IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビセン メディカル, インコーポレイテッドの特許一覧

特許70189134,4-二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用
<>
  • 特許-4,4-二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用 図1A
  • 特許-4,4-二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用 図1B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】4,4-二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C09B 23/16 20060101AFI20220204BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 277/64 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 263/56 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 417/08 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 413/08 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 209/90 20060101ALI20220204BHJP
   C09B 23/01 20060101ALI20220204BHJP
   C07D 209/24 20060101ALI20220204BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20220204BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALN20220204BHJP
   A61K 49/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 19/08 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 9/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 9/10 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 17/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 37/02 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 31/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 29/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 3/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 25/00 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 27/02 20060101ALN20220204BHJP
   A61P 11/00 20060101ALN20220204BHJP
【FI】
C09B23/16 CSP
C07D403/14
C07D417/14
C07D413/14
C07D277/64
C07D263/56
C07D417/08
C07D413/08
C07D209/90
C09B23/01
C07D209/24
C12Q1/6876 Z
C12Q1/02
A61K49/00
A61P19/08
A61P35/00
A61P9/00
A61P9/10 101
A61P9/10
A61P17/00
A61P37/02
A61P31/00
A61P29/00
A61P3/00
A61P25/00
A61P27/02
A61P11/00
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019103596
(22)【出願日】2019-06-03
(62)【分割の表示】P 2016503019の分割
【原出願日】2014-03-14
(65)【公開番号】P2019151665
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2019-06-03
(31)【優先権主張番号】61/798,562
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508064849
【氏名又は名称】ビセン メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナラシムハチャリ ナラヤナン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-169677(JP,A)
【文献】特開2004-083799(JP,A)
【文献】特開2004-067816(JP,A)
【文献】特開平11-185836(JP,A)
【文献】特開平10-111543(JP,A)
【文献】特開平08-234463(JP,A)
【文献】特開昭62-124986(JP,A)
【文献】特開昭62-103192(JP,A)
【文献】特開昭62-050187(JP,A)
【文献】特開昭62-103190(JP,A)
【文献】特開昭61-248789(JP,A)
【文献】特開平10-073900(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01810998(EP,A2)
【文献】特表2011-506673(JP,A)
【文献】特開平02-190390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 209/24
C07D 403/14
C07D 417/14
C07D 413/14
C07D 277/64
C07D 263/56
C07D 417/08
C07D 413/08
C07D 209/90
A61K 49/00
A61P 19/08
A61P 35/00
A61P 9/00
A61P 9/10
A61P 17/00
A61P 37/02
A61P 31/00
A61P 29/00
A61P 3/00
A61P 25/00
A61P 27/02
A61P 11/00
C09B 23/01
C09B 23/16
C12Q 1/6876
C12Q 1/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIIによって表される、生体適合性のある蛍光性分子であって、
[BM]-F 式III
式中、BMは、生体分子であり、Fは、式Ia、IbまたはIcによって表されるフルオロフォアであり、n=1~4であり、m=1~100であり、
【化68】

式中、XおよびXは、独立に、O、S、Se、C(CHCH)から選択され、
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、H、(CH(n=1~20)から選択され、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、(CH(n=0~20)から選択され、
は、独立に、H、ハロゲン、CH、SOH、SO-、COOH、NCS(イソチオシアネート)、NCO(イソシアネート)、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル(NHSS)エステル、ヒドロキシ(OH)、チオール(SH)、マレイミド、フタルイミド、ヨードアセトアミド、CN、NH、CONHR、アルキン、アジド(N)、SONX、Xで任意選択によりさらに置換されているアリールから選択され、
およびR10は、Hまたはハロゲンまたはアルキル基であり、
およびRまたはRおよびR10は、任意選択により、一緒になって5員または6員または7員の環を形成し、
およびWは、リール環あり、
11は、独立に、COOH、CN、F、NO、COCF、CF、COOR、CONHR、CO(CHRから選択され、Rは、HまたはCOOHまたはSOHまたはNHまたはSHまたはアルキル、またはXで任意選択によりさらに置換されているアリール、またはポリエチレングリコール(PEG)単位
【化69】

であり、
該生体分子が、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 13 、R 14 、W 、W 、X 、X およびX から選択される基の任意の一つまたは複数を介して、フルオロフォアに化学的に連結され、
但し、X および/またはX が、O、S、またはSeである場合、該生体分子が、X および/またはX に化学的に連結されない、
生体適合性のある蛍光性分子。
【請求項2】
以下の構造式IVa~IVdのうち任意の一つによって表される、生体適合性のある蛍光性生体分子であって、
【化70】

式中、BMは生体分子であり、
およびX は、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C 1~4 アルキル) から選択され、
およびW は、アリール環であり、
およびR は、独立に、ハロゲン、-SO H、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C ~C 10 アルキルであり、
、R 、R およびR は、それぞれ独立に、Hまたは-C ~C 22 アルキレン-X であり、
、R 、R 13 およびR 14 は、それぞれ独立に、H、-C ~C 22 アルキレン-X 、-SO H、-SO 、-SO N(R 12 )-アルキレン-X 、ハロゲンまたは-NO であり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH 、-SO H、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH -(ハロゲン)、-CONHNH 、-CN、-NH 、-NO 、-CON(H)R 12 、アルキニル、-N 、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR 10 は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはR およびR もしくはR およびR 10 は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12 は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
は、対イオンであり、
ただし、該生体適合性のある蛍光性生体分子が、構造式IVdによって表される場合、X は、O、S、Seではない、
生体適合性のある蛍光性生体分子。
【請求項3】
BMが、タンパク質、核酸(DNA、RNA)、酵素、抗体、細胞、脂質、脂肪酸、炭水化物、糖、グルコース、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸から構成される、請求項2に記載の生体適合性のある蛍光性生体分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/798,562号の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の全内容が、参考として本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、4,4-二置換シクロヘキシル架橋部分を含むポリメチン架橋となる新しい蛍光性色素のための組成物および方法を提供する。新しい組成物は、一般に、色素に高い親水性を付与する複数のスルホン酸またはスルホネート基を含有しており、様々な医学的、診断的および生物学的用途において使用され得る。
【背景技術】
【0003】
背景
光学イメージング方法には、他のイメージング方法を上回るいくつかの利点がある。このようなイメージングでは、典型的に、赤色および近赤外(NIR)範囲(600~1200nm)の光を使用して、組織透過性を最大限にし、天然の生物学的吸収剤、例えばヘモグロビンおよび水による吸収を最小限に抑える。光学イメージングにより、高い感受性を提供することができ、試験対象または実験技師を電離放射線に曝露する必要がなくなり、複数の識別可能なプローブ(分子イメージングにおいて重要となり得る)を同時に使用され得、機能的イメージングおよびin vivo顕微鏡においてそれぞれ重要な、高い時間および空間分解能が提供される。
【0004】
蛍光イメージングでは、規定帯域幅を有するフィルタ光またはレーザーが、励起光源として使用される。励起光は、身体組織中を移動し、レポーター分子(例えば、コントラスト剤またはイメージングプローブ)に遭遇すると、その光は吸収される。次に、レポーター分子は、励起光とは検出可能に異なる特性を有する光を放出する。次に、放出されて生じた光を使用して、画像を構築することができる。ほとんどの光学イメージング技術は、レポーター分子として有機および無機蛍光性色素を使用することに依存している。
【0005】
蛍光性色素は、一般に公知であり、蛍光顕微鏡法、蛍光免疫アッセイおよびフローサイトメトリーなどの手順によって、様々な生物学的および非生物学的材料の蛍光標識および検出に使用される。このような材料を蛍光性色素で標識するための典型的な方法は、色素分子上の適切な基と、標識される材料上の適合性のある基との結合を用いて蛍光性複合体を作り出すことである。このように、例えば細胞、組織、アミノ酸、タンパク質、抗体、薬物、ホルモン、ヌクレオチド、核酸、脂質および多糖等の材料は、化学的に標識され、検出もしくは定量化されてよいか、または標的材料に特異的に結合することができ、かつ蛍光検出方法によって検出され得る蛍光プローブとして使用されてよい。明るい蛍光性色素によって、高い感度を有する結合材料の検出または局在化が可能になる。
【0006】
生物学的および生物医学的研究のための検出可能な標識が必要である。in vivoで使用されるクエンチされたプローブのために十分に働く色素は、in vitroでの利用において常に有効であるわけではない。ある場合には、タンパク質または生体分子上にこれらのフルオロフォアの二つ以上が存在することによって、検出を妨害する著しいクエンチが生じる。in vitroおよびin vivoの両方で使用することができ、分子を過剰にクエンチしない色素が必要である。高い可溶性の親水性蛍光性色素は、目的
の標識細胞、タンパク質および他の生体分子の移動および機能を追跡することもできる。in vivoまたはin vitroで過剰にクエンチしない新しいクラスの色素により、生物学的研究に利用可能なツールを増やすことができる。
【0007】
それにも関わらず、様々な医学的、診断的および生物学的用途で使用できる新しい色素が、現在も必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明は、4,4-二置換シクロヘキシル架橋部分を含むポリメチン架橋を有する新しい蛍光性色素を生成可能であるという発見に、部分的に基づく。これらの色素は、様々なin vitroおよびin vivoイメージング用途で使用され得る。
【0009】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、式(II)
-(PMB)-Z(II)
およびその塩によって表され得る
[ZおよびZは、それぞれ独立に、置換または非置換インドリニウムまたはベンゾインドリウム(benzindolinium)環から選択することができ、PMBは、4,4-二置換シクロヘキシル架橋部分を含むポリメチン架橋を表す]。他の実施形態では、化合物は、約500nm~約1100nmの範囲、好ましくは約600nm~約900nmの範囲の吸収および発光波長を有する。ある特定の実施形態では、色素は、約600nm~約850nm、約650nm~約900nm、または約650nm~約850nmの範囲の波長を有する光を吸収および/または放出する。
【0010】
一態様では、本発明は、一般に式Iによって表され得る蛍光色素化合物のファミリーを提供する。
【化1】
【0011】
ある特定の実施形態では、本発明は、式III:[BM]-Fによって表される生体適合性のある蛍光性分子であり、BMは、生体分子であり、Fは、既に記載したフルオロフォアである。他の実施形態では、本発明は、以下の構造式IVa~IVdのいずれか一つによって表される、生体適合性のある蛍光性生体分子であり、BMは、生体分子である。
【化2】
【0012】
別の実施形態では、本発明は、in vivo光学イメージング方法を提供する。該方法は、(a)対象、例えば動物またはヒトに、本発明の蛍光色素化合物を投与するステップと、(b)蛍光色素化合物を、対象内に分布させるか、または生物学的標的と接触させ、もしくは相互作用させるステップと、(c)対象を、電磁放射線、例えば蛍光色素化合物によって吸収可能な波長の光に曝露するステップと、(d)蛍光色素化合物によって放出された光学シグナルを、例えば内視鏡、カテーテル、断層撮影システム、平面もしくは反射システム、手持ち式の光学イメージングシステム、または術中システムおよび顕微鏡を用いて検出するステップとを含む。化合物によって放出されたシグナルは、画像化される領域または構造の画像、例えば断層画像を構築するために使用され得る。蛍光色素化合物は、生体分子に化学的に連結されている蛍光色素を含み得ると理解される。
【0013】
先のステップは、所定の間隔で反復され、それによって対象における蛍光性化合物の放出されたシグナルを経時的に評価することができる。ある特定の実施形態では、シグナル特性が識別可能な2種類またはそれより多くの種類の化合物を対象に投与することができ、それらの化合物の発光特性は、対象における二つまたはそれより多くの特色を画像化するために使用され得る。
【0014】
開示の方法は、疾患、例えば骨疾患、がん、心血管疾患、皮膚疾患、環境疾患、免疫疾患、感染性疾患、炎症、遺伝性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、眼疾患、および呼吸器疾患を検出および/またはモニタするために使用され得る。
【0015】
ある特定の実施形態では、細胞は、本明細書に記載の蛍光色素化合物で標識され、得られた標識細胞は、対象に投与される。蛍光色素化合物によって放出されたシグナルは、細胞の輸送および局在をモニタするか、または細胞治療の有効性を評価するために使用され得る。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、in vitro光学イメージング方法を提供する。該方法は、(a)試料、例えば生物学的試料を、本発明の蛍光色素化合物と接触させるステップと、(b)蛍光色素化合物を、生物学的標的によって活性化するか、または生物学的標的に結合させるステップと、(c)任意選択により、結合していない蛍光色素化合物を除去するステップと、(d)試料を、電磁放射線、例えば蛍光色素化合物によって吸収可能な波長の光に曝露するステップと、(e)蛍光色素化合物から放出されたシグナルを検
出し、それによって蛍光色素化合物が生物学的標的によって活性化されたか、または生物学的標的に結合したかを決定するステップとを含む。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式I-Aによって表される蛍光性化合物
【化57】


