(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
G02C 7/04 20060101AFI20220204BHJP
C08F 8/12 20060101ALI20220204BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
G02C7/04
C08F8/12
C08F290/06
(21)【出願番号】P 2020542001
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2019051431
(87)【国際公開番号】W WO2019162881
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520000722
【氏名又は名称】アルコン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チャン,スティーブ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】グビトージ・ラスピーノ,マリーア・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ブライトコプフ,リチャード・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ダーチン
(72)【発明者】
【氏名】グゥー,ジュンハオ
(72)【発明者】
【氏名】クミ,オーガスティン・トワム
(72)【発明者】
【氏名】ムニョース,ザハ
(72)【発明者】
【氏名】ラン,ウェイホン
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-530281(JP,A)
【文献】特表2012-530282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
C08F 8/12
C08F 290/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1
)20重量%
~79重量
%の、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分の第1の繰り返し単位;
(2)20重量%
~79重量
%の少なくとも1つの親水性ビニルモノマーの第2の繰り返し単位;
(3
)1重量%
~15重量
%の少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーの第3の繰り返し単位;
(4)0
~2.5重量
%の少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤の第4の繰り返し単位;
(5)0
~25重量
%の少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーの第5の繰り返し単位;並びに
(6)0
~3.0重量
%の少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及
び少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーの第6の繰り返し単位
を含んでなるシリコーンヒドロゲルバルク材料を含んでなるコンタクトレンズ前駆体であって、
前記少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマーは、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾールを含み、
前記少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーは、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール及びそれらの組合せからなる群より選択され、
前記シリコーンヒドロゲルバルク材料中に存在する繰り返し単位(
1)~(
3)の量の合計が、少なくとも70重量
%である、コンタクトレンズ前駆体。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分が、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基を有するビニルモノマー、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニルモノマー、ポリシロキサンビニルモノマー、ポリカルボシロキサンビニルモノマー、3-メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルメチルビニルカルボネート、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーを含んでなる、請求項1に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分が、ポリシロキサンビニル架橋剤、ポリカルボシロキサンビニル架橋剤又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤を含んでなる、請求項1又2に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、(1)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアルキル(メタ)アクリルアミド;(2)N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるヒドロキシル含有アクリルモノマー;(3)2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸及びそれらの組合せからなる群から選択されるカルボキシル含有アクリルモノマー;(4)N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ含有アクリルモノマー;(5)N-ビニルピロリドン(別名、N-ビニル-2-ピロリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン(別名、N-ビニル-2-ピペリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム(別名、N-ビニル-2-カプロラクタム)、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの混合物からなる群から選択されるN-ビニルアミドモノマー;(6)1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメチレン含有ピロリドンモノマー;(7)エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するC
1
~C
4
-アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するメトキシ-ポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるC
1
~C
4
アルコキシエトキシ基を有するアクリルモノマー;(8)エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるビニルエーテルモノマー;(9)エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるアリルエーテルモノマー;(10)(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択されるホスホリルコリン含有ビニルモノマー;(11)アリルアルコール;(12)N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート;(13)N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL);(14)N-カルボキシビニル-α-アラニン;又はそれらの組合せを含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項5】
前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーが、N-[2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル](メタ)アクリルアミド、N-[3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、Boc保護ビニルアミン、Boc保護アリルアミン又はそれらの組合せを含んでなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤が、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、グリセロールジ-(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ-(メタ)アクリレート、エチレンビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)]ジ-(メタ)アクリレート、ビス[2-(メタ)アクリルオキシエチル]ホスフェート、トリメチロールプロパンジ-(メタ)アクリレート、及び3,4-ビス[(メタ)アクリロイル]テトラヒドロフラン、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-メチルアミン、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-エチルアミン、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2-ヒドロキシプロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2,3-ジヒドロキシブチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,3-ビス(メタ)アクリルアミドプロパン-2-イルリン酸二水素塩、ピペラジンジアクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、N-アリル-メタクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド又はそれらの組合せを含んでなる、請求項1~5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項7】
前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーがメタクリル酸メチルを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ前駆体。
【請求項8】
(1)重合性組成物中の全重合性成分の全量に対して、
(a
)20重量%
~79重量
%の、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分、
(b)20重量%
~79重量
%の少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、
(c
)1重量%
~15重量
%の少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマー、
(d)0
~2.5重量
%の非シリコーンビニル架橋剤、
(e
)0.05重量%
~2.0重量
%のフリーラジカル開始剤、
(f)0
~25重量
%の少なくとも1つのブレンディングビニルモノマー、並びに
(g)0
~3.0重量
%の少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又はUV/HEVL吸収ビニルモノマー
を含んでなるが、ただし、成分(a)~(g)及び他の列挙されていない重合性成分の量の合計が100%であることを条件とする、室温で透明である重合性組成物を調製するステップと;
(2)レンズ型に前記重合性組成物を導入するステップと;
(3)前記レンズ型中で熱的に又は化学線で前記重合性組成物を硬化し、N-Boc含有ビニルモノマーのN-Boc含有繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を形成し、ここで各N-Boc含有繰り返し単位は-NH-BocのBoc保護アミノ基を含んでなる、ステップと;
(4)その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために十分な時間
、4以下のpHを有する液体媒体中に前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を浸漬することによって、前記N-Boc含有繰り返し単位を、それぞれ第一アミノ基(-NH
2)を有する第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップと
;
(5)その上に第一アミノ基を有する前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ上に親水性ポリマー材料を共有結合させて、その上に前記親水性ポリマー材料のコーティングを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するステップと、
を含んでなる、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法
であって、
前記親水性ポリマー材料が、カップリング剤の不在下又は存在下で共有結合を形成するように前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ上の1つの第一アミノ基とそれぞれが共反応性である1つ又はそれ以上の反応性官能基を含んでなる方法。
【請求項9】
前記レンズ型が疎水性ポリマー材料から製造され
る、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
液体媒体が1.0
~4.
0のpHを有する、請求項
8又は
9に記載の方法。
【請求項11】
前記液体媒体が、酸性化された水、水溶液、水及び水と混和性である1つ又はそれ以上の有機溶媒の酸性化された混合
物、或いはそれらの組合せである、請求項
8~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記液体媒体が、ギ酸、塩化水素酸、硫酸又はそれらの組合せによって酸性化される、請求項
8~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換する前記ステップ
が40℃
~80
℃の温度において実行される、請求項
8~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記親水性ポリマー材料が、カップリング剤の不在下又は存在下で共有結合を形成するように前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ上の1つの第一アミノ基とそれぞれが共反応性であり、かつ、アゼチジニウム基、アジリジン基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アルデヒド基、アズラクトン基、イソシアネート基又はそれらの組合せである1つ又はそれ以上の反応性官能基を含んでなる、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記親水性ポリマー材料を前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに共有結合させる前記ステップが
、115℃
~125℃の温度で
、20~90分間、密閉されたレンズパッケージ中で、少なくとも0.01重量
%の前記親水性ポリマー材料を含んでなるパッケージング溶液中に含浸された、その上に第一アミノ基を有する前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをオートクレーブ処理することによって実行される、請求項
8~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分が、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基を有するビニルモノマー、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニルモノマー、ポリシロキサンビニルモノマー、ポリカルボシロキサンビニルモノマー、3-メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルメチルビニルカルボネート、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーを含んでなる、請求項8~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分が、ポリシロキサンビニル架橋剤、ポリカルボシロキサンビニル架橋剤又はそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤を含んでなる、請求項8~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、(1)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアルキル(メタ)アクリルアミド;(2)N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるヒドロキシル含有アクリルモノマー;(3)2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸及びそれらの組合せからなる群から選択されるカルボキシル含有アクリルモノマー;(4)N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ含有アクリルモノマー;(5)N-ビニルピロリドン(別名、N-ビニル-2-ピロリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン(別名、N-ビニル-2-ピペリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム(別名、N-ビニル-2-カプロラクタム)、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの混合物からなる群から選択されるN-ビニルアミドモノマー;(6)1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメチレン含有ピロリドンモノマー;(7)エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するC
1
~C
4
-アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するメトキシ-ポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるC
1
~C
4
アルコキシエトキシ基を有するアクリルモノマー;(8)エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるビニルエーテルモノマー;(9)エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるアリルエーテルモノマー;(10)(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択されるホスホリルコリン含有ビニルモノマー;(11)アリルアルコール;(12)N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート;(13)N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL);(14)N-カルボキシビニル-α-アラニン;又はそれらの組合せを含んでなる、請求項8~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーが、N-[2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル](メタ)アクリルアミド、N-[3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、Boc保護ビニルアミン、Boc保護アリルアミン又はそれらの組合せを含んでなる、請求項8~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤が、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、グリセロールジ-(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ-(メタ)アクリレート、エチレンビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)]ジ-(メタ)アクリレート、ビス[2-(メタ)アクリルオキシエチル]ホスフェート、トリメチロールプロパンジ-(メタ)アクリレート、及び3,4-ビス[(メタ)アクリロイル]テトラヒドロフラン、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-メチルアミン、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-エチルアミン、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2-ヒドロキシプロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2,3-ジヒドロキシブチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,3-ビス(メタ)アクリルアミドプロパン-2-イルリン酸二水素塩、ピペラジンジアクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、N-アリル-メタクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド又はそれらの組合せを含んでなる、請求項8~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーがメタクリル酸メチルを含んでなる、請求項8~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記重合性組成物が、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、並びに2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール及びそれらの組合せからなる群から選択されるUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなる、請求項8~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、少なくとも50バレルの酸素透過性
、0.2MPa
~1.5MPaの弾性係数及
び40%
~70%の平衡含水量を有する、請求項
8~22のいずれか一項に記載の
方法。
【請求項24】
前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、少なくとも10秒のウォーターブレイクアップ時間
、90度以下の静的液滴による水接触角
、2以下の摩擦等級又はそれらの組合せを有する、請求項
8~23のいずれか一項に記載の
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、表面上にそれぞれ相対的に高濃度のアミノ基を本質的に有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、その製造方法、及び水勾配コンタクトレンズの製造におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトコンタクトレンズの新しい分類である水勾配(water gradient)シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが開発され、そして毎日使い捨て可能なコンタクトレンズ、市場ではDAILIES(登録商標)TOTAL1(登録商標)(Alcon)として導入することに成功している。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズのこのような新しい分類は、水勾配構造、コアから表面まで33%から80%より高い含水量までの増加を有することを特徴とする(米国特許第8,480,227号明細書を参照のこと)。このユニークなデザインによって、非常に潤滑であり、且つ極めて柔らかな、水分の多いレンズ表面が得られ、すなわち、患者に優れた着用快適性を提供することができる。
【0003】
