(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】不動産管理支援システム、不動産管理支援プログラム、不動産管理支援方法及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220207BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20220207BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2019130093
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2021-03-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519255562
【氏名又は名称】日本デジコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】高木 智章
(72)【発明者】
【氏名】望月 利光
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165916(JP,A)
【文献】国際公開第2005/048147(WO,A1)
【文献】特開2007-122174(JP,A)
【文献】特開2013-003924(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121828(WO,A1)
【文献】特開平11-229679(JP,A)
【文献】特開2000-053341(JP,A)
【文献】特開2017-174237(JP,A)
【文献】特開2013-239103(JP,A)
【文献】米国特許第07113915(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援システムであって、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示手段と、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録手段と、を備え、
前記予定情報は、管理員予定及び来訪予定を含む複数の選択肢から選択される予定種別を含み、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記管理員予定及び来訪予定を異なる形態で表示するとともに、前記管理員予定に対する実績及び、前記来訪予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って、それぞれ予定と並べて表示する為に、前記予定情報及び実績情報を表示処理する、不動産管理支援システム。
【請求項2】
前記実績登録手段は、管理員又は来訪者の、前記施設への入場及び退場を示す情報の入力を受け付けて、前記実績情報として入場時刻及び退場時刻を前記データベースに登録し、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記入場時刻から前記退場時刻までの時間帯に、前記入場及び退場に対応する前記実績を表示する為に、前記実績情報を表示処理して処理結果を送信する、請求項1に記載の不動産管理支援システム。
【請求項3】
前記実績登録手段は、前記端末装置が備える撮影手段によって、入場時又は退場時に撮影された前記来訪者の画像を、前記入場又は退場を示す情報と共に取得して、前記実績情報として前記データベースに登録する、請求項2に記載の不動産管理支援システム。
【請求項4】
前記実績登録手段は、前記入場又は退場を示す情報とともに、入場者又は退場者を特定する情報の入力を受け付けて、前記実績情報として前記データベースに登録し、
前記表示手段は、前記入場者が前記管理員である場合に、スケジュール確認を含むメニュー画面を表示処理して処理結果を前記端末装置に送信し、前記メニュー画面において前記スケジュール確認が選択された場合に、当該管理員の当日の予定を含む前記スケジュール画面を表示処理して処理結果を送信する、請求項2又は請求項3に記載の不動産管理支援システム。
【請求項5】
前記入場者が管理員である場合に表示される前記メニュー画面は、業務報告を含み、
前記業務報告が選択された場合に、実施業務の内容を示す業務報告情報の入力を受け付けて、前記実績情報として前記データベースに登録する、業務報告手段を更に備える、請求項4に記載の不動産管理支援システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記施設の鍵を格納するキーボックスを備え、
前記データベースは、貸出対象者を指定した前記施設の鍵の貸出予定を記憶し、
入場者を特定する情報の入力を受け付け、当該入場者が前記貸出対象者であると判定された場合に、前記キーボックスのロックを解除する為の情報を送信する認証手段を更に備える、請求項1~5の何れかに記載の不動産管理支援システム。
【請求項7】
不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援プログラムであって、コンピュータを、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示手段と、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録手段と、として機能させ、
前記予定情報は、管理員予定及び来訪予定を含む複数の選択肢から選択される予定種別を含み、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記管理員予定及び来訪予定を異なる形態で表示するとともに、前記管理員予定に対する実績及び、前記来訪予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って、それぞれ予定と並べて表示する為に、前記予定情報及び実績情報を表示処理する、不動産管理支援プログラム。
