へ出るように、およびカートリッジを通して引き出される第二の気流が、第二の空気吸込み口を通して第二の区画内に入り、第二の区画を通って下流に流れ、第二の空気出口を通して第二の区画の外へ出るように、第一の区画と第二の区画とが、カートリッジ内に配置されることを意味する。ニコチン蒸気は、第一の区画内のニコチン供与源からカートリッジを通して引き出された第一の気流内に放出され、乳酸蒸気は第二の区画内の乳酸供与源からカートリッジを通して引き出された第二の気流内に放出される。第一の気流内のニコチン蒸気は、第二の気流内の乳酸蒸気と気相で反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成する。そのような実施形態では、カートリッジは、第一の区画および第二の区画の下流にある、ならびに第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口に流体連通した、第三の区画をさらに含みうる。第一の気流内のニコチン蒸気は、第二の気流内の乳酸蒸気と第三の区画で反応して、ニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0050】
カートリッジが第三の区画をさらに備える実施形態では、第三の区画は、1つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、第三の区画は、1つ以上の吸収材、1つ以上の風味剤、1つ以上の化学感覚剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0051】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ1つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0052】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0053】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ複数の開口部を含む。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口とが、それぞれ2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0054】
複数の開口部を含む第一の空気吸込み口を備えた第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気吸込み口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされうる。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における乳酸の混入が改善されうる。
【0055】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと乳酸の比は、カートリッジの第一の区画を通る空気流量を、カートリッジの第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されて均衡をとりうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの1つ以上を、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0056】
有利には、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積より大きい。
【0057】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「流れ面積」という用語は、使用中に空気がそれを通して流れる空気吸込み口また空気出口の断面積を記述するために使用される。空気吸込み口または空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、空気吸込み口または空気出口の全流れ面積となり、空気吸込み口または空気出口を形成する複数の開口部の各々の合計流れ面積と等しい。空気吸込み口または空気出口の断面積が気流の方向で変動する実施形態では、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、気流の方向における最小断面積となる。
【0058】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積を、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に対して増加させることで、有利なことに、第二の空気吸込み口を通る空気流量が、第一の空気吸込み口を通る空気流量に比べて増加する。
【0059】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積の比は、約3:4~約1:2であることが好ましい。カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積の比は、約2:3~約1:2であることがより好ましい。
【0060】
第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部のサイズを、第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部のサイズに対して増加させること、および、第二の空気吸込み口を形成する開口部の数を、第一の空気吸込み口を形成する開口部の数に対して増加させることのうちの一方または両方によって、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に比べて増加しうる。
【0061】
有利なことには、第二の空気吸込み口を形成する開口部の数を、第一の空気吸込み口を形成する開口部の数に対して増加させることによって、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積に比べて増加する。
【0062】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口は、2つ~5つの開口部を含む。
【0063】
有利なことには、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口は、3つ~7つの開口部を含む。
【0064】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル~約1.6平方ミリメートルであることが有利であり、約0.2平方ミリメートル~約0.8平方ミリメートルであることがより有利である。
【0065】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積が第一の空気吸込み口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0066】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口の流れ面積が第一の空気吸込み口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第一の空気吸込み口を備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0067】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。有利なことには、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル~約0.6ミリメートルである。
【0068】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の流れ面積は、約0.2平方ミリメートル~約2.4平方ミリメートルであることが有利であり、約0.4平方ミリメートル~約1.2平方ミリメートルであることがより有利である。
