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特許7019134指向性ワイヤレスホットスポットデバイス及び指向性アンテナを向ける方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】指向性ワイヤレスホットスポットデバイス及び指向性アンテナを向ける方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/02 20060101AFI20220207BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20220207BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20220207BHJP
   H04W 88/10 20090101ALI20220207BHJP
【FI】
H01Q3/02
H01Q1/12 E
H01Q13/10
H04W88/10
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019520478
(86)(22)【出願日】2017-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2017065043
(87)【国際公開番号】W WO2017220549
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】PA201670445
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201670949
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】518452593
【氏名又は名称】マイワイヤ アーぺーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フレイシヤ, ダヴィド
(72)【発明者】
【氏名】イェルクスホルム, ミシェル
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0215954(US,A1)
【文献】米国特許第06016120(US,A)
【文献】特開平11-186828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/02
H01Q 1/12
H01Q 3/00- 3/46
H01Q 13/00- 13/28
H04W 72/04
H04W 88/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記デバイスが
指向性アンテナを備えるプリント回路基板と、
磁力計などのコンパスと、
GPS受信機などの地理測位デバイスと、
前記プリント回路基板を前記指向性アンテナに略垂直な軸を中心として回転させるための、略平坦な圧電モータなどの電気モータと、
3G/4G/LTE/5Gモデムなどのワイヤレスモデム、または外部ワイヤレスモデムを保持するように配置された、ソケットなどの保持要素と、
ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカル通信要素と、
前記コンパス及び前記指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの地理測位デバイスからの方向及び位置データ、及び
前記固定送受信機の位置データ
に基づいて、方位回転角度を計算し、前記電気モータを制御して、前記指向性アンテナを前記固定送受信機のうちの1つに向けるようにするように構成されたマイクロプロセッサと、
ウジングと、
を備え
前記指向性アンテナは、複数の固定送受信機に対する前記指向性ホットスポットデバイスの位置に基づいて、前記固定送受信機のうちの1つに向けられるように動的に更新される、指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項2】
前記アンテナ、前記コンパス、前記電気モータ、及び前記ワイヤレスモデムが、前記プリント回路基板上に取り付けられており、前記電気モータが、前記プリント回路基板に固定接続された第1のモータ部分と、前記ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項3】
前記プリント回路基板及び前記ハウジングが、互いに対して回転可能である、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項4】
前記プリント回路基板、前記アンテナ、前記コンパス、前記地理測位デバイス、前記電気モータ、前記ワイヤレスモデム、前記ローカル通信要素、及び前記マイクロプロセッサが、PCBサブシステムを形成しており、前記PCBサブシステムが前記ハウジングに対して回転可能であるように、前記第1のモータ部分と前記第2のモータ部分とが回転可能に接続された、請求項2に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項5】
前記指向性アンテナがビバルディアンテナであり、前記指向性アンテナが、両側がメタライズされた絶縁板からなることが好ましい、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項6】
前記指向性アンテナが、前記プリント回路基板の上面または前面などの第1の面に取り付けられた、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項7】
前記ビバルディアンテナが、テーパードスロットを有する1つの金属板を含む、請求項6に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項8】
前記ビバルディアンテナ及びプリント回路基板が、前記プリント回路基板及びアンテナの中央に一致する穴を有し、ロッドが、前記第2のモータ部分と前記ハウジングとを固定接続し、前記ロッドが、前記穴を通って延びている、請求項6~7のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項9】
電池及び/または供給電源をさらに備え、前記電池が、前記プリント回路基板上に取り付けられており、及び/または前記電池が、前記PCBサブシステムの一部であり、前記PCBサブシステムが、前記PCBサブシステムの前記一部を保持するように構成された組立要素を含むことが好ましい、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項10】
前記デバイスが、360°または540°または720°などの事前定義された角度を超える前記アンテナの回転が防止されるように配置された、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項11】
前記アンテナが、前記事前定義された角度に到達すると、逆方向に360°または前記事前定義された角度に対応する値だけ回転される、請求項10に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項12】
好ましくは前記ケーブルが前記事前定義された角度に対応する回転に抵抗し得るように、回転可能な前記プリント回路基板への/からの電気信号及び/または電力の伝送が、前記ケーブルの柔軟な配置によって提供される、請求項10~11のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項13】
前記地理測位デバイスが、前記指向性アンテナのローカル位置を提供するように配置された、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項14】
前記マイクロプロセッサが、前記電気モータを制御して、前記固定送受信機のうちの1つに向けられるように前記指向性アンテナを回転させるように構成された、先行請求項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項15】
前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンするセルに関連付けられた前記固定送受信機に対応する、請求項14に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【請求項16】
前記指向性アンテナが向けられるように構成された前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンする前記セルからの情報に基づいて動的に更新される、請求項14~15のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、指向性アンテナが、モバイルネットワークにおける基地局に向けられるように回転され得る、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスに関する。開示は、さらに、デバイスの回転を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルホットスポット(ポータブルホットスポットと呼ばれることもある)は、モバイル電話ネットワークなどのモバイルネットワーク(または、セルラネットワーク)へのワイヤレスアクセスを提供するデバイスである。モバイルネットワークは、典型的には、セルと呼ばれる土地エリアにわたって分配され、それぞれが、基地局ともいう少なくとも1つの固定位置の送受信機によってサービスされる。基地局は、セルに音声、データ、及びその他の伝送に使用され得るネットワークカバレッジを提供する。モバイルホットスポットは、ユーザ(複数可)が、モバイルホットスポットを介してローカルデバイスをモバイルネットワークに接続することを可能にし、それは、基地局の少なくとも1つへの無線接続、及びローカルデバイスへのWi-Fi接続などのローカル接続を有する。
【0003】
ホットスポットと基地局との間の無線接続についての信号対雑音比(SNR)は、システム性能に影響を及ぼす。無線通信では、無指向性アンテナは、1つの平面内の全方向に均一に電波電力を放射するアンテナのクラスであり、放射される電力は、平面よりも上または下の仰角とともに低下し、アンテナの軸上でゼロに下がる。デバイスが物理的に移動または回転される場合でも、無指向性アンテナは典型的にはうまく機能するため、無指向性アンテナは、モバイルデバイスにおいて使用される。指向性アンテナ(ビームアンテナとも呼ばれる)と比較しての無指向性アンテナの欠点は、利得(性能と合致する)が低いことである。
【0004】
機械的に操縦可能な単一の指向性アンテナは、典型的には、無指向性アンテナよりも高い性能を有する半球体のカバレッジを実現し得る。しかしながら、機械部品の制御は複雑で費用がかかり、ユーザは、典型的には、アンテナを向けるのに適当な方向をデバイスに通知するか、またはアンテナを手動で調整しなければならないこととなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、指向性アンテナを含む、コンポーネント及び要素のアセンブリに関し、アセンブリは、モバイルネットワークにおいて指向性アンテナを基地局(固定送受信機)に自動的に向けることが可能である。より具体的に、開示は、いくつかの分散型セルを有するモバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、デバイスが、
-プリント回路基板(PCB)と、
-指向性アンテナと、
-磁力計などのコンパスと、
-GPS受信機などの地理測位デバイスと、
