(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】真空遮断器用の耐アーク性シールド複合体、及び、これを成形するための方法
(51)【国際特許分類】
H01H 33/662 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
H01H33/662 H
H01H33/662 F
(21)【出願番号】P 2020201941
(22)【出願日】2020-12-04
(62)【分割の表示】P 2015175702の分割
【原出願日】2015-09-07
【審査請求日】2020-12-04
(32)【優先日】2014-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイス、 グラント、 キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】エリック、 デニス、 スミス
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン、 ウィリス、 フリーボーン
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-084435(JP,A)
【文献】実開昭48-098664(JP,U)
【文献】特開平05-198231(JP,A)
【文献】特開昭51-040568(JP,A)
【文献】米国特許第03913047(US,A)
【文献】実開昭51-066771(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/66-33/668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空遮断器用の耐アーク性シールドであって、
第1端部、該第1端部の反対側の第2端部、内面、及び、外面を有する、シールド構造と、
耐アーク性材料と、
を含み、
前記耐アーク性シールドは、第1セラミック絶縁体と第2セラミック絶縁体との間に配置され、
前記シールド構造の前記第1端部は、前記第1セラミック絶縁体に対して気密シールされ、また、前記シールド構造の前記第2の端部は、前記第2セラミック絶縁体に対して気密シールされ、
前記耐アーク性シールドは、内部キャビティを形成し、第1及び第2電極アセンブリが、前記内部キャビティ内に配置され、また、アーク放電を起こすように分離可能であり、
前記耐アーク性材料は、銅粉末と予合金化したクロム‐鉄粉末との混合物を含み、前記シールド構造と共に成形されて複合体を形成して
おり、
前記耐アーク性材料は、前記シールド構造に焼結結合されていることを特徴とする耐アーク性シールド。
【請求項2】
前記第1及び第2セラミック絶縁体、及び、前記耐アーク性シールドは、円筒形状であり、管状構造を形成することを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性シールド。
【請求項3】
前記真空遮断器は、さらに、前記第1セラミック絶縁体と連結された第1エンドシール、及び、前記第2セラミック絶縁体と連結された第2エンドシールを含むことを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性シールド。
【請求項4】
前記耐アーク性シールドは、前記真空遮断器の外面を形成することを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性シールド。
【請求項5】
前記予合金化したクロム‐鉄粉末は、該予合金化したクロム‐鉄粉末の総重量に基づいた、約70重量%のクロムと、約30重量%の鉄と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性シールド。
【請求項6】
前記シールド構造は、ステンレス鋼、銅、スチール、ニッケルと鉄の合金、白銅、及び、これらの混合物から成るグループから選択される材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性シールド。
【請求項7】
管状キャビティと、
第1電極アセンブリと、
第2電極アセンブリと、
を備えた真空遮断器であって、前記管状キャビティは、
第1セラミック部分と、
該第1セラミック部分と連結された第1エンドシールと、
第2セラミック部分と、
該第2セラミック部分と連結された第2エンドシールと、
前記第1セラミック部分と前記第2セラミック部分との間に配置された、耐アーク性シールドと、
によって形成されており、
前記耐アーク性シールドは、
内面、外面、第1端部、及び、該第1端部の反対側の第2端部を有する、シールド構造と、
耐アーク性材料と、
を含み、
前記シールド構造の前記第1端部は、前記第1セラミック部分に対して気密シールされ、また、前記シールド構造の前記第2端部は、前記第2セラミック部分に対して気密シールされており、