そのようなソフトコンタクトレンズは、米国特許第8,529,057号明細書に記載されるプロセスに従って製造することができる。このプロセスは、それぞれのコンタクトレンズをポリアニオン性ポリマーのコーティング溶液中に浸漬し、それぞれのコンタクトレンズ上に固着層を形成するステップと、次いで、オートクレーブの間にレンズパッケージ中で固着層上に直接的に、水溶性の高度に分岐した親水性ポリマー材料を共有結合させるステップとを含んでなる。製造効率を改善するために、水勾配コンタクトレンズを製造するための製造プロセスにおいて、固着層を形成するためのステップを排除することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、オートクレーブの間にレンズパッケージ中で直接的に、水溶性の高度に分岐した親水性ポリマー材料を共有結合させるための反応性固着部位として機能することが可能である、相対的に高い第一アミノ基の表面濃度を本質的に有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するための方法が依然として必要とされている。水勾配コンタクトレンズを製造するための、より効率的なプロセスも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一態様において、レンズ表面上で本質的に高濃度のアミノ基をそれぞれ有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供する。この方法は、(a)少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分、(b)少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、(c)-NH-BocのBoc保護アミノ基を有するN-Boc含有ビニルモノマー(Bocはtert-ブトキシカルボニル基である)、(d)任意選択的な少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤、並びに(e)少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を含んでなる、室温で透明である重合性組成物を調製するステップと;レンズ型に重合性組成物を導入するステップと;レンズ型中で熱的に又は化学線で重合性組成物を硬化し、N-Boc含有ビニルモノマーのN-Boc含有繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を形成し、ここで各N-Boc含有繰り返し単位は-NH-BocのBoc保護アミノ基を含んでなる、ステップと;それぞれ第一アミノ基を有するアミノ含有繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために十分な時間、約4以下のpHを有する液体媒体中にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を浸漬することによって、N-Boc含有繰り返し単位からBoc基を除去するステップとを含んでなる。
【0006】
本発明は、別の態様において、(1)少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分の第1の繰り返し単位、(2)少なくとも1つの親水性ビニルモノマーの第2の繰り返し単位、(3)-NH-BocのBoc保護アミノ基を有する少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーの第3の繰り返し単位(Bocはtert-ブトキシカルボニル基である)、及び(4)任意選択的な少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤の第4の繰り返し単位を含んでなる、シリコーンヒドロゲルバルク材料を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を提供する。
【0007】
本発明のこれら及び他の態様は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。詳細な説明は、単に本発明の例示的なものであり、且つ添付の請求項及びその同等物によって定義される本発明の範囲を制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び学術用語は、本発明が属する技術分野の当業者が普通に理解するものと同じ意味を有する。一般的に、本明細書において使用される命名法及び実験室手順は、当業者に公知であり、一般的に採用されている。それらの手順では、従来の方法、例えば当業者により実施され、各種の一般的に引用される方法が使用される。用語が単数で与えられている場合でも、本発明者らは、その用語の複数形も考慮に入れている。本明細書において使用される命名法及び以下で記載される実験室手順は、当業者に公知であり、一般的に採用されているものである。また、添付の請求項を含めて、本明細書で使用される場合、文脈上明らかに他に規定されない限り、「a」、「an」及び「the」などの単数形に対する記載は複数を含み、且つ特定の数値に対する記載は少なくともその特定の値を含む。本明細書で使用される場合、「約」は、「約」を用いられた数が、引用された数プラス又はマイナス引用された数の1~10%を含むことを意味する。
【0009】
「コンタクトレンズ」は、着用者の眼の上又は内部に配置することのできる構造を指す。コンタクトレンズは、使用者の視力を補正、改良又は変化させることができるが、必ずしもそうでなければならないわけではない。コンタクトレンズは、当業者に公知であるか又は今後開発される適切ないかなる材料であることも可能であり、且つソフトレンズ、ハードレンズ又はハイブリッドレンズであることが可能である。「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」又は「SiHyコンタクトレンズ」は、シリコーンヒドロゲルのバルク(コア)材料を含んでなるコンタクトレンズを指す。
【0010】
「ソフトコンタクトレンズ」は、2.5MPa未満の弾性係数を有するコンタクトレンズを指す。
【0011】
「ヒドロゲル」又は「ヒドロゲル材料」は、三次元ポリマーネットワーク(すなわちポリマーマトリックス)を有し、水に不溶性であるが、それが完全に水和された場合にポリマーマトリックス中に少なくとも10重量パーセントの水を保持することが可能である、架橋されたポリマー物質を指す。
【0012】
「シリコーンヒドロゲル」又は「SiHy」は、少なくとも1つのシリコーン含有モノマー又は少なくとも1つのシリコーン含有マクロマー又は少なくとも1つの架橋性シリコーン含有プレポリマーを含んでなる重合性組成物を共重合させることにより得られるシリコーン含有ヒドロゲルを指す。
【0013】
本出願で使用される場合、「非シリコーンヒドロゲル」という用語は、理論的にケイ素を含まないヒドロゲルを指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「親水性」は、脂質よりも水と容易に親和するであろう材料又はその一部を説明する。
【0015】
「ビニルモノマー」は、1つの単独のエチレン系不飽和基を有し、溶媒に溶解性であり、且つ化学線で又は熱的に重合可能である化合物を指す。
【0016】
「室温」という用語は、約21℃~約27℃の温度を指す。
【0017】
「可溶性」という用語は、溶媒中の化合物又は材料に関連して、化合物又は材料が溶媒中に溶解されて、室温で少なくとも約0.02重量%の濃度を有する溶液を生じることができることを意味する。
【0018】
「不溶性」という用語は、溶媒中の化合物又は材料に関連して、化合物又は材料が溶媒中に溶解されて、室温で約0.005重量%未満の濃度を有する溶液を生じることができることを意味する。
【0019】
本出願で使用される場合、「エチレン系不飽和基」という用語は、本明細書中で広い意味で利用され、少なくとも1つの>C=C<基を含有するいずれかの基を包含することが意図される。エチレン系不飽和基の例としては、限定されないが、(メタ)アクリロイル
【化1】
アリル、ビニル、スチレニル又は他のC=C含有基が挙げられる。
【0020】
「(メタ)アクリルアミド」という用語は、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを指す。
【0021】
「(メタ)アクリレート」という用語は、メタクリレート及び/又はアクリレートを指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「化学線で」は、重合性組成物、プレポリマー又は材料の硬化、架橋又は重合に関連して、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)が化学線照射、例えばUV/可視光照射、イオン化照射(例えば、ガンマ線又はX線照射)、マイクロ波照射などにより実施されることを意味する。熱硬化法又は化学線硬化法は、当業者に周知である。
【0023】
「親水性ビニルモノマー」は、本明細書で使用される場合、ホモポリマーとして、水溶性であるか、又は少なくとも10重量パーセントの水を吸収することが可能なポリマーを典型的にもたらすビニルモノマーを指す。
【0024】
「疎水性ビニルモノマー」は、本明細書で使用される場合、ホモポリマーとして、水に不溶性であり、且つ10重量パーセント未満の水を吸収することが可能なポリマーを典型的にもたらすビニルモノマーを指す。
【0025】
「N-Boc含有ビニルモノマー」は、-NH-BocのBoc保護アミノ基を有するビニルモノマー(Bocはtert-ブトキシカルボニル基である)を指す。
【0026】
「第一アミノ含有ビニルモノマー」は、-NH2のアミノ基を有するビニルモノマーを指す。
【0027】
「ブレンドビニルモノマー」は、重合性組成物の親水性及び疎水性成分の両方を溶解して溶液を形成することができるビニルモノマーを指す。
【0028】
「アクリルモノマー」は、1つの単独の(メタ)アクリロイル基を有するビニルモノマーを指す。
【0029】
「N-ビニルアミドモノマー」は、アミド基の窒素原子に直接結合するビニル基(-CH=CH2)を有するアミド化合物を指す。
【0030】
「マクロマー」又は「プレポリマー」は、エチレン系不飽和基を有し、且つ700ダルトンよりも大きい数平均分子量を有する化合物又はポリマーを指す。
【0031】
本出願において使用される場合、「ビニル架橋剤」という用語は、少なくとも2つのエチレン系不飽和基を有する有機化合物を指す。「ビニル架橋剤」は、約700ダルトン以下の分子量を有するビニル架橋化剤を指す。
【0032】
本出願において使用される場合、「ポリマー」という用語は、1つ又は複数のモノマー、又はマクロマー、又はプレポリマー、又はそれらの組合せを重合させることにより形成される材料を意味する。
【0033】
本出願において使用される場合、ポリマー材料(モノマー又はマクロマー材料も含む)の「分子量」という用語は、特に断らない限り又は別の試験条件を示さない限り、数平均分子量を指す。
【0034】
「ポリシロキサンセグメント」は、それぞれ互いに独立して、式
【化2】
(式中、R
1’及びR
2’は、C
1~C
10アルキル、C
1~C
4アルキル-又はC
1~C
4アルコキシ-置換フェニル、C
1~C
10フルオロアルキル、C
1~C
10フルオロエーテル、C
6~C
18アリールラジカル、-alk-(OC
2H
4)
γ1-OR
o(式中、alkはC
1~C
6アルキルジラジカルであり、R
oはH又はC
1~C
4アルキルであり、且つγ1は1~10の整数である)、ヒドロキシル基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、-NR
3’R
4’、-NR
3’-のアミノ結合、-CONR
3’-のアミド結合、-CONR
3’R
4’のアミド、-OCONH-のウレタン結合及びC
1~C
4アルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するC
2~C
40有機ラジカル、或いは直鎖親水性ポリマー鎖からなる群から独立して選択される2つの置換基であり、R
3’及びR
4’は、互いに独立して、水素又はC
1~C
15アルキルである)を有する少なくとも3つの連続的且つ直接的に連結したシロキサン単位(二価ラジカル)からなるポリマー鎖を指す。
【0035】
「ポリシロキサンビニル架橋剤」は、少なくとも1つのポリシロキサンセグメント及び少なくとも2つのエチレン系不飽和基を含んでなる化合物を指す。
【0036】
「直鎖ポリシロキサンビニル架橋剤」は、少なくとも1つのポリシロキサンセグメントを含み、且つ主鎖の2つの末端部のそれぞれにおいて1つのエチレン系不飽和基を末端とする主鎖を含んでなる化合物を指す。
【0037】
「鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤」は、それぞれの対が1つの二価ラジカルによって結合される、少なくとも2つのエチレン系不飽和基及び少なくとも2つのポリシロキサンセグメントを含んでなる化合物を指す。
【0038】
「ポリカルボシロキサン」は、それぞれ互いに独立して、式
【化3】
(式中、n1は2又は3の整数であり、R
1’’、R
2’’、R
3’’及びR
4’’は、互いに独立して、C
1~C
6アルキルラジカル(好ましくはメチル)である)を有する少なくとも3つの連続的且つ直接的に連結したシロキサン単位(二価ラジカル)からなるポリマー鎖である少なくとも1つのポリカルボシロキサンセグメントを含有する化合物を指す。
【0039】
「ポリカルボシロキサンビニルモノマー」は、少なくとも1つのポリカルボシロキサンセグメント及び1つの単独のエチレン系不飽和基を含んでなる化合物を指す。
【0040】
「ポリカルボシロキサンビニル架橋剤」は、少なくとも1つのポリカルボシロキサンセグメント及び少なくとも2つのエチレン系不飽和基を含んでなる化合物を指す。
【0041】
「流体」という用語は、本明細書において使用される場合、材料が液状のように流動可能であることを示す。
【0042】
本出願において使用される場合、「透明」という用語は、重合性組成物に関連して、重合性組成物が透明溶液又は液体混合物である(すなわち、400~700nmの範囲において85%以上の光透過率を有する)ことを意味する。
【0043】
「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐状のアルカン化合物から水素原子を除去することにより得られる一価ラジカルを指す。アルキル基(ラジカル)は、有機化合物中で1つの他の基と1つの結合を形成する。
【0044】
「アルキレンの二価の基」又は「アルキレンジラジカル」又は「アルキルジラジカル」という用語は、相互に言い換え可能であり、アルキルから1つの水素原子を除去することにより得られる二価ラジカルを指す。アルキレンの二価の基は、有機化合物中で他の基と2つの結合を作る。
【0045】
「アルコキシ」又は「アルコキシル」という用語は、直鎖状又は分岐状のアルキルアルコールのヒドロキシル基から水素原子を除去することにより得られる一価ラジカルを指す。アルコキシ基(ラジカル)は、有機化合物中で1つの他の基と1つの結合を形成する。
【0046】
本出願において、「置換された」という用語は、アルキルジラジカル又はアルキルラジカルに関連して、アルキルジラジカル又はアルキルラジカルが、アルキルジラジカル又はアルキルラジカルの1つの水素原子を置き換えられ、且つヒドロキシ(-OH)、カルボキシ(-COOH)、-NH2、スルフヒドリル(-SH)、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルチオ(アルキルスルフィド)、C1~C4アシルアミノ、C1~C4アルキルアミノ、ジ-C1~C4アルキルアミノ及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を含んでなることを意味する。
【0047】
フリーラジカル開始剤は、光開始剤又は熱開始剤のいずれでもあることが可能である。「光開始剤」は、光を使用することにより、フリーラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。「熱開始剤」は、熱エネルギーを使用することにより、ラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。
【0048】
本出願において「アゼチジニウム」又は「3-ヒドロキシアゼチジニウム」という用語は、
【化4】
のプラスに帯電した(すなわち、カチオン性の)二価ラジカル(又は基若しくは部分)を指す。
【0049】
「熱架橋性」という用語は、ポリマー材料又は官能基に関連して、ポリマー材料又は官能基が他の材料又は官能基と比較的高い温度(約40℃~約140℃)で架橋(又はカップリング)反応することができる一方、ポリマー材料又は官能基が、約5℃~約15℃の温度では、約1時間の間に検出できる程度に他の材料又は官能基と同一の架橋反応(又はカップリング反応)できないことを意味する。
【0050】
「アズラクトン」という用語は、式
【化5】
(式中、pは、0又は1であり、
3R及び
4Rは、互いに独立して、C
1~C
8アルキル(好ましくはメチル)である)の一価ラジカルを指す。
【0051】
「アジリジン基」という用語は、式
【化6】
(式中、R
2は、水素、メチル又はエチルである)の一価ラジカルを指す。
【0052】
本出願において使用される場合、「ホスホリルコリン」という用語は、
【化7】
(式中、nは1~5の整数であり、且つR
1’’’、R
2’’’及びR
3’’’は、互いに独立して、C
1~C
8アルキル又はC
1~C
8ヒドロキシアルキルである)の双性イオン基を指す。
【0053】
材料の固有の「酸素透過性」、Dkiは、酸素が材料を通過するであろう割合である。本出願で使用される場合、「酸素透過性(Dk)」という用語は、ヒドロゲル(シリコーン若しくは非シリコーン)又はコンタクトレンズに関連して、米国特許出願公開第2012/0026457A1号明細書の実施例1に記載の手順に従って、境界層効果によって引き起こされる酸素フラックスに対する表面抵抗に関して約34~35℃において測定されて、そして補正される、補正酸素透過性(Dkc)を意味する。酸素透過性は、慣習的にバレルの単位で表される。「バレル」は、[(cm3酸素)(mm)/(cm2)(秒)(mm Hg)]×10-10として定義される。
【0054】
レンズ又は材料の「酸素透過率」、Dk/tは、測定される面積上で、tの平均厚さ[ミリの単位で]を有する特定のレンズ又は材料を酸素が通過するであろう割合である。酸素透過率は、慣習的にバレル/mmの単位で表される。「バレル/mm」は[(cm3酸素)/(cm2)(秒)(mm Hg)]×10-9として定義される。
【0055】
「眼科的に互換性がある」とは、本明細書において使用される場合、接眼レンズ環境に有意にダメージを与えることなく、且つ有意な使用者の不快感がない状態で長時間、接眼レンズ環境と密接に接触状態にあり得る材料又は材料の表面を指す。
【0056】
「係数」又は「弾性係数」という用語は、コンタクトレンズ又は材料に関して、コンタクトレンズ又は材料の剛性の尺度である引張係数又はヤング率を意味する。シリコーンヒドロゲル材料又はコンタクトレンズの弾性モジュラスの測定法は、当業者によく知られている。例えば、全ての市販のコンタクトレンズは、報告された弾性係数値を有する。これは、実施例1に記載の通りに測定することができる。
【0057】
本発明は、一般に、レンズ表面上にそれぞれ相対的に高濃度の第一アミノ基(-NH2)を本質的に有するSiHyコンタクトレンズの製造方法に関する。本発明は、部分的に、N-Boc含有ビニルモノマーを含むレンズ配合物(すなわち、重合性組成物)からキャスト成形されたSiHyコンタクトレンズが、疎水性材料(例えば、ポリプロプレン)から製造された型を使用したとしても、アミノ含有ビニルモノマーを含むレンズ配合物からキャスト成形されたSiHyコンタクトレンズよりもはるかに高いアミノ基の表面濃度を有することができるという発見に基づくものである。シリコーンヒドロゲルレンズ配合物中で第一アミノ基を有するビニルモノマーが使用される場合(例えば、アミノプロプルメタクリルアミド、APMAm)、親水性の第一アミノ基のため、それは疎水性のシリコーン含有重合性成分と高度に相溶性ではあり得ず、且つレンズ配合物とキャスト成形用の型(特に疎水性の型、例えば、ポリプロピレン型)との間の界面へ、それらのシリコーン含有重合性成分と一緒に移動することが容易となり得ないことが考えられる。アミノ含有ビニルモノマーを含むそのようなレンズ配合物からキャスト成形されたSiHyコンタクトレンズは、アミノ基の低表面濃度を有し得る。それとは対照的に、ビニルモノマーの第一アミノ基が疎水性保護Boc基によって保護される場合、それは疎水性シリコーン含有重合性成分とより相溶性となり、且つレンズ配合物と型との間の界面へ、それらのシリコーン含有重合性成分と一緒に移動することが容易となることが可能である。レンズ表面において濃厚化されたBoc保護アミノ基は、当業者に知られているいずれのBoc脱保護プロセスに従って第一アミノ基へと変換されることができる。N-Boc含有ビニルモノマーを含み、且つBoc脱保護処理を受ける、そのようなレンズ配合物からキャスト成形されたSiHyコンタクトレンズは、アミノ基の比較的高い表面濃度を有し得る。第一アミノ基の比較的高い表面濃度を有する、そのようなSiHyコンタクトレンズは、レンズ表面上での第一アミノ基の存在のため、比較的高い湿潤性を有することが可能であり、且つ固定層を形成するステップを必要とせずに、米国特許第8,528,057号明細書のコーティングプロセスにおいて直接使用することも可能である。
【0058】
また本発明は、部分的に、レンズ製造プロセス中のレンズ抽出ステップにおいてBoc脱保護が有利に直接実行可能であるという発見に基づくものである。典型的に、キャスト成形後のSiHyコンタクトレンズは、未重合の重合性成分及び形成したオリゴマーを除去するために、液体媒体(例えば、有機溶媒、有機溶媒の混合物、水及び有機溶媒の混合物など)によって抽出される必要がある。酸(例えば、ギ酸、塩酸、硫酸など)を抽出媒体中に都合よく添加し、そのpH値を約4以下の値まで低下させることができる。そのような酸化液体媒体による抽出の間に、Boc保護アミノ基を第一アミノ基へと変換することができる。
【0059】
本発明は、一態様において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供する。この方法は、(a)少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分、(b)少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、(c)-NH-BocのBoc保護アミノ基を有するN-Boc含有ビニルモノマー(Bocはtert-ブトキシカルボニル基である)、(d)任意選択的な少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤、並びに(e)少なくとも1つのフリーラジカル開始剤を含んでなる、室温で、且つ任意選択的であるが、好ましくは約0℃~約4℃の温度において透明である重合性組成物を調製するステップと;レンズ型に重合性組成物を導入するステップと;レンズ型中で熱的に又は化学線で重合性組成物を硬化し、-NH-BocのBoc保護アミノ基を含んでなるN-Boc含有ビニルモノマーのN-Boc含有繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を形成するステップと;その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために十分な時間、約4以下(好ましくは約1.0~約4.0、より好ましくは約1.5~約4.0、さらにより好ましくは約2.0~約4.0)のpH及び任意選択的であるが好ましくは約40℃以上(好ましくは約40℃~約80℃、より好ましくは約40℃~約70℃、さらにより好ましくは約40℃~約60℃)の温度を有する液体媒体中にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を浸漬することによって、N-Boc含有繰り返し単位を、それぞれ第一アミノ基(-NH2)を有する第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップとを含んでなる。好ましくは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも50バレルの酸素透過性、約0.2MPa~約1.5MPaの弾性係数及び約40重量%~約70重量%の平衡含水量を有する。より好ましくは、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも10秒のウォーターブレイクアップ時間及び約90度以下の静的液滴による水接触角を有する。
【0060】
本発明によると、シリコーン含有ビニルモノマーは、当業者に知られているいずれのシリコーン含有ビニルモノマーであることも可能である。好ましいシリコーン含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、それぞれビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基又はトリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニルモノマー、ポリシロキサンビニルモノマー、ポリカルボシロキサンビニルモノマー、3-メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルエチルビニルカルボネート及びトリメチルシリルメチルビニルカルボネート及びそれらの組合せが含まれる。
【0061】
好ましい実施形態において、シリコーン含有ビニルモノマーは、式(M1)又は(M2)
【化8】
(式中、a1はゼロ又は1であり;R
oはH又はメチルであり;X
oはO又はNR
1であり;L
1は、C
2~C
8アルキレン二価ラジカル又は
【化9】
の二価ラジカルであり;L
1’は、ゼロ又は1つのヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価ラジカルであり;L
1’’は、ゼロ又は1つのヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;X
