(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】汚染除去装置および汚染除去方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20220204BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20220204BHJP
B08B 7/00 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L2/24
B08B7/00
(21)【出願番号】P 2020142248
(22)【出願日】2020-08-26
(62)【分割の表示】P 2019523077の分割
【原出願日】2017-11-06
【審査請求日】2020-08-26
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518454597
【氏名又は名称】ディヴァーシー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ロデリック エム.デイトン
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/077403(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0271803(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
A61L 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染除去装置であって、
前記汚染除去装置を床の上で移動させるように動作可能な移送システムを備える電動ベースと、
前記電動ベースによって支持され、各々がUVC光を放射する複数のUVC電球と、
汚染除去プロセス中に前記電動ベースが進むべき所望の経路を定める、前記床のマーキングを検出するセンサと、
前記複数のUVC電球を支持する前記電動ベースを前記所望の経路に沿って前記床の上で移動させるように前記移送システムの動作を制御するコントローラと、
壁面コンセントと前記電動ベースとの間に電気を導き、前記所望の経路を定めるために前記床の上に置かれるように柔軟なコードと、を備え、
前記センサは、前記コントローラが前記移送システムの動作を制御して、前記電動ベースを前記コードによって定められた前記所望の経路に沿って前記床の上を進ませるために、前記床の上の前記コードの品質を検出するコードセンサを備えている、
汚染除去装置。
【請求項2】
前記移送システムは、複数のホイールと、前記複数のホイールのうちの少なくとも1つを駆動するモータとを備えている、
請求項1に記載の汚染除去装置。
【請求項3】
前記複数の電球は、互いに対して独立して位置決め可能であるように、前記電動ベースに対して調整可能に結合されている、
請求項1または2に記載の汚染除去装置。
【請求項4】
前記センサは、前記マーキングの色を検出する色センサであり、
前記コントローラは、床色に対する前記マーキングの前記色のコントラストに基づいて前記移送システムの動作を制御する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の汚染除去装置。
【請求項5】
前記電動ベースが前記汚染除去プロセス中に前記所望の経路に沿って進むにつれて、前記コードを収集するリトラクタをさらに備えている、
請求項
1から4のいずれか一項に記載の汚染除去装置。
【請求項6】
前記コードセンサは、前記床の前記コードの色を感知する、
請求項
1から5のいずれか一項に記載の汚染除去装置。
【請求項7】
前記コードによって定められた前記所望の経路に沿って前記電動ベースが進むにつれて、前記コードを巻き取るように動作可能なスプールをさらに備えている、
請求項1
から6のいずれか一項に記載の汚染除去装置。
【請求項8】
前記スプールは、およそ、前記コードによって定められた前記所望の経路に沿って前記電動ベースが進む速さで、前記コードを巻き取るように動作可能である、
請求項
7に記載の汚染除去装置。
【請求項9】
前記コードによって定められた前記所望の経路に沿って前記電動ベースが進む前記速さは、
駆動制御部からの信号、
前記センサからの信号に基づく感知された進行速さ、
GPS信号から計算された前記電動ベースが進んでいる速さ、または、
前記コードによって定められた前記所望の経路に沿って前記電動ベースが進む前記速さを示す任意の他の感知された値もしくは計算された値、
のうちの1つまたは複数に少なくとも基づいて決定される、
請求項
8に記載の汚染除去装置。
【請求項10】
前記スプールは、前記コードのセグメントを、前記電動ベースが前記セグメント上に進んだ後に収集するために、前記電動ベースの後ろに配置される、
請求項
7に記載の汚染除去装置。
【請求項11】
前記汚染除去装置が異物に接近した場合に、前記異物を検出するように構成された近接センサをさらに備えている、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の汚染除去装置。
【請求項12】
前記近接センサは、前記汚染除去装置が前記異物に接近した場合に、前記異物を検出したことに応じて、前記コントローラへ信号を送信するように構成されている、
請求項
11に記載の汚染除去装置。
【請求項13】
前記近接センサから前記信号を受信したことに応じて、前記コントローラは、前記汚染除去装置が前記異物と接触する前に、前記汚染除去装置を止めるために前記電動ベースを停止させること、
前記複数のUVC電球を停止させて、汚染除去プロセスを早めに終了すること、または、
汚染除去プロセスの早めの終了をインジケータによってオペレータに通知することのうちの1つまたは複数を実行するように構成されている、
請求項
12に記載の汚染除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、複数の表面を汚染除去し、任意で、所与の環境内の多種多様な物理的位置における紫外線エネルギーに関する情報を収集し、その情報をグラフィック表示、分析、および記録のために収集点へ提供するためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケア施設における高頻度接触環境表面(high touch environmental surfaces)は、病原体の重大な源として認識されている。そのような環境において患者を感染性微生物に暴露することを回避するために、そこで働く医療関係者は、高頻度接触表面を消毒するための予防的措置を講じるように求められる。そのような1つの措置は、高頻度接触表面が存在する部屋全体を、高線量の紫外線C波、すなわち、UVCを採用する消毒技術に暴露することである。これらの高線量は、連続型供給源またはパルス型供給源からのものであってもよいが、これらの技術に関する1つの課題は、実質的にすべての表面をUVCに対して適切に暴露して、所望のレベルの病原体低減を確実に達成することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本技術分野においては、部屋内の表面を十分なレベルのUVC光に暴露して、その表面において所定のレベルの病原体低減を達成するための方法および装置が必要である。そのようなシステムおよび方法は、汚染除去装置が部屋内の開始位置に配置されている間に、UVC光から当初は遮蔽される様々な表面をUVC光に暴露するために、自動的に再位置決めされる複数の比較的低出力のUVC光源を任意で利用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本方法および本装置は、所与の地点が受ける強度に関する意味のあるデータをリアルタイムで検出および提供し、これらのデータを、消毒への取り組みの有効性を適格なものとし、改善する目的のために記録するセンサを任意で利用することができる。そのような方法および装置は、UVC強度の複数のデータ点をキャプチャし、任意で、同時におよび/または並行して、データをリアルタイムで提示し、将来の分析のためにデータを記録し、医療用途での使用のために提供された消毒技術の精度および品質を改善することができる。
