(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】波状構成を有する血管外植え込み型電気リード
(51)【国際特許分類】
A61N 1/375 20060101AFI20220204BHJP
A61N 1/39 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
A61N1/375
A61N1/39
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021041123
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2017528882の分割
【原出願日】2015-12-09
【審査請求日】2021-03-23
(32)【優先日】2014-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,マーク・ティー
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス,ゴンザロ
(72)【発明者】
【氏名】ニコルスキ,ウラジーミル・ピー
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,ネイサン・エル
(72)【発明者】
【氏名】サイファート,ケヴィン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ウィットマン,テレサ・エイ
【審査官】安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0172066(US,A1)
【文献】特表2010-540161(JP,A)
【文献】特表2009-508594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0198296(US,A1)
【文献】特表2004-508149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0330327(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0046059(US,A1)
【文献】米国特許第06385491(US,B1)
【文献】特開2011-056175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00- 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端及び遠位部分を画定しているリード本体であって、当該リード本体の前記遠位部分の少なくとも一部が波状構成を画定している、リード本体と、
前記波状構成に沿って互いから或る距離だけ離間して配置されている複数の除細動電極セグメントを含む除細動電極と、
前記複数の除細動セグメントの隣接するセグメント間に配置されている少なくとも1つの電極であって、ペーシングパルスを心臓へ送達することと前記心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている少なくとも1つの電極と、を備え、
前記複数の除細動セグメントの隣接するセグメントは、前記波状構成の一方の側のピーク側と、前記波状構成の前記一方の側のピークと対向する側のピーク側とにそれぞれ位置し、
前記少なくとも1つの電極は、前記波状構成の一方の側のピークと他方の側のピークとの中央に位置し、
前記少なくとも1つの電極は、前記波状構成に沿って、前記除細動電極セグメントより患者の心臓により近くなる場所に配置されている、
血管外植え込み型医用電気リード。
【請求項2】
前記波状構成は実質的に正弦波構成を画定しており、前記複数の除細動電極セグメントは波状構成の少なくとも80%に沿って配置されている、請求項1に記載のリード。
【請求項3】
前記リードが、前記除細動電極セグメントのうちの最も近位のセグメントより近位と前記除細動電極セグメントのうちの最も遠位のセグメントより遠位、のうち少なくとも一方に配置されている少なくとも1つの追加の電極であって、ペーシングパルスを前記心臓へ送達することと前記心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている少なくとも1つの追加の電極、を更に備えている、請求項1又は請求項2の何れか一項に記載のリード。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項による血管外電気刺激リードにおいて前記複数の除細動電極セグメントが第1の除細動電極セグメント及び第2の除細動電極セグメントを含んでいる血管外電気刺激リードであって、
前記リード本体内に配置されていて前記第1の除細動電極セグメントへ電気的に接続されている第1の導体、及び、
前記リード本体内に配置されていて前記第2の除細動電極セグメントへ電気的に接続されている第2の導体、
を更に備える血管外電気刺激リードと、
前記血管外電気刺激リードへ連結されている血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)であって、
電気刺激療法を生成し心臓へ送達するように構成されている療法モジュール、及び、
前記療法モジュールを、前記第1の除細動電極セグメントと前記第2の除細動電極セグメントの両方が同時に共通の極性で機能して除細動療法を送達する第1の電極ベクトルへ選択的に連結するように、及び前記療法モジュールを、第2の電極ベクトルであって当該第2の電極ベクトルの第1の極性としての前記第1の除細動電極セグメントと当該第2の電極ベクトルの第2の反対の極性としての前記第2の除細動電極セグメントと、を含んでいる第2の電極ベクトルへ選択的に連結するように、構成されているスイッチモジュール、
を含むICDと、
を備えている血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、電気刺激リードに関しており、より厳密には、心臓血管外用途(例えば、皮下用途又は胸骨下用途)で使用するための、改善された除細動能力、感知能力、及び/又はペーシング能力のための波状構成を有する電気刺激リードに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]悪性頻拍性不整脈である例えば心室細動は、心臓における心室の心筋の非協調収縮であり、心停止患者に最も共通して認められる不整脈である。この不整脈が数秒より長く続けば、心原性ショック及び有効な血液循環の停止を引き起こしかねない。その結果、数分足らずで心臓突然死(SCD)が引き起こされる可能性がある。
【0003】
[0003]心室細動の危険性が高い患者では、植え込み型カーディオバータ除細動器(ICD)システムの使用がSCD予防に有益であることが示されている。ICDシステムは、バッテリによりパワー供給される電気ショック装置であるICDを含んでおり、当該ICDは心臓内に設置された1つ又はそれ以上の電気リードワイヤへ連結されている電気的なハウジング電極(時に缶電極と呼称される)を含んでいる。不整脈が感知されれば、ICDはパルスを電気リードワイヤ経由で送り出して心臓にショックを与え、その正常な調律を復帰させる。電気リードを直接に心臓内又は心臓上に付着すること及び交換することには外科的危険性が付きまとうことから、電気リードワイヤを心臓内に設置すること無しに又は電気ワイヤを直接に心臓へ付着すること無しに心臓へショックを提供するために皮下ICDシステムが考案された。
【0004】
[0004]皮下システムで利用されている電気リードは、典型的には、リード本体上に位置決めされた電極の直線状又は曲線状のアレイを含んでいる。而して、現在のリード設計を用いての心臓への電気刺激療法の送達は、電気エネルギーが心臓に衝撃を与えることのできる療法ベクトルがリード本体の形状に依存して制限されている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、植え込み型医用電気リード及び当該リードを利用するICDシステムを記載している。リードは、近位端及び遠位部分を画定しているリード本体を含んでおり、リード本体の遠位部分の少なくとも一部は波状構成を画定している。リードは、波状構成に沿って互いから或る距離だけ離間して配置されている複数の除細動電極セグメントを含む除細動電極を含んでいる。リードは、更に、複数の除細動区分の隣接する区分間に配置されている少なくとも1つの電極を含んでいる。当該少なくとも1つの電極は、ペーシングパルスを心臓へ送達するように及び/又は心臓の心臓電気活動を感知するように構成されている。
【0006】
[0006]一部の事例では、複数の除細動電極セグメントは、波状構成の少なくとも80%に沿って配置されている。他の事例では、複数の除細動電極セグメントは、波状構成の少なくとも90%に沿って配置されている。波状構成は複数のピークを含んでおり、それら複数のピークの第1の部分はリードの主軸である長手方向軸から離れて第1の方向に延びていて、複数のピークの第2の部分はリードの主軸である長手方向軸から離れて第2の反対方向に延びている。複数の除細動電極セグメントは、一部の実施例では、複数のピークの第1の部分に沿って配置されていて、前記少なくとも1つの電極は、複数のピークの第2の部分上に配置されていてもよい。別の実施例では、複数の除細動電極セグメントは、複数のピークの第1の部分と第2の部分の少なくとも一方に沿って配置されており、前記少なくとも1つの電極は波状部分のピーク間のセグメントに沿って配置されている。
【0007】
[0007]本願は、更に、血管外電気刺激リードと、当該血管外電気刺激リードへ連結されているICDと、を備える血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)システムを提供している。電気刺激リードは、近位端及び遠位部分を画定しているリード本体を含んでおり、リード本体の遠位部分の少なくとも一部は波状構成を画定している。リードは、波状構成に沿って互いから或る距離だけ離間して配置されている少なくとも第1の除細動電極セグメントと第2の除細動電極セグメントを含む除細動電極を含んでいる。リードは、更に、第1の除細動セグメントと第2の除細動セグメントの間に配置されている少なくとも1つの電極を含んでおり、当該少なくとも1つの電極は、ペーシングパルスを心臓へ送達することと心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている。