1は、O、NR
1、NHCOO、OCONH、CONR
1又はNR
1COであり;R
1は、H又は0~2つのヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;R
t1及びR
t2は、互いに独立して、C
1~C
4アルキルであり;X
1’はO又はNR
1であり;q1は1~20の整数であり;q2は0~20の整数であり;n1は3~25の整数であり;且つr1は2又は3の整数である)のシロキサン含有ビニルモノマーである。
【0062】
式(M1)の好ましいシロキサン含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、α-(メタ)アクリルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(2-ヒドロキシル-メタクリルオキシプロピルオキシプロピル)-ω-C1~C4-アルキル-デカメチルペンタシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシ-プロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシ-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリルオキシ(ポリエチレンオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-N-メチル-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリロイルアミド-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-[N-メチル-(メタ)アクリロイルアミド]-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、N-メチル-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、N-(2,3-ジヒドロキシプロパン)-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルアミドプロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン、α-ビニルカルボネート末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-ビニルカルバメート末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、米国特許第9,097,840号明細書及び同第9,103,965号明細書に開示されるもの並びにそれらの混合物が含まれる。上記式(M1)の好ましいポリシロキサンビニルモノマーは、商業的な供給元(例えば、Shin-Etsu、Gelestなど)から入手可能であるか、又は特許、例えば、米国特許第5,070,215号明細書、同第6,166,236号明細書、同第6867245号明細書、同第8415405号明細書、同第8475529号明細書、同第8614261号明細書及び同第9217813号明細書に記載の手順に従って調製可能であるか、或いは当業者に周知のカップリング反応に従って、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリルアミド若しくは(メタ)アクリルオキシポリエチレングリコールと、モノ-エポキシプロピルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって、グリシジル(メタ)アクリレートとモノ-カルビノール末端ポリジメチルシロキサン、モノ-アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン若しくはモノ-エチルアミノプロピル末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって、又はイソシアナトエチル(メタ)アクリレートとモノ-カルビノール末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって調製可能である。
【0063】
好ましい式(M2)のシロキサン含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)ブチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N-[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルプロピルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルフェニルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルエチルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-2-(メタ)アクリルオキシエチル-O-(メチル-ビス-トリメチルシロキシ-3-プロピル)シリルカルバメート、3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボネート、3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-トリス(トリメチル-シロキシ)シラン、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボネート、米国特許第9,097,840号明細書、同第9,103,965号明細書及び同第9,475,827号明細書に開示されるもの、並びにそれらの混合物が含まれる。上記好ましいシリコーン含有ビニルモノマーは、商業的な供給元から入手可能であるか、又は米国特許第5,070,215号明細書、同第6,166,236号明細書、同第7214809号明細書、同第8475529号明細書、同第8658748号明細書、同第9097840号明細書、同第9103965号明細書及び同第9475827号明細書に記載される手順に従って調製可能である。
【0064】
いずれのポリカルボシロキサンビニルモノマーも本発明において使用可能である。好ましいポリカルボシロキサンビニルモノマーの例としては、限定されないが、米国特許第7,915,323号明細書及び同第8,420,711号明細書、並びに米国特許出願公開第2012/244088A1号明細書及び同第2012/245249A1号明細書に開示されるものが含まれる。
【0065】
いずれの適切なシリコーン含有ビニル架橋剤も本発明において使用可能である。好ましいシリコーン含有ビニル架橋剤の例としては、限定されないが、ポリシロキサンビニル架橋剤、ポリカルボシロキサンビニル架橋剤、及びそれらの組合せが含まれる。
【0066】
いずれの適切なポリシロキサンビニル架橋剤も本発明において使用可能である。好ましいポリシロキサンビニル架橋剤の例は、ジ-(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサン;ジ-ビニルカルボネート末端ポリジメチルシロキサン;ジ-ビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’-テトラキス(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-アルファ,オメガ-ビス-3-アミノプロピル-ポリジメチルシロキサン;米国特許第5,760,100号明細書に記載されるマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC及びマクロマーDからなる群から選択されるポリシロキサン含有マクロマー;米国特許第4,136,250、同第4,153,641号明細書、同第4,182,822号明細書、同第4,189,546号明細書、同第4,343,927号明細書、同第4,254,248号明細書、同第4,355,147号明細書、同第4,276,402号明細書、同第4,327,203号明細書、同第4,341,889号明細書、同第4,486,577号明細書、同第4,543,398号明細書、同第4,605,712号明細書、同第4,661,575号明細書、同第4,684,538号明細書、同第4,703,097号明細書、同第4,833,218号明細書、同第4,837,289号明細書、同第4,954,586号明細書、同第4,954,587号明細書、同第5,010,141号明細書、同第5,034,461号明細書、同第5,070,170号明細書、同第5,079,319号明細書、同第5039,761号明細書、同第5,346,946号明細書、同第5,358,995号明細書、同第5,387,632号明細書、同第5,416,132号明細書、同第5,451,617号明細書、同第5,486,579号明細書、同第5,962,548号明細書、同第5,981,675号明細書、同第6,039,913号明細書及び同第6,762,264号明細書に開示されるポリシロキサン含有マクロマー;米国特許第4,259,467号明細書、同第4,260,725号明細書及び同第4,261,875に開示されるポリシロキサン含有マクロマーである。
【0067】
好ましいポリシロキサンビニル架橋剤の1つの分類は、米国特許出願公開第2017/0166673A1号明細書に開示されるジメチルシロキサン単位、及び1個のメチル置換基と、2~6個のヒドロキシル基を有する1個の一価C
4~C
40有機ラジカル置換基とをそれぞれが有する親水化シロキサン単位をそれぞれが有するジ-(メタ)アクリロイルオキシ末端ポリシロキサンビニル架橋剤、より好ましくは、式(I)
【化10】
(式中、
ν1は30~500の整数であり、且つω1は1~75の整数であるが、ただし、ω1/ν1は約0.035~約0.15(好ましくは約0.040~約0.12、さらにより好ましくは約0.045~約0.10)であり;
X
01はO又はNR
Nであり、R
Nは水素又はC
1~C
10-アルキルであり;
R
oは水素又はメチルであり;
R
I1及びR
I2は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
10アルキレン二価ラジカル又は-R
I4-O-R
I5-の二価ラジカルであり、R
I4及びR
I5は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
10アルキレン二価ラジカルであり;
R
I3は、式(Ia)~(Ie)のいずれか1つの一価ラジカルであり、
【化11】
p1はゼロ又は1であり;m1は2~4の整数であり;m2は1~5の整数であり;m3は3~6の整数であり;m4は2~5の整数であり;
R
I6は水素又はメチルであり;
R
I7は、(m2+1)価を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I8は、(m4+1)価を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I9はエチル又はヒドロキシメチルであり;
R
I10はメチル又はヒドロメチルであり;
R
I11はヒドロキシル又はメトキシであり;
X
I1は、-S-の硫黄結合又は-NR
I12-の第三アミノ結合であり、R
I12はC
1~C
1アルキル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又は2,3-ジヒドロキシプロピルであり;且つ
X
I2は、
【化12】
のアミド結合であり、R
I13は水素又はC
1~C
10アルキルである)のポリシロキサンビニル架橋剤である。
【0068】
式(I)のポリシロキサンビニル架橋剤は、米国特許出願公開第20120088843A1号明細書に記載の手順に従って調製可能である。
【0069】
好ましいポリシロキサンビニル架橋剤の他の分類は、式(1)~(7)
【化13】
(式中、
ν1は30~500の整数であり;
ν2は5~50の整数であり;
ν3は5~100の整数であり;
ω2及びω3は、互いに独立して、1~15の整数であり;
a1及びg1は、互いに独立して、ゼロ又は1であり;
h1は1~20の整数であり、且つh2は0~20の整数であり;
m1及びm3は、互いに独立して、0又は1であり、m2は1~6の整数であり、m4は1~5の整数であり、m5は2又は3であり;
q1は1~20の整数であり、q2は0~20の整数であり、q3は0~2の整数であり、q4は2~50の整数であり、q5及びq6は、互いに独立して、0~35の数であるが、ただし、(q4+q5+q6)は2~50の整数であり;
x+yは10~30の整数であり;
e1は5~100の整数であり、p1及びb1は、互いに独立して、0~50の整数であるが、ただし、(p1+b1)≧1である場合、(e1+p1+b1)≧10且つe1/(p1+b1)≧2(好ましくは約2:1~約10:1、より好ましくは約3:1~約6:1)であり;
R
oはH又はメチルであり;
R
1、R
1n、R
2n、R
3n及びR
4nは、互いに独立して、H又は0~2個のヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;
R
n5はH又はC
1~C
10アルキルであり;
R
2はC
4~C
14炭化水素二価ラジカルであり;
R
3はC
2~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
4及びR
5は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル又はC
1~C
6アルキレン-オキシ-C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
6及びR
7は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル又はC
1~C
6アルコキシ-C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
8及びR
9は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
12アルキレン二価ラジカルであり;
X
o、X
1’、X
o1、X
02及びX
03は、互いに独立して、O又はNR
1であり;
X
1はO、NR
1、NHCOO、OCONH、CONR
1又はNR
1COであり;
X
o4は-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o5及びX
o7は、互いに独立して、直接結合、-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o6は直接結合、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、C
1~C
6アルキルエノキシ二価ラジカル、-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o8は直接結合又は-COO-であり;
X
o9はO又はNR
n5であり;
X
10は直接結合、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、-COO-又は-CONR
n5-であり;
E
1’は、
【化14】
の一価ラジカルであり;
E
2は、
【化15】
の一価ラジカルであり;
E
3は、
【化16】
の一価ラジカルであり;
E
4は、
【化17】
の一価ラジカルであり;
L
1は、C
2~C
8アルキレン二価ラジカル又は
【化18】
の二価ラジカルであり;
L
1’は、ゼロ又は1個のヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
1’’は、ゼロ又は1個のヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
3は、
【化19】
の二価ラジカルであり、
PEは、
【化20】
の二価ラジカルであり;
L
3’はC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
4は、
【化21】
の二価ラジカルであり;
hpL
1は、
【化22】
の二価ラジカルであり;
hpL
2は、
【化23】
の二価ラジカルであり;
hpL
3は、
【化24】
の二価ラジカルであり;
hpL
4は、
【化25】
の二価ラジカルであり;
pOAlkは、
【化26】
の二価ラジカルであり、
EOは、オキシエチレン単位(-CH
2CH
2O-)であり、POはオキシプロピレン単位
【化27】
であり、且つBOはオキシブチレン単位
【化28】
であり;
M
0はC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
M
1はC
4~C
14炭化水素二価ラジカルであり;
M
2及びM
3は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
J
0は、0~2個のヒドロキシル又はカルボキシル基を有するC
1~C
12炭化水素ラジカルであり;
G1は、直接結合、C
1~C
4アルキレン二価ラジカル、又は
【化29】
の二価ラジカルであり、
M
oはSi原子に連結しているが、X
04~X
10は、式(7)の-CH
2-の基に連結し、且つ式(7)のJ
0及びG1の少なくとも1つが、ヒドロキシル基、-OCONH-のウレタン結合、-NHR
oのアミノ基、-NH-のアミノ結合、-CONH-のアミド結合、カルボキシル基及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの部分を含んでなり;
G
2は、C
1~C
4アルキレン二価ラジカル又は
【化30】
の二価ラジカルであり;
G
3は、
【化31】
の二価ラジカルであり、
h3及びh4は、互いに独立して、1又は0であり;
G4は、(a)-NR
3’-(式中、R
3’は水素又はC
1~C
3アルキルである)、(b)
【化32】
、(c)-NR
0-G
5-NR
0-(式中、G
5はC
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、2,3-ジヒドロキシブチレン二価ラジカルである)、及び(d)-O-G
6-O-(式中、G
6はC
1~C
6アルキレン二価ラジカル、
【化33】
(式中、h4’は1又は2である)の二価ラジカル、
【化34】
の二価ラジカル、
【化35】
(式中、h5は1~5の整数である)の二価ラジカル、
【化36】
(式中、h6は2又は3である)の二価ラジカル、或いはヒドロキシル基又はホスホニルオキシ基を有する置換されたC
3~C
8アルキレン二価ラジカルのいずれか1つの二価ラジカルであり;
Y
1は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、
【化37】
の二価ラジカル、
【化38】
の二価ラジカルであり;
Y
2は、
【化39】
の二価ラジカルであり;
Y
3は、
【化40】
の二価ラジカルであり;
Z
0は、直接結合又はC
1~C
12アルキレン二価ラジカルであり;
Z
1は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、或いは置換されたか又は未置換のフェニレン二価ラジカルであり、
Z
2は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ジヒドロキシル-又はジメトキシ-置換C
2~C
6アルキレン二価ラジカル、-C
2H
4-(O-C
2H
4)
m2-の二価ラジカル、-Z
4-S-S-Z
4-の二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、或いは置換されたか又は未置換のフェニレン二価ラジカルであり、
Z
3は、(a)-NR
n3-、(b)
【化41】
、(c)-NR
0-Z
5-NR
0-及び(d)-O-Z
6-O-のいずれか1つの二価ラジカルであり、
Z
4は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり、
Z
5は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、2,3-ジヒドロキシブチレン二価ラジカルであり、
Z
6は、(a)C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、(b)
【化42】
の二価ラジカル、又は(c)ヒドロキシル基又はホスホニルオキシ基を有する置換されたC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり、
Z
7は、
【化43】
の二価ラジカルであり;且つ
Z
8は、
【化44】
の二価ラジカルである)のいずれか1つのビニル架橋剤である。
【0070】
式(1)のポリシロキサンビニル架橋剤は、商業的な供給元から入手可能であるか、米国特許に記載の手順に従って調製可能であるか、又はグリシジル(メタ)アクリレート(メタ)アクリロイルクロリドとジ-アミノ末端ポリジメチルシロキサン又はジ-ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって、イソシアントエチル(メタ)アクリレートとジ-ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって、カップリング剤(カルボジイミド)の存在下でアミノ含有アクリルモノマーとジ-カルボキシル末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって;カップリング剤(カルボジイミド)の存在下でカルボキシル含有アクリルモノマーとジ-アミノ末端ポリジメチルシロキサンとを反応させることによって調製可能である。又はヒドロキシル含有アクリルモノマーとジ-ヒドロキシ末端ポリジシロキサンとを反応させることによって。
【0071】
式(1)のポリシロキサンビニル架橋剤の好ましい例としては、限定されないが、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-イソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルアミドエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミド-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]-ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-エトキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ポリジメチルシロキサン、それらの組合せが含まれる。
【0072】
式(2)の鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤は、米国特許第5,034,461号明細書、同第5,416,132号明細書、同第5,449,729号明細書、同第5,760,100号明細書、同第7,423,074号明細書及び同第8,529,057号明細書に記載の手順に従って調製可能である。式(3)、(4)又は(5)の鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤は、2016年10月11日出願の米国特許出願第62/406465号明細書に詳説される手順に従って調製可能である。式(6)の鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤は、2016年10月11日出願の米国特許出願第62/406467号明細書に詳説される手順に従って調製可能である。式(6)の鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤は、米国特許第8,993,651号明細書に記載の手順に従って調製可能である。
【0073】
好ましい鎖延長ポリシロキサンビニル架橋剤の別の分類は、米国特許出願公開第20120088843A1号明細書に開示される少なくとも2つのポリシロキサンセグメントと、隣接するポリシロキサンセグメントの各対を分離する二価ラジカルにそれぞれが共有結合し、且つ少なくとも2つのペンダント親水性基及び/又は鎖を有するダングリング親水性ポリマー鎖とをそれぞれが含んでなるもの;米国特許出願公開第20120088844A1号明細書に開示される少なくとも2つのポリシロキサンセグメントと、隣接するポリシロキサンセグメントの各対を分離する二価ラジカルにそれぞれが共有結合するダングリング親水性ポリマー鎖とをそれぞれが含んでなるものである。
【0074】
いずれのポリカルボシロキサンビニル架橋剤も本発明において使用可能である。好ましいポリカルボシロキサンビニル架橋剤の例としては、限定されないが、米国特許第7,915,323号明細書及び同第8,420,711号明細書並びに米国特許出願公開第2012/0244088A1号明細書及び同第2012/0245249A1号明細書に開示されるものが含まれる。
【0075】
いずれの親水性ビニルモノマーも本発明において使用可能である。好ましい親水性ビニルモノマーの例は、アルキル(メタ)アクリルアミド(以下に記載される)、ヒドロキシル含有アクリルモノマー(以下に記載される)、カルボキシル含有アクリルモノマー(以下に記載される)、アミノ含有アクリルモノマー(以下に記載される)、N-ビニルアミドモノマー(以下に記載される)、メチレン含有ピロリドンモノマー(すなわち、3位又は5位においてピロリドン環に結合したメチレン基をそれぞれが有するピロリドン誘導体)(以下に記載される)、C1~C4アルコキシエトキシ基を有するアクリルモノマー(以下に記載される)、ビニルエーテルモノマー(以下に記載される)、アリルエーテルモノマー(以下に記載される)、ホスホリルコリン含有ビニルモノマー(以下に記載される)、アリルアルコール、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL)、N-カルボキシビニル-α-アラニン、及びそれらの組合せである。
