IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特許7019086電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法
<>
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図1
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図2
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図3
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図4
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図5
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図6
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図7
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図8
  • 特許-電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20220204BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
E05B49/00 K
H04M11/00 301
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021084615
(22)【出願日】2021-05-19
【審査請求日】2021-11-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岸 利光
(72)【発明者】
【氏名】楊 帥
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-173306(JP,A)
【文献】特開2020-045751(JP,A)
【文献】特開2019-085761(JP,A)
【文献】特開2019-190038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、前記電子機器と通信可能なサーバと、を含み、
前記電子機器は、
住居に設置されている無線機器が送信する信号に含まれる、当該無線機器を識別するための無線機器識別情報を取得する電子機器取得部と、
前記電子機器取得部が取得した少なくとも一つの前記無線機器識別情報と、前記電子機器を識別するための電子機器識別情報と、を送信する電子機器送信部と、
を有し、
前記サーバは、
電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、無線機器識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記電子機器送信部から送信された前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を取得するサーバ取得部と、
前記サーバ取得部が取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するサーバ送信部と、
を有する電子錠制御システム。
【請求項2】
前記電子機器取得部は、複数の前記無線機器識別情報を取得し、
前記電子機器送信部は、前記電子機器取得部が取得した複数の前記無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、を送信し、
前記記憶部は、電子機器識別情報と、電子錠識別情報と、複数の無線機器識別情報と、を関連付けて記憶し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報と、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報とが一致していることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項1に記載の電子錠制御システム。
【請求項3】
前記電子機器取得部は、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度をさらに取得し、
前記電子機器送信部は、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度を前記無線機器識別情報に関連付けて送信し、
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報に関連付けて前記強度を取得し、
前記サーバ送信部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度が所定閾値以上の無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項1又は2に記載の電子錠制御システム。
【請求項4】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報が前記電子機器送信部から送信された送信時刻、又は前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を受信した受信時刻をさらに取得し、
前記サーバ送信部は、前記送信時刻又は前記受信時刻が、解錠が可能な期間として設定された所定期間内であることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電子錠制御システム。
【請求項5】
前記電子機器は、前記電子機器の位置を取得する位置取得部をさらに有し、
前記電子機器送信部は、前記少なくとも一つの前記無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、前記位置取得部が取得した前記位置を示す位置情報とを送信し、
前記サーバ取得部は、前記電子機器送信部から送信された前記少なくとも一つの無線機器識別情報、前記電子機器識別情報、及び前記位置情報を取得し、
前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内に含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子錠制御システム。
【請求項6】
前記電子機器は、前記電子機器の位置を取得する位置取得部をさらに有し、
前記電子機器送信部は、前記位置取得部が取得した前記位置を示す位置情報を送信し、
前記サーバ取得部は、前記電子機器送信部から送信された前記位置情報を取得し、
前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内から、前記所定範囲外に変化したことを特定したことに応じて、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を施錠させる施錠指示を送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電子錠制御システム。
【請求項7】
前記電子機器は、第1操作又は第2操作を受け付ける操作部をさらに有し、
前記電子機器送信部は、
前記操作部が前記第1操作を受け付けた場合に、解錠するための操作以外の操作が行われたことを示す第1操作情報を送信し、
前記操作部が前記第2操作を受け付けた場合に、前記少なくとも一つの無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、を含み解錠するための操作が行われたことを示す第2操作情報を送信し、
前記サーバ取得部は、前記第1操作情報及び前記第2操作情報を取得し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が前記第1操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信せず、前記第2操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電子錠制御システム。
【請求項8】
電子機器を識別するための電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、住居に設置されている無線機器を識別するための無線機器識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記電子機器が受信した少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器が記憶している電子機器識別情報を取得するサーバ取得部と、
