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  • 特許-曲面体固定容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】曲面体固定容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/14 20060101AFI20220207BHJP
【FI】
A47J43/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017022596
(22)【出願日】2017-01-24
(65)【公開番号】P2018118019
(43)【公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-01-16
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593208083
【氏名又は名称】岡野 戸仁子
(72)【発明者】
【氏名】岡野 戸仁子
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】山崎 勝司
【審判官】松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-165712(JP,A)
【文献】特表2000-506369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J43/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形の土台上に、頂上線を緩やかに有した一箇所の高壁面部と、一箇所以上の前記高壁面部より頂上位置が低い低壁面部を有し、土台底面の水平方向に対して、前記高壁面部の芯方向は垂直に近い方向で立ち、前記低壁面部側は上方外側に向け垂直以上で立ち、前記高壁面部を端部か中心に置いて、前記高壁面部の面の方向に対して並列、縦列して、対称に、放射状に設けた一枚以上の仕切りを設け、そのうち一枚の仕切りを前記高壁面部として兼用して、四面部を有する個室が二箇所以上配列し、前記個室に楕円球体を収納し、前記楕円球体の底側表面を預けて載せられる形状と大きさの欠け所を、個室のそれぞれの低壁面部の角部側に、前記低壁面部の上部から下部に向けて設けたことを特徴とする、曲面体固定容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
斜めか横たえて収納した曲面体類を取り出して皹を入れる時、ぐらつかず、殻入れとして兼用できる、曲面体を固定する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
多数分を小分けしないで収納するボールや小分け出来る柔らかいパッケージがある。平板台上に鋭利な突起が上方に突き出した器具がある。割るための別器具を取り付けた容器がある。重心を中間以上の高さ位置に有する器具がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-322744
【文献】特開2000-116548
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
楕円球体の収納が縦向きなので、周囲壁内の深さはその曲面体の長径の半分以上なければ安定せず、その深さでは出し入れがやりにくかった。
曲面体の中間位置の左右端部を、同時に完全に掴める容器はなくてやりずらかった。
鋭利な突起が突き出しているものは危険だった。
少数用に区分けされた硬質な容器はなく、大きなボールを代用していた。
個別に固定できないので、曲面体は転がり易く割れ易く、また個体が互いの衝撃で割れたりした。皹を入れたい時は、別に入れる場所を求めなければならなかった。
曲面体を収納しつつ同時に皹入れが行え、かつ殻収納として兼用できる容器はなく、他に用意するしかなかった。
硬質でも壁部が同じ高さなので、収納した曲面体を取り出しにくかった。壁面が低ければ、固定保護が不完全だった。取って部がないので持ちにくかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