【請求項8】
不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援方法であって、コンピュータに、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示ステップと、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録ステップと、を実行させ、
前記予定情報は、管理員予定及び来訪予定を含む複数の選択肢から選択される予定種別を含み、
前記表示ステップでは、前記スケジュール画面において、前記管理員予定及び来訪予定を異なる形態で表示するとともに、前記管理員予定に対する実績及び、前記来訪予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って、それぞれ予定と並べて表示する為に、前記予定情報及び実績情報を表示処理する、不動産管理支援方法。
【請求項9】
不動産の管理業務を支援する為に、管理対象の施設に設置される端末装置であって、
データベースに登録された予定情報に基づいて、前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する表示部と、
前記予定の実行を示す入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する為に、入力された情報を送信する送信手段と、を備え、
前記予定情報は、管理員予定及び来訪予定を含む複数の選択肢から選択される予定種別を含み、
前記表示部は、前記スケジュール画面において、前記管理員予定及び来訪予定を異なる形態で表示するとともに、前記管理員予定に対する実績及び、前記来訪予定に対する実績を、予定時刻及び前記
予定の実行時刻に従って、それぞれ予定と並べて表示する為に、前記予定情報及び実績情報を表示処理する、端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の管理業務を支援する為の、不動産管理支援システム、不動産管理支援プログラム、不動産管理支援方法及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の不動産管理においては、物件の管理に必要な管理員が常に不足している状態となっている。このような状況に対し、一人の管理員が複数の物件を巡回して管理を行うことで、管理に要する人手不足を解消するアイデアが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、作業員が複数の管理ビルを巡回して作業を行い、作業計画と作業実績の管理を行う、ビルの保守管理システムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、管理員及び清掃員の作業スケジュールを調整して、管理員及び清掃員が複数のマンションを巡回して管理業務・清掃を行うことにより、近隣地域内の管理業務を合理化して人件費を削減し、結果として居住者が支払う管理費を低減することができる集合住宅管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-228025号公報
【文献】特開2005-122625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような巡回型管理を行う上では、適切に管理業務を行う為に、スケジュールの管理が重要である。これに対し、特許文献1には、作業実績を登録することでタスク管理を行えることが記載されているが、作業計画と作業実績を比較して、スケジュールを確認することはできない。
【0007】
また、特許文献2には、作業画像を記録して作業実績を管理することが記載されているが、このような作業実績を作業の予定と比較してスケジュール管理を行うことはできない。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、管理業務に関する予定と、予定に対する実績を対比してスケジュール管理を行うことが出来る、新規な不動産管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する為に、本発明は、不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援システムであって、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示手段と、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録手段と、を備え、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記予定及び当該予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って並べて表示するように前記表示処理を行う。
【0010】
このような構成とすることで、管理業務に関する予定と、予定に対する実績とを、並べて確認することが出来る。これにより、予定と実績の相違、例えば作業の遅れ等を確認することができ、予定の見直し等に役立てることが出来る。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記予定情報は、管理員予定及び来訪予定を含む複数の選択肢から選択される予定種別を含み、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記管理員予定及び来訪予定を異なる形態で表示するとともに、前記管理員予定に対する前記実績及び、前記来訪予定に対する前記実績を、それぞれ前記予定と並べて表示する為に、前記予定情報及び実績情報を表示処理して処理結果を送信する。