前記サーバ取得部が取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するサーバ送信部と、
を有するサーバ。
【請求項9】
前記記憶部は、電子機器識別情報と、電子錠識別情報と、複数の無線機器識別情報と、を関連付けて記憶し、
前記サーバ取得部は、前記電子機器が受信した複数の前記無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を取得し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報と、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報とが一致していることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報に関連付けられた、前記電子機器が取得した前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度を取得し、
前記サーバ送信部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記電波の強度が所定閾値以上の無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項8又は9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報が前記電子機器から送信された送信時刻、又は前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を受信した受信時刻をさらに取得し、
前記サーバ送信部は、前記送信時刻又は前記受信時刻が、解錠が可能な期間として設定された所定期間内であることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項8から10のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報、前記電子機器識別情報、及び前記電子機器の位置を示す位置情報を取得し、
前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内に含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信する、
請求項8から11のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項13】
前記サーバ取得部は、前記電子機器の位置を示す位置情報を取得し、
前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内から、前記所定範囲外に変化したことを特定したことに応じて、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を施錠させる施錠指示を送信する、
請求項8から11のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項14】
前記サーバ取得部は、前記電子錠を解錠するための操作以外の操作が行われたことを示す第1操作情報、及び前記電子錠を解錠するための操作が行われたことを示す第2操作情報を取得し、
前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が前記第1操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信せず、前記第2操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信する、
請求項8から13のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
住居に設置されている無線機器を識別するための無線機器識別情報を受信する電子機器が受信した少なくとも一つの前記無線機器識別情報及び前記電子機器が記憶している前記電子機器を識別するための電子機器識別情報を取得するステップと、
前記電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、前記無線機器識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において、取得した前記電子機器識別情報に関連付けられた前記無線機器識別情報を特定するステップと、
取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記特定した無線機器識別情報が含まれているか否かを判定するステップと、
取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記特定した無線機器識別情報が含まれている場合、取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するステップと、
を有する電子錠解錠方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子錠の施解錠を制御する電子錠制御システム、サーバ及び電子錠解錠方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を介して電子錠を解錠するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、電子錠と直接通信が可能なスマートフォンから、電子錠の解錠指示を送信することにより、電子錠を解錠する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-145480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが電子錠と直接通信が可能な機器を持っていない場合、電子錠を解錠することができない。そこで、電子錠と直接通信できない機器を用いて電子錠を解錠する技術が求められていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、電子錠と直接通信できない機器を用いて電子錠を解錠することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、電子機器と、前記電子機器と通信可能なサーバと、を含み、前記電子機器は、無線機器が送信する信号に含まれる、当該無線機器を識別するための無線機器識別情報を取得する電子機器取得部と、前記電子機器取得部が取得した少なくとも一つの前記無線機器識別情報と、前記電子機器を識別するための電子機器識別情報と、を送信する電子機器送信部と、を有し、前記サーバは、電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、無線機器識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、前記電子機器送信部から送信された前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を取得するサーバ取得部と、前記サーバ取得部が取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するサーバ送信部と、を有する電子錠制御システムを提供する。
【0007】
前記電子機器取得部は、複数の前記無線機器識別情報を取得し、前記電子機器送信部は、前記電子機器取得部が取得した複数の前記無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、を送信し、前記記憶部は、電子機器識別情報と、電子錠識別情報と、複数の無線機器識別情報と、を関連付けて記憶し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報と、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報とが一致していることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0008】