【0008】
[0008]本願は、更に、血管外電気刺激リードを患者の胸骨下の場所内に植え込むための方法を提供している。方法は、患者の体幹部の中心付近に切開を作成する段階と、植え込み道具を胸骨下の場所の中へ切開を介して導入する段階と、当該植え込み道具を胸骨下の場所内で切開から上方へ胸骨の後部に沿って前進させて胸骨下経路を形成する段階と、を含んでいる。方法は、更に、リードの遠位部分を胸骨下の場所へと導入する段階を含んでいる。リードは、近位端及び遠位部分を画定しているリード本体であってその遠位部分の少なくとも一部が予め付形された波状構成を画定しているリード本体と、波状構成に沿って互いから或る距離だけ離間して配置されている複数の除細動電極セグメントを含む除細動電極と、複数の除細動セグメントの隣接するセグメント間に配置されている少なくとも1つの電極であって、ペーシングパルスを心臓へ送達することと心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている少なくとも1つの電極と、を含んでいる。方法は、リードの遠位部分を胸骨下経路に通して前進させる段階であって、リードの波状構成は胸骨下経路を通って進められるときは比較的真っ直ぐな構成になっている、リードの遠位部分を前進させる段階と、植え込み道具を切開に向けて後退させ、リードを胸骨下経路に沿って所定位置に残したまま植え込み道具を身体から抜去する段階と、を含んでいる。リードの遠位部分は、胸骨下の場所内でそれが植え込み道具を出てゆきながらその予め付形されている波状構成を取る。前記少なくとも1つの電極は、波状構成が少なくとも1つの電極を除細動電極セグメントに比べ胸骨の左側寄りに押し出すような具合に波状構成上に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】[0009]心臓血管外ICDシステムを胸腔内に植え込まれた患者の前面図である。
【
図1B】[0010]心臓血管外ICDシステムを胸腔内に植え込まれた患者の側面図である。
【
図1C】[0011]心臓血管外ICDシステムを胸腔内に植え込まれた患者の横断面図である。
【
図2】[0012]心臓血管外ICDシステムを胸腔外に植え込まれた患者の前面図である。
【
図3A】[0013]本願の原理に従って構築された一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図3B】[0014]
図3Aの一例としてのリードの遠位部分の側面図を描いている概略図である。
【
図4】[0015]本願の原理に従って構築された別の一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図5】[0016]本願の原理に従って構築された更なる一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図6】[0017]本願の原理に従って構築された別の一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図7】[0018]本願の原理に従って構築された別の一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図8】[0019]本願の原理に従って構築された別の一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図9】[0020]本願の原理に従って構築された別の一例としてのリードを描いている概略図である。
【
図10】[0021]
図1A、
図1C、及び
図2のシステムのICDの様な、一例としてのICDの電子的構成要素の構成例の機能ブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022]ここでの使用に際し、「第1」及び「第2」、「上」及び「下」、「前」及び「後」、など、の様な関係語は、1つの実在物又は要素を別の実在物又は要素と区別するためだけに使用されているのであって、必ずしもその様な実在物又は要素の間の何らかの物理的又は論理的な関係性又は順序を要求又は示唆するものではない。
【0011】
[0023]これより図面を参照してゆくことにし、図面中、同様の参照符号は同様の要素を指すものとし、
図1A-
図1C及び
図2には例示としての心臓血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)システム8の様々な図を例示する概念図が示されている。ICDシステム8は、本願の原理に従って構築された医用電気リード10へ接続されているICD9を含んでいる。
図1Aは、心臓血管外ICDシステム8を植え込まれた患者の前面図である。
図1Bは、心臓血管外ICDシステム8を植え込まれた患者の側面図である。
図1Cは、心臓血管外ICDシステム8を植え込まれた患者の横断面図である。
【0012】
[0024]ICD9は、ICD9の構成要素を保護する密封シールを形成しているハウジングを含んでいてもよい。ICD9のハウジングは、ハウジング電極(時に缶電極と呼称される)として機能するものであって、チタン又はチタン合金の様な導電性材料で形成することができる。他の実施形態では、ICD9は、ハウジングの最も外側の部分に1つ又はそれ以上の電極を有するように形成されているか又は含んでいることもある。ICD9は、更に、電気的フィードスルーを含むコネクタ組立体(コネクタブロック又はヘッダとも呼称される)を含んでいてもよく、当該電気的フィードスルーを通して電気的接続がリード10の導体とICD9のハウジング内に含まれる電子的構成要素の間に作られる。ここに更に詳細に説明されてゆく様に、ハウジングは、1つ又はそれ以上のプロセッサ、メモリ、送信器、受信器、センサ、感知回路構成、療法回路構成、パワー源、及び他の適切な構成要素、を収納することができる。ハウジングは当該患者の様な患者に植え込まれるように構成されている。
【0013】
[0025]ICD9は、胸腔外に患者の左側に植え込まれ、例えば皮膚の下で胸郭の外に(皮下又は筋肉下に)植え込まれる。ICD9は場合により患者の左後腋窩線と左前腋窩線の間に植え込まれることもある。また一方、ICD9は後述されている様に患者の他の胸腔外場所に植え込まれることもある。
【0014】
[0026]
図3A及び
図3Bは、リード10の更に細部に亘る様々な図を描いている概略図である。リード10は、心臓に近接する心臓血管外場所、例えば、胸腔内(
図1A-
図1Cに描かれている)又は胸腔外(
図2に描かれている)に植え込むサイズの細長いリード本体12を含むものとすることができる。例えば、リード10は、胸腔外に、皮膚の下で胸郭の外を(例えば皮下又は筋肉下に)ICD9から患者の体幹部の中心に向かって、例えば患者の剣状突起に向かって延びていてもよい。剣状突起に近接する位置にて、リード本体12は曲がるか又はそれ以外に転向し上方へ延びてゆく。
図1A-
図1Cに描かれている実施例では、リード本体12は胸腔内に胸骨の裏を実質的に胸骨に平行な向きで上方へ延びている。1つの実施例では、リード10の遠位部分16は、当該リード10の遠位部分16が実質的に前縦隔36内を胸骨の後部面に沿って上方へ延びるような具合に胸骨下の場所に常在している。前縦隔36は、側方を胸膜39によって、後方を心膜38によって、前方を胸骨22によって、境界されているものと見ることができる。一部の事例では、前縦隔36の前壁は更に胸横筋及び1つ又はそれ以上の肋軟骨によって形成されているとしてもよい。前縦隔36は、或る量の疎性結合組織(例えば疎性組織など)、脂肪組織、幾つかのリンパ管、リンパ腺、胸骨下筋系(例えば胸横筋)、胸腺、内胸動脈の分枝、及び内胸静脈を含んでいる。例えば
図2に描かれている別の実施例では、リード本体12は、(胸腔内ではなしに)胸腔外に、例えば皮下又は筋肉下に、胸郭/胸骨の上を上方へ延びている。リード10は他の場所に植え込まれてもよく、例えば、胸骨を越えて、胸骨の右へオフセットして、胸骨の近位端又は遠位端から側方に角度を付けて、など、のように植え込まれてもよい。
【0015】
[0027]リード本体12は、略管状又は略円筒状の形状を有し、大凡3フレンチ(Fr)-9Frの間の直径を画定していてもよいが、3Frより小さいリード本体及び9Frより大きいリード本体を利用することもできる。別の構成では、リード本体12は、中実、織られたフィラメント、又は金属メッシュの構造を有する平坦なリボンはパドルの形状を、リード本体12の長さの少なくとも一部分に沿って有していてもよい。その様な実施例では、リード本体12を横切る幅は1mm-3.5mmの間であってもよい。本願の範囲から逸脱すること無く他のリード本体設計が使用されてもよい。
【0016】
[0028]リード10のリード本体12は、シリコン、ポリウレタン、フルオロポリマー、それらの混合物、及び他の適切な材料、を含む非導電性材料から形成することができ、リード本体12は1つ又はそれ以上のルーメン(図示せず)を形成するように成形されていてもよく、但し技法はその様な構築に限定されない。遠位部分16は、所望の構成に付勢されるように製作されていてもよいし、又は代わりに使用者によって所望の構成へと巧みに操作されるようになっていてもよい。例えば、遠位部分16は、使用者が遠位部分を巧みに操作して所望の構成にしたら異なる構成へ操作されるまでそのまま留まるように可鍛性材料でできていてもよい。
【0017】