【0076】
アルキル(メタ)アクリルアミドの例としては、限定されないが、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せが含まれる。
【0077】
ヒドロキシル含有アクリルモノマーの例としては、限定されないが、N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せが含まれる。
【0078】
アミノ含有アクリルモノマーの例としては、限定されないが、N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せが含まれる。
【0079】
カルボキシル含有アクリルモノマーの例としては、限定されないが、2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸及びそれらの組合せが含まれる。
【0080】
好ましいN-ビニルアミドモノマーの例としては、限定されないが、N-ビニルピロリドン(別名、N-ビニル-2-ピロリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン(別名、N-ビニル-2-ピペリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム(別名、N-ビニル-2-カプロラクタム)、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、N-ビニルアミドモノマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド又はそれらの組合せである。
【0081】
好ましいメチレン含有(=CH2)ピロリドンモノマーの例としては、限定されないが、1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せが含まれる。
【0082】
C1~C4アルコキシエトキシ基を有する好ましいアクリルモノマーの例としては、限定されないが、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するC1~C4-アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するメトキシ-ポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せが含まれる。
【0083】
好ましいビニルエーテルモノマーの例としては、限定されないが、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せが含まれる。
【0084】
好ましいアリルエーテルモノマーの例としては、限定されないが、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せが含まれる。
【0085】
好ましいホスホリルコリン含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(別名、MPC、又は2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート)、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン(別名、3-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート)、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せが含まれる。
【0086】
本発明によると、Bocがtert-ブトキシカルボニル基である-NH-BocのBoc保護アミノ基を有するいずれのN-Boc含有ビニルモノマーも本発明において使用可能である。好ましいN-Boc含有ビニルモノマーの例としては、限定されないが、N-[2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル](メタ)アクリルアミド、N-[3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、Boc保護ビニルアミン、Boc保護アリルアミン及びそれらの組合せが含まれる。N-Boc含有ビニルモノマーは、商業的な供給元から入手可能であるか、又は塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下、ジ-tert-ブチルジカルボネートを使用して水性条件下で第一アミノ含有ビニルモノマーの第一アミノ基に添加することによって調製可能である。
【0087】
本発明によると、いずれの非シリコーンビニル架橋剤も本発明において使用可能である。好ましい非シリコーンビニル系架橋剤の例としては、限定されないが、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、グリセロールジ-(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ-(メタ)アクリレート、エチレンビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)]ジ-(メタ)アクリレート、ビス[2-(メタ)アクリルオキシエチル]ホスフェート、トリメチロールプロパンジ-(メタ)アクリレート、及び3,4-ビス[(メタ)アクリロイル]テトラヒドロフラン、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-メチルアミン、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-エチルアミン、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2-ヒドロキシプロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2,3-ジヒドロキシブチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,3-ビス(メタ)アクリルアミドプロパン-2-イルリン酸二水素塩、ピペラジンジアクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、N-アリル-メタクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド、及びそれらの組合せが含まれる。好ましい非シリコーンビニル系架橋剤は、テトラ(エチレングリコール)ジ-(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)ジ-(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)ジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート及びそれらの組合せである。
【0088】
いずれの熱重合開始剤も本発明において使用可能である。適切な熱重合開始剤は当業者に知られており、且つ例えばペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アゾ-ビス(アルキル-又はシクロアルキルニトリル)、ペルスルフェート、ペルカルボネート、又はそれらの混合物を含んでなる。好ましい熱重合開始剤の例としては、限定されないが、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシド、t-アミルペルオキシベンゾエート、2,2-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、ビス(1-(tert-ブチルペルオキシ)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチル-ジペルオキシフタレート、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ブチルペルアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ジセチルペルオキシジカルボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート(Perkadox 16)、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、t-ブチルペルオキシピバレート(Lupersol 11);t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21-C50)、2,4-ペンタンジオンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過酢酸、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 33)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VAZO 44)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(VAZO 50)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(VAZO 52)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(VAZO 64又はAIBN)が2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(VAZO 67)、1,1-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(VAZO 88);2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレート)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)及びそれらの組合せが含まれる。好ましくは、熱開始剤は、2,2-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN又はVAZO64)である。
【0089】
適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン並びにDarocur及びIrgacur型、好ましくはDarocur 1173(登録商標)及びDarocur 2959(登録商標)、ゲルマニウムベースのNorrish Type I光開始剤(例えば、米国特許第7,605,190号明細書に記載されるもの)である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニロホスフィンオキシド;ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-ブチルフェニルホスフィンオキシドが含まれる。例えばマクロマー中に組み込み可能であるか、又は特別なモノマーとして使用可能である反応性光開始剤も適切である。反応性光開始剤の例は、欧州特許第632329号明細書に開示されるものである。
【0090】
適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン並びにDarocur及びIrgacur型、好ましくはDarocur 1173(登録商標)及びDarocur 2959(登録商標)、ゲルマンベースのNorrish Type I光開始剤である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニロホスフィンオキシド;ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-N-ブチルフェニルホスフィンオキシドが含まれる。例えばマクロマー中に組み込み可能であるか、又は特別なモノマーとして使用可能である反応性光開始剤も適切である。反応性光開始剤の例は、参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許第632329号明細書に開示されるものである。
【0091】
紫外線及び高エネルギー可視光線(HEVL)を吸収することのできるビニルモノマーが本発明において使用される場合、好ましくは、フリーラジカル重合を開始するためにゲルマンベースのNorrish Type I光開始剤及び約400~約550nmの範囲の光を含む光源を使用する。それらが、約400~約550nmの範囲の光を含む光源による照射下でフリーラジカル重合を開始することが可能である限り、いずれのゲルマンベースのNorrish Type I光開始剤も本発明において使用可能である。ゲルマンベースのNorrish Type I光開始剤の例は、米国特許第7,605,190号明細書に記載されるアシルゲルマニウム化合物である。
【0092】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明の重合性組成物は、好ましくは少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーを含んでなることが可能である。好ましいブレンディングビニルモノマーの例としては、C1~C10アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなど)、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、スチレン、4,6-トリメチルスチレン(TMS)、t-ブチルスチレン(TBS)、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロ-イソプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート又はそれらの組合せが含まれる。好ましくは、ブレンディングビニルモノマーとしてメチルメタクリレートが使用される。
【0093】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明の重合性組成物は、少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び任意選択的に(しかし好ましくは)少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーをさらに含んでなることが可能である。「UV/HEVL吸収ビニルモノマー」という用語は、UV光及び高エネルギー可視光線(すなわち、380nm~440nmの波長を有する光)を吸収することのできるビニルモノマーを指す。
【0094】
いずれの適切なUV吸収ビニルモノマー及びUV/HEVL吸収ビニルモノマーも、本発明のポリマーを調製するために重合性組成物中で使用可能である。好ましいUV吸収及びUV/HEVL吸収ビニルモノマーの例としては、限定されないが、2-(2-ヒドロキシ-5-ビニルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-アクリリルオキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルアミドメチル-5-tertオクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルアミドフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルアミドフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルオキシプロピル-3’-t-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリルオキシプロピルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-(トリフルオロメチル)-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-1)、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-5)、3-(5-フルオロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-2)、3-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-3)、3-(5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-メトキシベンジルメタクリレート(WL-4)、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-3-(5-メチル-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-6)、2-ヒドロキシ-5-メチル-3-(5-(トリフルオロメチル)-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)ベンジルメタクリレート(WL-7)、4-アリル-2-(5-クロロ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)-6-メトキシフェノール(WL-8)、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-5’[3’’-(4’’-ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、フェノール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1,1-ジメチルエチル)-4-エテニル-(UVAM)、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル)]-2H-ベンゾトリアゾール(2-プロペン酸、2-メチル-、2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルエステル、Norbloc)、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV13)、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール(UV28)、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール(UV23)、2-(2’-ヒドロキシ-5-メタクリルアミドフェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール(UV6)、2-(3-アリル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(UV9)、2-(2-ヒドロキシ-3-メタリル-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(UV12)、2-3’-t-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(3’’-ジメチルビニルシリルプロポキシ)-2’-ヒドロキシ-フェニル)-5-メトキシベンゾトリアゾール(UV15)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルプロピル-3’-tert-ブチル-フェニル)-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV16)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-アクリロイルプロピル-3’-tert-ブチル-フェニル)-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV16A)、2-メチルアクリル酸3-[3-tert-ブチル-5-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]-プロピルエステル(16-100、CAS#96478-15-8)、2-(3-(tert-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(5-メトキシ-2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾル-2-イル)フェノキシ)エチルメタクリレート(16-102);フェノール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-メトキシ-4-(2-プロペン-1-イル)(CAS#1260141-20-5);2-[2-ヒドロキシ-5-[3-(メタクリロイルオキシ)プロピル]-3-tert-ブチルフェニル]-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール;フェノール、2-(5-エテニル-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-、ホモポリマー(9CI)(CAS#83063-87-0)が含まれる。
【0095】
好ましい実施形態において、本発明の重合性組成物は、UV吸収ビニルモノマー及びUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなる。より好ましくは、UV吸収ビニルモノマーは、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル)]-2H-ベンゾトリアゾール(Norbloc)であり、且つUV/HEVL吸収ビニルモノマーは、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール(UV13)、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール(UV28)、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール(UV23)又はそれらの組合せである。得られるSiHyコンタクトレンズは、280~315ナノメートルで約10%以下(好ましくは約5%以下、より好ましくは約2.5%以下、さらにより好ましくは約1%以下)のUVB透過率及び315~380ナノメートルで約30%以下(好ましくは約20%以下、より好ましくは約10%以下、さらにより好ましくは約5%以下)のUVA透過率及び380nm~440nmで約70%以下、好ましくは約60%以下、より好ましくは約50%以下、さらにより好ましくは約40%以下)の可視光透過率を有することを特徴とする。
【0096】
本発明によると、本発明の重合性組成物は、重合性組成物中の全重合性成分の全量に対して、(a)約20重量%~約79重量%(好ましくは約20重量%~約75重量%、より好ましくは約25重量%~約70重量%、さらにより好ましくは約30重量%~約65重量%)のシリコーン含有ビニルモノマー及び/又はシリコーン含有ビニル架橋剤;(b)20重量%~約79重量%(好ましくは約20重量%~約75重量%、より好ましくは約25重量%~約70重量%、さらにより好ましくは約30重量%~約65重量%)の親水性ビニルモノマー;(c)約1重量%~約15重量%(好ましくは約1.5重量%~約12.5重量%、より好ましくは約2.0重量%~約10重量%、さらにより好ましくは約2.5重量%~約8重量%)のN-Boc含有ビニルモノマー;(d)0~約2.5重量%(好ましくは0~約2.0重量%、より好ましくは約0.01重量%~約1.5重量%、さらにより好ましくは約0.05重量%~約1.0重量%)の非シリコーンビニル架橋剤;(e)約0.05重量%~約2.0重量%(好ましくは約0.1重量%~約2.0重量%、より好ましくは約0.2重量%~約1.5重量%、さらにより好ましくは約0.3重量%~約1.2重量%)のフリーラジカル開始剤;(f)0~約25重量%(好ましくは0~約20重量%、より好ましくは約2.5重量%~約17.5重量%、さらにより好ましくは約5重量%~約15重量%)のブレンディングビニルモノマー;並びに(g)0~約3.0重量%、好ましくは約0.1重量%~約2.5重量%、より好ましくは約0.2重量%~約2.0重量%のUV吸収ビニルモノマー及び/又はUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなるが、ただし、成分(a)~(g)及び他の列挙されていない重合性成分の量の合計が100%であることを条件とする。好ましくは、成分(a)~(c)の量の合計は、重合性組成物中の全重合性成分の全量に対して、少なくとも70重量%(好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%)である。
【0097】
本発明の重合性組成物は、例えば、当業者に知られている視程着色剤(例えば、1つ又はそれ以上の重合性染料、顔料又はそれらの混合物)、抗菌剤(例えば、好ましくは、銀ナノ粒子)、生物活性剤、浸出性潤滑剤、浸出性涙液安定剤及びそれらの混合物などの当業者に知られている他の必要成分を含んでなることができる。
【0098】
生物活性剤は、眼の疾病を予防することができるか、又は眼の疾病の症状を軽減することのできるいずれかの化合物である。生物活性剤は、薬物、アミノ酸(例えば、タウリン、グリシンなど)、ポリペプチド、タンパク質、核酸又はそれらのいずれかの組合せであることが可能である。本明細書において有用な薬剤の例としては、限定されないが、レバミピド、ケトチフェン、オラプチジン(olaptidine)、クロモグリコレート(cromoglycolate)、シクロスポリン、ネドクロミル、レボカバスチン、ロドキサミド、ケトチフェン又はそれらの薬学的に許容できる塩若しくはエステルが含まれる。生物活性剤の他の例としては、2-ピロリドン-5-カルボン酸(PCA)、アルファヒドロキシル酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸及びクエン酸及びそれらの塩など)、リノール酸及びガンマリノール酸及びビタミン(例えば、B5、A、B6など)が含まれる。
