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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】脊椎インプラントシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018543600
(86)(22)【出願日】2017-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2017018814
(87)【国際公開番号】W WO2017147117
(87)【国際公開日】2017-08-31
【審査請求日】2019-10-23
(31)【優先権主張番号】15/052,605
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506298792
【氏名又は名称】ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ヴィカース,スコット・エム
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0280303(US,A1)
【文献】特表2001-527437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200676(US,A1)
【文献】特表2006-526486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎インプラントであって、
作用物質と、
折り目によって折り畳み可能なカバーであって、前記作用物質が配置された第1の表面、および手術中に前記カバーを選択された構成に配置するために前記第1の表面と接続可能な第2の表面を含む、折り畳み可能なカバーと、
を含み、
前記第1の表面は、前記カバーの第1の側面に配置され、前記第2の表面は、前記カバーの第2の側面に配置されており
前記カバーは、折り目によって接続された複数のパネルを含む、
脊椎インプラント。
【請求項2】
前記カバーは、平坦な構成と、選択されたインプラント構成との間で折り畳み可能である、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項3】
前記カバーは、複数のパネルを含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項4】
前記カバーは、多孔質メッシュを含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項5】
前記表面は、フックアンドループ構成によって接続可能である、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項6】
前記カバーの前記選択された構成は、ほぼ円形またはほぼ楕円形から選択された断面形状を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項7】
前記カバーの前記選択された構成は、管状、矩形、立方体、またはメッシュバッグから選択された形状を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項8】
前記作用物質は、自家移植片または同種移植片を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項9】
前記作用物質は、脱灰骨の粒子および繊維を含む脱灰骨基質を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項10】
前記作用物質は、脱灰骨基質繊維と脱灰骨基質粒子とを30:70の比率で含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項11】
前記作用物質は、タンパク質、骨形成タンパク質、炭水化物、脂質、コラーゲン、同種移植骨、自家移植骨、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、増殖および分化因子、増殖因子のキャリア、組織の増殖因子抽出物、骨髄穿刺液、脂質由来もしくは骨髄由来の成体幹細胞の濃縮物、臍帯由来の幹細胞、骨形成もしくは軟骨形成系列由来の委任細胞もしくは部分委任細胞、抗菌剤、抗生物質、スタチン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【請求項12】
前記カバーは、生体分解可能ポリマー、生体吸収性ポリマー、生物分解性バイオポリマー、合成ポリマー、コポリマー、またはそれらの組み合わせから選択された材料を含む、請求項1に記載の脊椎インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、筋骨格の障害の治療のための医療装置に関し、さらに具体的には、脊椎を治療するための脊椎インプラントシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、狭窄、骨粗しょう症、腫瘍、脊柱側弯症および他の湾曲異常、後弯症、ならびに骨折などの脊椎の病態および障害は、傷害および加齢によって引き起こされる外傷、疾患および変性状態を含む要因によって生じ得る。脊椎障害は、典型的には、奇形、痛み、神経損傷、および運動機能の部分的または完全な喪失を含む症状をもたらす。
【0003】
[0003]薬物治療、リハビリテーション、および運動などの非外科的治療は有効となり得るが、これらの障害に伴う症状を和らげることができない場合がある。これらの脊椎障害の外科的治療は、固定、固着、矯正、椎間板切除術、顕微鏡下椎間板切除術(microdiscectomy)、椎体部分切除術、減圧、椎弓切除、椎弓切開、椎間孔拡大術、椎間関節切除術、および植え込み可能な人工装具を含む。これらの外科的治療の一環として、例えば、骨移植片、骨ファスナ、脊椎ロッド、および椎体間装置などのインプラントを含む脊椎用構成物が使用されて、治療領域に安定性を与えることができる。例えば、外科的治療中、外科器具が使用されて、脊椎用構成物の構成要素を手術部位に送達し、骨と固着させて関節を固定することができる。本開示は、これらの先行技術のテクノロジーに対する改善を説明するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]一実施形態では、脊椎インプラントが提供される。脊椎インプラントは、作用物質と、折り畳み可能なカバーであって、作用物質が配置された第1の表面、および手術中にカバーを選択された構成に配置するために第1の表面と接続可能な第2の表面を含む、折り畳み可能なカバーと、を有する。
【0005】
[0005]本開示は、以下の図面を伴う具体的な説明から、さらに容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]本開示の原理に従ったシステムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
図2】[0007]図1に示す構成要素の斜視図である。
図3】[0008]図1に示す構成要素の斜視図である。
図4】[0009]図1に示す構成要素の斜視図である。
図5】[0010]椎骨に配置された、本開示の原理に従ったシステムの一実施形態の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0011]脊椎インプラントシステムの例示的な実施形態が、筋骨格の障害の治療のための医療装置の点から、さらに具体的には、手術部位で脊椎を治療するための脊椎インプラントシステム、および脊椎を治療する方法の点から、論じられる。いくつかの実施形態では、本システムは、物質を手術部位に送達する脊椎インプラントを含む。いくつかの実施形態では、本システムは、脊椎の接合および固定に、例えば、脊椎の頸部、胸部、腰部および/または仙骨領域に、用いられる脊椎インプラントを含む。
【0008】
[0012]いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステムは、減圧による腸骨稜または局所骨由来の自家骨を含む。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステムは、植え込み部位における自家骨の保持を含む。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、フックアンドループファスナを組み込む再吸収性多孔質メッシュシートを含む。いくつかの実施形態では、メッシュシートは、折り畳まれるとそれ自体に付着するように構成されている。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、自家移植片と組み合わせられ、選択されたインプラント構成へと手術中に折り畳まれるように構成された、シートを含む。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステムは、外科的必要性および/患者の必要性を満たすために、脊椎インプラントのカスタマイゼーションを提供する。