[0029]リード本体12は、近位端14と、電気的エネルギーを心臓へ送達するように又は心臓の電気的エネルギーを感知するように構成されている電気刺激療法部分18を含む遠位部分16と、を含んでいてもよい。遠位部分16は、患者内の所望される位置、例えば胸骨下又は皮下に、例えば遠位部分16を患者の剣状突起進入部位の筋系、組織、又は骨へ縫合することによって、定着させることができる。代わりに、遠位部分16は、患者へ定着されてもよいし、又は剛性尖叉、プロング、逆棘、クリップ、ねじ、及び/又は他の突出要素、又はフランジ、円盤、曲げやすい尖叉、フラップ、係合のための組織成長を促進するメッシュ様要素及び金属又は非金属の足場の様な多孔質構造体、生体接着性の面、及び/又は何れかの他の非穿刺性要素、の使用を通して定着されてもよい。
【0018】
[0030]リード本体12は、剣状突起付近で湾曲又は屈曲し上方へ延びてゆくところに実質的に直線状の部分20を画定していてもよい。
図1-
図3に示されている様に、遠位部分16の少なくとも一部は、実質的に直線状の部分20より遠位に波状構成22を画定していてもよい。具体的には、遠位部分16は、遠位部分16の遠位端に向かって延びてゆくにつれ波状のパターン(例えば、ジグザグ、曲折、正弦波、蛇行、又は他のパターン)を画定していてもよい。他の構成では、リード本体12は、上方へ延びてゆくところに実質的に直線状の部分20を有しておらず、代わりに屈曲部の直後に波状構成が始まっていてもよい。
【0019】
[0031]波状構成22は、遠位部分16の長さに沿って複数のピーク24を含んでいてもよい。一例としての構成では、リード10の波状構成22は、3つのピーク24a、24b、及び24cを含んでいる。また一方、他の構成では、波状構成22は何れの数のピーク24を含んでいてもよい。例えば、ピーク24の数は、波状構成22の周波数に依存して3より少ないこともあれば3より多いこともある。例えば、高周波数の波状構成22は(例えば
図6-
図9に描かれている実施例に例示されている様に)より多いピーク24を含み、方や低周波数の波状構成22は(例えば
図4及び
図5の実施例に例示されている様に)より少ないピーク24を含んでいるということもある。
【0020】
[0032]波状構成22は、更には、ピーク・トゥ・ピーク距離「d」(
図3に示す)を画定しており、当該距離は波状構成22の長さに沿って可変であってもよいし一定していてもよい。
図1-
図3に描かれている構成では、波状構成22は、大凡2.0cm-5.0cmの一定しているピーク・トゥ・ピーク距離「d」を有する実質的に正弦波構成を画定している。波状構成22は、更に、ピーク・トゥ・ピーク幅「w」(
図3に示す)を画定しており、当該ピーク・トゥ・ピーク幅もまた波状構成22の長さに沿って可変であってもよいし一定していてもよい。
図1-
図3に描かれている構成では、波状構成22は、大凡0.5cm-2.0cmの一定しているピーク・トゥ・ピーク幅「w」を有する実質的に正弦波形状を画定している。また一方、他の事例では、波状構成22は、他の形状及び/又はパターン、例えば、S字形状、波型形状、など、を画定していることもある。
【0021】
[0033]遠位部分16は、カーディオバージョンショック/除細動ショックを患者の心臓へ送達するように構成されている除細動電極26を含んでいる。除細動電極26は、遠位部分16の長さに沿って互いから或る距離だけ離間されている複数の区分又はセグメント28を含んでいる。除細動電極セグメント28は、遠位部分16のリード本体12の周り又は本体12の内に配置されていることもあれば、代わりにリード本体12の壁内に埋め込まれていることもある。1つの構成では、除細動電極セグメント28は、導体によって形成されているコイル電極であってもよい。導体は、1つ又はそれ以上の導電性ポリマー、セラミクス、金属ポリマー複合材、半導体、金属、又は合金で形成することができ、その様な材料には、限定するわけではないが、白金、タンタル、チタン、ニオビウム、ジルコニウム、ルテニウム、インジウム、金、パラジウム、鉄、亜鉛、銀、ニッケル、アルミニウム、モリブデン、ステンレス鋼、MP35N、炭素、銅、ポリアニリン、ポリピロール、及び他のポリマー、のうちの1つ又は組合せ、が含まれる。別の構成では、除細動電極セグメント28の各々は、平坦なリボン電極、パドル電極、編組電極又は織電極、メッシュ電極、指向性電極、パッチ電極、又はカーディオバージョンショック/除細動ショックを患者の心臓へ送達するように構成されている別の型式の電極であってもよい。
【0022】
[0034]
図1-
図3に描かれている実施例では、除細動電極26は2つの区分又はセグメント28aと28b、集合的には28、を含んでいる。除細動電極セグメント28は、波状構成22の相当な割合、例えば波状構成22の少なくとも80%に沿って延びている。除細動電極セグメント28は、波状構成22の80%強又は80%弱に沿って延びていてもよい。別の例として、除細動電極セグメント28は、波状構成22の少なくとも90%に沿って延びていてもよい。除細動電極セグメント28aは、波状部分22の近位端からピーク24bへの波状部の相当な割合に沿って(例えば、ピーク24aと関連付けられる第1の「波」の相当な部分に沿って)延びていて、除細動電極セグメント28bは、波状部分22のピーク24bから遠位端への波状部の相当な部分に沿って(例えば、ピーク24cと関連付けられる第2の「波」の相当な部分に沿って)延びている。
図1-
図3に描かれている実施例では、波状部分22の、除細動電極26が配置されていない唯一の部分は、ピーク24bのギャップ30であり、そこに電極32bが配置されている。
【0023】
[0035]1つの構成では、除細動電極セグメント28は、大凡0.25cm-4.5cm離間されており、一部の事例では、互いから1cm-3cmの間で離間されている。別の構成では、除細動電極セグメント28は、互いから大凡0.25cm-1.5cm離間されている。更なる構成では、除細動電極セグメント28は、互いから大凡1.5cm-4.5cm離間されている。
図1-
図3に示されている構成では、除細動電極セグメント28は、遠位部分16の相当な割合に亘っている。除細動電極セグメント28の各々は、長さが大凡1cm-10cmの間であってもよく、より好適には長さが2cm-6cmの間、なおいっそう好適には長さが3cm-5cmの間であってもよい。とはいえ、本開示の範囲から逸脱すること無く10cmより大きい長さ及び1cmより小さい長さを利用することもできる。除細動電極26の合計長さ(2つのセグメント28の組み合わされた長さ)は、多数の変数に依存して変わり得る。除細動電極26は、1つの実施例では、大凡5cm-10cmの間の合計長さを有している。また一方、除細動電極セグメント24は、他の実施形態では、5cmより小さい合計長さ及び10cmより大きい合計長さを有していることもある。一部の事例では、除細動セグメント28は、大凡同じ長さであってもよいし、代わりに異なる長さであってもよい。
【0024】
[0036]除細動電極セグメント28は、リード本体12の本体壁に配置されていてもよいし、又は代わりにリード本体12によって画定されている1つ又はそれ以上の絶縁されたルーメン(図示せず)の中に配置されている1つ又はそれ以上の導体へ電気的に接続されていてもよい。例示としての構成では、除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加して除細動ショックを患者の心臓へ送達することができるように、除細動電極セグメント28の各々は共通の導体へ接続されている。他の構成では、各除細動電極セグメント28が他の除細動電極セグメント28から独立して電圧を印加することができるように、除細動電極セグメント28は別々の導体へ付着されている。この場合、ICD9又はリード10は、それら除細動電極セグメントをひとまとめに電気的に接続して共通の極性の電極として機能させるための1つ又はそれ以上のスイッチ又は他の機構を含んでいれば、独立に電圧を印加できるようになることに加えて除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加することもできるようになる。
【0025】
[0037]遠位部分16は、隣接する除細動セグメント28間に1つ又はそれ以上のギャップ30を画定していてもよい。ギャップ30は何れの長さを画定していてもよい。3つ以上の除細動セグメント28が存在している事例では、各ギャップ30は他のどのギャップ30とも同じ又は実質的に同じ長さを画定していてもよいし、又は遠位部分の他のギャップ30とは異なる長さを画定していてもよい。
図3の実施例では、除細動電極セグメント28間には単一のギャップ30が存在している。それぞれのギャップ内には1つ又はそれ以上の電極32が配置されていてもよい。
図1に示されている構成では、ギャップ30内には単一の電極32が配置されている。また一方、他の実施例では、(例えば、
図4及び
図8の実施例に描かれている様に)2つ以上の電極32がギャップ30内に存在していることもある。
図1に示されている構成では、別の電極32aが除細動電極セグメント28aより近位に位置している。他の構成では、追加の電極32がリード10の遠位部分16に沿って、例えば除細動電極セグメント28bより遠位及び/又は除細動電極セグメント28aより近位に、配置されていることもある。
【0026】
[0038]1つの実施例では、最も近い除細動電極セグメント28と電極32の間の距離は、2mm以上且つ1.5cm以下である。別の実施例では、電極32は除細動電極セグメント28のうち最も近いセグメントから5mm以上且つ1cm以下に離間されている。更なる実施例では、電極32は除細動電極セグメント28のうち最も近いセグメントから6mm以上且つ8mm以下に離間されている。
【0027】
[0039]電極32a及び32bは、低電圧の電気パルスを心臓へ送達するように構成されていてもよいし、又は心臓の電気活動、例えば心臓の脱分極及び再分極、を感知するようになっていてもよい。そういうものとして電極32はここではペース電極/感知電極32と呼称されることもある。1つの構成では、電極32はリング電極である。また一方、他の構成では、電極32は、リング電極、短いコイル電極、パドル電極、半球状電極、指向性電極、など、を含む幾つもの数の異なる型式の電極のうちの何れであってもよい。それら電極32は同じ型式の電極であってもよいし、又は異なる型式の電極であってもよい。電極32は、当該電極32と隣接する除細動セグメント28の間に電気絶縁性の材料層を含むことによって、隣接する除細動セグメント28から電気的に絶縁させることができる。各電極32は、電圧を各電極へ遠位部分16内の別の電極32から独立して印加することができるように、各自別々の導体を有していてもよい。他の構成では、各電極32は、電極32それぞれが電圧を同時に印加することができるように共通の導体へ連結されていてもよい。