前記電子機器取得部は、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度をさらに取得し、前記電子機器送信部は、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度を前記無線機器識別情報に関連付けて送信し、前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報に関連付けて前記強度を取得し、前記サーバ送信部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度が所定閾値以上の無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0009】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報が前記電子機器送信部から送信された送信時刻、又は前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を受信した受信時刻をさらに取得し、前記サーバ送信部は、前記送信時刻又は前記受信時刻が、解錠が可能な期間として設定された所定期間内であることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0010】
前記電子機器は、前記電子機器の位置を取得する位置取得部をさらに有し、前記電子機器送信部は、前記少なくとも一つの前記無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、前記位置取得部が取得した前記位置を示す位置情報とを送信し、前記サーバ取得部は、前記電子機器送信部から送信された前記少なくとも一つの無線機器識別情報、前記電子機器識別情報、及び前記位置情報を取得し、前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内に含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0011】
前記電子機器は、前記電子機器の位置を取得する位置取得部をさらに有し、前記電子機器送信部は、前記位置取得部が取得した前記位置を示す位置情報を送信し、前記サーバ取得部は、前記電子機器送信部から送信された前記位置情報を取得し、前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内から、前記所定範囲外に変化したことを特定したことに応じて、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を施錠させる施錠指示を送信してもよい。
【0012】
前記電子機器は、第1操作又は第2操作を受け付ける操作部をさらに有し、前記電子機器送信部は、前記操作部が前記第1操作を受け付けた場合に、解錠するための操作以外の操作が行われたことを示す第1操作情報を送信し、前記操作部が前記第2操作を受け付けた場合に、前記少なくとも一つの無線機器識別情報と、前記電子機器識別情報と、を含み解錠するための操作が行われたことを示す第2操作情報を送信し、前記サーバ取得部は、前記第1操作情報及び前記第2操作情報を取得し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が前記第1操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信せず、前記第2操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、電子機器を識別するための電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、無線機器を識別するための無線機器識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、前記電子機器が受信した少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器が記憶している電子機器識別情報を取得するサーバ取得部と、前記サーバ取得部が取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するサーバ送信部と、を有するサーバを提供する。
【0014】
前記記憶部は、電子機器識別情報と、電子錠識別情報と、複数の無線機器識別情報と、を関連付けて記憶し、前記サーバ取得部は、前記電子機器が受信した複数の前記無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を取得し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報と、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された複数の無線機器識別情報の少なくとも一部の複数の無線機器識別情報とが一致していることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0015】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報に関連付けられた、前記電子機器が取得した前記無線機器識別情報が含まれる信号を伝搬した電波の強度を取得し、前記サーバ送信部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記電波の強度が所定閾値以上の無線機器識別情報が含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0016】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報が前記電子機器から送信された送信時刻、又は前記少なくとも一つの無線機器識別情報及び前記電子機器識別情報を受信した受信時刻をさらに取得し、前記サーバ送信部は、前記送信時刻又は前記受信時刻が、解錠が可能な期間として設定された所定期間内であることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0017】
前記サーバ取得部は、前記少なくとも一つの無線機器識別情報、前記電子機器識別情報、及び前記電子機器の位置を示す位置情報を取得し、前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内に含まれていることを条件として、前記解錠指示を送信してもよい。
【0018】
前記サーバ取得部は、前記電子機器の位置を示す位置情報を取得し、前記記憶部は、前記電子機器識別情報に関連付けて、前記電子機器のユーザの自宅位置をさらに記憶し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が取得した前記位置情報が示す前記位置が、前記サーバ取得部が取得した前記電子機器識別情報に関連付けて記憶された自宅位置を含む所定範囲内から、前記所定範囲外に変化したことを特定したことに応じて、前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を施錠させる施錠指示を送信してもよい。
【0019】
前記サーバ取得部は、前記電子錠を解錠するための操作以外の操作が行われたことを示す第1操作情報、及び前記電子錠を解錠するための操作が行われたことを示す第2操作情報を取得し、前記サーバ送信部は、前記サーバ取得部が前記第1操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信せず、前記第2操作情報を取得した場合に前記解錠指示を送信してもよい。
【0020】
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、無線機器を識別するための無線機器識別情報を受信する電子機器が受信した少なくとも一つの前記無線機器識別情報及び前記電子機器が記憶している前記電子機器を識別するための電子機器識別情報を取得するステップと、前記電子機器識別情報と、電子錠を識別するための電子錠識別情報と、前記無線機器識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において、取得した前記電子機器識別情報に関連付けられた前記無線機器識別情報を特定するステップと、取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記特定した無線機器識別情報が含まれているか否かを判定するステップと、取得した前記少なくとも一つの無線機器識別情報の中に、前記特定した無線機器識別情報が含まれている場合、取得した前記電子機器識別情報に関連付けて前記記憶部に記憶された前記電子錠識別情報に対応する電子錠を解錠させる解錠指示を送信するステップと、を有する電子錠解錠方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電子錠と直接通信できない機器を用いて電子錠を解錠できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】電子錠制御システムの概要を説明するための図である。
図2】GPSトラッカの構成を示す模式図である。
図3】電子錠管理サーバの構成を示す模式図である。
図4】電子錠データテーブルの一例を示す図である。