前記第1及び第2電極アセンブリは、前記耐アーク性シールドによって形成される前記管状キャビティの一部分の内部に配置されており、また、前記第1及び第2電極アセンブリは、アーク放電を起こすように分離可能であり、
前記耐アーク性材料は、銅粉末と予合金化したクロム‐鉄粉末との混合物を含み、前記シールド構造と共に成形されて複合体を形成して
おり、
前記耐アーク性材料は、前記シールド構造に焼結結合されていることを特徴とする真空遮断器。
【請求項8】
真空遮断器を製造するための方法であって、
第1セラミック部分と、
第2セラミック部分と、
内面、外面、第1端部、及び、該第1端部の反対側の第2端部を有する、シールド構造と、耐アーク性材料と、を含んだ、耐アーク性シールドと、
第1電極アセンブリと、
第2電極アセンブリと、を含んだ、
管状真空キャビティを形成すること、
前記耐アーク性シールドを、前記第1セラミック部分と前記第2セラミック部分との間に配置すること、
前記シールド構造の前記第1端部を、前記第1セラミック部分に対して気密シールすること、
前記シールド構造の前記第2端部を、前記第2セラミック部分に対して気密シールすること、
前記第1及び第2電極アセンブリを、前記耐アーク性シールドによって形成される前記管状真空キャビティの一部分の内部に配置すること、
を含み、
前記第1及び第2電極アセンブリは、アーク放電を起こすように分離可能であり、
前記耐アーク性材料は、銅粉末と予合金化したクロム‐鉄粉末との混合物を含み、前記シールド構造と共に成形されて複合体を形成して
おり、
前記耐アーク性材料を前記シールド構造に焼結結合させること、をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
真空遮断器を製造するための方法であって、
第1セラミック部分と、
第2セラミック部分と、
内面、外面、第1端部、及び、該第1端部の反対側の第2端部を有する、シールド構造と、耐アーク性材料と、を含んだ、耐アーク性シールドと、
第1電極アセンブリと、
第2電極アセンブリと、を含んだ、
管状真空キャビティを形成すること、
前記耐アーク性シールドを、前記第1セラミック部分と前記第2セラミック部分との間に配置すること、
前記シールド構造の前記第1端部を、前記第1セラミック部分に対して気密シールすること、
前記シールド構造の前記第2端部を、前記第2セラミック部分に対して気密シールすること、
前記第1及び第2電極アセンブリを、前記耐アーク性シールドによって形成される前記管状真空キャビティの一部分の内部に配置すること、
を含み、
前記第1及び第2電極アセンブリは、アーク放電を起こすように分離可能であり、
前記耐アーク性材料は、銅粉末と予合金化したクロム‐鉄粉末との混合物を含み、前記シールド構造と共に成形されて複合体を形成して
おり、
スピニング加工によって、前記耐アーク性材料の周囲に前記シールド構造を形成すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記シールド構造の前記第1及び第2端部を、其々、前記第1及び第2セラミック部分に対して気密シールすることは、ろう付けまたは溶接を含むことを特徴とする請求項8
又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明において開示されるコンセプトは、概して、真空回路遮断器や他の種類の真空開閉器に関連するものであり、また、真空遮断器及び耐アーク性シールドのような構成要素に関するものである。
特に、本発明において開示されるコンセプトは、真空回路遮断器に使用されるような、真空遮断器のセラミック基板に対して気密シール(ハーメチックシール)される耐アーク性材料を含んだシールド構造に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
真空遮断器は、概して、高電圧の交流電流を遮断するために用いられる。真空遮断器は、対向する接触面を有する同軸上に整列された一対の分離可能接触子アセンブリを包囲する、概ね円筒形の真空容器を含む。
この接触面は、閉回路位置において互いに当接し、また、回路を開くために分離される。各々の電極アセンブリは、真空容器の外側に延び、また、交流回路に接続された、通電端子に接続される。
【0003】
この接触面が離れて開回路位置へ移動されるときに、概して、アークが、この接触面間に生じる。このアーク放電は、電流が遮断されるまで継続する。
アークによって蒸発される接触面からの金属が、アーク放電中に中性プラズマを形成し、また、電流が流れなくなった後、接触面に、またさらに、接触子アセンブリと真空容器との間に配置された蒸気凝縮シールドに、凝縮して戻る。
【0004】
真空遮断器の真空容器は、概して、各端部に、金属のエンドキャップまたはシールカバーを備えたセラミック管状絶縁ケーシングを含む。真空遮断器の電極アセンブリは、このエンドキャップを通して真空容器内へ延びる。
少なくとも1つのエンドキャップは、電極アセンブリに強固に連結され、また、真空遮断器の動作中の比較的大きな動的外力に耐えることができなければならない。
【0005】