またはその塩であって、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフトまたはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、Hまたは-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す、
蛍光性化合物またはその塩。
(項目2)
およびRが、それぞれ独立に、-C~C22アルキレン-Xである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
およびRが、それぞれ独立に、-C~Cアルキレン-Xである、項目1に記載の化合物。
(項目4)
およびRが、それぞれ独立に、-SOH、-SO または-COOHによって置換されている-C~Cアルキレンである、項目1に記載の化合物。
(項目5)
およびRが水素である、項目1から4のいずれか一項に記載の化合物。
(項目6)
式I-Bによって表される蛍光性化合物
【化58】


またはその塩であって、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフトまたはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素または-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、H、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
11は、-COOH、-CN、ハロゲン、-NO、-C(O)-ハロアルキル、ハロアルキル、-COOR15、-CON(H)R15、または-CO(CH15であり、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
15は、H、-COOH、-SOH、-NH、-SH、アルキル、またはXで任意選択により置換されているアリール、および/またはポリエチレングリコールであり、mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す、
蛍光性化合物またはその塩。
(項目7)
が、-C~C22アルキレン-Xであり、Rが水素である、項目6に記載の化合物。
(項目8)
が、-C~Cアルキレン-Xであり、Rが水素である、項目6に記載の化合物。
(項目9)
が、-SOH、-SO または-COOHによって置換されている-C~Cアルキレンであり、Rが水素である、項目6に記載の化合物。
(項目10)
式I-Cによって表される蛍光性化合物
【化59】


またはその塩であって、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
は、出現するごとに独立に、水素、ハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、または-CO を表し、
およびR10は、H、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す、
蛍光性化合物またはその塩。
(項目11)
式I-Dによって表される蛍光性化合物
【化60】


またはその塩であって、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフトまたはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R13、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
11およびR12は、それぞれ独立に、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COOH、-C(O)-ハロアルキル、-C(O)-アリール、-C(O)OR15、-CON(H)R15、-(CHC(O)OR15、-(CHCONHR15、-CO(CH15、-(CHSOH、または-(CHSO であり、
13は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
15は、出現するごとに独立に、H、-COOH、-SOH、-NH、-SH、アルキル、ポリエチレングリコール、またはXで任意選択により置換されていてもよいアリール、および/またはポリエチレングリコールを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す、
蛍光性化合物またはその塩。
(項目12)
およびXが、C(CHである、項目1から11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
およびWが、ベンゾ環である、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。(項目14)
およびWが、ナフト環である、項目1から12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
およびRが、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである、項目1から14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目16)
およびRが、独立にC~Cアルキルである、項目1から14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
、R、R13およびR14が、それぞれ独立に、H、-SOHまたは-SOである、項目1から16のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
が、水素である、項目1から17のいずれか一項に記載の化合物。
(項目19)
およびR10が、水素である、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物。
(項目20)
式IIによって表される蛍光性化合物
【化61】


またはその塩であって、式中、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、Hまたは-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す、蛍光性化合物またはその塩。
(項目21)
およびRが、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである、項目20に記載の化合物。
(項目22)
およびRが、独立に、-SOHまたは-SOで任意選択により置換されている-C~Cアルキルである、項目20に記載の化合物。
(項目23)
およびRが、独立に、C~Cアルキルである、項目20に記載の化合物。
(項目24)
およびRが、それぞれ独立に、-C~C22アルキレン-Xである、項目20から23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目25)
およびRが、それぞれ独立に、-C~Cアルキレン-Xである、項目20から23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目26)
およびRが、それぞれ独立に、-SOH、-SO または-COOHにより置換されている-C~Cアルキレンである、項目20から23のいずれか一項に記載の化合物。
(項目27)
およびRが、水素である、項目20から26のいずれか一項に記載の化合物。
(項目28)
およびR10が、水素である、項目20から27のいずれか一項に記載の化合物。(項目29)
生物学的分子と、項目1から28のいずれか一項に記載の化合物の反応によって形成された、コンジュゲート化合物。
(項目30)
-L-BMによって定義される1、2または3個の基でさらに置換されている、項目1から28のいずれか一項に記載の化合物である、コンジュゲート化合物であって、Lは結合またはリンカーであり、-BMは生物学的分子のラジカルである、コンジュゲート化合物。
(項目31)
項目1から30のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目32)
以下の構造式すなわち式Iによって表される蛍光性化合物であって、
【化62】


式中、以下に示す通り、X=R=CO-NR(式Ia)である場合、X=CO-NRかつR=R11(式Ib)である場合、X=R=CO-Ph-X(式Ic)である場合に、
【化63】


式中、XおよびXは、独立に、O、S、Se、C(CHCH)から選択され、
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、H、(CH(n=1~20)から選択され、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、(CH(n=0~20)から選択され、
は、独立に、H、ハロゲン、CH、SOH、SO-、COOH、NCS(イソチオシアネート)、NCO(イソシアネート)、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル(NHSS)エステル、ヒドロキシ(OH)、チオール(SH)、マレイミド、フタルイミド、ヨードアセトアミド、CONHNH(ヒドラジド)、CN、NH、CONHR、アルキン、アジド(N)、SONX、Xで任意選択によりさらに置換されているアリールから選択され、
およびR10は、Hまたはハロゲンまたはアルキル基であり、
およびRまたはRおよびR10は、任意選択により、一緒になって5員または6員または7員の環を形成し、
およびWは、ベンゾまたはナフトまたはピリジルを含むアリール環を形成するのに必要な原子であり、R11は、独立に、COOH、CN、F、NO、COCF、CF、COOR、CONHR、CO(CHRから選択され、Rは、HまたはCOOHまたはSOHまたはNHまたはSHまたはアルキル、またはXで任意選択によりさらに置換されているアリール、またはポリエチレングリコール(PEG)単位
【化64】


である、
蛍光性化合物。
(項目33)
前記分子が、約500nm~約1100nmの範囲の吸収および発光波長を有する、項目32に記載の化合物。
(項目34)
前記分子が、約600nm~約900nmの範囲の吸収および発光波長を有する、項目32に記載の化合物。
(項目35)
XおよびRが、カルボン酸基(COOH)である、項目32に記載の化合物。
(項目36)
XまたはRのいずれかが、カルボン酸基(COOH)である、項目32に記載の化合物。
(項目37)
が、-NH、-OH、-SH、-SOH、カルボキシル、-COCl、-(CO)O(CO)R、-CONHNH、置換および非置換N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、置換および非置換N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、ニトロ-またはフルオロ-フェノールエステル、アジド、-NCS、-CHO、アジド、-COCHI、ホスホルアミダイト、フタルアミド、ならびにマレイミドからなる群から選択され、Rが、H、アルキルおよびアリールからなる群から選択される、項目32に記載の化合物。
(項目38)
およびWが、同じである、項目32に記載の化合物。
(項目39)
およびWが、
【化65】


からなる群から選択される、項目32に記載の化合物。
(項目40)
およびXが、C(CHである、項目32に記載の化合物。
(項目41)
前記剤が、遠赤または近赤外において蛍光性である、項目32から40に記載の化合物。
(項目42)
以下のうちの一つから選択される化合物
【化66-1】

【化66-2】

【化66-3】


[R11およびR12は、独立に、COOH、CONHR、CN、O=C-フェニル、COCHRであり、ここで、R=H、または
【化66-4】


(CHCOOR’または(CH)nCHまたは(CHSOHまたは(CHSO であり、ここで、R’=アルキルまたはアリールである]
【化67-1】

【化67-2】

【化67-3】


またはその塩。
(項目43)
式IIIによって表される、生体適合性のある蛍光性分子であって、
[BM]-F 式III
式中、BMは、生体分子であり、Fは、式Ia、IbまたはIcによって表されるフルオロフォアであり、n=1~4であり、m=1~100であり、
【化68】


式中、XおよびXは、独立に、O、S、Se、C(CHCH)から選択され、
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、H、(CH(n=1~20)から選択され、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、(CH(n=0~20)から選択され、
は、独立に、H、ハロゲン、CH、SOH、SO-、COOH、NCS(イソチオシアネート)、NCO(イソシアネート)、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル(NHSS)エステル、ヒドロキシ(OH)、チオール(SH)、マレイミド、フタルイミド、ヨードアセトアミド、CN、NH、CONHR、アルキン、アジド(N)、SONX、Xで任意選択によりさらに置換されているアリールから選択され、
およびR10は、Hまたはハロゲンまたはアルキル基であり、
およびRまたはRおよびR10は、任意選択により、一緒になって5員または6員または7員の環を形成し、
およびWは、ベンゾまたはナフトまたはピリジルを含むアリール環を形成するのに必要な原子であり、R11は、独立に、COOH、CN、F、NO、COCF、CF
、COOR、CONHR、CO(CHRから選択され、Rは、HまたはCOOHまたはSOHまたはNHまたはSHまたはアルキル、またはXで任意選択によりさらに置換されているアリール、またはポリエチレングリコール(PEG)単位
【化69】


である、
生体適合性のある蛍光性分子。
(項目44)
以下の構造式IVa~IVdのうち任意の一つによって表される、生体適合性のある蛍光性生体分子であって、
【化70】


式中、BMは生体分子である、
生体適合性のある蛍光性生体分子。
(項目45)
BMが、タンパク質、核酸(DNA、RNA)、酵素、抗体、細胞、脂質、脂肪酸、炭水化物、糖、グルコース、ペプチド、オリゴペプチド、アミノ酸から構成される、項目44に記載の生体適合性のある蛍光性生体分子。
(項目46)
先行する項目のいずれか一項に記載の剤、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目47)
以下の式Vによって表される化合物であって、
【化71】