【0069】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の全流れ面積が第二の空気吸込み口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0070】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口の全流れ面積が第二の空気吸込み口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第二の空気吸込み口を備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0071】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。有利なことには、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル~約0.6ミリメートルである。
【0072】
有利なことには、第一の区画は、長手方向の第一の空気吸込み口を備え、第二の区画は、長手方向の第二の空気吸込み口を備える。
【0073】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「長手方向の空気吸込み口」という用語は、それを通して空気がカートリッジの構成要素または構成要素の部分の中へ長手方向に吸い込まれうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0074】
有利なことには、カートリッジを初めて使用する前に、第一の区画の第一の空気吸込み口および第二の区画の第二の空気吸込み口のうちの一方または両方が、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止されうる。例えば、第一の区画の第一の空気吸込み口および第二の区画の第二の空気吸込み口のうちの一方または両方が、1つ以上の剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシールで封止されてもよい。
【0075】
1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0076】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ1つ以上の開口部を含んでもよい。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。
【0077】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0078】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ複数の開口部を含みうる。例えば、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とが、それぞれ2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの開口部を含みうる。複数の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画と、複数の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、それぞれ第一の区画内および第二の区画内で、より均一な気流がもたらされうる。これにより、使用時に、第一の区画を通して引き出される気流におけるニコチンの混入が改善され、また第二の区画を通して引き出される気流における乳酸の混入が改善されうる。
【0079】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第一の空気出口は、2つ~5つの開口部を含む。
【0080】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、第二の空気出口は、3つ~7つの開口部を含む。
【0081】
有利なことには、カートリッジ組立品のカートリッジの第一の区画にある第一の空気出口と、カートリッジ組立品のカートリッジの第二の区画にある第二の空気出口とは、それぞれ単一の開口部を含みうる。単一の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画と、単一の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画とを提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0082】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと乳酸の比は、カートリッジの第一の区画を通る空気流量を、カートリッジの第二の区画を通る空気流量に対して変動させることにより制御されて均衡をとりうる。第一の区画を通る空気流量の、第二の区画を通る空気流量に対する比は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置のうちの1つ以上を、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および位置に対して変動させることにより制御されうる。
【0083】
第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積と、同一であっても、または異なってもよい。
【0084】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積より大きくてもよい。
【0085】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積を、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に対して増加させることで、有利なことに、第二の空気出口を通る空気流量が、第一の空気出口を通る空気流量に比べて増加しうる。
【0086】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積より大きい実施形態では、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積の比は、約3:4~約1:2であることが好ましい。カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積と、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積の比は、約2:3~約1:2であることがより好ましい。
【0087】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積よりも大きい実施形態では、第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部のサイズを、第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部のサイズに対して増加させること、および第二の空気出口を形成する開口部の数を、第一の空気出口を形成する開口部の数に対して増加させることのうちの一方または両方によって、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に比べて増加しうる。
【0088】
有利なことには、第二の空気出口を形成する開口部の数を、第一の空気出口を形成する開口部の数に対して増加させることによって、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積が、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積に比べて増加する。