様々な設計の真空遮断器が、当技術分野で公知である。管状絶縁ケーシングが全てセラミック材料から成る、フルセラミック設計が存在する。
また、金属シールドから成る中心部分を含み、セラミック部分がこの金属シールドの両端部に配置された、設計が公知である。この設計は、一般的に“腹帯”遮断器と呼ばれる。
【0006】
真空遮断器は、真空式開閉器の主要な構成要素である。
横磁場の接点を用いる真空式回路遮断器用の遮断器が、蒸気シールド(例えば、内部アークシールド、または、耐アーク性シールド)を含むことは、典型的である。このような蒸気シールドは、大きなアーク放電に耐性があり、アークの外方への伝播を制限し、また、故障電流を遮断した後にも遮断器の高圧耐性を保持する。
【0007】
蒸気シールドが、銅、ステンレス鋼、銅‐クロム合金、または、これらの混合から構成されることは、通例である。場合によっては、蒸気シールドは、アーク放電領域において単一の材料から構成されてもよく、また、もう一つの材料が、蒸気シールドの残材として用いられてもよい。
アーク損傷への耐性と、アーク放電が生じた後に高電圧がかかることを阻止する性能と、があるため、銅‐クロム合金材料が、最大故障電流定格用に用いられることができる。銅‐クロム合金が、約10から約20重量%のクロムと、残余の重量%の銅を含むことは、典型的である。
【0008】
本発明において開示されるコンセプトの目的は、例えば、大電流を遮断するために用いられるような大型の接点を収容することができる、新規の耐アーク性シールドの設計を開発することである。
さらに、本発明の目的は、真空遮断器の両端に配置されるセラミック絶縁体に対して気密シールされることができる、耐アーク性シールドを設計することである。
このようなシールドの配置は、真空遮断器の、全てがセラミック絶縁体のケーシングの内部に、全体が取り付けられる耐アーク性シールドと比較して、大型の接点のために用いられる使用可能なスペースをより提供すると、考えられる。
【発明の概要】
【0009】
これらのニーズやその他は、耐アーク性シールド、この耐アーク性シールドを製造するための方法、及び、耐アーク性シールドを含んだ真空遮断器を提供する、本発明において開示されるコンセプトにおける実施形態によって、満たされる。
本発明の一態様として、本発明において開示されるコンセプトは、真空遮断器用の耐アーク性シールドを提供する。この耐アーク性シールドは、第1端部、この第1端部の反対側の第2端部、内面、及び、外面を有する、シールド構造と、このシールド構造の内面上に存在する、耐アーク性材料と、を含む。
耐アーク性シールドは、第1セラミック絶縁体と第2セラミック絶縁体との間に配置される。シールド構造の第1端部は、第1セラミック絶縁体に対して気密シールされ、また、シールド構造の第2端部は、第2セラミック絶縁体に対して気密シールされる。耐アーク性シールドは、内部キャビティを形成する。第1及び第2電極アセンブリが、この内部キャビティ内に配置され、また、アーク放電を起こすように分離可能である。
【0010】
第1及び第2セラミック絶縁体、並びに、耐アーク性シールドは、円筒形状であり、管状構造を形成してもよい。
【0011】
真空遮断器は、さらに、第1セラミック絶縁体と連結された第1エンドシール、及び、第2セラミック絶縁体と連結された第2エンドシールを含むことができる。
【0012】
第1セラミック絶縁体は、第1端部及び第2端部を有することができる。第1セラミック絶縁体の第1端部は、シールド構造の第1端部上に配置され、また、第1セラミック絶縁体の第2端部は、真空遮断器の第1エンドシール上に配置される。
第2セラミック絶縁体は、第1端部及び第2端部を有することができる。第2セラミック絶縁体の第1端部は、シールド構造の第1端部の反対側の第2端部上に配置され、また、第2セラミック絶縁体の第2端部は、真空遮断器の第2エンドシール上に配置される。
シールド構造の第1端部は、第1セラミック絶縁体の第1端部に対して気密シールされており、また、シールド構造の第2端部は、第2セラミック絶縁体の第1端部に対して気密シールされる。
【0013】
耐アーク性材料は、銅‐クロム合金を含むことができる。この銅‐クロム合金は、この合金の総重量に基づいた、約10から約60重量%のクロムと、残余の重量%の銅と、を含むことができる。
【0014】
シールド構造は、ステンレス鋼、銅、スチール、ニッケルと鉄の合金、白銅、及び、これらの混合物から成るグループから選択される材料から構成されることができる。
【0015】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料は、シールド構造内で共に成形される。本発明の他の実施形態として、耐アーク性材料は、コーティングを形成するものであり、また、シールド構造の内面上に堆積され、シールド構造の内面上に、層を形成する。
【0016】
本発明における他の態様として、本発明において開示されるコンセプトは、第1セラミック部分と、この第1セラミック部分と連結された第1エンドシールと、第2セラミック部分と、この第2セラミック部分と連結された第2エンドシールと、第1セラミック部分と第2セラミック部分との間に配置された、耐アーク性シールドと、によって形成される、管状キャビティを含んだ、真空遮断器を提供する。