式中、R11およびR12は、独立に、COOH、CONHR、CF、ハロゲン、CN、O=C-フェニル、COCHRであり、R=H、または
【化72】

(CHCOOR’または(CH)nCHまたは(CHSOHまたは(CHSO であり、R’=アルキルまたはアリールであり、Phは、フェニル基であり、前記フェニル基は、F、Cl、Br、I、OMe、NMe、NO、CN、CF、アルキルのうちの一つで任意選択により置換されている、化合物。
(項目48)
11がCOOHであり、R12がCOOHである、項目47に記載の化合物。
(項目49)
11がCOOHである場合、R12はCOOR’であり、R12がCOOHである場合、R11はCOOR’であり、ここで、R’はアルキルまたはアリールである、項目47に記載の化合物。
(項目50)
a.対象に、先行する項目のいずれか一項に記載の剤を投与するステップと、
b.前記剤を、前記対象内に分布させるステップと、
c.前記タンパク質標識化剤によって放出されたシグナルを検出するステップと
を含む、in vivoイメージング方法。
(項目51)
d.対象に、蛍光色素を含む、先行する項目のいずれか一項に記載の剤を投与するステップと、
e.前記剤を、前記対象内に分布させるステップと、
f.前記対象を、前記蛍光色素によって吸収可能な波長の光に曝露するステップと、
g.前記剤によって放出されたシグナルを検出するステップと
を含む、in vivo光学イメージング方法。
(項目52)
前記剤によって放出された前記シグナルが、画像を構築するために使用される、項目50または51に記載の方法。
(項目53)
前記画像が、断層画像である、項目50または51に記載の方法。
(項目54)
ステップ(a)~(c)が、所定の時間間隔で反復され、それによって前記対象において前記タンパク質標識化剤の前記放出されたシグナルの経時的評価を可能にする、項目50に記載の方法。
(項目55)
ステップ(a)~(d)が、所定の時間間隔で反復され、それによって前記対象において前記タンパク質標識化剤の前記放出されたシグナルの経時的評価を可能にする、項目51に記載の方法。
(項目56)
前記対象が、動物またはヒトである、項目50または51に記載の方法。
(項目57)
ステップ(a)において、シグナル特性が互いに識別可能な2種類またはそれより多くの種類のイメージングプローブが、対象に投与され、前記イメージングプローブの少なくとも一つが、タンパク質標識化剤である、項目50または51に記載の方法。
(項目58)
前記照射および検出ステップが、内視鏡、カテーテル、断層撮影システム、手持ち式の光学イメージングシステム、または術中顕微鏡を使用して実施される、項目51に記載の方法。
(項目59)
放出されたシグナルの存在、非存在またはレベルが、病状を示す、項目50または51に記載の方法。
(項目60)
疾患を検出および/またはモニタするために使用される、項目50または51に記載の方法。
(項目61)
前記疾患が、骨疾患、がん、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、心虚血、心筋再かん流傷害、環境疾患、皮膚疾患、免疫疾患、遺伝性疾患、感染性疾患、炎症性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、眼疾患、および呼吸器疾患からなる群から選択される、項目60に記載の方法。
(項目62)
ステップ(a)において、前記蛍光性化合物で標識された細胞が、前記対象に投与される、項目50または51に記載の方法。
(項目63)
前記剤によって放出された前記シグナルが、前記細胞の輸送および局在をモニタするために使用される、項目62に記載の方法。
(項目64)
疾患のエリアに局在し、実効線量の放射線を送達する放射標識を含む、項目1から49のいずれか一項に記載の剤を、対象に全身的または局所的に投与するステップを含む、対象の疾患を処置する方法。
(項目65)
h.試料を、項目1から49のいずれか一項に記載の剤と接触させるステップと、
i.前記剤を、生物学的標的に結合させるステップと、
j.任意選択により、結合していない剤を除去するステップと、
k.前記剤から放出されたシグナルを検出し、それによって前記剤が前記生物学的標的によって活性化されたか、または前記生物学的標的に結合したかを決定するステップと
を含む、in vitroイメージング方法。
(項目66)
前記試料が、生物学的試料である、項目65に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1は、本発明のウシ血清アルブミン(BSA)とコンジュゲートした色素の蛍光および吸光度スペクトルを示す図である。図1Aは、化合物1bのBSA-コンジュゲートによって放出された蛍光のグラフである。
図1B図1は、本発明のウシ血清アルブミン(BSA)とコンジュゲートした色素の蛍光および吸光度スペクトルを示す図である。図1Bは、BSAとコンジュゲートした化合物1bのBSA-コンジュゲートの蛍光吸光度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、約500nm~約1100nmの範囲、より好ましくは約600nm~約900nmの範囲の波長を有する光を吸収および/または放出する蛍光色素化合物(色素)のファミリーを提供する。ある特定の実施形態では、色素は、約600nm~約850nm、約650nm~約900nm、または約650nm~約850nmの範囲の波長を有する光を吸収および/または放出する。蛍光色素化合物は、様々なin vitroおよびin vivoイメージング用途において特に有用である。
【0019】
ある特定の実施形態では、本発明の蛍光色素化合物は、式Z-PMB-Zおよびその塩によって表すことができ、ZおよびZは、それぞれ独立に、複素環式部分を含有する同じまたは異なる多環式基を表し、PMBは、4,4-二置換シクロヘキシル架橋部分を含むポリメチン架橋を表す。蛍光色素化合物を、本明細書で以下により詳細に論じる。しかし、本発明をさらに説明する前に、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で用いられる特定の用語を、以下のセクションにまとめて示す。
【0020】
I.定義
本明細書に列挙した定義は、本開示の残りの部分に照らして読まれ、当業者によるように理解されるべきである。別段定義されない限り、本明細書で使用されるあらゆる技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の技術者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0021】
「化学的に連結されている」は、組み合わされた凝集体が一単位として機能し得るほど十分に強力な原子間の引力によって、接続されていることを意味する。これには、化学結合、例えば共有結合、非共有結合、例えばイオン結合、金属結合、および架橋結合、疎水性相互作用、水素結合、およびファンデルワールス相互作用が含まれるが、これらに限定されない。これには、架橋またはケージング(caging)も含まれる。
【0022】
用語「アルキル」は、当技術分野で認識されており、これには、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基が含まれる。ある特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格内に約30個またはそれ未満の炭素原子を有しており(例えば、直鎖ではC~C30、分岐鎖ではC~C30)、あるいは約20個またはそれ未満の炭素原子を有している。同様に、シクロアルキルは、それらの環構造内に約3~約10個の炭素原子を有しており、あるいは環構造内に約5、6または7個の炭素を有している。用語「アルキル」には、ハロ置換アルキルも含まれる。
【0023】
さらに、用語「アルキル」には、「置換アルキル」が含まれ、これは、炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素上の水素と置き換わっている置換基を有するアルキル部分を指す。
このような置換基には、例えば、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくは複素芳香族部分が含まれ得る。適切な場合、炭化水素鎖上の置換部分は、それら自体置換されていてもよいことが、当業者には理解される。例えば、置換アルキルの置換基には、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含む)、スルホニル(サルフェート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートを含む)、およびシリル基、ならびにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレートおよびエステルを含む)、-CN等の置換および非置換形態が含まれ得る。例示的な置換アルキルを以下に記載する。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、-CN等でさらに置換されていてもよい。ある特定の実施形態では、アルキルは非置換である。ある特定の実施形態では、アルキルは、非置換の直鎖または分岐鎖アルキル基である。
【0024】
用語「ハロアルキル」は、一つまたは複数の水素原子がハロゲンで置き換えられていることを除き、先に定義されているアルキル基を指す。
【0025】
用語「アルキレン」は、非置換の直鎖または分岐鎖アルキル基のジラジカルを指す。
【0026】
用語「アラルキル」および「アルキルアリール」は、当技術分野で認識されており、アリール基(例えば、芳香族または複素芳香族基)で置換されているアルキル基を指す。
【0027】
用語「アルケニル」および「アルキニル」は、当技術分野で認識されており、前述のアルキルに対して長さおよび可能な置換が類似している不飽和脂肪族基を指すが、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を含有している。
【0028】
用語「ヘテロ原子」は、当技術分野で認識されており、炭素または水素以外の任意の元素の原子を指す。例示的なヘテロ原子として、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄およびセレンが挙げられる。
【0029】
用語「アリール」は、当技術分野で認識されており、0~4個のヘテロ原子を含み得る5員、6員および7員の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン等を指す。環構造内にヘテロ原子を有するアリール基は、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶこともできる。芳香環は、前述のような置換基、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、-CF、-CN等で、一つまたは複数の環の位置において置換されていてもよい。用語「アリール」には、2個またはそれより多くの炭素が二つの隣接する環(この環は「縮合環」である)に共通しており、環の少なくとも一つが芳香族であり、例えば他の環式環が、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルであり得る、二つまたはそれより多くの環式環を有する多環式環系も含まれる。
【0030】
用語「ヘテロシクリル」、「複素環式基」または「複素環式部分」は、当技術分野で認
識されており、その環構造には1~4個のヘテロ原子が含まれる、3員~約10員の環構造あるいは3員~約7員環を指す。複素環は、多環(polycycle)であってもよい。ヘテロシクリル基には、例えばチオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサンテン(phenoxanthene)、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えばアゼチジノンおよびピロリジノン、スルタム、スルトン等が含まれる。複素環式環は、前述のような置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、-CF、-CN等で、一つまたは複数の位置において置換されていてもよい。
【0031】
用語「ポリシクリル(polycyclyl)」、「多環式基」または「ポリシクロ(polycyclo)部分」は、当技術分野で認識されており、2個またはそれより多くの炭素が二つの隣接する環に共通しており、例えばその環が「縮合環」である、二つまたはそれより多くの環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を指す。隣り合っていない原子を介して結合されている環は、「架橋」環と呼ばれる。多環の環のそれぞれは、前述のような置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、-CF、-CN等で置換されていてもよい。
【0032】
用語「ニトロ」は、当技術分野で認識されており、-NOを指す。用語「ハロゲン」は、当技術分野で認識されており、-F、-Cl、-Brまたは-Iを指す。用語「スルフヒドリル」は、当技術分野で認識されており、-SHを指す。用語「ヒドロキシル」は、-OHを意味する。用語「スルホニル」は、当技術分野で認識されており、-SO を指す。「ハロゲン化物」は、ハロゲンの対応するアニオンを指し、「擬ハロゲン化物」は、CottonおよびWilkinsonによる「Advanced Inorganic Chemistry」に記載の定義を有する。
【0033】
用語「アミン」および「アミノ」は、当技術分野で認識されており、非置換および置換アミンの両方を指し、例えば、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化3】

式中、R50、R51、R52およびR53は、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、-(CH-R61を表すか、またはR50およびR51は、それらが結合
しているN原子と一緒になって、環構造内に4~8個の原子を有する複素環を完成し、R61は、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し、mは、0または1~8の範囲の整数である。ある特定の実施形態では、R50またはR51の一方のみがカルボニルであってもよく、例えばR50、R51および窒素は、一緒になってイミドを形成しない。他の実施形態では、R50およびR51(および任意選択によりR52)は、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、または-(CH-R61を表す。したがって、用語「アルキルアミン」には、置換または非置換アルキルが結合している、先に定義したアミン基が含まれ、すなわち、R50およびR51の少なくとも一つは、アルキル基である。
【0034】
用語「アシルアミノ」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化4】

式中、R50は、先に定義した通りであり、R54は、水素、アルキル、アルケニルまたは-(CH-R61を表し、mおよびR61は、先に定義した通りである。
【0035】
用語「アミド」は、当技術分野ではアミノ置換カルボニルと認識されており、これには、以下の一般式によって表され得る部分が含まれる。
【化5】

式中、R50およびR51は、先に定義した通りである。本発明では、アミドのある特定の実施形態は、不安定であり得るイミドは含まない。
【0036】
用語「アルキルチオ」は、硫黄ラジカルが結合している、先に定義したアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、「アルキルチオ」部分は、-S-アルキル、-S-アルケニル、-S-アルキニル、および-S-(CH-R61のうちの一つによって表され、mおよびR61は、先に定義されている。代表的なアルキルチオ基には、メチルチオ、エチルチオ等が含まれる。
【0037】
用語「カルボニル」は、当技術分野で認識されており、これには、以下の一般式によって表され得るような部分が含まれる。
【化6】

式中、X50は、結合であるかまたは酸素もしくは硫黄を表し、R55およびR56は、水素、アルキル、アルケニル、-(CH-R61または薬学的に許容される塩を表し、R56は、水素、アルキル、アルケニルまたは-(CH-R61を表し、mおよびR61は、先に定義されている。X50が酸素であり、R55またはR56が水素ではない場合、式は、「エステル」を表す。X50が酸素であり、R55が、先に定義した通りである場合、部分は、本明細書ではカルボキシル基と呼ばれ、特にR55が水素である場合、式は、「カルボン酸」を表す。X50が酸素であり、R56が水素である場合、式は、「ホルメート」を表す。一般に、先の式の酸素原子が硫黄に置き換えられた場合、式は、「チオールカルボニル」基を表す。X50が硫黄であり、R55またはR56が水素ではない場合、式は、「チオールエステル」を表す。X50が硫黄であり、R55が水素である場合、式は、「チオールカルボン酸」を表す。X50が硫黄であり、R56が水素である場合、式は、「チオールホルメート」を表す。他方では、X50が結合であり、R55が水素ではない場合、先の式は、「ケトン」基を表す。X50が結合であり、R55が水素である場合、先の式は、「アルデヒド」基を表す。
【0038】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は、当技術分野で認識されており、酸素が結合している、先に定義したアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシ等が含まれる。「エーテル」は、酸素によって、共有結合で連結されている二つの炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニル、-O-(CH-R61(mおよびR61は、前述の通りである)のうちの一つによって表され得るものなどのアルコキシルであるか、またはアルコキシルに似ている。
【0039】
用語「スルホネート」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化7】

式中、R57は、電子対、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
【0040】
用語「サルフェート」は、当技術分野で認識されており、これには、以下の一般式によって表され得る部分が含まれる。
【化8】

式中、R57は、先に定義した通りである。
【0041】
用語「スルホンアミド」は、当技術分野で認識されており、これには、以下の一般式によって表され得る部分が含まれる。
【化9】

式中、R50およびR56は、先に定義した通りである。
【0042】
用語「スルファモイル」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化10】

式中、R50およびR51は、先に定義した通りである。
【0043】
用語「スルホニル」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化11】

式中、R58は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールのうちの一つである。
【0044】
用語「スルホキシド(sulfoxido)」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る部分を指す。
【化12】

式中、R58は、先に定義されている。
【0045】
用語「ホスホリル」は、当技術分野で認識されており、一般に以下の式によって表され得る。
【化13】

式中、Q50は、SまたはOを表し、R59は、水素、低級アルキルまたはアリールを表す。例えばアルキルを置換するために使用される場合、ホスホリルアルキルのホスホリル基は、以下の一般式によって表され得る。
【化14】

式中、Q50およびR59は、それぞれ独立に、先に定義されており、Q51は、O、SまたはNを表す。Q50がSである場合、ホスホリル部分は、「ホスホロチオエート」である。
【0046】
用語「ホスホルアミダイト」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る。
【化15】

式中、Q51、R50、R51およびR59は、先に定義した通りである。
【0047】
用語「ホスホルアミダイト(phosphonamidite)」は、当技術分野で認識されており、以下の一般式によって表され得る。
【化16】