-プリント回路基板を指向性アンテナに略垂直な軸を中心として回転させるための、略平坦な圧電モータなどの電気モータと、
-3G/4G/LTE/5Gモデムなどのワイヤレスモデム、または外部ワイヤレスモデムを受信するように配置された、ソケットなどの受信要素と、
-ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカル通信要素と、
-指向性アンテナを固定送受信機のうちの1つに向けるために、
〇コンパス及び地理測位デバイスからの方向及び位置データ、
〇固定送受信機の位置データ
に基づいて、方位回転角度を計算するように構成されたマイクロプロセッサと、
-ハウジングと、
を備える、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスに関する。
【0006】
好ましくは、少なくともアンテナ、コンパス、電気モータ、及びワイヤレスモデムが、プリント回路基板上に取り付けられており、電気モータが、プリント回路基板に固定接続された第1のモータ部分と、ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを含む。本実施形態では、プリント回路基板及びハウジングが、互いに対して回転可能である。
【0007】
コンパス及びGPSからの方向及び位置データ、ならびに固定送受信機の位置データに基づいて、マイクロプロセッサは、指向性アンテナの指向方向を計算し、制御する。モバイルホットスポットは、ポータブルデバイスであってもよく、それは、例えば車両上のほとんどどの表面にも置かれるか、または車両上に取り付けられるかのいずれかであり得る。
【0008】
アセンブリは、モバイルネットワークにおいて高利得指向性アンテナを提供する。アセンブリは、電気モータ、好ましくは、圧電モータが、PCB上に直接取り付けられた第1のモータ部分と、PCBに対して回転し、ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを有するという利点を有する。この設計は、指向性アンテナを含む残りのコンポーネントがPCB上に取り付けられ、堅牢でコンパクトなシステムを提供する。1つの実施形態では、複雑な機械運動はなく、ハウジングに対するPCBの回転だけである。特に、指向性アンテナが、ビバルディアンテナなどの平面アンテナである場合、システムは、また、非常に薄く作られ得る。アンテナがPCBの1つの側に置かれ、モータを含む残りのコンポーネントが、PCBの反対の側に置かれる場合、空間はさらに最適化される。本開示のアセンブリの実施態様は、より簡単な製造プロセスを容易にする。
【0009】
本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、電池からプリント回路基板への電力伝送のため、及び/またはプリント回路基板と追加コンポーネントとの間のデータ信号の伝送のための1つまたは複数のスリップリング、ならびにハウジング内部または外部の処理ユニットをさらに含んでもよい。スリップリングは、静止した構造から回転する構造へ、電力及び/または電気信号を伝送するのに有用である。しかしながら、アンテナからのRF信号及び複素信号の伝送は、典型的には、スリップリングを用いて伝送するのは困難である。したがって、本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、指向性アンテナ及びアンテナ信号を処理するための処理ユニットが、回転可能なプリント回路基板上に取り付けられており、スリップリングを通して信号を伝送することなくアンテナによって受信される信号を処理する簡単な方法を提供する。
【0010】
回転部分と非回転部分との間で電力及び/またはデータ信号を移送することに関する課題を克服するために、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、360°または540°または720°といった事前定義された角度よりも大きなアンテナの回転が防止されるように、配置され得る。事前定義された角度に到達すると、アンテナは、ケーブルが軸の周りに巻きつくのを防止するために、例えば360°または事前定義された角度に対応する値だけ後戻りされ得る。事前定義された角度に対する位置が、マイクロコントローラによって制御され得る。1つの実施形態では、好ましくはケーブルが少なくとも事前定義された角度に対応する回転に抵抗し得るように、回転可能なプリント回路基板への/からの電気信号及び/または電力の伝送が、ケーブルの柔軟な配置によって提供される。
【0011】
PCBピエゾモータは、平坦でPCB上に直接取り付けられることが好ましい。モータは、回転可能なローターを有し、ローターは、ハウジングに取り付けられた要素に接続され得る。それによって、設計は、完全に回転可能なシステムを実施し、そのシステムは、堅牢及び平坦の両方である。
【0012】
本開示は、複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法であって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、方法が、
a)ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、ワイヤレス通信デバイスに関連付けられたセルのセルIDを識別するステップと、
b)セルIDに関連付けられた固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c)水平面内の指向性アンテナの方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d)指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e)固定送受信機の位置データ及び指向性アンテナのローカル位置に基づいて、指向性アンテナと固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f)基準方位と指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g)計算された方位回転角度に基づいて、指向性アンテナを固定送受信機に向けて回転させるステップと、
h)連続して、または間隔をおいて、ステップa~gを繰り返すステップと、
を含む、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法に関する。
【0013】
本開示のデバイスは、その指向性アンテナを、それがアクティブであるモバイルネットワーク内の基地局に自動的に向けるための方法を使用し得る。方法は、複数の基地局に対するデバイスの位置に基づく、方向の動的なハンドリングを採用するといわれ得る。デバイスは、基地局の位置を知ってそれ自体の位置及び方向を連続的に更新するか、または基地局から情報を受信するかのいずれかを行うこととなる。方法を使用するデバイスは、それによって、それが停止して1つのセルにキャンプオンするとき、及び移動シナリオにおいて、例えば、移動する車両または容器においてデバイスが取り付けられ、または置かれるときのいずれも、機能する。方法は、移動シナリオを動的に、好ましくは、実質的にリアルタイムでハンドリングし、ワイヤレス通信デバイスが、再選択プロセスにおいてモバイルネットワークの新たなセルにキャンプオンするように更新されるときに、例えば、セルID、対応する固定送受信機の位置データ、指向方位及び方位回転角度を新たなセルに基づいて更新し得る。
【0014】
発明のこれらの及び他の態様が、以下の発明の詳細な説明において明記される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
いくつかの分散型セルを有するモバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記デバイスが、
プリント回路基板と、
指向性アンテナと、
磁力計などのコンパスと、
GPS受信機などの地理測位デバイスと、
前記プリント回路基板を前記指向性アンテナに略垂直な軸を中心として回転させるための、略平坦な圧電モータなどの電気モータと、
3G/4G/LTE/5Gモデムなどのワイヤレスモデム、または外部ワイヤレスモデムを保持するように配置された、ソケットなどの保持要素と、
ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカル通信要素と、
前記指向性アンテナを前記固定送受信機のうちの1つに向けるために、
前記コンパス及び地理測位デバイスからの方向及び位置データ、
前記固定送受信機の位置データ
に基づいて、方位回転角度を計算するように構成されたマイクロプロセッサと、
-ハウジングと、
を備える、前記指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目2)
前記アンテナ、前記コンパス、前記電気モータ、及び前記ワイヤレスモデムが、前記プリント回路基板上に取り付けられており、前記電気モータが、前記プリント回路基板に固定接続された第1のモータ部分と、前記ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを含む、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目3)
前記プリント回路基板及び前記ハウジングが、互いに対して回転可能である、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目4)
前記プリント回路基板、前記アンテナ、前記コンパス、前記地理測位デバイス、前記電気モータ、前記ワイヤレスモデム、前記ローカル通信要素、及び前記マイクロプロセッサが、PCBサブシステムを形成しており、前記PCBサブシステムが前記ハウジングに対して回転可能であるように、前記第1のモータ部分と前記第2のモータ部分とが回転可能に接続された、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目5)
前記指向性アンテナがビバルディアンテナであり、前記指向性アンテナが、両側がメタライズされた絶縁板からなることが好ましい、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目6)
前記指向性アンテナが、前記プリント回路基板の上面または前面などの第1の面に取り付けられた、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目7)
前記ビバルディアンテナが、テーパードスロットを有する1つの金属板を含む、項目6に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目8)
前記ビバルディアンテナ及びプリント回路基板が、前記プリント回路基板及びアンテナの中央に一致する穴を有し、ロッドが、前記第2のモータ部分と前記ハウジングとを固定接続し、前記ロッドが、前記穴を通って延びている、項目6~7のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目9)
電池及び/または供給電源をさらに備え、前記電池が、前記プリント回路基板上に取り付けられており、及び/または前記電池が、前記PCBサブシステムの一部であり、前記PCBサブシステムが、前記PCBサブシステムの前記一部を保持するように構成された組立要素を含むことが好ましい、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目10)
前記デバイスが、360°または540°または720°などの事前定義された角度を超える前記アンテナの回転が防止されるように配置された、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目11)