図5】各トラッカIDに関連付けられた帰宅期間を示す図である。
図6】各無線機器の解錠許可強度範囲を説明するための図である。
図7】GPSトラッカの位置が自宅を含む解錠許可範囲内である場合に解錠指示を送信する処理を説明するための図である。
図8】各始動指示送信期間において始動指示を送信する機器を示す図である。
図9】電子錠管理サーバが実行する電子錠3を解錠させる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[電子錠制御システムSの概要]
図1は、電子錠制御システムSの概要を説明するための図である。電子錠制御システムSは、自宅H1の電子錠3と直接通信できないGPS(Global Positioning System)トラッカ1から送信される情報に基づいて、電子錠3を施解錠するシステムである。電子錠制御システムSは、GPSトラッカ1と電子錠管理サーバ2とを有する。
【0024】
ルータ41及びスマートメータ42は、自宅H1に設置されている無線機器である。ルータ41及びスマートメータ42は、例えばWi-Fi(登録商標)を用いて、自機を識別するための無線機器識別情報(以下「無線機器ID」と言う)を報知(ブロードキャスト送信)する。ルータ43は、自宅H1に隣接する他人宅H2に設置されている無線機器であり、Wi-Fiを用いて自機の無線機器IDを報知する。以下、ルータ41、スマートメータ42及びルータ43を区別する必要が無い場合は無線機器と言う。
【0025】
電子錠3は、自宅H1の扉に設けられた電子錠である。例えば、電子錠3は、自宅H1の扉に設けられた錠を施解錠する。具体的には、電子錠3は、サムターンを有する錠のサムターンを回転させることができる施解錠補助装置である。また、電子錠3は、自宅H1の扉に設けられた錠を含む装置であってもよい。
【0026】
電子錠3は、他の装置と通信可能な無線通信モジュールを有している。電子錠3の通信モジュールの通信機能に対応する通信規格は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))である。電子錠3は、スマートフォンとBLEで通信可能である。また、電子錠3は、自宅H1に設置され、電子錠管理サーバ2と通信可能に接続された電子錠制御装置(図示せず)と、BLEで通信可能である。電子錠3は、BLEを用いてスマートフォンから直接解錠指示を受信する。電子錠3は、解錠指示を受信したことに応じて自宅H1の扉に設けられた錠を解錠する。
【0027】
GPSトラッカ1は、例えば自宅H1に居住する子供や高齢者の居場所を把握するために用いられる機器である。具体的には、GPSトラッカ1は、子供にスマートフォンを持たせたくない場合、又はスマートフォンを使用できない高齢者の居場所を把握する場合に用いられる。以下の説明では、電子錠3と通信可能なスマートフォンを持たないユーザU(例えば子供又は高齢者)がGPSトラッカ1を所持しているものとする。
【0028】
ユーザUがスマートフォンを持っていない場合、ユーザUはスマートフォンを用いて電子錠を解錠することができない。そこで、ユーザUにとっては、GPSトラッカ1を用いて自宅H1の電子錠3を解錠できると便利である。しかしながら、GPSトラッカ1は、GPSトラッカ1が他の装置と不必要な通信を行わないように、BLE機能が制限されている又はBLE機能を持つ通信モジュールを有していない。そのため、GPSトラッカ1は、BLEを用いた通信ができないから、電子錠3に直接解錠指示を送信することができない。
【0029】
一方、GPSトラッカ1は、GPSトラッカ1の設定を行うため、ユーザUの保護者が所持するスマートフォンと通信できるようにWi-Fiを介して通信が可能である。また、GPSトラッカ1は、自装置の位置を電子錠管理サーバ2に送信するため、LTE(Long Term Evolution)や5G(第5世代移動通信システム)等の無線通信に対応している。なお、詳細は後述するが、GPSトラッカ1は、Wi-Fi通信において専ら周辺の無線機器IDの受信のみ可能な構成とし、外部機器(保護者のスマートフォンや電子錠管理サーバ2等)とのデータ通信をLTE又は5G等の無線通信で行うようにしてもよい。
【0030】
そこで、まず、GPSトラッカ1は、GPSトラッカ1の周辺に存在する無線機器の無線機器IDを、Wi-Fi通信で取得する。図1に示すGPSトラッカ1は、各無線機器からWi-Fi通信を介して各無線機器の無線機器IDを取得する。GPSトラッカ1は、取得した無線機器IDと、GPSトラッカ1を識別するための電子機器識別情報(以下「トラッカID」と言う)とを、LTE又は5Gの無線通信を介して電子錠管理サーバ2に送信する。
【0031】
電子錠管理サーバ2は、電子錠3を施錠又は解錠させるための遠隔制御を行う情報処理装置である。電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1のトラッカIDに関連付けて、自宅H1付近で取得できる無線機器IDを記憶している。電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1から送信されたトラッカID及び無線機器IDを取得する。電子錠管理サーバ2は、トラッカIDと共に取得した無線機器IDが、トラッカIDに関連付けて記憶された無線機器IDの中に含まれている場合、電子錠3を解錠させるための解錠指示を電子錠3に送信する。
【0032】
このようにすることで、電子錠制御システムSは、GPSトラッカ1が自宅H1付近に存在する場合に電子錠3を解錠させることができる。その結果、GPSトラッカ1が電子錠3と直接通信できないとしても、GPSトラッカ1を持ったユーザが自宅H1付近に来た時点で電子錠3が解錠される。
【0033】
[GPSトラッカ1の構成]
図2は、GPSトラッカ1の構成を示す模式図である。GPSトラッカ1は、ボタン11と、GPS受信機12と、トラッカ通信部13と、トラッカ記憶部14と、トラッカ制御部15とを備える。
【0034】
ボタン11は、各種操作を受け付ける操作部である。ボタン11は、ボタン11を1回押す第1操作を受け付ける。第1操作は例えば電子錠3を解錠するための操作以外の操作であり、GPSトラッカ1の位置を示す位置情報を送信するための操作である。また、ボタン11は、ボタン11を連続して2回押す第2操作を受け付ける。第2操作は例えば電子錠3を解錠するための操作である。
【0035】
GPS受信機12は、GPSトラッカ1の位置を取得する位置取得部である。GPS受信機12は、GPSで用いられる人工衛星から送信される電波を受信する。GPS受信機12は、受信した電波に基づいてGPSトラッカ1の緯度・経度を特定することにより、GPSトラッカ1の位置を取得する。例えば、GPS受信機12は、ボタン11が第1操作又は第2操作を受け付けた場合に位置を取得する。また、GPS受信機12は、所定の時間間隔毎に位置を取得してもよい。所定の時間間隔は、GPSトラッカ1を管理する管理者が適宜設定することができる。所定の時間間隔の具体的な値は、例えば3分又は30分であるが、これに限定するものではない。
【0036】
トラッカ通信部13は、無線通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。トラッカ通信部13は、LTEや5G等の無線通信方式に対応する基地局を介して、電子錠管理サーバ2と情報を送受信する。また、トラッカ通信部13は、無線機器が送信する信号を伝搬する電波を受信する。トラッカ通信部13が無線機器から受信できる信号の規格は、例えばWi-Fiである。一方、トラッカ通信部13は、BLEを介した通信する機能を有していない。
【0037】
トラッカ記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。トラッカ記憶部14は、トラッカ制御部15が実行するプログラムを記憶する。また、トラッカ記憶部14は、自装置を識別するためのトラッカIDを記憶する。
【0038】
トラッカ制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。トラッカ制御部15は、トラッカ記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、トラッカ取得部151及びトラッカ送信部152としての機能を実現する。
【0039】
トラッカ取得部151は、無線機器が送信した信号を伝搬する電波から無線機器IDを取得する電子機器取得部である。例えば、トラッカ取得部151は、複数の無線機器の各々が送信した信号を伝搬する電波から、各無線機器の無線機器IDを取得する。また、トラッカ取得部151は、無線機器IDが含まれる信号を伝搬した電波の強度を取得する。
【0040】
