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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】穀粒品質測定器
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/18 20060101AFI20220207BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
B65G47/18
G01N21/85 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2016168619
(22)【出願日】2016-08-30
(65)【公開番号】P2017024913
(43)【公開日】2017-02-02
【審査請求日】2019-05-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000197344
【氏名又は名称】静岡製機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】青島 由武
(72)【発明者】
【氏名】杉山 治樹
(72)【発明者】
【氏名】花嶋 晃
(72)【発明者】
【氏名】松下 悟
(72)【発明者】
【氏名】名倉 孝
【合議体】
【審判長】平田 信勝
【審判官】間中 耕治
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-122837(JP,A)
【文献】特開2000-2662(JP,A)
【文献】国際公開第2012/165534(WO,A1)
【文献】実開昭61-132304(JP,U)
【文献】特開平9-257713(JP,A)
【文献】特開2002-263585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/20
G01N 21/84 - 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体上部の投入口から供給される穀粒を、前記投入口の下方に配設したシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給し、前記シュートの下部から放出された穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する穀粒品質測定器であって、
前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得ることを特徴とする穀粒品質測定器。
【請求項2】
前記各整列板が互いに直角状態で連設されると共に、前記上流側の整列板と下流側の整列板とが前記間隙を有して連設されていることを特徴とする請求項1に記載の穀粒品質測定器。
【請求項3】
前記各整列板が表面処理されたことを特徴とする請求項1または2に記載の穀粒品質測定器。
【請求項4】
前記投入口の底部開口にシャッタが開閉可能に配設され、該シャッタが開放された際に所定量の前記穀粒が傾斜した最上位の前記整列板上に供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の穀粒品質測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば玄米や白米等の穀粒の品質を測定して、その品質を判定したり判別する際に使用される穀粒品質測定器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀粒の品質としての例えば外観を光学的に検出して、穀粒の品質を判定・選別する機器としては、例えば特許文献1に開示のものが提案されている。この機器は、筐体の下部に配設したホッパと、このホッパに連設されホッパ内の穀粒を筐体上部に配設された上部タンクまで昇降させる昇降機と、上部タンクの底面部に配設されて穀粒をシュートの上部に供給するフィーダ等を備えている。
【0003】
そして、穀粒投入口としてのホッパに投入された穀粒が、昇降機、上部タンク及びフィーダを介してシュートの上部に供給され、シュート表面の複数の流下溝を流下(落下)した穀物がシュート下部に配設した撮像部で撮像され、その撮像データに基づいて穀粒の品質が判定されたり判別されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5590861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような機器にあっては、穀粒を撮像部に供給するためのシュートの上部に配設される穀粒供給装置が、上部タンクとその底面開口部に連設された電動式のフィーダを有し、このフィーダを振動させつつその排出口からシュートの上部に穀粒を供給する構成であるため、シュートの各流下溝に穀粒を一粒ずつ短時間にかつ安定して供給することが難しく、穀粒の品質の測定精度を十分に高めることが難しい。
【0006】