前記アンテナが、前記事前定義された角度に到達すると、逆方向に360°または前記事前定義された角度に対応する値だけ回転される、項目10に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目12)
好ましくは前記ケーブルが前記事前定義された角度に対応する回転に抵抗し得るように、回転可能な前記プリント回路基板への/からの電気信号及び/または電力の伝送が、前記ケーブルの柔軟な配置によって提供される、項目10~11のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目13)
前記地理測位デバイスが、前記指向性アンテナのローカル位置を提供するように配置された、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目14)
前記マイクロプロセッサが、前記電気モータを制御して、前記固定送受信機のうちの1つに向けられるように前記指向性アンテナを回転させるように構成された、先行項目のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目15)
前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンするセルに関連付けられた前記固定送受信機に対応する、項目14に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目16)
前記指向性アンテナが向けられるように構成された前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンする前記セルからの情報に基づいて動的に更新される、項目14~15のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
(項目17)
複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法であって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記方法が、
a)前記ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、前記ワイヤレス通信デバイスに関連付けられた前記セルのセルIDを識別するステップと、
b)前記セルIDに関連付けられた前記固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c)水平面内の前記指向性アンテナの前記方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d)前記指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e)前記固定送受信機の前記位置データ及び前記指向性アンテナの前記ローカル位置に基づいて、前記指向性アンテナと前記固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f)前記基準方位と前記指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g)計算された前記方位回転角度に基づいて、前記指向性アンテナを前記固定送受信機に向けて回転させるステップと、
h)連続して、または間隔をおいて、ステップa~gを繰り返すステップと、
を含む、前記ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法。
(項目18)
前記ワイヤレス通信デバイスが、再選択プロセスにおいて、前記モバイルネットワークの新たなセルにキャンプオンするように更新され、前記セルID、対応する前記固定送受信機の位置データ、指向方位、及び方位回転角度が、前記新たなセル及び前記新たなセルの前記固定送受信機に向かって回転された前記指向性アンテナに基づいて更新される、項目17に記載のワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法。
(項目19)
複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための初期化シーケンスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記方法が、
a)前記ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、前記ワイヤレス通信デバイスに関連付けられた前記セルのセルIDを識別するステップと、
b)前記セルIDに関連付けられた前記固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c)水平面内の前記指向性アンテナの前記方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d)前記指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e)前記固定送受信機の前記位置データ及び前記指向性アンテナの前記ローカル位置に基づいて、前記指向性アンテナと前記固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f)前記基準方位と前記指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g)計算された前記方位回転角度に基づいて、前記指向性アンテナを前記固定送受信機に向けて回転させるステップと、
を含む、前記初期化シーケンス。
(項目20)
項目17~19のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成された、項目1~16のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1a及び図1bは、PCBサブシステムの第1の実施形態を示す。本実施形態では、ビバルディアンテナが、PCBの前面上に取り付けられ(図1a)、PCBサブシステムの残りのコンポーネントがPCBの裏面上に取り付けられる(図1b)。
図2】PCBサブシステムの代替的な実施形態を示し、アンテナは、円形PCBの前面上に取り付けられ(図2a)、PCBサブシステムの残りのコンポーネントは、PCBの裏面上に取り付けられる(図2b)。
図3】平面指向性アンテナの一例、ビバルディアンテナを示す。
図4】ワイヤレスホットスポットデバイスのハウジングの上部の1つの実施形態を示す。
図5】ワイヤレスホットスポットデバイスのハウジングの1つの実施形態を示す。
図6】ワイヤレスホットスポットデバイスのハウジングの1つの実施形態の断面を示す。
図7】ワイヤレスホットスポットデバイスのハウジングの下部の1つの実施形態を示す。
図8図8a及び図8bは、圧電PCB搭載モータの1つの実施形態を示す。
図9】中空の剛性シャフト内にスリップリングを有するPCB上に取り付けられる圧電PCB搭載モータの1つの実施形態を示す。
図10】指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの1つの実施形態を示し、プリント回路基板とハウジングとが固定接続され、ハウジング及びプリント回路基板が固定平板に対して回転可能である。
図11】並んで配置され同一方向を向く、2つのビバルディアンテナを備えるプリント回路基板のMIMOバージョンを示す。
図12】指向性ワイヤレスホットスポットデバイスのさらなる実施形態を示す。
図13】異なる角度からの図12の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスを示す。
図14】平面指向性アンテナ、ビバルディアンテナ、及び無指向性アンテナの1つの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本開示は、いくつかの分散型セルを有するモバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされる、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスに関する。第1の実施形態では、デバイスは、
-プリント回路基板(PCB)と、
-指向性アンテナと、
-磁力計などのコンパスと、
-GPS受信機などの地理測位デバイスと、
-プリント回路基板を指向性アンテナに略垂直な軸を中心として回転させるための、略平坦な圧電モータなどの電気モータと、
-3G/4G/LTE/5Gモデムなどのワイヤレスモデムと、
-ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカル通信要素と、
-指向性アンテナを固定送受信機のうちの1つに向けるために、
〇コンパス及び地理測位デバイスからの方向及び位置データ、
〇固定送受信機の位置データ
に基づいて、方位回転角度を計算するように構成されたマイクロプロセッサと、
-ハウジングと、を備え、
アンテナ、コンパス、電気モータ、及びワイヤレスモデムが、プリント回路基板上に取り付けられ、電気モータが、プリント回路基板に固定接続された第1のモータ部分と、ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを含む。任意選択で、地理測位デバイス、ローカルワイヤレス通信要素、及びマイクロプロセッサなどの他のコンポーネントもまた、PCB上に取り付けられてもよい。
【0017】
好ましくは、プリント回路基板及びアンテナ、コンパス、地理測位デバイス、電気モータ、ワイヤレスモデム、ローカルワイヤレス通信要素、ならびにマイクロプロセッサ(または残りのコンポーネント)が、PCBサブシステムを形成してもよい。PCBサブシステムがハウジングに対して回転され得るように、第1の及び第2のモータ部分が、回転可能に接続され得る。
【0018】
第2の実施形態では、ハウジング及びPCBは、互いに固定接続され、アセンブリが起立する平板などのさらなる固定要素に回転可能に接続され得る。アセンブリの残りに接続された固定要素は、例えば平面上に置かれてもよく、または屋根もしくは家具などの任意の他の固定面に取り付けられてもよい。1つの実施形態では、アンテナは、プリント回路基板上に取り付けられ、プリント回路基板及びハウジングは、固定接続され、ハウジング及びプリント回路基板は、平板などのさらなる固定要素に対して水平に回転可能である。PCBと固定要素との間の回転可能な接続は、第1の実施形態におけるPCBとハウジングとの間の接続と同一種類のもので、同一コンポーネントを伴ってもよく、即ち、互いに対して回転可能な2つの部分を有する電気モータを伴ってもよい。したがって、1つの実施形態では、電気モータは、プリント回路基板に固定接続されたプライマリモータ部分と、固定要素に固定接続されたセカンダリモータ部分とを含む。
【0019】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの残りが相対的に回転可能である固定要素を基礎として使用することの利点の1つは、スロット、またはソケットなどの保持要素が外部ワイヤレスモデムを保持するように配置され得ることである。好ましくは、外部ワイヤレスモデムのための保持要素は、ハウジング上に配置されてもよく、またはハウジングから少なくともアクセス可能であってもよい。ワイヤレスモデムは、例えば、USBモデムであってもよく、USBモデムは、ユーザによってハウジング上/内に直接プラグインされてもよい。本実施形態では、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、例えば、ワイヤレスモデムのアンテナ接続を通して指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの指向性アンテナを使用することを除いては、その通常セットアップにおけるように、外部ワイヤレスモデムを使用するように配置されてもよい。したがって、1つの実施形態では、デバイスが、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの指向性アンテナ、及びUSBワイヤレスモデムなどの外部ワイヤレスモデムを使用して、基地局とワイヤレスで通信するように配置される。