トラッカ送信部152は、トラッカ取得部151が取得した少なくとも一つの無線機器IDと、トラッカIDとを無線通信を介して電子錠管理サーバ2に送信する電子機器送信部である。トラッカ送信部152は、複数の無線機器IDが取得された場合、取得された複数の無線機器IDと、トラッカIDと、を電子錠管理サーバ2に送信する。また、トラッカ送信部152は、無線機器IDが含まれる信号を伝搬した電波の強度を無線機器IDに関連付けて電子錠管理サーバ2に送信する。
【0041】
トラッカ送信部152は、GPSトラッカ1の位置を示す位置情報を電子錠管理サーバ2に送信する。トラッカ送信部152は、GPS受信機12がGPSトラッカ1の位置を取得する毎に、取得された位置を示す位置情報を電子錠管理サーバ2に送信する。
【0042】
トラッカ送信部152は、ボタン11に行われた操作を示す情報を電子錠管理サーバ2に送信する。例えば、トラッカ送信部152は、ボタン11が第1操作を受け付けた場合に、解錠するための操作以外の操作が行われたことを示す第1操作情報を電子錠管理サーバ2に送信する。具体的には、トラッカ送信部152は、第1操作を受け付けた場合、トラッカID及びGPS受信機12が取得したGPSトラッカ1の位置を示す位置情報を含む第1操作情報を送信する。より具体的には、トラッカ送信部152は、第1操作を受け付けた場合、トラッカID、位置情報、及びトラッカ取得部151が取得した少なくとも一つの無線機器IDを電子錠管理サーバ2に送信する。
【0043】
また、トラッカ送信部152は、ボタン11が第2操作を受け付けた場合に、少なくとも一つの無線機器ID及びトラッカIDを含み、解錠するための操作が行われたことを示す第2操作情報を送信する。具体的には、トラッカ送信部152は、トラッカID及び少なくとも一つの無線機器IDを含む第2操作情報を送信する。より具体的には、トラッカ送信部152は、第2操作を受け付けた場合、トラッカID及び少なくとも一つの無線機器IDを含み、位置情報を含まない第2操作情報を電子錠管理サーバ2に送信する。
【0044】
トラッカ送信部152は、各種情報と共に、送信時刻を電子錠管理サーバ2に送信してもよい。送信時刻は、現在の年月日を示す日付を含む。例えば、トラッカ送信部152は、現在時刻を取得し、取得した現在時刻を送信時刻として無線機器ID及びトラッカIDに関連付けて電子錠管理サーバ2に送信する。
【0045】
[電子錠管理サーバ2の構成]
図3は、電子錠管理サーバ2の構成を示す模式図である。電子錠管理サーバ2は、サーバ通信部21と、サーバ記憶部22と、サーバ制御部23とを備える。サーバ通信部21は、他の装置と情報を送受信するための通信モジュールである。例えば、サーバ通信部21は、インターネットを介してGPSトラッカ1が送信した情報を受信したり、他の装置に情報を送信したりする。
【0046】
サーバ記憶部22は、ROM、RAM及びハードディスク等を含む記憶媒体である。サーバ記憶部22は、サーバ制御部23が実行するプログラムを記憶する。
【0047】
サーバ記憶部22は、電子錠データテーブルを記憶する。電子錠データテーブルは、トラッカIDと、電子錠を識別するための電子錠識別情報(以下「電子錠IDと言う」)と、無線機器IDと、を関連付けたデータテーブルである。例えば、サーバ記憶部22は、複数のトラッカIDの各々と、各トラッカIDで識別されるGPSトラッカ1のユーザの自宅H1付近で取得できる一以上の無線機器IDとを関連付けた電子錠データテーブルを記憶する。なお、電子錠管理サーバ2は、図3に示した具体的な構成に限定されるものではなく、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0048】
図4は、電子錠データテーブルの一例を示す図である。図4の電子錠データテーブルには、複数のユーザの各々を識別するためのユーザ識別情報(以下「ユーザID」と言う)が示されている。各ユーザIDには、トラッカIDと、電子錠IDと、無線機器IDとが関連付けられている。無線機器IDは、例えばルータ41やルータ43のBSSID(Basic Service Set Identifier)、スマートメータ42の識別情報、又はBluetooth(登録商標)機器の識別情報である。また、ユーザIDには、複数の無線機器IDが関連付けられている。
【0049】
図4のトラッカID[123]は、図1に示すGPSトラッカ1を識別するための電子機器識別情報である。電子錠ID[KA]は、図1に示す電子錠3を識別するための電子錠識別情報である。無線機器ID[MA1]は、図1に示すルータ41を識別するための無線機器IDである。無線機器ID[MA2]は、図1に示すスマートメータ42を識別するための無線機器IDである。無線機器ID[MA3]は、図1に示すルータ43を識別するための無線機器IDである。
【0050】
GPSトラッカ1の設定や運用を管理する管理者(例えばユーザUの保護者)は、GPSトラッカ1の解錠に用いる無線機器IDを電子錠管理サーバ2に登録することができる。例えば、管理者は、GPSトラッカ1と異なる通信端末を用いて無線機器IDを登録できる。通信端末は、無線機器が送信する信号を伝搬する電波を受信できるスマートフォンである。管理者は、例えば自宅H1の玄関でスマーフォンを操作し、自宅H1の玄関でスマートフォンが受信したルータ41の無線機器IDを電子錠管理サーバ2に送信させることにより、GPSトラッカ1の解錠に用いる無線機器IDを電子錠管理サーバ2に登録することができる。
【0051】
スマートフォンは、現在の位置で受信可能な信号を受信し、受信した信号に含まれる無線機器ID及び電波の強度を取得する。スマートフォンは、取得した無線機器ID及び電波の強度の一覧をスマートフォンの表示部に表示させる。管理者は、無線機器ID及び電波の強度の一覧の中から、電子錠3の解錠に用いる無線機器IDを選択する。スマートフォンは、選択する操作を受け付けた無線機器IDと、当該無線機器IDの電波の強度とを、GPSトラッカ1のトラッカIDに関連付けて電子錠管理サーバ2に送信する。
【0052】
電子錠管理サーバ2は、スマートフォンから受信した無線機器IDを、無線機器IDと共に受信したトラッカIDに関連付けてサーバ記憶部22に記憶させる。このようにすることで、GPSトラッカ1の管理者は、自宅H1付近で取得できる無線機器IDを電子錠管理サーバ2に登録できる。
【0053】
管理者は、スマートフォンを用いて、自宅H1の位置を登録できる。例えば、管理者は、自宅H1の位置を示す情報をスマートフォンに入力する。また、自宅H1にいる管理者は、スマートフォンの現在位置を自宅H1として入力できる。スマートフォンは、入力された位置を自宅位置としてトラッカIDに関連付けて電子錠管理サーバ2に送信する。
【0054】
サーバ記憶部22は、トラッカIDに関連付けて、GPSトラッカ1のユーザUの自宅H1の位置を記憶する。また、サーバ記憶部22は、自宅H1の位置に、自宅H1を含む解錠許可範囲を関連付けて記憶していてもよい。解錠許可範囲は、管理者が登録してもよく、電子錠管理サーバ2が設定してもよい。解錠許可範囲は、例えば自宅H1を中心とする半径10メートルの領域である。
【0055】
GPSトラッカ1の管理者は、スマートフォンを用いて、解錠が可能な期間として帰宅時間を登録できる。例えば、管理者は、帰宅時間をスマートフォンに入力する。スマートフォンは、入力された帰宅時間をトラッカIDに関連付けて電子錠管理サーバ2に送信する。
【0056】
サーバ記憶部22は、トラッカIDに関連付けて帰宅期間を記憶する。図5は、各トラッカIDに関連付けられた帰宅期間を示す図である。図5に示すように、サーバ記憶部22は、曜日毎の帰宅期間を記憶している。一例をあげると、トラッカID[123]の[月~金]の帰宅期間は[14時~18時]であり、[土、日、祝日]の帰宅期間は[9時~18時]である。
【0057】
サーバ制御部23は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。サーバ制御部23は、サーバ記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、サーバ取得部231及びサーバ送信部232としての機能を実現する。
【0058】
サーバ取得部231は、トラッカ送信部152から送信された少なくとも一つの無線機器ID及びトラッカIDを取得する。例えば、サーバ取得部231は、トラッカ送信部152から複数の無線機器IDが送信された場合、複数の無線機器IDを取得する。また、サーバ取得部231は、無線機器IDに関連付けられた無線機器IDを伝搬した電波の強度を取得する。
【0059】
サーバ取得部231は、無線機器ID及びトラッカIDがトラッカ送信部152から送信された送信時刻を取得する。具体的には、サーバ取得部231は、無線機器IDとトラッカIDとに関連付けられて送信された送信時刻を取得する。
【0060】