【0028】
[0040]
図1-
図3に示されている構成では、各電極32は、主軸である長手方向軸(「x」)に沿って実質的に整列している。1つの実施例では、主軸である長手方向軸は、細長い本体12の一部分、例えば実質的に直線状の部分20、によって画定されている。別の実施例では、主軸である長手方向軸は、患者の身体に対して、例えば、前正中線(又は胸骨中線)、一方の胸骨線(又は胸骨外側線)、左胸骨傍線、又は他の線、に沿って画定されている。電極32a及び32bは、波状構成22に沿って、各電極32a及び32bが主軸である長手方向軸「x」に沿って実質的に整列するように又はそれ以外のやり方で長手方向軸「x」に沿って配置されるようにして、配置されている。1つの構成では、各電極32aと電極32bの中点は、遠位部分が患者内に植え込まれたときに各電極32a及び32bが少なくとも実質的に同じ水平方向位置に配置されるような具合に主軸である長手方向軸「x」に沿っている。他の構成では、電極32は、ここでは他の実施形態の中で説明されている様に、遠位部分16に沿って除細動電極セグメント28同士の間に又は除細動電極セグメント28より近位に又は遠位に位置する何れの長手方向位置又は水平方向位置に配置させてもよい。
図1-
図3に描かれている実施例では、電極32は、波状構成22に沿って、除細動電極セグメント28より患者の心臓により近くなるはずの場所に(例えば、胸骨の左側寄りのピーク24bに)配置されている。例えば、
図1Aに描かれている様に、電極32同士は左胸骨線に沿って互いと実質的に整列している。除細動電極セグメント28は、心臓から離れて胸骨の右側寄りに延びるピーク24a及び24cに沿って配置されている。この構成は、心臓により近い場所にペース電極/感知電極32を設置するものであり、それによりペーシング閾値は下がり、心臓の心臓活動の感知は向上する。
【0029】
[0041]
図3Bの遠位部分16の長手方向側面図に描かれている様に、ペース電極/感知電極32及び除細動電極セグメント28は、更に、遠位部分16が心臓血管外に植え込まれたときに共通の平面内に配置されるようになっていてもよい。具体的には、波状構成22は、実質的に、長手方向軸「x」と水平方向軸(「y」)によって画定される平面であってここでは水平面(例えばxy平面)と呼称される平面内に配置されている。
図3Bに描かれている実施例では、各除細動電極セグメント28及び各電極32は、少なくとも部分的には水平面内に配置されている。他の構成では、波状構成22が実質的に水平面内に配置されないことは随意である。代わりに、1つ又はそれ以上の除細動電極セグメント28又はペース電極/感知電極32が内方へ心臓に向けて押圧されるように電気刺激療法部分18が湾曲していてもよい。例えば、電気刺激療法部分18は、除細動電極セグメント28又はペース電極/感知電極32の1つ又はそれ以上を心臓に近く設置するために凹又は湾曲を画定していてもよい。その様な場合、波状部分22は、ピークの幾つか又はピーク24の複数部分が水平面に直角であるz方向に心臓へ向かって延びている3次元蛇行形状をしている様に見えるであろう。
【0030】
[0042]リード本体12の近位端14は、患者内に皮下的に例えば患者の左腋窩下に植え込まれている植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)9へリード10を電気的に連結するための1つ又はそれ以上のコネクタ34を含んでいてもよい。ICD9は、ICD9の構成要素を保護する密封シールを形成しているハウジング38を含んでいてもよい。ICD9のハウジング38は、チタン又はチタン合金の様な導電性材料で形成することができ、当該ハウジングは
図1に矢印で描かれている、ハウジング38と遠位部分16の間の特定の療法ベクトルのためのハウジング電極として機能することもできる。ICD36は、更に、電気的フィードスルーを含むコネクタ組立体を含んでいてもよく、当該電気的フィードスルーを通して電気的接続がリード10の1つ又はそれ以上のコネクタ34とハウジング38内に含まれる電子的構成要素の間に作られる。ハウジング38は、1つ又はそれ以上のプロセッサ、メモリ、送信器、受信器、センサ、感知回路構成、療法回路構成、パワー源(コンデンサ及びバッテリ)、及び/又は他の適切な構成要素、を収納することができる。ICD9の構成要素は、抗頻拍ペーシング、カーディオバージョンショック又は除細動ショック、ショック後ペーシング、徐脈ペーシング、又は他の電気刺激、の様な電気刺激療法を生成し送達することができる。
【0031】
[0043]波状構成22の特定の構成と除細動電極セグメント28間の電極32の含有とにより、心臓への電気刺激療法送達にとって多数の療法ベクトルが提供される。例えば、
図1-
図3に示されている様に、除細動電極26の少なくとも一部分及び電極32の1つを右心室又は心臓の何れかの房室の上に配置して、ペーシングパルス及び除細動ショックを心臓へ療法部分18から送達できるようにしてもよい。ハウジング38は1つ又はそれ以上の除細動電極セグメント28及び/又は電極32の極性とは異なる極性を担っている又は異なる極性として機能するようになっていてもよく、そうすれば、ハウジング38と(単数又は複数の)除細動電極セグメント28及び/又は(単数又は複数の)電極32との間でエネルギーを心臓へ送達することができる。除細動ショックが除細動電極26全部から送達されるように電圧を印加させる場合には、各除細動電極セグメント28に他の除細動電極セグメント28全てと同じ極性を持たせることができる。除細動電極セグメント28がリード本体12内の共通の導体へ電気的に接続されている実施形態では、これが除細動電極セグメント28の唯一の構成である。また一方、他の実施形態では、除細動電極セグメント28をリード本体12内の別々の導体へ連結し、ひいては各々に異なる極性を持たせることができ、そうすると電気エネルギーは除細動電極セグメント28同士の間(又は除細動電極セグメント28の1つとペース電極/感知電極32の1つ又はハウジング電極との間)を流れてペーシング療法を提供する及び/又は心臓脱分極を感知することができるようになる。この場合、なおも除細動電極セグメント28を(例えばICD9内の1つ又はそれ以上のスイッチを介して)電気的に一体に連結して同じ極性を持たせれば除細動電極26全部から除細動ショックを送達させることができる。
【0032】
[0044]加えて、各電極32は、同じ除細動電極セグメント28上に配置されていようと他の除細動電極セグメント28上に配置されていようと、隣接する除細動電極セグメント28との間で、及び/又は近接の電極32との間で、電気的パルスを直接心臓へ伝導するように又は心臓脱分極を感知するように構成されてもよい。例えば、
図3に示されている療法ベクトル線は、電極32a及び32bと隣接する除細動電極セグメント28との間の電気エネルギーの流れを描いている。療法ベクトル線は、最良の性能(例えば、最も低いペーシング捕捉閾値)を有するペーシングベクトル及び/又は感知ベクトルを選択することができるようにするため、電気刺激療法について心臓の特定区域に的を絞って又は心臓の異なる区域に的を絞って生成することのできる電位ベクトルを描いている。加えて、電極32は、互いとの間で、例えば電極32の1つとその下方又は上方の電極32との間で、又は電極32の1つとハウジング電極との間で、又は複数の電極32(同じ極性)と反対の極性のハウジング電極との間で、電気パルスを伝導することもできる。そういうものとして、各電極32は、他の電極32全部と同じ極性を有することもできるし、又は代わりにペーシングパルスを心臓へ送達するのに異なる療法ベクトルを利用できるように異なる極性を有することもできる。
【0033】
[0045]
図4は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード40を描いている概略図である。リード40は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0034】
[0046]リード40は、波状部分42を含んでいる。波状部分42は、リード10の波状部分22に実質的に類似しているが、波状部分42はピーク24を2つしか含んでいない。但し、波状部分42は、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されているものと同等寸法のピーク・トゥ・ピーク距離「d」及びピーク・トゥ・ピーク幅「w」を画定している。
【0035】
[0047]リード40は、2つの除細動電極セグメント28a及び28bから形成されている除細動電極26を含んでいる。除細動電極セグメント28は、波状構成42の相当な割合に沿って、例えば波状構成42の少なくとも80%に沿って延びている。除細動電極セグメント28aは、波状部分42の近位端から波状部の相当な部分に沿って、但し波状部分42の、電極32bが配置されているギャップ30を含む部分を除いて、延びている。
図4に描かれている実施例では、ギャップ30及び電極32bは、
図1-
図3のリード10の場合の様にピークにではなしに、波状部分42の、ピーク24aからピーク24bへ移行している部分に沿って位置している。
【0036】
[0048]リード40は、更に、2つのペース電極/感知電極32a及び32bを含んでいる。電極32a及び電極32bは、波状構成42に沿って、各電極32aと32bが主軸である長手方向軸「x」に沿って実質的に整列するように又はそれ以外のやり方で当該長手方向軸に沿って配置されるようにして、配置されている。但し、
図1-
