(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】シールド付きの電気コネクタ及び電気コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/648 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
H01R13/648
(21)【出願番号】P 2020190193
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201911161858.5
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ワン,インチゥン
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イォン
(72)【発明者】
【氏名】イアオ,リーアン
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン,ダオクァン
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045836(JP,A)
【文献】特開2010-277923(JP,A)
【文献】実開昭61-157282(JP,U)
【文献】実開平04-111169(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0124879(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/72
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接触端子(10)及び第2接触端子(20)と、
隣り合って設けられる第1領域(31)及び第2領域(32)を有し、前記第1接触端子(10)が前記第1領域(31)内に配置され、前記第2接触端子(20)が前記第2領域(32)内に配置されるハウジング(30)と、
前記ハウジング(30)の前記第1領域(31)と前記第2領域(32)との間に設けられ、前記第1領域(31)内の前記第1接触端子(10)と前記第2領域(32)内の前記第2接触端子(20)とを仕切るためのシールド部材(40)と、
を備
え、
前記シールド部材(40)は、
本体部(41)と、
前記本体部(41)から延びている接合部(42)とを含み、
前記接合部(42)は前記本体部(41)から浮き上がって前記ハウジング(30)に当接する、ことを特徴とするシールド付きの電気コネクタ(1,2)。
【請求項2】
前記シールド部材(40)は、前記ハウジング(30)の前記第1領域(31)と前記第2領域(32)との間に着脱可能に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記シールド部材(40)は、前記本体部(41)から延びている、並列に分布して互いに離間した少なくとも2つのフィンガー部(43)をさらに含み、それぞれのフィンガー部(43)には前記フィンガー部(43)から浮き上がる弾性シート(44)が形成され、前記弾性シート(44)は、前記電気コネクタ(1,2)が相手電気コネクタに接続されるとき、前記弾性シート(44)が前記相手電気コネクタのシールド部材に接触接続されるように構成されている、ことを特徴とする請求項
1または2に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記接合部(42)は、並列に分布する前記少なくとも2つのフィンガー部(43)のうち、最も外側のフィンガー部(43)に形成されている、ことを特徴とする請求項
3に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記シールド部材(40)は、前記本体部(41)に形成され、接地配線を接続するための接地部(45)をさらに含む、ことを特徴とする請求項
1~4のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記接地部(45)は、前記本体部(41)に形成されたねじ孔または貫通孔である、ことを特徴とする請求項
5に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記シールド部材(40)は、前記第2接触端子(20)のケーブルを固定するための、前記本体部(41)から延びているケーブル固定部(46)をさらに含む、ことを特徴とする請求項
1~6のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記シールド部材(40)は単一部材であり、前記本体部(41)は板状形状を有する、ことを特徴とする請求項
1~7のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記シールド部材(40)は前記ハウジング(30)と共に前記第
2領域(3
2)を取り囲んで前記第
2接触端子(20)に適するシールド空間を形成する、ことを特徴とする請求項
1~8のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記電気コネクタ(1,2)はヘビーデューティ電源・信号混合コネクタであり、前記第1接触端子(10)が電源用接触端子であり、前記第2接触端子(20)が信号用接触端子である、ことを特徴とする請求項1~