【0005】
1つの態様によれば、本出願は、汚染除去装置を移動させるように動作可能な移送システムを備える電動ベースを含む汚染除去装置を含む。各々がUVC光を放射する複数のUVC電球は、電動ベースによって支持される。コントローラは、汚染除去プロセス中に出発点から目的地へ汚染除去装置が進むことになる学習した経路を記憶し、学習した経路に沿って汚染除去装置を移動させる移送システムの動作を制御する。
【0006】
別の態様によれば、本出願は、医療用途において使用するためのUVCデータ点をキャプチャする方法を含む。本方法は、UVCに敏感な少なくとも1つのセンサを用いて様々な位置においてUVCレベルを検出することを含み、各センサは、UVC強度情報を中央デバイスへ提供するための通信能力を有する。
【0007】
別の態様によれば、各UVCセンサは、当該UVCセンサが電池により電力供給され得るように設計されている。
【0008】
別の態様によれば、各UVCセンサは、強度測定が望ましい位置に当該UVCセンサが一時的に取り付けられ得るように設計されている。
【0009】
別の態様によれば、各UVCセンサは、当該UVCセンサが壁面コンセントから電力供給されることを可能にする位置に恒久的に取り付けられ得るように設計されている。
【0010】
別の態様によれば、各UVCセンサは、当該UVCセンサが特定の帯域のエネルギーのみを検出し得るように設計されている。
【0011】
別の態様によれば、本出願は、著しく重要な影響を与えるUVCが直軸(direct axis)から外れていても測定されるように、入力に対して広角度の感度(例えば、少なくともX°)を有するセンサを含む。
【0012】
別の態様によれば、中心データ収集点は、複数のセンサ入力を同時に監視することが可能であるように設計されている。
【0013】
別の態様によれば、中心データ収集点は、無線通信を通じてセンサからデータを収集することができるように設計されている。
【0014】
別の態様によれば、中心データ収集点は、収集されたデータを様々な測定単位で報告することができるように設計されている。
【0015】
別の態様によれば、中心データ収集点は、リアルタイムで収集されたデータを報告することができるように設計されている。
【0016】
別の態様によれば、中心データ収集点は、特定のセンサ、部屋番号、オペレータ等に対して一意に識別されたデータを含むように中心データ収集点がカスタマイズされ得るように設計されている。
【0017】
別の態様によれば、本出願は、製造用途において使用される場合に、これらのUVCデータ点をキャプチャする方法を含む。本方法は、UVCに敏感な複数のセンサを含み、各センサは、UVC強度情報を中央デバイスへ提供するための通信能力有する。
【0018】
別の態様によれば、本出願は、汚染除去装置を床の上で移動させるように動作可能な移送システムを備える電動ベースを含む汚染除去装置を含む。各々がUVC光を放射するように構成された複数のUVC電球は、電動ベースの垂直方向上方のある高さにおいて支持される。センサは、汚染除去プロセス中に電動ベースが進むべき所望の経路を定める床のマーキングを検出し、コントローラは、複数のUVC電球を支持する電動ベースを、マーキングによって定められた所望の経路に沿って床の上で移動させるように、移送システムの動作を制御する。
【0019】
上記の概要は、本明細書において論じられているシステムおよび/または方法のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示するものである。この概要は、本明細書において論じられているシステムおよび/または方法の広範囲に及ぶ概観ではない。主要な要素/重要な要素を識別すること、またはそのようなシステムおよび/もしくは方法の範囲を描写することは意図されていない。その唯一の目的は、下記に提示される、より詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0020】
本発明は、特定の部分および部品の構成において物理的な形態をとってもよく、その実施形態は、本明細書において詳細に説明され、本明細書の一部を形成する添付の図面において例示される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】UVCセンサの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図3】中央収集点表示および代表的なデータフィールドのグラフィック表現である。
【
図4】センサと中央収集点との間の接続性およびアクションをグラフィックで例示するフロー図である。
【
図5】自律移動可能な汚染除去装置の斜視図である。
【
図6】
図5に示される汚染除去装置の電動ベースの部分断面図である。
【
図7】電動ベースによって支持される、独立して調整可能な複数のUVC電球を備える汚染除去装置の一実施形態を示す図である。
【
図8】
図7に示されるUVC電球の1つのセットの斜視図である。
【
図9】汚染除去プロセスを実行する方法を概略的に例示するフロー図である。
【
図10】前方に取り付けられたスプールを含む自律移動可能な汚染除去装置の代替的実施形態の斜視図である。
【
図11】床上のコードを横切って横方向へ延在するように配置されたラインセンサの一実施形態の断面図である。
【
図12】コードを収集するためのスプールの代替的実施形態を示す図である。
【
図13】基礎となる床から汚染除去済みの状態のコードを収集するスプールを囲む筐体の一実施形態を示す図である。
【
図14】後方に取り付けられたスプールを含む自律移動可能な汚染除去装置の代替的実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
特定の用語は、本明細書において便宜のために使用されているに過ぎず、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。本明細書において使用される相対的な言語は、図面を参照すると最もよく理解され、図面において、同様の符号は、同様のアイテムまたは類似のアイテムを識別するために使用される。さらに、図面において、特定の特徴は、多少概略的な形態で示されていることがある。
【0023】
「少なくとも1つの」という句が本明細書において使用され、その後に本明細書における複数の部材が続く場合には、部材のうちの1つ、または部材の2つ以上の組み合わせを意味することにも留意するべきである。例えば、「第1のウィジェットおよび第2のウィジェットのうちの少なくとも1つ」という句は、本出願において、第1のウィジェット、第2のウィジェット、または第1のウィジェットおよび第2のウィジェットを意味する。同様に、「第1のウィジェット、第2のウィジェットおよび第3のウィジェットのうちの少なくとも1つ」は、本出願において、第1のウィジェット、第2のウィジェット、第3のウィジェット、第1のウィジェットおよび第2のウィジェット、第1のウィジェットおよび第3のウィジェット、第2のウィジェットおよび第3のウィジェット、または第1のウィジェットおよび第2のウィジェットおよび第3のウィジェットを意味する。
【0024】
ヘルスケア施設の表面(例えば、病室内のベッド、トレーテーブル、座部等)を消毒するために、高線量のUVCが照射プロセス中に供給源から提供される。現行では、照射プロトコルは、領域の各部分が十分に消毒されていることを確実にするために試験されなければならない。しかしながら、部屋の様々なレイアウトおよび家具の様々な形状は、汚染除去されるべき各表面を十分なレベルのUVCに暴露して、所望のレベルの病原体低減を達成することを困難にすることがある。これは、部屋内の所望の位置において中心に配置された高出力UVC供給源を手動で配置し、UVC供給源を起動して1つの位置において照射を実行し、照射が完了し、供給源が停止されると、供給源を手動で移動し、再度照射するためには供給源をもう一度起動することを必要とすることが多い。
このプロセスは、UVC光に対するすべての表面の十分な暴露を保証するために複数回繰り返されることが多いが、労働集約的であり、時間がかかり、そのようなプロトコルを非実用的なものとする。したがって、本開示は、様々な異なる表面をUVC光に対して連続的に暴露し、任意で、所与の環境内の多種多様な物理的位置における紫外線エネルギーに関する情報を収集し、その情報をグラフィック表示、分析、および記録のために収集点へ提供するためのシステム、装置、および方法を対象とする。