【0089】
カートリッジの第一の区画にある、第一の空気吸込み口および第一の空気出口は、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0090】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある、第一の空気吸込み口および第一の空気出口は、同数の開口部を含む。同数の開口部を含む第一の空気吸込み口と第一の空気出口とを備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0091】
カートリッジの第二の区画にある、第二の空気吸込み口および第二の空気出口は、同一または異なる数の開口部を含んでもよい。
【0092】
有利なことには、カートリッジの第二の区画にある、第二の空気吸込み口および第二の空気出口は、同数の開口部を含む。同数の開口部を含む第二の空気吸込み口と第二の空気出口とを備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0093】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル~約5平方ミリメートルであることが有利である。
【0094】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積が第一の空気出口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0095】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口の流れ面積が第一の空気出口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第一の空気出口を備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0096】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。このような実施形態では、有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル~約0.6ミリメートルである。
【0097】
カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と同一であっても、または異なってもよい。
【0098】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と実質的に同一でありうる。実質的に同一の寸法の1つ以上の開口部を含む、第一の空気吸込み口と第一の空気出口とを備えた第一の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0099】
有利なことには、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法より大きくしうる。カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する開口部の寸法を、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する開口部の寸法に対して増加させることで、有利なことに、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口が、例えばダストによって、塞がれるようになるリスクが減少しうる。
【0100】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の流れ面積は、約0.1平方ミリメートル~約5平方ミリメートルであることが有利である。
【0101】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の全流れ面積が第二の空気出口を形成する開口部間で不均等に分けられるように、異なる流れ面積を有しうる。
【0102】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、開口部の各々は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口の全流れ面積が第二の空気出口を形成する開口部間で等しく分けられるように、同一の流れ面積を有しうる。実質的に同一の流れ面積を有する複数の開口部を含む第二の空気出口を備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0103】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口は、適切な任意の断面形状を有する1つ以上の開口部を含みうる。例えば、各開口部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、または長方形でありうる。カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態では、有利なことに、各開口部は、実質的に円形の断面形状を有する。このような実施形態では、有利なことには、各開口部の直径は、約0.2ミリメートル~約0.6ミリメートルである。
【0104】
カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と同一であっても、または異なってもよい。
【0105】
有利なことには、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法と実質的に同一でありうる。実質的に同一の寸法の1つ以上の開口部を含む、第二の空気吸込み口と第二の空気出口とを備えた第二の区画を提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0106】
有利なことには、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部の寸法は、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部の寸法より大きくしうる。カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する開口部の寸法を、カートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する開口部の寸法に対して増加させることで、有利なことに、カートリッジの第二の区画にある第二の空気出口が、例えばダストによって、塞がれるようになるリスクが減少しうる。
【0107】
有利なことには、第一の区画は、長手方向の第一の空気出口を備え、第二の区画は、長手方向の第二の空気出口を備える。
【0108】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「長手方向の空気出口」という用語は、それを通して空気がカートリッジの構成要素または構成要素の部分から外へ長手方向に引き出されうる1つ以上の開口部を描写するために使用される。
【0109】
有利なことには、カートリッジを初めて使用する前に、第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口のうちの一方または両方が、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止されうる。例えば、第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口のうちの一方または両方が、1つ以上の剥ぎ取り式シールまたは貫通可能なシールで封止されてもよい。
【0110】