このような構成とすることで、管理員予定と来訪予定とを明確に判別できる。これにより、管理員は自らの予定管理をより適切に行うことができ、また予定と実績に差が出た場合、例えば管理員の作業自体が長引いたのか、来訪予定の遅れにより管理員の作業が遅れたのか、等の原因の検討に役立てることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記実績登録手段は、管理員又は来訪者の、前記施設への入場及び退場を示す情報の入力を受け付けて、前記実績情報として入場時刻及び退場時刻を前記データベースに登録し、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記入場時刻から前記退場時刻までの時間帯に、前記入場及び退場に対応する前記実績を表示する為に、前記実績情報を表示処理して処理結果を送信する。
このような構成とすることで、入場時刻及び退場時刻をスケジュール画面において確認することができ、より明確に実績を理解することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記実績登録手段は、前記端末装置が備える撮影手段によって、入場時又は退場時に撮影された前記来訪者の画像を、前記入場又は退場を示す情報と共に取得して、前記実績情報として前記データベースに登録する。
このような構成とすることで、予約と異なる人物の入場の防止等、管理員の不在時の防犯対策に役立てることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記実績登録手段は、前記入場又は退場を示す情報とともに、入場者又は退場者を特定する情報の入力を受け付けて、前記実績情報として前記データベースに登録し、
前記表示手段は、前記入場者が前記管理員である場合に、スケジュール確認を含むメニュー画面を表示処理して処理結果を前記端末装置に送信し、前記メニュー画面において前記スケジュール確認が選択された場合に、当該管理員の当日の予定を含む前記スケジュール画面を表示処理して処理結果を送信する。
このような構成とすることで、施設に設置された端末装置を介して、管理員の当日の予定を示すスケジュール画面を表示することができる。これにより、管理員は当日に巡回すべき施設や行う作業等の予定を確認できる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記入場者が管理員である場合に表示される前記メニュー画面は、業務報告を含み、
前記業務報告が選択された場合に、実施業務の内容を示す業務報告情報の入力を受け付けて、前記実績情報として前記データベースに登録する、業務報告手段を更に備える。
このような構成とすることで、管理員は施設に設置された端末装置を介して業務報告を行うことができるため、業務報告の為の書類作成等の手間が削減できる。これにより、更に管理員の人員不足解消に貢献できる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記端末装置は、前記施設の鍵を格納するキーボックスを備え、
前記データベースは、貸出対象者を指定した前記施設の鍵の貸出予定を記憶し、
入場者を特定する情報の入力を受け付け、当該入場者が貸出対象者であると判定された場合に、前記キーボックスのロックを解除する為の情報を送信する認証手段を更に備える。
このような構成とすることで、管理員が施設に常駐しなくても、安全に鍵の貸出を行うことができる。
【0017】
本発明は、不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援プログラムであって、コンピュータを、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示手段と、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録手段と、として機能させ、
前記表示手段は、前記スケジュール画面において、前記予定及び当該予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って並べて表示するように前記表示処理を行う。
【0018】
本発明は、不動産の管理業務を支援する為の不動産管理支援方法であって、コンピュータに、
前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、データベースに登録された予定情報を表示処理して処理結果を送信する表示ステップと、
管理対象の施設に設置された端末装置を介して、前記予定の実行時刻を含む入力を受け付け、当該入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する実績登録ステップと、を実行させ、
前記表示ステップでは、前記スケジュール画面において、前記予定及び当該予定に対する実績を、予定時刻及び前記実行時刻に従って並べて表示するように前記表示処理を行う。
【0019】
本発明は、不動産の管理業務を支援する為に、管理対象の施設に設置される端末装置であって、
データベースに登録された予定情報に基づいて、前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する表示部と、
前記予定の実行を示す入力に基づいて実績情報を前記データベースに登録する為に、入力された情報を送信する送信手段と、を備え、