【0099】
浸出性潤滑剤の例としては、限定されないが、ムチン様材料(例えば、ポリグリコール酸)及び非架橋性親水性ポリマー(すなわち、エチレン系不飽和基を含まない)が含まれる。いずれのエチレン系不飽和基も含まない、いずれの親水性ポリマー又はコポリマーも浸出性潤滑剤として使用可能である。好ましい非架橋性親水性ポリマーの例としては、限定されないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ビニルラクタムのホモポリマー、1つ又はそれ以上の親水性ビニルコモノマーの存在下又は非存在下での少なくとも1つのビニルラクタムのコポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドと1つ又はそれ以上の親水性ビニルモノマーとのコポリマー、ポリエチレンオキシド(すなわち、ポリエチレングリコール(PEG))、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ-N-N-ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ2エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖類、多糖類、並びにそれらの混合物が含まれる。非架橋性親水性ポリマーの数平均分子量Mwは、好ましくは、5,000~1,000,000である。
【0100】
浸出性涙液安定剤の例としては、限定されないが、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質、脂肪族アルコール、脂肪酸、鉱油及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、涙液安定剤は、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質、8~36個の炭素原子を有する脂肪酸、8~36個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、又はそれらの混合物である。
【0101】
本発明の重合性組成物(SiHyレンズ配合物)は、全ての重合性成分及び他の必要成分を混合することによって調製される無溶媒の透明な液体であることが可能であるか、或いは当業者に知られている、水と、水と混和性である1つ又はそれ以上の有機溶媒との混合物、有機溶媒又は1つ又はそれ以上の有機溶媒の混合物などの、いずれかの適切な溶媒中で所望の成分の全てを溶解することによって調製される溶液であることが可能である。「溶媒」という用語は、フリーラジカル重合反応に関与することができない化学物質を指す。
【0102】
好ましい有機溶媒の例としては、限定されないが、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn-ブチルエーテル、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテルジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸i-プロピル、メチレンクロリド、2-ブタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール及びエクソノルボルネオール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-2-ブタノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、2-ノナノール、2-デカノール、3-オクタノール、ノルボルネオール、tert-ブタノール、tert-アミルアルコール、2-メチル-2-ペンタノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、3-メチル-3-ペンタノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチル-2-ヘキサノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、2-2-メチル-2-ノナノール、2-メチル-2-デカノール、3-メチル-3-ヘキサノール、3-メチル-3-ヘプタノール、4-メチル-4-ヘプタノール、3-メチル-3-オクタノール、4-メチル-4-オクタノール、3-メチル-3-ノナノール、4-メチル-4-ノナノール、3-メチル-3-オクタノール、3-エチル-3-ヘキサノール、3-メチル-3-ヘプタノール、4-エチル-4-ヘプタノール、4-プロピル-4-ヘプタノール、4-イソプロピル-4-ヘプタノール、2,4-ジメチル-2-ペンタノール、1-メチルシクロペンタノール、1-エチルシクロペンタノール、1-エチルシクロペンタノール、3-ヒドロキシ-3-メチル-1-ブテン、4-ヒドロキシ-4-メチル-1-シクロペンタノール、2-フェニル-2-プロパノール、2-メトキシ-2-メチル-2-プロパノール、2,3,4-トリメチル-3-ペンタノール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、2-フェニル-2-ブタノール、2-メチル-1-フェニル-2-プロパノール及び3-エチル-3-ペンタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-メチル-2-プロパノール、t-アミルアルコール、イソプロパノール、1-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、N-メチルピロリジノン、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0103】
コンタクトレンズを作製するためのレンズ成形型は、当業者に周知であり、例えば、キャスト成形又はスピンキャストで利用される。例えば、成形型(キャスト成形用)は、一般に、少なくとも2つの成形型部分(若しくは部)又は成形型半部、すなわち、第1及び第2の成形型半部を含んでなる。第1の成形型半部は、第1の成形(若しくは光学)面を画定し、第2の成形型半部は、第2の成形(若しくは光学)面を画定する。第1及び第2の成形型半部は、レンズ形成空洞が、第1の成形面と第2の成形面との間に形成されるように、互いに受け入れるように構成される。成形型半部の成形面は、成形型の空洞形成面であり、レンズ形成材料と直接接触する。
【0104】
コンタクトレンズをキャスト成形するための成形型部分を製造する方法は、一般に、当業者に周知である。本発明のプロセスは、成形型を形成するいずれの特定の方法にも限定されない。実際に、成形型を形成するいずれの方法も本発明で使用可能である。第1及び第2の成形型半部は、射出成形又は旋盤加工(lathing)などの様々な技術によって形成可能である。成形型半部を形成するための適切なプロセスの例は、米国特許第4,444,711号明細書、同第4,460,534号明細書、同第5,843,346号明細書、及び同第5,894,002号明細書に開示されている。
【0105】
成形型を製造するための当該技術分野において知られている実質的に全ての材料は、コンタクトレンズを製造するための成形型を製造するために使用可能である。例えば、ポリマー材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、Topas(登録商標)COCグレード8007-S10(Frankfurt,GermanyのTicona GmbH及びSummit,New Jerseyからのエチレン及びノルボルネンの透明な非晶質コポリマー)などが使用可能である。石英ガラス及びサファイアなどのUV光透過を可能にする他の材料も使用可能である。
【0106】
本発明によると、本発明において使用される成形型は、好ましくは、疎水性ポリマー材料(すなわち、約100度以上の静的液滴法による水接触角を有するもの)から製造され、より好ましくはポリプロピレンから製造される。
【0107】
本発明によると、重合性組成物は、いずれかの既知の方法に従って成形型によって形成される空洞中に導入(分配)されることが可能である。
【0108】
重合性組成物を成形型中に分配した後、それを重合し、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を製造する。架橋は、重合性組成物中の重合性成分を架橋するために、熱的に又は化学線によって開始され得る。
【0109】
熱重合は、上記溶媒中、高温、例えば、25~100℃、好ましくは40~100℃の温度において都合よく実行される。反応時間は、広い範囲内で様々であってよいが、都合よく、例えば、1~24時間、又は好ましくは2~12時間である。重合反応で使用される成分及び溶媒を事前に脱気しておくこと、そして不活性雰囲気下、例えば、窒素又はアルゴン雰囲気下で前記共重合反応を実行することは有利である。
【0110】
化学線重合を化学線放射、例えば光、特にUV光又は適切な波長の可視光によって引き起こすことが可能である。したがって、スペクトル必要条件は、適切である場合、適切な光増感剤の添加によって制御可能である。
【0111】
成形型の開放は、成形物品(すなわち、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体)が成形型から取り出し可能であるように、それ自体知られている様式で実行されてよい。
【0112】
本発明によると、約4以下のpHを有する液体媒体は、酸性化させた水、水溶液、水及び水と混和性である1つ又はそれ以上の有機溶媒の酸性化させた混合物、酸性化させた有機溶媒、或いは1つ又はそれ以上の有機溶媒の酸性化させた混合物である。上記のいずれの有機溶媒も本発明で使用可能である。好ましくは、本発明で使用される有機溶媒は、1,2-プロピレングリコール、約400ダルトン以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、C1~C6アルキルアルコール又はそれらの組合せである。液体媒体を酸性化させるために、いずれの酸も使用可能である。好ましくは、液体媒体を酸性化させるために、ギ酸、塩化水素酸、硫酸又はそれらの組合せが使用される。
【0113】
典型的に、成形されたコンタクトレンズは、未重合の重合性成分を除去するために抽出溶媒で抽出される必要がある。好ましい実施形態によると、N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するために、抽出溶媒は液体媒体である。
【0114】
本発明によると、N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するためのステップは、好ましくは、約40℃以上(好ましくは約40℃~約80℃、より好ましくは約20℃~約70℃、さらにより好ましくは約40℃~約60℃)の温度で実行可能である。
【0115】
その上に第一アミノ基を有する、結果のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、例えば、水和、当業者に周知のパッケージング溶液を有するレンズパッケージ中でのパッケージング、少なくとも約30分間、118~124℃におけるオートクレーブ処理などの殺菌などのさらなるプロセスをさらに受けることができる。
【0116】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ上に親水性ポリマー材料を共有結合させて、その上に親水性ポリマー材料のコーティングを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するステップをさらに含んでなる。親水性ポリマー材料は、カップリング剤の不在下又は存在下で共有結合を形成するようにSiHyコンタクトレンズの表面上の1つの第一アミノ基とそれぞれが共反応性である1つ又はそれ以上の反応性官能基を含んでなる。好ましい反応性官能基の例としては、限定されないが、アゼチジニウム基、エポキシ基、アジリジン基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アルデヒド基、アズラクトン基、イソシアネート基及びそれらの組合せが含まれる。
【0117】
第一アミノ基と1つの共反応性官能基との間の様々な反応条件下でのカップリング反応の非限定的な例を、例示的な目的で以下に示す。アミノ基(-NH
2)は、約40℃~140℃の温度において、アゼチジニウム基
【化45】
と反応して、結合(
1R
2RN-CH
2-CH(OH)-CH
2-NH-)を形成し;アミノ基-NH
2はエポキシ又はアジリジン基と反応して、アミン結合(-C-NH-)を形成し;アミノ基-NH
2はN-ヒドロキシスクシンイミドエステル基と反応して、アミド結合を形成し;アミノ基-NH
2は、カップリング剤、カルボジイミド(例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド又はそれらの混合物)及びN-ヒドロキシスクシンイミドの存在下、カルボン酸基と反応して、アミド結合を形成し;アミノ基-NH
2は、酸塩化物又は臭化物基と、或いは酸無水物基と反応して、アミド結合(-CO-NH-)を形成し;アミノ基はアルデヒド基と反応して、さらに還元されてもよいシッフ(Schiff)塩基を形成し;アミノ基-NH
2は、アズラクトン基と反応(開環)し、アルキレン-ジアミド結合(-C(O)NH-アルキレン-C(O)NH-)を形成し;そしてアミノ基-NH
2はイソシアネート基と反応して、尿素結合(-NH-C(O)-NH-)を形成する。
【0118】
好ましくは、親水性ポリマー材料をシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに共有結合させるステップは、約115℃~約125℃の温度で、約20~90分間、密閉されたレンズパッケージ中で、アゼチジニウム基を有する親水性ポリマー材料を少なくとも0.01重量%(好ましくは約0.05重量%~約2重量%、より好ましくは約0.05重量%~約1.5重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%~約1.5重量%、最も好ましくは約0.2重量%~約1.0重量%含んでなるパッケージング溶液(すなわち、6.7~7.6のpHを有する緩衝水溶液)中に含浸された、その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをオートクレーブ処理することによって実行される。オートクレーブ処理の間、架橋反応に関与しないアゼチジニウム基は2,3-ジヒドロキシプロピル(HO-CH2-CH(OH)-CH2-)基へと加水分解されること、及び適用可能である場合、レンズパッケージ溶液中に存在するアゼチジニウム含有ポリマー材料は、レンズ挿入時の快適性を改善することのできる非反応性ポリマー湿潤剤へと変換可能であることが考えられる。したがって、第2の水性コーティング溶液は、オートクレーブ処理後に眼科的に安全である。
【0119】
アゼチジニウム基を有する好ましい親水性ポリマー材料の例は、米国特許第8480227号明細書に記載されるものである。
【0120】
ソフトコンタクトレンズをオートクレーブ処理及び貯蔵するためのレンズパッケージ(又は容器)は、当業者に周知である。いずれのレンズパッケージも本発明において使用可能である。好ましくは、レンズパッケージは、基部及びカバーを含んでなるブリスターパッケージであり、カバーは基部に取り外し可能であるように密封され、基部は殺菌パッケージ溶液及びコンタクトレンズを受け取るためのキャビティを含む。
【0121】
レンズは、使用者への分配の前に、個々のパッケージ中にパッケージされ、密封され、そして(例えば、圧力下、少なくとも30分間、約120℃以上の温度でのオートクレーブ処理によって)殺菌される。当業者は、レンズパッケージをどのように密封し、そして殺菌するのかをよく理解するであろう。
【0122】
パッケージ溶液は、所望の範囲、例えば、好ましくは約6.5~約7.5の生理的に許容できる範囲にパッケージ溶液のpHを維持するために十分な量の緩衝剤を含有する。いずれの周知の生理的に相溶性の緩衝剤も使用可能である。本発明によるコンタクトレンズケア組成物の成分として適切な緩衝剤は、当業者に知られている。例は、ホウ酸、ホウ酸塩、例えば、ホウ酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸塩、例えばクエン酸カリウム、重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、TRIS(すなわち、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、Bis-Tris[すなわち、ビス-(2-ヒドロキシエチル)-イミノ-トリス(ヒドロキシメチル)-メタン]、Bis-Trisプロパン[すなわち、1,3-ビス(トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ)プロパン]、ビス-アミノポリオール、トリエタノールアミン、ACES[すなわち、N-(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸]、BES[すなわち、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸]、HEPES[すなわち、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸]、MES[すなわち、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸]、MOPS[すなわち、3-[N-モルホリノ]-プロパンスルホン酸]、PIPES[すなわち、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸]、TES{すなわち、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]-2-アミノエタンスルホン酸}、それらの塩、リン酸緩衝剤、例えば、Na2HPO4、NaH2PO4及びKH2PO4又はそれらの混合物である。パッケージ溶液中のそれぞれの緩衝剤の量は、好ましくは0.001重量%~2重量%、好ましくは0.01重量%~1重量%;最も好ましくは約0.05重量%~約0.30重量%である。
【0123】
パッケージング溶液は、約200~約450ミリオスモル(mOsm)、好ましくは約250~約350mOsmの張性を有する。パッケージング溶液の張性は、張性に影響を与える有機又は無機物を添加することによって調整可能である。適切な視覚的に許容できる等張化剤としては、限定されないが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセロール、プロピレングリコール、ポリオール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール及びそれらの混合物が含まれる。
【0124】
本発明のパッケージング溶液は、25℃において約1センチポアズ~約5センチポアズの粘度を有する。
【0125】
本発明は、別の態様において、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体の乾燥重量に対して、(1)約20重量%~約79重量%(好ましくは約20重量%~約75重量%、より好ましくは約25重量%~約70重量%、さらにより好ましくは約30重量%~約65重量%)の少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー及び/又は少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤の第1の繰り返し単位;(2)20重量%~約79重量%(好ましくは約20重量%~約75重量%、より好ましくは約25重量%~約70重量%、さらにより好ましくは約30重量%~約65重量%)の少なくとも1つの親水性ビニルモノマーの第2の繰り返し単位;(3)約1重量%~約15重量%(好ましくは約1.5重量%~約12.5重量%、より好ましくは約2.0重量%~約10重量%、さらにより好ましくは約2.5重量%~約8重量%)の少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーの第3の繰り返し単位;(4)0~約2.5重量%(好ましくは0~約2.0重量%、より好ましくは約0.01重量%~約1.5重量%、さらにより好ましくは約0.05重量%~約1.0重量%)の少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤の第4の繰り返し単位;(5)0~約25重量%(好ましくは0~約20重量%、より好ましくは約2.5重量%~約17.5重量%、さらにより好ましくは約5重量%~約15重量%)の少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーの第5の繰り返し単位;並びに(6)0~約3.0重量%、好ましくは約0.1重量%~約2.5重量%、より好ましくは約0.2重量%~約2.0重量%の少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又は少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーの第6の繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルバルク材料を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を提供する。好ましくは、繰り返し単位(a)~(c)の量の合計は、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体の乾燥重量に対して、少なくとも70重量%(好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%)である。
【0126】
本発明によると、第1~第6の繰り返し単位の量(重量パーセント)は、本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体の製造のための重合性組成物中に存在する前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤、前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマー、前記少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤、前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマー、前記少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー、及び前記少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーの量に基づいて計算される。
【0127】
シリコーン含有ビニルモノマー、シリコーン含有ビニル架橋剤、親水性ビニルモノマー、N-Boc含有ビニルモノマー、非シリコーンビニル架橋剤、ブレンディングビニルモノマー、UV吸収ビニルモノマー及びUV/HEVL-吸収ビニルモノマーの上記された種々の実施形態は、本発明の本態様に組み込まれるべきである。
【0128】
本発明の種々の実施形態は、特定の用語、デバイス及び方法を使用して記載されたが、そのような記載は、例示的な目的のみのためである。使用される用語は、限定ではなく、説明の用語である。当業者には明白であるように、当業者によって、本開示の新規概念の精神又は範囲を逸脱することなく多くの変更及び修正が加えられ得る。加えて、以下に例示されるように、本発明の種々の実施形態の態様は、全体的に又は部分的に互換し得るか、或いはいずれかの様式で組み合わせることができる且つ/又は一緒に使用することができる。
【0129】
1.(1)約20重量%~約79重量%の、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分の第1の繰り返し単位;(2)20重量%~約79重量%の少なくとも1つの親水性ビニルモノマーの第2の繰り返し単位;(3)約1重量%~約15重量%の少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーの第3の繰り返し単位;(4)0~約2.5重量%の少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤の第4の繰り返し単位;(5)0~約25重量%の少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーの第5の繰り返し単位;並びに(6)0~約3.0重量%の少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又は少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーの第6の繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルバルク材料を含んでなるコンタクトレンズ前駆体。
【0130】
2.シリコーンヒドロゲルバルク材料中に存在する繰り返し単位(a)~(c)の量の合計が少なくとも70重量%である、実施形態1のコンタクトレンズ前駆体。
【0131】
3.シリコーンヒドロゲルバルク材料中に存在する繰り返し単位(a)~(c)の量の合計が少なくとも75重量%である、実施形態1のコンタクトレンズ前駆体。