また、穀粒供給装置として、上部タンクやフィーダ及び昇降機等を有するため、その構成が複雑となり、機器自体の外形が大きくなって例えば卓上型の機器に適用することが困難であり、さらに機器自体がコスト高になると共にそのメンテナンスが面倒になる等、使い勝手の面で劣るという不都合を有している。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、穀粒の自重を利用しつつ穀粒供給装置の所定角度の複数枚の整列板に沿って穀粒を流下させることにより、供給装置の構成を簡略化しつつ穀粒の流下速度を均一にし得て、穀粒の測定精度を十分に高めることが可能な穀粒品質測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、筐体上部の投入口から供給される穀粒を、前記投入口の下方に配設したシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給し、前記シュートの下部から放出された穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する穀粒品質測定器であって、前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得ることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記各整列板が互いに直角状態で連設されると共に、前記上流側の整列板と下流側の整列板とが前記間隙を有して連設されていることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、前記各整列板が表面処理されたことを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、前記投入口の底部開口にシャッタが開閉可能に配設され、該シャッタが開放された際に所定量の前記穀粒が傾斜した最上位の整列板上に供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、投入口から投入された穀粒が、互いに交差方向に所定角度傾斜した複数枚の上下方向の整列板を流下しつつ各整列板間に形成された間隙を介して各整列板を上方から下方に順に流下してシュートに供給されるため、穀粒の流下をその自重と整列板の傾斜角度を利用しつつ行うことができて、穀粒供給装置の構成を簡略化しつつ、傾斜角度や間隙寸法を所定に設定することで穀粒の流下速度を均一にでき、測定器における穀粒の品質測定精度を十分に高めることが可能になる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、各整列板が互いに直角状態で連設されると共に、上流側の整列板の下端が下流側の整列板の下部に前記間隙を有して連設されているため、互いに交差する一対の整列板で所定容積の穀粒収容凹部を容易に形成できると共に、上流側の整列板に落下して跳ね返った穀粒を下流側の整列板で確実に受け止めつつ間隙を通過させることができて、各整列板における穀粒の流下をスムーズにして流下量を均一化することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、整列板が表面処理され、その最上流側が間隙が下流側の間隙より大きく設定されているため、穀粒を上流側から下流側に向け一層スムーズに流下移動することができて、シュートの各流下溝に穀粒を一粒ずつ確実に収容流下させることができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、シャッタの開放により投入口の底面開口が開放された際に、所定量の穀粒が傾斜した最上位の整列板上に供給されるため、例えば測定ボタンのオン操作により、上部タンク内の穀粒を自動的に最上位の整列板上に排出供給し、この穀粒を表面処理した各整列板を介して所定の速度でスムーズに流下させて撮像部に供給することができ、測定時間を短縮することができたり、測定器の操作自体が簡単となり、その使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係わる穀粒品質測定器の一実施形態を示す平面図
図2】同上面カバーを取り外した状態の平面図
図3】同その側面図
図4】同整列板の組み立て状態を示す側面図
図5】同図2の正面図
図6】同シュートの組立状態を示す平面図
図7】同その側面図
図8】同穀粒測定装置の制御系のブロック図
図9】同その動作の一例を示すフローチャート
図10】同撮像装置の動作の一例を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1図10は、本発明に係わる穀粒品質測定器の一実施形態を示している。図1に示すように、穀粒品質測定器1は、縦長箱状の筺体2を有し、この筺体2の各側面にはカバーが配置されると共に、上面の略中央位置には投入口としてのホッパ3が設けられ、前面には表示器としてのLCD4と測定ボタン5が設けられている。また、前面下部には試料受け皿6がその把手6aを所定寸法外側に突出した状態で引き出し可能に配設されている。さらに、筐体2の右側面には測定結果を印字可能なプリンタ7が配設されている。
【0016】
前記ホッパ3は、平面視方形状に形成されて、長方形状の底部開口にシャッタ8が後述する如く開閉可能に配設されている。そして、このホッパ3のシャッタ8下方には、図2図4に示すように、本発明に係わる穀粒供給装置9が配設されている。この穀粒供給装置9は、平板状で表面処理された4枚の同一形状の整列板10a~10dを有し、この各整列板10a~10dは上下方向に2枚ずつ交互に角度90°で交差するように配置されている。