9のいずれかに記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記電気コネクタは、オスインサート型電気コネクタ(1)またはメスインサート型電気コネクタ(2)である、ことを特徴とする請求項1~
9のいずれかに記載の電気コネクタ。
【請求項12】
互いに嵌合するオスインサート型電気コネクタ(1)及びメスインサート型電気コネクタ(2)を含み、
前記オスインサート型電気コネクタ(1)及び前記メスインサート型電気コネクタ(2)はともに、請求項1~
10のいずれかに記載のシールド付きの電気コネクタであり、
前記オスインサート型電気コネクタ(1)と前記メスインサート型電気コネクタ(2)とが挿接嵌合するとき、前記オスインサート型電気コネクタ(1)におけるシールド部材と前記メスインサート型電気コネクタ(2)におけるシールド部材とが接触嵌合する、ことを特徴とする、電気コネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタの技術分野に関し、特にシールド付きの電気コネクタ及び電気コネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘビーデューティ電気コネクタ分野における電源・信号混合コネクタにおいて、電源伝送用の接触端子と信号伝送用の接触端子とは隣り合って配置されている。実践中、電源伝送用の接触端子と信号伝送用の接触端子との間に相互干渉が存在し、特に電源伝送が信号伝送に不利な影響を与えることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来技術に存在する上記課題及び欠陥の少なくとも一つを解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の一態様によれば、
第1接触端子及び第2接触端子と、
隣り合って設けられる第1領域及び第2領域を有し、前記第1接触端子が前記第1領域内に配置され、前記第2接触端子が前記第2領域内に配置されるハウジングと、
前記ハウジングの前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1領域内の前記第1接触端子と前記第2領域内の前記第2接触端子とを仕切るためのシールド部材と、
を備える、シールド付きの電気コネクタが提供されている。
【0005】
本開示の一実施例によれば、前記シールド部材は、前記ハウジングの前記第1領域と前記第2領域との間に着脱可能に設けられている。
【0006】
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は、本体部と、前記本体部から延びている接合部とを含み、前記接合部は前記本体部から浮き上がって前記ハウジングに当接する。
【0007】
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は、前記本体部から延びている、並列に分布して互いに離間した少なくとも2つのフィンガー部をさらに含み、それぞれのフィンガー部には前記フィンガー部から浮き上がる弾性シートが形成され、前記弾性シートは、前記電気コネクタが相手電気コネクタに接続されるとき、前記弾性シートが前記相手電気コネクタのシールド部材に接触接続されるように構成されている。
【0008】
本開示の別の一実施例によれば、前記接合部は、並列に分布する前記少なくとも2つのフィンガー部のうち、最も外側のフィンガー部に形成されている。
【0009】
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は、前記本体部に形成され、接地配線を接続するための接地部をさらに含む。
【0010】
本開示の別の一実施例によれば、前記接地部は、ねじ孔または貫通孔である。
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は、前記第2接触端子のケーブルを固定するための、前記本体部から延びているケーブル固定部をさらに含む。
【0011】
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は単一部材であり、前記本体部は板状形状を有する。
【0012】
本開示の別の一実施例によれば、前記シールド部材は前記ハウジングと共に前記第二領域を取り囲んで前記第二接触端子に適するシールド空間を形成する。
【0013】
本開示の別の一実施例によれば、前記電気コネクタはヘビーデューティ電源・信号混合コネクタであり、前記第1接触端子が電源用接触端子であり、前記第2接触端子が信号用接触端子である。
【0014】
本開示の別の一実施例によれば、前記電気コネクタは、オスインサート型電気コネクタまたはメスインサート型電気コネクタである。
【0015】
本開示の一態様によれば、互いに嵌合するオスインサート型電気コネクタ及びメスインサート型電気コネクタを含み、前記オスインサート型電気コネクタ及び前記メスインサート型電気コネクタはともに、前述のいずれかの実施例に記載のシールド付きの電気コネクタであり、前記オスインサート型電気コネクタと前記メスインサート型電気コネクタとが挿接嵌合するとき、前記オスインサート型電気コネクタにおけるシールド部材と前記メスインサート型電気コネクタにおけるシールド部材とが接触嵌合する、電気コネクタ組立体が提供されている。