1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは適切な任意の材料で形成されうる。例えば、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアは金属の箔またはフィルムで形成されうる。
【0111】
有利なことには、カートリッジを初めて使用する前に、カートリッジの第一の区画にある、第一の空気吸込み口および第一の空気出口、ならびにカートリッジの第二の区画にある、第二の空気吸込み口および第二の空気出口が、1つ以上の取り外し可能または壊れやすいバリアで封止される。
【0112】
カートリッジの第一の区画の形状および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジ内に収容可能になるように選択されうる。
【0113】
カートリッジの第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の乳酸がカートリッジ内に収容可能になるように選択されうる。
【0114】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと乳酸の比は、第一の区画の容積を第二の区画の容積に対して変動させることにより制御されて均衡をとりうる。
【0115】
有利なことには、第一の区画および第二の区画は、どちらも細長い区画である。
【0116】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「細長い」という用語は、その幅および高さよりも大きい長さを有するカートリッジの構成要素または構成要素の部分を描写するために使用される。
【0117】
第一の区画は、長さL1、幅W1、および高さH1を有し、第二の区画は、長さL2、幅W2、および高さH2を有する。有利なことには、L1とW1の比およびL2とW2の比は、約2:1~約4:1とすることができ、例えば約5:2~約3:1でありうる。有利なことには、L1とH1の比およびL2とH2の比は、少なくとも約6:1でありうる。
【0118】
有利なことには、L1とH1の比およびL2とH2の比は、約6:1~約30:1でありうる。有利なことには、L1とH1の比およびL2とH2の比は、約8:1~約16:1でありうる。
【0119】
有利なことには、カートリッジの第一の区画は、約8ミリメートル~約40ミリメートル、例えば約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さL1を有する。有利なことには、カートリッジの第一の区画は、約4ミリメートル~約6ミリメートルの幅W1を有する。有利なことには、カートリッジの第一の区画は、約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルの高さH1を有する。
【0120】
カートリッジの第一の区画は、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、第一の区画の横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。
【0121】
有利なことには、カートリッジの第二の区画は、約8ミリメートル~約40ミリメートル、例えば約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さL2を有する。有利なことには、カートリッジの第二の区画は、約4ミリメートル~約6ミリメートルの幅W2を有する。有利なことには、カートリッジの第二の区画は、約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルの高さH2を有する。
【0122】
カートリッジの第二の区画は、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、第二の区画の横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。
【0123】
好ましくは、第一の区画は長さL1と最大横断断面積A1とを有し、および第二の区画は長さL2と最大横断断面積A2とを有し、ならびに、比(L12:A1は少なくとも約12:1であり、および比(L22:A2は少なくとも約12:1である。
【0124】
(L12とA1の比は、約12:1~約400:1であることが好ましい。
(L12とA1の比は、少なくとも約15:1であることが好ましい。
(L12とA1の比は、約15:1~約200:1であることが好ましい。
(L12とA1の比は、少なくとも約20:1であることが好ましい。
(L12とA1の比は、約20:1~約100:1であることが好ましい。
例えば、(L12とA1の比は、約25:1~約70:1、または約30:1~約70:1であってもよい。
(L22とA2の比は、約12:1~約400:1であることが好ましい。
(L22とA2の比は、少なくとも約15:1であることが好ましい。
(L22とA2の比は、約15:1~約200:1であることが好ましい。
(L22とA2の比は、少なくとも約20:1であることが好ましい。
(L22とA2の比は、約20:1~約100:1であることが好ましい。
【0125】
例えば、(L22とA2の比は、約25:1~約70:1、または約30:1~約70:1であってもよい。
【0126】
カートリッジの第一の区画と第二の区画の形状および寸法は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0127】
第一の区画の長さL1と第二の区画の長さL2の比は、約2:1~約1:2であることが有利であり、約1.2:1~約1:1.2であることがさらに有利である。
【0128】
第一の区画の最大横断断面積A1と第一の区画の最大横断断面積A2の比は、約2:1~約1:2であることが有利であり、約1.2:1~約1:1.2であることがさらに有利である。
【0129】
有利なことには、第一の区画と第二の区画の形状および寸法は、実質的に同一である。実質的に同一の形状および寸法を備えた第一の区画と第二の区画とを提供することによって、有利なことに、カートリッジの製造が簡略化されうる。
【0130】
第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で互いに対して対称的に配置されうる。
【0131】
有利なことには、カートリッジは、細長いカートリッジである。カートリッジが細長いカートリッジである実施形態では、カートリッジの第一の区画と第二の区画とが、カートリッジの長手方向軸の周りに対称的に配置されうる。
【0132】
カートリッジは、適切な任意の形状を持ちうる。例えば、カートリッジは実質的に円筒形でもよい。
【0133】
カートリッジは、適切な任意の形状の横断断面を持ちうる。例えば、カートリッジの横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形でありうる。
【0134】
カートリッジは、適切な任意のサイズを持ちうる。
【0135】
例えば、カートリッジは、約5ミリメートル~約50ミリメートルの長さを有しうる。有利なことには、カートリッジは、約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有しうる。
【0136】
例えば、カートリッジは、約4ミリメートル~約10ミリメートルの幅と、約4ミリメートル~約10ミリメートルの高さとを有しうる。有利なことには、カートリッジは、約6ミリメートル~約8ミリメートルの幅と、約6ミリメートル~約8ミリメートルの高さとを有しうる。
【0137】
有利なことには、カートリッジは、本体部分と、1つ以上の端部キャップとを含む。
【0138】
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップとを含みうる。
【0139】
カートリッジは、本体部分と、近位端キャップとを含みうる。
【0140】
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップと、近位端キャップとを含みうる。