サーバ取得部231は、送信時刻に替えて、無線機器ID及びトラッカIDを受信した受信時刻を取得してもよい。サーバ取得部231が受信時刻を取得する場合、GPSトラッカ1は送信時刻を送信しなくてよい。具体的には、サーバ取得部231は、GPSトラッカ1から送信された無線機器ID及びトラッカIDをサーバ通信部21が受信した時刻を受信時刻として取得する。受信時刻は、送信時刻と同様に、現在の年月日を示す日付を含む。
【0061】
サーバ取得部231は、トラッカ送信部152から送信された位置情報を取得する。例えば、サーバ取得部231は、トラッカ送信部152が所定の時間間隔毎に送信する位置情報を取得する。また、サーバ取得部231は、サーバ通信部21が受信した第1操作情報に含まれる位置情報を取得する。サーバ取得部231は、サーバ通信部21が受信した第2操作情報に含まれる位置情報を取得する。
【0062】
サーバ送信部232は、GPSトラッカ1から送信された無線機器IDに応じて電子錠3を解錠させる解錠指示を送信する。具体的には、まず、サーバ送信部232は、記憶部に記憶された電子錠データテーブル(図4)を参照して、取得したトラッカIDに関連付けられた少なくとも一つの無線機器IDを特定する。次に、サーバ送信部232は、取得した無線機器IDの中に、特定した少なくとも一つの無線機器IDが含まれているか否かを判定する。サーバ送信部232は、取得した複数の無線機器IDの中に特定した無線機器IDが含まれていない場合解錠指示を送信しない。
【0063】
サーバ送信部232は、取得した無線機器IDの中に、特定した無線機器IDが含まれている場合、電子錠データテーブル(図4)を参照して取得したトラッカIDに関連付けられた電子錠IDを特定する。そして、サーバ送信部232は、特定した電子錠IDに対応する電子錠3の解錠指示を送信する。
【0064】
このように、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が取得した無線機器IDの中に、GPSトラッカ1が自宅H1付近で取得できる無線機器IDが含まれている場合、電子錠3の解錠指示を送信する。そのため、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が自宅H1付近に存在する場合に電子錠3を解錠させることができる。その結果、サーバ送信部232は、電子錠3と通信できないGPSトラッカ1を所持するユーザUが自宅H1付近にいるときに電子錠3を解錠させることができる。
【0065】
サーバ送信部232は、サーバ取得部231が複数の無線機器IDを取得した場合、取得した複数の無線機器IDと、記憶された複数の無線機器IDとが一致していることを条件として、解錠指示を送信してもよい。以下、無線機器IDが一致しているか否かに応じてサーバ送信部232が解錠指示を送信する処理を説明する。
【0066】
サーバ送信部232は、記憶部に記憶された電子錠データテーブル(図4)を参照して、サーバ取得部231が取得したトラッカIDに関連付けられた複数の無線機器IDを特定する。次に、サーバ送信部232は、取得された複数の無線機器IDの少なくとも一部の複数の無線機器IDと、特定された複数の無線機器IDの少なくとも一部の複数の無線機器IDとが一致しているか否かを判定する。無線機器IDとして[MA1]、[MA2]及び[MA4]が取得された場合を例に具体的に説明する。サーバ送信部232は、取得された[MA1]、[MA2]及び[MA4]の一部が、トラッカIDに無線機器IDとして関連付けて記憶されている[MA1]、[MA2]及び[MA3]の一部と一致するか否かを判定する。この場合、サーバ送信部232は、取得された無線機器IDの一部である[MA1]及び[MA2]が、記憶されている無線機器IDの一部である[MA1]及び[MA2]に一致すると判定する。
【0067】
そして、サーバ送信部232は、少なくとも一部の無線機器IDが一致している場合に解錠指示を送信する。一方、サーバ送信部232は、特定された複数の無線機器IDの中に、取得した複数の無線機器IDに一致する無線機器IDが一つもない場合解錠指示を送信しない。
【0068】
ところで、無線機器が出力する電波の強度は、無線機器に近づくほど大きくなる。そこで、サーバ送信部232は、無線機器IDが含まれる信号を伝搬した電波の強度が解錠許可下限値以上である場合に解錠指示を送信してもよい。例えば、サーバ送信部232は、トラッカIDに対応する無線機器IDの電波強度が解錠許可下限値以上である場合に解錠指示を送信する。このようにすることで、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が位置情報を送信できない状況であっても、GPSトラッカ1が自宅H1に近づいた際に電子錠3を解錠させることができる。
【0069】
GPSトラッカ1が取得するルータ41(図1を参照)の電波強度は、GPSトラッカ1が自宅H1外にあるときよりも、GPSトラッカ1が自宅H1内にあるときの方が大きい。そのため、ルータ41の電波強度が解錠許可下限値以上であることのみを条件として解錠指示を送信した場合、誤操作によりGPSトラッカ1が自宅H1内にある場合でも電子錠3の解錠指示を送信してしまうことが懸念される。
【0070】
そこで、サーバ送信部232は、電波強度が、解錠許可下限値よりも大きい解錠許可上限値以下である場合に解錠指示を送信してもよい。具体的には、サーバ送信部232は、解錠許可下限値以上から解錠許可上限値以下である解錠許可強度範囲内に、取得した電波強度が含まれている場合に解錠指示を送信する。サーバ送信部232は、電波強度が解錠許可強度範囲外である場合、解錠指示を送信しない。
【0071】
図6は、各無線機器の解錠許可強度範囲を説明するための図である。図6の横軸は電波の強度を示す。解錠許可強度範囲L1は、無線機器ID[MA1]に関連付けられた解錠許可強度範囲であり、解錠許可下限値D1以上から解錠許可上限値D2以下である。解錠許可強度範囲L2は、無線機器ID[MA2]に関連付けられた解錠許可強度範囲であり、解錠許可下限値D3以上から解錠許可上限値D4以下である。
【0072】
解錠許可範囲は、例えば各無線機器IDの登録時に測定された登録時電波強度に応じて設定されている。例えば、サーバ送信部232は、登録時電波強度を含む解錠許可範囲を設定する。具体的には、サーバ送信部232は、登録時電波強度を中心とする予め定められた範囲の解錠許可範囲を設定する。予め定められた範囲は、例えば登録時電波強度の±50%である。サーバ記憶部22は、設定された解錠許可範囲を無線機器IDに関連付けて記憶する。
【0073】
サーバ送信部232は、例えばルータ41の無線機器ID[MA1]の電波強度として取得した値が解錠許可強度範囲L1に含まれる場合に解錠指示を送信する。具体的には、まず、サーバ送信部232は、サーバ記憶部22を参照して無線機器ID[MA1]の解錠許可強度範囲L1を特定する。続いて、サーバ送信部232は、無線機器ID[MA1]の電波強度として取得した値が、特定した解錠許可強度範囲L1に含まれるか否かを判定する。サーバ送信部232は、無線機器ID[MA1]の電波強度として取得した値が解錠許可強度範囲L1に含まれる場合に解錠指示を送信し、含まれない場合に解錠指示を送信しない。
【0074】
サーバ送信部232は、複数の無線機器IDの電波強度が取得された場合、各無線機器IDの電波強度が各無線機器IDの解錠許可強度範囲に含まれることを条件として解錠指示を送信する。図6の例であれば、サーバ送信部232は、無線機器ID[MA1]の電波強度が解錠許可強度範囲L1に含まれ、かつ無線機器ID[MA2]の電波強度が解錠許可強度範囲L2に含まれる場合に解錠指示を送信する。サーバ送信部232は、各無線機器IDの電波強度の少なくともいずれかが解錠許可強度範囲に含まれない場合、解錠指示を送信しない。
【0075】
このように、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が取得した電波強度が、自宅H1付近でありかつ自宅H1の屋外(例えば玄関前)で取得できる値である場合に解錠指示を送信する。その結果、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1のユーザUが自宅H1に帰宅したときに電子錠3を解錠できる。また、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が取得した電波強度が自宅H1の屋内で取得できる値である場合、解錠指示を送信しない。そのため、サーバ送信部232は、ユーザUが自宅H1内にいるときに誤操作により電子錠3を解錠してしまうことを抑制できる。
【0076】
サーバ送信部232は、GPSトラッカ1から無線機器IDが送信された送信時刻、又はサーバ通信部21が無線機器ID及びトラッカIDを受信した受信時刻が解錠の条件を満たす場合に解錠指示を送信してもよい。この場合、まず、サーバ送信部232は、サーバ記憶部22を参照して、取得された無線機器IDの帰宅期間を特定する(図5を参照)。具体的には、サーバ送信部232は、現在の曜日を特定し、特定した曜日及び取得したトラッカIDに対応する帰宅時間を特定する。一例を挙げると、サーバ送信部232は、現在の曜日が月曜日である場合、トラッカID[123]の帰宅時間として[14時~18時]を特定する。