図3のリード10とは違って、電極32aと電極32bの配置方向は相違しているが、それでもなお、遠位部分が患者内に植え込まれたとき、実質的にそれらはほぼ同じ水平方向位置に配置される。更には、電極32は、波状構成42に沿って、電極32同士が左胸骨線ではなく前正中線に沿って互いと実質的に整列することになるはずの場所に配置されている。この場合、除細動電極セグメント28aはピーク24aに沿って配置されていて植え込まれたとき胸骨の左側寄りに延びるはずであり、除細動電極セグメント28bはピーク24bに沿って配置されていて植え込まれたとき胸骨の右側寄りに延びるはずである。
【0037】
[0049]除細動電極セグメント28及びペース電極/感知電極32は、限定するわけではないが、セグメント28と電極32の間の間隔取り、セグメント28と32のサイズ、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、など、を含め、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されている構造及び機能を含むことができる。加えて、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されている様に、一部の構成では、除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加して(そしてそれらを単一の極性として機能させて)除細動ショックを患者の心臓へ送達させることができるように、除細動電極セグメント28は各々が共通の導体へ接続されている。他の構成では、各除細動電極セグメント28が他の除細動電極セグメント28から独立して電圧を印加することができるように、除細動電極セグメント28は別々の導体へ付着されている。この場合、ICD9又はリード10は、それら除細動電極セグメントをひとまとめに電気的に接続して共通の極性の電極として機能させるための1つ又はそれ以上のスイッチ又は他の機構を含んでいれば、独立に電圧を印加できるようになることに加えて除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加することもできるようになる。
【0038】
[0050]
図5は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード50を描いている概略図である。リード50は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10又は
図4のリード40の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0039】
[0051]リード50は、波状部分52を含んでいる。波状部分52は、リード40の波状部分42に類似してピーク24を2つ含んでいるが、波状部分52は、より長いピーク・トゥ・ピーク幅「w」を含んでいる。リード50は、更に、3つのペース電極/感知電極32を含んでおり、それらのうちの2つは除細動電極セグメント28間に配置されている。
図1-
図4に描かれている一例としてのリードと違って、ペース電極/感知電極32のうち少なくとも1つは、主軸である長手方向軸「x」に沿って実質的に整列してもいなければそれ以外のやり方で当該軸に沿って配置されてもいない。
【0040】
[0052]
図6は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード60を描いている概略図である。リード60は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10、
図4のリード40、及び/又は
図5のリード50の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0041】
[0053]リード60は、波状部分62を含んでいる。波状部分62は、リード10の波状部分22に実質的に類似しているが、波状部分62は、3つのピークの代わりに7つのピーク24a-24gを含んでいる。波状部分62は、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されているのと同等の寸法のピーク・トゥ・ピーク距離「d」を画定しているが、ピーク・トゥ・ピーク幅「w」は、ピーク24の数の増加に因り波状部分22、42、又は52のピーク・トゥ・ピーク幅「w」より小さくなっている。
【0042】
[0054]除細動電極は、更に、リード10、40、及び50より多くの除細動電極セグメント28を含んでいる。除細動電極セグメント28は、波状構成62の相当な割合に沿って、例えば波状部分62の少なくとも80%に沿って、延びている。除細動電極セグメント28は、波状部分62の近位端から波状部の相当な部分に沿って、但し波状部分62の、電極32が配置されているギャップ30を含む部分を除いて、延びている。
図6に描かれている実施例では、ギャップ30及び電極32bは、
図1-
図3のリード10の場合の様にピークにではなしに、波状部分62の、一ピーク24から隣接するピーク24へ移行する部分に沿って(1つおきの移行部に)位置している。
【0043】
[0055]リード60は、更に、3つのペース電極/感知電極32a-32cを含んでいる。電極32は、波状構成62に沿って、各電極32が主軸である長手方向軸「x」に沿って実質的に整列するように又はそれ以外のやり方で当該軸に沿って配置されるようにして、配置されている。但し、
図1-
図5のリード10、40、及び50とは違って、全電極32が隣接する除細動電極セグメント28間に位置している。他の事例では、リード60は、更に、1つ又はそれ以上の電極32を、最も近位の除細動電極セグメント28より近位又は最も遠位の除細動電極セグメント28より遠位に含むこともできる。電極32は、波状構成62に沿った場所であって電極32が前正中線に沿って互いと実質的に整列するはずの場所、に配置されている。
【0044】
[0056]除細動電極セグメント28及びペース電極/感知電極32は、限定するわけではないが、セグメント28と電極32の間の間隔取り、セグメント28と32のサイズ、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、など、を含め、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されている構造及び機能性を含むことができる。加えて、以上に
図1-
図3に関連付けて説明されている様に、一部の構成では、除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加して(そしてそれらを単一の極性として機能させて)除細動ショックを患者の心臓へ送達することができるように、除細動電極セグメント28は各々が共通の導体へ接続されている。他の構成では、各除細動電極セグメント28が他の除細動電極セグメント28から独立して電圧を印加することができるように、除細動電極セグメント28は別々の導体へ付着されている。この場合、ICD9又はリード60は、それら除細動電極セグメントをひとまとめに電気的に接続して共通の極性の電極として機能させるための1つ又はそれ以上のスイッチ又は他の機構を含んでいれば、独立に電圧を印加できるようになることに加えて除細動電極セグメント28全てへ同時に電圧を印加することもできるようになる。
【0045】
[0057]
図7は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード70を描いている概略図である。リード70は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10、
図4のリード40、
図5のリード50、及び/又は
図6のリード60の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0046】
[0058]リード70は、電極32が波状部分72内の2つのピーク24間の距離に亘るサイズであることを別にして、
図6のリード60の波状部分62に実質的に類似している波状部分72を含んでいる。この構成では、電極32は、隣接する除細動電極セグメント28との間で心臓脱分極を感知するように構成することができる。更には、電極32は、電極32と隣接する除細動電極セグメント28との間での伝導性電気エネルギーによってペーシングパルスを心臓へ送達するように構成される。その様な構成では、それぞれの電極32と隣接する除細動電極セグメント28との間の療法ベクトルは、特定の療法ベクトルを提供するように実質的に偏菱形又はダイヤモンド形の構成を画定することができる。電極32は、更に、電極32の各々同士の間で電気エネルギーを送達することもできる。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0047】
[0059]
図8は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード80を描いている概略図である。リード80は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10、
図4のリード40、
図5のリード50、
図6のリード60、及び/又は
図7のリード70の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0048】
[0060]リード80は、2つ又はそれ以上の電極32が波状部分62内の2つのピーク24間の距離に亘っていることを別にして、
図6のリード60の波状部分62及び/又は
図7のリード70の波状部分72と実質的に一致している波状部分82を含んでいる。隣接する除細動電極セグメント28の間の単一のギャップ30内に複数の電極32を配置させることができ、又は各電極32を2つのギャップ30に配置させ、各ギャップ30をリード本体12の電気絶縁性の部分によって離隔させる。
図8に示されている構成では、それら電極32は、各電極32の極性に依存して、互いの間で又は隣接する除細動電極セグメント28との間で心臓脱分極を感知するように構成することができる。更には、電極32は、それら電極32と隣接する除細動電極セグメント28との間で、又は電極32のうちの2つの電極32同士の間で、伝導性電気エネルギーを用いてペーシングパルスを心臓へ送達するように構成されている。例えば、