【0017】
このとき、整列板10aの下端が整列板10bの上下方向(穀粒の流下方向)の下部に所定の間隙11aを有して連設され、整列板10bの下端が交差する整列板10cの下部に間隙11bを有して連設されている。また同様に、整列板10cの下端が交差する整列板10dの下部に間隙11bを有して連設されている。なお、4枚の整列板10a~10dで形成される前記3つの間隙11a、11bの図4に示す寸法は、t1≧t2≧t3に設定されている。これにより、互いに交差する一対の整列板10a~10dで形成される上方の空間内に、図3の矢印イのような穀粒の流路が形成されている。
【0018】
この穀粒供給装置9の下方には、シュート13が所定角度傾斜状態で配設されている。このシュート13は、平面視長方形状に形成され、図6に示すように、幅方向の両側にガイド13aがそれぞれ一体形成されると共に、その表面(裏面)には、長手方向(筐体の上下方向)に沿って所定幅で所定深さの流下溝13bが複数併設状態で形成されている。そして、このシュート13は、その上端が前記穀粒供給装置9の前記整列板10dの下端下方に位置して、穀粒供給装置9から穀粒が排出供給され、また下端は筐体2の下部まで延設されている。
【0019】
また、シュート13の表面側には、抑え蓋(抑えカバー)14が配設されている。この抑え蓋14は、シュート13の下部全域を略覆う大きさの平板で形成され、その表面側の上部中央位置には、ソレノイド15が配設されている。このソレノイド15が後述する如く制御装置23の作動信号で作動することにより、抑え蓋14とシュート13の表面間の隙間が接近位置と離間位置とに設定されるようになっている。なお、前記接近位置の隙間寸法は、シュート13上を一粒の穀粒が流下する際にそのスムーズな移動(流下)を妨げない寸法に設定され、前記離間位置の隙間寸法は、シュート13と抑え蓋14間に穀粒が詰まった場合に、それを取り除くことができたりあるいはシュート13の表面の清掃が可能な寸法に設定されている。
【0020】
前記シュート13の下部には撮像装置16が配設されている。この撮像装置16は、カメラ17と、反射用のミラー18、及び光源としての反射用LED19と透過用LED20及びバックグランド用LED21を有している。そして、これらが図3及び図7に示すように配置されている。このとき、反射用LED19と透過用LED20は、前記シュート13の下端から放出(排出)される穀粒に光を照射し、その反射光や透過光が前記ミラー18で反射されてカメラ17に入射するようになっている。なお、カメラ17は、シュート13の下部の裏面側の空間に配置されている。
【0021】
図8は、前記穀粒品質測定器1のブロック図を示している。図8に示すように、制御装置23を構成するメイン基板は、例えば筐体2の前面カバー内部に配設され、そのCPU24には、前記測定ボタン5、LCD4、プリンタ7等が接続されると共にブザー25、FPGA(field programmable gate array)26等が接続されている。また、FPGA26には、前記カメラ17、各LED19~21、シャッタ8、ソレノイド15等が接続されている。
【0022】
そして、このように構成された穀粒品質測定器1は、図9に示すように動作する。すなわち、前記測定ボタン5がON操作(S101)されると、ホッパ3のシャッタ8がON(S102)となり所定のON時間が経過(S103)すると、シャッタ8がOFF(S104)となる。これにより、所定量の試料がホッパ3から穀粒供給装置9に供給されることになる。
【0023】
シャッタ8がOFFしたら、測定遅延時間が経過したか否かが判断(S105)され、遅延時間が経過した時点でカメラの取り込みが開始(S106)される。この取り込んだ画像データを演算(S107)して、その演算結果をLCD4に表示(S107)し、詰まり防止ソレノイド27をONして、ON時間が経過したか否かが判断(S110)される。そして、詰まり防止ソレノイド27が所定時間ONしたらOFF(S111)となり、一連の測定動作が終了(S112)する。
【0024】
つまり、シャッタ8を所定時間開放し所定量の試料を穀粒供給装置9内に供給して、シュート13から放出される試料を撮像装置16で撮影し、その画像データを制御装置23等で処理して得られた測定結果がLCD4に表示されることになる。また、例えば測定結果が表示されたら、詰まり防止ソレノイド27が作動して、抑え蓋14が離間してシュート13と抑え蓋14間に詰まっている試料が自動的取り除かれることになる。なお、前記ステップS101~S108の所要時間は約5秒で、従来の同種の測定器に対して大幅に短縮されることが確認されている。
【0025】
図10は、撮像装置16の動作を示すタイミングチャートである。図10に示すように、前記撮像装置16によれば、カメラ17と同期して反射用LED19と透過用LED20を交互に発光させてカメラクロックをFPGA26に取り込むと共に、これと同期させてカメラ17の読み取りを開始し、各LED19、20の発光信号を出力することで、1ラインずつ異なる画像を取得するようにしている。そして、この画像に基づいて穀粒の品質が測定されることになる。