この耐アーク性シールドは、内面、外面、第1端部、及び、第1端部の反対側の第2端部を有する、シールド構造と、このシールド構造の少なくとも一部分の上に存在する、耐アーク性材料と、を含む。
このシールド構造の第1端部は、第1セラミック部分に対して気密シールされ、また、シールド構造の第2端部は、第2セラミック部分に対して気密シールされる。
真空遮断器は、さらに、第1電極アセンブリ、及び、第2電極アセンブリを含む。これら第1及び第2電極アセンブリは、耐アーク性シールドによって形成される管状キャビティの一部分の内部に配置されており、また、第1及び第2電極アセンブリは、アーク放電を起こすように分離可能である。
【0017】
本発明におけるさらなる他の態様として、本発明において開示されるコンセプトは、真空遮断器を製造するための方法を提供する。この方法は、第1セラミック部分、第2セラミック部分、及び、耐アーク性シールドを含んだ、管状真空キャビティを形成することを含む。
この耐アーク性シールドは、内面、外面、第1端部、及び、この第1端部の反対側の第2端部を有する、シールド構造と、このシールド構造の内面の少なくとも一部分の上に存在する、耐アーク性材料と、を含む。
管状真空キャビティは、さらに、第1電極アセンブリ、及び、第2電極アセンブリを含む。
この方法は、さらに、耐アーク性シールドを、第1セラミック部分と第2セラミック部分との間に配置すること、シールド構造の第1端部を、第1セラミック部分に対して気密シールすること、シールド構造の第2端部を、第2セラミック部分に対して気密シールすること、及び、第1及び第2電極アセンブリを、耐アーク性シールドによって形成される
管状真空キャビティの一部分の内部に配置することを含む。
第1及び第2電極アセンブリは、アーク放電を起こすように分離可能である。
【0018】
シールド構造の第1及び第2端部を、其々、第1及び第2セラミック部分に対して気密シールすることは、ろう付けまたは溶接を含むことができる。
【0019】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料は、シールド構造と共に成形される。例えば、耐アーク性材料、及び、シールド構造は、マンドレル上に配置されて、アイソスタティックプレス、及び、一軸プレスから選択されるプレスを使用して、共に成形されることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態として、耐アーク性材料は、シールド構造の内面に取り付けられ、この面に層を形成する。
例えば、耐アーク性材料は、コーティングを形成するための適切なバインダと混合されて、合金粉末状であることができ、このコーティングは、シールド構造の内面に塗布される。または、合金粉末状の耐アーク性材料は、テープを形成するための適切なバインダと混合されることができ、このテープは、シールド構造の内面に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1及び2の添付図面と併せて解釈される場合、本発明において開示されるコンセプトの十分な理解が、好適な実施形態としての以下の記述から得られる。
【
図1】本発明において開示されるコンセプトにおける特定の実施形態に従った、耐アーク性シールド構造を含んだ真空遮断器の断面図である。
【
図2】本発明において開示されるコンセプトにおける特定の実施形態に従った、耐アーク性シールド構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明において開示されるコンセプトは、耐アーク性シールド、この耐アーク性シールドを製造するための方法、及び、耐アーク性シールドを含む真空遮断器を含む。真空遮断器は、真空回路遮断器のような真空開閉器の主要な内部構成要素である。
真空遮断器は、概して、適切な絶縁材料のケーシングによって形成された高真空容器、及び、このケーシングの両端部を封鎖するための一対の金属製エンドキャップを含む。この高真空容器内に、一対の相対移動可能な接点、または、電極が、配置される。
【0023】
この接点が分離されたときに、接点間にアーク放電のギャップが生じる。
アークは、電極が開放されて、電極が閉じるまでに、電極間のギャップにわたって作られる。このアークは、接点材料の一部を蒸発させ、また、その蒸気は、高真空容器に向かって、アーク放電ギャップから拡散される。
耐アーク性シールドは、従来、真空遮断器内に配置され、また、アークが生成される蒸気の拡散を遮断し、この蒸気を凝縮するように作用する。
【0024】
様々な設計の真空遮断器が、当技術分野で公知である。
説明を簡単にするために、本発明において開示されるコンセプトは、一般的に“腹帯”と呼ばれる設計で用いるために記述される。この用語としての“腹帯”は、セラミック絶縁材料、耐アーク性シールド、及び、エンドキャップから形成されたケーシングを有する真空遮断器を指す。
