(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】心拍数モニタ電極、及び心拍数を測定する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/262 20210101AFI20220204BHJP
A61B 5/265 20210101ALI20220204BHJP
A61B 5/266 20210101ALI20220204BHJP
A61B 5/28 20210101ALI20220204BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A61B5/262 ZDM
A61B5/265
A61B5/266
A61B5/28
A61B5/0245 100D
(21)【出願番号】P 2019546087
(86)(22)【出願日】2017-11-06
(86)【国際出願番号】 FR2017053028
(87)【国際公開番号】W WO2018087461
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-22
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519162237
【氏名又は名称】アリオネオ
【氏名又は名称原語表記】ARIONEO
【住所又は居所原語表記】La Grange rouge,41250 Mont Pres Chambord,France
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ビュイッソン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】デュボワ ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】メレリオ エルバン
(72)【発明者】
【氏名】ヤズィーディー スマヤ
【審査官】▲瀬▼戸井 綾菜
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-518076(JP,A)
【文献】特開平5-200008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/0538
5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由端(24)から電気的に導電性点(23)を相互に電気的に接続する電気的な導電性回路(22)まで延びる電気的な導電性点(23)と、
接触面(26)を有し、
吸収材料板(4)が液体を保持できる、少なくとも一部が広がった形態と、前記吸収材料板(4)が前記広がった形態よりも小さな体積を占め、かつ、前記少なくとも一部が広がった形態の前記吸収材料板(4)に含まれる液体の少なくとも一部が放出される、少なくとも一部が圧縮された形態と、の間で形状を弾性的に変化させる柔軟な吸収材料板(4)と、
を備え、
前記導電性点(23)のうちの少なくともいくつかの自由端(24)は、前記吸収材料板(4)の接触面(26)と同一平面上にある、又は、前記吸収材料板(4)が少なくとも部分的に圧縮され、少なくとも部分的に広がった形態で含まれる前記液体の少なくとも一部を放出する場合に前記吸収材料板(4)の接触面(26)を超えて突出する、
心拍数モニタ電極。
【請求項2】
請求項1記載の心拍数モニタ電極であって、
前記吸収材料板(4)の厚さは、前記吸収材料板(4)が前記少なくとも一部が広がった形態から前記少なくとも一部が圧縮された形態へ変化した場合に、変化し、
前記導電性点(23)は、前記厚さに実質的平行な圧縮方向に延びており、
前記心拍数モニタ電極(1)は、前記導電性点(23)を前記吸収材料板(4)に対し、前記圧縮方向と平行に移動させることができる弾性機構(10)を備えている、
心拍数モニタ電極。
【請求項3】
請求項2記載の心拍数モニタ電極であって、
2つの主面(5、6)を有する平らな支持部(2)を備え、
第1主面(5)は 心拍数が取得される動物の皮膚に面するように設計された開口(7)を有し、前記開口(7)によって前記導電性点(23)の自由端(24)が通ることが可能となり、
第2主面(6)は、圧力が前記心拍数モニタ電極(1)の前記第2主面(6)上に生じた場合に、前記圧縮方向へ前記吸収材料板(4)を圧縮するために前記弾性機構(10)と協働する圧力面(15)を有する、
心拍数モニタ電極。
【請求項4】
請求項2又は3記載の心拍数モニタ電極であって、
周囲の導電性点(23)を含み、
該導電性点(23)の自由端(24)は、前記圧縮方向に垂直な面にかつ該面における円内に実質的に配置されており、
前記導電性点(23)の自由端(24)のいずれもが前記円の外側に配置されていない、