【0009】
[0013]いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、一表面にフックを備えた再吸収性多孔質ポリマーメッシュシートを含み、フックは、メッシュの反対表面に、これら表面が共に折り畳まれた際に付着する。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステムは、自家移植片を送達し植え込み部位に保持するために、選択されたインプラント構成へと手術中に折り畳まれるように構成された脊椎インプラントを含む。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステムは、選択されたインプラント構成の、所望の形状および/または必要な容積への完全な手術中カスタマイゼーションを含む。
【0010】
[0014]いくつかの実施形態では、本開示のシステムは、例えば、変性椎間板疾患、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症、脊椎すべり症、狭窄、脊柱側弯症および他の湾曲異常、後弯症、腫瘍、ならびに骨折などの脊椎障害を治療するために用いられ得る。いくつかの実施形態では、本開示のシステムは、診断および治療学と関連するものを含む、他の骨の適用および骨に関連する適用に用いられ得る。いくつかの実施形態では、開示されるシステムは、代わりに、腹臥位もしくは背臥位にある患者の外科的治療に用いられ、かつ/または、前方アプローチ、後方アプローチ、後方正中線アプローチ、直接的外側アプローチ、後方外側アプローチ、および/もしくは前方外側アプローチを含む、脊椎に対するさまざまな外科的アプローチを、また、他の身体領域において用いることができる。本開示のシステムは、代わりに、脊柱の腰部、頸部、胸部、仙骨および骨盤領域を治療するための処置に用いられてもよい。本開示のシステムは、動物、骨モデル、ならびに、例えば、訓練、試験、およびデモンストレーションなどの、他の非生物(non-living substrates)に対して使用されてもよい。
【0011】
[0015]本開示のシステムは、本開示の一部を形成する添付図面に関連して理解される実施形態に関する以下の詳細な説明を参照することによって、さらに容易に理解され得る。本出願が、本明細書に記載および/または図示された、特定の装置、方法、条件、またはパラメータに制限されないこと、また、本明細書で使用される用語が、ほんの一例として特定の実施形態を説明する目的のものであり、制限することが意図されていないことが、理解される。いくつかの実施形態では、添付の特許請求の範囲を含め、明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形を含み、特定の数値への言及は、文脈上明白に別段の規定がない限り、少なくともその特定の値を含む。範囲は、「約」もしくは「およそ」1つの特定の値から、および/または「約」もしくは「およそ」別の特定の値までとして、本明細書で表され得る。このような範囲が表される場合、別の実施形態が、その1つの特定の値から、および/または、他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用することにより近似値として表される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することが、理解されるであろう。例えば、水平、垂直、上部、上方、下方、下部、左、および右などのすべての空間的言及が、例示目的にすぎず、本開示の範囲内で変更され得ることも、理解される。例えば、「上方」および「下方」という言及は、相対的なものであり、他方のものに対する文脈でのみ使用され、必ずしも「上位」および「下位」ではない。
【0012】
[0016]添付の特許請求の範囲を含め、明細書で使用される場合、疾患または病気を「治療すること(treating)」またはその「治療(treatment)」は、1つまたは複数の薬品を患者(健常もしくは別様の人間、または他の哺乳動物)に投与すること、植え込み可能な装置を用いること、ならびに/あるいは、例えば、疾患または病気の徴候または症状を緩和しようとして、椎間板膨隆もしくは椎間板ヘルニアおよび/または骨棘の一部を除去するのに使用される顕微鏡下椎間板切除器具などの、疾患を治療する器具を用いること、を含み得る処置を実行することを指す。緩和は、疾患または病気の徴候または症状が現れる前、ならびにそれらが現れた後に起こり得る。よって、治療することまたは治療は、疾患または望ましくない病気を防ぐことまたはその予防(例えば、疾患にかかりやすいかもしれないが、まだその疾患を有するとは診断されていない患者に疾患が起こるのを防ぐこと)を含む。加えて、治療することまたは治療は、徴候または症状の完全な緩和を必要とせず、治癒を必要とせず、また、特に、患者にわずかな影響しか与えない処置を含む。治療は、疾患を阻害すること、例えば、疾患の進行を阻止すること、または疾患を和らげること、例えば、疾患の退行を引き起こすこと、を含み得る。例えば、治療は、急性または慢性の炎症を軽減すること;痛みを和らげ、新たな靱帯、骨および他の組織の再生を緩和および誘発すること;手術における補助剤として;ならびに/または任意の修復処置を含み得る。また、添付の特許請求の範囲を含め、明細書で使用される場合、用語「組織」は、特に別様に言及されない限り、軟組織、靱帯、腱、軟骨および/または骨を含む。本明細書で使用される骨という用語は、特に別様に言及されない限り、自原、同種、異種、またはトランスジェニック由来の皮質性、海綿状または皮質海綿状である骨を指す。
【0013】
[0017]本明細書に示される数値範囲およびパラメータにもかかわらず、本開示の広い範囲は近似値であり、特定の実施例に示される数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる、ある誤差を本質的に含む。さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、その中に含まれるありとあらゆる部分範囲を包含することが理解される。例えば、「1~10」の範囲は、最小値である1と最大値である10との間の(およびそれらを含む)ありとあらゆる部分範囲、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有するありとあらゆる部分範囲、例えば、5.5~10を含む。
【0014】
[0018]本明細書で使用される脱灰は、組織、例えば骨組織からミネラル材料を除去することによって生成される、任意の材料を指す。特定の実施形態では、本明細書に記載される脱灰組成物は、5重量%未満のカルシウム、好ましくは1重量%未満のカルシウムを含有する調製品を含む。部分脱灰骨(例えば、5重量%超のカルシウムを有するが、カルシウムの元の開始量の100%未満を含有する調製品)も、本開示の範囲内に含まれると考えられる。いくつかの実施形態では、脱灰骨は、その元のミネラル含有量の95%未満を有する。脱灰は、「実質脱灰」、「部分脱灰」、および「完全脱灰」などの表現を包含することが意図されている。
【0015】
[0019]本明細書で使用される脱灰骨基質は、骨組織からミネラル材料を除去することによって生成される、任意の材料を指す。好適な実施形態では、本明細書で使用されるDBM組成物は、5重量%未満のカルシウム、好ましくは1重量%未満のカルシウムを含有する調製品を含む。部分脱灰骨(例えば、5重量%超のカルシウムを有するが、カルシウムの元の開始量の100%未満を含有する調製品)も、本開示の範囲内に含まれると考えられる。
【0016】
[0020]本明細書で使用される骨伝導性とは、骨が平行に増殖し得る適切な鋳型または物質として非骨誘導性物質が役立つ能力を指す。
[0021]本明細書で使用される骨形成とは、作用物質、材料、またはインプラントが、骨形成、骨伝導、および/または骨誘導などの1つまたは複数のメカニズムによって、新たな骨組織の増殖を増進または加速させる能力を指す。
【0017】
[0022]本明細書で使用される骨インプラントとは、本開示の実施形態に従って準備された任意の骨由来のインプラントを指し、したがって骨膜、骨移植片などといった表現を含むことが意図されている。
【0018】