【0141】
カートリッジが遠位端キャップを含む実施形態では、カートリッジの第一の区画にある第一の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部、およびカートリッジの第二の区画にある第二の空気吸込み口を形成する1つ以上の開口部が、遠位端キャップで提供されうる。
【0142】
カートリッジが近位端キャップを含む実施形態では、カートリッジの第一の区画にある第一の空気出口を形成する1つ以上の開口部、およびカートリッジの第二の区画にある第二の空気出口を形成する1つ以上の開口部が、近位端キャップで提供されうる。
【0143】
カートリッジは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料には、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が含まれるがこれらに限定されない。
【0144】
カートリッジが本体部分および1つ以上の端部キャップを含む実施形態では、本体部分および1つ以上の端部キャップは、同一または異なる材料から形成されうる。
【0145】
カートリッジは、耐ニコチン性および耐乳酸性である1つ以上の材料から形成されうる。
【0146】
カートリッジの第一の区画は1つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、カートリッジの第二の区画は1つ以上の耐乳酸性材料で被覆されてもよい。
【0147】
好適な耐ニコチン性材料および耐乳酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0148】
1つ以上の耐ニコチン性材料を使用してカートリッジを形成すること、およびカートリッジの第一の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長しうる。
【0149】
1つ以上の耐乳酸性材料を使用してカートリッジを形成すること、およびカートリッジの第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命が延長しうる。
【0150】
カートリッジは、1つ以上の熱伝導性材料から形成されうる。
【0151】
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、1つ以上の熱伝導性材料で被覆されうる。
【0152】
1つ以上の熱伝導性材料を使用してカートリッジを形成すること、ならびにカートリッジの第一の区画および第二の区画の内部を被覆することのうちの一方または両方により、有利なことに、ヒーターからニコチン供与源および乳酸供与源への熱伝達が増大しうる。
【0153】
適切な熱伝導性材料には、例えば、アルミニウム、クロミウム、銅、金、鉄、ニッケルおよび銀などの金属、黄銅および鋼などの合金、およびその組み合わせが含まれるがこれに限定されない。
【0154】
カートリッジは、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する1つ以上の材料で形成されうる。
【0155】
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する1つ以上の材料で被覆されうる。
【0156】
カートリッジは適切な任意の方法により形成されうる。適切な方法には、深絞り図面、射出成形、ブリスタリング、吹込み成形および押し出しが含まれるがこれに限定されない。
【0157】
カートリッジは、第一の区画のニコチンと第二の区画の乳酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0158】
カートリッジは、再充填可能になるように設計されうる。
【0159】
有利なことには、カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを含みうる。こうした実施形態では、ヒーターは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、ヒーターの両側に配置される。
【0160】
ヒーターは電気ヒーターとしうる。ヒーターは抵抗ヒーターとしうる。
【0161】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、摂氏約250度未満の温度に加熱するように構成される。好ましくは、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、摂氏約80度~摂氏約150度の温度に加熱するように構成される。
【0162】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、実質的に同一の温度に加熱するように構成される。
【0163】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「実質的に同一の温度」とは、ヒーターに関して対応する場所で測定したカートリッジの第一の区画と第二の区画との間の温度の差異が約3℃未満であることを意味する。
【0164】
使用時に、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、周囲温度を超える温度に加熱することによって、有利なことに、カートリッジの第一の区画内のニコチンの蒸気濃度と、カートリッジの第二の区画内の乳酸の蒸気圧とが、制御されて比例的に均衡をとることができ、ニコチンと酸との間の効率的な反応化学量論が得られる。有利にも、これはニコチン乳酸塩粒子の形成効率、およびユーザーへの送達の一貫性を改善しうる。また有利なことに、未反応のニコチンおよび未反応の乳酸のユーザーへの送達が低減されうる。
【0165】
本発明によると、 第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを含む本発明のカートリッジと; 該カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジング;および該カートリッジの該ヒーターに電力を供給するように構成された電源を備えたエアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムがさらに提供される。
【0166】
エアロゾル発生システムは、マウスピースをさらに備えうる。このような実施形態では、カートリッジの第一の区画におけるニコチン供与源から放出されたニコチン蒸気と、カートリッジの第二の区画における乳酸供与源から放出された乳酸蒸気とが、マウスピースにおける気相で相互に反応してニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0167】
マウスピースは、カートリッジと係合するように構成されうる。
【0168】
マウスピースがカートリッジと係合するように構成された実施形態では、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこ、葉巻、または細い葉巻などの可燃性喫煙物品の形状および寸法をまねてもよい。有利なことには、こうした実施形態では、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこの形状および寸法をまねてもよい。
【0169】
マウスピースは、エアロゾル発生装置のハウジングと係合するように構成されうる。
【0170】
マウスピースは、第一の区画におけるニコチンと、第二の区画における乳酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0171】
マウスピースは、再利用可能であるように設計されうる。マウスピースが再利用可能であるように設計された実施形態では、マウスピースは、有利なことに、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のハウジングに取り外し可能に取り付けられるように構成されうる。