セラミック絶縁材料は、耐アーク性シールドによって分離された2つのセラミック部分を含むことができる。すなわち、耐アーク性シールドは、第1セラミック部分と第2セラミック部分との間に配置される。
【0025】
このシールドとセラミック部分は、気密シールされる。
この設計において、耐アーク性シールドは、真空遮断器の高真空容器の内部に配置されない。その代わりに、耐アーク性シールドは、ケーシングの一部、すなわち、真空遮断器の外面を形成する。
腹帯遮断器は、概して、円筒形のセラミック管部分、及び、円筒形の耐アーク性シールド管を有する、管状構造である。しかしながら、本発明において開示されるコンセプトが、このタイプの真空遮断器の設計に限定されないことが理解される。
【0026】
セラミック絶縁材料は、セラミック、または、アルミナ、ジルコニア、若しくは、他の酸化物セラミックス等のセラミック含有材料から成るが、ガラスでもよい。
【0027】
耐アーク性シールドは、シールド構造と耐アーク性材料を含む。
このシールド構造は、真空遮断器用のシールド構造を構成し、また、セラミック絶縁材料との気密シールを形成することができるように用いられる技術分野で公知の、1つの材料、または、複数の材料の組み合わせから成ることができる。
これに限定されないが、シールド構造における適切な複数の材料として、ステンレス鋼、銅、スチール、ニッケルと鉄の合金、白銅、及び、これらの混合物が含まれる。
必須ではないが、シールド構造が、単一の連続シート状であることが望ましい。
【0028】
耐アーク性材料は、耐アーク性材料を形成するために用いられる技術分野で公知である、1つの成形材料、または、複数の成形材料の組み合わせを含む。
概して、耐アーク性材料は、アーク損傷への耐性を示し、また、アーク放電が生じた後に高電圧がかかることを阻止することができる、合金組成である。
銅‐クロム合金が、大きなアーク放電に耐性があり、また、アーク放電が生じた後にも遮断器の高圧耐性を保持することができるため、銅‐クロム合金は、最大故障電流定格用に用いられる公知の材料である。
【0029】
望ましい銅‐クロム合金は、合金組成の総重量に基づいた、約10から約60重量%、または、約10から約25重量%のクロムと、残余の重量%の銅と、を含む。純クロムは、高価な元素であるため、コストを削減するために、合金組成内の純クロムの存在が、合金組成内の銅の存在と比較して、可能な限り最小限にすることが、望ましいであろう。
本発明において開示されるコンセプトとして用いられる適切な耐アーク性材料は、これに限定されないが、銅、銅‐クロム合金、銅‐鉄合金、銅‐フェロクロム合金、及び、これらの混合物である。
【0030】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料は、銅(例えば、純銅として)、及び/または、銅合金、並びに、フェロクロムであるクロム合金を含む。これらの材料成分の各々の量は、変化させることができる。
このフェロクロムは、合金組成の総重量に基づいた約5から約60重量%のフェロクロムで構成されることができる。この銅は、残余の重量%の銅で構成されることができる。
【0031】
フェロクロムの成分は、クロム‐鉄合金であり、クロムと鉄の各々の量を変化させることができる。
クロムは、フェロクロム要素の総重量に基づいた約70重量%のクロムで構成されることができ、また、鉄は、フェロクロム要素の総重量に基づいた約30重量%の鉄で構成されることができる。
【0032】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料は、合金組成の総重量に基づいた約25重量%のクロムと、残余の重量%の銅を含んだ、銅‐クロム合金である。
銅‐クロム合金の様々な形態、及び、銅‐クロム合金を製造するための様々な工程が、当技術分野で公知である。
特定の銅‐クロム合金の形態、及び、この合金を製造するために用いられる特定の工程が、本発明に不可欠ではないため、本発明において用いられる適切な銅‐クロム合金が、当技術分野で公知であり、工業的に使用可能である銅‐クロム合金から選択されてよい。
【0033】
例えば、イートンコーポレーションは、銅‐クロム合金を製造するために、粉末冶金法を用いている。
他の公知の銅‐クロム合金は、通常では成形するための最終加工を有する、真空誘導溶解、押出成形、真空誘導溶解及び押出成形、溶浸、または、溶浸及び押出成形を含んだ工程によって、製造される円筒形状のものを含む。他の工程として、バインダを添加する粉末治金押出成形が含まれてもよい。
【0034】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料が、シールド構造に組み込まれ(例えば、共に成形され)、複合体を形成する。また、本発明における他の実施形態として、耐アーク性材料が、シールド構造の面に取り付けられ、または、堆積されて、シールド構造上に、1つの層、または、コーティング(例えば、薄膜)を形成する。