【発明の効果】
【0016】
本開示の前述の各実施例に記載のシールド付きの電気コネクタ及び電気コネクタ組立体において、ハウジングの電源用接触端子領域と信号用接触端子領域との間にシールド部材を設置することにより、電源用接触端子と信号用接触端子とを互いに仕切り、電源用接触端子の電源伝送と信号用接触端子の信号伝送との間の相互干渉を低減ないし除去し、信号伝送に対する電源伝送の影響を低減ないし除去する。
【0017】
また、本開示の前述の一部の実施例に記載のシールド付きの電気コネクタ及び電気コネクタ組立体において、シールド部材は電気コネクタのハウジングに着脱可能に取り付けられ、取付と操作が容易となるとともに、製造の簡略化が図られる。
【0018】
また、本開示の前述の一部の実施例に記載のシールド付きの電気コネクタ及び電気コネクタ組立体において、シールド部材は係合などにより電気コネクタのハウジングに装着されることができ、電気コネクタ組立体において安定的に設けられることができる。
【0019】
また、本開示の前述の一部の実施例に記載の電気コネクタ組立体において、互いに嵌合される第1、第2電気コネクタ(即ちオスインサート型電気コネクタとメスインサート型電気コネクタ)が嵌合するとき、第1電気コネクタにおけるシールド部材と第2電気コネクタにおけるシールド部材とは、弾性接触接続などの方式により互いに接合して、電気コネクタ組立体において接続を形成することができる。
【0020】
以下、図面を参照しながら本開示を説明することにより、本開示の他の目的と利点は自明となり、且つ本開示に対する全面的な理解に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の一実施例によるシールド付きの電気コネクタを示す斜視模式図である。
【
図2】シールド部材がハウジングから分離した
図1に示すシールド付きの電気コネクタを示す分解模式図である。
【
図3】
図1に示すシールド付きの電気コネクタにおけるシールド部材を示す斜視模式図である。
【
図4】本開示の別の一実施例によるシールド付きの電気コネクタを示す斜視模式図である。
【
図5】シールド部材がハウジングから分離した
図4に示すシールド付きの電気コネクタを示す分解模式図である。
【
図6】
図4に示すシールド付きの電気コネクタにおけるシールド部材を示す斜視模式図である。
【
図7】本開示の実施例による電気コネクタ組立体が嵌合状態にある断面図である。
【
図8】本開示の実施例による電気コネクタ組立体が嵌合状態にある別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例により、図面を参照しながら本開示の技術案をさらに詳しく説明する。なお、明細書において、同一または類似する符号は同一または類似する部材を示している。以下、図面を参照しながら本開示の実施形態についての説明は、本開示の全体的発明構想を釈明する旨であり、本開示に対する限定と理解すべきではない。
【0023】
また、以下の詳細な記載において、説明の便宜上、本開示の実施例を全面的に理解するように多くの細部要素を述べている。しかしながら、明らかに、1つ以上の実施例はこれらの細部要素がない場合でも実施されることができる。他の場合では、簡略化するために、公知の構造と装置を図面に示す。
【0024】
本開示の一つの全体的技術構想によれば、第1接触端子及び第2接触端子と、隣り合って設けられる第1領域及び第2領域を有し、前記第1接触端子が前記第1領域内に配置され、前記第2接触端子が前記第1領域内に配置されるハウジングと、前記ハウジングの前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1領域内の前記第1接触端子と前記第2領域内の前記第2接触端子とを仕切るためのシールド部材と、を備える、シールド付きの電気コネクタが提供されている。
【0025】
本開示の別の全体的技術構想によれば、互いに嵌合するオスインサート型電気コネクタ及びメスインサート型電気コネクタを含み、前記オスインサート型電気コネクタ及び前記メスインサート型電気コネクタはともに、前述の全体的技術構想に説明したシールド付きの電気コネクタであり、前記オスインサート型電気コネクタと前記メスインサート型電気コネクタとが挿接嵌合するとき、前記オスインサート型電気コネクタにおけるシールド部材と前記メスインサート型電気コネクタにおけるシールド部材とが接触嵌合する、電気コネクタ組立体が提供されている。
【0026】
図1は、本開示の一実施例によるシールド付きの電気コネクタを示す斜視模式図である。
図2は、シールド部材40がハウジング30から分離した
図1に示すシールド付きの電気コネクタを示す分解模式図である。
図3は、
図1に示すシールド付きの電気コネクタにおけるシールド部材40を示す斜視模式図である。