図8には、或る特定の療法ベクトルを提供するために一例として電極32aと電極32a’が同じ極性で隣接する除細動電極の逆の極性を有している構成についての療法ベクトルが示されている。但し、電極32a及び電極32a’そして同じく電極32b及び電極32b’並びに電極32c及び電極32c’は、各電極32間の極性が用途に依存して同じとなるように同じ導体へ又は異なるように異なる導体へ連結されていてもよい。各電極32aと32a’の間には、例えば、リード本体12の電気的に絶縁性である部分があってもよい。更には、ギャップ30は、特定の電気刺激療法を最適化するサイズであってもよい。例えば、ギャップ30のサイズは、ペーシングを行うように及び/又は心臓脱分極を感知するように構成されている一対の電極32間について大凡8mm-15mmの範囲にあってもよい。加えて、電極32と除細動電極セグメント28の間のギャップ30のサイズは、長さが大凡3mm-10mmであるか、又は以上に
図1-
図3に関連付けて説明されている長さの何れかであってもよい。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0049】
[0061]
図9は、本願の原理に従って構築された別の一例としてのリード90を描いている概略図である。リード90は、電極及びリード本体の寸法、間隔取り、材料、形状、配置方向、電気伝導体構成、など、を含め、
図1-
図3のリード10、
図4のリード40、
図5のリード50、及び/又は、
図6のリード60、
図7のリード70、及び/又は
図8のリード80の構造及び/又は機能性の1つ又はそれ以上を含むことができる(逆もまた然り)。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0050】
[0062]リード90は、電極32が心臓に狙いを定め骨格筋を狙わない療法ベクトルを提供するように位置決めされた指向性電極であり、よって電極32を配置させるリード本体の一部分のみが電極32を収容していて別の部分はリード本体の絶縁性部分を含んでいる、ということを別にして、
図6のリード60の波状部分62に実質的に一致している波状部分92を含んでいる。電極32は、患者内に植え込まれたときに電極がリードの後部側(例えば心臓に面して)配置されるような具合に配列されていてもよい。この構成では、電極32は、隣接する除細動電極セグメント28との間で、又は電極32のうちの2つの電極32同士の間で、又は(単数又は複数の)電極32とハウジング電極との間で、心臓脱分極を感知するように構成することができる。更には、電極32は、隣接する除細動電極セグメント28との間で、又は電極32のうちの2つの電極32同士の間で、又は(単数又は複数の)電極32とハウジング電極の間で、伝導性電気エネルギーによってペーシングパルスを心臓へ送達するように構成される。例えば、
図6には、各電極32a、32b、及び32cがリード本体62区分の上方部分に配置されている構成についての療法ベクトルが示されている。他の構成では、例えば、特定の療法ベクトルを提供するために電極32aと電極32cは電極32bに対面していてもよい。電極32a、電極32b、及び電極32cの配列は、心臓へ送達されるペーシングパルスの有効性を最大化するために電気エネルギーが心臓に向けて方向決めされ骨格筋又は非心臓組織には向けられないようになっていてもよい。簡潔さを期し、他の実施形態に説明されている同じ番号の付された要素の反復説明は省略する。
【0051】
[0063]
図10は、一例としてのICD9の電子的構成要素の構成例の機能ブロック線図である。ICD9は、制御モジュール100、感知モジュール102、療法モジュール104、通信モジュール108、及びメモリ110を含んでいる。電子的構成要素は、再充電式又は非再充電式のバッテリであるパワー源106からパワーを受け取ることができる。他の実施形態ではICD9はより多い又はより少ない電子的構成要素を含んでいることもある。説明されているモジュールは、共通のハードウェア構成要素上にまとめて実装されていてもよいし、個別ではあるが相互動作できるハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素として別々に実装されていてもよい。異なる機構をモジュールとして描写しているのは、異なる機能的態様を強調表示することを意図したものであり、必ずしもその様なモジュールが別々のハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを示唆するものではない。そうではなく1つ又はそれ以上のモジュールと関連付けられている機能性は、別々のハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素によって遂行されていてもよいし、共通の又は別々のハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素内に統合されていてもよい。例示のみを目的にICD9がリード10へ連結されているという文脈で
図10を説明してゆく。但し、ICD9は、ここに説明されているリード40、50、60、70、80、又は90の様な他のリードへ、ひいては他の電極へ、連結することもできる。
【0052】
[0064]感知モジュール102は、電極26の幾つか又は全て(又は別々にはセグメント28a及び/又はセグメント28b)及び電極32の幾つか又は全てへリード10の導体及び1つ又はそれ以上の電気的フィードスルーを介して電気的に連結されているか、又はハウジング電極へICD9のハウジングの内在導体を介して電気的に連結されている。感知モジュール102は、電極26(又は別々にはセグメント28a及び/又はセグメント28b)及び電極32とICD9のハウジング電極の1つ又はそれ以上の組合せを介して感知される信号を取得するように、及び取得された信号を処理するように、構成されている。
【0053】
[0065]感知モジュール102の構成要素は、アナログ構成要素、デジタル構成要素、又はそれらの組合せとすることができる。感知モジュール102は、例えば、1つ又はそれ以上の感知増幅器、フィルタ、整流器、閾値検出器、アナログデジタル変換器(ADC)、など、を含んでいてもよい。感知モジュール102は、感知信号をデジタル形式へ変換し、デジタル信号を処理又は分析のために制御モジュール100へ提供することができる。例えば、感知モジュール102は、感知電極からの信号を増幅し、増幅された信号をADCによってマルチビットデジタル信号へ変換するようになっていてもよい。感知モジュール102は、更に、処理された信号を閾値に比較して心房脱分極又は心室脱分極(例えばP波又はR波)の存在を検出し、心房脱分極(例えばP波)の存在又は心室脱分極(例えばR波)の存在を制御モジュール100へ指し示すようになっていてもよい。
【0054】
[0066]制御モジュール100は、患者の心臓の電気的活動を監視するため感知モジュール102からの信号を処理することができる。制御モジュール100は、感知モジュール102によって取得された信号はもとより、何れかの生成されたEGM波形、マーカーチャネルデータ、又は感知信号に基づいて導出された他のデータを、メモリ110に記憶することができる。制御モジュール100は、EGM波形及び/又はマーカーチャネルデータを分析して心臓事象(例えば頻拍)を検出することもある。心臓事象を検出したことに応えて、制御モジュール100は療法モジュール104を制御して当該心臓事象を治療するための所望の療法、例えば、除細動ショック、カーディオバージョンショック、ATP、ショック後ペーシング、徐脈ペーシング、を送達させることができる。
【0055】
[0067]療法モジュール104は、電気刺激療法を生成し心臓へ送達するように構成されている。療法モジュール104は、1つ又はそれ以上のパルス生成器、コンデンサ、及び/又はペーシング療法、除細動療法、カーディオバージョン療法、心臓再同期療法、他の療法、又はそれら療法の組合せ、として送達するためのエネルギーを生成及び/又は保存する能力のある他の構成要素、を含んでいてもよい。幾つかの事例では、療法モジュール104は、ペーシング療法を提供するように構成されている構成要素の第1のセットと、除細動療法を提供するように構成されている構成要素の第2のセットと、を含むことができる。他の事例では、療法モジュール104は構成要素の同じセットを利用してペーシング療法と除細動療法の両方を提供するようになっていてもよい。更に他の事例では、療法モジュール104は、除細動療法構成要素とペーシング療法構成要素の一部を共有し、一方で他の構成要素は除細動専用又はペーシング専用として使用していてもよい。
【0056】
[0068]制御モジュール100は、療法モジュール104を制御して、メモリ110に記憶されている1つ又はそれ以上の療法プログラムに従って、リード10の電極26(又は別々にはセグメント28a及び/又はセグメント28b)と電極32とICD9のハウジング電極の1つ又はそれ以上の組合せを介して、生成された療法を心臓へ送達させることができる。制御モジュール100が異なるリード、例えば、リード40、50、60、70、80、又は90へ連結されている事例では、他の電極を利用することもできる。制御モジュール100は、療法モジュール104を制御して、選択された療法プログラムによって指定される振幅、パルス幅、タイミング、周波数、電極組合せ、又は電極構成を用いて電気刺激療法を生成させる。
【0057】