式中、Q51、R50、R51およびR59は、先に定義した通りであり、R60は、低級アルキルまたはアリールを表す。
【0048】
アルケニルおよびアルキニル基に対して類似の置換を行って、例えば、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成することができる。
【0049】
各表現、例えばアルキル、m、n等の定義は、任意の構造において一回より多くの回数生じる場合、同構造の他所におけるその定義とは独立であるものとする。
【0050】
「置換」または「で置換されている」は、このような置換が、置換された原子および置換基の許容される原子価に従い、置換によって、例えば転移、環化、脱離または他の反応などによる変換を自然発生的に受けない安定な化合物が得られるという暗黙の条件を含むことが理解される。
【0051】
また用語「置換」は、有機化合物のあらゆる許容可能な置換基を含むことが企図される。例示的な置換基として、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、-CF、-CN等が挙げられる。広範な一態様では、許容可能な置換基には、有機化合物の非環式および環式、分枝鎖および非分枝鎖、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。例示的な置換基として、例えば、本明細書に先に記載したものが挙げられる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して一つであっても複数であってもよく、そして同じであっても異なっていてもよい。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす、本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容可能な置換基を有することができる。本発明は、有機化合物の許容可能な置換基によって、いかなる方式でも制限されないものとする。
【0052】
用語「ポリメチン架橋」は、奇数の炭素を含む、コンジュゲートした二重結合メチレン鎖を指す。このような架橋は、コンジュゲートした二重結合メチレン鎖の一部として、環構造を含み得る。
【0053】
用語「生理的に許容される担体」は、本発明の化合物の一つまたは複数が、分散、溶解、懸濁、混合し、かつ生理的に容認される、すなわち過度の不快感も、刺激感も、毒性もなしに、対象の身体に、体内に、または身体上に投与され得る担体を指す。
【0054】
本説明を通して、組成物が特定の成分を有する、含む(including)または含む(comprising)と説明される場合、その組成物はまた、列挙した成分から本質的になるかまたは列挙した成分からなることが企図される。同様に、プロセスが特定のプロセスステップを有する、含む(including)または含む(comprising)と説明される場合、そのプロセスはまた、列挙したプロセスステップから本質的になるかまたは列挙したプロセスステップからなる。さらに、ステップの順序または特定の動作を実施する順序は、本発明が操作可能である限り、重要ではないことを理解すべきである。さらに、二つまたはそれより多くのステップまたは動作は、同時に実施することができる。
【0055】
II.本発明の蛍光色素化合物
本発明の一態様は、式I-Aによって表される蛍光性化合物
【化17】

またはその塩を提供し、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフト(naphtha)またはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、Hまたは-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す。
【0056】
ある特定の実施形態では、XおよびXは、C(CHである。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ベンゾ環である。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ナフト(naptha)環である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立にC~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、R、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-SOHまたは-SOである。ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、RおよびR10は、水素である。
【0057】
ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、-C~C22アルキレン-Xである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、-C~Cアルキレン-Xである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞ
れ独立に、-SOH、-SO または-COOHで置換されている-C~Cアルキレンである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、水素である。
【0058】
本発明の別の態様は、式I-Bによって表される蛍光性化合物
【化18】

またはその塩を提供し、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフトまたはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素または-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、H、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
11は、-COOH、-CN、ハロゲン、-NO、-C(O)-ハロアルキル、ハロアルキル、-COOR15、-CON(H)R15、または-CO(CH15であり、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
15は、H、-COOH、-SOH、-NH、-SH、アルキル、またはXで任意選択により置換されているアリール、および/またはポリエチレングリコールであり、mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す。
【0059】
ある特定の実施形態では、XおよびXは、C(CHである。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ベンゾ環である。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ナフト環である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SO
Hまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立にC~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、R、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-SOHまたは-SOである。ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、RおよびR10は、水素である。
【0060】
ある特定の実施形態では、Rは、-C~C22アルキレン-Xであり、Rは水素である。ある特定の実施形態では、Rは、-C~Cアルキレン-Xであり、Rは水素である。ある特定の実施形態では、Rは、-SOH、-SO または-COOHによって置換されている-C~Cアルキレンであり、Rは水素である。
【0061】
本発明の別の態様は、式I-Cによって表される蛍光性化合物
【化19】

またはその塩を提供し、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
は、出現するごとに独立に、水素、ハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、または-CO を表し、
およびR10は、H、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す。
【0062】
ある特定の実施形態では、XおよびXは、C(CHである。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ベンゾ環である。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ナフト環である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立にC~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、R、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-SOHまたは-SOである。ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、RおよびR10は、水素である。
【0063】
本発明の別の態様は、式I-Dによって表される蛍光性化合物
【化20】

またはその塩を提供し、式中、
およびXは、それぞれ独立に、O、S、Se、またはC(C1~4アルキル)であり、
およびWは、ベンゾ、ナフトまたはピリジル環であり、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R13、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
11およびR12は、それぞれ独立に、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COOH、-C(O)-ハロアルキル、-C(O)-アリール、-C(O)OR15、-CON(H)R15、-(CHC(O)OR15、-(CHCONHR15、-CO(CH15、-(CHSOH、または-(CHSO であり、
13は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
15は、出現するごとに独立に、H、-COOH、-SOH、-NH、-SH、アルキル、ポリエチレングリコール、またはXで任意選択により置換されていてもよいアリール、および/またはポリエチレングリコールを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す。
【0064】
ある特定の実施形態では、XおよびXは、C(CHである。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ベンゾ環である。ある特定の実施形態では、WおよびWは、ナフト環である。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立にC~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、R、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-SOHまたは-SOである。ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、RおよびR10は、水素である。
【0065】
本発明の別の態様は、式IIによって表される蛍光性化合物
【化21】

またはその塩を提供し、式中、
およびRは、独立に、水素であるか、またはハロゲン、-SOH、-SO 、-COOH、-CO および-OHからなる群から独立に選択される一つまたは二つの置換基で任意選択により置換されている-C~C10アルキルであり、
、R、RおよびRは、それぞれ独立に、Hまたは-C~C22アルキレン-Xであり、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、-C~C22アルキレン-X、-SOH、-SO 、-SON(R12)-アルキレン-X、ハロゲンまたは-NOであり、
は、出現するごとに独立に、H、ハロゲン、-CH、-SOH、-SO 、-COOH、-CO 、-NCS、-NCO、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、-OH、-SH、マレイミド、フタルイミド、-NHCO-(CH-(ハロゲン)、-CONHNH、-CN、-NH、-NO、-CON(H)R12、アルキニル、-N、ポリエチルグリコール、任意選択により置換されているアリール、または任意選択により置換されているヘテロシクリルを表し、
およびR10は、水素、ハロゲンもしくはアルキルであるか、またはRおよびRもしくはRおよびR10は、それらの相互接続原子と一緒になって、5員、6員または7員環を形成し、
12は、出現するごとに独立に、水素またはアルキルを表し、
mは、出現するごとに独立に、0、1、2、3または4を表し、
nは、出現するごとに独立に、1~10を表す。
【0066】
ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SOHまたは-SO で任意選択により置換されている-C~C10アルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、-SOHまたは-SOで任意選択により置換されてい
る-C~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、独立に、C~Cアルキルである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、-C~C22アルキレン-Xである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、-C~Cアルキレン-Xである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立に、-SOH、-SO または-COOHで置換されている-C~Cアルキレンである。ある特定の実施形態では、RおよびRは、水素である。ある特定の実施形態では、RおよびR10は、水素である。
【0067】
本発明の別の態様は、式(II)によって表される化合物
-(PMB)-Z(II)
およびその塩を提供する。
【0068】
およびZは、それぞれ独立に、複素環式部分を含む多環式基を表す。例えば、ZおよびZは、それぞれ独立に、置換または非置換インドリニウムまたはベンゾインドリウム環から選択することができる。PMBは、4,4-二置換シクロヘキシ架橋部分を含むポリメチン架橋を表す。化合物は、約500nm~約1100nmの範囲、好ましくは約600nm~約900nmの範囲の吸収および発光波長を有する。ある特定の実施形態では、色素は、約600nm~約850nm、約650nm~約900nm、または約650nm~約850nmの範囲の波長を有する光を吸収および/または放出する。
【0069】
、Z、および/またはPMBは、任意選択により、生体分子と共有結合および/または化学的連結を形成することができるリンカー部分を含み得る。このようなリンカー部分は、異なる化合物上の官能基と化学的に反応して、共有結合性連結を形成することができる反応基、または異なる化合物上の反応基と化学的に反応して、共有結合性連結を形成することができる官能基を含み得る。このような反応基には、例えば、それぞれ求核試薬または求電子試薬である対応する官能基への曝露によって共有結合性連結を形成することができる求電子試薬または求核試薬が含まれ得る。あるいは、反応基は、光で活性化可能な基であり、適切な波長の光を照射した後のみ化学的に反応性になる。本発明の化合物と連結される生体分子との反応の結果、コンジュゲート物質に本発明の化合物を結合させる新しい連結に、反応基の一つまたは複数の原子が組み込まれ得る。
【0070】
本明細書で企図される生体分子として、タンパク質(例えば、酵素、ホルモン、抗体およびその抗原結合フラグメント、ならびに単鎖抗体)、ペプチド、アミノ酸、糖タンパク質、細胞受容体のリガンド、ポリサッカライド、炭水化物、核酸(例えば、DNAおよびRNA)、ヌクレオシド、ヌクレオチド、アプタマー、ペプチジル核酸、細胞受容体、酵素基質、酵素補因子、ビオチン、ホルモン、神経伝達物質、増殖因子、サイトカイン、リンホカイン、レクチン、セレクチン、脂質、脂質集合体(例えば、ミセルまたは小胞)、および毒素が挙げられるが、これらに限定されない。限定されるものではないが、アシアロ糖タンパク質受容体、ソマトスタチン、神経成長因子、オキシトシン、ボンベシン、カルシトニン、アルギニンバソプレシン、アンギオテンシンII、心房性ナトリウム利尿ペプチド、インスリン、グルカゴン、プロラクチン、ゴナドトロピン、様々なオピオイドおよびウロキナーゼタイプのプラスミノーゲン活性化因子を含む、トランスフェリン、ビタミン、炭水化物および内部移行(internalizing)受容体を標的化するリガンドの標的化および送達、例えば葉酸媒介性標的化(Leamon & Low、Drug Discovery Today、6巻:44~51頁、2001年)に関与するものなどの他の生体分子を使用することができる。また、限定されるものではないが、ウイルスおよび細菌を含むいくつかの供給源に由来し得る膜、膜透過および核移行シグナル配列も企図される。生体分子には、有機分子、ポリマー、デンドリマー、細胞(例えば、哺乳動物細胞、非哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、胚細胞)、細菌、バクテリオファージ、ウイルス、生物、粒子、微粒子、またはナノ粒子も含まれ得る。生体分子には、限定
されるものではないが、光線療法または放射線療法分子を含む治療用薬物分子も含まれ得る。
【0071】
本発明の蛍光色素化合物は、以下のタイプの造影剤またはプローブ:分子プローブ、活性化可能なプローブ、酵素活性化可能なプローブ、量子ドットベースのイメージングプローブ、ナノ粒子ベースのイメージングプローブ、生体分子を標的化したプローブ、波長偏移ビーコン、多色プローブ、標的に高い結合親和性を有するプローブ、非特異的イメージングプローブ、細胞ベースのプローブ、二重様式(dual modality)剤、光学/CT二重様式剤(例えば、CT剤に物理的または化学的に結合した光学的剤)、光学/MR二重様式剤(例えば、MR剤に物理的または化学的に結合した光学的剤)、光学/核二重様式剤(例えば、放射性原子にまたは放射性原子と物理的または化学的に結合した光学的剤)、および/またはそれらの任意の組合せ、の一つまたは複数を作り出すために使用され得る。
【0072】
化学的に連結された生体分子を含む本発明の化合物は、生体分子に化学的に連結されていない化合物と比較して、増強された蛍光を有することができる。ある特定の実施形態では、蛍光は、連結されていない化合物と比較して、約10%、約25%または約50%増強されている。本発明の化合物に化学的に連結されている生体分子は、in vivoおよび/またはin vitroでの分子の蓄積、体内分布、排除、標的化、結合および/または認識を変えてもよく、増強させてもよい。
【0073】
一つまたは複数の生体分子は、いくつかの反応性官能基を含有する多価の連結またはリンカーを介してZ、PMB、および/またはZに化学的に連結されて、構造(Z-(PMB)-Z)-((L)(BM)[Lは、リンカーもしくはスペーサ、または多価のスペーサもしくはリンカーであり、BMは、生体分子であり、Z、Z、およびPMBは、既に定義されている通りであり、t=1~6、v=1~500およびr=1~500であり、(L)は、vが1を超える場合、同じリンカーのコピーまたは異なるリンカーの組合せを表す]の生体適合性である蛍光性分子を形成することができる。
【0074】
本発明の化合物に適したリンカー部分の例は、既に文献(米国特許出願第2002/0064794号(2002年)、米国特許第6,086,737号、米国特許第6,048,982号、米国特許第6,747,159号、および米国特許第6,448,008号参照)に記載されている。
【0075】
本発明の1種超の蛍光色素化合物は、単一の生体分子に化学的に連結され得ると理解される。このような構造の一例は、[Z-(PMB)-Z-BM(u=1~500であり、Z、Z、PMB、およびBMは、先に定義した通りである)と表され得る。
【0076】
開示の化合物の塩も企図され、それには、塩基付加塩および酸付加塩の両方が含まれる。本発明の化合物は、適切な有機または無機塩基と反応して塩基付加塩を形成することができる、一つまたは複数の十分に酸性のプロトンを有することができる。塩基付加塩には、無機塩基、例えばアンモニウム、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等、ならびに有機塩基、例えばアルコキシド、アルキルアミド、アルキルおよびアリールアミン等に由来する塩が含まれる。したがって、本発明の塩を調製するのに有用なこのような塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム等が含まれる。
【0077】
十分に塩基性の基、例えばアミンを有する本発明の化合物は、有機または無機酸と反応して、酸付加塩を形成することができる。塩基性の基を有する化合物から酸付加塩を形成するために一般に用いられる酸は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸、リン酸等、および有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-ブロモフェニル-スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等である。このような塩の例として、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-二酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、マンデル酸塩等が挙げられる。
【0078】
例えば、式Iの化合物は、式Ia、IbおよびIc
【化22】