[0023]本明細書で使用される骨誘導性とは、新たな骨の形成を刺激する可能性がある、宿主由来の細胞を補充することができる品質を指す。動物の軟組織における異所性骨の形成を誘発し得る任意の材料は、骨誘導性と考えられる。例えば、最も骨誘導性の材料は、参照によって本明細書に組み込まれる、Edwardsらの「Osteoinduction of Human Demineralized Bone:Characterization in a Rat Model」、Clinical Orthopaedics & Rel. Res.、357:219-228、December 1998の方法に従って分析された場合に、無胸腺ラットにおいて骨形成を誘発する。
【0019】
[0024]本明細書で使用される表面脱灰とは、骨由来の要素が、それらの元の無機ミネラル含有量の少なくとも約90重量パーセントを有することを指し、本明細書で使用される「部分脱灰」という表現は、骨由来の要素が、それらの元の無機ミネラル含有量の約8~約90重量パーセントを有することを指し、本明細書で使用される「完全脱灰」という表現は、骨がその元のミネラル文脈の8%未満を含有することを指す。
【0020】
[0025]さまざまな実施形態では、脊椎インプラントは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、D-ラクチド、D,L-ラクチド、L-ラクチド、D,L-ラクチド-co-ε-カプロラクトン、D,L-ラクチド-co-グリコリド-co-ε-カプロラクトン、L-ラクチド-co-ε-カプロラクトン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0021】
[0026]一実施形態では、図1図4に示すように、本明細書に記載されるシステム、構成物、インプラント、および方法と同様であり、前述した構成要素を含む、骨形成脊椎インプラントシステム10は、脊椎インプラント11を含む。脊椎インプラント11は、複数の折り畳み可能な壁を含む折り畳み可能なカバーと、作用物質と、を含む。カバーは、例えば図1に示すような平坦な構成などの第1の構成を含み、図2図4に示すように、操作され、かつ/または折り畳まれて、図5に示すように、手術中に、選択されたインプラント構成となる。
【0022】
[0027]いくつかの実施形態では、カバーは、一時的なカバーであってよく、このカバーは、実質的に再吸収性である。例えば、カバーは、2週間以内、4週間以内、12週間以内、または他の適切な時間枠以内に実質的に再吸収される材料で形成され得る。図1図4のいくつかの実施形態では、カバーを含む骨形成脊椎インプラントシステム10は、一時的な送達システムであってよい。いくつかの実施形態では、カバーは、脊椎インプラント11を手術部位に保持するための1つまたは複数の取り付けメカニズムを含み得る。取り付けメカニズムは、機械的取り付けメカニズム、物理的取り付けメカニズム、生物学的取り付けメカニズム、もしくは化学的取り付けメカニズムであってよく、または、これらの組み合わせを用いることができる。取り付けメカニズムは、手術部位に近接した骨格組織または軟組織にカバーを取り付けるのに使用され得る。
【0023】
[0028]いくつかの実施形態では、カバーは、微粒子または小さく分割された材料の格納のために使用され、オプションとして、生物学的活性の集中または集結をもたらし得る。いくつかの実施形態では、カバーは、骨粒子、骨繊維、他の骨誘導性もしくは骨伝導性材料、BMP、抗生物質、または他の材料のうちの1つまたは複数の物質の格納に使用され得る。
【0024】
[0029]いくつかの実施形態では、カバーは、材料を互いに空間的に近接して維持し、おそらくは相乗効果をもたらすのに使用され得る。いくつかの実施形態では、カバーは、手術部位の細胞および組織に対する、カバー内に提供された作用物質の利用可能性を経時的に制御するのに使用され得る。
【0025】
[0030]いくつかの実施形態では、カバーは、移植材料などの作用物質を包含し得る。カバーは、移植片の移動を制限し、いくつかの実施形態では排除し、かつ、移植片の密度を維持する。作用物質を含む脊椎インプラント11は、周辺の骨の輪郭またはインプラント空間に一致するように構成され得る。いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11は、治癒/細胞透過および組織内方成長のための経路を提供する。よって、カバーは、カバーを出入りする材料の移動または拡散を促進し得る。例えば、カバーは、カバー内に提供された作用物質の、カバーからの拡散を促進することができ、またはカバー内への、細胞および組織などの手術部位での材料のカバー内への拡散を促進することができる。カバーは、いくつかの作用物質/材料の拡散を可能にすると共に、他の作用物質/材料の拡散を実質的に防ぐように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態では、カバーは、拡散がカバーのある部分を出入りすることができるがカバーの他の部分には出入りしないように、構成され得る。
【0026】
[0031]いくつかの実施形態では、カバーは、構造性材料を含み得、また、いくつかの実施形態では機能性材料を含み得る。構造性材料は、メッシュ材料またはポリマー材料を含み得る。機能性材料は、例えば、放射線不透過性材料または殺菌性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、カバーは、可撓性、非弾性、または弾性であってよい。カバーの材料は、編組されているか、織られているか、不織布の形状記憶(non-woven shape memory)であるか、微粒子であるか、糸状であるか、多孔質であるか、非多孔質であるか、または実質的に中実であってよい。
【0027】
[0032]いくつかの実施形態では、カバーは、作用物質の放出に関与するか、これを制御するか、促進するか、防ぐか、または別様に調節することができる。例えば、カバーは、選択的に透過性の膜として作用することができ、かつ/または多孔質であってよく、多孔性レベルは、カバーの内側の作用物質の性質に関連している。よって、カバーの材料および構成は、所望の放出特徴に基づいて、選択または調節され得る。調節され得る構造性材料の特定の特性は、厚さ、透過性、多孔性、強度、可撓性、および/または弾性を含む。いくつかの実施形態では、材料の厚さおよび多孔性は、その強度、可撓性、および弾性に寄与し得る。いくつかの実施形態では、カバーは、カバーの設置および包装を容易にするため、ぐにゃぐにゃの、成型可能な、ねばねばする、および/または粘着性の材料で作られ得る。
【0028】
[0033]いくつかの実施形態では、カバーは、流体および/または細胞に対して多孔質であってよく、生体適合性であってよく、また、破裂に対して耐性を有し得る。いくつかの実施形態では、カバーは、耐荷重性であってよい。カバーは、再吸収性または非再吸収性であってよい。カバーは、取り扱い特性を増大させることができ、潅注耐性を有し得、材料保持特徴を有し得、かつ/または、細胞透過を支持し得る。カバーが再吸収性材料から作られている場合、カバーは、ある期間の後に分解され、消滅する。よって、カバーは、一時的なカバーと考えることができる。カバーが再吸収性材料で作られていない場合、カバーは、体内にとどまる。組織内方成長が生じて、宿主組織を、カバー内に提供された作用物質に結合させることができる。宿主組織とカバー内に提供された作用物質との間での、カバーを通じた、かつカバーの周りの組織内方成長は、カバーの開口部を介して促進され得る。
【0029】
[0034]いくつかの実施形態では、カバーは、多孔質材料またはメッシュ材料を含み得る。カバーの孔のサイズは、細胞浸潤を可能にするように設計され得る(およそ数マイクロメートルから数ミリメートル)が、カバーの内側から細胞を排除し(例えば、およそ0.45マイクロメートル)、小分子(タンパク質およびホルモン)の拡散のみを可能にするように特に設計されてもよい。よって、カバーは、細胞による送達システムの内部へのアクセスを制御するように作用し得る。Tissue-Derived Mesh for Orthopedic Regenerationに関する米国特許出願公開第2005/0283255号は、本明細書で提示されるようなカバーと共に使用されるメッシュを形成する適切な方法を記載しており、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0030】