【0020】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、SIMカードホルダをさらに含んでもよい。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、それ自体のSIMカードホルダを有してもよく、または代替手段として、外部ワイヤレスモデムが、SIMカードホルダを含んでもよい。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、eSIMまたはソフトSIMをさらに含んでもよい。SIMカード/SIMカードホルダは、PCBサブシステムの一部として、(ハウジングに対する)回転部分、またはハウジングの底面などの固定部分のいずれかに置かれてもよい。
【0021】
上述したように、デバイスの利点のうちのいくつかは、デバイスが、モバイルネットワークにおいて高利得指向性アンテナを実現し得ること、及び、電気モータ、好ましくは圧電モータが、PCB上に直接取り付けられた第1のモータ部分と、PCBに対して回転し、ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを有するということである。この設計は、指向性アンテナを含む残りのコンポーネントがPCB上に取り付けられ、堅牢でコンパクトなシステムを提供する。複雑な機械運動はなく、ハウジングに対するPCBの回転だけ(第1の実施形態)が存在する。
【0022】
1つの実施形態では、アンテナが、プリント回路基板の前面に取り付けられ、コンパス、電気モータ、ワイヤレスモデムが、プリント回路基板の裏面に取り付けられる。残りのコンポーネントもまた、PCBの裏面に取り付けられることが好ましいが、原則としてハウジング内のどこかに置かれ、スリップリングを通してPCBサブシステムに接続されてもよい。
【0023】
コンポーネントの電源は、充電式電池などの電池の形態で、PCB上に置かれてもよい。したがって、1つの実施形態では、デバイスは、PCB上に取り付けられた電池及び/または供給電源をさらに含む。電源は、1つまたは複数の電池を含んでもよい。電源/電池は、PCBサブシステムの一部であってもよく、必ずしもPCBそれ自体の上に置かれなくともよい。PCBサブシステムは、例えばプラスティックで製造され、PCBサブシステムの部品を一緒に保持するように配置される、保持または組立要素などの追加要素を含んでもよい。PCBサブシステムは、それによって、電気モータによってハウジングに対して回転され得るコンポーネントのアセンブリと見られてもよい。図12~13は、いくつかの電池(37)が、PCBサブシステムの一部でもある組立要素(40)上のPCBサブシステムに配置される配置を示している。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスが、方向データを証明するためのコンパス機能を含むという事実は、デバイスを磁気の干渉に対して感知できるようにし得る。本発明者は、可能な限りコンパスを遮蔽することと組み合わせて、回転するサブシステム内に電池を統合することによって、コンパスと電池との間の磁気変動が減少されることを実現している。電池の位置は磁石に対して固定されるため、初期較正は、システムを機能させるのに十分であり得る。代替的に、電池及び/または供給電源が、ハウジング上に取り付けられ、デバイスは、電池からプリント回路基板へ電力を伝送するための第1のスリップリングをさらに含む。電池に接続されることが好ましい、外部電源も存在してもよい。したがって、電池は、また、例えばPCBシステムを軽量化するために、PCB上ではなくハウジング内に置かれてもよい。スリップリングを通して通信し得るコンポーネントのうちのいくつかについても同様である。したがって、デバイスは、回転可能なプリント回路基板への/からの電気信号の伝送のための、少なくとも1つの追加のスリップリング(複数可)をさらに含んでもよい。アンテナからのRF信号及び複素信号は、典型的には、スリップリングを用いて伝送するのは困難である。したがって、本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、指向性アンテナ及びワイヤレスがプリント回路基板上に取り付けられており、スリップリングを通して信号を伝送することなくアンテナによって受信される信号を処理する簡単な方法を提供する。
【0024】
マイクロプロセッサは、別々のコンポーネントであってもよい。代替的には、ワイヤレスモデムの処理キャパシティは、方向を計算すること、及び電気モータを制御することなどの追加タスクに使用されてもよい。マイクロプロセッサは、電気モータを制御して、モバイルネットワークにおいて基地局のうちの1つに向けられるように指向性アンテナを回転させるように構成されてもよい。指向性アンテナが向けられる基地局は、デバイスがキャンプオンするネットワーク内のセルに関連付けられる基地局に対応することが好ましい。再選択が発生すると、デバイスがキャンプオンするセルに指向性アンテナが常に向けられるように、デバイスは、動的に更新されてもよい。
【0025】
本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、GSM(登録商標)、UMTS、LTE、HSDPA、HSUPA、HSPA+、TD-SCDMA、CDMA、及びWiMAX方式のネットワーク、または3G、4G、及び5Gを含む任意の世代のネットワークまたはモバイル通信技術を含む任意の通信標準またはプロトコルを使用して、任意のモバイルネットワークにおいて動作可能であってもよい。デバイスは、500MHz~60GHzの範囲、または700MHzから30GHzの範囲、または700~2600MHzの範囲、または具体的には1600~2800MHzの範囲もしくは1800~2600MHzの範囲といった周波数範囲で動作するように構成されてもよい。
【0026】
PCBサブシステムの最大高さは、どのアンテナ及び他のコンポーネントが使用されるか、ならびにそれらがどのようにPCBに取り付けられるかに依存する。平面アンテナを使用することによって、非常に薄くコンパクトなPCBサブシステムが実現され得る。1つの実施形態では、PCBサブシステムの最大高さが、20mm未満であり、15mm未満であることが好ましく、10mm未満であることがより好ましく、7mm未満であることがさらにより好ましい。
【0027】
指向性アンテナ
指向性アンテナは、本開示の指向性ホットスポットデバイスにおいて中心的役割を果たす。可能な限り薄くコンパクトに設計を行うために、ビバルディアンテナなどの平面アンテナが使用されてもよい。ビバルディアンテナは、共平面ブロードバンドアンテナであり、それは、メタライズされた絶縁板でできている。中空管形状を有し得る給電線は、典型的には、マイクロストリップラインを介して円形空間を励磁し、扇形状の領域で終端される。円形共振領域から、エネルギーが対称的なスロットラインを介して指数パターンに到達する。代替的に、指向性アンテナは、パラボラアンテナであってもよい。ビバルディアンテナの場合、アンテナは、銅板などの金属板で製造されてもよい。上述の通り、平面アンテナを使用することによって、非常に薄くコンパクトなPCBサブシステムが実現され得る。このような場合、平面指向性アンテナは、2mm未満、または1mm未満の最大高さを有してもよい。平面指向性アンテナの長さは、例えば、5~30cm、または10~30cm、または10~20cmであってもよい。1つの実施形態では、指向性アンテナは、一片の金属箔であり、それは、例えば、PCBに、またはPCBサブシステムのプラスチックカバー上に接着されてもよく、または他の方法で取り付けられてもよい。
【0028】
ビバルディアンテナなどの平面指向性アンテナは、特定の周波数範囲についてのアンテナ利得の最適化のために設計されることが好ましい。一例では、ビバルディアンテナは、レードームなしの1.8~2.6GHzから8~12dBi、及びレードームありの1.8~2.6GHzから8.4~12dBiの利得を生むことを実現するように設計される。このような設計が、図1aに示されている。このビバルディアンテナは、テーパードスロットを有する1つの金属シートを含む。本実施形態におけるビバルディアンテナ(4)は、中間にテーパードスロットを定義する1つの金属板の1つの上部及び1つの下部を有し、上部及び下部は、テーパードスロットに略垂直なサブスロット(溝)を有する。ビバルディアンテナのさらなる実施形態は、図3に示されている。本実施形態はまた、ビバルディアンテナの立体部(即ち、この場合にテーパードスロットはない)における描画において左に切り抜かれた円を有する。
【0029】
本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスにおいて、PCBもまた、略円形形状を有してもよい。このような実施形態では、平面指向性アンテナもまた、略円形であってもよく、または、平面指向性アンテナの少なくとも断面が、PCBの円形エッジに従う。ビバルディアンテナ及びプリント回路基板もまた、プリント回路基板及びアンテナの中央に一致する穴を有してもよい。このような設計の理由は、ロッドが第2のモータ部分とハウジングとの間に穴を通して固定接続され得るということである。1つの実施形態では、PCBは、円形であり、アンテナは、プリント回路基板領域の少なくとも50%、またはプリント回路基板領域の少なくとも60%、またはプリント回路基板領域の少なくとも70%をカバーする。
【0030】
指向性アンテナは、プリント回路基板の、好ましくは上面または前面などの、第1の面に取り付けられてもよい。指向性アンテナは、任意の適当な方法でPCBに接着され、ボルトで固定され、または取り付けられてもよい。プリント回路基板及び指向性アンテナは、それによって1つの集積要素を構成してもよい。
【0031】
さらに、指向性アンテナは、中空管形状であることが好ましい給電線を含むことが好ましい。
【0032】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナをさらに含んでもよい。1つより多くの指向性アンテナが使用される場合、デバイスは、複数の並列なワイヤレスデータ信号をハンドリングするように配置されてもよい(MIMO)。したがって、1つの実施形態では、指向性アンテナ及び少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナが、アンテナの多経路伝搬を活用することによって複数のデータ信号を受信及び/または送信するように構成される。
【0033】
指向性アンテナ及び少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナは、ビバルディアンテナなどの平面アンテナであってもよい。1つの実施形態では、平面アンテナ及び/またはビバルディアンテナが、プリント回路基板上に並んで取り付けられる。ビバルディアンテナのテーパードスロットは、同一方向に配置されることが好ましい。
【0034】
複数の指向性アンテナを用いた複数の並列なワイヤレスデータ信号の場合、データパスは、指向性アンテナ及び少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナのそれぞれのための補助無指向性アンテナをさらに含んでもよい。同様に、指向性アンテナのそれぞれについて別々のWi-Fi回路が存在してもよい。