心拍数モニタ電極。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1項記載の心拍数モニタ電極であって、
各導電性点(23)は、吸収材料板(4)の一部によって囲まれている、
心拍数モニタ電極。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか1項記載の心拍数モニタ電極であって、
前記導電性点(23)の少なくとも自由端(24)は、銀又は銀合金で被覆されている、
心拍数モニタ電極。
【請求項7】
請求項1乃至5のうちのいずれか1項記載の心拍数モニタ電極であって、
前記導電性点(23)及び該導電性点が電気的に接続された電気的な導電性回路(22)は、電気的な導電性粒子でドープされたポリマーで形成されている、
心拍数モニタ電極。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか1項記載の少なくとも1つの心拍数モニタ電極(1)と、
前記心拍数モニタ電極(1)により取得された信号を受信するように設計された受信器と、を備える、
心拍数モニタ装置。
【請求項9】
請求項8記載の心拍数モニタ装置であって、
少なくとも1つの心拍数モニタ電極(1)に電気的に接続され、前記受信器と送受信するように設計された送信器が、請求項1乃至7のうちのいずれか1項記載の心拍数モニタ電極(1)に堅く接続されたフランジ(110)より上に高められたケーシング(120)内に配置され、
心拍数モニタ電極(1)と動物上のケーシング(120)とを保持するように設計されたストラップの通路のために、空間(P)が前記ケーシング(120)と前記フランジ(110)との間に形成され、
心拍数モニタ電極(1)は、前記動物の皮膚に接触して配置されている、
心拍数モニタ装置。
【請求項10】
動物の心拍数を測定するための方法であって、
請求項1乃至7のうちのいずれか1項記載の
心拍数モニタ電極(1)の吸収材料板(4)を液体で少なくとも部分的に浸し、
保持及び締付手段を用いて、前記動物の皮膚に対し前記心拍数モニタ電極(1)を配置及び保持する、方法。
【請求項11】
請求項10記載の心拍数を測定する方法であって、
前記保持及び締付手段を調整するステップを含み、
前記ステップでは、前記吸収材料板(4)は、圧縮され、前記吸収材料板(4)に含まれた液体の少なくとも一部を放出する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心拍数測定の分野に関する。特に、本発明は、毛を有する動物の心拍数を測定するための電極及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気を良好に伝達するゲル又は他のいずれか可鍛性を有する材料に浸けられたスポンジに配置された柔軟な側壁を有するベースンを備えた心拍数を測定する装置が、例えば、文献FR2531330として知られている。このスポンジは、電気信号が動物と電気伝達ケーブルに接続されたチップとの間で伝達されることを可能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心拍数を示す信号の測定及び処理は、常時、信頼性のある結果を与えるわけではない。この種の測定及び処理からの結果の質は、多くは、皮膚と電気信号を取得するために設計された電極との間の動物の皮膚の表面上を伝搬する電気信号の送信に依存している。本発明の一つの目的は、より良好な信号対雑音比を得るために従来技術の電極を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、心拍数モニタ電極を提案する。心拍数モニタ電極は、自由端から電気的に導電性点を相互に電気的に接続する電気的な導電性回路まで延びる電気的な導電性点と、接触面を有し、前記吸収材料板が液体を保持できる、少なくとも一部が広がった形態と、前記吸収材料板が前記広がった形態よりも小さな体積を占め、かつ、前記少なくとも一部が広がった形態の前記吸収材料板に含まれる液体の少なくとも一部が放出される、少なくとも一部が圧縮された形態と、の間で形状を弾性的に変化させる柔軟な吸収材料板と、を備える。
【0006】
導電性点のうちの少なくともいくつかの自由端は、前記吸収材料板の接触面と同一平面上にある、又は、前記吸収材料板が少なくとも部分的に圧縮され、少なくとも部分的に広がった形態で含まれる前記液体の少なくとも一部を放出する場合に前記吸収材料板の接触面を超えて突出する。
【0007】
この文献において、回路は、必ずしもセットの導電性ストリップである必要はない。導電性フランジ又は導電性面を有するフランジは、それが前記導電性点を一緒に電気的に接続するという意味において、回路を形成する。
【0008】