[0035]いくつかの実施形態では、カバーは、1つもしくは複数の層、および/または1つもしくは複数の別個のセクションもしくは区画を含み得る。例えば、2つの区画を含む実施形態では、1つまたは複数の作用物質が第1の区画に使用され得、異なる1つまたは複数の作用物質が第2の区画に使用され得る。例えば、1つの区画もしくはその一部が、他の区画もしくはその一部と比較して1つもしくは複数の所望の特性、例えば再吸収性もしくは堅さの増大もしくは減少を与える1つもしくは複数の作用物質で作られてよく、または、異なる区画もしくはその一部が、異なる薬品送達特性を与えられ得る。代わりに、すべての区画が、同じ作用物質または作用物質の混合物を含み得る。材料の特徴が区画間で、または単一の区画の表面にわたって変化している場合、第1の区画またはその一部の孔は、第2の区画の孔より大きくてよい。いくつかの実施形態では、カバーは2つの区画を含み、第1および第2の作用物質が、第1および第2の区画それぞれに使用され得る。第1の作用物質は、第1の速度に従って増殖因子を放出または曝露し得、第2の作用物質は、第2の速度に従って増殖因子を放出し得る。さらに、第1および第2の区画によって放出された増殖因子は、同じであってよく、または、異なっていてもよい。例えば、血管新生増殖因子が第1の区画に提供され得、骨誘導性増殖因子が第2の区画に提供され得る。
【0031】
[0036]2つ以上の区画を含む実施形態では、カバー材料の特徴は、区画間で変化し得る。一般的に、1つの区画の多孔性、可撓性、強度、または任意の他の特徴は、他の区画のその特徴とは異なっていてよい。さらに、カバーの特徴は、カバーの区画構成にかかわらずカバーの種々の位置で異なっていてよい。
【0032】
[0037]カバーは、カバーの密度および再吸収時間を調節することによって特定の圧縮強度および剛性に構成され得る。いくつかの実施形態では、コーティングがカバー上に設けられ得る。例えば、コーティングは、ポリ-L-ラクチドの化合物、ポリグリコール酸の化合物、もしくはそれらのポリマー、またはポリヒドロキシアルカノエート(ポリヒドロキシブチレートおよびポリヒドロキシバレレートおよびコポリマー)であってよい。コーティングは、コーティングが身体によって再吸収される再吸収時間を有し、カバー内の作用物質がカバーの開口部を通って出ることができるように、選択され得る。
【0033】
[0038]いくつかの実施形態では、カバーは、ポリマー材料(例えば、すべてが参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,696,073号、同第6,478,825号、同第6,440,444号、および同第6,294,187号、同第7,985,414号、ならびに米国特許出願公開第2005/0251267号を参照のこと);織布材料および編組材料(例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0283255号を参照のこと);不織布材料;形状記憶材料;多孔質材料;および非多孔質材料から作製され得、これらの材料が使用され得る。いくつかの実施形態では、外側粒子が、内側粒子を包含するのに使用され得;粒子が、材料の糸に取り付けられ得、かつ/または多孔性がメッシュ繊維に加えられ得る。いくつかの実施形態では、材料は、実質的に侵入できない、カバーの区画などの、カバーの一部に使用され得る。
【0034】
[0039]いくつかの実施形態では、カバーは、ポリマー(ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(グラクサノン)(poly(glaxanone))、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ピロリカシド)(poly(pyrolicacid))、ポリ(ホスファゼン)、ポリカーボネート、他の生体吸収性ポリマー、例えばダクロンもしくは他の既知の外科用プラスチック、生物学的に誘導された天然材料、例えばコラーゲン、ゼラチン、キトサン、アルジネート、(骨成長促進剤であるヒドロキシアパタイトを含む)セラミック、PEEK(ポリエーテル-エーテルケトン)、乾燥(dessicated)生分解性材料、金属、複合材料、生体適合性織物(例えば、綿、絹、麻)、細胞外基質構成要素、組織、もしくは合成材料および天然材料の複合物、またはその他で形成され得る。さまざまなコラーゲン材料が、単独で、または、コラーゲンの縫合糸および糸を含む他の材料と組み合わせて、使用され得る。いくつかの実施例は、メッシュへと織られるかまたは編まれたポリマーまたはコラーゲンの糸を含む。他の適切な材料は、粒子の集合体の存在下で成型され、浸出を受けている薄いポリマーシート;筋膜および他のコラーゲン材料、小腸粘膜下組織、もしくは膀胱上皮などの、ポリマーシートもしくは天然由来のシートであって、多孔性を導入するように穴をあけられている、シート;利用可能なもしくは将来の印刷テクノロジーを使用して印刷された特定の形状のもの;特定の糸状菌内で成長するバクテリアセルロースなどの自然に分泌される材料を含む。
【0035】
[0040]いくつかの実施形態では、カバーは、シートとして、メッシュとして、または他の構成で形成され得る。いくつかの実施形態では、カバーは、織物タイプの材料であってよい。よって、例えば、カバーは、機織り、敷物作り(rug making)、編糸細工などの織物アプローチを用いて形成され得る。このような形成は、機械的または産業的方法によるものであってよい。別の実施形態では、実質的に中実のシートが形成され得、細胞、流体、およびタンパク質によって透過可能な選択されたインプラント構成をとるように処理され得る。例えば、シートは、穴をあけられ、開口部を作るように拡張することができる。いくつかの実施形態では、カバーは、穴をあけられるか、開口部を作るように拡張されるか、または別様に選択されたインプラント構成において細胞、流体、およびタンパク質によって透過可能となる、薄いシートを含み得る。
【0036】
[0041]折り畳み可能なカバーは、ポリマーメッシュシート12を含み、ポリマーメッシュシート12は、側面14および側面22を含む複数の折り畳み可能な壁を有する。いくつかの実施形態では、カバーは、例えば、天然材料、合成ポリマー再吸収性材料、合成ポリマー非再吸収性材料、および他の材料などの、メッシュ材料を含み得る。天然メッシュ材料は、絹、細胞外基質(DBM、コラーゲン、靱帯、腱組織、もしくは他のものなど)、シルクエラスチン、エラスチン、コラーゲン、およびセルロースを含む。合成ポリマー再吸収性材料は、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA)、ポリジオキサノン、PVA、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリヒドロキシアルカノエート(ポリヒドロキシブチレートおよびポリヒドロキシバレレートおよびコポリマー)、多糖、ポリヒドロキシアルカノエートポリグリコリド-co-カプロラクトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリグリコリド-co-トリメチレンカーボネート、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、および他のものを含む。参照により全体として本明細書に組み込まれる、ChenおよびWuの「The Application of Tissue Engineering Materials」、Biomaterials、2005、26(33):6565~6578ページを参照のこと。他の適切な材料は、炭素繊維、金属繊維、ポリエーテルエーテルケトン(polyertheretherketones)、非再吸収性ポリウレタン、すべてのタイプのポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、およびさまざまな他のメッシュを含む。いくつかの実施形態では、カバーは、紡いだ繭などの不織布材料またはコイル形状を有する形状記憶材料または形状記憶合金を含み得る。
【0037】
[0042]いくつかの実施形態では、メッシュ繊維は、多孔性を繊維に与えるように処理され得る。これは、例えば、PLA、PLGA、PGA、および他の繊維に対して行われ得る。メッシュ繊維を処理する1つの適切な方法は、粒子を部分的に可溶性にする、超臨界の二酸化炭素処理を含む。この処理は、さらにウイルス不活性化のために実行され得る。メッシュ繊維を処理する別の適切な方法は、爆発的減圧を含む。爆発的減圧は、多孔性を生じ、制御された透過性をもたらす。このメッシュ材料は、さらに細胞、増殖因子、または生物活性剤を入れられ得る。
【0038】
[0043]いくつかの実施形態では、メッシュ材料の繊維は、これに粒子を付着させることによるなどして、処理され得る。粒子は、例えば骨粒子であってよい。よって、一実施形態では、カバーは、布へと形成された複数の糸を含み得る。糸は、これらに付着した粒子を有する。例えば、糸は、それら糸の上に並べられた粒子を有し得る。代替的な実施形態では、カバーは、ある材料で形成され得、その材料は、粒子でコーティングされ得る。
【0039】
[0044]側面14は、本明細書で説明するように、作用物質20を受け取るように構成された、表面16を含む。いくつかの実施形態では、作用物質は、自家移植片または同種移植片を含み得る。