またはその塩によって表され得、式中、
およびXは、独立に、O、S、Se、C(CHCH)から選択され、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、H、(CH(n=1~20)から選択され、
、R、R13およびR14は、それぞれ独立に、H、(CH(n=0~20)から選択され、Xは、独立に、H、ハロゲン、CH、SOH、SO-、COOH、NCS(イソチオシアネート)、NCO(イソシアネート(iscocyanate))、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル(NHSS)エステル、ヒドロキシ(OH)、チオール(SH)、マレイミド、フタルイミド、ヨードアセトアミド、CN、NH、CONHR、アルキン、アジド(N)、SONX、Xで任意選択によりさらに置換されているアリールから選択され、
およびR10は、Hまたはハロゲンまたはアルキル基であり、RおよびRまたはRおよびR10は、任意選択により、一緒になって5員または6員または7員の環を形成し、WおよびWは、ベンゾまたはナフトまたはピリジルを含むアリール環を形成するのに必要な原子であり、R11は、独立に、COOH、CN、F、NO、COCF、CF、COOR、CONHR、CO(CHRから選択され、Rは、HまたはCOOHまたはSOHまたはNHまたはSHまたはアルキル、またはXで任意選択によりさらに置換されているアリール、またはポリエチレングリコール(PEG)単位
【化23】

である。
【0079】
ある特定の実施形態では、Xは、-NH、-OH、-SH、-SOH、カルボキシル、-COCl、-(CO)O(CO)R16、-CONHNH、置換および非置換N-ヒドロキシスクシンイミド(hydroxysuccinimido)エステル、置換および非置換N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、ニトロ-またはフルオロ-フェノールエステル、アジド、-NCS、-CHO、アジド、-COCHI、ホスホルアミダイト、フタルアミド、ならびにマレイミドからなる群から選択され、R16は、H、アルキルおよびアリールからなる群から選択される。
【0080】
他の実施形態では、XおよびXは、-C(CHである。
【0081】
およびWは、同じであっても異なっていてもよいと理解される。例えば、WおよびWは、
【化24】

からなる群から選択され得る。縮合環上に一つまたは複数の非水素置換基を組み込むことを使用して、得られる色素の吸収および発光スペクトルを調整することができる。
【0082】
ある特定の実施形態では、化合物は、以下のうちの一つまたはその塩である。
【化25-1】

【化25-2】

【化25-3】

[R11およびR12は、独立に、COOH、CONHR、CN、O=C-フェニル、COCHRであり、R=Hまたは
【化25-4】

(CHCOOR’または(CH)nCHまたは(CHSOHまたは(CHSO であり、R’=アルキルまたはアリールである。]
【化26-1】

【化26-2】

【化26-3】
【0083】
本発明の化合物が、環およびポリメチン架橋における二重結合の位置を示す構造によって本明細書に図示される場合、その構造は、例えば以下の図に示されている通り、任意の共鳴構造を包含することも理解されたい。
【化27】

式中、先の構造のそれぞれにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R13、R14、W、W、X、XおよびXは、本明細書で定義の通りである。
【0084】
一般に、本明細書に開示の化合物は、以下の通り合成することができる。まず、四級化複素環であるZを調製する。次に、複素環式塩基を、求電子試薬であるポリメチン架橋(PMB)、例えばPhNH-PMB-CH=NHPh.HCl、またはRO-PMB-CH(OR)(PMBは、コンジュゲートした二重結合鎖(CH=CH)-からなり、このような鎖は、その一部として4,4-二置換シクロヘキシル架橋部分を含み、Phはフェニル環であり、Rは、メチルまたはエチル基である)と反応させると、ヘミシアニン、例えばZ-PMB-CH=NHPhまたはZ-PMB-CH=NAcPh(Acはアセチルラジカルである)またはZ-(CH=CH)-ORが得られる。次に、これらの中間体を、異なる第四級複素環であるZと反応させる。官能化されたサイドアームは、第1(Z)または第2(Z)の四級化複素環のいずれかに結合している。最終的に、非対称性ポリメチン標識試薬、Z-PMB-Zが得られる。ヘミシアニン中間体の例は、F. M. Hamer、「Some Unsymmetrical Pentamethincyanine Dyes and their Tetramethin Intermediates」、J. Chem. Soc.、32巻(1949年)、ならびにR. B. Mujumdar、L. A. Ernst、Swati R. Mujumdar、C. J. LewisおよびA. S. Waggoner、「Cyanine Dye Labelling Reagents: Sulfoindocyanine Succinimidyl Esters」、Bioconjugate Chemistry、4巻、105頁(1993年)に記載されている。
【0085】
別の態様では、本発明は、一般構造式Vの化合物を提供する。
【化28-1】

式中、R11およびR12は、独立に、COOH、CONHR、CF、ハロゲン、CN、O=C-フェニル、COCHRであり、R=Hまたは
【化28-2】

(CHCOOR’または(CH)nCHまたは(CHSOHまたは(CHSO であり、R’=アルキルまたはアリールであり、Phはフェニル基であり、これは、F、Cl、Br、I、OMe、NMe、NO、CN、CF、アルキルのうちの一つで任意選択により置換されている。
【0086】
ある特定の他の実施形態では、式45aおよび45bによって表される以下の構造が企図され、式中、R’は、アルキルまたはアリールである。
【化29】
【0087】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、式III-[BM]-F(BMは、生体分子であり、Fは、式1a、1bまたは1c(前述の通り)によって表されるフルオロフォアであり、n=1~4であり、m=1~100である)によって表される通り、生物学的分子または生体分子(BM)に化学的に連結され得る。得られた化合物-生体分子のコンジュゲートは、例えば生物学的分子と標的の相互作用に起因して、例えば受容体-リガンドの相互作用、酵素-基質の相互作用、抗体-抗原の相互作用等を介して、標的に高い結合親和性を有することができる。他の実施形態では、一般形態[Z-(PMB)-Z]-BMの、化学的に連結されているこのような化合物は、例えば以下の通りに表され得る。
【化30】