そのような配置は、導電性点の少なくともいくつかの自由端が、動物の皮膚の表面上で取得される信号の最適化された伝導を確保するために、動物の毛を通り抜け、動物の皮膚に直接的に接触することができる、ということを確保する。吸収材料が、弾性的に変形され得るという事実は、有利である。事実、電極は、1回使用の電極ではなく、数回再使用され得る。新たな使用前に、必ずしも吸収材料を変更する必要なく、吸収材料に液体を補充することができる。さらに、吸収材料を圧縮し液体を放出すると、皮膚と動物のコートを通り抜けた導電性点の自由端との間の直接的接触をより改善することができる。たとえ、動物が動くことなく、汗をかき始めなくても、皮膚と導電性点との間の電気的な導電性を増加させることができる。電極により取得された電気信号の信号対雑音比は、したがって、改善され、最適化される。
【0009】
本発明による電極は、個別、もしくは、一又はそれ以上の他の特徴と組み合わせて、一つ又は他の次の特徴を有している。
【0010】
前記吸収材料板の厚さは、前記吸収材料板が前記少なくとも一部が広がった形態から前記少なくとも一部が圧縮された形態へ変化した場合に、変化し、前記導電性点は、前記厚さに実質的平行な圧縮方向に延びており、前記心拍数モニタ電極は、前記導電性点を前記吸収材料板に対し、前記圧縮方向と平行に移動させることができる弾性機構を備えている。
【0011】
心拍数モニタ電極は、2つの主面を有する平らな支持部を備え、第1主面は 心拍数が取得される動物の皮膚に面するように設計された開口を有し、前記開口によって前記導電性点の自由端が通ることが可能となり、第2主面は、圧力が前記心拍数モニタ電極の前記第2主面上に生じた場合に、前記圧縮方向へ前記吸収材料板を圧縮するために前記弾性機構と協働する圧力面を有する。
【0012】
心拍数モニタ電極は、周囲の導電性点を含み、該導電性点の自由端は、前記圧縮方向に垂直な面でかつ該面における円内に実質的に配置されており、前記導電性点の自由端のいずれもが前記円の外側に配置されていない。
【0013】
各導電性点は、吸収材料板の一部によって囲まれている。
【0014】
前記導電性点の少なくとも自由端は、銀又は銀合金で被覆されている。
【0015】
前記導電性点及び、おそらく該導電性点が電気的に接続された電気的な導電性回路は、電気的な導電性粒子でドープされたポリマーで形成されている。
【0016】
別の局面によれば、本発明は、個別、もしくは、一又はそれ以上の他の特徴と組み合わせて、一つ又は他の上記特徴を有している少なくも一つの前記心拍数モニタ電極により取得された信号を受信するように設計された受信器を含む心拍数モニタ装置に関する。
【0017】
有利には、少なくとも1つの心拍数モニタ電極に電気的に接続され、前記受信器と送受信するように設計された送信器が、心拍数モニタ電極に堅く接続されたフランジより上に高められたケーシング内に配置され、心拍数モニタ電極と動物上のケーシングとを保持するように設計されたストラップの通路のために、空間が、前記ケーシングと前記フランジとの間に形成され、心拍数モニタ電極は、前記動物の皮膚に接触して配置されている。
【0018】
別の局面によれば、本発明は、次のステップを含む、動物の心拍数を測定するための方法である。前記請求項のうちのいずれか1項記載の心拍数モニタ電極を設け、前記心拍数モニタ電極の吸収材料板を液体で少なくとも部分的に浸し、保持及び締付手段を用いて、前記動物の皮膚に対し前記心拍数モニタ電極を配置及び保持する。
【0019】
前記方法は、前記保持及び締付手段を調整するステップを含むことができ、前記ステップでは、前記吸収材料板は、圧縮され、前記吸収材料板に含まれた液体の少なくとも一部を放出する。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は下記の詳細な説明及び添付の図面を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による心拍数モニタ電極の一実施形態の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す心拍数モニタ電極の実施形態の概略上面図であり、この図の一部の拡大が挿入されている。
【
図3】
図1及び
図2における電極の異なる要素の展開した概略斜視図である。
【
図4】
図1乃至
図3に示す心拍数モニタ電極の実施形態の
図2における線A-Aに沿った概略断面図である。
【
図5】
図1乃至
図4に示す心拍数モニタ電極のような2つの電極を有する心拍数モニタ装置のそれぞれの概略正面及び側面図である。
【
図6】
図1乃至
図4に示す心拍数モニタ電極のような2つの電極を有する心拍数モニタ装置のそれぞれの概略正面及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