【0040】
[0045]いくつかの実施形態では、装置に入れられる作用物質は、脱灰骨材料(例えば、繊維、小片、粉末、またはそれらの組み合わせ)であってよい。いくつかの実施形態では、脱灰骨繊維は、細長く、少なくとも約50:1~約少なくとも約1000:1のアスペクト比を有し得る。このような細長い骨繊維は、いくつかの方法のうちのいずれか1つによって、例えば、骨全体または骨の比較的大きなセクションの表面をフライス加工するかまたは削ることによって、容易に得ることができる。
【0041】
[0046]他の実施形態では、繊維の長さは、少なくとも約3.5cm、平均幅は約20mm~約1cmであってよい。さまざまな実施形態では、細長い繊維の平均長さは、約3.5cm~約6.0cm、平均幅は約20mm~約1cmであってよい。他の実施形態では、細長い繊維は、約4.0cm~約6.0cmの平均長さおよび約20mm~約1cmの平均幅を有し得る。
【0042】
[0047]さらに他の実施形態では、細長い繊維の直径または平均幅は、例えば、約1.00cm以下、0.5cm以下、または約0.01cm以下である。さらに他の実施形態では、繊維の直径または平均幅は、約0.01cm~約0.4cmまたは約0.02cm~約0.3cmであってよい。
【0043】
[0048]別の実施形態では、繊維のアスペクト比は、約50:1~約950:1、約50:1~約750:1、約50:1~約500:1、約50:1~約250:1;または約50:1~約100:1であってよい。本開示による繊維は、有利には、約50:1~約1000:1、約50:1~約950:1、約50:1~約750:1、約50:1~約600:1、約50:1~約350:1、約50:1~約200:1、約50:1~約100:1、または約50:1~約75:1のアスペクト比を有し得る。
【0044】
[0049]いくつかの実施形態では、骨小片が使用され得、これらは、骨繊維と組み合わせられ得、小片と繊維との比率は、約90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80および/または10:90である。さまざまな実施形態では、表面脱灰骨小片と繊維との比率は、この装置で使用され得る、約90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80および/または10:90である。いくつかの実施形態では、表面脱灰小片と完全脱灰繊維との比率は、この装置で使用され得る、約90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80および/または10:90である。
【0045】
[0050]いくつかの実施形態では、作用物質は、タンパク質、骨形成タンパク質、炭水化物、脂質、コラーゲン、同種移植骨、自家移植骨、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、増殖および分化因子、増殖因子のキャリア、組織の増殖因子抽出物、骨髄穿刺液、脂質由来もしくは骨髄由来の成体幹細胞の濃縮物、臍帯由来の幹細胞、骨形成もしくは軟骨形成系列由来の委任細胞もしくは部分委任細胞、抗菌剤、抗生物質、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0046】
[0051]いくつかの実施形態では、作用物質は、生物学的または化学的事象を変えるか、抑制するか、活性化するか、または別様に影響を及ぼす、化合物または実在物を含む、生物活性剤または生物活性化合物を含む。例えば、生物活性剤は、骨形成もしくは軟骨形成タンパク質もしくはペプチド、抗AIDS物質、抗がん物質、抗生物質、免疫抑制剤、抗ウイルス物質、酵素阻害剤、ホルモン、神経毒、オピオイド、催眠剤、抗ヒスタミン剤、潤滑剤、精神安定剤、抗痙攣薬、筋弛緩剤および抗パーキンソン病物質、チャネルブロッカーを含む鎮痙剤および筋収縮剤(muscle contractants)、縮瞳剤および抗コリン薬、抗緑内障化合物、抗寄生虫および/または抗原虫化合物、細胞増殖阻害剤および抗接着分子を含む細胞-細胞外基質相互作用のモジュレーター、血管拡張剤、DNA、RNA、もしくはタンパク質合成の阻害剤、降圧剤、鎮痛剤、解熱剤、ステロイド性および非ステロイド性抗炎症剤、抗血管新生因子、血管新生因子、抗分泌性因子、抗凝血剤および/または抗血栓剤、局所麻酔剤、目薬、プロスタグランジン、抗うつ剤、抗精神病物質、制吐剤、ならびに造影剤を含み得るが、これらに制限されない。特定の実施形態では、生物活性剤は薬品である。いくつかの実施形態では、生物活性剤は、増殖因子、サイトカイン、細胞外基質分子またはその断片もしくは誘導体、例えば、RGDなどの細胞接着配列である。本開示で使用するのに適切な生物活性剤および特定の薬品のリストは、参照により本明細書にそれぞれ組み込まれる、「Pharmaceutical Substances: Syntheses, Patents, Applications」、Axel KleemannおよびJurgen Engel、Thieme Medical Publishing、1999;「Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals」、Susan Budavariら編、CRC Press、1996;ならびにthe United States Pharmacopeia-25/National Formulary-20、the United States Pharmcopeia Convention, Inc.出版、Rockville Md.、2001、で見ることができる。
【0047】
[0052]いくつかの実施形態では、作用物質は、例えば約1~約3の組織粒子をそれぞれが有する、3つの小さい束へと長さ方向に組み合わせられた、小腸粘膜下組織の細長い骨由来の粒子または断片を含む。この3つの束は、その後編組され得る。いずれもカバーの製造に有用となり得る、さまざまな編組方法および編組タイプ。次に、編組された組織由来の粒子の端部は、固着剤を用いて共に糊付けされて、それらがほどけるのを防ぐことができ、または、生体適合性ポリマーもしくは金属バンドで共に保持され得る。
【0048】
[0053]いくつかの実施形態では、骨由来の粒子は、溶媒と組み合わせられて作用物質を形成する。例示的な溶媒は、水、低級アルカノール、ケトン、およびエーテル、ならびにこれらまたは他の材料のうちいずれかの混合物を含む。作用物質はその後、適切な温度および圧力で押し出されて、糸を作ることができる。糸は、シートまたは棒材からの紡糸、延伸、圧延(rolling)、溶媒押出し、切断、またはレーザー切断によって製造されてもよい。作用物質は、代わりに中実のシートまたは棒材へと鋳造または成型されて、その後、細い糸へと切断され得る。これらは、即座に使用されるか、または、メッシュへと織られ得る。代わりに、または加えて、それらは、継がれるか、包まれるか、撚られるか、ケーブル状にされるか、編組されるか、織られるか、またはこれらのうちのいくつかの組み合わせを行われ得る。作用物質は、熱もしくは化学接合、またはその両方によって成形され得る。いくつかの実施形態では、溶媒の一部は、押出し前に作用物質から除去される。
【0049】
[0054]いくつかの実施形態では、生体適合性の天然または合成作用物質、例えば、ポリラクチドもしくはコラーゲン、の糸は、組織由来の要素または他の要素で、例えば、ダビンを塗る(dubbing)ことによって、コーティングされ得る。例えば、ポリマー繊維は、接着剤、例えば、レシチン、および骨粒子、または糸に付着することができる他の骨伝導性もしくは骨誘導性フィブリルで、コーティングされ得る。糸は次に、それ自体の上で、または第2のもしくは複数の同様に処理された糸と共に、撚り合わせられ得る。代わりに、または加えて、糸は編組され得る。接着剤は、室温において蝋状である脂質、例えば、室温において固体であるジ-またはトリ-グリセリドであってよい。代わりに、または加えて、接着剤は、ホスホコリンまたはホスファチジルコリンであってよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、糸およびその糸をコーティングするのに使用される作用物質(例えば、骨粒子)の両方を結合するが、いずれも分解させない材料である。非水性接着剤は、水性接着剤に比べて、最終的な集合体の安定性を改善し得る。
【0050】
[0055]カバー形状、メッシュサイズ、ケーブル厚さ、および、構造などの他の構造的特徴は、本明細書で説明するように、選択されたインプラント構成に合わせてカスタマイズされ得る。例えば、チキソトロピック材料を隙間に保持するのに二次元の集合体が使用される場合、漏れを防ぐために詰まった布目が好ましい。メッシュを通じた細胞または流体の移動を最適化するため、孔径は、流体の粘度および表面張力または細胞のサイズに合わせて最適化され得る。例えば、細胞がメッシュを通って移動するものである場合、およそ100~200μmほどの孔径が使用され得る。メッシュサイズは、前駆体材料中の溶媒と固体との比率を制御することによって、材料のストランドを物理的に織ることにより制御され得る。