【0025】
本開示の1つの態様は、UVC光に対する露光のレベルを感知するために、汚染除去されるべき表面を持つ部屋内の様々な位置に任意で配置することができるUVCセンサに関係する。UVCセンサ1の1つの例は、
図1に示されている。UVCセンサ1は、UVC光3を感知し、強度、出力、またはセンサ2が晒されるそのUVC光の滅菌有効性を示すUVC光の他の特性を示す信号を送信する光センサ2を含む。光センサ2は、UVC供給源によって送られるUVC光に晒されることが期待される任意の適切な位置、またはUVC光の露光を決定することが必要な任意の適切な位置に配置することができる。いくつかの実施形態において、UVCセンサは、UVC周波数の特定の狭周波数帯のみに敏感であるようにすることができる。さらに、UVCセンサがUVC供給源の場所の一直線上に直接存在する必要がないように、UVCセンサがUVC光を大きな入射角で感知することができることが望ましい。
【0026】
いくつかの実施形態において、フックおよびループストラップ3、磁気マウント4、同種のもの、またはこれらの何らかの組み合わせは、UVCセンサ1を多種多様な位置に、および多種多様な物体に取り付けるために提供されてもよい。様々な実施形態において、UVCセンサ1は、ある部屋レイアウトに対する照射プロトコルの有効性を試験するために一時的に取り付けられてもよい。しかしながら、他の実施形態においては、UVCセンサ1を恒久的に取り付けることが望ましいことがある。UVCセンサが一時的に取り付けられるのか、恒久的に取り付けられるのかに応じて、リチウムイオン電池などの、取外し可能な電源、再充電可能な電源、または有線の電源を有することが望ましいことがある。さらに、この文脈において、
図1は、照射プロセス中にのみUVCセンサがオンにされ得るように、オン/オフ電源スイッチおよびパワーLEDインジケータを示す。
【0027】
図2は、UVCセンサ1の動作のフローチャートを例示する。フローチャートによれば、光センサ2からの信号は、演算増幅器乗算器5へ渡される。次に、信号は、送信器7によって多重化され、送信される前に、アナログ・デジタル変換器6によってデジタル信号に変換される。
図4にさらに例示されるように、複数のUVCセンサ1A、1B、1Cは、共に作動して、UVC照射に関連するデータを生成し、報告する。いくつかの実施形態において、各UVCセンサ1A、1B、1Cは、無線通信チャネル9(例えば、IEEE802.11、ブルートゥース(登録商標)等)を介して、データをタブレット8または類似のパーソナルコンピューティングデバイスに直接送信してもよく、タブレット8または類似のパーソナルコンピューティングデバイスは、臨床医が都合よく見られるように、収集されたデータのグラフィカル表現を生成することができる。
しかしながら、他の実施形態において、UVCセンサは、データを中央収集点に送信してもよい。そのような実施形態において、センサは、産業、科学、医療用(ISM:industrial,scientific,and medical)帯域内でのみ中央収集点にデータを送信し得る。このように、UVCセンサからの送信は、メガヘルツのオーダーとすることができ、それによって、UVCセンサにおける電力消費を節約する。対照的に、パーソナルコンピューティングデバイスとの互換性が最も高いことが多い、WiFi(登録商標)技術およびブルートゥース(登録商標)技術は、付加的な電力を必要とするギガヘルツ帯域幅において送信する。次いで、中央収集点は、UVCセンサからのデータのすべてを収集し、このデータをWiFi(登録商標)技術または近距離ブルートゥース(登録商標)技術を使用してタブレットまたは他のコンピューティングデバイスへ転送し得る。
【0028】
図3は、UVCセンサデータがタブレットまたは類似のデバイスにどのように表示され得るかの一例を例示する。この例において、画面の1つのセクションは、各UVCセンサにおいて測定された光の強度を例示するための棒グラフ31を例示している。棒グラフ31の各バー34は、1つのUVCセンサを表現することができる。これらのバーは、検出されたUVCが十分なレベルにあるかどうかを示す色(例えば、緑色から黄色へ、黄色から赤色へ)を変更してもよい。いくつかの実施形態において、バー34はカスタマイズ可能である。例えば、第1のバーは、あるレベルのUVC照射を必要とする、ベッドに配置されたUVCセンサを表現し得る。別のバーは、第2のレベルのUVC照射を必要とする、部屋の壁に配置されたセンサを表現し得る。
したがって、各バーのカラーコーディングは、必要とされるカスタマイズされた照射レベルに固有のものとなり得る。表セクション35は、各センサの現在の照射レベルおよび/または経時的な照射強度蓄積(すなわち、ジュールまたはワットで示される)を示してもよい。さらに、類似のデータを示すための円グラフセクション35も示されている。当然ながら、上記は、何のデータが例示され得るか、およびそのデータがどのように例示され得るかのいくつかの例を表しているに過ぎず、限定的な実施形態を表すものではない。UVCセンサによって収集された他のデータは、当業者に知られているような様々なフォーマットで表示されてもよい。UVCセンサデータを表示するためのアプリケーションは、設定画面(ボタン32によってアクセス可能であるが、図示せず)も含み得る。
上記で論じられたように、多くの実施形態において、コンピューティングデバイス上のアプリケーションは、WiFi(登録商標)技術またはブルートゥース(登録商標)技術を使用して、UVCセンサおよび/または中央収集点とのインターフェースを取るが、任意の通信技術が本開示の範囲内で予期される。
【0029】
上述した実施形態は、固定された汚染除去装置によって放射されたUVC光に対して部屋の異なる領域が晒される程度を検出するためにセンサのアレイを利用する。データを表示することに加えて、部屋全体にわたる複数の異なる位置へ進む電動汚染除去装置を自動的に制御するためにUVCセンサを使用することも予期される。つまり、例えば、1つのUVCセンサが、ユーザによって特定された所定のレベルの病原体低減を達成するために十分なレベルのUVC未満であることを検出した場合、そのUVCセンサは、報告元のUVCセンサの位置が付加的な照射を受けるように汚染除去装置に対して自律的に移動するように命令する信号を送信し得る。例えば、汚染除去装置は、要求元のUVCセンサへ向かう一直線の経路に沿って、または要求元のセンサに接近するように、本明細書において説明されるようにプログラミングされた経路に沿って、進むことができる。
照射の期間中に安全機構としてUVCセンサを使用する、他の実施形態も予期される。つまり、例えば、UVCセンサが、照射が行われるべきではない時にUVCを検出した場合、そのUVCセンサは、潜在的に危険な条件の領域内のあらゆる人物に対して警告するために使用されてもよい。
【0030】
代替的実施形態によれば、
図5~
図7に示されるように、汚染除去装置10は、可動性とすることができ、汚染除去装置10の移動に影響を与える、UVCセンサからのフィードバックまたは他の情報なしに、電動ベース12によって部屋内のプログラミングされた経路に沿って複数の異なる位置へ自律的に移送されることが可能である。本明細書において説明されるように汚染除去装置10を移送することは、汚染除去装置10が1つの位置にある間に、汚染除去装置10が表面(例えば、
図5の椅子15)をUVC光に暴露することを可能にし、そのような表面は、(例えば、汚染除去装置10が最初に起動される)第1の位置においてUVC光14に隣接して提供されるシュラウド17(
図8)によって、汚染除去装置10によって放射されたUVC光から遮蔽される。