【0035】
電気モータ
指向性アンテナに略垂直な軸(z軸)を中心としてプリント回路基板を回転させるための電気モータは、略平坦な圧電モータであることが好ましい。圧電モータまたはピエゾモータは、電界が印加されるときの圧電物質の形状の変化に基づく電気モータの種類である。PCBモータは、PCB上に直接取り付けられてもよい。ステータは、PCB自体の外に圧延されてもよく、一方、ローターは、ステータの表面上に押圧されてもよく、機械出力を生む。設計は、非常に平坦でコンパクトに行われてもよく、モータは、PCB上のマイクロコントローラによって直接制御されてもよい。電気モータの第1の部分は、プリント回路基板上に取り付けられるフレームである。フレームは、10~50mm、または30~50mmの長さを有してもよく、10~50mm、または30~50mmの幅を有してもよい。電気モータの第2の部分が、フレーム内部のリングであり、リングは、フレームに対して回転可能である。このリングは、ローターと呼ばれ得る。ローターリングは、フレームに固定接続されたステータリングの上部に置かれてもよい。第2の部分(ローター)は、プリント回路基板に略平行な平板に固定接続されてもよく、平板は、ハウジングに固定される。上述の通り、電気モータの動きは、典型的には、処理ユニットによって制御される。
【0036】
指向性アンテナがPCBの前面に取り付けられる場合、電気モータは、プリント回路基板の下面または裏面などの第2の面上に取り付けられてもよい。
【0037】
モータは、代替的には、1回転をいくつかの等ステップに分割するブラシレスDC電気モータなどのステッパモータであってもよい。代替的には、モータは、同期電気モータ、または軸を中心としてプリント回路基板を回転させるように構成された、例えば、12VのDCモータなどの任意の種類の電気モータであってもよい。モータのサイズは、特定の実施形態において回転する部分の特定のサイズに適合されることが好ましく、その部分はデバイスの回転可能部分の一部であるように選択される。
【0038】
追加コンポーネント:コンパス、GPS、ナビゲーション基準ユニット、ジャイロ、加速度計、ジンバルなど
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、GPS受信機などの地理測位デバイスを含む。地理測位デバイスは、指向性アンテナのローカル位置を提供するように配置され、ローカル位置は、基地局に対するデバイスの位置を示すために使用され得る。
【0039】
さらに、指向性アンテナの方向に関する情報は、指向性アンテナを所与の基地局に向けるために方位回転角度を計算する必要がある。基準方位は、水平面内の指向性アンテナの方向に対応し得る。この目的のために、コンパス機能、即ち、指向性アンテナの方向を提供することが可能なデバイスが、必要とされる。コンパスは、任意の利用可能なコンパスソリューションであってもよく、磁気コンパス、ジャイロコンパス、ソリッドステートコンパス、またはGPSさえも含む。1つの実施形態では、磁力計が、コンパスとして使用される。磁力計は、指向性アンテナとともにPCB上に取り付けられることが好ましい。デバイスは、外部干渉磁界をハンドリング可能にするために、第2のコンパス、任意選択で第3のコンパスをさらに含んでもよい。デバイスは、正確な方向を判断するために、2つまたは3つのコンパスのうちのいずれか、または組み合わせ、またはそれらの計算値を使用するように構成されてもよい。
【0040】
指向性ワイヤレスホットスポットが、指向性アンテナの方向のより正確なハンドリングを追加するためのナビゲーション基準ユニットをさらに含んでもよい。高度なナビゲーション基準ユニットの一例は、12個の精密センサ(磁力計、ジャイロ、加速度計、気圧計、温度計、及びGNSS)を含むLT-1000NRUデバイスである。ナビゲーション基準ユニットは、センサ融合及びカルマンフィルタを使用して、真針路、ロール、ピッチ、位置、対地速度、地表針路に関する情報を高い精度及び分解能で出力する。この情報は、指向性ワイヤレスホットスポットの精度を改善するため、及びより複雑な移動シナリオをハンドリングするために使用されてもよい。したがって、1つの実施形態では、ナビゲーション基準ユニットは、指向性アンテナのより正確な方向を取得するために、コンパス、地理測位デバイス、ジャイロ、及び加速度計からのデータをカルマンフィルタ処理するように構成される。
【0041】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、アンテナの方向の急変更を補償及び/またはハンドリングする際にコンパスを支援するためのジャイロを含んでもよい。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、デバイスのロール及び/またはピッチを測定するための、及び/または水平位置にないデバイスを補償するための加速度計もまた、含んでもよい。
【0042】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカルワイヤレス通信要素を有してもよい。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、ローカルワイヤレス通信要素を、改善されたローカルワイヤレス通信のためのWi-Fiアンテナなどの外部アンテナに接続するためのコネクタを有してもよい。
【0043】
本開示の指向性ワイヤレスホットスポットの1つの実施形態では、ローカル通信要素は、ワイヤレス通信要素である。ローカルワイヤレス通信要素は、携帯電話、タブレット、PC、または任意のデバイスなどのローカルユーザデバイスと通信するように構成されるWi-Fi回路であってもよい。
【0044】
代替の、及びさらなる配置が可能である。1つの実施形態では、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、プリント回路基板上に取り付けられ、またはプリント回路基板に固定接続された、第1のワイヤレスコンポーネントと、ハウジングまたは固定要素上に取り付けられた第2のワイヤレスコンポーネントと、を含み、2つのワイヤレスコンポーネントが、ワイヤレスに通信する。デバイス内のこの内部ワイヤレス通信は、互いに対して回転可能な部分の間のスリップリングを通した複素データ信号の伝送を回避し得る。
【0045】
1つの実施形態では、ローカルネットワークなどの、ユーザまたはユーザのシステムとの通信用のローカル通信要素が、イーサネット(登録商標)ケーブルなどのネットワークケーブルによって接続されてもよい。したがって、指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、イーサネット(登録商標)ポートなどのネットワークポートをさらに含んでもよい。このような解決策では、ネットワークケーブルは、データキャリア及び電力供給の両方の役割をしてもよい。ネットワークポートは、電力を受信し、データを送信/受信するように適合されてもよい。指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、デバイスの電池を充電するように構成される太陽電池をさらに含んでもよい。太陽電池は、電池に直接接続されてもよく、またはPoE(Power over Ethernet(登録商標))接続を通して接続されてもよい。
【0046】
ハウジング
本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスのハウジングは、PCBサブシステムの内部設計及び他の内部設計の選択に依存して、異なる形状をとってもよい。1つの実施形態では、ハウジングは、比較的平坦な、円筒形のハウジングである。ハウジングは、図4~7に示すように、円筒形状またはテーパ付円筒形状などの略円形の水平断面を有してもよい。ハウジングは、回転する円形PCBを受け入れるために、略円筒形であってもよい。ハウジングは、15cmの最大高さ、または12cmの最大高さ、または10cmの最大高さ、または5cmの最大高さを有してもよい。
【0047】
ハウジングは、ハウジングの底面に沿ってテーパ付きの溝を有してもよく、テーパ付きの溝は、上方に延びる形状を有し、テーパ付きの溝は、デバイスを壁、天井、またはロッド上の台に取り付けるように構成される。デバイスをアイテム、車両、壁などに取り付けるためのさらなる手段もまた、可能である。デバイスは、また、デバイスが起立する略平坦な底面を有してもよい。
【0048】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、デバイスを水平位置に維持するためのジンバルをさらに含んでもよい。ジンバルは、単一軸の周りの物体の回転を可能にする軸支支持物である。例えば、船上で、何らかの機器が、ジンバルを使用して、船の縦揺れ及び横揺れを補償するために水平線を基準としてそれらをまっすぐに保つ。
【0049】
ハウジングは、水平方向及びハウジングの周りに延びる透明ストリップをさらに含んでもよい。ハウジング内部に、ハウジングの外側から透明ストリップを通して見える、指向性アンテナの標識が存在してもよい。これによって、ユーザは常にアンテナの位置について知ることが可能となる。
【0050】
指向性アンテナを自動的に向ける方法
本開示は、複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法であって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、方法が、
a.ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、ワイヤレス通信デバイスに関連付けられたセルのセルIDを識別するステップと、
b.セルIDに関連付けられた固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c.水平面内の指向性アンテナの方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d.指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e.固定送受信機の位置データ及び指向性アンテナのローカル位置に基づいて、指向性アンテナと固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f.基準方位と指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g.計算された方位回転角度に基づいて、指向性アンテナを固定送受信機に向けて回転させるステップと、
h.連続して、または間隔をおいて、ステップa~gを繰り返すステップと、
を含む方法に、さらに関する。
【0051】
本開示のデバイスは、その指向性アンテナを、それがアクティブであるモバイルネットワーク内の基地局に自動的に向けるための方法を使用し得る。方法は、複数の基地局に対するデバイスの位置に基づく、方向の動的なハンドリングを採用すると言われ得る。セルIDに関連付けられた固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップは、関連する基地局の全ての座標、または代替的に、位置に関するネットワーク及び/もしくは基地局情報を含む、データベース、潜在的にはローカルデータベースにアクセスすることとして解釈されてもよい。データベースは、代替的には、ウェブベースのデータベースであってもよく、デバイスがモバイルネットワークにおける変化と共に更新されることを可能にする。データベースへのアクセスは、ユーザインタフェースを通してユーザにより直接、または自動的に、制御されてもよい。指向性アンテナの計算及び測位と組み合わせた、ネットワーク内の複数のセル及び基地局の動的ハンドリングは、モバイルネットワークにおける本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスを制御するための効率的な方法を提供する。