【0051】
[0056]細胞が、作用物質上に播種されるか、または作用物質中に包含され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、アルジネートまたはコラーゲンゲルなどの基質内にカプセル化され得、カプセルは作用物質上に置かれる。播種された材料は一般的に、結合剤を部分的に溶解させ得る溶液中で長期間インキュベートする必要はない。代わりに、カプセルは、植え込みの直前に作用物質またはカバー上に置かれ得る。別の実施形態では、細胞は単にゲルと混合され、ゲルはその後、作用物質と組み合わせられる。代わりに、作用物質またはカバーは、植え込み前に細胞と共に培養され得る。一実施形態では、植え込み中の機械的完全性を増大させるために、より厚い材料が培養に使用される。結合組織細胞、臓器細胞、筋細胞、神経細胞、および幹細胞を含む、任意の種類の細胞が、脊椎インプラント上に播種され得る。例示的な実施形態では、骨芽細胞、破骨細胞、線維芽細胞、腱細胞、軟骨細胞、および靱帯細胞などの結合組織細胞、ならびに間葉系幹細胞および骨髄間質細胞などの部分的に分化した幹細胞が用いられる。
【0052】
[0057]作用物質は、任意の適切な密度でカバー内に包装され得る。いくつかの適用では、作用物質は、操作可能性を高めるためにカバー内に緩く包装され得る。いくつかの実施形態では、作用物質は、カバーが可撓性を保持し、それ自体の上に折り重ねられ得るように、カバー内に包装され得る。いくつかの実施形態では、カバーは、本明細書で説明するように、カバーに移植材料を入れるのを容易にするように構成され得る。
【0053】
[0058]いくつかの実施形態では、作用物質は、同種または異種であってよい。作用物質は、ある勾配を示すように選択され得る。例えば、作用物質は、経路に沿って細胞をガイドするか、引き寄せるか、または引き付ける勾配を示すように選択され得る。このような勾配は、細胞勾配、細胞型の勾配(例えば、骨細胞から軟骨細胞への移行もしくは骨細胞から腱細胞への移行)、伝導性の勾配、または密度/多孔性の勾配を含み得る。いくつかの実施形態では、作用物質は、一連の成分を含み得る。
【0054】
[0059]作用物質が生物学的である実施形態では、作用物質は、自原性、同種、異種、トランスジェニック、またはこれらの組み合わせのものであってよい。これらの組織型のそれぞれが、骨由来、結合組織由来の任意の組織、または器官組織を含む材料を含有する任意のコラーゲンを含む。カバー内に位置付けられ得る他の適切な作用物質は、例えば、タンパク質、ホルモン、核酸、炭水化物、脂質、コラーゲン(筋骨格系または器官系由来の自家移植片、同種移植片、または異種移植片)、同種移植骨、自家移植骨、軟骨刺激物質、同種移植軟骨、TCP、TCP/硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、生物活性ガラス、ガラスセラミックス、リン酸マグネシウム、任意の生体適合性金属イオンを含有するリン酸塩、トラベキュラメタルを含むすべてのタイプの多孔質インプラント、ステンレス鋼、コバルトクロム、チタン、チタン合金を含む生体適合性金属、ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド-co-カプロラクトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリグリコリド-co-トリメチレンカーボネート、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ-L-ラクチド、ポリエチレングリコール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、すべてのタイプのポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalte)、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸およびその塩、キトサンおよび誘導体、天然ポリマー、例えば絹、コラーゲン、多糖、ポリヒドロキシアルカノエート、任意の供給源由来の骨またはコラーゲンまたはその両方と組み合わせられたポリマー(同種移植片、異種移植片、トランスジェニック、自家移植片)、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、ポリマー、ナノファイバーポリマー、増殖因子、増殖因子のキャリア、組織の増殖因子抽出物、脱灰骨基質、象牙質、骨髄穿刺液、さまざまな骨誘導性または骨伝導性キャリアと組み合わせられた骨髄穿刺液、脂質由来または骨髄由来の成体幹細胞の濃縮物、臍帯由来の幹細胞、さまざまな骨誘導性または骨伝導性キャリアと組み合わせられた成体または胚性幹細胞、トランスフェクト細胞株、骨膜由来の造骨細胞、骨刺激材料と軟骨刺激材料との組み合わせ、骨形成または軟骨形成系列由来の委任細胞または部分委任細胞、血小板、活性化血小板、抗生物質、抗菌特性を有する物質、あるいは上記のいずれかの組み合わせを含む。一実施形態によると、作用物質は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、すべてがBone Matrix Compositions and Methodsに関するものである米国特許出願第12/140,044号ならびに米国特許出願公開第2007/0098756号および同第2007/0110820号に記載されるものなどの、骨基質組成物である。カバーに入れられるバイオコンポジットを調製する適切な作用物質は、すべてがあらゆる目的で参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0191963号、同第2006/0216323号、および同第2005/0251267号、米国特許第6,696,073号、同第6,478,825号、同第6,440,444号、および同第6,294,187号、に開示されている。
【0055】
[0060]いくつかの実施形態では、脊椎インプラントは、椎間板腔内で、インプラント間で、またはケージの内側で使用され得る。いくつかの実施形態では、作用物質は、天然および/または合成の発泡性材料を含み得る。発泡性材料は、骨粒子、ポリマー、ヒドロゲル、スポンジ、コラーゲン、または他の材料を含み得る。さまざまな実施形態では、発泡性材料は、脱灰骨粒子を含む骨同種移植片を含み、脱灰骨粒子は、皮質骨と海綿骨とのブレンドであってよい。例えば、発泡性材料は、脱灰皮質繊維および脱灰海綿小片を含み得、脱灰海綿小片は、新たな骨を組み込むための健全な基質を作り出し、高度な発泡特徴を加えることができる。
【0056】
[0061]骨粒子に加え、発泡性ポリマー、コラーゲンスポンジ、圧縮および/もしくは乾燥ヒドロゲル、または他の材料が使用され得る。発泡特性に加え、作用物質は、骨誘導性および/または骨伝導性特性を示し得る。例えば、海綿骨粒子は骨伝導性特性を示し得、脱灰皮質骨粒子は骨誘導性特性を示し得る。
【0057】
[0062]いくつかの実施形態では、作用物質は、1つまたは複数の生物活性剤または生物活性化合物が補充されるか、これらでさらに処理されるか、または化学的に修飾され得る。本明細書で使用される生物活性剤または生物活性化合物は、生物学的または化学的事象を変えるか、抑制するか、活性化するか、または別様に影響を及ぼす、化合物または実在物を指す。