式中、先の構造のそれぞれにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R13、R14、W、W、X、XおよびXは、本明細書で定義の通りであり、Yは、対イオンであり、BMは、生体分子である。先の構造は例示的であり、生体分子(BM)は、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R13、R14、W、W、X、XおよびXと同定される基の任意の一つまたは複数を介して、このような化合物に化学的に連結され得ると理解される。
【0088】
本発明の別の態様は、生物学的分子と、式I-A、I-B、I-C、I-DまたはIIの化合物などの本明細書に記載の化合物との反応によって形成されたコンジュゲート化合物を提供する。
【0089】
本発明の別の態様は、-L-BMによって定義される1、2または3個の基でさらに置換されている、本明細書に記載の化合物(例えば、式I-A、I-B、I-C、I-DまたはIIの化合物)であるコンジュゲート化合物を提供し、ここで、Lは結合またはリンカーであり、-BMは生物学的分子のラジカルである。
【0090】
化合物は、以下の通り生体分子または細胞で標識され得る。本発明の化合物(蛍光色素)は、様々な濃度において約5分間~24時間またはそれより長く、約4℃~約37℃の温度で一つまたは複数の生体分子と共にインキュベートされる。インキュベーション後、遊離蛍光色素、または生体分子に化学的に連結されなかった蛍光色素は、例えばクロマトグラフィーまたは限外濾過法などの当業者に公知の方法を使用して除去され得る。
【0091】
細胞を、インキュベーション後に遠心分離して、上清が除去されている細胞ペレットを作り出すことができる。細胞を、培養培地または生理食塩水に再度懸濁させて、残留蛍光色素、結合していない蛍光色素、または遊離蛍光色素を洗い流すことができる。これを数回反復してもよい。この方式では、内部もしくは外部の細胞分子への直接的なコンジュゲートによって、または限定されるものではないがサイトゾル、エンドソーム、核、ゴルジ装置、および他の細胞内小器官を含む様々な細胞内区画への非特異的な細胞取込みによって、細胞を標識することができる。
【0092】
開示の化合物および/または組成物を、キットとしてパッケージングすることができ、このキットは任意選択により、化合物を使用するための指示を含むことができる。非限定
的な例として、例えば粉末または凍結乾燥形態の組成物、ならびにin vivoおよび/またはin vitroでの利用のための再構成、投与量情報および保存情報を含む使用のための指示を含有するキットが挙げられる。キットは、任意選択により、使える状態のまたは投与のために溶液とさらに混合する必要がある液体形態の組成物の容器、例えば粉末形態を再構成するためのバイアル、注射のためのシリンジ、特製のIV送達システム、吸入器等を含有することができる。このような容器は、対象への単一または複数用量を含有することができる。さらにキットは、in vivoまたはin vitroにおける組成物の検出に役立つ構成要素、例えば特殊内視鏡、光フィルタを含有することができる。
【0093】
生体分子に化学的に連結されている化合物を含む、本明細書に開示の化合物は、対象、例えば動物またはヒト対象に投与するのに適した医薬組成物に製剤化することができる。したがって製剤は、化合物を、投与の所望の形態および/または用量に適した生理的に許容される担体と一緒に含む。生理的に許容される担体として、水、食塩水を挙げることができ、これには、緩衝剤などの剤、および医薬製剤における使用に適合する保存剤などの他の剤がさらに含まれ得る。好ましい担体は、流体、好ましくは液体、より好ましくは水溶液であるが、固体製剤、局所製剤、吸入製剤、眼科用製剤、および経皮製剤のための担体も、本発明の範囲に含まれることが企図される。
【0094】
さらに医薬組成物は、生理的に許容される担体に一つまたは複数の安定剤を含むことができる。このような組成物における使用に適した安定剤の例として、例えば、低分子量炭水化物、例えば直鎖多価アルコール、例えばソルビトールおよびグリセロールが挙げられる。イノシトールなどの他の低分子量炭水化物を使用することもできる。
【0095】
本発明の化合物は、経口または非経口投与され得ることが企図される。非経口投与では、化合物は、静脈内、筋肉内、皮膚、経皮、皮下、直腸内、経鼻、膣内、および眼に投与され得る。したがって組成物は、例えば、固体錠剤、カプセル、丸剤、凍結乾燥散剤を含む散剤、コロイド懸濁液、ミクロスフェア、リポソーム顆粒、懸濁液、エマルション、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ギプス、灌注溶液、水薬、浸透圧送達デバイス、坐剤、浣腸、注射剤、移植片、スプレー、またはエアロゾルの形態であってよい。医薬組成物は、従来の薬務に従って製剤化され得る(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、2000年、A.R. Germaro編、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology、J. SwarbrickおよびJ. C. Boylan編、1988~1999年、Marcel
Dekker、New York参照)。
【0096】
III.本発明の蛍光色素化合物の利用
本発明の化合物は、様々なin vivoおよびin vitroでの用途において使用され得る。これらの用途を、以下の部分に論じる。
(a)in vivoでの用途
【0097】
本発明は、様々なイメージング用途、例えば光学イメージング用途で使用することができる新規蛍光性化合物を提供する。光学イメージング技術の総説については、例えば、Alfanoら、Ann. NY Acad. Sci. 820巻:248~270頁、1997年;Weissleder、Nature Biotechnology 19巻、316~317頁(2001年);Ntziachristosら、Eur. Radiol. 13巻:195~208頁(2003年);Gravesら、Curr. Mol. Med. 4巻:419~430頁(2004年);Citrinら、Exp
ert Rev. Anticancer Ther. 4巻:857~864頁(2004年);Ntziachristos、Ann. Rev. Biomed. Eng. 8巻:1~33頁(2006年);Kooら、Cell Oncol. 28巻:127~139頁(2006年);およびRaoら、Curr. Opin. Biotechnol. 18巻:17~25頁(2007年)参照。
【0098】
本発明の実施に有用なイメージングシステムは、典型的に、三つの基本的な構成要素、(1)本発明の蛍光色素化合物を励起するのに適切な光源、(2)蛍光色素の励起を誘発するために使用した光による発光を分離または識別するためのシステム、および(3)検出システムを含む。この検出システムは、手持ち式であってもよく、他の有用なイメージングデバイス、例えば内視鏡、カテーテル、術中顕微鏡および/もしくはビューアーに組み込むことができる。
【0099】
好ましくは、光源は、単色(または実質的に単色)光を提供する。光源は、適切にフィルタをかけた白色光、すなわち広帯域供給源からのバンドパス光であり得る。例えば、150ワットのハロゲンランプからの光を、Omega Optical(バーモント州Brattleboro)から市販されている適切なバンドパスフィルタに通過させることができる。システムに応じて、光源はレーザーであってもよい。例えば、Boasら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91巻:4887~4891頁、1994年;Ntziachristosら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97巻:2767~2772頁、2000年;およびAlexander、J. Clin. Laser Med. Surg. 9巻:416~418頁、1991年参照。イメージングのためのレーザーに関する情報は、例えばImaging Diagnostic Systems,Inc.(フロリダ州Plantation)および様々な他の供給源に見出され得る。高域または高バンドパスフィルタを使用して、励起光から光学発光を分離することができる。適切な高域または高バンドパスフィルタは、Omega Optical(バーモント州Burlington)から市販されている。
【0100】
一般に、光検出システムは、集光/画像形成構成要素および光検出/画像記録構成要素を含むとみなすことができる。光検出システムは、両方の構成要素を組み込む単一の集積デバイスであってもよいが、集光/画像形成構成要素および光検出/画像記録構成要素を、別個に論じる。
【0101】
特に有用な集光/画像形成構成要素は、内視鏡である。腹膜(Gahlenら、J. Photochem. Photobiol. B 52巻:131~135頁、1999年)、卵巣がん(Majorら、Gynecol. Oncol. 66巻:122~132頁、1997年)、結腸および直腸(Mycekら、Gastrointest.
Endosc. 48巻:390~394頁、1998年;およびSteppら、Endoscopy 30巻:379~386頁、1998年)、胆管(Izuishiら、Hepatogastroenterology 46巻:804~807頁、1999年)、胃(Abeら、Endoscopy 32巻:281~286頁、2000年)、膀胱(Kriegmairら、Urol. Int. 63巻:27~31頁、1999年;およびRiedlら、J.Endourol. 13巻:755~759頁、1999年)、肺(Hirschら、Clin Cancer Res 7巻:5~220頁、2001年)、脳(Ward, J. Laser Appl. 10巻:224~228頁、1998年)、食道、および頭頸部領域を含む数々の組織および臓器のin vivo光学イメージングに使用されている内視鏡デバイスおよび技術を、本発明の実施において用いることができる。
【0102】
他のタイプの集光構成要素は、光ファイバーデバイスを含むカテーテルベースのデバイスである。このようなデバイスは、血管内イメージングに特に適している。例えば、Tearneyら、Science 276巻:2037~2039頁、1997年;およびCirculation 94巻:3013頁、1996年参照。
【0103】
フェーズドアレイ技術(Boasら、Proc. Natl. Acad. Sci.
USA 91巻:4887~4891頁、1994年;Chance、Ann. NY
Acad. Sci. 838巻:29~45頁、1998年)、光学断層撮影法(Chengら、Optics Express 3巻:118~123頁、1998年;およびSiegelら、Optics Express 4巻:287~298頁、1999年)、生体内顕微鏡法(Dellianら、Br. J. Cancer 82巻:1513~1518頁、2000年;Monskyら、Cancer Res. 59巻:4129~4135頁、1999年;およびFukumuraら、Cell 94巻:715~725頁、1998年)、共焦点イメージング(Korlachら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96巻:8461~8466頁、1999年;Rajadhyakshaら、J. Invest. Dermatol. 104巻:946~952頁、1995年;およびGonzalezら、J. Med. 30巻:337~356頁、1999年)ならびに蛍光分子断層撮影法(FMT)(Nziachristosら、Nature Medicine 8巻:757~760頁、2002年;米国特許第6,615,063号、PCT出願第WO03/102558号、およびPCT US/03/07579)を含むさらに他のイメージング技術を、本発明の蛍光色素化合物と共に使用することができる。同様に、蛍光色素化合物は、様々なイメージングシステム、例えば、[1]IVIS(登録商標)イメージングシステム:100シリーズ、200シリーズ(Xenogen、カルフォルニア州Alameda)、[2]SPECTRUMおよびLUMINA(Xenogen、カルフォルニア州Alameda)、[3]SoftScan(登録商標)またはeXplore Optix(商標)(GE Healthcare、英国)、[4]Maestro(商標)およびNuance(商標)-2 Systems(CRi、マサチューセッツ州Woburn)、[5]Carestream Molecular Imaging(ニューヨーク州Rochester)製のImage Station In-Vivo FX(かつてのKodak Molecular Imaging Systems)、[6]OV100、IV100(Olympus Corporation、日本)、[7]Cellvizio Mauna Kea Technologies、フランス)[8]NanoSPECT/CTまたはHiSPECT(Bioscan、ワシントンDC)、[9]CTLM(登録商標)またはLILATM(Imaging Diagnostic Systems、フロリダ州Plantation)、[10]DYNOTTM(NIRx Medical Technologies、ニューヨーク州Glen Head)、ならびに[11]Berthold Technologies(ドイツ)によるNightOWLイメージングシステムにおいて使用され得る。
【0104】
このようなシステムでは、様々な光検出/画像記録構成要素、例えば電荷結合素子(CCD)システムまたは写真フィルムを使用することができる。光検出/画像記録の選択は、使用される集光/画像形成構成要素のタイプを含む因子に応じて決まる。しかし、適切な構成要素の選択、光学イメージングシステムへの構成要素の組入れ、およびシステムの操作は、当技術分野の通常の技術の範囲内であると理解される。
【0105】
光学イメージングおよび測定技術として、蛍光イメージング、ルミネッセンスイメージング、内視鏡検査、蛍光内視鏡検査、光干渉断層計、透過イメージング、時間分解透過イメージング、共焦点イメージング、非線形顕微鏡法、光音響イメージング、音響光学型イメージング、分光法、反射分光法、生体内イメージング、二光子イメージング、干渉法、
コヒーレンス干渉法、拡散光学断層撮影法、および蛍光分子断層撮影法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
注射の蛍光色素化合物は、固体支持体、例えば粒子にカップリングされるか、またはそれらの内部に組み込まれ得ることが企図される。したがって、蛍光色素化合物は、蛍光性でもある粒子を生成するために、磁気特性を有する金属酸化物ナノ粒子にカップリングされ得ると理解される。したがって、得られた粒子は、当技術分野で公知の技術を使用して、MRIイメージングで使用されてもよい。MRI技術の総説については、Westbrook、Handbook of MRI Technique、第2版、1999年、Blackwell Science参照。例えば、蛍光性分子断層撮影法および磁気共鳴イメージングによって得られた画像が、互いに位置合わせされるか(co-register)または融合されて、画像化される項目に関する追加の情報を提供し得ることは可能である。さらに、多重様式のイメージングシステム(すなわち、光学的およびMRイメージングシステムを組み合わせたもの)を使用して、組み合わされた光学的MR画像を作り出すことができる。
【0107】
さらに、本発明の組成物および方法は、他のイメージング組成物および方法と組み合わせて使用され得る。例えば、本発明の蛍光色素化合物は、単独で、または他の従来のイメージング様式、例えばX線、コンピュータ断層撮影法(CT)、MRイメージング、超音波、陽電子放出断層撮影法(PET)、および単光子コンピュータ断層撮影法(SPECT)と組み合わせて、光学イメージングプロトコールを介して目的の領域を画像化するために使用され得る。例えば、本発明の組成物および方法を、CTまたはMRイメージングと組み合わせて使用して、例えば別のイメージング様式によって生成された画像を位置合わせすることによって、解剖学的および分子的情報の両方を同時に得ることができる。本発明の組成物および方法は、X線、CT、PET、超音波、SPECT、MRおよび他の光学コントラスト剤と組み合わせて使用されてもよいか、または代わりに本発明の蛍光色素化合物は、光学イメージングと組み合わせてCT、PET、SPECTおよびMRイメージング様式を使用して検出することができる、ヨウ素、ガドリニウム原子および放射性同位元素などの造影剤を含有することもできる。
【0108】
in vivo光学イメージングの例示的な方法は、(a)対象、例えばヒトまたは動物に、本発明の蛍光性化合物を投与するステップと、(b)蛍光色素化合物が対象内に分布するか、または生物学的標的と接触もしくは相互作用するのに十分な時間を設けるステップと、(c)対象を、電磁放射線、例えば蛍光色素化合物によって吸収可能な波長の光に曝露するステップと、(d)蛍光色素化合物によって放出された光学シグナルを検出するステップとを含む。
【0109】
対象は、脊椎動物、例えばヒトを含む哺乳動物であり得ると理解される。また動物は、非脊椎動物(例えば、C.elegans、Drosophilaまたは他のモデル研究生物等)であってもよい。生物学的標的として、細胞、細胞培養物、組織、組織切片、臓器、臓器切片、サイトスピン試料、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0110】
例えばステップ(a)~(d)を含む上述のステップは、所定の時間間隔で反復され得、それによって対象において放出された蛍光色素化合物のシグナルの経時的な評価を可能にし得る。照射および検出ステップ(それぞれステップ(c)および(d))は、平面イメージングシステム、内視鏡、カテーテル、断層撮影システム、手持ち式の光学イメージングシステム、ゴーグル、または術中顕微鏡を使用して実施され得る。蛍光色素化合物によって放出されたシグナルは、画像、例えば断層画像を構築するために使用され得る。
【0111】
これらのステップの前または最中に、検出システムは、対象から放出された光学的および/または他のシグナル(例えばMR、核、X線)を検出するために、対象(例えば動物またはヒト)の周りまたはその近傍に位置することができる。放出された光学的および/または他のシグナルは、画像、例えば断層画像または平面画像を構築するために処理され得る。さらに、処理されたシグナルは、単独で、または融合(組み合わされた)画像のいずれかの画像として表示され得る。
【0112】
さらに、一つまたは複数の造影剤を選択的に検出し、同時に画像化するin vivoイメージング方法を実施することが可能である。このような手法では、例えば前述のステップ(a)において、シグナル特性が互いに識別可能な2種類またはそれより多くの種類の造影剤が、同時または連続的に対象に投与され、造影剤の少なくとも一つは、本発明の蛍光色素化合物を含有する。複数の剤を使用すると、複数の生物学的プロセス、機能または標的の記録が可能になる。
【0113】
本発明はまた、標識された細胞が対象に投与されるin vivoイメージング方法を特色とする。細胞は、ex vivoで蛍光色素化合物により標識することができる。細胞は、対象に直接由来してもよく、別の供給源(例えば、別の対象、細胞培養物等)に由来してもよい。蛍光色素化合物は、細胞と混合されて、細胞を有効に標識することができ、得られた標識細胞はステップ(a)で対象に投与されて生じる標識細胞を有効に標識することができる。次に、ステップ(b)~(d)を下記の通りに行う。この方法は、T細胞、腫瘍細胞、免疫細胞および幹細胞を含む特定の細胞型、ならびに他の細胞型の輸送および局在をモニタするために使用され得る。特に、この方法は、細胞ベースの治療をモニタするために使用され得る。
【0114】
蛍光色素化合物の製剤化、投与方法の選択、対象に投与される蛍光色素化合物の投薬量、および蛍光色素化合物の投与と光(および、その環境下で適切な場合、他の形態の電磁放射線も)へのそれらの曝露との間のタイミングは、当技術分野の技術レベルの範囲内であると理解される。
【0115】
本発明の方法は、対象における蛍光色素化合物の局在を経時的に追跡するか、または対象における蛍光色素化合物の代謝および/もしくは排泄の変化もしくは変質を経時的に評価することを含み、いくつかの兆候を決定するために使用され得る。上記方法はまた、限定されるものではないが、有効性、最適なタイミング、最適な投与レベル(個々の患者または試験対象に合わせることを含む)、および治療の組合せの相乗効果を決定することを含めて、このような治療によってモジュレートされた分子的事象および生物学的経路を画像化することによって、このような疾患の治療の次に来るように使用されてもよい。