【0026】
このように、前記穀粒品質測定器1によれば、ホッパ3から投入された試料(穀粒)が、互いに交差方向に所定角度傾斜した4枚の上下方向の整列板10a~10dを流下しつつ、各整列板10a~10d間に形成された間隙11a、11bを介して各整列板10a~10dを上方から下方に順に流下してシュート13に供給されるため、試料の流下をその自重と整列板10a~10dの傾斜角度等を利用して行うことができて、穀粒供給装置9の構成を簡略化しつつ、整列板10a~10dの傾斜角度や間隙11a、11b寸法を所定に設定することで試料の流下速度を均一にできて、試料の品質判定精度を十分に高めることが可能になる。
【0027】
また、穀粒供給装置9の各整列板10a~10dが互いに直角状態で連設されると共に、各整列板10a~10dが間隙11a、11bを有して連設されているため、一対の整列板10a、10b及び10c、10dで所定容積の穀粒収容凹部を形成できると共に、最上流側の整列板10aに落下して跳ね返った穀粒を下流側の整列板10b~10dで確実に受け止めつつ、間隙11a、11bを通過させることができ、各整列板10a~10dにおける試料の流下量を均一化することができる。
【0028】
また、整列板10a~10dの最上流側の間隙11aの寸法t1が下流側の間隙11bの寸法t2、t3より大きく設定されているため、試料を上流側から下流側に向けてスムーズに流下させることができて、シュート13の各流下溝13b内に試料を一粒ずつ確実に流通(流下)させることができる。
【0029】
さらに、穀粒供給装置9の各整列板10a~10dが表面処理されると共に、ホッパ3の底面開口が開放された際に所定量の試料が傾斜した最上位の整列板10a上に排出供給されるため、例えば測定ボタン5のON操作により、ホッパ3内の試料を自動的に最上位の整列板10a上に排出供給し、この試料を表面処理された各整列板10a~10dを介して所定の速度でスムーズに流下させて撮像装置16に供給することができ、測定時間を短縮することができたり、品質測定器1の操作自体が簡単となる。また、試料のショート板13への供給に従来のようなフィーダ駆動用の大型モータの使用が不要となり、測定器1の振動や騒音の発生を防止することができ、結果として、品質測定器1の使い勝手を向上させること等ができる。
【0030】
また、前記穀粒品質測定器1の場合、シュート板13の表面に撮像装置16方向に指向する複数の流下溝13bが形成されると共に、各流下溝13bに対して所定位置に接離可能な抑え蓋14が配設されているため、シュート板13の表面側を覆う抑え蓋14で各流下溝13b内での試料の重なりや流下溝13b外への外れ(飛び出し)が防止され、各流下溝13b内に試料を一粒ずつ確実に収容流下できて、試料の品質測定精度を十分に高めることができる。
【0031】
また、前記撮像装置16を備えるため、この種の測定器の場合には、本来2方向からの読み取りが必要でカメラや光源が2倍必要になるが、本発明の穀粒品質測定器1の場合は、反射光と透過光を有効利用することで、カメラと光源の数をともに削減できて、ローコスト、省スペース、小型化が実現できて、卓上形の穀粒品質測定器にも好適に適用することが可能になる。
【0032】
なお、前記実施形態においては、穀粒供給装置の交差状態の一対の整列板を2組配設する例について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば3組以上配設しても良いし、一対の整列板の交差角度も90°に限らず、適宜の角度を採用することができる。また、上記実施形態においては、各組の整列板の穀粒の流下方向と直交する幅も同一に限らず、下流側が広くなるように設定して、流下する穀粒の平面的な均一化を図ったり、各整列板間の間隙寸法をt1≧t2≧t3とする等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、白米や玄米等の穀粒に限らず全ての穀粒に品質測定に利用できるし、その用途も穀粒の母集団のサンプル(試料)の品質を測定して母集団の品質を測定する検査用の品質測定器等への使用に限らず、母集団の各穀粒の品質をそれぞれ測定する品質測定器にも利用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・・・・・・穀粒品質測定器
2・・・・・・・・・筺体
3・・・・・・・・・ホッパ
4・・・・・・・・・LCD
5・・・・・・・・・測定ボタン
6・・・・・・・・・試料受け皿
7・・・・・・・・・プリンタ
8・・・・・・・・・シャッタ
9・・・・・・・・・穀粒供給装置
10a~10d・・・整列板
11a、11b・・・間隙
13・・・・・・・・シュート
13b・・・・・・・流下溝
14・・・・・・・・抑え蓋
15・・・・・・・・ソレノイド
16・・・・・・・・撮像装置
17・・・・・・・・カメラ
18・・・・・・・・ミラー
19・・・・・・・・反射用LED
20・・・・・・・・透過用LED
21・・・・・・・・バックグランド用LED
23・・・・・・・・制御装置
24・・・・・・・・CPU
26・・・・・・・・FPGA
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10