耐アーク性シールドを成形するためのこれに限定されない例は、以下のような例を含む。
【0035】
・ 耐アーク性材料とシールド構造を、マンドレル(心棒)上に配置して、アイソスタティックプレスを用いて、共に成形する。
・ 耐アーク性材料とシールド構造を、マンドレル上に配置して、横方向に作動する押型による一軸プレスを用いて、共に成形する。
・ 弾性体を押し込むか、または、耐アーク性材料の内部に膨張ハイドロフォーミングを行って、耐アーク性材料を、シールド構造の形状に合わせることによって、耐アーク性材料を膨張させてシールド構造に取り付ける。
・ 適切なバインダを含んだ耐アーク性材料の粉末金属混合物を成形し、そして、シールド構造の一面に耐アーク性材料の粉末金属混合物を加えて、シールド構造と同時に耐アーク性材料を焼結して、耐アーク性材料をシールド構造に焼結接合させる。
ここで、耐アーク性材料の粉末金属混合物を、シールド構造に取り付けるステップは、(i)シールド構造の一面上に耐アーク性材料の粉末金属混合物を散布すること、または、(ii)接合用テープを成形して、このテープを、シールド構造の一面上に取り付けることによって、行われることができる。
・ 耐アーク性材料を製造し、2つの部品でシールド構造を形成し、耐アーク性材料を、このシールド構造の一面に取り付け、また、例えばろう付けによって2つのシールド部分を互いに気密シールする。
・ 耐アーク性材料を製造し、マンドレル上に耐アーク性材料を配置し、その後、スピニング加工によって、耐アーク性材料の周囲に取り付けられるシールド構造を成形する。
【0036】
図1は、第1円筒状セラミック絶縁管12a、第2円筒状セラミック絶縁管12b、及び、これらの管12a、12bの間に配置された円筒状耐アーク性シールド40を有する真空遮断器10を示している。
このシールド40は、金属面41、及び、金属面41の内面に形成された耐アーク性材料42を含む。この金属面41は、第1及び第2セラミック絶縁管12a、12bに対して気密シールされている。
【0037】
すなわち、シールド40の一端部において、金属面41は、第1セラミック絶縁管12aの一端部に対して気密シールされており、また、シールド40の他端部において、金属面41は、第2セラミック絶縁管12bの一端部に対して気密シールされている。
この気密シールは、当技術分野で公知の様々な従来の装置や技術を用いて提供されることができる。例えば、この気密シールは、溶接、または、ろう付けによって提供されることができる。
【0038】
第1及び第2セラミック絶縁管12a、12bの各々は、エンドシール51及び52の其々に連結されている。
すなわち、シールド40に連結されていないほうの、第1及び第2セラミック絶縁管12a、12bの各々の端部は、エンドシール51及び52の其々に連結されている。真空容器50が、真空遮断器10のキャビティ内に形成されている。
【0039】
本発明における代替の実施形態として、耐アーク性材料42は、金属面41の全表面に広がることができ、あるいは、金属面41の全表面に広がらなくてもよい。
すなわち、例えば、気密シールするための、第1及び第2セラミック絶縁管12a、12bと接触した金属面41の一部は、
図1に示されているように、耐アーク性材料42の存在を含まなくてもよい。
本発明における他の実施形態として、耐アーク性材料42は、金属面41の全表面にわたって存在してもよい。
【0040】
第1電極アセンブリ20及び第2電極アセンブリ22が、シールド40によって形成された内部管状キャビティ内に長手方向に一列に整列されている。この第1及び第2電極アセンブリ20、22は、対向する接触面を有しており、また、交流回路を開閉するために互いに軸方向に移動可能である。
この接触面は、閉回路位置において互いに当接し、また、回路を開くために分離される。この接触面が離れて開回路位置へ移動されるときに、アークが、この接触面間に生じる。このアーク放電は、電流が遮断されるまで継続する。
【0041】
特定の理論によって制限される意図がないと、シールド40が、真空遮断器10の外部表面に広がっているため(従来の他の設計のように、シールド40が、真空遮断器10のキャビティ内に形成されていないため)、より大きな電極アセンブリ20、22を収容することができるシールド40によって、より大きな絶縁領域を形成することができる、と考えられる。
【0042】
第1電極アセンブリ20は、交流回路(図示せず)に連結され、エンドシール51内の穴を通り抜けて真空容器50から延びた、概ね円筒形の第1端子31に連結されている。
さらに、第1電極アセンブリ20は、ベローズ28を含む。このベローズ28は、真空容器50の内部をシールするように取り付けられ、その一方で、第1電極アセンブリ20が、
図1に示されるような閉回路位置から、開回路位置(図示せず)へ移動することを可能にする。
第1蒸気凝縮シールド32が、第1端子31に取り付けられている。
【0043】
第2電極アセンブリ22は、エンドシール52を通り抜けて延びた、概ね円筒形の第2端子35に連結されている。