【0172】
有利なことには、カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを受けるためのくぼみを含みうる。こうした実施形態では、くぼみは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、くぼみの両側に配置される。
【0173】
有利なことには、くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの長さに沿って少なくとも途中まで延びる。
【0174】
有利なことには、くぼみは、カートリッジの長手方向軸に沿って延びる。
【0175】
くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの近位端まで延びうる。こうした実施形態では、くぼみは開放遠位端と開放近位端とを有する。
【0176】
くぼみは、カートリッジの遠位端からカートリッジの長さに沿って途中まで延びうる。こうした実施形態では、くぼみは開放遠位端と閉鎖近位端とを有する。
【0177】
くぼみは、その長さに沿って囲まれうる。
【0178】
くぼみは、その長さに沿って少なくとも部分的に開放されてもよい。これにより、有利なことに、ヒーターのくぼみへの挿入が容易になりうる。
【0179】
有利なことには、カートリッジは、第一の区画と第二の区画とを誘導的に加熱するためのサセプタを含みうる。こうした実施形態では、サセプタは第一の区画と第二の区画との間に位置するのが有利である。すなわち、第一の区画と第二の区画とが、サセプタの両側に配置される。
【0180】
本発明によると、:本発明によるカートリッジと;該カートリッジの少なくとも一部を受けるためのくぼみを画定するハウジング;および該カートリッジの第一の区画と第二の区画とを加熱するためのヒーターを備えたエアロゾル発生装置と、を含むエアロゾル発生システムが提供される。
【0181】
有利なことには、エアロゾル発生システムは、本発明による消耗品カートリッジ組立品と、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを加熱するためのヒーターを備えた再利用可能なエアロゾル発生装置と、を含む。
【0182】
ヒーターは電気ヒーターとしうる。ヒーターは抵抗ヒーターとしうる。
【0183】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、摂氏約250度未満の温度に加熱するように構成される。好ましくは、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、摂氏約80度~摂氏約150度の温度に加熱するように構成される。
【0184】
有利なことには、ヒーターは、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを、実質的に同一の温度に加熱するように構成される。
【0185】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「実質的に同一の温度」とは、ヒーターに関して対応する場所で測定したカートリッジの第一の区画と第二の区画との間の温度の差異が約3℃未満であることを意味する。
【0186】
カートリッジをくぼみ内に受ける時に、ヒーターは、カートリッジの少なくとも一部を囲むように配置されうる。
【0187】
有利なことには、ヒーターはエアロゾル発生装置のくぼみ内に位置してもよく、カートリッジは、上述のように、ヒーターを受けるためのくぼみを含んでもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生装置のヒーターは、有利なことに、厚さよりも大きい幅を有するヒーターブレードの形態の細長いヒーターとすることができ、カートリッジ内のくぼみは、細長いスロットとして構成されうる。
【0188】
有利なことには、ヒーターは誘導ヒーターとすることができ、カートリッジは、上述のように、カートリッジの第一の区画と第二の区画とを誘導的に加熱するためのサセプタを含みうる。
【0189】
エアロゾル発生システムは、ヒーターへ電力を供給するための電源と、電源からヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラとをさらに含みうる。
【0190】
エアロゾル発生装置は、ヒーターの温度と、カートリッジの第一の区画および第二の区画の温度とを、検出するように構成された1つ以上の温度センサーを含みうる。こうした実施形態では、コントローラは、検出した温度に基づいてヒーターへの電力供給を制御するように構成されうる。
【0191】
エアロゾル発生システムは、マウスピースをさらに備えうる。このような実施形態では、カートリッジの第一の区画におけるニコチン供与源から放出されたニコチン蒸気と、カートリッジの第二の区画における乳酸供与源から放出された乳酸蒸気とが、マウスピースにおける気相で相互に反応してニコチン乳酸塩粒子のエアロゾルを形成しうる。
【0192】
マウスピースは、カートリッジと係合するように構成されうる。
【0193】
マウスピースがカートリッジと係合するように構成された実施形態では、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこ、葉巻、または細い葉巻などの可燃性喫煙物品の形状および寸法をまねてもよい。有利なことには、こうした実施形態では、カートリッジとマウスピースとの組み合わせは、紙巻たばこの形状および寸法をまねてもよい。
【0194】
マウスピースは、エアロゾル発生装置のハウジングと係合するように構成されうる。
【0195】
マウスピースは、第一の区画におけるニコチンと、第二の区画における乳酸とが涸渇すると、廃棄されるように設計されうる。
【0196】
マウスピースは、再利用可能であるように設計されうる。マウスピースが再利用可能であるように設計された実施形態では、マウスピースは、有利なことに、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のハウジングに取り外し可能に取り付けられるように構成されうる。
【0197】
誤解を避けるために、本発明の1つの態様に関する上述の特徴は、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、本発明によるカートリッジに対する上述の特徴はまた、本発明によるエアロゾル発生システムに、適切な場合、関連しうるとともに、逆もまた同じである。
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0198】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるカートリッジを示す。
図2図2は、本発明の第二の実施形態によるカートリッジを示す。
図3図3は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムを示す。
図4図4は、本発明の第三の実施形態によるカートリッジを示す。
図5図5は、本発明の第四の実施形態によるカートリッジを示す。
【発明を実施するための形態】
【0199】
図1は、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムで使用するための、本発明の第一の実施形態による細長いカートリッジ2の概略図を示す。
【0200】
カートリッジ2は、約15ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。カートリッジ2は、細長い本体4と、遠位端キャップ6と、近位端キャップ8とを含む。
【0201】
本体4は、約13ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。遠位端キャップ6および近位端キャップ8は、約2ミリメートルの長さと、約7ミリメートルの幅と、約5.2ミリメートルの高さとを有する。