土台上の任意の周囲箇所に高さの異なる壁面部を有し、土台底面の水平方向に対して、高壁面部の芯方向は垂直で上端は頂上と頂上線を有し、低壁面部は外側に向け垂直以上の鈍角で成り、重量の大半を土台部分が有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
イ) 下方に重心があるので、ぶつけることが安定して行えるようになった。
ロ) 楕円球体を傾けるか横たえて置けるようになったので固定は安定し、また中 間位置の左右を同時に深く掴めて持ちやすくなった。
ハ) 個別に固定できるので、曲面体の個体が互いの衝撃で割れたり皹が入ったり することがなくなった。硬質な壁部のため、曲面体は収納固定保護が安定す るようになった。
ニ) 皹を入れる場所を本体が有し、他に求めなくてよくなった。
ホ) 高壁面部が取って部替わりをし、全体を上側から持ち上げ易くなった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】壁面部の一部が欠けている一個用の第一形態である。
図2】壁面部の一部が欠けている五個用の第一形態である。
図3】高壁面部を兼用し土台の上面を肉付けした第二形態である。
図4】高壁面部を兼用し土台の上面を肉付けした第三形態である。
図5】高壁面部を兼用し土台の上面を肉付けした第三形態である。
図6】高壁面部を兼用した四個用の第四形態である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
先ず、本発明の実施の形態の概略を図1を用いて述べる。
土台底面(7)の水平方向に対して、高壁面部(1)の芯方向は垂直で成り、低壁面部(6)は外側に向け垂直以上の鈍角で周囲の二方向以上を囲んで成る。高壁面部の上端形状は中間で分かれて端部に向け緩やかに下り、頂上線(3)を有する。この頂上線は必然的に頂上並びに頂点(2)を有するが、それは手を当てても傷を受けない、一点か曲線を脅かさない程度の数点か一線である。以下これらを頂点と称する。少なくとも頂点位置の真下の土台底面位置からその辺りは最下位置にある。高壁面部の頂点と低壁面部上端中央を結ぶラインは水平方向に対し斜めを呈する。
升目印は重心(4)の目安位置とするが、示しにくい時は表示しない。
曲面体(8)のうち、楕円球体の固定の仕方については、主に高、低壁面部の付け根をストッパー替わりにして挿入する。その状態から取り出して、高壁面部に対し真上からぶつける。この衝撃を土台底面が直に受け止めることになるが、高壁面部について上端形状に丸みがあることや、一面状の幅があったり厚みがあったりすることで、また高壁面部の付け根への肉付けや低壁面部周辺の傾き具合で、その衝撃を緩和し吸収する。衝撃に対し本体がぐらつかないように、重量の大半を土台部分が有する。
曲面体を安全に固定することや本体が倒れにくいこと等の条件を満たす必要があり、重量、容積についても高壁面部の高さや高壁面部を支える土台底面の広さの比率に注意する必要があるが、これらは収納する対象物や本体形状等に関わり選択の範囲となる。
硬質な材質を選択する、又は硬質に作り上げる。
【0009】
図1図2を用いて、低壁面部が欠けている、又は高、低壁面部(1、6)が離れている第一形態の説明をする。低壁面部の欠け方、離れ方は、土台の上面位置から低壁面部を有さない状態で、図のように二箇所に有する。
図1は一個用で、aは高壁面部を左側に置いた平面図で、高壁面部と頂上線(3)と頂点(2)と低壁面部と土台(5)の上面を示す。本体を正方形とした場合、高壁面部を土台周囲の一面部程度に有する。その近くの升目位置に重心(4)がある。bはaの状態の立体図で高、低壁面部と土台底面(7)を示す。破線は挿入した曲面体(8)を示し、実線は高壁面部の頂点からの芯方向と土台底面方向との直交関係を示す。芯方向は形状によっては高壁面部の内部を通過するとは限らない。cは低壁面部側からの立体図である。
使い方を説明する。b、cで、挿入した曲面体の球体はそのまま載せ、楕円球体の場合は、低壁面部の付け根をストッパーにして高壁面部側にもたれかけさせる。そのため高壁面部の内側面は下側の土台の上面から楕円球体の曲面に添う形状で繋がるように肉付けする方がより良い。取り出す時は土台上の壁面部が離れている箇所に指先を入れて取り出す。鶏卵ならば高壁面部頂点位置に真上からぶつけて皹を入れ、中味を別器具に入れた後、殻の方を土台の上に戻す。使い方の大半については以下に準ずる。