【0027】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、シールド付きの電気コネクタ1は、第1接触端子10及び第2接触端子20と、ハウジング30と、シールド部材40とを備える。ハウジング30は、隣り合って設けられる第1領域31及び第2領域32を有し、第1接触端子10が第1領域31内に配置され、第2接触端子20が第2領域32内に配置される。シールド部材40は、ハウジング30の第1領域31と第2領域32との間に設けられ、第1領域31内の第1接触端子10と第2領域32内の第2接触端子20とを仕切るためのものである。図示した実施例において、該電気コネクタ1はオスインサート型電気コネクタであり、ハウジング30の第1領域31は、電源用接触端子としての第1接触端子10を配置するための電源用接触端子領域であってもよく、ハウジング30の第2領域32は、信号用接触端子としての第2接触端子20を配置するための信号用接触端子領域であってもよい。本開示の実施例によるシールド付きの電気コネクタは、ハウジングの電源用接触端子領域と信号用接触端子領域との間にシールド部材を設置することにより、電源用接触端子と信号用接触端子とを互いに仕切り、電源用接触端子の電源伝送と信号用接触端子の信号伝送との間の相互干渉を低減ないし除去し、信号伝送に対する電源伝送の影響を低減ないし除去する。
【0028】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、シールド部材40はハウジング30と共に第二領域31を取り囲んで第二接触端子20に適するシールド空間を形成する。より具体的には、シールド部材40は、ハウジング30の第1領域31と第2領域32との間に着脱可能に設けられている。本開示の実施例において、シールド部材40は係合などによりハウジング30に着脱可能に装着されることができる(シールド部材40の具体的な構造を参照しながら例示的な装着形態を後に述べる)。つまり、シールド部材は電気コネクタのハウジングに着脱可能に取り付けられ、取付と操作が容易となるとともに、製造の簡略化が図られる。シールド部材40は電気シールド性を有する材料から作製されることができ、例えばシールド部材40はEMC機能を実現することができる。
【0029】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図3に示すように、シールド部材40は、本体部41と、本体部41から延びている接合部42とを含み、接合部42は本体部41から浮き上がってハウジング30に当接する。本開示の実施例によれば、シールド部材40の接合部材42とハウジング30との間の当接嵌合により、シールド部材40はハウジング30内に安定的に装着されることができる。
【0030】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図3に示すように、シールド部材40は、本体部41から延びている、並列に分布して互いに離間した少なくとも2つのフィンガー部43をさらに含む。さらに、
図4に示すように、接合部42は、並列に分布する少なくとも2つのフィンガー部43のうち、最も外側のフィンガー部43に形成されている。つまり、接合部42は、並列に分布してている複数のフィンガー部43の、対向する2つの最も外側のフィンガー部43に形成されている。図示した実施例において、シールド部材40は3つのフィンガー部43を含み、2つの接合部42はそれぞれ、対向する2つの外側のフィンガー部43に形成されている。
【0031】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図3に示すように、シールド部材40は、本体部41に形成され、接地配線を接続するための接地部45をさらに含んでもよい。例えば、接地部45は、本体部41に形成されたねじ孔または貫通孔であってもよい。
【0032】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図3に示すように、シールド部材40は、第2接触端子20のケーブルを固定するための、本体部41から延びているケーブル固定部46をさらに含んでもよい。
【0033】
図1~
図3に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図3に示すように、シールド部材40は単一部材であり、本体部41は板状形状を有する。少なくとも2つのフィンガー部43は、板状本体部41から並列して延出しており、2つの接合部42はそれぞれ、対向する2つの外側のフィンガー部43に形成されている。接地部45(即ち接地孔)は板状本体部41に形成され、ケーブル固定部46は板状本体部41の、前記フィンガー部43の延伸方向と逆の方向から延出している。
【0034】
図4は、本開示の一実施例によるシールド付きの電気コネクタを示す斜視模式図である。
図5は、シールド部材40がハウジング30から分離した
図4に示すシールド付きの電気コネクタを示す分解模式図である。
図6は、
図4に示すシールド付きの電気コネクタにおけるシールド部材40を示す斜視模式図である。
【0035】
図4~
図6に示す別の実施例において、シールド付きの電気コネクタ2はメスインサート型電気コネクタであり、例えば、
図1~
図3に示す実施例に係るオスインサート型電気コネクタと挿接嵌合可能なメスインサート型電気コネクタである。該シールド付きの電気コネクタ2は同様に、電源用接触端子である第1接触端子10及び信号用接触端子である第2接触端子20と、ハウジング30と、シールド部材40と、を備える。ハウジング30は同様に、電源用接触端子領域である第1領域31及び信号用接触端子領域である第2領域32を有し、第1接触端子10が第1領域31内に配置され、第2接触端子20が第2領域32内に配置される。シールド部材40は同様に、ハウジング30の第1領域31と第2領域32との間に設けられ、第1領域31内の第1接触端子10と第2領域32内の第2接触端子20とを仕切るためのものである。