【0202】
カートリッジ2は、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる細長い第一の区画10を含む。第一の区画10は、約10ミリグラムのニコチンと約4ミリグラムのメントールとが浸み込まされた第一の担体材料12を含む、ニコチン供与源を含有する。
【0203】
カートリッジ2は、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる細長い第二の区画14を含む。第二の区画14は、約20ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料16を含む乳酸供与源を含有する。
【0204】
第一の区画10および第二の区画14は、平行に配置される。
【0205】
カートリッジ2は、第一の区画10と第二の区画14とを加熱するように構成されたヒーターを受けるためのくぼみ18をさらに含む。くぼみ18は、第一の区画10と第二の区画14との間に位置し、本体4の近位端から本体4の遠位端まで延びる。くぼみ18は、実質的にスタジアム形状の横断断面を持ち、約6.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0206】
遠位端キャップ6は、間隙を介した3つの開口部の列を含む第一の空気吸込み口20と、間隙を介した5つの開口部の列を含む第二の空気吸込み口22とを含む。第一の空気吸込み口20と第二の空気吸込み口22とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.3ミリメートルの直径を有する。
【0207】
第一の空気吸込み口20の流れ面積は約0.21平方ミリメートルであり、第二の空気吸込み口22の流れ面積は約0.35平方ミリメートルである。第一の空気吸込み口20の流れ面積と、第二の空気吸込み口22の流れ面積の比は、約3:5である。
【0208】
遠位端キャップ6は、第一の空気吸込み口20と第二の空気吸込み口22との間に位置する第三の入口24をさらに含む。第三の入口24は、実質的にスタジアム形状の横断断面を持ち、約6.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0209】
近位端キャップ8は、間隙を介した3つの開口部の列を含む第一の空気出口26と、間隙を介した5つの開口部の列を含む第二の空気出口28とを含む。第一の空気出口26と第二の空気出口28とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.3ミリメートルの直径を有する。
【0210】
第一の空気出口26の流れ面積は約0.21平方ミリメートルであり、第二の空気出口28の流れ面積は約0.35平方ミリメートルである。第一の空気出口26の流れ面積と、第二の空気出口28の流れ面積の比は、約3:5である。
【0211】
図1に示すように、カートリッジ2を形成するために、第一の空気出口26が第一の区画10と整列し、第二の空気出口28が第二の区画14と整列するように、近位端キャップ8が本体4の近位端に挿入される。
【0212】
ニコチンおよびメントールが浸み込まされた第一の担体材料12は第一の区画10に挿入され、乳酸が浸み込まされた第二の担体材料16は第二の区画14に挿入される。
【0213】
遠位端キャップ6は、次いで、第一の空気吸込み口20が第一の区画10と整列し、第二の空気吸込み口22が第二の区画14と整列し、および第三の入口24がくぼみ18と整列するように、本体4の遠位端に挿入される。
【0214】
第一の区画10および第二の区画14は、実質的に同一の形状およびサイズである。第一の区画10および第二の区画14は、実質的に長方形の横断断面を持ち、約11ミリメートルの長さと、約4.3ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0215】
第一の担体材料12および第二の担体材料16は、PET/PBTの不織布シートを含み、また実質的に同一の形状およびサイズである。第一の担体材料12および第二の担体材料16の形状およびサイズは、それぞれ、カートリッジ2の第一の区画10および第二の区画14の形状およびサイズと同様である。
【0216】
第一の空気吸込み口20は、第一の気流が、第一の空気吸込み口20を通してカートリッジ2に入り、第一の区画10を通って、第一の空気出口26を通してカートリッジ2から外へ出ることができるように、第一の空気出口26と流体連通している。第二の空気吸込み口22は、第二の気流が、第二の空気吸込み口22を通してカートリッジ2に入り、第二の区画14を通って、第二の空気出口28を通してカートリッジ2から外へ出ることができるように、第二の空気出口28と流体連通している。
【0217】
カートリッジ2を初めて使用する前に、第一の空気吸込み口20および第二の空気吸込み口22は、遠位端キャップ6の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式の箔シールまたは貫通可能な箔シール(図示せず)で封止されうる。同様に、カートリッジ2を初めて使用する前に、第一の空気出口26および第二の空気出口28は、近位端キャップ8の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式の箔シールまたは貫通可能な箔シール(図示せず)で封止されうる。
【0218】
図2は、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生させるエアロゾル発生システムで使用するための、本発明の第二の実施形態による細長いカートリッジ102の概略図を示す。
【0219】
カートリッジ102は、約15ミリメートルの長さと、約7.1ミリメートルの幅と、約6.75ミリメートルの高さとを有する。カートリッジ102は、細長い本体104と、遠位端キャップ106とを含む。
【0220】
本体104は、約13ミリメートルの長さと、約7.1ミリメートルの幅と、約6.75ミリメートルの高さとを有する。本体104は、近位端壁108を有する。遠位端キャップ106は、約2ミリメートルの長さと、約7.1ミリメートルの幅と、約6.75ミリメートルの高さとを有する。
【0221】
カートリッジ102は、本体104の遠位端から本体104の近位端壁108まで延びる細長い第一の区画110を含む。第一の区画110は、約10ミリグラムのニコチンと約4ミリグラムのメントールとが浸み込まされた第一の担体材料112を含む、ニコチン供与源を含有する。
【0222】
カートリッジ102は、本体104の遠位端から本体104の近位端壁108まで延びる細長い第二の区画114を含む。第二の区画114は、約20ミリグラムの乳酸が浸み込まされた第二の担体材料116を含む乳酸供与源を含有する。
【0223】
第一の区画110および第二の区画114は、平行に配置される。
【0224】
カートリッジ102は、第一の区画110と第二の区画114とを加熱するように構成されたヒーターを受けるためのくぼみ118をさらに含む。くぼみ118は、第一の区画110と第二の区画114との間に位置し、本体1044の遠位端から本体104の近位端壁108まで延びる。くぼみ118は、実質的に長方形の横断断面を持ち、約6ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0225】
遠位端キャップ106は、間隙を介した3つの開口部の列を含む第一の空気吸込み口120と、間隙を介した5つの開口部の列を含む第二の空気吸込み口122とを含む。第一の空気吸込み口120と第二の空気吸込み口122とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.5ミリメートルの直径を有する。
【0226】
第一の空気吸込み口120の流れ面積は約0.59平方ミリメートルであり、第二の空気吸込み口122の流れ面積は約0.98平方ミリメートルである。第一の空気吸込み口120の流れ面積と、第二の空気吸込み口122の流れ面積の比は、約3:5である。