【0052】
方法は、また、再選択シナリオを含む移動シナリオをハンドリンクしてもよい。ワイヤレス通信デバイスが、例えば、デバイスが地理的に移動し、1つのセルの測定信号強度が、デバイスがキャンプオンするセルより強くなることに起因して、モバイルネットワークの新たなセルにキャンプオンするように更新される場合、方法は、この情報を考慮に入れ、セルID、及びしたがって、セルに属する基地局の位置データ、指向方位及び方位回転角度を更新してもよい。最終的に、指向性アンテナの方向が、それに応じて変更される。
【0053】
方法は、また、地理的情報、ならびに測定信号強度及び/または既知の行程についての再選択に関連する履歴及び統計情報を使用してもよい。アンテナは指向性であるため、指向性アンテナがセルBの方を向いていることから、セルBよりもデバイスに近いセルAを再選択しないことも起こり得る。この場合、方法は、地理的データを考慮に入れ、典型的には選択されるセルAの方に指向性アンテナを向けてもよい。既知の行程について、方法は、同一行程についての以前の再選択に基づき、予期される再選択を考慮にいれてもよい。1つの実施形態では、したがって、再選択プロセスは、固定送受信機の位置及び指向性アンテナのローカル位置についての情報に基づく。
【0054】
指向性ワイヤレスホットスポットデバイスがオンにされると、初期化プロセスが開始されてもよく、それにおいてデバイスは、ネットワークにおける(基地局を有する)セルを識別し、キャンプオンする。位置データが、基地局について取得され、位置データに基づいて指向性アンテナが基地局の方に向けられる。したがって、本開示のシーケンスによる初期化シーケンスは、複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けてもよく、各セルは、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、方法は、
a.ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、ワイヤレス通信デバイスに関連付けられたセルのセルIDを識別するステップと、
b.セルIDに関連付けられた固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c.水平面内の指向性アンテナの方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d.指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e.固定送受信機の位置データ及び指向性アンテナのローカル位置に基づいて、指向性アンテナと固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f.基準方位と指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g.計算された方位回転角度に基づいて、指向性アンテナを固定送受信機に向けて回転させるステップと、
を含む。
【0055】
開示される方法は、本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの実施形態によって実行されてもよい。
【0056】
IPコードは、塵及び水に抵抗する物体の能力を定義する。IP65は、防塵及び洗い流し可能を意味する。1つの実施形態では、本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスは、IP65分類の変種で提供される。本実施形態では、ハウジング及び他の部分の構成は、デバイスが防塵及び防水であるように配置される。
【0057】
図面の詳細な説明
本発明は、以下において、添付図面を参照してより詳細に説明される。図面は、例示であり、本開示の指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの特徴のうちのいくつかを例示するように意図され、本開示の発明に限定するものとして解釈されるべきでない。
【0058】
図1a及び1bは、PCBサブシステム(2)の第1の実施形態を示す。本実施形態では、ビバルディアンテナ(4)は、PCB(3)の前面上に取り付けられる(図1a)。ビバルディアンテナ(4)は、サブミニチュアバージョンA(SMA)コネクタ(5)を有する。本実施形態におけるビバルディアンテナ(4)は、中間にテーパードスロットを定義する1つの金属板の1つの上部及び1つの下部を有し、上部及び下部は、テーパードスロットに略垂直なサブスロット(溝)を有する。PCB(3)の裏面(図1b)は、残りのコンポーネントを含み、処理ユニット(7)、SIMカードホルダ(8)、磁力計(9)、ワイヤレスモデム(10)、Wi-Fi回路(11)、GPS(12)、加速度計(13)、ジャイロ(14)、圧電モータ(15)、圧電モータ(15)の制御用処理ユニット(17)、アンテナ(4)を処理ユニット(7)及び/またはワイヤレスモデム(10)などの他のコンポーネントに接続するためのアンテナ接続(6)、ならびにSMAコネクタ(5)を含む。
【0059】
図2は、PCBサブシステム(2)の代替実施形態を示しており、(平面)アンテナ(4)は、円形PCB(3)の前面上に取り付けられる(図2a)。本実施形態において、平面アンテナは、ほぼ2mmの高さを有することが示されている。処理ユニット(7)、SIMカードホルダ(8)、磁力計(9)、ワイヤレスモデム(10)、Wi-Fi回路(11)、GPS(12)、加速度計(13)、ジャイロ(14)、圧電モータ(15)、圧電モータ(15)の制御用処理ユニット(17)を含むコンポーネントが、PCB(3)の裏面に取り付けられる。本実施形態において、PCB(3)及びコンポーネントは、ほぼ5~10mmの高さを有することが示されている。圧電モータ(15)は、フレーム(16)及びローターリング(17)を有する。PCB(3)、アンテナ(4)、及び圧電モータ(15)は、一致する穴(19)を有する。
【0060】
図3は、テーパードスロットを有するビバルディアンテナ(4)の一例を示す。金属板は、1つの上部及び1つの下部を有し、その対向エッジ(18)は、上部及び下部間にテーパードスロットを定義する。テーパードスロット内には、PCB(3)を貫通する穴(19)がある。円形の切り抜き(20)もある。
【0061】
図4~7は、考え得るハウジング形状を示している。図4は、ワイヤレスホットスポットデバイス(1)のハウジング(21)の上部の1つの実施形態を寸法表示とともに示す。図5は、ワイヤレスホットスポットデバイス(1)のハウジング(21)の1つの実施形態を寸法とともに示す。ハウジング(21)は、デバイスを壁、天井、またはロッド上の台に取り付けるためにテーパ付き溝(22)をハウジングの底面上に有する。図6は、ワイヤレスホットスポットデバイス(1)のハウジングの1つの実施形態の断面を示す。図7は、ワイヤレスホットスポットデバイス(1)のハウジング(21)の下部を寸法表示とともに示す。
【0062】
図8a及び8bは、圧電PCB搭載モータ(15)の1つの実施形態を示す。図8aは、追加PCBの形態においてフレーム(16)を示す正面図であり、追加PCBは、留め具、例えば、ねじ(26)によってワイヤレスホットスポットデバイスのメインPCBに取り付けられ得る。PCBモータは、フレーム(16)に対して回転可能なディスク(23)を有する。この例では、ディスク(23)は、分割される内部リング(24)を有し、その下で圧電セラミックスが、リングを押し、それによってディスク全体も押すために使用される。圧電モータの機能は、当業者には明らかである。PCBモータ(15)は、その中にシャフトが取り付けられ得る穴(19)を有する。図8bは、PCBモータ(15)の側面図である。この図から、PCBモータのこの例は、正面のディスク(23)に固定接続された裏面上の第2のディスク(25)を有することが分かる。このPCBモータのためのワイヤレスホットスポットデバイスのメインPCBはねじ頭(26)とストッパ要素(27)との間に配置され得る。
【0063】
図9は、中空の剛性シャフト(30)内にスリップリング(29)を有するPCB(3)上に取り付けられた圧電PCB搭載モータの1つの実施形態を示す。スリップリング(29)は、スリップワイヤ(28)を有し、スリップワイヤ(28)は、例えば、ビバルディアンテナ(4)における開口部を通してPCB(3)に電力を送る。
【0064】
図10は、指向性ワイヤレスホットスポットデバイス(1)の1つの実施形態を示し、プリント回路基板(3)とハウジング(21)とが固定接続され、ハウジング(21)及びプリント回路基板(3)が平板形態の固定要素(31)に対して回転可能である。本実施形態では、指向性アンテナ(4)は、ハウジングの上部においてハウジング(21)に固定接続される。プリント回路基板(3)及び指向性アンテナ(4)は、本実施形態ではハウジングに対して固定接続されるため、プリント回路基板(3)及び指向性アンテナ(4)は、支持要素(35)によって支持され得る。外部USBワイヤレスモデム(32)は、本実施形態が外部ワイヤレスモデムを受信するように適合され得ることを示している。はめば歯車を有するギアモータ(15)は、指向性ワイヤレスホットスポットデバイス(1)を固定要素(31)に対して回転させるために、第2のはめば歯車(35)と係合する。さらに、アセンブリは、スリップリング(29)及びスリップワイヤ(28)を含む。
【0065】
図11は、並んで配置され、同一方向を向く2つのビバルディアンテナ(4)を備えるPCB(3)のMIMOバージョンを示す。このシステム内の各データストリームは、それ自体のビバルディアンテナ(4)、追加の無指向性アンテナ(36)、及びWi-Fiコンポーネント(11)を有する。PCBは、GPS(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0066】
図12は、指向性ワイヤレスホットスポットデバイス(1)を回転させるために、第2のはめば歯車(38)と係合するはめば歯車(39)に接続された電気DCモータ(15)を有する指向性ワイヤレスホットスポットデバイス(1)の1つの実施形態を示す。いくつかの電池(37)が、PCBサブシステムの一部でもある組立要素(40)上のPCBサブシステムに配置される。
【0067】
図13は、異なる角度からの図12の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス(1)を示す。
【0068】
図14は、テーパードスロットを有するビバルディアンテナ(4)のさらなる例を示し、アンテナ(4)は、円形PCBの前面上に取り付けられる。アンテナは、円形の切り抜き(20)を有する。追加の無指向性アンテナ(42)もある。ビバルディアンテナ(4)及び無指向性アンテナ(42)の両方が給電(43)を有する。PCBの中心に円形PCBを貫通する穴、及び回転可能なPCBサブシステムを保持するための接続要素(41)が存在する。
【0069】
発明のさらなる詳細
本発明は、ここで、以下の条項を参照してさらに詳細に説明される。
1.いくつかの分散型セルを有するモバイルネットワークにおける通信のための指向性ワイヤレスホットスポットデバイスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記デバイスが、
-プリント回路基板と、
-指向性アンテナと、
-磁力計などのコンパスと、
-GPS受信機などの地理測位デバイスと、