例えば、生物活性剤は、骨形成または軟骨形成のタンパク質またはペプチド;脱灰骨粉末;コラーゲン、不溶性コラーゲン誘導体など、および可溶性固体および/またはその中に溶解した液体;抗AIDS物質;抗がん物質;抗菌剤および/または抗生物質、例えばエリスロマイシン、バシトラシン、ネオマイシン、ペニシリン、ポリマイシンB(polymycin B)、テトラサイクリン、ビオマイシン(biomycin)、クロロマイセチン、およびストレプトマイシン、セファゾリン、アンピシリン、アザクタム、トブラマイシン、クリンダマイシン、およびゲンタマイシン;バクテリオファージ(bacteriaphages);免疫抑制剤;肝炎に有用な物質などの抗ウイルス物質;酵素阻害剤;ホルモン;神経毒;オピオイド;催眠剤;抗ヒスタミン剤;潤滑剤;精神安定剤;抗痙攣薬;筋弛緩剤および抗パーキンソン病物質;チャネルブロッカーを含む鎮痙剤および筋収縮剤;縮瞳剤および抗コリン薬;抗緑内障化合物;抗寄生虫および/または抗原虫化合物;細胞増殖阻害剤および抗接着分子を含む細胞-細胞外基質相互作用のモジュレーター;血管拡張剤;DNA、RNA、またはタンパク質合成の阻害剤;降圧剤;鎮痛剤;解熱剤;ステロイド性および非ステロイド性抗炎症剤;抗血管新生因子;血管新生因子およびそのような因子を含有するポリマーキャリア;抗分泌性因子;抗凝血剤および/または抗血栓剤;局所麻酔剤;目薬;プロスタグランジン;抗うつ剤;抗精神病物質;制吐剤;造影剤;デキストラン、グルコースなどといった殺菌性/生物静力学的な糖;アミノ酸;ペプチド;ビタミン;無機要素;タンパク質合成の補助因子;内分泌組織または組織断片;合成物(synthesizers);アルカリホスファターゼ、コラゲナーゼ、ペプチダーゼ、オキシダーゼなどといった酵素;実質細胞を備えたポリマー細胞足場;コラーゲン格子;抗原;細胞骨格剤;軟骨断片;軟骨細胞、骨髄細胞、間葉幹細胞などの生存細胞;天然抽出物;遺伝子改変生存細胞または別様に修飾された生存細胞;増殖または培養された細胞;プラスミド、ウイルスベクター、または他の手段によって送達されたDNA;組織移植物;血液、血清、軟組織、骨髄などといった自原組織;生体接着剤;骨形態形成タンパク質(BMP);骨誘導性因子(IFO);フィブロネクチン(FN);内皮細胞増殖因子(ECGF);血管内皮増殖因子(VEGF);セメント質付着抽出物(cementum attachment extracts)(CAE);ケタンセリン;ヒト成長ホルモン(HGH);動物成長ホルモン;上皮増殖因子(EGF);インターロイキン、例えば、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-2(IL-2);ヒトα-トロンビン;形質転換増殖因子(TGF-β);インスリン様増殖因子(IGF-1、IGF-2);副甲状腺ホルモン(PTH);血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子(FGF、BFGFなど);歯周靱帯走化性因子(PDLGF);エナメルマトリックスタンパク質;増殖および分化因子(GDF);タンパク質のヘッジホッグファミリー;タンパク質受容体分子;前述した増殖因子に由来する小ペプチド;骨促進剤(bone promoters);サイトカイン;ソマトトロピン;骨分解物(bone digesters);抗腫瘍剤;細胞誘引剤および付着剤;免疫抑制剤;透過促進剤、例えば、ポリエチレングリコールのラウレート(laureate)、ミリステートおよびステアレートモノエステル、エナミン誘導体、α-ケトアルデヒドなどといった脂肪酸エステル;ならびに核酸、を含み得るが、これらに制限されない。
【0058】
[0063]いくつかの実施形態では、生物活性剤は薬品であってよい。いくつかの実施形態では、生物活性剤は、増殖因子、サイトカイン、細胞外基質分子、またはそれらの断片もしくは誘導体、例えば、RGDなどのタンパク質またはペプチドシーケンスであってよい。本発明で使用するのに適切な生物活性剤および特定の薬品のより完全なリストは、「Pharmaceutical Substances: Syntheses, Patents, Applications」、Axel KleemannおよびJurgen Engel、Thieme Medical Publishing、1999;「Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals」、Susan Budavariら編、CRC Press、1996;ならびに、the United States Pharmacopeia-25/National Formulary-20、the United States Pharmcopeia Convention, Inc.出版、Rockville Md.、2001、で見ることができる。
【0059】
[0064]いくつかの実施形態では、薬品はスタチンであってよい。痛みおよび/または炎症の治療に有用なスタチンの例は、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ロバスタチン、ロスバスタチン、およびフルインドスタチン(fluindostatin)(Sandoz XU-62-320)、ダルバスタチン(dalvastain)、エプタスタチン(eptastatin)、ピタバスタチン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに制限されない。さまざまな実施形態では、スタチンは、スタチンの(+)Rおよび(-)-S鏡像異性体の混合物を含み得る。さまざまな実施形態では、スタチンは、スタチンの1:1ラセミ混合物を含み得る。抗炎症剤は、例えば、アミトリプチリン、カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、クロニジン、またはそれらの組み合わせなど、抗炎症特性を有するものも含み得る。
【0060】
[0065]シート12は側面22を含む。側面22は、本明細書で説明するように、接続可能表面によって表面16と接続されるように構成された、表面24を含む。いくつかの実施形態では、接続可能表面は、表面16、24の接続を容易にするために、表面24に配置されたフック構成26と、表面16に配置されたループ構成28と、を含む。いくつかの実施形態では、フックおよびループ構成26、28は、ベルクロを含む。いくつかの実施形態では、シート12の折り畳み可能な壁は、カバーが選択されたインプラント構成において脊椎インプラント11へと折り畳まれ得るように、互いに折り重ねられる複数のパネル30、30a、および30bを含む。パネル30は、例えば折り目32などの、線引きによって接続される。
【0061】
[0066]表面24は、本明細書で説明するように、接続可能表面によって表面16と接続され、手術中に、選択されたインプラント構成を形成する。いくつかの実施形態では、シート12は、折り畳まれて、選択されたインプラント構成を形成する。いくつかの実施形態では、選択されたインプラント構成は、特定の断面を含む。いくつかの実施形態では、断面は、例えば、管状、円筒形、円形、楕円形、矩形および/または正方形を含み得る。
【0062】
[0067]いくつかの実施形態では、選択されたインプラント構成は、ほぼ円形またはほぼ楕円形から選択された断面形状、および管状、矩形、または立方体であってよい形状を有する。いくつかの実施形態では、カバーの選択されたインプラント構成は、拡張構成を含み得る。いくつかの実施形態では、体内に置かれた際にカバーが拡張するように拡張がもたらされ得るか、または、水もしくは他の体液と接触した際に、液体吸収によって、もしくは材料が液体を吸収し拡張した際に伸びることによって拡張する材料で、カバーが作られ得る。いくつかの実施形態では、カバーは、実質的に非拡張可能または最小限に変形可能であってよい。
【0063】
[0068]いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成は、カバーが単一の区画を有するか複数の区画を有するかにかかわらず、またカバーが取り付けメカニズムを含むかどうかにかかわらず、例えば、シリンダーまたはバッグを含み得る。いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成は、脊椎インプラント11が置かれる空間の周辺の骨の輪郭に一致するように構成され得る。
【0064】
[0069]いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成は、リング、シリンダー、ケージ、矩形の形状、メッシュ、縫合糸様の包み、連続管、または他の構成を含み得る。いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成は、後外側脊椎固定では棘突起に隣接して適合するように設計され、椎体間脊椎固定では椎体間もしくはケージ内部に適合するように設計された立方体様構造であり、非一体的な長骨欠損上に適合するように端部が設計された管状形状、頭蓋もしくは顎顔面の欠損を埋めるように設計された比較的平坦な形状、骨軟骨の欠損のために設計された矩形構造、さまざまなインプラントの周辺に適合するように成形された構造(例えば、歯科用インプラントのための穴を備えた歯科用のドーナツ形のもの)、または伸びて、その後形状に一致する比較的弾性のリング様構造(例えば、突起の周辺に適合する輪ゴム)である。いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成は、複数の区画を含むケージを含む。例えば、管状の実施形態では、管は、縄を管の周辺の1つもしくは複数の地点で結ぶことによって、または圧着するか、撚り合わせるか、結び目を作るか、ステープル留めするか、縫うか、もしくはその他などの他の適切なメカニズムによって、複数の区画へと形成され得る。カバーの選択されたインプラント構成は、カバー内に提供される作用物質によって決定され得る。例えば、包含される作用物質が繊維を含む場合、カバーは、繊維に巻き付けられるひもまたは縫合糸として形成され得る。