そのような実施形態の場合、汚染除去装置10が移動する速さは、その途中で照射され、病原体が低減されることが望まれるあらゆる表面が少なくとも所定のレベルの病原体低減を達成するために適切な線量のUVC光を確実に受光するように、十分に遅く設定されることが可能である。このようにして、UVC光は、対象の表面上に焦点を合わせることができ、強い線量を与えて、部屋内にUVC光を無差別に広げる高出力UVC光を必ずしも必要とせずに、所望のレベルの病原体低減を達成する。部屋全体にわたる複数の異なる位置へ汚染除去装置10を移送することは、汚染除去されている表面に近接して(例えば、5フィート以内、または任意で4フィート以内に、または任意で3フィート以内、または任意で2フィート以内、または任意で1フィート以内に)UVC放射電球14を配置することを可能にする。
したがって、部屋内の単独の位置からUVC光を広げて、病原体低減を達成する、中央の高出力UVC電球の代わりに、(例えば、表面から少なくとも3フィート離された場合、10分未満で、表面上で1log
10の削減などの所望のレベルの病原体低減を達成することができない)比較的低出力である複数のUVC放射電球14を汚染除去装置10の一部として含むことができる。
【0031】
図5に示されるように、汚染除去装置10は、固定されておらず、可動性である。汚染除去装置10は、ベース12から上方へ延在する、少なくとも1つの、および任意で複数の、垂直な向きにされた、および/または調整可能なUVC放射電球14を含む。
図5に示されるように、UVC電球14は、複数の調整可能なアーム19の遠位端部に隣接して、個々にまたは2つ以上のグループで支持される。各アーム19は、UVC電球14の位置および/または向きを調整することを可能にする、それぞれのアーム19が関節接合されること、長さを調整すること、またはこれらの組み合わせを可能にするヒンジ21または他の自在継手を含む。各アーム19は、任意で、矢印25によって概ね示される方向に、ベース12から上方へ垂直に延在するセグメントの長手方向軸を中心に回転可能とすることもできる。
【0032】
電気コード16は、例えば、公益事業者からの電気エネルギーが供給される従来のAC本線壁面コンセントに一端が差し込まれるように構成され、そのコンセントからベース12内に配設された(
図6に概略的に示される)コントローラ18へ電気エネルギーを導くように動作可能に接続される。複数のホイール20が、ベース12の下側に結合されており、ベース12が、したがって、汚染除去装置10が、床の表面に沿って動かされることを可能にする。少なくとも1つの、任意で複数のホイール20が、任意で、ベース12の下側に枢動可能に結合されて、汚染除去装置10が角部で回転すること、さもなければ進行方向を変更することを可能にすることができる。少なくとも1つの、任意で複数のホイール20は、任意で、ベース12に対して固定された向きで配置され、下記に説明されるようにモータ22によって駆動され得る。
少なくとも1つの、また、任意に、他のホイール20の複数は、枢動可能にベース12に結合することができる。そのような実施形態の場合、1つの、ただし、すべてより少ない電動ホイールを、少なくとも1つの他の電動ホイールと異なる速度で動作させて、摺動可能なホイール20を回転させ、ベース12が可変の方向に回転し、移動することを可能にすることができる。さらに他の実施形態によれば、ホイール20を、任意で、複数のホイール上を進むベルトを含む、1つまたは複数の電動軌道などの任意の適切な移送デバイスと置換して、例えば、ベース12がスキッドステアリングされることを可能にすることができる。しかしながら、簡潔さおよび明瞭さのために、ベース12を移送するためにホイール20を利用する実施形態が、詳細に説明されるであろう。
【0033】
図7に示されるように、汚染除去装置10は、病原体が低減されるべき表面へ各々がUVC光を向ける、1つまたは複数のUVC電球14を含む、複数の(3つの)独立して位置決め可能な供給源を含む。UVC電球14は、各々の位置がその他のUVC電球14に対して調整され、維持されることが可能であるという点において、独立して位置決め可能であると言われる。そのような汚染除去装置10は、部屋1が占有されているか否かを決定する占有者センサ、および、占有者感知システムからの信号に基づいて、部屋1が占有されている場合、または占有された場合に、UVC光の放射に干渉するコントローラ116も任意で含むことができる。
【0034】
図7の矢印102によって示される方向において一組の平行な電球14を見上げた、
図8に例示される視点からすると、電球14は、汚染除去されている表面15へ向かってUVC光の焦点を合わせるシュラウド17の内向きの表面に提供された反射シールド118に結合される。電球14および/または反射シールド118は、起動されてから所定の時間期間内に(例えば、10分未満、8分未満、6分未満、4分未満、3分未満等)所望のレベルの汚染除去を達成するために、電球14および/またはシールド118が、矢印121によって示される方向に回転軸を中心に枢動され、さもなければ表面に対して適切な位置に配置されることを可能にする、関節接合されたアーム122または他の適切な支持部の遠位端部に枢動可能に結合されることが可能である。
共通のシールド118が提供される平行な電球14は、その他のアーム122によって支持される電球14に対して独立して位置決め可能である。そのような再位置決め可能な電球の一例は、Daytonの米国特許第9,095,633号において説明されており、この米国特許は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0035】
図7の実施形態によれば、各アーム122は、ベース部125から概ね離れて延在する調整可能な長さを含む部分を含むことができ、これは、内部部材126を伸縮自在に受け入れる外部部材124、または他の適切な長さ調整機構(例えば、摺動軌道等...)によって促進することができる。ロック部材127、例えば、係止位置に向かって付勢されたばね付勢ピン、戻り止め等...が、外部部材124および内部部材126のうちの一方または両方に提供されて、アーム122の所望長さを、いったん手動で確立されると維持することができる。ヒンジ128、またはベース125に対するアーム122の角度調整を可能にするために適切な他のコネクタを、ベース125とアーム122との間に配置することができる。
屈曲可能な継手130も、アーム122の長さに沿った任意の場所、例えば、1つ/複数の電球14が支持される、アーム122の遠位端部に隣接して、任意で提供することができる。継手130は、電球14を配置するために手動で屈曲させることができるが、屈曲力が除去されると、アーム122に対する筐体の位置を維持するのに十分に強固である、変形可能な柔軟な材料から形成することができる。さらに、UVC光を用いて汚染除去されるべき表面の所望のカバレッジを達成するために、電球14の位置のさらなる調整を可能にするべく、ヒンジ132も、継手130の前および/または後に、アーム122に沿って任意で配置することができる。本明細書において説明されるいずれのヒンジもそうであるが、ヒンジ132は、選択的にロック可能とすることができ、例えば、セットスクリューなどのロック部材を緩めて、ヒンジ132の両側に結合された構造を互いに対して枢動可能に調整することを可能にすることができることを意味する。
所望の調整が完了すると、セットスクリューまたは他のロック部材を締めて、構造の互いに対するさらなる枢動調整に干渉することができる。
【0036】
ベース125は、部屋の床上方の所望の高さでアーム122を支持し、
図5の矢印129によって概ね示される方向に垂直軸を中心に回転する調整可能なプラットフォーム137上に任意に搭載され得る。ベース125は、汚染除去装置10の動作を制御する(例えば、各電球14の動作を独立して制御して、UVC光を放射させ、1つの電球14を電球14のうちの別の電球よりも長くエネルギー供給された状態に任意で留める)ためにユーザによって操作され得るコントローラ116を支持し、電球14にエネルギー供給し、コントローラ116に電力供給するために使用され得る、電気事業者によって供給される、壁面コンセントなどのAC本線源からの電力を利用するための再充電可能な蓄電池群または回路などの、搭載された電源を任意で内蔵する。電力コード16は、汚染除去装置10に電力供給するために必要な電気エネルギーを取得するために、電力事業者によって供給されるAC本線電気コンセントへ差し込むことができる。
【0037】