【0116】
本発明の方法および組成物はまた、医師または外科医が、疾患領域、例えば関節炎、がん、特に結腸ポリープ、または脆弱もしくは不安定なプラークを同定し、特徴付けて、疾患状態の組織と通常の組織を識別する(例えば、通常の手術用顕微鏡を使用して検出することが困難な腫瘍境界を検出すること)のを助ける、例えば、脳外科手術において、例えば病変ががん性であり除去されるべきかもしくは非がん性であり静置されるべきかを決定することによる、または疾患の外科的ステージ分類(例えば、術中のリンパ節のステージ分類、センチネルリンパ節マッピング、もしくは術中出血の評価)における治療的もしくは外科的介入の決定を助けるためか、または腫瘍境界を描くために使用され得る。
【0117】
本発明の方法および組成物はまた、疾患、特に初期疾患の局在、疾患もしくは疾患関連状態の重症度、疾患のステージ分類の検出、特徴付けおよび/もしくは決定、ならびに/または疾患のモニタリングに使用され得る。放出されたシグナルの存在、非存在またはレベルは、病状を示し得る。本発明の方法および組成物はまた、様々な治療介入、例えば外
科手順をモニタおよび/または案内し、細胞ベースの治療を含む薬物治療をモニタするために使用され得る。本発明の方法はまた、疾患または疾患状態の予後において使用され得る。
【0118】
前述のそれぞれに関して、(治療の前、最中または後に)検出またはモニタされ得るこのような疾患または疾患状態の例として、例えば、炎症(例えば、関節炎によって引き起こされた炎症、例えば関節リウマチ)、がん(例えば、結腸直腸、卵巣、肺、乳房、前立腺、子宮頸部、精巣、皮膚、脳、胃腸管、膵臓、肝臓、腎臓、膀胱、胃、白血病、口、食道、骨)、心血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症および血管の炎症状態、虚血、脳卒中、血栓症、播種性血管内凝固)、皮膚疾患(例えば、カポジ肉腫、乾癬、アレルギー性皮膚炎)、眼疾患(例えば、黄斑変性症、糖尿病性網膜症)、感染性疾患(例えば、後天性免疫不全症候群、マラリア、シャーガス病、住血吸虫症を含む、細菌、ウイルス、真菌および寄生虫の感染症)、免疫疾患(例えば、自己免疫性障害、リンパ腫、多発性硬化症、関節リウマチ、真性糖尿病、紅斑性狼瘡(lupus erythematosis)、重症筋無力症、グレーブス病)、中枢神経系疾患(例えば神経変性疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、プリオン病)、遺伝性疾患、代謝性疾患、環境疾患(例えば、鉛、水銀および放射能の中毒症、皮膚がん)、骨に関係する疾患(例えば、骨粗鬆症、原発性および転移性骨腫瘍、変形性関節症)、神経変性疾患、および外科手術に関係する合併症(例えば、移植片拒絶、臓器拒絶反応、創傷治癒の変質、線維症、または外科的移植に関係する他の合併症)が挙げられる。
【0119】
したがって、本発明の方法および組成物は、例えば、腫瘍細胞の存在および/または局在、例えばアテローム性動脈硬化症または関節炎における活性化マクロファージの存在を含む、炎症の存在および/または局在、冠動脈および末梢動脈において急性閉塞の危険性がある領域(すなわち、脆弱なプラーク)、拡大動脈瘤の領域、頸動脈の不安定なプラークおよび虚血領域を含む、血管疾患の存在および局在を決定するために使用され得る。本発明の開示の方法は、例えばアポトーシス、壊死、低酸素症および血管新生の同定および評価において使用され得る。あるいは、開示の方法はまた、例えば治療用化合物または治療で処置する前、および処置した後の対象を画像化し、対応する画像を比較することによって、特定の分子標的に対する治療用化合物または治療の効果を評価するために使用され得る。
【0120】
(b)in vitroでの用途
さらに、蛍光色素化合物は、様々なin vitroアッセイ、例えば結合実験およびin vitroイメージング実験でもまた使用され得ると理解される。先のセクションで論じたイメージング技術は、in vitroイメージング実験にも利用できると理解される。
【0121】
例示的なin vitroイメージング方法は、(a)試料を、本発明の蛍光色素化合物を含むプローブと接触させるステップと、(b)蛍光色素化合物を、(i)生物学的標的によって活性化し、かつ/または(ii)生物学的標的に結合させるステップと、(c)任意選択により、活性化していないかまたは結合していない蛍光色素化合物を除去するステップと、(d)試料を、蛍光色素化合物によって吸収可能な波長の電磁放射線、例えば光に曝露するステップと、(e)蛍光色素化合物から放出されたシグナルを検出し、それによってプローブが生物学的標的によって活性化されたか、または結合されたかを決定するステップとを含む。
【0122】
試料は、例えば初代細胞、細胞培養物または組織を含有する液体または固体試料であり得る。生物学的標的は、例えば細胞、細胞凝集体、組織もしくは組織試料、構造(マクロセルレベル(例えば、骨または組織)または細胞内レベル(例えば、ミトコンドリアまた
は核)の両方)、および細胞成分、例えばタンパク質(例えば、酵素または構造的タンパク質)、脂質、核酸または多糖であり得る。
【0123】
蛍光色素化合物は、様々なin vitroリガンド結合アッセイで使用され得、したがって磁気粒子に組み込まれると、磁気検出ベースのアッセイにおいて使用され得る(米国特許第6,046,585号および同第6,275,031号、米国特許第5,445,970号、米国特許第4,219,335号、Chemlaら(2000年)Proc
Natl Acad. Sci USA 97巻、14268~72頁参照)。また蛍光色素化合物は、米国特許第5,164,297号およびPerezらNature Biotechnol. 2002年、20巻(8号):816~20頁に記載のものなどの磁気共鳴ベースのリガンド結合アッセイにおいて使用され得る。蛍光色素化合物は、細胞選別および計数用途で使用されてもよい。
【0124】
蛍光色素化合物はまた、核酸ベースのアッセイにおいてレポーター基として使用され得る。例えば、蛍光色素化合物は、ハイブリダイゼーションアッセイ、例えばin situハイブリダイゼーションアッセイ、配列決定反応、増幅反応、例えばリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応増幅反応において使用するために、核酸、例えばDNAまたはRNA、修飾核酸、PNA、分子ビーコン、または他の核酸結合分子(例えば、低分子干渉RNAすなわちsiRNA)とカップリングさせられ得る。例えば、核酸ハイブリダイゼーション原則によって、試料中の一本鎖核酸(すなわち、mRNA、cDNAまたは変性二本鎖DNA)を検出するために、本発明の蛍光色素化合物を、一本鎖核酸(プローブ)に化学的に連結させ、一つまたは複数の一本鎖核酸(標的核酸)を含有すると疑われる試料と接触させ、任意選択により固体支持体上に固定する。プローブは、プローブが試料中の標的核酸にハイブリダイズして二本鎖を形成することを可能にする条件下で、試料と共にインキュベートされる。非結合プローブは、洗浄によって除去され得、結合したプローブは検出され得、プローブ中の蛍光色素化合物によって放出された蛍光の存在またはレベルは、試料中の標的核酸の存在または量を示す。
【0125】
(c)ex vivoでの用途
さらに、蛍光色素化合物は、様々なex vivoアッセイ、例えば結合実験、およびex vivoイメージング実験で使用され得ると理解される。先のセクションで論じたイメージング技術は、ex vivoイメージング実験にも利用できると理解される。
【0126】
例示的なex vivoイメージング方法は、(a)試料を、本発明の蛍光色素化合物を含むプローブと接触させるステップと、(b)蛍光色素化合物を、(i)生物学的標的によって活性化し、かつ/または(ii)生物学的標的に結合させるステップと、(c)任意選択により、活性化していないかまたは結合していない蛍光色素化合物を除去するステップと、(d)試料を、蛍光色素化合物によって吸収可能な波長の電磁放射線、例えば光に曝露するステップと、(e)蛍光色素化合物から放出されたシグナルを検出し、それによってプローブが生物学的標的によって活性化されたか、または結合されたかを決定するステップとを含む。
【0127】
試料は、例えば初代細胞、細胞培養物または組織を含有する液体試料または固体試料であり得る。生物学的標的は、例えば細胞、細胞凝集体、組織もしくは組織試料、構造物(マクロセルレベル(例えば、骨 臓器または組織)または細胞内レベル(例えば、ミトコンドリアまたは核))の両方、および細胞成分、例えばタンパク質(例えば、酵素または構造的タンパク質)、脂質、核酸または多糖であり得る。
【0128】
ここで本発明を、単に例示する目的で示され、本発明の範囲を制限するものではない以下の実施例を用いて例示する。
【実施例
【0129】
本発明の化合物の調製に使用できる代表的な材料および方法を、以下にさらに記載する。あらゆる市販の化学薬品および溶媒(試薬グレード)は、一般に、さらなる精製なしに供給されたまま使用される。分析および分取HPLC法は、以下を含む。
A カラム:Agilent Zorbax 80Å、Extend C18、4.6×250mm(5μm)。
移動相:アセトニトリル、25mM酢酸トリエチルアンモニウム。
B カラム:Varian Dynamax、100Å、C18、41.4×250mm。
移動相:アセトニトリル、25mM酢酸トリエチルアンモニウム。
C カラム:Phenomenex Jupiter、300Å、C18
移動相:アセトニトリル、25mM酢酸トリエチルアンモニウム。
【0130】
(実施例1)化合物1gの合成
式1の反応性N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHSE)としての化合物1gの合成を、以下のスキーム3Aに図示した複数ステップの合成手順によって達成した。
【化31】
【0131】
QS1Aの調製:5-スルホ-2,3,3-トリメチルインドレニン(indolinine)を、カリウム塩(1)として、Syntharo Fine Chemicals、ドイツから得た。110℃のオーブンで最短3時間乾燥させたインドレニン(化合物1)10gを、100mLの丸底フラスコ中で、常に磁気により撹拌しながら120℃の油浴で8時間加熱することによって、N-メチルピロリジノン(Aldrich)10m
L中1.5当量の1,3-プロパンスルトン(TCI America)と反応させた。黄色反応混合物が濃い紫色に変わり、生成物が溶液から沈殿した。室温に冷却した後、酢酸エチルを反応混合物(RM)に添加し、5分間超音波処理した。沈殿物を濾過し、酢酸エチル(EA)-メタノールの90%~10%混合物約100mLで3回洗浄し、次に真空下で4時間乾燥させた。収率90%で得られた第四級塩QS1Aを、LCMSによって特徴付けた(m/e算出値:361(遊離スルホン酸として);実測値:361(M+1))。
【0132】
ビスアニル(bisanil)9の調製:化合物9を、米国特許第5876915号(1999年3月2日付け)に記載のDerooverらの手順に従って、以下のスキームに示されている通り、三つのステップで調製した。中間体AおよびBを、蒸留によって単離して、それぞれ13gおよび10gを得た。化合物Bを、ビルスマイヤー反応によって化合物9に変換し、生成物を、濾過し、真空下で終夜乾燥させることによって、暗赤色固体として単離した。
【化32】
【0133】
化合物1aの調製:化合物9(100mg、0.214mmol)および化合物QS1A(171mg、0.418mmol)を、酢酸2.5mLおよび無水酢酸7.5mL中で混合した。2分間超音波処理した後、酢酸ナトリウム35mgを添加し、混合物を120℃で撹拌しながら4時間加熱した。酢酸エチル(25mL)を添加し、固体を遠心分離し、それを追加のEA5mLで洗浄し、遠心分離し、固体をspeed vacで30分間乾燥させた。粗製色素を、HPLCによって、逆相(RP)C18カラムにより、10~50%重炭酸トリエチルアンモニウム(TEAB)-アセトニトリル(ACN)系を使用して精製した。精製した生成物を、LCMSによって特徴付けた。質量算出値:968.2(遊離スルホン酸として);質量実測値:969.2(M+1);収率:50%。
【0134】
1bの調製:蒸留水0.8mLに溶解させた50mgの精製化合物1aに、1M水酸化ナトリウム0.8mLを添加し、反応混合物を暗室内で室温において回転させた。90分後、50%酢酸水溶液1mLを添加した。薄黄色反応混合物は、酸性化すると緑青色に変わった。それを、RPC18カラムにより、10~50%TEAB-ACN系を使用して精製した。純粋な生成物は、LCMSによって一酸エステルであることが同定された。質量算出値:940.2(遊離スルホン酸として);質量実測値:941.1(M+1);吸収749nm;発光771nm;ε240,000(1×PBS);収率80%。
【0135】
1cの調製:40mgの乾燥させた化合物1bを、2mLのポリプロピレン遠心分離管中、乾燥DMF0.5mLに溶解させた。HATU25mg、2-アミノエタンスルホン酸(タウリン)25mgおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(disopropyl ethylamine)(DIPEA)25μLを添加し、37℃で1時間反応させた。反応の完了は、LCMSによって示された。粗製反応混合物を25%酢酸水溶液2mLで希釈し、RPC18カラムにより、10~40%酢酸トリエチルアンモニウム(TEAAc、pH6.6)-ACN系を使用して精製した。質量算出値:1047.2(遊離スルホン酸として);質量実測値:1048.1(M+1)。吸収極大:水中749nm。収率:70%。
【0136】
1dの調製:30mgの化合物1cを、250mM水酸化リチウム溶液で室温において処理した。けん化は、2時間で完了した。得られた酸生成物を、RPC18カラムによって、5~25%TEAAc-ACN系を使用して精製した。吸収極大:751nm;発光極大:771nm(水/1×PBS中)。質量算出値:1019.2(遊離スルホン酸として);質量実測値:1020.1(M+1);収率:70%
【0137】
1eの調製:20mgの乾燥させた化合物1dを、HATU(20mg)、エチル-6-アミノヘキサノエート塩酸塩(25mg)およびDIPEA(15μL)のDMF(500μL)中混合物と、37℃で45分間反応させた。25%酢酸水溶液1mLで希釈した後、それをHPLCによって、RPC18カラムにより10~40%TEAAc-ACN系を使用して精製した。質量算出値:1160.3(遊離スルホン酸として);質量実測値:1161.2(M+1)。吸収極大:751nm;発光極大:771nm(水/1×PBS中)。収率:75%。
【0138】
1fの調製:化合物1eを、250mM水酸化リチウム溶液で室温において処理した。けん化は、1時間で完了した。得られた酸生成物を、HPLCによって、RPC18カラムにより5~30%TEAAc-ACN系を使用して精製した。吸収極大:751nm;発光極大:771nm(水/1×PBS中)。質量算出値:1132.2(遊離スルホン酸として);質量実測値:1133.3(M+1)。収率:85%。
【0139】
1gの調製:5mgの乾燥させた化合物1fに、ジスクシンイミジルジカーボネート(10mg)を添加し、乾燥DMF250μLを添加し、その後N-メチルモルホリン5μLを添加した。NHSEエステルの形成は、ブチルアミンとの試験反応によって、およびHPLC-LCMSにより分析することによって明らかになる通り、約2時間で完了した。NHSEを、酢酸エチル中で沈殿させることによって単離し、speed vacにより60分間乾燥させた。
【0140】
化合物1a~1gに関して先に記載した手順を、スキーム3B~3Sで合成される化合物に対して使用する。
【0141】
第四級塩を調製するための一般手順
インドール、ベンゾインドール(benzindole)、ベンゾオキサゾールおよびベンゾチアゾール(benzthiazole)(化合物2~5および10)のN-(プロパン-3-スルホネート)第四級塩を、スキームに示されている通り、1,2-ジクロロベンゼンまたはN-メチルピロリジノン(pyrrolidonone)中、複素環(5mmol)を1,3-プロパンスルトン(7.5mmol)と反応させることによって調製し、120℃で撹拌しながら8時間加熱した。生成物は、常に固体として形成され、それを濾過によって単離し、適切な有機溶媒混合物(ヘキサンの後に酢酸エチル、または酢酸エチル)で洗浄した。それらをLCMSによって特徴付けた。
【0142】
同様に、化合物1~5および10のN-エチル第四級塩を、スキームに示されている通り、1,2-ジクロロベンゼンまたはN-メチルピロリジノン中、複素環(5mmol)をヨウ化エチル(15mmol)と反応させることによって調製し、120℃で圧力管中、撹拌しながら8時間加熱した。生成物は、常に固体として形成され、それを濾過によって単離し、適切な有機溶媒混合物で洗浄した。1,2-ジクロロベンゼンを伴う反応については、ヘキサンの後に酢酸エチルを使用し、N-メチルピロリジノンを伴う反応については、酢酸エチルだけを使用した。生成物を、すべてLCMSによって特徴付けた。
【0143】
化合物1a~1gについて先に記載した手順を、合成スキーム3B、3C、3D、3E
、3F、3G、3H、3Iおよび3Jに図示した化合物の合成に対して行う。
【0144】
(実施例2)非対称性色素の合成
QS1Cの調製
【化33】
【0145】
10mmolの化合物1(酸として)を、POCl10mLと共に加熱して、2時間還流させた。冷却した反応混合物に、n-ヘキサン25mLを添加し、有機上清を安全に廃棄した。ガム状の固体を、rotovapにより真空下で数時間乾燥させて、残留オキシ塩化リンを除去した。スルホニルクロリド(sulfonlychloride)を、次のステップでそのまま使用した。収率:99%。
【0146】
50mmolの4-(N-メチル)-アミノ酪酸塩酸塩を、無水エタノール100mLに溶解させ、塩化チオニル(55mmol)を室温で激しく撹拌しながら注意深く添加することによって、エチルエステルに変換した。反応を室温で12時間かけて進行させた。窒素を反応フラスコにフラッシュし、溶液中に10分間吹き込んだ。溶媒をrotovapによって除去し、得られた白色固体を、高真空下で12時間乾燥させた。
【0147】
前述の通り得られたエチル(4-(N-メチル))-アミノブチレート塩酸塩を、乾燥アセトニトリル100mLに溶解させ、5℃に冷却した。10倍過剰のトリエチルアミンを添加し、激しく撹拌した。塩化スルホニルをアセトニトリル30mLに溶解させ、それを撹拌溶液に10分かけてゆっくり添加すると、その間に溶液が黄色に変わった。反応は30分間で完了し、それを室温まで温めた。白色トリエチルアミン塩酸塩を濾別し、冷却したアセトニトリルで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を、溶出のために3%ACN-94%CHCl-3%TEA混合物を使用して、シリカゲルによるクロマトグラフで処理した。生成物1Cは、使用した溶出剤が5%ACN-92%CHCl-3%TEAだったとき溶出した。それをLCMSによって特徴付けた。収率:75%。
【0148】
化合物1Cを、第四級塩の合成について記載した一般手順に従って、1,2-ジクロロベンゼンを溶媒として使用して、第四級塩QS1Cに変換した。収率:75%
【0149】
非対称性色素の合成のための一般手順:二つの異なる複素環から導出された二つの異なる第四級塩を使用する、非対称性色素の合成を伴うスキームでは、ビスアニル(化合物9)、二つの第四級塩を、それぞれ等モル量で使用したことを除き、化合物1aについて記載の手順に従った。その他はすべて本質的に同じであった。
【0150】
(実施例3)BSAとの化合物1bのコンジュゲーション
BSA(44.4nmol)3mgを、0.4MのMES緩衝液1.5mL、pH5.3に溶解させ、450nmolの化合物1b水溶液(10mMおいて45μL)を添加し、その後EDC25mgを添加した。混合物を、37℃で終夜(18時間)静置した。反
応混合物を水5mLで希釈し、2000rpmで30分間遠心分離することによって、30kDカットオフのAmicon Ultra-4、PLTK Ultacel-PL膜フィルタを介して濾過した。濾液が無色になるまで、生成物を1×PBS緩衝液で数回洗浄した。濃縮された生成物を定量化し、色素/タンパク質の比を、次式によって決定した。
【数1】