-前記プリント回路基板を前記指向性アンテナに略垂直な軸を中心として回転させるための、略平坦な圧電モータなどの電気モータと、
-3G/4G/LTE/5Gモデムなどのワイヤレスモデム、または外部ワイヤレスモデムを保持するように配置された、ソケットなどの保持要素と、
-ローカルデバイスとの通信用のWi-Fi回路などのローカル通信要素と、
-前記指向性アンテナを前記固定送受信機のうちの1つに向けるために、
〇前記コンパス及び地理測位デバイスからの方向及び位置データ、
〇前記固定送受信機の位置データ
に基づいて、方位回転角度を計算するように構成されたマイクロプロセッサと、
-ハウジングと、
を備える、前記指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0070】
2.前記アンテナ、前記コンパス、前記電気モータ、及び前記ワイヤレスモデムが、前記プリント回路基板上に取り付けられており、前記電気モータが、前記プリント回路基板に固定接続された第1のモータ部分と、前記ハウジングに固定接続された第2のモータ部分とを含む、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0071】
3.前記プリント回路基板及び前記ハウジングが、互いに対して回転可能である、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0072】
4.前記プリント回路基板、前記アンテナ、前記コンパス、前記地理測位デバイス、前記電気モータ、前記ワイヤレスモデム、前記ローカル通信要素、及び前記マイクロプロセッサが、PCBサブシステムを形成しており、前記PCBサブシステムが前記ハウジングに対して回転可能であるように、前記第1のモータ部分と前記第2のモータ部分とが回転可能に接続される、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0073】
5.前記アンテナが前記プリント回路基板上に取り付けられており、前記プリント回路基板と前記ハウジングとが固定接続されており、前記ハウジング及びプリント回路基板が、平板などのさらなる固定要素に対して水平に回転可能である、条項1に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0074】
6.前記電気モータが、前記プリント回路基板に固定接続されたプライマリモータ部分と、前記固定要素に固定接続されたセカンダリモータ部分と、を含む、条項5に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0075】
7.前記デバイスが、前記指向性ワイヤレスホットスポットデバイスの前記指向性アンテナ、及びUSBワイヤレスモデムなどの外部ワイヤレスモデムを使用して、基地局とワイヤレスで通信するように配置された、条項5~6のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0076】
8.SIMカードホルダをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0077】
9.eSIMまたはソフトSIMをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0078】
10.前記PCBサブシステムの最大高さが、20mm未満であり、15mm未満であることが好ましく、10mm未満であることがより好ましく、7mm未満であることがさらにより好ましい、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0079】
11.前記デバイスが、500MHz~60GHzの範囲内、または700~2600MHzの範囲内の周波数で動作するように構成された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0080】
12.前記モバイルネットワークが、モバイル電話ネットワーク、及び/または端末ネットワーク、及び/またはLTE方式のモバイルネットワーク、及び/または3G方式のモバイルネットワーク、及び/または5G方式のモバイルネットワークである、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0081】
13.前記指向性アンテナが、平面アンテナである、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0082】
14.前記指向性アンテナがビバルディアンテナであり、前記指向性アンテナが、両側が金属化された絶縁板からなることが好ましい、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0083】
15.前記指向性アンテナが、パラボラアンテナである、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0084】
16.少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0085】
17.前記指向性アンテナ及び前記少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナが、前記アンテナの多経路伝搬を活用することによって複数のデータ信号を受信及び/または送信するように構成された、条項16に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0086】
18.前記指向性アンテナ及び前記少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナが、ビバルディアンテナなどの平面アンテナである、条項16~17のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0087】
19.前記平面アンテナが前記プリント回路基板上に取り付けられており、前記平面アンテナが、前記プリント回路基板上に並んで配置されていることが好ましい、条項16~18のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0088】
20.前記指向性アンテナ及び前記少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナのそれぞれのための補助無指向性アンテナをさらに備える、条項16~19のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0089】
21.前記指向性アンテナ及び前記少なくとも1つのセカンダリ指向性アンテナのそれぞれのためのWi-Fi回路を備える、条項16~20のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0090】
22.前記ビバルディアンテナが、銅板などの金属板からなる、条項14に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0091】
23.前記指向性アンテナが、2mm未満または1mm未満の最大高さを有する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0092】
24.前記指向性アンテナが、5~30cm、または10~30cm、または10~20cmの長さを有する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0093】
25.前記指向性アンテナが、前記プリント回路基板の、上面または前面などの第1の面に取り付けられる、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0094】
26.前記指向性アンテナ及び前記プリント回路基板が、1つの集積要素を構成する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0095】
27.前記指向性アンテナが、好ましくは中空管形状である、給電線を含み、前記給電線は任意選択で前記プリント回路基板の穴を通して延びている、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0096】
28.前記ビバルディアンテナが、テーパードスロットを有する1つの金属板を含む、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0097】
29.前記ビバルディアンテナが、中間にテーパードスロットを定義する1つの金属板の1つの上部及び1つの下部を含み、前記上部及び下部が、前記テーパードスロットに略垂直なサブスロットを有する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0098】
30.前記ビバルディアンテナ及びプリント回路基板が前記プリント回路基板及びアンテナの中央に一致する穴を有し、ロッドが前記第2のモータ部分及び前記ハウジングを固定接続しており、前記ロッドが前記穴を通って延びている、条項28~29のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0099】
31.前記プリント回路基板が円形であり、前記アンテナが、前記プリント回路基板領域の少なくとも50%、または前記プリント回路基板領域の少なくとも60%、または前記プリント回路基板領域の少なくとも70%をカバーする、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0100】
32.電池及び/または供給電源をさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0101】
33.前記電池が、前記プリント回路基板上に取り付けられ、及び/または前記電池が前記PCBサブシステムの一部であり、前記PCBサブシステムが、前記PCBサブシステムの前記一部を保持するように構成された組立要素を含むことが好ましい、条項32に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0102】
34.前記電池及び/または供給電源が前記ハウジング上に取り付けられ、前記デバイスが、前記電池から前記プリント回路基板へ電力を伝送するための第1のスリップリングをさらに備える、条項32に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0103】
35.回転可能な前記プリント回路基板への/からの電気信号の伝送のための、少なくとも1つの追加のスリップリング(複数可)をさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0104】
36.前記デバイスが、360°または540°または720°などの事前定義された角度を超える前記アンテナの回転が防止されるように配置された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0105】
37.前記アンテナが、前記事前定義された角度に到達すると、逆方向に360°または前記事前定義された角度に対応する値だけ回転される、条項36に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0106】
38.前記事前定義された角度に対する位置が、前記マイクロコントローラによって制御される、条項36~37のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0107】
39.好ましくは前記ケーブルが前記事前定義された角度に対応する回転に抵抗し得るように、回転可能な前記プリント回路基板への/からの電気信号及び/または電力の伝送が、前記ケーブルの柔軟な配置によって提供される、条項36~38のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0108】