汚染除去装置10の実施形態にかかわらず、少なくとも1つのホイール20、および、任意で、複数のホイール20の各々は、汚染除去装置10が移動中の間に、人間のユーザの直接的な支援なしで、汚染除去装置10が自律的に進むことを可能にするように、電気モータ22によって駆動され得る。言い換えれば、汚染除去装置10は、汚染除去プロセス中に汚染除去装置10を操縦するために人間のユーザによって物理的に接触されることなく、および、任意で、人間のオペレータによってリアルタイムで手動入力される遠隔制御信号を受信することなく、汚染除去されている部屋内の複数のウェイポイント間の複数の異なる方向において経路に沿ってナビゲートして、その部屋の病原体を低減することができる。
【0038】
「病原体が低減される」ためには、UVC電球14によって放射されたUVC光に晒される物体の晒される表面上の生物学的に活性な存在の少なくとも一部分、任意で、全部よりも少ない部分が不活性化される。例えば、部屋内の物体の病原体を低減させることは、それらの物体が、人間を実現可能な形で感染させることができるありとあらゆる生物学的に活性な微生物が全くない、100%無菌になることを必ずしも必要としない。そうではなく、病原体が低減されるということは、物体の表面に、汚染除去プロセスの実行に先立ってそれらの表面に存在したよりも、本明細書における汚染除去プロセスの実行の後に、感染を残存させることが実行可能な、より低いレベルの生物学的に活性な伝染を必要とする。また、生物学的に活性な伝染の不活性化は、活動中の伝染を止めること、または不活性化された伝染に晒された人間への感染をもたらす程度まで繁殖するそれらの能力を少なくとも中和すること(例えば、それらをもはや生存不能にすること)を含むことができる。
【0039】
他の実施形態によれば、汚染除去された表面は、外科手術中の手術室などの無菌の領域での使用専用の物体に対するアメリカ食品薬品局の要件の下で許容される閾値量よりも低いレベルの生伝染、またはさもなければ、より低いレベルの生物学的に活性な伝染を持つことが必要とされ得る。他の実施形態によれば、汚染除去プロセスは、汚染除去プロセスの実行の直前に晒される表面上に存在する、あらゆる活動中の伝染病、またはさもなければ生物学的に活性な伝染病の少なくとも99%を殺して、またはさもなければ不活性化して、それらの表面の病原体を低減することが必要とされ得る。
【0040】
また別の実施形態によれば、汚染除去装置10を利用する部屋内の表面の高いレベルでの消毒となる病原体低減の達成は、生物学的に活性な伝染の適切な部分を不活性化して、感染性のままである、物体上の生伝染の少なくとも1log10の低減(すなわち、汚染除去プロセスが完了した時に、もともと存在した生物学的に活性な伝染の10分の1未満が、活性なまま、または感染性のままである)を達成することを伴い得る。また別の実施形態によれば、汚染除去装置10を利用する表面の高いレベルでの消毒の達成は、生物学的に活性な伝染の適切な部分を不活性化して、UVC光に晒された表面上にもともと存在していた生伝染の少なくとも3log10の削減(すなわち、1000分の1)を達成することを伴い得る。また別の実施形態によれば、そのような表面の高いレベルでの消毒の達成は、生物学的に活性な伝染の適切な部分を不活性化して、その表面上の生伝染の少なくとも5log10の削減(すなわち、100,000分の1)を達成することを伴い得る。
【0041】
図6に示されるように、独立して制御可能な電気モータ22は、ホイール20の各々に提供されるが、代替的実施形態は、図示しないドライブトレイン(動力伝達装置)の使用を通じて共通の電気モータ22によって駆動される複数のホイール20を含むことができる。また別の実施形態は、汚染除去装置10が進む方向を制御するためのステアリング機構(図示せず)を含むことができ、ステアリング機構は、すべてよりも少ないホイール20がモータによって駆動されることを可能にする。しかし、本開示の目的のために、モータ22の各々の動作を異なる速度で個々に選択的に制御することによって、汚染除去装置10が進む方向が制御され得るように、ホイール20の各々が駆動される。したがって、第1のモータ22が、そのそれぞれのホイールを1つの速度で駆動するように動作させられ、ベース12の反対側の第2のモータ22が、そのそれぞれのホイールをより速い速度で駆動する場合、汚染除去装置10は、より遅く駆動されるホイール20へ向かって回転させられる。
【0042】
コントローラ18の概略的な表現が、
図6に示されている。例示された実施形態の場合、コントローラ18は、パワーコード16を介してUVC放射電球14へ供給される電気エネルギーの送達を選択的に制御するUVC制御コンポーネント24を含む。UVC制御コンポーネント24は、所定の時間期間が経過すると、UVC放射電球14の停止を引き起こすタイマを含むことができ、所定の時間期間は、ユーザによって任意で手動で特定することができる。
【0043】
代替的実施形態によれば、上述したUVCセンサのうちの1つまたは複数は、1つ/複数のUVC放射電球14が起動される汚染除去プロセスの持続期間を限定するために、コントローラ18に対して提供される任意の通信コンポーネント26とリアルタイムで任意で通信することができる。例えば、汚染除去装置10を利用して汚染除去されるべき部屋に、複数のUVCセンサを配置することができる。汚染除去装置10は、同じ部屋に配置することが可能であり、部屋内のUVCセンサのすべてが、汚染除去装置10によって放射されたUVC光の閾値最低レベルまで晒されるまで、UVC電球14の動作を維持するモードで起動することができる。各UVCセンサは、UVC暴露の程度を測定し、最低レベルのUVC光への暴露の感知に応じて、通信コンポーネント26によって受信されるべき無線信号を送信する。
UVCセンサのすべてが、汚染除去プロセスのためのUVC光への十分な暴露を示す、そのような信号を送信し、信号が通信コンポーネント26によって受信されると、通信コンポーネント26は、UVC制御コンポーネント24に信号を送信し、次いで、UVC制御コンポーネント24が、UVC電球14を停止させる。
【0044】
通信コンポーネント26の代替的実施形態は、後述するように、ホイール20を使用して汚染除去装置10の再配置を制御するために使用される信号を任意で受信することができる。例えば、部屋全体に分散されるものとして上述したUVCセンサは、それらのUVCセンサが晒されるUVC光のレベルを示す信号を任意で放射することができる。そのような信号は、通信コンポーネント26によって受信され、UVCセンサに隣接する領域内で所望のレベルの汚染除去を達成するために十分なレベルのUVC光に晒されていない、部屋内のUVCセンサが存在するか否かを決定するために、通信コンポーネント26によって利用されることができる。そのような決定に少なくとも部分的に基づいて、それらのセンサが次の位置へ行く前に所望のレベルの汚染除去を達成するために適切なレベルのUVC光に晒されるまで、汚染除去装置10は、不十分に晒されたUVCセンサに近接したままとすることができる。
【0045】
代替的実施形態によれば、コントローラ18は、メモリコンポーネント30の一部分を形成するコンピュータ可読メモリによって記憶された複数のウェイポイントに基づいて、ホイール20を駆動する電気モータ22の動作を制御する駆動制御コンポーネント28も含むことができる。各ウェイポイントは、汚染除去プロセス中に汚染除去装置10がその進行の一部として自律的に到達するべき部屋または他の環境内の位置を確立する。ウェイポイントは、病院内の複数の病室、ホテル内の客室、または他の共通して構成された位置内に一般的なパターンを反映するように、メモリコンポーネントによって任意に保存することができる。したがって、汚染除去装置10は、そのような各部屋に共通する出発点に配置され、そのような各部屋において任意でラベル付けされ、汚染除去プロセスを完了させるために各ウェイポイントに自律的に進むように汚染除去装置10に求める汚染除去モードで起動されることが可能である。
汚染除去プロセスが、1つのそのような共通して構成された部屋において完了すると、汚染除去装置10は、次の共通して構成された部屋へ手動で移送され、出発点に配置され、その部屋も汚染除去するためにそのモードで再起動され得る。このプロセスは、汚染除去対象のそのような共通して構成された部屋ごとに繰り返すことができる。メモリコンポーネント30は、異なる部屋構成については異なるウェイポイントを任意で記憶することができ、オペレータが、所与の部屋に固有のボタンを押して、押されたボタンに固有のウェイポイントを汚染除去装置10に自律的にナビゲートさせることを可能にする。