【0065】
[0070]いくつかの実施形態では、表面16、24は、例えば、引きひも、縫い目、縫合糸、ヒートシール、接着、圧力取り付け具、コイルリング、捻り結束、またはそれらの組み合わせなどの接続可能表面によって接続され得る。いくつかの実施形態では、接続可能表面は、シート12の一部によって画定され得、それによって、例えば、シート12を折り畳み、曲げ、かつ/またはねじることなどによる操作で、選択されたインプラント構成において閉鎖された容器を形成する。
【0066】
[0071]いくつかの実施形態では、作用物質20が表面16に配置される。シート12は、例えば、折り畳むことなどによって手術中に操作される。シート12は、図2の矢印Aで示す方向に、パネル30が旋回および/または回転されるように折り畳まれる。シート12は、図2の矢印Bで示す方向に、パネル30bが旋回および/または回転されるように折り畳まれる。パネル30は、パネル30が配置された表面24の一部が、パネル30bが配置された表面16の一部に隣接し、これに面するように、折り畳まれる。パネル30、30bを折り畳むことで、表面16、24の係合および固着を容易にし、カバーの折り畳み可能な壁を脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成に配置する。
【0067】
[0072]パネル30、30bが操作されると、表面24は、表面16と接続可能となり、パネル30、30a、30bを、図4に示すように、選択された構成に固定する。いくつかの実施形態では、表面24は、表面16から係合解除されてパネル30、30a、30bを新たなまたは第2の変更された、選択された構成へと再構成および/または調節するのを容易にすることができ、それによって、選択された構成が手術中にカスタマイズ可能となる。パネル30、30bを折り畳むと、作用物質20は、パネル30、30a、30bによって包み込まれ、かつ/または収容されて、作用物質20をその中に保持する。パネル30、30a、30bは、選択された構成の端部分を囲むように操作される。
【0068】
[0073]使用中、脊椎インプラントシステム10は、本明細書に記載するシステムおよび方法と同じように、椎骨Vの選択された部分を治療するために用いられる。いくつかの実施形態では、脊椎インプラント11は、図5に示すように、例えば、後外側固定などの外科的処置中、椎骨Vの手術部位で用いられる。医師は、組織の切開および後退を通じるなどして、任意の適切な方法で椎骨Vを含む手術部位へのアクセスを得る。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、切開手術、ミニオープン手術(mini-open surgery)、低侵襲手術、および経皮的な外科的植え込みを含む任意の既存の外科的方法または技術で使用され得、それによって、椎骨Vは、小さい切開、またはその領域への保護された通路を提供するスリーブを通じて、アクセスされる。いったん手術部位へのアクセスが得られると、脊椎障害を治療するために特定の外科的処置が実行され得る。
【0069】
[0074]切開が患者の身体に行われ、切断器具(不図示)が、1つまたは複数の横突起TPを含む椎骨Vの一部での脊椎インプラントシステム10の構成要素の植え込みのための外科的経路を作る。準備器具(不図示)が、椎骨Vの組織表面を準備するのに用いられ得る。
【0070】
[0075]いくつかの実施形態では、シート12および作用物質20は、例えば、患者の解剖学的構造、患者の障害、外科的処置、手術条件、手術中の条件、修正もしくは戦略および/または開業医の好みなどの1つまたは複数のパラメータに基づいて選択される。1つまたは複数のパラメータに基づいて、シート12は、第1の構成を含み、手術中に、選択されたインプラント構成へと操作され、かつ/または折り畳まれて、作用物質20を包含し、脊椎インプラント11を構成する。
【0071】
[0076]シート12は、図1に示すように、実質的に平坦なまたは平らな構成で配置される。作用物質20は、本明細書で説明するように、表面16に配置される。シート12は、手術中に操作される。シート12は、図2の矢印Aによって示す方向に、パネル30が旋回および/または回転されるように折り畳まれる。シート12は、図2の矢印Bによって示す方向に、パネル30bが旋回および/または回転されるように折り畳まれる。パネル30は、図3に示すように、パネル30が配置された表面24の一部が、パネル30bが配置された表面16の一部に隣接し、これに面するように、折り畳まれる。パネル30、30bを折り畳むことで、本明細書で説明するように、表面16、24の接続可能表面の係合および固着を容易にし、カバーの折り畳み可能な壁を脊椎インプラント11の選択されたインプラント構成に配置する。パネル30、30bが操作されると、表面24は、表面16と接続可能となり、パネル30、30a、30bを、図4に示すように、選択された構成に固定する。パネル30、30bを折り畳むと、作用物質20は、パネル30、30a、30bによって包み込まれ、かつ/または収容されて、作用物質20をその中に保持する。パネル30、30a、30bは、脊椎インプラント11の選択された構成の端部分を囲むように操作される。
【0072】
[0077]選択されたインプラント構成では、図5に示すように、脊椎インプラント11は、後外側固定に関連する手術部位において椎骨Vの1つまたは複数の横突起TPおよび/または隣接部分に選択された向きで配置される。
【0073】
[0078]いくつかの実施形態では、シート12は、脊椎インプラント11を手術部位の近くの骨格または軟組織に取り付けるために、本明細書で説明するように、取り付けまたは連結メカニズムを含み得る。いくつかの実施形態では、取り付けメカニズムは、タブ、ループ、鋲、またはフックアンドループ(ベルクロ)部分を含み得る。
【0074】
[0079]いくつかの実施形態では、取り付けメカニズムは、他のカバーへの取り付け、または隣接した植え込み可能な医療装置もしくは製品(例えば、椎弓根スクリュー固着システム、人工股関節、骨プレートなどのロッドもしくはスクリューもしくは交差ブレース)への取り付けをもたらし得る。いくつかの実施形態では、取り付けメカニズムは、骨への、または筋、腱、もしくは靱帯などの隣接組織への取り付けをもたらし得る。化学的取り付けメカニズムは、例えば、生体接着剤もしくは糊、セメント、テープ、組織接着剤、または同様のメカニズムを含み得る。化学的取り付けメカニズムは、交差結合を容易にするメカニズムをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、圧着、溶接、はんだ、または蝋付けなどの取り付けメカニズムが使用され得る。さらに、取り付けは、摩擦によって達成され得る。いくつかの実施形態では、生物学的取り付けは、多孔質コーティングまたはヒドロキシアパタイト-リン酸三カルシウム(HA/TCP)コーティングによるなどして、組織内方成長を促進するメカニズムによるものであってよい。
【0075】
[0080]いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、本明細書で説明するものに類似の、複数の代替的なインプラント11を含むキットを含む。いくつかの実施形態では、脊椎インプラントシステム10は、本明細書に記載するものなどの1つもしくは複数のファスナおよび/または固着要素を含み得、これは、単一の椎骨レベルまたは複数の椎骨レベルで用いられ得る。いくつかの実施形態では、ファスナは、例えば、直列、平行、オフセット、互い違いおよび/または一つおきの椎骨レベルなどのさまざまな向きで椎骨と係合され得る。いくつかの実施形態では、ファスナは、多軸ねじ、矢状角形成ねじ(sagittal angulation screws)、椎弓根スクリュー、一軸ねじ、一平面ねじ(uni-planar screws)、固着ねじ、アンカー、組織貫通ねじ、従来のねじ、拡張ねじとして構成され得る。いくつかの実施形態では、ファスナは、くさび、アンカー、ボタン、クリップ、スナップ、摩擦取り付け具、圧縮取り付け具、拡張リベット、ステープル、釘、接着剤、支柱、コネクタ、固着プレートおよび/または支柱と共に用いられ得る。
【0076】
[0081]本明細書での教示の趣旨または範囲から逸脱せずに、さまざまな改変および変更が、本明細書に記載されるさまざまな実施形態に行われ得ることが、当業者には明らかであろう。よって、さまざまな実施形態が、本教示の範囲内の他の改変および変更またはさまざまな実施形態を包含することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5