[0069]療法モジュール104は、利用可能な電極のうちのどれを療法を送達するのに使用するかを選択するスイッチモジュールを含んでいてもよい。スイッチモジュールは、スイッチアレイ、スイッチマトリックス、マルチプレクサ、又は電極を療法モジュール104へ選択的に連結するのに適した何れかの他の型式の切り換え装置を含んでいてもよい。制御モジュール100は、療法モジュール104内のスイッチモジュールを介して、療法電極又は療法ベクトルとして機能させる電極を選択することができる。除細動セグメント28aと28bが各自別々の導体へ連結されている事例では、制御モジュール100は、療法モジュール104をセグメント28aと28bの何れか一方へ個別に連結するように又はセグメント28aと28bの両方へ同時発生的に連結するように、選択的に構成することができる。一部の事例では、同じスイッチモジュールが療法モジュール104と感知モジュール102の両方によって使用されていることもある。他の事例では、感知モジュール102と療法モジュール104の各々が別々のスイッチモジュールを有していることもある。
【0058】
[0070]ペーシング療法が提供されようとする場合、例えば、ATP、ショック後ペーシング、及び/又は徐脈ペーシングがリード10の電極32及び/又は除細動電極セグメント28a及び28bを介して提供される場合において。1つの実施例では、療法モジュール104は、ペーシング(例えば、ATP又はショック後ペーシング)を、一方の又は両方の除細動電極セグメント28a及び28bを含む電極ベクトルを使用して送達することができる。ペーシングのために使用される電極ベクトルは、アノード(又はカソード)としてのセグメント28aとカソード(又はアノード)としての電極28b、電極32、又はICD9のハウジングのうちの1つとしてもよいし、又はアノード(又はカソード)としてのセグメント28bとカソード(又はアノード)としての電極28b、電極32、又はICD9のハウジングのうちの1つとしてもよい。必要なら、療法モジュール104は、(単数又は複数の)カーディオバージョンショック又は(単数又は複数の)除細動ショックを、電極セグメント28の一方又は同時発生的に両方をカソードとして使用しICD9のハウジングをアノードとして使用しながら生成し送達することができる。
【0059】
[0071]制御モジュール100は療法モジュール104を制御して、数々の形状、振幅、パルス幅、又は心臓を捕捉するための他の特性のうちの何れかを有するペーシングパルスを生成させ送達させる。例えば、ペーシングパルスは、単相性、二相性、又は多相性(例えば三相以上)であってもよい。ペーシングパルスを胸骨下空間から送達する場合、例えば実質的に前縦隔36内の電極32及び/又は電極セグメント28から送達する場合の心臓のペーシング閾値は、電極32及び/又は電極セグメント28の場所、型式、サイズ、配置向き、及び/又は間隔取り、電極32及び/又は電極セグメント28に対するICD9の場所、心臓の物理的異常(例えば心膜癒着又は心筋梗塞)、又は他の(単数又は複数の)要因、を含む数多くの要因に依存することになろう。
【0060】
[0072]リード10の電極32及び/又は電極セグメント28から心臓組織までの距離が増加すれば、結果的に心臓は経静脈ペーシング閾値に比べて増加したペーシング閾値を有することになる。このため、療法モジュール104は、従来式に心臓内に植え込まれたリード(例えば経静脈リード)又は心臓へ直接付着されたリードを介して捕捉を取得するのに必要とされるより大きい振幅及び/又はパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成することもできる。1つの実施例では、療法モジュール104は、8ボルト以下の振幅及び0.5ミリ秒-3.0ミリ秒の間のパルス幅、また一部の事例では4ミリ秒までのパルス幅、を有するペーシングパルスを生成し送達することができる。別の実施例では、療法モジュール104は、5ボルトから10ボルトの間の振幅及び大凡3.0ミリ秒から10.0ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達することができる。別の実施例では、療法モジュール104は、大凡2.0ミリ秒から8.0ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達することができる。更なる実施例では、療法モジュール104は、大凡0.5ミリ秒から20.0ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達することができる。別の実施例では、療法モジュール104は、大凡1.5ミリ秒から20.0ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達することができる。
【0061】
[0073]従来の経静脈ペーシングパルスより長いパルス持続時間を有するペーシングパルスは、より低いエネルギー消費量をもたらすことができる。そういうものとして療法モジュール104は2ミリ秒より大きいパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。別の実施例では、療法モジュール104は2ミリ秒より大きく且つ3ミリ秒以下のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。別の実施例では、療法モジュール104は3ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。別の実施例では、療法モジュール104は4ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。別の実施例では、療法モジュール104は5ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。別の実施例では、療法モジュール104は10ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。更なる実施例では、療法モジュール104は大凡3ミリ秒-10ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されもよい。更なる実施例では、療法モジュール104は大凡4ミリ秒-10ミリ秒の間のパルス幅を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。更なる実施例では、療法モジュール104は15ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。更に別の実施例では、療法モジュール104は20ミリ秒以上のパルス幅又は持続時間を有するペーシングパルスを生成し送達するように構成されてもよい。
【0062】
[0074]パルス幅に依存して、ICD9は、20ボルト以下のパルス振幅を有するペーシングパルスを送達するように、10ボルト以下のパルス振幅を有するペーシングパルスを送達するように、5ボルト以下のパルス振幅を有するペーシングパルスを送達するように、2.5ボルト以下のパルス振幅を有するペーシングパルスを送達するように、1ボルト以下のパルス振幅を有するペーシングパルスを送達するように、構成されていてもよい。他の実施例では、ペーシングパルス振幅は20ボルトより大きいこともある。実験結果に示される様に典型的により低い振幅はより長いペーシング幅を必要とする。ICD9によって送達されるペーシングパルスの振幅の縮小は、心外刺激の公算を低減し、パワー源106の消費エネルギーを下げる。
【0063】
[0075]ペーシング療法が胸骨及び/又は胸腔より上のリード10の皮下設置から提供される場合についてはペーシング振幅及びパルス幅が変更されることもあり、例えば心臓からより遠く距離が離れていて様々な解剖学的特徴を経由してエネルギーを透通させなくてはならないならばペーシング振幅及びパルス幅は増加されることもある。
【0064】
[0076]カーディオバージョン療法又は除細動療法である例えばカーディオバージョンショック又は除細動ショックが除細動電極セグメント28によって(個別に又は集合的に)提供される場合に、制御モジュール100は療法モジュール104を制御して、リーディングエッジ電圧、チルト、送達エネルギー、パルス位相、など、を含む数多くの波形特性のうちの何れかを有するカーディオバージョンショック又は除細動ショックを生成させる。療法モジュール104は、例えば、単相性、二相性、又は多相性の波形を生成することができる。加えて、療法モジュール104は、異なるエネルギー量を有するカーディオバージョン波形又は除細動波形を生成することもできる。ペーシングの場合と同じく、カーディオバージョンショック又は除細動ショックを胸骨下空間から送達すること、例えば実質的に前縦隔36内の(単数又は複数の)電極セグメント28から送達することで、心臓を細動除去するのに送達する必要のあるエネルギー量を軽減することができる。リード10が胸骨下空間に植え込まれた場合、療法モジュール104は、65J未満、100J未満、40J-50Jの間、35J-100Jの間、また一部の事例では35J未満、のエネルギーを有するカーディオバージョンショック又は除細動ショックを生成し送達することができる。リード10が皮下的に植え込まれた場合には、ICD9は、約65J-80Jのエネルギーを有するカーディオバージョンショック又は除細動ショックを生成し送達することになろう。
【0065】
[0077]療法モジュール104は、更に、異なるチルトを有する除細動波形を生成することもできる。二相性の除細動波形の場合には、療法モジュール104は65/65チルト、50/50チルト、又は他のチルト組合せを使用することができる。二相性波形又は多相性波形の各位相のチルトは幾つかの事例では同じであり、例えば65/65チルトであってもよい。また一方、他の事例では、二相性又は多相性の波形の各位相のチルトは異なっており、例えば、第1の位相は65チルトで第2の位相は55チルトであってもよい。一例としての送達エネルギー、リーディングエッジ電圧、位相、チルト、などは、例示のみを目的に提供されており、(単数又は複数の)除細動電極28を介して胸骨下除細動を提供するのに利用され得る波形特性の型式を限定するものと考えられてはならない。
【0066】
[0078]通信モジュール108は、臨床医プログラマ、患者監視装置、など、の様な別の装置と通信するための何れかの適したハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの何れかの組合せ、を含んでいる。例えば、通信モジュール108は、アンテナ112の支援を受けてデータを送信及び受信するのに適切な変調部、復調部、周波数変換部、フィルタ処理部、及び増幅器の各構成要素を含んでいてもよい。アンテナ112はICD9のコネクタブロック内又はハウジングICD9内に配置させることができる。