【0010】
図2については、高壁面部の面に向けて放射状に設けた一枚以上の仕切り(9)によって、土台(5)の上面が五個用として五箇所に仕切られた場合で、中心に設けた高壁面部(1)を兼用して、周囲に低壁面部(6)を設けた。
aは平面図で高、低壁面部と頂点(2)と土台と仕切りを有する。bは略式なaの左右中央断面での使用図で、高、低壁面部と土台底面(7)と収納した曲面体(8)の状態を示す。高壁面部と対座する低面部位置上部に欠け所(10)を設けている。欠け所の欠け具合は収納する曲面体の表面に添う形状が望ましい。cはaの平面図での使用図で、二種類の曲面体の挿入状態を示すが、楕円球体の場合、低壁面部に欠け所を設ける方が固定し易い。その他、肉付け選択箇所(11)に肉付けをし土台の上面を凹み状にする等で、より固定を安全に完全にできるようにしていく。
b、cで使い方を説明する。
楕円球体を欠け所に預けて載せる場合と、横たえて固定する点が異なる。楕円球体の底面側が欠け所に載る場合、本願の内部に安定させて置くために必然的に楕円球体の長径向きの半分以下の個室内部にくる最後の位置辺りを預け添わせることになる。欠け所に載せた時、楕円球体の長径側端部は壁面部の厚みや形状によっては少しはみ出すことになる。
この欠け所は[0009]での低壁面部が凹み状に離れている凹み状の場合とは性質は異なる。凹み状の目的は、つまみ上げる時に、二本の指を差し込むためのものなので二箇所必要であり、個室の二か所の側面部ないしは仕切りに設けるものである。欠け所は一つの鶏卵の尾部を載せるもので、それぞれの個室での低壁面部の一箇所に、上部から下部に向けて設けるものである。
【0011】
図3図6を用いて高、低壁面部(1、6)を繋いで設け、この二種の区別が明確ではない場合を説明する。
図3を用いて、肉付けをして土台の上面を凹み状にした第二形態を説明する。
高壁面部を兼用して、対称形にあるいは逆向きに二箇所の土台(5)の上面を設けた場合である。aは平面図で、高、低壁面部と頂上線(3)と土台の上面と欠け所(10)を示す。bはaの左側からの立体図で高、低壁面部と土台底面(7)を示す。cはaの左右中央の断面図であり使用図で、欠け所の有無による曲面体(8)の収納状態の違いを示した。
使い方は、前記同様である。平行な二箇所の低壁面部箇所に欠け所を設ければ、幅に余裕がなくても横たえた曲面体の腹部を二本の指でより完全に掴み取ることが出来る。この点に於いては第一形態の高、低壁面部が離れているか低壁面部が欠けた場合と類似する。
【0012】
図4図5を用いて高壁面部(1)を延長し、仕切りを設け、土台(5)の上面を斜めに肉付けした第三形態を説明する。
図4aは平面図で高壁面部と頂上線(3)と低壁面部(6)と土台と仕切り(9)を有する。仕切りは他に高、低壁面部の両方に繋る場合と低壁面部の場合がある。仕切りによって土台の上面は実際に又は疑似的に二箇所に分かれる。bはaの場合の立体図で高、低壁面部と頂点(2)と土台底面(7)とを示す。cはaの左右中央の断面図であり使用図である。図5は低壁面部の一部を引き込んで仕切りにした場合である。aは平面図で升目は重心(4)の目安位置を示す。bはaの状態の立体図、cはaの左右中央の断面図である。使い方は前記同様である。
【0013】
図6を用いて、第四形態を説明する。
高壁面部(1)を延長して兼用し、対称形にあるいは逆向きに土台(5)の上面を設けた場合である。aは平面図で、高壁面部と頂上線(3)と低壁面部(6)と四箇所の土台の上面を示す。角の窪みは、固定がより確実にできるように設ける、肉付け選択箇所(11)となる。bはaの場合の左側からの立体図で高、低壁面部と土台底面(7)を示す。高壁面部の中間位置に突起か穴(12)を設ければ、高壁面部を取って部として使用する時の指先のストッパーとなる。cはaにおける使用図で、二種類の曲面体(8)の収納状態を示す。角部側に欠け所(10)を有する。使い方は前記同様である。
【符号の説明】
【0014】
1 高壁面部 2 頂点 3 頂上線
4 重心 5 土台 6 低壁面部
7 土台底面 8 曲面体 9 仕切り
10 欠け所 11 肉付け選択箇所 12 突起か穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6