【0077】
続いて、サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が、特定した帰宅期間内であるか否かを判定する。サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が帰宅期間内である場合、取得した無線機器IDの中に記憶された無線機器IDが含まれるときに解錠指示を送信する。サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が帰宅期間外である場合、取得した無線機器IDの中に記憶された無線機器IDが含まれていても解錠指示を送信しない。帰宅時間外にGPSトラッカ1から無線機器ID等が送信されるということは、ユーザによる誤操作もしくは第三者による不正な操作であることが想定される。そこで、上述の通り時刻情報に基づく制御を行うことで、サーバ送信部232は、例えばユーザUが自宅H1内にいると考えられる深夜や早朝に解錠指示を送信してしまうことを抑制でき、セキュリティが向上する。
【0078】
サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻に応じて解錠の条件を変更してもよい。例えば、サーバ送信部232は、夜間の時間帯における解錠の条件の数を、昼間の時間帯における解錠の条件の数よりも多くする。一例として、サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が昼間の時間帯に含まれている場合、取得した無線機器IDの中に記憶された無線機器IDが含まれるときに解錠指示を送信する。昼間の時間帯は、例えば8時から17時である。
【0079】
サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が夜間の時間帯に含まれている場合、GPSトラッカ1の位置にさらに基づいて解錠指示を送信する。具体的には、サーバ送信部232は、取得した無線機器IDの中に予め記憶された無線機器IDが含まれ、かつGPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲内である場合に解錠指示を送信する。より具体的には、サーバ送信部232は、解錠許可範囲から自宅H1の屋内領域を除いた範囲にGPSトラッカ1の位置が含まれる場合に解錠指示を送信する。このように昼間の時間帯と夜間の時間帯とで解錠条件を変えることで、ユーザUが屋内にいる夜間の時間帯に解錠指示が送信されてしまうことを抑制できる。
【0080】
サーバ送信部232は、GPSトラッカ1の位置が自宅H1を含む解錠許可範囲内である場合に解錠指示を送信してもよい。図7は、GPSトラッカ1の位置が自宅H1を含む解錠許可範囲R内である場合に解錠指示を送信する処理を説明するための図である。サーバ送信部232は、例えば、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R内の位置P1である場合、解錠指示を送信する。具体的には、サーバ送信部232は、取得した無線機器IDの中に記憶された無線機器IDが含まれ、かつ無線機器IDと共に取得した位置情報が示す位置が解錠許可範囲R内の位置P1である場合、解錠指示を送信する。サーバ送信部232は、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R外である場合、取得した無線機器IDの中に記憶された無線機器IDが含まれていても解錠指示を送信しない。
【0081】
このようにすることで、サーバ送信部232は、ユーザUが帰宅して自宅H1付近にいるときに電子錠3を解錠させることができる。また、サーバ送信部232は、登録された無線機器IDを取得したとしても、GPSトラッカ1の位置が自宅H1から離れている場合には解錠指示を送信しないから、ユーザUがまだ帰宅していないときに電子錠3を解錠してしまうことを抑制できる。
【0082】
サーバ送信部232は、サーバ取得部231が取得した操作情報に応じて解錠指示を送信する。例えば、サーバ送信部232は、第2操作情報を取得した場合に解錠指示を電子錠3に送信する。サーバ送信部232は、第1操作情報を取得した場合、解錠指示を電子錠3に送信せずに、GPSトラッカ1の位置を示す位置情報をGPSトラッカ1の管理者が使用するスマートフォンに送信する。このようにすることで、サーバ送信部232は、ユーザUがGPSトラッカ1に対して電子錠3を解錠するための第2操作を行ったときに電子錠3を解錠させることができ、第2操作以外の操作を行ったときには電子錠3を解錠させない。その結果、サーバ送信部232は、ユーザUの操作ミスにより電子錠3を解錠してしまうことを防止できる。
【0083】
サーバ送信部232は、解錠指示を送信する際に、自宅H1に設置された機器(例えばエアコン又は照明)を動作させる始動指示を送信してもよい。この場合、サーバ記憶部22は、トラッカIDに関連付けて始動指示を送信する機器の識別情報を記憶する。また、サーバ記憶部22は、一以上の始動指示送信期間毎に、始動指示を送信する機器を関連付けて記憶してもよい。図8は、各始動指示送信期間において始動指示を送信する機器を示す図である。サーバ送信部232は、送信時刻又は受信時刻が含まれる始動指示送信期間を特定し、特定した始動指示送信期間に関連付けられた機器の始動指示を送信する。一例を挙げると、サーバ送信部232は、送信時刻が18時である場合、送信時刻が始動指示送信期間[17時~9時]に含まれていることを特定し、エアコン及び電灯に始動指示を送信する。サーバ送信部232は、始動させる機器に始動指示を送信してもよく、機器を制御する他の装置に始動指示を送信してもよい。
【0084】
ユーザUが外出する際に、自宅H1に設けられた錠を施錠し忘れることが懸念される。そこで、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1が自宅H1から離れたときに電子錠3を施錠させる施錠指示を送信する。例えば、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R外になったことを特定した場合、施錠指示を送信する。具体的には、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R内から解錠許可範囲R外に変化した否かを特定し、変化したことを特定したことに応じて施錠指示を送信する。一例を挙げると、サーバ送信部232は、図7に示すように解錠許可範囲R内の位置P21から解錠許可範囲R外の位置P22に変化したことを特定した場合に施錠指示を送信する。このようにすることで、サーバ送信部232は、ユーザUが外出時に施錠を忘れたとしても電子錠3を施錠できるので、自宅H1の防犯性を高められる。
【0085】
[電子錠管理サーバ2が実行する電子錠3を解錠させる処理の流れ]
図9は、電子錠管理サーバ2が実行する電子錠3を解錠させる処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、サーバ通信部21がGPSトラッカ1からトラッカID及び無線機器IDを受信した場合に実行される。
【0086】
サーバ取得部231は、トラッカID及び少なくとも一つの無線機器IDを取得する(ステップS1)。サーバ取得部231は、トラッカID及び少なくとも一つの無線機器IDを取得する。具体的には、サーバ取得部231は、トラッカID及び複数の無線機器IDを取得する。
【0087】
サーバ送信部232は、サーバ記憶部22を参照して、サーバ取得部231が取得したトラッカIDに対応する少なくとも一つの無線機器IDを特定する(ステップS2)。例えば、サーバ送信部232は、サーバ記憶部22の電子錠データテーブル(図4)を参照して、取得したトラッカIDに関連付けて記憶された複数の無線機器IDを特定する。
【0088】
サーバ送信部232は、特定した少なくとも一つの無線機器IDの中に、取得した少なくとも一つの無線機器IDが含まれているか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、サーバ送信部232は、取得した複数の無線機器IDの少なくとも一部の複数の無線機器IDと、特定された複数の無線機器IDの少なくとも一部の複数の無線機器IDとが一致しているか否かを判定する。サーバ送信部232は、一致していない場合(ステップS3でNo)、解錠指示を送信せずに処理を終了する。
【0089】
サーバ取得部231は、特定した無線機器IDの中に、取得した無線機器IDが含まれている場合(ステップS3でYes)、GPSトラッカ1の位置を取得する(ステップS4)。具体的には、サーバ取得部231は、GPSトラッカ1からサーバ通信部21が受信した位置情報が示すGPSトラッカ1の位置を取得する。