第2蒸気凝縮シールド36が、第2端子35に取り付けられている。第2端子35は、これに限定されないが、溶接、または、ろう付けのような手段によって、エンドシール52に対して堅く気密シールされている。
【0044】
アークによって蒸発する第1及び第2電極アセンブリ20、22における接触面からの金属は、アーク放電の間に中性プラズマを形成し、そして、第1及び第2電極アセンブリ20、22の接触面に、またさらに、第1及び第2蒸気凝縮シールド32及び36の各々に、凝縮して戻る。
【0045】
図1に示されている真空容器50は、真空遮断器10の一部である。その一方で、本明細書において用いられる用語としての“真空容器”は、実質的なガス密閉鎖を形成するセラミック‐金属シールを有する如何なるシール要素も含むことが意図されていることが理解される。
このようなシール閉鎖は、運転中における、減圧、大気圧、または、過圧において保持されることができる。
【0046】
本発明において開示されるコンセプトに従った耐アーク性シールドは、これに限定されないが、粉末冶金、押出成形、鍛造、及び、鋳造などの様々な公知の工程を用いて、成形されることができる。
従来の粉末冶金技術は、これに限定されないが、プレス及び焼結、押出成形(例えば、バインダを添加する押出成形)、粉末射出成形、並びに、粉末鍛造を含む。
押出成形は、熱間押出または冷間押出を含み、また、鍛造は、熱間鍛造または冷間鍛造を含む。鋳造は、真空誘導溶解、砂型鋳造、及び、他の従来の鋳造方法を含む。
【0047】
本発明において開示されるコンセプトにおける特定の実施形態に従って、1つのシールド構造が得られ、また、耐アーク性材料が、このシールド構造の構成に組み込まれるか、または、シールド構造の表面に取り付けられる。
【0048】
本発明の特定の実施形態として、耐アーク性材料は、銅‐クロム合金を含む。この銅とクロムの成分は、乾燥状態、例えば粉末であってもよい。この銅とクロムの粉末は、混合され、合金混合物を作り出す。
本発明の特定の実施形態として、クロム粉末は、予合金化したクロム‐鉄粉末を構成する、フェロクロム粉末であることができる。
銅とクロムの粉末は、粉砕されるか、化学的に還元されるか、電解生成されるか、挽いて粉末にするか、または、如何なる他の公知の粉末製造工程によって形成されてもよい。
【0049】
粉末形態は、球状、針状、または、不規則な形状でもよい。銅‐クロム粉末混合物は、加圧されて成形され、そして、焼結される。
この成形及び焼結は、当技術分野で公知の従来の成形及び焼結用の装置及び工程に従って、行われることができる。この成形、焼結された部品は、耐アーク性シールドを形成する。
成形、焼結された部品の機械加工が、任意に、シールド形状の仕上げに必要とされてもよい。
【実施例】
【0050】
本発明において開示されるコンセプトにおける特定の実施形態に従った、耐アーク性シールドの製作と使用における、これに限定されない複数の例が、以下に提供される。
【0051】
例1
1. 銅‐クロムのシールドスリーブが、粉末冶金法によって成形された。
2. この銅‐クロムのシールドスリーブは、堅固なマンドレル(心棒)に堅く嵌合されてアセンブリされた。このマンドレルは、耐アーク性シールド複合体の最終幾何形態を成形する。
3. 金属管が、マンドレル及び銅‐クロムのシールドスリーブを包囲するように配置された。
4. このアセンブリは、ゴム製袋体内に密閉された。
5. この包囲されたアセンブリは、アイソスタティックプレスに入れられ、そして、16,000ポンド・平方インチの圧力が加えられ、金属管を成形し、また、銅‐クロムのシールドを耐アーク性シールド複合体に固定した。
6. この包囲されたアセンブリから、圧力が取り除かれ、また、成形された耐アーク性シールド複合体が、マンドレルから取り外された。
7. 成形された耐アーク性シールド複合体の両端部が、最終形状に機械加工された。
8. 気密シールしたアウタシールド(外側シールド)を、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器がアセンブリされた。
【0052】
例2
1. 銅‐クロムのシールドスリーブが、粉末冶金法によって成形された。
2. この銅‐クロムのシールドスリーブは、堅固なマンドレル(心棒)に堅く嵌合されてアセンブリされた。このマンドレルは、耐アーク性シールド複合体の最終幾何形態を成形する。
3. 金属管が、マンドレル及び銅‐クロムのシールドスリーブを包囲するように配置された。
4. この、マンドレル、銅‐クロムのシールドスリーブ、及び、金属管のアセンブリは、横方向に作動する複数の部品を備えたプレス型内に入れられ、金属管を最終的なシールド幾何形態に成形し、また、銅‐クロムのスリーブを所定の位置に固定した。
5. 耐アーク性シールド複合体は、一軸プレスの押型内で成形された。
6. 耐アーク性シールド複合体が、マンドレルから取り外され、また、形成された耐アーク性シールド複合体の両端部が、最終形状に機械加工された。
7. 気密シールしたアウタシールド(外側シールド)を、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器がアセンブリされた。