40.前記ローカル通信要素が、ワイヤレス通信要素である、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0109】
41.前記プリント回路基板上に取り付けられた、または前記プリント回路基板に固定接続された第1のワイヤレスコンポーネントと、前記ハウジングまたは前記固定要素上に取り付けられた第2のワイヤレスコンポーネントと、をさらに備え、2つの前記ワイヤレスコンポーネントがワイヤレスに通信する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0110】
42.イーサネット(登録商標)ポートなどのネットワークポートをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0111】
43.前記ネットワークポートが、データ及び電力の両方を前記ワイヤレスホットスポットデバイスに移送するように適合される、条項42に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0112】
44.前記ネットワークポートに接続された太陽電池をさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0113】
45.前記電気モータの前記第1の部分が、前記プリント回路基板上に取り付けられたフレームである、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0114】
46.前記フレームが、10~50mmまたは30~50mmの長さを有し、10~50mmまたは30~50mmの幅を有する、条項45に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0115】
47.前記電気モータの前記第2の部分が前記フレーム内部のリングであり、前記リングが前記フレームに対して回転可能である、条項45~46のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0116】
48.前記第2の部分が前記プリント回路基板に略平行な平板に固定接続されており、前記平板が前記ハウジングに固定された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0117】
49.前記電気モータが、処理ユニットによって制御される、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0118】
50.前記処理ユニットが、前記マイクロプロセッサである、条項49に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0119】
51.前記電気モータが、前記プリント回路基板の、下面または裏面などの第2の面に取り付けられた、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0120】
52.前記コンパスが、水平面内の前記指向性アンテナの前記方向に対応する基準方位を提供するように配置された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0121】
53.第2のコンパス、任意選択で第3のコンパスをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0122】
54.前記地理測位デバイスが、前記指向性アンテナのローカル位置を提供するように配置された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0123】
55.前記マイクロプロセッサが、前記電気モータを制御して、前記固定送受信機のうちの1つに向けられるように前記指向性アンテナを回転させるように構成された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0124】
56.前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンするセルに関連付けられた前記固定送受信機に対応する、条項55に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0125】
57.前記指向性アンテナが向けられるように構成された前記固定送受信機が、前記デバイスがキャンプオンする前記セルからの情報に基づいて動的に更新される、条項55~56のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0126】
58.ナビゲーション基準ユニットをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0127】
59.前記アンテナの方向の急変更を補償及び/またはハンドリングする際に前記コンパスを支援するためのジャイロをさらに備える、条項58に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0128】
60.前記デバイスのロール及び/またはピッチを測定するため、及び/または水平位置にない前記デバイスを補償するための加速度計をさらに備える、条項58~59のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0129】
61.前記ナビゲーション基準ユニットが、前記指向性アンテナのより正確な方向を取得するように、前記コンパス、前記地理測位デバイス、前記ジャイロ、及び前記加速度計からのデータをカルマンフィルタ処理するように構成されたる、条項58~60のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0130】
62.前記デバイスを水平位置に維持するためのジンバルをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0131】
63.前記ローカル通信要素をWi-Fiアンテナなどの外部アンテナに接続するためのコネクタをさらに備える、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0132】
64.前記ハウジングが、15cmの最大高さ、または12cmの最大高さ、または10cmの最大高さ、または5cmの最大高さを有する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0133】
65.前記ハウジングが、円筒形状またはテーパ付円筒形状などの略円形の水平断面を有する、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0134】
66.前記ハウジングは、前記ハウジングの底面に沿ってテーパ付きの溝を有し、前記テーパ付きの溝が、上方に延びる形状を有し、前記テーパ付きの溝が、前記デバイスを壁、天井、またはロッド上の台に取り付けるように構成された、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0135】
67.前記アンテナが、前記プリント回路基板の前記前面に取り付けられており、前記コンパス、前記地理測位デバイス、前記電気モータ、前記ワイヤレスモデム、前記ローカル通信要素、及び前記マイクロプロセッサが、前記プリント回路基板の前記裏面に取り付けられた、先行条項のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
【0136】
68.複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法であって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記方法が、
a)前記ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、前記ワイヤレス通信デバイスに関連付けられた前記セルのセルIDを識別するステップと、
b)前記セルIDに関連付けられた前記固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c)水平面内の前記指向性アンテナの前記方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d)前記指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e)前記固定送受信機の前記位置データ及び前記指向性アンテナの前記ローカル位置に基づいて、前記指向性アンテナと前記固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f)前記基準方位と前記指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g)計算された前記方位回転角度に基づいて、前記指向性アンテナを前記固定送受信機に向けて回転させるステップと、
h)連続して、または間隔をおいて、ステップa~gを繰り返すステップと、
を含む、前記ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法。
【0137】
69.前記ワイヤレス通信デバイスが、再選択プロセスにおいて、前記モバイルネットワークの新たなセルにキャンプオンするように更新され、前記セルID、対応する前記固定送受信機の位置データ、指向方位、及び方位回転角度が、前記新たなセル及び前記新たなセルの前記固定送受信機に向かって回転される前記指向性アンテナに基づいて更新される、条項68に記載のワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法。
【0138】
70.前記再選択プロセスが、前記固定送受信機の前記位置及び前記指向性アンテナの前記ローカル位置についての情報に基づく、条項68に記載のワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための方法。
【0139】
71.複数の分散型セルを有するモバイルネットワークにおいて、ワイヤレス通信デバイスの指向性アンテナを固定送受信機に自動的に向けるための初期化シーケンスであって、各セルが、少なくとも1つの固定送受信機によってカバーされ、前記方法が、
a)前記ワイヤレス通信デバイスがキャンプオンするセルであることが好ましいセルであって、前記ワイヤレス通信デバイスに関連付けられた前記セルのセルIDを識別するステップと、
b)前記セルIDに関連付けられた前記固定送受信機の位置データを取得または抽出するステップと、
c)水平面内の前記指向性アンテナの前記方向に対応する基準方位を取得するステップと、
d)前記指向性アンテナのローカル位置を取得するステップと、
e)前記固定送受信機の前記位置データ及び前記指向性アンテナの前記ローカル位置に基づいて、前記指向性アンテナと前記固定送受信機との間の指向方位を計算するステップと、
f)前記基準方位と前記指向方位との間の方位回転角度を計算するステップと、
g)計算された前記方位回転角度に基づいて、前記指向性アンテナを前記固定送受信機に向けて回転させるステップと、
を含む、前記初期化シーケンス。
【0140】
72.条項68~71のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成された、条項1~67のいずれか1項に記載の指向性ワイヤレスホットスポットデバイス。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14