【0090】
サーバ送信部232は、サーバ取得部231が取得したGPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R内か否かを判定する(ステップS5)。具体的には、サーバ送信部232は、サーバ記憶部22を参照してトラッカIDに関連付けられた自宅H1の位置を含む解錠許可範囲Rに、GPSトラッカ1の位置が含まれるか否かを判定する。サーバ送信部232は、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R外である場合(ステップS5でNo)、解錠指示を送信せずに処理を終了する。
【0091】
サーバ取得部231は、GPSトラッカ1の位置が解錠許可範囲R内である場合(ステップS5でYes)、無線機器IDの電波強度を取得する(ステップS6)。具体的には、サーバ取得部231は、複数の無線機器IDの各々の電波強度を取得する。
【0092】
サーバ送信部232は、サーバ取得部231が取得した電波強度が解錠許可下限値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。例えば、サーバ送信部232は、各無線機器IDの解錠許可下限値を特定し、取得した電波強度が特定した解錠許可下限値以上であるか否かを判定する(図6を参照)。サーバ送信部232は、取得した電波強度が特定した解錠許可下限値未満である場合(ステップS7でNo)、解錠指示を送信せずに処理を終了する。
【0093】
サーバ送信部232は、取得した電波強度が特定した解錠許可下限値以上である場合(ステップS7でYes)、解錠指示を送信する(ステップS8)。具体的には、サーバ送信部232は、無線機器IDと共に取得したトラッカIDに関連付けて記憶された電子錠IDを特定し、特定した電子錠IDに対応する電子錠3に解錠指示を送信する。
【0094】
[電子錠管理サーバ2の効果]
以上説明したとおり、実施形態に係る電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1のトラッカIDに関連付けて、GPSトラッカ1が自宅H1付近にあるときに取得できる無線機器IDを予め記憶している。電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1から少なくとも一つの無線機器ID及びGPSトラッカ1のトラッカIDを取得する。次に、電子錠管理サーバ2は、取得した無線機器IDの中に、サーバ記憶部22に記憶された無線機器IDが含まれているか否かを判定する。そして、電子錠管理サーバ2は、取得した無線機器IDの中に、サーバ記憶部22に記憶された無線機器IDが含まれていることを条件として、トラッカIDに対応する電子錠3を解錠させる解錠指示を送信する。
【0095】
このように、電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1が取得した無線機器IDの中に、GPSトラッカ1が自宅H1付近で取得できる無線機器IDが含まれている場合、電子錠3の解錠指示を送信する。そのため、電子錠管理サーバ2は、電子錠3と直接通信できないGPSトラッカ1を用いて電子錠3を解錠できる。
【0096】
(変形例1)
サーバ送信部232は、自宅H1付近で取得できる無線機器IDを取得できなくなったら施錠指示を送信してもよい。例えば、サーバ送信部232は、サーバ取得部231が取得した無線機器IDの中に、サーバ記憶部22に記憶された無線機器IDが含まれなくなったことを特定した場合、施錠指示を送信する。このようにすることで、サーバ送信部232は、GPSトラッカ1を所持しているユーザUが自宅H1から離れたときに、電子錠3を施錠させることができる。
【0097】
(変形例2)
上記の実施形態のGPSトラッカ1は、取得した複数の無線機器IDを全て電子錠管理サーバ2に送信した。これに限らず、GPSトラッカ1は、取得した複数の無線機器IDの一部を電子錠管理サーバ2に送信してもよい。この場合、トラッカ記憶部14は、電子錠管理サーバ2に送信する無線機器IDの一覧を記憶する。電子錠管理サーバ2に送信する無線機器IDは、電子錠3の解錠に用いる無線機器IDとしてGPSトラッカ1の管理者が記憶させることができる。GPSトラッカ1は、取得した複数の無線機器IDの中の、記憶された無線機器IDの一覧に含まれる一部の無線機器IDを送信する。このようにすることで、GPSトラッカ1は、電子錠3の解錠に用いられる無線機器IDのみを送信できるから、取得した複数の無線機器IDを全て送信する場合よりも電子錠管理サーバ2に送信するデータ量を低減できる。
【0098】
(変形例3)
上記の実施形態におけるサーバ記憶部22は、各ユーザIDに、トラッカIDと電子錠IDと無線機器IDとが関連付けられた電子錠データテーブルを記憶した。電子錠管理サーバ2がユーザID、トラッカID、電子錠ID及び無線機器IDを記憶する形態はこれに限らず、サーバ記憶部22は、複数のデータテーブルを記憶してもよい。一例として、サーバ記憶部22は、トラッカIDと、少なくとも一つの無線機器IDとを関連付けた第1データテーブルを記憶し、ユーザIDとトラッカIDと電子錠IDとを関連付けた第2データテーブルを記憶してもよい。
【0099】
サーバ送信部232は、第1データテーブルを参照し、取得されたトラッカIDに対応する少なくとも一つの無線機器IDを特定する。サーバ送信部232は、取得された少なくとも一つの無線機器IDの中に、特定した無線機器IDが含まれているか否かを判定する。サーバ送信部232は、取得された無線機器IDの中に、特定した無線機器IDが含まれている場合、第2データテーブルを参照し、取得されたトラッカIDに関連付けられた電子錠IDを特定する。そして、サーバ送信部232は、第2データテーブルから特定した電子錠IDに対応する電子錠3に解錠指示を送信する。なお、サーバ送信部232は、取得された無線機器IDの中に、第1データテーブルに記憶された無線機器IDが含まれていない場合、電子錠IDを特定しない。
【0100】
(変形例4)
電子錠管理サーバ2は、電子錠管理サーバ2と通信可能な他のサーバに解錠指示を送信してもよい。電子錠管理サーバ2は、取得した無線機器IDの中に、サーバ記憶部22に記憶された無線機器IDが含まれている場合、トラッカIDに関連付けられた電子錠IDを含む解錠指示を他のサーバに送信する。他のサーバは、解錠指示を電子錠管理サーバ2から取得すると、解錠指示に含まれる電子錠IDに対応する電子錠3に解錠指示を送信する。
【0101】
また、電子錠管理サーバ2と通信可能な他のサーバがGPSトラッカ1から無線機器ID及びトラッカIDを受信し、電子錠管理サーバ2は当該他のサーバ経由で無線機器ID等を取得するようにしてもよい。この場合、電子錠管理サーバ2は、当該他のサーバ経由で取得した無線機器IDの中に、サーバ記憶部22に記憶された無線機器IDが含まれている場合、トラッカIDに対応する電子錠3に対して解錠指示を送信する。また、当該別のサーバは、GPSトラッカ1が解錠許可範囲R内に入ったか解錠許可範囲Rから出たかを判定し、判定結果を電子錠管理サーバ2に通知するようにしてもよい。この場合、電子錠管理サーバ2は、当該別のサーバから受信した判定結果に基づいて、解錠指示または施錠指示を送信する。
【0102】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0104】
S 電子錠制御システム
1 GPSトラッカ
11 ボタン
12 GPS受信機
13 トラッカ通信部
14 トラッカ記憶部
15 トラッカ制御部
2 電子錠管理サーバ
21 サーバ通信部
22 サーバ記憶部
23 サーバ制御部
3 電子錠
41 ルータ
42 スマートメータ
43 ルータ
151 トラッカ取得部
152 トラッカ送信部
231 サーバ取得部
232 サーバ送信部
【要約】
【課題】電子錠3と直接通信できない機器を用いて電子錠を解錠する。
【解決手段】GPSトラッカ1と電子錠管理サーバ2と、を含む電子錠制御システムであって、GPSトラッカ1は、ルータ41の無線機器IDを取得し、取得した無線機器IDと、GPSトラッカ1のトラッカIDと、を電子錠管理サーバ2に送信する。電子錠管理サーバ2は、GPSトラッカ1と通信可能であって、トラッカIDと電子錠3の電子錠IDと無線機器IDとを関連付けて記憶し、無線機器ID及びトラッカIDをGPSトラッカ1から取得し、取得した無線機器IDの中に、取得したトラッカIDに関連付けられた無線機器IDが含まれている場合に、トラッカIDに対応する電子錠3を解錠させる解錠指示を送信する。
【選択図】図1


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9