【0046】
他の実施形態によれば、汚染除去装置10は、特定の部屋についての所望のウェイポイントをオペレータがメモリコンポーネント30に手動で入力することを可能にするための「学習」モードにすることができる。使用時に、
図9のフロー図によって例示されるように、本実施形態のオペレータは、ステップS200において、汚染除去プロセスを完了するために汚染除去装置10によってナビゲートされるべき経路の出発点に汚染除去装置10を手動で移送する(例えば、押す、またはさもなければ直接制御する)ことができる。出発点に置かれると、オペレータは、適当なユーザインターフェースを介して、ステップS210において汚染除去装置10が学習モードになるようにし、次いで、ステップS220において、オペレータが部屋を出た後にUVC放射電球14にエネルギー供給される状態で、汚染除去装置10が自律的に進むべき経路に沿って汚染除去装置10を手動で移動させることができる。
駆動制御部28は、ヘディング(例えば、出発点に対する方向を決定するためのホイール20の角度枢動)と、オペレータによって手動で示されるような最終位置に到達するまでに進んだ距離(例えば、モータ22がウェイポイント間を進むように動作可能となるであろう持続期間を決定するタイマ)とを示す信号を感知するために使用され得る、1つまたは複数のセンサを含むことができる。このナビゲーション情報を、ステップS230において、コントローラ18によって記録することができる。
【0047】
汚染除去装置10が汚染除去プロセスの一部として進むであろう最終位置に到達すると、オペレータは、ステップS240において、適当なユーザインターフェースを介して学習モードを終了させることによって、この位置を識別することができる。汚染除去プロセスを行うために、オペレータは、ステップS250において、汚染除去装置10を出発点に手動で戻し、任意で、1つまたは複数のUVCセンサを部屋全体にわたって所望の位置に配置して完全な汚染除去を保証し、適当なユーザインターフェースを介して学習したナビゲーションモードを選択することによって、ステップS260において汚染除去プロセスを開始することができる。オペレータが部屋を出て、ドアを閉めることを可能にするのに十分な所定の時間期間の経過に続いて、UVC制御コンポーネント24は、ステップS270において、UVC放射電球14を起動する。
汚染除去装置10を出発点に置いた状態で、UVC電球14によって放射されたUVC光に晒された部屋内の表面で所望のレベルの汚染除去が達成されると、駆動制御部コンポーネント28は、ステップS280において、学習モードにおいて学習した経路に沿って汚染除去装置10を移動させるように、モータ22の動作を制御する。ここでも、汚染除去装置10の動きは、任意で、部屋内のUVCセンサのうちの1つまたは複数からのフィードバックであって、通信コンポーネント26によって受け取られるフィードバックによって影響を受けてもよく、もしくは当該フィードバックから独立していてもよく、タイマによって影響を受けてもよく(例えば、所定の時間期間の間、出発点に留まった後に、前進する)、および/または、出発点の近くの表面の汚染除去のレベルを示す任意の他の要因によって影響を受けてもよい。
汚染除去装置10は、GPSナビゲーション用三角測量、知られている長さの時間だけ特定の方向にモータ22を起動するためのタイマおよび方向センサ、ならびに学習した(または前もってプログラミングされた)経路に沿った汚染除去装置10の自律移送中の任意の他の制御要因を利用することができる。汚染除去装置10が進む速さは、汚染除去装置10が移動するにつれて所望のレベルの汚染除去を達成するのに十分なものとすることができ、および/または、汚染除去装置10は、学習モードにおいて学習したウェイポイントのうちの1つ、複数または全部において停止して、晒される表面の所望のレベルの汚染除去を達成することができる。その学習した経路の最終目的地に到達すると、UVC電球はエネルギー供給を停止されて、汚染除去プロセスが完了する。
【0048】
学習した経路に沿って汚染除去装置10が進むように準備するために、ステップS210において学習モードが開始された出発点に汚染除去装置10を戻す代わりに、汚染除去装置10は、ステップS240において学習モードが終了された最終位置に任意で留まることができる。本実施形態によれば、汚染除去装置10がこの位置にある間に(すなわち、学習モードが開始された場所に汚染除去装置10を戻すことなく)、学習したナビゲーションモードを起動することができ、汚染除去装置10は、学習した経路に沿って逆に進むであろう。言い換えれば、ステップS260において、汚染除去装置10は、学習したナビゲーションモードで動作し始め、ステップS270において、UVC電球はエネルギー供給されるが、汚染除去装置10は、ステップS240において学習モードが終了された最終位置から、ステップS210において学習モードが開始された出発点へ向かって、学習した経路に沿って後ろ向きに進む。したがって、経路の元の出発点に汚染除去装置10を手動で戻す必要を回避することができる。
【0049】
代替的実施形態によれば、病院の部屋、ホテルの部屋等には、ベース12の下側に提供されたセンサによって感知することができる、床の1つまたは複数のマーキング(例えば、反射材料のストライプ、塗料の点等...)を任意で提供することができる。センサは、床上のマーキングによって定められた径路に汚染除去装置10を従わせるために、必要に応じてモータ22の選択的な動作を引き起こすように方向信号を駆動制御部コンポーネント28に通信するために動作可能に接続することができる。そのような実施形態によれば、マーキングは、メモリコンポーネント30内にウェイポイントを前もってプログラミングする必要を取り除くことができ、その代わりに、汚染除去装置10が所望の径路に沿ったマーキングに単純に従うことを可能にする。
【0050】
汚染除去装置10のまた別の実施形態が、
図10に示されている。本実施形態によれば、ベース12は、色を感知し、感知された異なる色を区別する信号を送信することができるラインセンサ141も含む。ラインセンサ141は、ベース12がコード16に従うことを可能にするために、ベース12の正面の十分な距離にラインセンサ141を支持するように枢動可能なアーム144によって任意で支持され、使用されていないときには、ベース12に対して垂直な向きへ枢動点146を中心に任意で枢動され得る。電気コード16は、柔軟なシースを含むことができ、柔軟なシースは、移動される一部分の少なくとも2フィート以内のコード16の別のセクションを妨害せずに、コード16の一部分が移動されることを可能にする。スプール142は、コード16に従った経路に沿ってベース12が進むのとおよそ同じ速さでコード16を巻き取るように動作可能である。
コード16の被覆を形成するために使用された材料、コード16内の導電体のワイヤゲージ、および他のそのような要因などの要因に応じて、コード16は、「ねじれ」、「縮れ」、またはコードの元の直線形状の他の変形を含むように塑性変形され得る。ベース12が、コード16のレイアウトによって定められた経路に沿って進んでいる実施形態の場合、そのような変形は、コード16の変形された形状を反映する望まれない方向へベース12を移動させることがあり得る。コード16のそのような変形の形成を回避し、またはコード16によって定められた所望の直線経路から、少なくとも2インチ、もしくは少なくとも4インチ、もしくは少なくとも6インチ、もしくは少なくとも8インチ等よりも大きくベース12を横方向へ逸脱させる程度まで、コード16のそのような変形の形成を少なくとも緩和する努力の一環として、導電体を囲む外部露出した材料は、室温で塑性変形することなく、6インチ未満の直径を有するスプールによって巻き取られるように適切な柔軟性を有するビニルから任意で作成され得る。