【0132】
4.シリコーンヒドロゲルバルク材料中に存在する繰り返し単位(a)~(c)の量の合計が少なくとも80重量%である、実施形態1のコンタクトレンズ前駆体。
【0133】
5.シリコーンヒドロゲルバルク材料中に存在する繰り返し単位(a)~(c)の量の合計が少なくとも85重量%である、実施形態1のコンタクトレンズ前駆体。
【0134】
6.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約20重量%~約75重量%の前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー及び/又は前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤の第1の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~5のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0135】
7.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約25重量%~約70重量%の第1の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~5のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0136】
8.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約30重量%~約65重量%の第1の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~5のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0137】
9.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約20重量%~約75重量%の前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー及び/又は前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤の第2の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~8のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0138】
10.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約25重量%~約70重量%の第2の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~9のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0139】
11.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約30重量%~約65重量%の第2の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~9のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0140】
12.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約1.5重量%~約12.5重量%の第3の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~11のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0141】
13.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約2.0重量%~約10重量%の第3の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~11のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0142】
14.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約2.5重量%~約8重量%の第3の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~11のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0143】
15.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、0~約2.0重量%の第4の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~14のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0144】
16.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約0.01重量%~約1.5重量%の第4の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~14のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0145】
17.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約0.05重量%~約1.0重量%の第4の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~14のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0146】
18.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、0~約20重量%の第5の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~17のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0147】
19.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約2.5重量%~約17.5重量%の第5の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~17のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0148】
20.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約5重量%~約15重量%の第5の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~17のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0149】
21.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約0.1重量%~約2.5重量%の第6の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~20のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0150】
22.シリコーンヒドロゲルバルク材料が、約0.2重量%~約2.0重量%の第6の繰り返し単位を含んでなる、実施形態1~20のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体。
【0151】
23.(1)重合性組成物中の全重合性成分の全量に対して、(a)約20重量%~約79重量%の、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー、少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤又はそれらの組合せを含んでなる少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分、(b)20重量%~約79重量%の少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、(c)約1重量%~約15重量%の少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマー、(d)0~約2.5重量%の非シリコーンビニル架橋剤、(e)約0.05重量%~約2.0重量%のフリーラジカル開始剤、(f)0~約25重量%の少なくとも1つのブレンディングビニルモノマー、並びに(g)0~約3.0重量%の少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又はUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなるが、ただし、成分(a)~(g)及び他の列挙されていない重合性成分の量の合計が100%であることを条件とする、室温で透明である重合性組成物を調製するステップと;(2)レンズ型に重合性組成物を導入するステップと;(3)レンズ型中で熱的に又は化学線で重合性組成物を硬化し、-NH-BocのBoc保護アミノ基を含んでなるN-Boc含有ビニルモノマーのN-Boc含有繰り返し単位を含んでなるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を形成するステップと;(4)その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために十分な時間、約4以下のpHを有する液体媒体中にシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ前駆体を浸漬することによって、N-Boc含有繰り返し単位を、それぞれ第一アミノ基(-NH2)を有する第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップとを含んでなる、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
【0152】
24.レンズ型が疎水性ポリマー材料から製造される、実施形態23の方法。
【0153】
25.レンズ型がポリプロピレンから製造される、実施形態23の方法。
【0154】
26.液体媒体が1.0~約4.0のpHを有する、実施形態23~25のいずれか1つの方法。
【0155】
27.液体媒体が約1.5~約4.0のpHを有する、実施形態23~25のいずれか1つの方法。
【0156】
28.液体媒体が約2.0~約4.0のpHを有する、実施形態23~25のいずれか1つの方法。
【0157】
29.液体媒体が、酸性化された水、水溶液、水及び水と混和性である1つ又はそれ以上の有機溶媒の酸性化された混合物、酸性化された有機溶媒、或いは有機溶媒の酸性化された混合物である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0158】
30.液体媒体が酸性化された水である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0159】
31.液体媒体が水溶液である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0160】
32.液体媒体が、水と、1,2-プロピレングリコール、約400ダルトン以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、C1~C6アルキルアルコール又はそれらの組合せからなる群から選択される1つ又はそれ以上の有機溶媒との酸性化された混合物である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0161】
33.液体媒体が、1,2-プロピレングリコール、約400ダルトン以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、C1~C6アルキルアルコール又はそれらの組合せからなる群から選択される酸性化された有機溶媒である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0162】
34.液体媒体が、1,2-プロピレングリコール、約400ダルトン以下の数平均分子量を有するポリエチレングリコール、C1~C6アルキルアルコール又はそれらの組合せからなる群から選択される1つ又はそれ以上の有機溶媒の酸性化された混合物である、実施形態23~28のいずれか1つの方法。
【0163】
35.液体媒体が、ギ酸、塩化水素酸、硫酸又はそれらの組合せによって酸性化される、実施形態23~34のいずれか1つの方法。
【0164】
36.N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップが約40℃~約80℃の温度において実行される、実施形態23~35のいずれか1つの方法。
【0165】
37.N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップが約40℃~約70℃の温度において実行される、実施形態23~35のいずれか1つの方法。
【0166】
38.N-Boc含有繰り返し単位を第一アミノ含有繰り返し単位へと変換するステップが約40℃~約60℃の温度において実行される、実施形態23~35のいずれか1つの方法。
【0167】
39.その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ上に親水性ポリマー材料を共有結合させて、その上に親水性ポリマー材料のコーティングを有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成するステップをさらに含んでなり、親水性ポリマー材料が、カップリング剤の不在下又は存在下で共有結合を形成するようにSiHyコンタクトレンズの表面上の1つの第一アミノ基とそれぞれが共反応性である1つ又はそれ以上の反応性官能基を含んでなる、実施形態23~38のいずれか1つの方法。
【0168】
40.反応性官能基が、アゼチジニウム基、エポキシ基又はそれらの組合せである、実施形態39の方法。
【0169】
41.反応性官能基が、アジリジン基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アルデヒド基、アズラクトン基、イソシアネート基及びそれらの組合せである、実施形態39の方法。
【0170】
42.親水性ポリマー材料をシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに共有結合させるステップが、約115℃~約125℃の温度で、約20~90分間、密閉されたレンズパッケージ中で、少なくとも0.01重量%の親水性ポリマー材料を含んでなるパッケージング溶液中に含浸された、その上に第一アミノ基を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをオートクレーブ処理することによって実行される、実施形態40又は41の方法。
【0171】
43.パッケージング溶液が約0.05重量%~約2.0重量%の親水性ポリマー材料を含んでなる、実施形態42の方法。
【0172】
44.パッケージング溶液が約0.1重量%~約1.5重量%の親水性ポリマー材料を含んでなる、実施形態42の方法。
【0173】
45.パッケージング溶液が約0.2重量%~約1.0重量%の親水性ポリマー材料を含んでなる、実施形態42の方法。
【0174】
46.親水性ポリマー材料がアゼチジニウム基を含んでなる、実施形態42~45のいずれか1つの方法。
【0175】
47.重合性組成物が約20重量%~約75重量%の前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分を含んでなる、実施形態23~46のいずれか1つの方法。
【0176】
48.重合性組成物が約25重量%~約70重量%の前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分を含んでなる、実施形態23~46のいずれか1つの方法。
【0177】
49.重合性組成物が約30重量%~約65重量%の前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分を含んでなる、実施形態23~46のいずれか1つの方法。
【0178】
50.重合性組成物が約20重量%~約75重量%の前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~49のいずれか1つの方法。
【0179】
51.重合性組成物が約25重量%~約70重量%の前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~49のいずれか1つの方法。
【0180】
52.重合性組成物が約30重量%~約65重量%の前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~49のいずれか1つの方法。
【0181】
53.重合性組成物が約1.5重量%~約12.5重量%の前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~52のいずれか1つの方法。
【0182】
54.重合性組成物が約2.0重量%~約10重量%の前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~52のいずれか1つの方法。
【0183】
55.重合性組成物が約2.5重量%~約8重量%の前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~52のいずれか1つの方法。
【0184】
56.重合性組成物が0~約2.0重量%の非シリコーンビニル架橋剤を含んでなる、実施形態23~55のいずれか1つの方法。
【0185】
57.重合性組成物が約0.01重量%~約1.5重量%の非シリコーンビニル架橋剤を含んでなる、実施形態23~55のいずれか1つの方法。
【0186】
58.重合性組成物が約0.05重量%~約1.0重量%の非シリコーンビニル架橋剤を含んでなる、実施形態23~55のいずれか1つの方法。
【0187】
59.重合性組成物が約0.1重量%~約2.0重量%のフリーラジカル開始剤を含んでなる、実施形態23~58のいずれか1つの方法。
【0188】
60.重合性組成物が約0.2重量%~約1.5重量%のフリーラジカル開始剤を含んでなる、実施形態23~58のいずれか1つの方法。
【0189】
61.重合性組成物が約0.3重量%~約1.2重量%のフリーラジカル開始剤を含んでなる、実施形態23~58のいずれか1つの方法。
【0190】
62.重合性組成物が0~約20重量%の前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~61のいずれか1つの方法。
【0191】
63.重合性組成物が約2.5重量%~約17.5重量%の前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~61のいずれか1つの方法。
【0192】
64.重合性組成物が約5重量%~約15重量%の前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~61のいずれか1つの方法。
【0193】
65.重合性組成物が約0.1重量%~約2.5重量%の前記少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又は前記少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~64のいずれか1つの方法。
【0194】
66.重合性組成物が約0.2重量%~約2.0重量%の前記少なくとも1つのUV吸収ビニルモノマー及び/又は前記少なくとも1つのUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなる、実施形態23~64のいずれか1つの方法。
【0195】
67.前記少なくとも1つのシリコーン含有重合性成分が少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーを含んでなる、実施形態1~22のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~66のいずれか1つの方法。
【0196】
68.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーが、ビス(トリアルキルシリルオキシ)アルキルシリル基又はトリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有するビニルモノマー、ポリシロキサンビニルモノマー、ポリカルボシロキサンビニルモノマー、3-メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、t-ブチルジメチル-シロキシエチルビニルカルボネート、トリメチルシリルエチルビニルカルボネート及びトリメチルシリルメチルビニルカルボネート及びそれらの組合せである、実施形態67のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0197】
69.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーが、式(M1)又は(M2)
【化46】
(式中、a1はゼロ又は1であり;R
oはH又はメチルであり;X
oはO又はNR
1であり;L
1は、C
2~C
8アルキレン二価ラジカル又は
【化47】
の二価ラジカルであり;L
1’は、ゼロ又は1つのヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価ラジカルであり;L
1’’は、ゼロ又は1つのヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;X
1は、O、NR
1、NHCOO、OCONH、CONR
1又はNR
1COであり;R
1は、H又は0~2つのヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;R
t1及びR
t2は、互いに独立して、C
1~C
4アルキルであり;X
1’はO又はNR
1であり;q1は1~20の整数であり;q2は0~20の整数であり;n1は3~25の整数であり;且つr1は2又は3の整数である)のビニルモノマーである、実施形態67のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0198】
70.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーが、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ]プロピルビス(トリメチルシロキシ)ブチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N-[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)-2-メチルアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルプロピルシロキシ)シリルプロピル]-(メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルフェニルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N-[トリス(ジメチルエチルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N,N-ビス[2-ヒドロキシ-3-(3-(t-ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]-2-メチル(メタ)アクリルアミド、N-2-(メタ)アクリルオキシエチル-O-(メチル-ビス-トリメチルシロキシ-3-プロピル)シリルカルバメート、3-(トリメチルシリル)プロピルビニルカルボネート、3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-トリス(トリメチル-シロキシ)シラン、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルボネート又はそれらの組合せである、実施形態69のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0199】