【0036】
図4~
図6に示すシールド部材40は、
図1~
図3に示す実施例に係るシールド部材と同一又は類似する構造及び機能を有してもよいが、少なくとも以下の相違点を有する。
【0037】
具体的には、
図4~
図6に示すように、図示した実施例において、より具体的には、
図6に示すように、シールド部材40は、本体部41から延びている、並列に分布して互いに離間した少なくとも2つのフィンガー部43をさらに含み、それぞれのフィンガー部43にはフィンガー部43から浮き上がる弾性シート44が形成される。弾性シート44は、電気コネクタ1が相手電気コネクタに接続されるとき、弾性シート44が相手電気コネクタのシールド部材に接触接続されるように構成されている(
図7、
図8は一つの電気コネクタ1におけるシールド部材の弾性シート44が別の電気コネクタ2におけるシールド部材と弾性的に接触接続される状態を示している)。
【0038】
図4~
図6に示す実施例の他の部分について、前記の
図4~
図6に示す実施例に関する記載における対応内容を参照すればよく、ここで贅言しない。
【0039】
なお、本開示の実施例に記載のシールド付きの電気コネクタは、ヘビーデューティ電源・信号混合コネクタを例とし、なかには、
図1~
図3に示す実施例において、シールド付きの電気コネクタは、オスインサート型電気コネクタ1である一方、
図4~
図6に示す実施例において、シールド付きの電気コネクタは、メスインサート型電気コネクタ2である。また、本明細書では、シールド付きの電気コネクタにおける第1接触端子及び第2接触端子は、従来技術におけるヘビーデューティ電源・信号混合コネクタの電源用接触端子及び信号用接触端子をそれぞれ採用することができる。したがって、その構造及び機能はそれぞれ従来技術における電源用接触端子及び信号用接触端子の構造及び機能と同一または類似するので、ここでは詳細な記載や説明を省略する。
【0040】
それと同時に、本開示は、
図4~
図6に示すメスインサート型電気コネクタ1からなる電気コネクタ組立体をさらに提供する。
図7は、本開示の実施例による電気コネクタ組立体が嵌合状態にある断面図を示し、
図8は、本開示の実施例による電気コネクタ組立体が嵌合状態にある別の断面図を示す。
【0041】
具体的には、
図7及び
図8は、互いに嵌合するオスインサート型電気コネクタ1及びメスインサート型電気コネクタ2を含む電気コネクタ組立体であって、オスインサート型電気コネクタ1が前述の
図1~
図3に示す実施例に記載のシールド付きの電気コネクタであり、メスインサート型電気コネクタ2が前述の
図4~
図6に示す実施例に記載のシールド付きの電気コネクタである電気コネクタ組立体を示す。
図7及び
図8に示すように、オスインサート型電気コネクタ1とメスインサート型電気コネクタ2とが挿接嵌合するとき、オスインサート型電気コネクタ1におけるシールド部材40とメスインサート型電気コネクタ2におけるシールド部材40とが接触嵌合する。より具体的には、オスインサート型電気コネクタ1とメスインサート型電気コネクタ2とが挿接嵌合するとき、メスインサート型電気コネクタ2におけるシールド部材40の弾性シート44がオスインサート型電気コネクタ1におけるシールド部材40に弾性当接して、2つの電気コネクタのシールド部材間の接触接続が形成される。これから分かる通り、本開示の実施例に記載の電気コネクタ組立体において、互いに嵌合される第1、第2電気コネクタ(即ちオスインサート型電気コネクタとメスインサート型電気コネクタ)が嵌合するとき、第1電気コネクタにおけるシールド部材と第2電気コネクタにおけるシールド部材とが、弾性接触接続等により互いに接合して電気コネクタ組立体において接続を形成することができる。
【0042】
このように、オスインサート型電気コネクタ1とメスインサート型電気コネクタ2とが挿接嵌合する場合でも、2つの電気コネクタのシールド部材も互いに嵌合可能であり、オスインサート型電気コネクタ1及びメスインサート型電気コネクタ2からなる電気コネクタ組立体のハウジング全体を電源用接触端子領域10と信号用接触端子領域20とに仕切ることにより、電源用接触端子と信号用接触端子とを互いに仕切り、電源用接触端子の電源伝送と信号用接触端子の信号伝送との間の相互干渉を低減ないし除去し、信号伝送に対する電源伝送の影響を低減ないし除去することができる。
【0043】
当業者であれば理解できるように、上記に説明した実施例はすべて例示的なものであり、且つ、当業者はそれを改善することができ、構造や原理上に矛盾しない限り、各実施例に説明した構造を自由に組み合わせ得る。
【0044】
図面を組み合わせて本開示を説明したが、図面に開示した実施例は本開示の好ましい実施形態を例示的に説明する旨であり、本開示に対する限定と理解してはならない。
【0045】
本発明の全体的構想による一部の実施例は既に表示や説明されているが、当業者であれば理解できるように、本開示の全体的構想の原則と精神を逸脱しない限り、これら実施例を変更することができ、本開示の範囲は、請求の範囲及びその同等物によって限定される。
【0046】
なお、言葉「含む」は他の部材やステップを排除せず、言葉「一」または「一つ」は複数個を排除しない。また、請求項における如何なる素子の符号は本開示の範囲に対する限定と理解してはならない。