代替的実施形態によれば、コード16のビニルシースは、ベース12がコード16に従いながら進むべき経路の実質的に直線の部分を定めるようにコード16が展開されることを妨げる程度まで室温で塑性変形することなく、5インチ未満、または4インチ未満の直径を有するスプールによって巻き取られるように適切に柔軟なものとすることができる。スプール142は、電動ベース12の正面(すなわち、コード16に沿って進む電動ベース12の前方)に配置されるものとして
図10に示されているが、スプールの位置の代替的実施形態が、
図14に示されている。その実施形態によれば、スプール142は、電動ベース12の後ろに(すなわち、コード16に沿って進む電動ベース12の後ろに)配置されて、コード16のセグメントを、電動ベース12がそれらのセグメント上を進んだ後に収集する。電動ベース12の後ろにスプール142を搭載することは、スプール142がコード16を収集するので、ラインセンサ141の近くの床上に配置されたコード16のセグメントのより少ない動きを引き起こすであろうと考えられる。
【0051】
コード16は、コード16に沿ってベース12を移送するために、UVC電球14およびモータおよび/またはコントローラにエネルギー供給するために必要な電流を供給するための適切なゲージの導電体も任意で含むことができる。ただし、床145(
図5)上のコード16の配置に干渉するような低いゲージ(すなわち、大きな直径)ではない。例えば、コード16は、本開示の範囲から逸脱することなく、14ゲージ、または16ゲージ、または18ゲージ等くらい低いワイヤまたは他の適切な導電性材料の撚線セットを含むことができる。
【0052】
代替的実施形態によれば、収集時にコード16が巻き取られるスプール142は、室温での長期保管の結果として、コード16のねじれまたは他の塑性変形が形成されることを回避するために、適切な大きさの直径を任意で有することができる。そのようなスプール142は、上述した塑性変形に抵抗する柔軟なコードと共に、または当該コードなしで使用することができ、少なくとも25フィート、および任意で少なくとも35フィート、少なくとも50フィート、または任意で最大100フィートまでの長さを有するコード16を収集し、保管するように構成することができる。例えば、コード16が巻き取られるスプール142は、円形の横断面形状を任意で有することができ、直径を少なくとも1フィート、または直径を少なくとも6インチ、または直径を少なくとも3インチとすることができる。
代替的な実施形態によれば、スプール142は、コード16が巻き取られる概ね楕円形のスプール142を形成するようにベルト149が延在することができる、複数の円形のハブ147(
図12)を含むことができる。コード16の塑性変形を回避する、スプール142のいかなる所望の構成も、経路を定めるために後述するように展開された場合、本開示の範囲から逸脱せずに利用することができる。
【0053】
スプール142の巻き取り速さは、
図7に示される駆動制御部28からの信号に基づいて決定されるように、電動ホイール20の速度に基づいて、ラインセンサ141からの信号に基づく感知された進行速さに基づいて、GPS信号から計算されたベース12が進んでいる速さに基づいて、またはベース12がコード16に沿って移動している速さを示す任意の他の感知された値、もしくは計算された値に基づいて、可変とすることができる。コード16の感知されたレイアウトに基づいて決定された通りに、ベース12が回転している速さ、または方向を変えている速さも、コード16を拾い上げるためにスプール142が回転する速さの要因として考慮することができる。例えば、UVC電球14によって放射されたUVC光に晒され、汚染除去されている表面が、適切な線量のUVC光を受光して、所望のレベルの病原体低減を確実に達成するような速さで、ベース12は、コード16に沿って進むように構成することができる。
ベース12がコード16に沿って進むことができる速さの具体的な例は、汚染除去されている特定の表面が、少なくとも30秒間、または少なくとも60秒間、または少なくとも90秒間等、適切な強度のUVC光に晒されて、所望のレベルの病原体低減を確実に達成する速さを含む。
【0054】
スプール142の寸法およびコード16の構成にかかわらず、スプール142は、
図13に示すように、少なくとも1つ、任意で複数のUVC電球159を実質的に囲む筐体157を任意で含むことができる。UVC電球159は、ベース12がコード16の長さに沿って進むにつれて、コード16がスプール142によって基礎となる床145から収集されているときに、UVC光を放射して、コード16を汚染除去する。例示された実施形態の場合、筐体157は、内部空間158を画定し、内部空間158において、スプール142は、枢動可能に搭載されて、
図13の視点において(矢印165によって概ね示される)反時計周りの方向に回転して、コード16を収集し、
図13の視点において時計回りの方向に回転して、コード16がスプール142から展開されることを可能にする。
筐体は、コード16が筐体157に入る開口167と、1つまたは複数のUVC電球159が配置される入口チャンバ169とを画定する。
図13に示される実施形態によれば、UVC電球159は、入口チャンバ169に配置され、それにより、筐体157の一部分が、UVC電球159を基礎となる床145から分離して、UVC電球159がベース12の下から衝撃を受けないように保護する。ただし、代替的実施形態は、コード16が床145から持ち上げられ、スプール142の周りに巻かれるにつれて、コード16に作用するUVC光を放射するように、内部空間158の垂直方向下方のある高さに配置されるUVC電球159を任意で含むことができる。これらのUVC電球159は、床145に露出されてもよく(例えば、筐体157もしくは他のシールドの一部によって保護されない)、または、ベース12が、コード16によって定められた経路に沿って、または学習した経路、もしくはさもなければ、汚染除去プロセス中に本明細書中の他の箇所で確立された経路に沿って進むにつれて、UVC電球159からのUVC光が床145に影響を与えることを可能にするUVC透過材料によって、これらのUVC電球159を、下から任意で遮蔽することができる。
そのような代替的実施形態によれば、UVC電球159によって放射されたUVC光も、ベース12が進むにつれて、床145上で所望のレベルの病原体低減を任意で達成することができる。ただし、コード16によって定められた経路にベース12が従う実施形態の場合、UVC電球159によって放射されたUVC光は、コード16の部分の晒された表面上で、それらの部分が床145と内部空間158との間を進むにつれて、所望のレベルの病原体低減を達成する。言い換えれば、床145から上に持ち上げられたが、まだ内部空間158に入っていないコード16の部分は、UVC電球159からのUVC光に晒された結果として、病原体が低減されるであろう。
【0055】
UVC光は、長期間にわたりUVC光に連続的に晒されるコード16の暴露面の完全性に対して悪影響を与えることがある。UVC光に対するコード16をそのような長期にわたる暴露から保護するために、筐体157は、UVC光に対して実質的に不透明な遮光部161を含むことができる。遮光部161は、UVC電球159から、コード16がスプール142上に保管される内部空間158内へのUVC光の送信に干渉するが、コード16が収集されながら内部空間158に入ることを可能にする。遮光部161の例示の実施形態は、コード16が内部空間158に入る開口内で、互いに重複するように対向面から十分な距離延在する対向するブリッスルを含む。コード16は、そのようなブリッスルを一時的に変形させて内部空間158に入ることができるが、ブリッスルは、UVC電球159からのUVC光の大部分(例えば、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%等)が内部空間158に入ることを妨げるように十分に順応する。
遮光部161の代替的実施形態は、コード16が内部空間158に入る開口に及んで延在するコード16の外形状にしっかりと順応する寸法で開口を画定する、柔軟なおよび/または変形可能な膜を含むことができる。しかしながら、UVC電球159からのUVC光の内部空間158内への入射に干渉しながら、コード16が内部空間158に入ることを可能にするのに適切な、いかなる構造も利用することができる。
【0056】