71.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマーが、α-(メタ)アクリルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(2-ヒドロキシル-メタクリルオキシプロピルオキシプロピル)-ω-C1~C4-アルキル-デカメチルペンタシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシ-プロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルオキシ-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリルオキシ(ポリエチレンオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-N-メチル-(メタ)アクリロイルアミドプロピルオキシプロピル末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-[3-(メタ)アクリロイルアミド-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキルポリジメチルシロキサン、α-[3-[N-メチル-(メタ)アクリロイルアミド]-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、N-メチル-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、N-(2,3-ジヒドロキシプロパン)-N’-(プロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルアミドプロピルテトラ(ジメチルシロキシ)ジメチルブチルシラン、α-ビニルカルボネート末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン、α-ビニルカルバメート末端ω-C1~C4-アルキル末端ポリジメチルシロキサン又はそれらの組合せである、実施形態67のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0200】
72.前記少なくとも1つのシリコーン含有ポリマー成分が少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤を含んでなる、実施形態1~22及び67~71のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~71のいずれか1つの方法。
【0201】
73.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤がポリシロキサンビニル架橋剤、ポリカルボシロキサンビニル架橋剤又はそれらの組合せである、実施形態71のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0202】
74.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤が、ジ-(メタ)アクリロイル末端ポリジメチルシロキサン、ジ-ビニルカルボネート末端ポリジメチルシロキサン;ジ-ビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’-テトラキス(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-アルファ,オメガ-ビス-3-アミノプロピル-ポリジメチルシロキサン又はそれらの組合せである、実施形態71のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0203】
75.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤は、式(I)
【化48】
(式中、
ν1は30~500の整数であり、且つω1は1~75の整数であるが、ただし、ω1/ν1は約0.035~約0.15(好ましくは約0.040~約0.12、さらにより好ましくは約0.045~約0.10)であり;
X
01はO又はNR
Nであり、R
Nは水素又はC
1~C
10-アルキルであり;
R
oは水素又はメチルであり;
R
I1及びR
I2は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
10アルキレン二価ラジカル又は-R
I4-O-R
I5-の二価ラジカルであり、R
I4及びR
I5は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
10アルキレン二価ラジカルであり;
R
I3は、式(Ia)~(Ie)のいずれか1つの一価ラジカルであり、
【化49】
p1はゼロ又は1であり;m1は2~4の整数であり;m2は1~5の整数であり;m3は3~6の整数であり;m4は2~5の整数であり;
R
I6は水素又はメチルであり;
R
I7は、(m2+1)価を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I8は、(m4+1)価を有するC
2~C
6炭化水素ラジカルであり;
R
I9はエチル又はヒドロキシメチルであり;
R
I10はメチル又はヒドロメチルであり;
R
I11はヒドロキシル又はメトキシであり;
X
I1は、-S-の硫黄結合又は-NR
I12-の第三アミノ結合であり、R
I12はC
1~C
1アルキル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又は2,3-ジヒドロキシプロピルであり;且つ
X
I2は、
【化50】
のアミド結合であり、R
I13は水素又はC
1~C
10アルキルである)のビニル架橋剤である、実施形態71のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0204】
76.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤が、式(1)~(7)
【化51】
(式中、
ν1は30~500の整数であり;
ν2は5~50の整数であり;
ν3は5~100の整数であり;
ω2及びω3は、互いに独立して、1~15の整数であり;
a1及びg1は、互いに独立して、ゼロ又は1であり;
h1は1~20の整数であり、且つh2は0~20の整数であり;
m1及びm3は、互いに独立して、0又は1であり、m2は1~6の整数であり、m4は1~5の整数であり、m5は2又は3であり;
q1は1~20の整数であり、q2は0~20の整数であり、q3は0~2の整数であり、q4は2~50の整数であり、q5及びq6は、互いに独立して、0~35の数であるが、ただし、(q4+q5+q6)は2~50の整数であり;
x+yは10~30の整数であり;
e1は5~100の整数であり、p1及びb1は、互いに独立して、0~50の整数であるが、ただし、(p1+b1)≧1である場合、(e1+p1+b1)≧10且つe1/(p1+b1)≧2(好ましくは約2:1~約10:1、より好ましくは約3:1~約6:1)であり;
R
oはH又はメチルであり;
R
1、R
1n、R
2n、R
3n及びR
4nは、互いに独立して、H又は0~2個のヒドロキシル基を有するC
1~C
4アルキルであり;
R
n5はH又はC
1~C
10アルキルであり;
R
2はC
4~C
14炭化水素二価ラジカルであり;
R
3はC
2~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
4及びR
5は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル又はC
1~C
6アルキレン-オキシ-C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
6及びR
7は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル又はC
1~C
6アルコキシ-C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
R
8及びR
9は、互いに独立して、置換されたか又は未置換のC
1~C
12アルキレン二価ラジカルであり;
X
o、X
1’、X
o1、X
02及びX
03は、互いに独立して、O又はNR
1であり;
X
1はO、NR
1、NHCOO、OCONH、CONR
1又はNR
1COであり;
X
o4は-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o5及びX
o7は、互いに独立して、直接結合、-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o6は直接結合、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、C
1~C
6アルキルエノキシ二価ラジカル、-COO-又は-CONR
n5-であり;
X
o8は直接結合又は-COO-であり;
X
o9はO又はNR
n5であり;
X
10は直接結合、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、-COO-又は-CONR
n5-であり;
E
1’は、
【化52】
の一価ラジカルであり;
E
2は、
【化53】
の一価ラジカルであり;
E
3は、
【化54】
の一価ラジカルであり;
E
4は、
【化55】
の一価ラジカルであり;
L
1は、C
2~C
8アルキレン二価ラジカル又は
【化56】
の二価ラジカルであり;
L
1’は、ゼロ又は1個のヒドロキシル基を有するC
2~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
1’’は、ゼロ又は1個のヒドロキシル基を有するC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
3は、
【化57】
の二価ラジカルであり、
PEは、
【化58】
の二価ラジカルであり;
L
3’はC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
L
4は、
【化59】
の二価ラジカルであり;
hpL
1は、
【化60】
の二価ラジカルであり;
hpL
2は、
【化61】
の二価ラジカルであり;
hpL
3は、
【化62】
の二価ラジカルであり;
hpL
4は、
【化63】
の二価ラジカルであり;
pOAlkは、
【化64】
の二価ラジカルであり、
EOは、オキシエチレン単位(-CH
2CH
2O-)であり、POはオキシプロピレン単位
【化65】
であり、且つBOはオキシブチレン単位
【化66】
であり;
M
0はC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり;
M
1はC
4~C
14炭化水素二価ラジカルであり;
M
2及びM
3は、互いに独立して、C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり;
J
0は、0~2個のヒドロキシル又はカルボキシル基を有するC
1~C
12炭化水素ラジカルであり;
G1は、直接結合、C
1~C
4アルキレン二価ラジカル、又は
【化67】
の二価ラジカルであり、
M
oはSi原子に連結しているが、X
04~X
10は、式(7)の-CH
2-の基に連結し、且つ式(7)のJ
0及びG1の少なくとも1つが、ヒドロキシル基、-OCONH-のウレタン結合、-NHR
oのアミノ基、-NH-のアミノ結合、-CONH-のアミド結合、カルボキシル基及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの部分を含んでなり;
G
2は、C
1~C
4アルキレン二価ラジカル又は
【化68】
の二価ラジカルであり;
G
3は、
【化69】
の二価ラジカルであり、
h3及びh4は、互いに独立して、1又は0であり;
G4は、(a)-NR
3’-(式中、R
3’は水素又はC
1~C
3アルキルである)、(b)
【化70】
、(c)-NR
0-G
5-NR
0-(式中、G
5はC
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、2,3-ジヒドロキシブチレン二価ラジカルである)、及び(d)-O-G
6-O-(式中、G
6はC
1~C
6アルキレン二価ラジカル、
【化71】
(式中、h4’は1又は2である)の二価ラジカル、
【化72】
の二価ラジカル、
【化73】
(式中、h5は1~5の整数である)の二価ラジカル、
【化74】
(式中、h6は2又は3である)の二価ラジカル、或いはヒドロキシル基又はホスホニルオキシ基を有する置換されたC
3~C
8アルキレン二価ラジカルのいずれか1つの二価ラジカルであり;
Y
1は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、
【化75】
の二価ラジカル、
【化76】
の二価ラジカルであり;
Y
2は、
【化77】
の二価ラジカルであり;
Y
3は、
【化78】
の二価ラジカルであり;
Z
0は、直接結合又はC
1~C
12アルキレン二価ラジカルであり;
Z
1は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、或いは置換されたか又は未置換のフェニレン二価ラジカルであり、
Z
2は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、ジヒドロキシル-又はジメトキシ-置換C
2~C
6アルキレン二価ラジカル、-C
2H
4-(O-C
2H
4)
m2-の二価ラジカル、-Z
4-S-S-Z
4-の二価ラジカル、ヒドロキシル-又はメトキシ-置換C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、或いは置換されたか又は未置換のフェニレン二価ラジカルであり、
Z
3は、(a)-NR
n3-、(b)
【化79】
、(c)-NR
0-Z
5-NR
0-及び(d)-O-Z
6-O-のいずれか1つの二価ラジカルであり、
Z
4は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカルであり、
Z
5は、C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、2-ヒドロキシルプロピレン二価ラジカル、2-(ホスホニルオキシ)プロピレン二価ラジカル、1,2-ジヒドロキシエチレン二価ラジカル、2,3-ジヒドロキシブチレン二価ラジカルであり、
Z
6は、(a)C
1~C
6アルキレン二価ラジカル、(b)
【化80】
の二価ラジカル、又は(c)ヒドロキシル基又はホスホニルオキシ基を有する置換されたC
3~C
8アルキレン二価ラジカルであり、
Z
7は、
【化81】
の二価ラジカルであり;且つ
Z
8は、
【化82】
の二価ラジカルである)のいずれか1つのビニル架橋剤である、実施形態71のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0205】
77.前記少なくとも1つのシリコーン含有ビニル架橋剤が、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシ-イソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドエトキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドイソプロピルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドブチルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルオキシブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルアミドエチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-プロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミドプロピルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(メタ)アクリルアミド-ブチルアミノ-2-ヒドロキシプロピルオキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-エトキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-N-エチルアミノプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル-アミノプロピル]-ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-エトキシプロピル]末端ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[(メタ)アクリルオキシエチルアミノ-カルボニルオキシ-(ポリエチレンオキシ)プロピル]末端ポリジメチルシロキサン又はそれらの組合せである、実施形態71のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0206】
78.前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、(1)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるアルキル(メタ)アクリルアミド;(2)N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるヒドロキシル含有アクリルモノマー;(3)2-(メタ)アクリルアミドグリコール酸、(メタ)アクリル酸、エチルアクリル酸及びそれらの組合せからなる群から選択されるカルボキシル含有アクリルモノマー;(4)N-2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウム2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートヒドロクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びそれらの組合せからなる群から選択されるアミノ含有アクリルモノマー;(5)N-ビニルピロリドン(別名、N-ビニル-2-ピロリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニルピペリドン(別名、N-ビニル-2-ピペリドン)、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニルカプロラクタム(別名、N-ビニル-2-カプロラクタム)、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド及びそれらの混合物からなる群から選択されるN-ビニルアミドモノマー;(6)1-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-メチル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-エチル-5-メチレン-2-ピロリドン、5-メチル-3-メチレン-2-ピロリドン、5-エチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-n-プロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-イソプロピル-5-メチレン-2-ピロリドン、1-n-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン、1-tert-ブチル-3-メチレン-2-ピロリドン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメチレン含有ピロリドンモノマー;(7)エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するC1~C4-アルコキシポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するメトキシ-ポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド及びそれらの組合せからなる群から選択されるC1~C4アルコキシエトキシ基を有するアクリルモノマー;(8)エチレングリコールモノビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノビニルエーテル、エチレングリコールメチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるビニルエーテルモノマー;(9)エチレングリコールモノアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)モノアリルエーテル、エチレングリコールメチルアリルエーテル、ジ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、トリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、テトラ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルアリルエーテル及びそれらの組合せからなる群から選択されるアリルエーテルモノマー;(10)(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-[(メタ)アクリロイルアミノ]エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、3-[(メタ)アクリロイルアミノ]プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4-[(メタ)アクリロイルアミノ]ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)エチル-2’-(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ビニルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニル)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)-エチルホスフェート、2-(ビニルカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2-(ブテノイルオキシ)エチル-2’-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート及びそれらの組合せからなる群から選択されるホスホリルコリン含有ビニルモノマー;(11)アリルアルコール;(12)N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート;(13)N-カルボキシビニル-β-アラニン(VINAL);(14)N-カルボキシビニル-α-アラニン;又はそれらの組合せを含んでなる、実施形態1~22及び67~77のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~78のいずれか1つの方法。
【0207】
79.前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド又はそれらの組合せを含んでなる、実施形態78のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0208】
80.前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドを含んでなる、実施形態78又は79のコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0209】
81.前記少なくとも1つの親水性ビニルモノマーが、N-2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)、ジ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、トリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、テトラ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、1500までの数平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)エチル(メタ)アクリルアミド又はそれらの組合せを含んでなる、実施形態78~80のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は方法。
【0210】
82.前記少なくとも1つのN-Boc含有ビニルモノマーが、N-[2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル](メタ)アクリルアミド、N-[3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、2-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、Boc保護ビニルアミン、Boc保護アリルアミン又はそれらの組合せを含んでなる、実施形態1~22及び67~81のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~82のいずれか1つの方法。
【0211】