同一符号は、各図において、同一又は類似の要素を示すのに用いられている。
【0023】
電極の一実施形態は、
図1乃至
図4を参照して、以下に説明される。
【0024】
電極1は、支持部2と、導電性板3と、吸収材料板4と、を有している。
【0025】
支持部2は、例えば、プラスチックからなる。支持部は、第1主面5および第2主面6を有する平らな形状を有している(
図4参照)。第1主面5は、心拍数が取得される動物の皮膚に面するように設計された開口7を有している。
【0026】
支持部2は、柔らかい弾性部材10によって、外環状フレーム9に弾性的に接続されたベースン8を有している。弾性部材10は、従って、弾性機構又は弾性手段を形成し、ベースン8がフレーム9に対して移動できる。ベースン8は、本質的には、円形状となっている。ベースンは、底11と、底11と開口7を区画する上縁13との間に延びる壁12と、を有している。底11は、凹形状を有している。底は内面14と外面15と有している。外面15は、圧力面である。内面14は、突出部16を有している。突出部16は、ここに示す例では、ベースン8の底11を強化及び硬化する六芒星の中心にある。
【0027】
皮膚と接触するフレーム9の縁は、例えば、1mmと3mmとの間、より具体的に2mmとの間の距離で、ベースン8の上縁13に対し、高められている。
【0028】
2つのタブ17は、フレーム9から支持部2の外側へ半径方向に延びている。溝18は、ケーブル19、例えば、シールドケーブル又は他の伝導要素、の通路のために、2つのタブ17間に形成されている(
図1参照)。溝18は、フレーム9及び壁12における溝20とベースン8の上縁13によって延ばされ、溝20のいずれか一方の側に位置するベースン8の上縁13の部分間を分離することができ、クリップによってベースン8内に導電性板3の取り付けを容易にする。タブ17間の分離を維持するために、バンド21は、移動可能であってもよく、タブ17周り、及び、溝18の一部から上下に延びている。
【0029】
導電性板3は、本質的に円形及び平面のフランジ22の形状で電気導電性の回路を有している。電気導電性点23は、それぞれ、自由端24からフランジ22まで延びている。このフランジ22は、導電性金属、又は、プリント回路、又は、導電性点が電気的に電気的連続回路において相互に接続されるようになる他のいずれかの手段からなる、一つの部分であってもよい。選択的に、点23及び/又は点が電気的に接続された電気回路22は、電気的な導電性粒子でドープされたポリマーで形成されている。このポリマーは、粒径40μmの炭素粉(全体積の45%)又は40nmの炭素ナノチューブ(全体積の3%)を混ぜた、例えば、ポリジメチルシロキサンである。ナノメータ又はマイクロメータの金属繊維は、例えば、径30nmを有する銀ナノ繊維のようなポリマーに加えられてもよい。
【0030】
各導電性点23は、例えば、自由端24で円形表面を有するシリンダーである。各導電性点23は、例えば、導電性金属、又は、自由端24と、導電性点23を相互に接続する電気回路又はフランジ22と、の間の電気的伝達を可能にする他のいずれかの材料である。(例えば、導電性点23は、1又はそれ以上の導電性材料で被覆されたプラスチック、又は、銀又は銀合金のような別の導電性金属で被覆された自由端24を有する銅のような導電性金属、上述したような導電性粒子でドープされたポリマー、などである。一実施形態において、導電性点23は、プリント回路(絶縁体上の銅シート)フランジ22上に溶接された銀ワイヤーの部分から成る。他の実施形態において、フランジ22及び導電性点23は、鋳造の単一部を形成し、例えば、銀(又は銀合金)又は、銀(又は銀合金)で被覆されたアルミニウム(アルミニウム合金)から成る。別の実施形態において、フランジ22及び導電性点23は、上述したような導電性粒子でドープされたポリマーから形成された単一成型部を形成する。
【0031】
フランジ22より上の導電性点23の高さは、例えば、2mmと4mm、より具体的には3mmとの間である。導電性点23の自由端24の全ては、同一平面上にある。特に、上記導電性点は動物の皮膚と接触するように設計されており、できるだけ少なく動物に感じられるべきであり、動物に与える不快感を最小にし、あるいは取り除く。この理由で、導電性点23は円内に比較的均一に配置されている。好ましくは、導電性点23は同心円状に配置されている。円は、2mmと3mmとの間、より具体的には2mmの距離で相互に離間されている。円内の2つの導電性点間の距離は、2mmと3mmとの間、好ましくは2mmである。換言すると、導電性点の密度は、例えば、10mm2当たり1点と40mm2当たり1点との間、より好ましくは、16mm2当たり1点又はそれに近い値である。周囲(最外部)の点の全てが位置する円は、例えば、20mmと40mmとの間、より具体的には30mm、の半径を有している。この円上に位置する周囲の点は、均一な方法で配置されている。突出する縁がないこの均一円配置は、導電性点23によって動物に与えるかもしれない、いかなる不快感も防止あるいは制限する。