コード16の外部的に可視の色は、ベース12が本明細書において説明されるように進む経路を定めるようにコード16が伸びる、基礎となる床145(
図5)の色と一致しない、いかなる所望の色とすることもできる。使用時に、コード16は、スプール142から取り外され、消毒対象の部屋のAC本線壁面コンセントに差し込まれる。ベース12と壁面コンセントとの間のコード16の部分は、ベース12がナビゲートするべき経路を定めるように、床145に配置することができる。スプール142から取り外されたコード16の任意の余剰長さは、スプール142によって格納することができ、または経路の終わりをマーキングするために壁面コンセントの近くで蓄積することができる。ラインセンサ141によって感知することができる色、構成または他の特性のマーカ156は、経路の終わりを識別するために床145に配置されたコード16の一部分上に任意で展開することができる。
【0057】
コード16の外部色は、ヘルスケア施設において、または汚染除去装置10が使用されるべき他の環境において一般に見られる床材と十分に対照をなす鮮黄色、オレンジ色または他の適切な色とすることができる。
図10の線11ー11に沿ったラインセンサ141の断面図である
図11に示されるように、ラインセンサ141は、破線155によって例示される、下方への感覚方向へ向けられた複数のエリアセンサ151を含むことができる。エリアセンサ151は、コード16が展開される基礎となる床145の色を感知し、感知された色を示す信号を駆動制御部コンポーネント28へ送信することができる。床の色は、連続的に、時々、または周期的に感知することができ、駆動制御部コンポーネント28は、床145の平均色を任意で決定することができる。
ベース12が、床145に展開されたコード16上を前進するにつれて、駆動制御部コンポーネント28によって受信された信号は、エリアセンサ151によって感知された複数の値に基づいて、床145の色を平均する。コード16の色は、床145の色と対照をなすので、エリアセンサ151のうちの1つまたは複数によって送信された信号に基づく個々の感知された色値は、ベース12が、ドリフトし始めたこと、またはさもなければ、床145上のコード16によって定められた経路から逸脱し始めたことを示す。駆動制御部コンポーネント28は、どのエリアセンサ151がそのような信号を送信したかを決定し、エリアセンサ151の各々によって感知された色が床145を示すように、ベース12が進んでいる方向を修正するために、1つまたは複数の駆動モータ22の動作を調整することができる。
エリアセンサ151によって検出されるように、壁面コンセントおよび/またはマーカ156の近くで余剰コード16に達すると、駆動制御部コンポーネント28は、駆動モータ22の動作を終了し、UVCコントローラ24は、UVC電球14の動作を終了し、それによって、コード16によってマーキングされた経路に沿った汚染除去プロセスを終了する。
【0058】
ラインセンサ141は、コード16を検出し、従うためのエリアセンサ151を含むものとして本明細書において詳細に説明されているが、本開示は、それに限定されない。他の実施形態によれば、ラインセンサ141は、概ね床145に向かって下方へ延在し、例えば、コード16との接触に対して敏感であるプローブを含むことができる。そのような実施形態の場合、プローブは、ラインセンサ141の対向する側面に配置された、少なくとも左側プローブおよび右側プローブと、床に展開されるコード16とを含むことができる。右側プローブがコード16に接触した場合、ベース12は、右側プローブをコード16から分離する方向に進むようにベースの方向を制御し、コード16が左側プローブと右側プローブとの間に配設された状態を維持することができる。左側プローブは、同様に動作することができるが、コード16を左側プローブと右側プローブとの間に維持するように、ベース12を反対の方向へ進ませる。
【0059】
ラインセンサ141の他の実施形態は、エリアセンサ151の代わりに、またはエリアセンサ151と組み合わせて、左側超音波センサおよび右側超音波センサを含むことができる。プローブの実施形態のように、各超音波センサは、それぞれの超音波センサに対するコード16の近接を感知することができ、ベース12は、コード16が超音波センサのうちの一方に近づきすぎ、それによって、他方の超音波センサから遠ざかりすぎることに応じて、方向を変化させることができる。したがって、ベース12は、そのようなセンサ間の中央の領域にコード16を維持するように駆動することができる。
【0060】
ラインセンサ141の別の実施形態は、ベース12および/またはUVC電球14、159に電力供給するために、コード16の導電体を通って導かれている電流を感知する、1つの電流センサ、複数の電流センサ、または電流センサのアレイを含むことができる。電流センサの各々によって感知された電流の大きさと、ラインセンサ141の幅に沿った電流の大きさを感知したそれぞれのセンサの位置とに基づいて、コード16の長手方向軸に対するラインセンサ141の中央領域の位置を決定することができ、ベース12をコード16に従わせるように、ベース12の駆動方向の訂正を行うことができる。
【0061】
また別の実施形態によれば、エリアセンサ151の代わりに、またはエリアセンサと組み合わせて、ラインセンサ141は、コード16の長手方向軸に実質的に垂直に配置されたラインセンサ141の幅に沿って、1つの温度センサまたは複数の温度センサを含むことができる。温度センサは、汚染除去プロセスの一部としての汚染除去装置10の動作中に電気を導くことに対するコード16の熱応答を検出するように十分に敏感とすることができる。そのようなラインセンサ141は、ベース12と共に、基礎となる床145の熱シグネチャに対して、電気を導くコード16の熱シグネチャに従うように構成することができる。本発明を簡潔にかつ明確に説明するために、床上のコード16によって定められた経路を感知するための特定の構造および/またはセンサは、エリアセンサ151として本明細書において詳細に説明されているが、ベース12をコード16に従わせるために、エリアセンサ151の代わりに、またはエリアセンサ151に加えて、任意の適切なセンサおよび/または構造を使用することができることが理解されるべきである。
【0062】
汚染除去装置10が可動性である上記実施形態のいずれの場合にも、ベース12または汚染除去装置10の他の部分(例えば、アーム19、シュラウド17、電球14等の任意の部分)は、超音波を利用する近接センサ、光学的センサ等...を任意で備えて、汚染除去装置10の任意の部分が、異物(例えば、部屋内の家具、床上の医療用具等...)に接近し、その異物との物理的接触を行おうとしている場合に、検知することができる。近接センサは、駆動制御部コンポーネント28に信号を送信するように動作可能に接続することができ、駆動制御部コンポーネント28は、ひいては、汚染除去装置10が異物と実際に接触する前に、モータ22を停止させ、汚染除去装置10を止まらせることができる。異物との間近に迫った接触は、UVC放射電球14を停止させ、それによって、汚染除去プロセスを早めに終了する根拠にも任意でなり得る。
そのような状況下で、オペレータは、汚染除去装置10へ提供される可視インジケータおよび/もしくは可聴インジケータによって、通信コンポーネント26によって送信された信号の受信に応じて、汚染除去されている部屋の外のリモートコントロールを介して、経路の知られている終わりの代わりに、汚染除去が早めに終了した予期しない位置における汚染除去装置10の位置だけによって、または任意の他のインジケータを介して、汚染除去プロセスの早めの終了を任意で通知され得る。
【0063】
例示の実施形態を上記に説明してきた。上記のデバイスおよび方法が、本発明の全体的な範囲から逸脱せずに、変更および変形を組み込んでもよいことは、当業者に明らかであろう。そのような変形および修正のすべてを本発明の範囲内に含むことが意図されている。さらに、「含む」という用語が、発明を実施するための形態または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限り、そのような用語は、「備える」が請求項における移行句として採用された場合に解釈されるように、「備える」という用語と同じように包括的であるように意図されている。