【0227】
遠位端キャップ106は、第一の空気吸込み口120と第二の空気吸込み口122との間に位置する第三の入口124をさらに含む。第三の入口124は、実質的に長方形の横断断面を持ち、約6ミリメートルの幅と、約1ミリメートルの高さとを有する。
【0228】
本体104の近位端壁108は、間隙を介した3つの開口部の列を含む第一の空気出口126と、間隙を介した5つの開口部の列を含む第二の空気出口128とを含む。第一の空気出口126は第一の区画110と整列し、第二の空気出口128は第二の区画114と整列する。第一の空気出口126と第二の空気出口128とを形成する開口部の各々は、実質的に円形の横断断面を持ち、約0.5ミリメートルの直径を有する。
【0229】
第一の空気出口126の流れ面積は約0.59平方ミリメートルであり、第二の空気出口128の流れ面積は約0.98平方ミリメートルである。第一の空気出口126の流れ面積と、第二の空気出口128の流れ面積の比は、約3:5である。
【0230】
図2に示すように、カートリッジ102を形成するために、ニコチンおよびメントールが浸み込まされた第一の担体材料112が第一の区画110に挿入され、乳酸を浸み込ませた第二の担体材料106が第二の区画114に挿入される。
【0231】
遠位端キャップ106は、次いで、第一の空気吸込み口120が第一の区画110と整列し、第二の空気吸込み口122が第二の区画114と整列し、および第三の入口124がくぼみ118と整列するように、本体104の近位端に挿入される。
【0232】
第一の区画110および第二の区画114は、実質的に同一の形状およびサイズである。第一の区画110および第二の区画114は、約12ミリメートルの長さと、約5ミリメートルの幅と、約1.7ミリメートルの高さとを有する。
【0233】
第一の担体材料112および第二の担体材料116は、PET/PBTの不織布シートを含み、また実質的に同一の形状およびサイズである。第一の担体材料112および第二の担体材料116の形状およびサイズは、それぞれ、カートリッジ102の第一の区画110および第二の区画114の形状およびサイズと同様である。
【0234】
第一の空気吸込み口120は、第一の気流が、第一の空気吸込み口120を通してカートリッジ102に入り、第一の区画110を通って、第一の空気出口126を通してカートリッジ102から外へ出ることができるように、第一の空気出口126と流体連通している。第二の空気吸込み口122は、第二の気流が、第二の空気吸込み口122を通してカートリッジ102に入り、第二の区画114を通って、第二の空気出口128を通してカートリッジ102から外へ出ることができるように、第二の空気出口128と流体連通している。
【0235】
カートリッジ102を初めて使用する前に、第一の空気吸込み口120および第二の空気吸込み口122は、遠位端キャップ106の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式の箔シールまたは貫通可能な箔シール(図示せず)で封止されうる。同様に、カートリッジ102を初めて使用する前に、第一の空気出口126および第二の空気出口128は、本体104の近位端壁の外部面に貼り付けられた取り外し可能な剥ぎ取り式の箔シールまたは貫通可能な箔シール(図示せず)で封止されうる。
【0236】
図3は、乳酸ニコチン塩粒子を含むエアロゾルを発生させるための、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システム200の概略図を示す。
【0237】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置202と、図2に示す本発明の第二の実施形態によるカートリッジ102と、マウスピース204とを含む。
【0238】
エアロゾル発生装置202は、カートリッジ102を受けるためのくぼみ208を画定するハウジング206と、カートリッジ102の第一の区画110および第二の区画114の両方を加熱するように構成されたヒーター(図示せず)と、を含む。
【0239】
ヒーターは単一の細長い電気ヒーターである。ヒーターは、エアロゾル発生装置202のくぼみ208内に位置し、くぼみ208の長手方向軸に沿って延びる。エアロゾル発生装置202は、電源と、電源からヒーターへの電力供給を制御するためのコントローラ(図示せず)とをさらに含む。
【0240】
カートリッジ102がエアロゾル発生装置202のくぼみ208に挿入される際に、ヒーターはカートリッジ102の遠位端キャップ106にある第三の入口124を通過して、カートリッジ102の第一の区画110と第二の区画114との間に位置するくぼみ118に受けられる。使用中に、エアロゾル発生装置202のコントローラは、エアロゾル発生装置202の電源からヒーターへの電力供給を制御し、カートリッジ102の第一の区画110と第二の区画114とを約100℃と実質的に同一の温度に加熱する。
【0241】
カートリッジ102がエアロゾル発生装置202のくぼみ208に挿入されると、マウスピース204の遠位端がエアロゾル発生装置202のハウジング206の近位端に接続される。
【0242】
使用時に、ユーザーがマウスピース204の近位端で吸い込み、カートリッジ102の第一の区画110を通る第一の気流と、カートリッジ102の第二の区画114を通る第二の気流とを引き出す。第一の気流がカートリッジ102の第一の区画110を通って引き出される際に、ニコチン蒸気が第一の担体材料112から第一の気流へと放出される。第二の気流がカートリッジ102の第二の区画114を通って引き出される際に、乳酸蒸気が第二の担体材料116から第二の気流へと放出される。
【0243】
第一の気流中のニコチン蒸気と第二の気流中の乳酸蒸気とが、マウスピース204における気相で相互に反応して、ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成し、これがマウスピース204の近位端を通してユーザーに送達される。
【0244】
別の実施形態において(図示せず)、マウスピース204の遠位端は、エアロゾル発生装置202のハウジング206の近位端ではなく、カートリッジ102の近位端に係合するように構成されうる。
【0245】
カートリッジ102のくぼみ118は、その長さに沿って囲まれる。図4に示すように、カートリッジは、その長さに沿って少なくとも部分的に開放された、第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを受けるためのくぼみを含みうる。これにより、有利なことに、エアロゾル発生装置のヒーターをカートリッジのくぼみに挿入することが容易になりうる。
【0246】
第一の区画と第二の区画とを加熱するように構成されたヒーターを受けるためのくぼみの代わりに、図5に示すように、カートリッジが第一の区画と第二の区画との間に位置するヒーターを含みうる。こうした実施形態では、エアロゾル発生装置は、カートリッジの遠位端にあるヒーターの1つ以上の接続点によって、カートリッジのヒーターに電力を供給するように構成されうる。
【0247】
図3に示す発明によるエアロゾル発生システムでは、エアロゾル発生装置202はくぼみ208内に電気ヒーターを含み、カートリッジ102はヒーターを受けるためのくぼみ118を含む。
【0248】
別の実施形態では(図示せず)、エアロゾル発生装置202はくぼみ208を囲む誘導ヒーターを含んでもよく、カートリッジ102はくぼみ118内に位置するサセプタを含んでもよい。この別の実施形態では、使用中に、エアロゾル発生装置202のコントローラが、エアロゾル発生装置202の電源から誘導ヒーターへの電力供給を制御し、カートリッジ102のくぼみ118内のサセプタを加熱する。一旦加熱されると、サセプタは、カートリッジ102の第一の区画110と第二の区画114とを加熱する。
図1
図2
図3
図4
図5