【0053】
例3
1. 円筒形の銅‐クロムのシールドスリーブが、粉末冶金法によって成形された。
2. この銅‐クロムのシールドスリーブが、金属管内にアセンブリされ、気密シールしたアウタシールド(外側シールド)要素を形成した。
3. アウタシールド要素の内部に配置された弾性プラグに作用する一軸プレスが、銅‐クロムのシールドスリーブを、アウタシールド要素内部に広がらせるように、用いられた。
4. 気密シールしたアウタシールドの両端部が、プレス成形され、そして、最終幾何形態に機械加工された。
5. 気密シールしたアウタシールドを、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器がアセンブリされた。
【0054】
例4
1. 気密シールしたアウタシールド(外側シールド)要素が、従来の方法によって、無酸素の銅管から形成された。
2. 約75重量%の銅金属粉末と約25重量%のクロム金属粉末との乾燥粉末混合物が形成された。ここで、銅とクロムの双方の粉末は、寸法単位140メッシュであり、また、均質になるまで混合された。
3. 水、ポリビニルアルコール(PVAC)系接着剤、及び、メチルアルコールが、金属粉末が約86重量%、水が約10重量%、PVACが約2重量%、メチルアルコールが約2重量%の割合で、金属粉末混合物に添加され、また、均質なペーストが形成されるまで混合された。
4. 銅‐クロムのペーストが、銅シールド部品の内径に対するコーティングとして塗布され、また、硬化するまで乾燥された。
5. アウタシールド/内部コーティングアセンブリが、600℃で30分間、75%/25%の水素/窒素雰囲気において脱バインダ処理され、また、予備焼結された。
6. アウタシールド/内部コーティングアセンブリが、最大圧力が3E‐4(0.0003)トールで、1000℃で6時間、真空焼結された。このときに、銅‐クロムコーティングを焼結し、また、この銅‐クロムコーティングを、密封したアウタシールドに接合した。
7. この銅‐クロム内部コーティング、及び、銅アウタシールドの両端部が、最終幾何形態に機械加工された。
8. 気密シールしたアウタシールドを、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器がアセンブリされた。
【0055】
例5
1. 粉末冶金法が、
図1及び2に示されているような、銅‐クロム耐アーク性材料42を成形するために、用いられた。
2.
図2に従った、エンドキャップ43及びエンドキャップ44が、互いに噛み合ってジョイント45を形成する、端部係合機構を備えて形成された。
3. これらのエンドキャップ43、44が、銅‐クロム耐アーク性材料42を包囲するようにアセンブリされた。
4. ろう付け、または、溶接工程が、ジョイント45においてエンドキャップ43、44を、取り外せないように接合し、かつ、気密シールするために用いられた。これにより、
図1及び2に示されているように、銅‐クロムシールド42を、アセンブリされたシリンダ内に固定して、耐アーク性シールド40を形成した。
5. 気密シールしたアウタシールドを、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器(図示せず)がアセンブリされた。
【0056】
例6
1. 銅‐クロムのシールドスリーブが、粉末冶金法によって成形された。
2. この銅‐クロムのシールドスリーブは、堅固なマンドレル(心棒)に堅く嵌合されてアセンブリされた。このマンドレルは、耐アーク性シールド複合体の最終幾何形態を成形する。
3. 金属管が、マンドレル及び銅‐クロムのシールドスリーブを包囲するように配置された。
4. マンドレル、銅‐クロムのシールドスリーブ、及び、金属管が、スピニング加工に適した旋盤上に配置された。
5. スピニング加工用工具が、気密シールしたアウタシールドを、最終幾何形態に成形するために用いられ、また、銅‐クロムのシールドスリーブが、気密シールしたアウタシールドに固定された。
6. この成形されたアウタシールドアセンブリが、マンドレルから取り外された。
7. 気密シールしたアウタシールドを、真空遮断器の絶縁セラミックスにろう付けすることによって、真空遮断器がアセンブリされた。
【0057】
本発明における例示的なシステム、方法等が、例を記述することによって、説明されており、また、これらの例は、かなり詳細に記述されているが、本発明における出願人が、この詳細な記述に、添付の特許請求の範囲を減縮、すなわち、多少なりとも限定することを、意図したものではない。
当然のことながら、本明細書において記述されたシステム、方法等を説明するために、構成要素または方法論の考えられる全ての組み合わせを記載するのは、不可能である。従って、本発明において開示されるコンセプトは、ここで示されかつ記述された、具体的詳細、代表的な装置、及び、実施例に限定されるものではない。
これより、本願は、添付の特許請求の範囲に収まる変更、修正及び変化を含むことが意図されたものである。