【0067】
[0079]ICD9の各種モジュールは、何れかの1つ又はそれ以上のプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はアナログ回路構成又はデジタル回路構成又は論理回路構成を含む同等の離散型又は集積型回路構成、を含んでいてもよい。メモリ110は、制御モジュール100又はICD9の他の構成要素によって実行されるとICD9の1つ又はそれ以上の構成要素に本開示でのそれら構成要素に帰属する様々な機能を遂行させるコンピュータ可読命令を含んでいてもよい。メモリ110は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、静的不揮発性RAM(SRAM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は何れかの他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の様な、何れの揮発性、不揮発性、磁気式、光学式、又は電気式の記憶媒体を含んでいてもよい。
【0068】
[0080]ここに説明されているリード及びシステムは、血管外ICDシステムを提供するように、少なくとも部分的に胸骨下空間内例えば患者の前縦隔内で使用することができる。植え込み者(例えば医師)は、多数の植え込み道具、例えば、トンネル形成用のロッド、シース、又は添付図を横断し胸骨下の場所にトンネルを形成することのできる他の道具、のうち何れかを使用して、リードの遠位部分を胸腔内に植え込むことができる。例えば、植え込み者は、例えば患者の体幹部の中心付近に切開を作成し、植え込み道具を胸骨下の場所へと切開を介して導入することができる。植え込み道具を胸骨下の場所にて切開から上方へ胸骨の後部に沿って前進させる。リード10(又はここに説明されている他のリード、例えばリード40、50、60、70、80、又は90)の遠位端を、トンネルの中へ、植え込み道具を介して(例えばシースを介して)導入する。リード10の遠位端が胸骨下のトンネルを通って進められてゆく際、リード10の遠位端は比較的真っ直ぐである。予め付形されている又は成形されている波状部分22は、リード10をシースに通して又は植え込み道具の他のルーメン又はチャネルに通して経路決めしてゆく間は真っ直ぐに伸ばせることができるだけの十分な可撓性がある。リード10の遠位端を所定位置に入れたら、植え込み道具を切開に向けて後退させ、リード10を胸骨下経路に沿って所定位置に残したまま植え込み道具を身体から抜去する。植え込み道具が後退されるにつれ、リード10の遠位端はその予め付形されている波状構成22を取ってゆく。而して、植え込み道具を後退させてゆくと、波状構成22が電極32a及び32bを電極28a及び28bに比べ胸骨の左側寄りに押し出す。以上に言及されている様に、植え込み者は、電極32aと電極32bを前正中線(又は胸骨中線)又は左胸骨線(又は左側の胸骨外側線)に沿って整列させることができる。
【0069】
以下、親出願の出願当初の請求項に記載された発明の態様を記載する。
[態様1]
近位端及び遠位部分を画定しているリード本体であって、当該リード本体の上記遠位部分の少なくとも一部が波状構成を画定している、リード本体と、
上記波状構成に沿って互いから或る距離だけ離間して配置されている複数の除細動電極セグメントを含む除細動電極と、
上記複数の除細動セグメントの隣接するセグメント間に配置されている少なくとも1つの電極であって、ペーシングパルスを心臓へ送達することと上記心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている少なくとも1つの電極と、
を備えている血管外植え込み型医用電気リードである。
[態様2]
上記複数の除細動電極セグメントは波状構成の少なくとも80%に沿って配置されている、態様1に記載のリードである。
[態様3]
上記複数の除細動電極セグメントは波状構成の少なくとも90%に沿って配置されている、態様1に記載のリードである。
[態様4]
上記波状構成が複数のピークを含み、上記複数のピークの第1の部分は上記リードの主軸である長手方向軸から離れて第1の方向に延び、上記複数のピークの第2の部分は上記リードの上記主軸である長手方向軸から離れて第2の反対方向に延びており、上記複数の除細動電極セグメントは上記複数のピークの上記第1の部分に沿って配置され、上記少なくとも1つの電極は上記複数のピークの上記第2の部分上に配置されている、態様1から態様3の何れかに記載のリードである。
[態様5]
上記波状構成が複数のピークを含み、上記複数のピークの第1の部分は上記リードの主軸である長手方向軸から離れて第1の方向に延び、上記複数のピークの第2の部分は上記リードの上記主軸である長手方向軸から離れて第2の反対方向に延びており、上記複数の除細動電極セグメントは上記複数のピークの少なくとも一部分に沿って配置され、上記少なくとも1つの電極は上記波状部分のピーク間の一部分に沿って配置されている、上記態様1から態様3の何れかに記載のリードである。
[態様6]
上記波状構成の上記複数のピークは共通の平面内にある、上記態様4から態様5の何れかに記載のリードである。
[態様7]
上記リードが上記リード本体内に配置されている導体を更に含んでおり、上記複数の除細動電極セグメントは上記導体へ電気的に連結されている、態様1から態様6の何れかに記載のリードである。
[態様8]
上記複数の除細動電極セグメントが第1の除細動電極セグメント及び第2の除細動電極セグメントを含んでおり、上記リードは、更に、
上記リード本体内に配置されていて上記第1の除細動電極セグメントへ電気的に接続されている第1の導体と、
上記リード本体内に配置されていて上記第2の除細動電極セグメントへ電気的に接続されている第2の導体と、
を備えている、態様1から態様7の何れかに記載のリードである。
[態様9]
上記少なくとも1つの電極が少なくとも2つの電極を備えており、上記少なくとも2つの電極は上記リードの主軸である長手方向軸に沿って配置されている、態様1から態様8の何れかに記載のリードである。
[態様10]
上記波状構成は実質的に正弦波構成を画定している、態様1から態様9の何れかに記載のリードである。
[態様11]
上記少なくとも1つの電極は、上記複数の除細動電極セグメントの隣接するセグメントとの間で電気パルスを伝導するように構成されている、態様1から態様10の何れかに記載のリードである。
[態様12]
上記除細動電極セグメントのうちの最も近位のセグメントより近位と上記除細動電極セグメントのうちの最も遠位のセグメントより遠位、のうち少なくとも一方に配置されている少なくとも1つの追加の電極であって、ペーシングパルスを上記心臓へ送達することと上記心臓の心臓電気活動を感知することのうち少なくとも一方を行うように構成されている少なくとも1つの追加の電極、を更に備えている態様1から態様11の何れかに記載のリードである。
[態様13]
態様1から態様12の何れかによる血管外電気刺激リードにおいて上記複数の除細動電極セグメントが第1の除細動電極セグメント及び第2の除細動電極セグメントを含んでいる、血管外電気刺激リードと、
上記血管外電気刺激リードへ連結されている血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)であって、
電気刺激療法を生成し心臓へ送達するように構成されている療法モジュール、及び、
上記療法モジュールを、上記第1の除細動電極セグメントと上記第2の除細動電極セグメントの両方が同時に共通の極性で機能して除細動療法を送達する電極ベクトルへ、選択的に連結するように構成されているスイッチモジュール、
を含むICDと、
を備えている血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)システムである。
[態様14]
上記スイッチモジュールは、上記療法モジュールを、上記第1の除細動電極セグメントと上記第2の除細動電極セグメントの少なくとも一方を含んでいる第2の電極ベクトルへ連結し、当該療法モジュールは上記第2の電極ベクトルを使用するペーシング療法を送達する、態様13に記載の血管外ICDシステムである。
[態様15]
上記第2の電極ベクトルは、当該電極ベクトルの第1の極性としての上記第1の除細動電極セグメントと、当該電極ベクトルの第2の反対の極性としての上記第2の除細動電極セグメントと、を含んでいる、態様14に記載の血管外ICDシステムである。
【0070】
[0081]当業者には理解されるように、本願は以上に具体的に示され説明されているものに限定されない。加えて、以上にそれとは反対の言及がない限り、添付図面はどれもが縮尺合わせされているとは限らないことに留意されたい。上記の教示に照らし、様々な修正及び変形型が本願の範囲及び精神から逸脱することなく実施可能であり、本願の範囲及び精神は付随の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0071】
8 心臓血管外植え込み型カーディオバータ-除細動器(ICD)システム
9 ICD
10 リード
12 リード本体
14 リード本体の近位端
16 リード本体の遠位部分
18 電気刺激療法部分
20 直線状部分
22 波状構成、波状部分
22 胸骨
24、24a-24g ピーク
26 除細動電極
28、28a-28d 除細動電極セグメント
30 ギャップ
32、32a-32c、32a’-32c’ 電極
34 コネクタ
36 前縦隔
38 ICDのハウジング
38 心膜
39 胸膜
40、50、60、70、80、90 リード
42、52、62、72、82、92 波状部分
100 制御モジュール
102 感知モジュール
104 療法モジュール
106 パワー源
108 通信モジュール
110 メモリ
112 アンテナ
d ピーク・トゥ・ピーク距離
w ピーク・トゥ・ピーク幅
x リード本体の主軸である長手方向軸