83.前記少なくとも1つの非シリコーンビニル架橋剤が、エチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ-(メタ)アクリレート、グリセロールジ-(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ-(メタ)アクリレート、グリセロール1,3-ジグリセロレートジ-(メタ)アクリレート、エチレンビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3-ジイル)]ジ-(メタ)アクリレート、ビス[2-(メタ)アクリルオキシエチル]ホスフェート、トリメチロールプロパンジ-(メタ)アクリレート、及び3,4-ビス[(メタ)アクリロイル]テトラヒドロフラン、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-メチルアミン、N,N-ジ(メタ)アクリロイル-N-エチルアミン、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-プロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2-ヒドロキシプロピレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-2,3-ジヒドロキシブチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,3-ビス(メタ)アクリルアミドプロパン-2-イルリン酸二水素塩、ピペラジンジアクリルアミド、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、N-アリル-メタクリルアミド、N-アリル-アクリルアミド又はそれらの組合せを含んでなる、実施形態1~22及び67~82のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~83のいずれか1つの方法。
【0212】
84.前記少なくとも1つのブレンディングビニルモノマーがメタクリル酸メチルを含んでなる、実施形態1~22及び67~83のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~84のいずれか1つの方法。
【0213】
85.重合性組成物が、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(2-メタクリルオキシエチル)フェニル)]-2H-ベンゾトリアゾール、及び2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-メトキシ-2H-ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-[3’-メタクリロイルオキシプロポキシ]フェニル}-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(3’-アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]-5-トリフルオロメチル-2H-ベンゾトリアゾール並びにそれらの組合せからなる群から選択されるUV/HEVL吸収ビニルモノマーを含んでなる、実施形態1~22及び67~84のいずれか1つのコンタクトレンズ前駆体又は実施形態23~85のいずれか1つの方法。
【0214】
86.請求項23~85のいずれか1つの方法に従って得られるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0215】
87.少なくとも50バレルの酸素透過性、約0.2MPa~約1.5MPaの弾性係数及び約40%~約70%の平衡含水量を有する、実施形態86のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0216】
88.少なくとも10秒のウォーターブレイクアップ時間を有する、実施形態86又は87のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0217】
89.約90度以下の静的液滴による水接触角を有する、実施形態86~88のいずれか1つのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0218】
90.約2以下の摩擦等級を有する、実施形態86~88のいずれか1つのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0219】
当業者であれば、上記の本開示により、本発明を実施することが可能となるであろう。本明細書に記載された各種の実施形態に対する各種の修正形態、変更形態及び組合せが可能である。読者が具体的な実施形態及びその利点をより良く理解できるようにするために、以下の実施例を参照することが提案される。本明細書及び実施例が例示的なものであることを理解されたい。
【実施例】
【0220】
実施例1
酸素透過性測定
明示されない限り、レンズ及びレンズ材料の見掛けの酸素透過性(Dkapp)、見掛けの酸素透過率(Dk/t)、固有の(又はエッジ補正された)酸素透過性(Dki又はDkc)は、米国特許出願公開第2012/0026457A1号明細書の実施例1に記載の手順に従って決定される。
【0221】
表面湿潤性試験
コンタクトレンズ上での水接触角(WCA)は、コンタクトレンズの表面湿潤性の一般的な尺度である。具体的には、水接触角が小さいことは、より湿潤しやすい表面に相当する。
【0222】
コンタクトレンズの動的キャプティブバブル接触角は、FDS Future Digital Scientific Corp.からのFDS計測器デバイスを使用して測定される。FDS装置によって、前進及び後退接触角を測定することができる。測定は、室温において、水和されたコンタクトレンズ上で実行される。別途指定されない限り、コンタクトレンズをバイアルから取り出して、そして約40mLの新鮮なリン酸緩衝食塩水(PBS)に浸漬し、そして少なくとも30分間震動し、次いで、新鮮なPBSで置き換え、浸漬し、さらに30分間震動する。次いで、コンタクトレンズをレンズペーパー上に配置し、そして軽くたたいて表面の水を除去し、その後、フロントカーブを上にしてレンズホルダーの上部に配置し、次いでレンズホルダー上部をねじ留めする。濾過したPBSが充填されたガラスセルキュベット中に安全レンズホルダーを配置する。FDS計測器のステージにガラスセルキュベットを配置する。レンズ表面に気泡を分配するためにステージ高さ及びシリンジニードルを調節する。前進及び後退接触角を得るために、全てのレンズに対して分配/回収の3サイクルを繰り返す。以下の実施例では後退接触角が報告される。
【0223】
コンタクトレンズの平均接触角(Sessile Drop)は、AST,Inc.(Boston,Massachusetts)製のVCA 2500 XE接触角測定デバイスを使用して測定する。この装置は、前進若しくは後退接触角又は静止(sessile)(静的)接触角を測定することができる。その測定は、完全に水和されたコンタクトレンズについて、下記のブロット乾燥の直後に実施する。コンタクトレンズをバイアルから取り出し、約200mLのフレッシュなDI水を用いて3回洗浄して、緩く付着しているパッケージ添加物をレンズ表面から取り除く。次いで、そのレンズをほとんど毛羽立ちのないクリーンクロス(Alpha Wipe TX1009)上にのせ、十分に軽く押さえて表面の水を除き、接触角装置の測定台上にのせ、乾燥空気を吹き付けてブロー乾燥させ、且つ最後に液滴(sessile drop)接触角を、製造業者によって提供されたソフトウェアを使用して自動的に計測する。接触角を測定するために使用するDI水は、18MΩcmより高い抵抗率を有し、使用する液滴の容積は、2μLである。ピンセット及び試験台は、イソプロパノールを用いて十分に洗浄し、DI水で濯いでからコンタクトレンズと接触させる。
【0224】
ウォーターブレイクアップ時間(WBUT)試験
(オートクレーブ処理後の)レンズの表面親水性は、水膜がレンズ表面上で割れ始めるのに要する時間を決定することによって評価される。WBUT≧10秒を示すレンズは表面親水性を有すると考えられ、且つ眼の上で適切な湿潤性(涙液膜を支持する能力)を示すことが期待される。
【0225】
レンズは、軟質プラスチック製の鉗子(例えば、Menicon製のもの)を用いて、レンズをそのブリスターから取り出し、そしてリン酸緩衝食塩水を含有する試験管中にレンズを入れることによって、ウォーターブレイクアップ測定用に調製される。試験管は、レンズあたり10mLのリン酸緩衝食塩水を含有し、試験管あたり1つのレンズを含む。試験の前、レンズを一晩(少なくとも16時間)浸漬させる。
【0226】
WBUTは、次のように室温で測定される:レンズを試験管から取り出し、そしてPBS中に沈めた台座上に配置する。次いで、台座をPBS溶液から出し(t=0)、そしてビデオカメラによって、流体がレンズ表面から離れて流れる様子を監視する。レンズ表面の流体が割れた時、このWBUT時間を記録する。任意選択的に、ストップウォッチを使用して、台座がPBSから取り出される時間とレンズ表面の流体が割れる時間との間の時間を測定することができる。台座を引き出し、PBSの表面下にレンズを引き抜く。それぞれのレンズ群に関する平均WBUT測定値を得るために、レンズあたり少なくとも3点上で測定し、そして少なくとも3つのレンズを測定する。
【0227】
潤滑性評価
コンタクトレンズの潤滑性は、指触感触潤滑性試験を使用して評価する。この試験は、レンズ表面の滑りやすさを定性的に0~4の摩擦等級スケールで特徴付ける。摩擦等級が高いほど、滑りやすさ(又は潤滑性)が低い。
【0228】
市販されているレンズ:DAILIES(登録商標)TOTAL1(登録商標)、ACUVUE(登録商標)OASYS(商標)、ACUVUE(登録商標)ADVANCE PLUS(商標)、DAILIES(登録商標)Aqua Comfort Plus(登録商標)及びAIR OPTIX(登録商標)をそれぞれ0、1、2、3及び4の摩擦等級(以下、FRと表記する)に割り当てる。それらを、試験下でレンズの摩擦等級を決定するための標準レンズとして使用する。
【0229】
試料をPBS中に入れ、それぞれ30分間の濯ぎを少なくとも2回行い、次いで、新しいPBSに移してから評価する。評価前に石鹸溶液を用いて手を洗い、DI水を用いて確実に濯ぎ、次いでKimWipe(登録商標)タオルで乾燥させる。指の間で試料を扱い、上記の標準レンズと比較してそれぞれの試料に数値を割り当てる。例えば、レンズがAIR OPTIX(登録商標)レンズよりもごくわずかに良好であると決定した場合、それらに数値3を割り当てる。摩擦等級の数値は、2人以上によるコンタクトレンズの少なくとも2つの摩擦等級の結果を平均することによって及び/又は1人による2つ以上の(レンズ製造同一バッチからの)コンタクトレンズの摩擦等級を平均化することによって得られるものである。
【0230】
コンタクトレンズの指潤滑性(すなわち摩擦等級)は、上記手順に従って、直接アウト-オブ-パック(OOP)(ただし、PBS中に30分以上浸漬後)で、又はiサイクル(例えば7、14、21又は30サイクル)の指擦り処理後のいずれか、或いはシミュレーションされた磨耗サイクル処理後に決定することができる。
【0231】
平衡含水量
コンタクトレンズの平衡含水量(EWC)を次のように決定する。
【0232】
食塩水中で完全に平衡化された、水和されたヒドロゲルコンタクトレンズ中に存在する(重量パーセントとして表される)水の量を室温で決定する。急速にレンズをスタックし、そして布でレンズを拭いた後、化学天秤上のアルミニウム秤皿にレンズスタックを移す。それぞれの試料秤皿に対するレンズの数は典型的に5である。秤皿とレンズの水和重量を記録する。秤皿をアルミホイルで覆う。秤皿を100±2℃の実験室オーブン中に入れ、16~18時間乾燥させる。オーブンから秤皿及びレンズを取り出し、そして少なくとも30分間、デシケーター中で冷却させる。デシケーターから1つだけ秤皿を取り出し、そしてアルミホイルを処分する。化学天秤上で秤皿及び乾燥させたレンズ試料の重量を測定する。全ての秤皿に関して繰り返す。レンズ試料の湿潤及び乾燥重量は、空の秤皿の重量を差し引くことによって算出することができる。
【0233】
弾性係数
コンタクトレンズの弾性係数は、MTS分析器を使用して決定される。コンタクトレンズは、Precision Concept2段階カッターを使用して、最初に幅3.12mmのストリップへと切断する。6.5mmゲージ長さ内で5つの厚さの値を測定する。ストリップを機器のグリップ上に載置し、そして21±2℃に制御された温度で、PBS(リン酸緩衝食塩水)中に浸漬させる。通常、試験には5Nのロードセルが使用される。試料が割れるまで、試料に一定の力及び速度を適用する。力及び置換データは、TestWorksソフトウェアによって収集される。弾性係数値はTestWorksソフトウェアによって算出される。これは、弾性歪領域中でゼロの伸びの付近の応力-歪曲線の勾配又は接線である。
【0234】
CRPによるホスホコリンコーティングの蛍光可視化
ホスホコリンリッチ表面コーティングを可視化するために、ホスホリルコリン(PCh)表面基に対して特異的に結合させるためのC反応性タンパク質(CRP)を使用する。CRPは、蛍光染料Alexa-488によって共有結合的にタグ付けされており、蛍光顕微鏡によるPCh可視化が可能となる。Alexa-488は、10mMのTris-HCl緩衝液中で10対1の割合でCRP(3.5mg/mL)と反応し、次いでサイズ排除スピンカラム(すなわち、Nanosep MF)によって精製される。最大結合量を可能にするために、レンズを2時間、蛍光性CRP溶液(10ng/mL~100ng/mL)中でインキュベーションする。次いで、蛍光顕微鏡法(例えば、Leika SP8)を使用して、均一性を可視化する。MPC表面の厚さは、標準的な校正プロセスに従うか、又はミクロメーターを使用後、顕微鏡法ソフトウェアによって測定することができる。
【0235】
化学物質
次の実施例中、次の略語を使用する:APMAAmはN-(3-アミノプロピル)メタクリルアミドを表し;APMAAm-HClは、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリドを表し;Boc-APMAAmは、N-[3-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]メタクリルアミドを表し;NVPはN-ビニルピロリドンを表し;DMAはN,N-ジメチルアクリルアミドを表し;MMAはメタクリル酸メチルを表し;TEGDMAはトリエチレングリコールジメタクリレートを表し;VAZO64は2,2’-ジメチル-2,2’アゾジプロピオノニトリルを表し;NoblocはAldrichからの2-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレートであり;TAAはtert-アミルアルコールを表し;PrOHは1-プロパノールを表し;IPAはイソプロパノールを表し;DC1173はDarocur 1173(登録商標)光開始剤を表し;PAAはポリアクリル酸を表し;PMAAはポリメタクリル酸を表し;PAEはポリアミドアミン-エピクロロヒドリン(別名、ポリアミン-エピクロロヒドリン)を表し;MPCは2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを表し;ポリ(AAm-co-AA)はポリ(アクリルアミド-co-アクリル酸)を表し;PBSは、25℃において7.2±0.2のpHを有し、且つ約0.044重量%のNaH
2PO
4・H
2O、約0.388重量%のNa
2HPO
4・2H
2O及び約0.79重量%のNaClを含有するリン酸緩衝食塩水を表し;重量%は重量パーセントを表し;D9は、モノブチル末端モノメタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(Shin-Etsuから、Mw約984g/モル)を表し;CEPDMSは、2つのPDMSセグメントの間のジウレタン結合、及び1つの末端メタクリレート基と1つのPDMSセグメントとの間にそれぞれ位置する2つのウレタン結合を介して結合した3つのポリジメチルシロキサンセグメント(PDMS)を有し、米国特許第8,529,057号明細書の実施例2に記載のものと同様の方法に従って調製されるジメタクリレート末端鎖延長ポリジメチルシロキサン(Mn約9000g/モル)を表し;「G4」マクロマーは式(A)のジ-メタクリロイルオキシプロピル末端ポリシロキサン(Mn約13.5Kg/モル、OH含有量約1.8meq/g)を表す。
【化83】
【0236】
実施例2
アミノ保護基tBocが除去可能である条件を決定するために、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用する。
【0237】
室温又は約100℃においてHClを添加することによって(脱イオン水中、すなわちDI水中の)Boc-APMAAmの水溶液のpHをpH約2.0に調整した場合、t-ブチルアルコールは、酸性化されたBoc-APMAAm水溶液中でGCによって検出され、次の反応スキームに従って室温であってもアミンの脱保護を示す。
【化84】
【0238】
しかしながら、(脱イオン水中、すなわちDI水中の)Boc-APMAAmの水溶液のpHは、室温又は約100℃においてpH約9まで調整されないか、又は増加せず、t-ブチルアルコールはBoc-APMAAm水溶液中でGCによって検出されず、高温でも中性又はより高いpHにおいてアミンの脱保護は示されない。
【0239】
同様に、室温においてHClを添加することによって、メタノール中(又はIPA中)のBoc-APMAAmの溶液のpHをpH約2.0に調整した場合、t-ブチルアルコールは、酸性化されたBoc-APMAAm水溶液中でGCによって検出され、室温であってもアミンの脱保護を示す。
【0240】
TAA中のBoc-APMAAmの溶液のpHを約100℃において調整しない場合、t-ブチルアルコールはBoc-APMAAm水溶液中でGCによって検出されず、高温でも中性pHにおいてアミンの脱保護は示されない。
【0241】
実施例3
アミノ含有ビニルモノマーヒドロクロリド及びBoc保護アミノ含有ビニルモノマーがSiHyレンズ配合物の疎水性及び親水性成分と相溶性であるかどうかを決定するための研究を実行する。
【0242】
ベースSiHyレンズ配合物は次の組成を有するように調製される:33ユニット部のD9;10ユニット部のG4;46ユニット部のNVP;10ユニット部のMMA;0.65ユニット部のTEGDMA;1.5ユニット部のNorbloc;0.5ユニット部のVazo64;及び10ユニット部のTAA。得られたベースSiHyレンズ配合物は透明である。
【0243】
2又は4ユニット部のBoc-APMAAmをベースSiHyレンズ配合物中に添加し、そして徹底的に混合した場合に得られるレンズ配合物はまだ透明のままである。しかしながら、2又は4ユニット部のAPMAAm-HClをベースSiHyレンズ配合物中に添加し、そして徹底的に混合した場合に得られるレンズ配合物は即座に曇り、そして混合から30分後に沈殿が観察される。
【0244】
実施例4
APMAAm調製
APMAA-HClをNaOH(水溶液)pH10で処理し、その後、クロロホルムを使用して抽出する。有機フラクションを飽和NaCl(水溶液)で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させる。減圧ロータリーエバポレーションによって溶媒を除去し、黄色粘性透明液体が得られる。
【0245】
ポリ(MPC-co-AEM)(重量比96/4)の調製
コポリマー、ポリ(2-メタクリロイルエチルホスホリルコリン-co-2-アミノエチルメタクリレート)(96/4w/w)(すなわち、ポリ(MPC-co-AEM)は、約60℃で約2時間、次いで20℃で約2時間、水中で約96重量%のMPC;約4重量%のAEM;約0.02重量%のVazo56[2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド];約0.1重量%の連鎖移動剤(HS-CH2CH2OH)を含んでなる重合性組成物を熱重合させることによって調製される。得られたポリ(MPC-co-AEM)(約10%の固体含有量を有する水溶液)は、約0.22meq/gのアミン官能性及び約160kDaのMnを有すると決定される。
【0246】
ポリアミドアミン-エピクロロヒドリン(PAE)との反応において水溶性熱架橋性ポリマー材料(すなわち、「イン-パッケージ-架橋剤」又は「IPC剤」)を調製するために、得られたコポリマーを親水性強化剤として使用する。PAE溶液(Kymene)はAshlandから水溶液として購入し、そして受け取った状態のままで使用する。
【0247】
リン酸緩衝食塩水(PBS)
リン酸緩衝食塩水は、次の組成:約0.044重量%のNaH2PO4・H2O、約0.388重量%のNa2HPO4・2H2O及び約0.79重量%のNaClを有するように、NaH2PO4・H2O、Na2HPO4・2H2O及び所望の体積の精製水(蒸留又は脱イオン化)を溶解することによって調製される。
【0248】
IPC食塩水
IPC食塩水は次のように調製される。77w/w%の上記で調製されたポリ(MPC-co-AEM)水溶液、6.1w/w%のPAE及び16.9w/w%のリン酸緩衝液(約128mMのリン酸ナトリウム塩及び4重量%のNaCl)を混合する(ポリ(MPC-co-AEM)及びPAEの濃度は最終食塩水の約10倍である)。1N NaOHによって約7.3にpHを調節する。水浴中、温度=70℃において3時間、混合物を反応させる。水浴から混合物を除去し、そして室温の水浴中で冷却する。混合物をリン酸緩衝液(約33mMのリン酸ナトリウム塩及び0.77重量%のNaCl)で10倍に希釈し、そして約7.3にpHを調節する。0.22μmPES殺菌フィルターユニットによって混合物を濾過する。
【0249】
SiHyレンズ配合物の調製
いくつかのレンズ配合物は、表1に示す組成を有するように調製する。
【0250】
【0251】
SiHyコンタクトレンズのキャスト成形
上記で調製したレンズ配合物の1つに室温で30~35分間、窒素パージする。N2パージされたレンズ配合物をポリプロピレン型の中に導入し(それぞれ約105度の静的液滴による水接触角を有する)、そして次の硬化条件下、オーブン中で熱硬化させる:室温から第1の温度まで温度上昇、次いで第1の硬化時間の間に第1の温度で保持;第1の温度から第2の温度まで温度上昇、そして第2の硬化時間の間に第2の温度で保持;任意選択的に第2の温度から第3の温度まで温度上昇、そして第3の硬化時間の間に第3の温度で保持;そして任意選択的に第3の温度から第4の温度まで温度上昇、そして第4の硬化時間の間に第4の温度で保持。
【0252】
プッシュピンを有する離型機を使用することによって、ポリプロピレンレンズ型を開放する。プッシュピンを用いてレンズをベースカーブ型上に押し、次いで、型をベースカーブ型部分及びフロントカーブ型部分に分離する。その上にレンズを有するベースカーブ型部分を超音波デバイス(例えばDukaneのシングルホーン超音波デバイス)中に配置する。特定のエネルギー力を用いて、乾燥状態のレンズを型から取り出す。
【0253】
表面組成を決定するために、XPSを使用することによって上記で得られた乾燥状態のレンズ(未抽出乾燥レンズ)を試験し、そして結果を表2に報告する。
【0254】
【0255】
Boc-APMAAmによるレンズ配合物から調製されたレンズが、APMAAを有するレンズ配合物から調製されたレンズによって観察されるよりも、表面において高いN濃縮度を有することが分かった。この比較は、非極性ポリプロピレン型が使用されるレンズ型界面において、保護されたアミンが窒素濃縮されていることを実証するために未抽出乾燥レンズを用いて実行される。本実施例においては、より低いBOC含有量の配合物でさえも、より高濃度においてAPMAA配合物によって観察されるものよりも高いN/Si比を有する。
【0256】
キャスト成形されたSiHyコンタクトレンズの処理
上記で得られた乾燥状態のレンズを、設計された抽出トレーに装填し、そして表3に示されるように室温で一連の成形後の処理手順にかける。PBS中での水和後、表4に示すように、上記で調製されたリン酸緩衝液又は上記で調製されたIPC食塩水を含有するレンズパッケージ中にレンズを個別にパッケージし、そして約30分間121℃でオートクレーブ処理する。
【0257】
【0258】
【0259】
得られたレンズは、それらの水接触角、潤滑性(指潤滑性等級)及びXPSによるPの原子パーセントを決定することによって特徴付けられる。表3に示されるように、レンズ配合物へのBoc-APMAAmの添加を含んでなるレンズ配合物から調製されたレンズは、潤滑性及び湿潤性(すなわち、静的液滴による水接触角、WCA)を改善することができる。しかしながら、APMAAm(フリーアミン-メタクリルアミド)を含むレンズ配合物から製造されたレンズの湿潤性の改善はそれほど顕著ではなく、これはおそらく、レンズ表面上に存在するアミン基が少ないためである。Boc-APMAAmを含んでなるレンズ配合物から製造され、そしてIPC中でオートクレーブ処理されたレンズに関して、XPSによって検出された元素Pは、レンズに共有結合されたポリ(MPC-co-AEM)のコーティングによるものである可能性がある。
【0260】
レンズ配合物4-2Bocからキャスト成形され、且つIPC食塩水中でオートクレーブ処理されたレンズを、実施例1に記載されるCRPによるホスホコリンコーティングの蛍光可視化の手順に従って、レンズ表面上のホスホリルコリンコーティングの存在に関して試験した。蛍光顕微鏡によるイメージの検査によって、CRP着色レンズ(IPC中でオートクレーブ処理された4-2Boc)ではレンズ上で蛍光が観察されたのに対して、CRP着色レンズ(PBS中でオートクレーブ処理された4-2Boc)ではレンズ上で蛍光が観察されないことが明らかとなる。
【0261】
実施例5
レンズ配合物4-10Bocから実施例4において調製された乾燥状態のレンズを、設計された抽出トレーに装填し、そして抽出プロセスの間にBoc保護アミノ基を第一アミノ基に変換している間、表5に示される様々な条件下でメタノールによって抽出する。様々な条件下での脱保護の効率は、ガスクロマトグラフィーによって、抽出媒体(メタノール)中に存在する脱保護された生成物であるtert-ブタノール(t-BuOH)を決定することによって決定される。結果を表5に報告する。
【0262】
【0263】
抽出媒体としてメタノールを用いた抽出/脱保護が40℃及び2.0~4.0のpHにおいて実行される場合、Boc保護アミノ基は抽出プロセスの間に容易に第一アミノ基に変換可能であることが分かる。
【0264】
本明細書中、上記で引用された全ての出版物及び特許は、それら全体において参照によって本明細書に組み込まれる。