式中、Adyeは、750nmにおける色素の吸収であり、εは、タンパク質(BSA、43824)の消衰係数であり、A278は、278nmにおけるタンパク質の吸収であり、c%Adyeは、λmax、750nm(4%)における色素の吸収に関する278nmにおける吸収%であり、εdyeは、色素(1×PBS中240,000)の消衰係数である。また、生成物を、MALDI(Tuft’s University Core Facility、ボストン)によって特徴付け、色素の数を決定すると、BSA一つ当たり8.7であった。BSAにコンジュゲートした化合物1bの蛍光および吸光度の決定の結果を、図1に示す。
スキーム
【0151】
第四級塩の合成のためのスキーム1、シッフ塩基としての4,4-二置換シクロヘキシルビスアルデヒドの合成のためのスキーム2および2A、ならびに様々な式の色素の合成のための3B~3Tを、以下の頁に示す。
【化34-1】

【化34-2】

【化35】

【化36-1】

【化36-2】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】
【0152】
(実施例4)化合物4mの合成(スキーム3H)
A.化合物QS4Bの調製
2,3,3-トリメチルベンゾインドール-5,7-ジスルホネート(化合物4、3.1g、7mmol)を、乾燥DMF25mLに溶解させて、透明なオレンジ色の溶液を得た。ヨウ化エチル3mL(5.85g、37.5mmol、Aldrich)を添加し、溶液を封止管中130℃に16時間加熱した。濃い紫色に変わった反応混合物を冷却し、
エチルエーテル150mLに注いだ。混合物を遠心分離し、溶媒をデカントで除去した。固体生成物を、管中、3部の25mLの2-プロパノールでさらに洗浄した後、エーテル25mLで洗浄し、真空中で乾燥させた。濃い紫色の固体(85%)2.6gを得、MALDI-TOF-MSによって確認した。C1719NO のm/e算出値397.1[M]+、実測値397.6。
【化55】

B.化合物4mの調製
【0153】
化合物4mを、化合物QS4Bおよび9を使用して、4h~4lによって、化合物1fの合成について記載した手順と同じ手順に従って合成した。全収率は約15%であった。吸収極大:775nm(水)、780nm(MeOH);発光極大:795nm(水)、8053nm(MeOH)。
【化56】
【0154】
(実施例5)細胞の標識化
マウス脾細胞を、単一細胞懸濁液として調製し、脾細胞調製物中のT細胞亜集団を、B細胞およびマクロファージを除去するカラム(R&Dキット、マウスT細胞濃縮カラム、MTCC500)により、継代によって濃縮する。次に、T細胞を遠心分離して、細胞10個の細胞ペレットを作製する。上清を細胞ペレットから除去し、10mg/mLの1g(化合物1fのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル)溶液100μLを添加する。細胞を室温で5分間インキュベートし、その後2回遠心分離し、生理的緩衝液に再懸濁させて、結合していない化合物1fを洗い流す。細胞を蛍光顕微鏡法によって評価する。
【0155】
(実施例6)細胞標識化およびin vivoイメージング
マウス4T1の乳腺癌細胞を遠心分離して、細胞10個の細胞ペレットを作製する。上清を細胞ペレットから除去し、10mg/mLの化合物1fのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液100μLを添加する。細胞を、室温で5分間インキュベートし、その後、2回遠心分離し、生理的緩衝液に再懸濁させて、結合していない化合物1fを洗い流す。細胞を、蛍光顕微鏡法によって評価する。
【0156】
細胞を、マウス1匹あたり細胞5×10個でマウスに静脈内注射し、生存マウスを、注射直後および注射の24時間後に蛍光性分子断層撮影法によって画像化する。4T1細胞は、主に肺に転移するので、肺の蛍光を定量化することができる。
【0157】
(実施例7)化合物1f-ペプチドコンジュゲートによるFMTイメージング
化合物1fのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液を、Arg-Gly-Aspを含有するペプチドに塩基条件下で化学的に連結させて、in vivo光学イメージングのために生体適合性のある蛍光性分子を得る。
【0158】
腫瘍細胞株HT-29(ヒト結腸癌/HTB-38)を、ATCC(バージニア州Manassas)から得る。HT-29細胞を、5%COを含有する加湿雰囲気において、10%FBSを補充したMcCoy中、37℃で増殖させる。指数関数的に増殖する細胞をトリプシン処理し、ハンクス平衡塩類溶液に3×10個の細胞/mLの濃度で再懸濁させる。雌性NU/NUマウス6~8週齢(Charles River Laboratory、マサチューセッツ州Wilmington)において、第1の乳房脂肪体の両側に3×10個のHT-29細胞を皮下注射する。1週間後、腫瘍はおよそ30mmになり、マウスに、蛍光性分子(1×PBS150μL中)を静脈内注射し、24時間後に蛍光反射システム(FRI、Kodak 2000MM)システムおよびPerkinElmer,Inc.(マサチューセッツ州Waltham)製の蛍光断層撮影法システム(FMT2500)で画像化する。
【0159】
(実施例8)化合物1fによる骨成長のin vivoイメージング
化合物1fのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液を、生体分子を含有するビスホスホネートに塩基条件下で化学的に連結させて、in vivo光学イメージングのための生体適合性のある蛍光性分子を得る。
【0160】
5日齢のBALB/c×CF-1Fマウスに、蛍光性分子(1×PBS15μL中)を皮下注射し、24時間後に蛍光反射イメージング(FRI)システム(Kodak 2000MM)を使用して画像化する。骨成長のエリアを画像化する。
【0161】
(実施例9)ナノ粒子の標識化
化合物1fのN-ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液を、酸化鉄ナノ粒子のポリマー表面上に配置されたアミン基に化学的に連結させて、in vivo蛍光イメージングのための生体適合性のある蛍光性プラットフォームを得る。その後、ポリエチレングリコールをこれらのナノ粒子にカップリングさせると、蛍光イメージングおよび生体内顕微鏡に適した、生体適合性のある造影剤が得られる。
【0162】
参考としての援用
本明細書に引用したあらゆる刊行物、特許文書および特許出願文書は、それぞれがそうして個々に示されている場合と同程度に、それら全体が参考として、かつ、あらゆる目的で本明細書に明確に援用される。
【0163】
均等物
本発明は、本発明の趣旨または必須の特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化され得る。したがって、上述の実施形態は、本明細書に記載の本発明を制限するものではなく、例示的なあらゆる観点で考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の等価物の意味および範囲に含まれるあらゆる変化が、本発明に包含されるものとする。
図1A
図1B