【0032】
フランジ22の電気回路は、ケーブル19又は他のいずれかの接続手段によって、送信機(不図示)に電気的に接続されている。
【0033】
吸収材料板4は、柔軟性を有しており、かつ耐摩耗性を有している。吸収材料板4は、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン発泡体、又は、他のいずれかの材料、例えば、液体に浸けられ、圧縮されたときにその液体を放出するように設計されたスポンジ材料、から成る。吸収材料板4は、平面で丸い形状を有している。吸収材料板4は、例えば、30mmと50mmとの間、より具体的には、36mmの直径を有し、3mmと6mmとの間の厚さ、より具体的には、導電性点23の高さに等しい。
【0034】
吸収材料板4は、導電性点23が通り抜けるように設計された直径及び配置を有する穴25によって、その厚さを通り抜ける。各導電性点23は吸収材料板4によって囲まれている。導電性点23の突出した出現は、電極1を扱う動物及び人の両方のための吸収材料板4によって減衰される。好ましくは、吸収材料板4が圧縮されない場合、導電性点23の自由端24は穴25を超えて突出しない。(導電性点23の自由端24は、吸収材料板4の外面27の表面26と丁度同一平面上になり得る。)逆に、この表面26は、実質的に、フレーム9の縁と同一レベルである(
図4参照)。
【0035】
吸収材料板4、導電性板3、及び、支持部2は、一緒に組み立てられた場合、導電性点23は、吸収材料板4の厚さに実質的に平行な圧縮方向に延びる。
【0036】
吸収材料板4の縁は円であり、支持部2上の吸収材料板4を保持するために、ベースン8の縁13よりも少なくとも部分的に下で、スライドすることができる。一度、吸収材料板4がベースン8内に配置されると、吸収材料板4はベースン8の開口7をブロックする。
【0037】
心拍数モニタ装置100は、
図5及び
図6に示されている。この装置は、特に、2つの電極1及びケーシング120が取り付けられたフランジ110を有している。フランジ110は、例えば、柔軟なプラスチックからなり、電極1がケーシング120に配置された電気回路(不図示)に接続されるようにする電気的な伝導要素を有している。電極1及びケーシング120は、それぞれ、シールドされていてもよいケーブル又は他の最適な接続(例えば、ヒロセによって販売されているU―FLモデルのような高周波信号のためのミニ同軸コネクタ)を用いて、電気的な伝導要素に接続され得る。有利には、電極1及びケーシング120は、フランジ110上で取り外し可能に組み立てられ、これら要素のうちのいずれか一方が損傷を受けあるいは摩耗した場合に、個別に交換でき、あるいは、動物などから全装置100を取り除くことなく、ケーシング120を一時的に取り除くことができる。
【0038】
ケーシング120は、例えば、プラスチックからなり、そこに含まれる電気回路に損傷を与えることなく、濡らすことができるよう十分に流体タイトである。そこに収納された電気回路は、異なるセンサ、特に電極1によって取得されたデータを、無線リンクで受信器と送受信するように設計された送信器を含む。
【0039】
ケーシング120は、フランジ110を超えて高められており、保持手段及び締付手段の通路のためにケーシング120とフランジ110との間のスペースPが設けられている。これら保持手段及び締付手段は、装置100が動物上に位置及び保持されるように、例えば、ストラップを有している。このスペースP又は通路は、フランジ110に対し、横に延びている。ストラップは、ケーシング120の下を通り、電極1を覆い、動物の皮膚に同じだけ接触する。
【0040】
装置100が動物上に配置される前に、装置100又は少なくとも吸収材料板4は、吸収材料板4を含浸させ浸けられるために、例えば水で濡らされる。吸収材料板4は、本質的には、広がった形態で、水を含んでいる。ベースン8の外面15に接触するストラップを締める場合、ストラップはベースンの底11上に圧力を生じさせる。フレーム9の縁は動物の皮膚と接触しており、ベースン8の縁13より上に高められているので、ベースン8は、一般的に、皮膚に向けて移動させられる。さらに、吸収材料板4の外面26は、実質的に、フレーム9の縁と同一レベルであることから、吸収材料板4は突出部16により圧縮されたフランジ22と皮膚との間で圧縮される。吸収材料は、少なくとも前に吸収した水の一部を放出する。導電性点23は、吸収材料板4における穴25から出て、動物の毛を通り抜け、少なくともその導電性点のいくつかは、動物の表皮に接触する。電気的伝導が、表皮と電気回路との間で確立される。