前記表示部は、前記スケジュール画面において、前記予定情報及び実績情報に基づき、前記予定及び当該予定に対する実績を、予定時刻及び実行時刻に従って並べて表示する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、管理業務に関する予定と、予定に対する実績を対比してスケジュール管理を行うことが出来る、新規な不動産管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの予定情報及び実績情報の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における不動産管理支援システムに管理員がログインした場合の処理の流れを示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における不動産管理支援システムのスケジュール確認推奨画面及びメニュー画面の表示例である。
【
図6】本発明の実施形態における不動産管理支援システムのスケジュール画面の表示例である。
【
図7】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの端末装置によって印刷される印刷物の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態における不動産管理支援システムのスケジュール画面の表示例である。
【
図9】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの業務報告画面の表示例である。
【
図10】本発明の実施形態における不動産管理支援システムの来訪者の入場時における処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本発明の不動産管理支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0023】
例えば、本実施形態では不動産管理支援システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0024】
本実施形態では、管理対象の施設に常駐する管理員を配置せずに、巡回管理員が複数の施設を巡回して管理業務を行う形態を示す。管理対象の各施設には端末装置が設置され、管理業務に用いられる。そして、本実施形態の不動産管理支援システムは、管理員が行っていた業務の一部を、端末装置を用いて代替することで、各施設に管理員が常駐する必要をなくし、複数の施設を巡回して管理業務を行うことで、人員不足の解消に貢献する。
【0025】
本発明において予定とは、管理員の業務に関する管理員予定及び、各施設への来訪予定を含む、施設の管理に関する様々な予定を指す。本実施形態では、このような予定に関する予定情報をデータベースに登録し、予定情報に基づいて画面表示等を行う。
【0026】
また、本発明において実績とは、予定に対する結果を表すものを指す。本実施形態では、予定の実行時刻として、管理対象の施設への入場時刻及び退場時刻を示す情報を含む実績情報を登録し、これにより実績の管理を行う。また、実績情報はこの他にも予定の実行結果に関する情報等を含んでいてよい。以下、管理員予定に対する実績を管理員実績、来訪予定に対する実績を来訪実績と呼ぶ。
【0027】
図1は、本実施形態の不動産管理支援システムの構成を示す図である。本実施形態の不動産管理支援システムは、予約情報や実績情報の管理を行うサーバ装置1と、各施設に設置される端末装置2(2a~2c)と、予定等の管理に係る種々の入出力を行う総合管理端末3と、複数の施設を巡回する管理員が使用する管理員端末4と、がネットワークNWを介して通信可能に構成される。
【0028】
ここでは、サーバ装置1、総合管理端末3及び管理員端末4を1台ずつ示すが、これらは任意の数だけ存在してよい。また、管理員端末4を備えない構成等としてもよい。
【0029】
図2は、本実施形態の不動産管理支援システムの機能ブロック図である。サーバ装置1は、データベースDBと通信可能に構成されており、表示手段11と、実績登録手段12と、業務報告手段13と、を備える。
【0030】
表示手段11は、予定と実績を時系列に示すスケジュール画面を表示する為に、予定情報及び実績情報を表示処理して、処理結果を端末装置2に送信する。また、本実施形態では、管理員端末4の要求に応じて、管理員端末4にも表示処理結果を送信する。
【0031】
実績登録手段12は、端末装置2を介して予定の実行時刻を含む入力を受け付け、実績情報をデータベースDBに登録する。本実施形態では、入場時刻及び退場時刻を含む入力を受け付け、これらを予定の実行時刻として実績情報を登録する。
【0032】
業務報告手段13は、端末装置2を介して、実施業務の内容を示す業務報告情報の入力を受け付けて、実績情報としてデータベースDBに登録する。本実施形態では、一般的な業務内容を予め登録しておき、その中から実施した業務を選択させることで入力を受け付ける。また、本実施形態では、一部の業務内容を予定情報として事前に登録しておき、その業務内容について「実施済」又は「未実施」を選択させることでも入力を受け付ける。
【0033】
サーバ装置1としては、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0034】
データベースDBは、予定情報や実績情報に加え、施設の情報や、管理員、施設に来訪する業者の情報を記憶する。
図3は、本実施形態においてデータベースDBが記憶する予定情報及び実績情報の一例を示す図である。
【0035】
図3(a)に示すように、本実施形態では、予定情報を特定する予定ID、対象の施設を示す施設ID、予定種別、管理員ID、来訪者ID、予定時刻(日時)及び内容を記憶する。予定種別としては、管理員予定及び来訪予定を含む選択肢から選択される、予定の種別が記憶される。管理員予定の場合には、対象の管理員を特定する管理員IDが記憶され、来訪予定である場合には、来訪者である業者を特定する来訪者IDが記憶される。予定情報は、総合管理端末3を介して入力される情報に基づいて、サーバ装置1がデータベースDBに登録する。
【0036】
同様に、実績情報としては、
図3(b)のように、実績情報を特定する予定ID、対象の施設を示す施設ID、実績種別、管理員ID、来訪者ID、日時及び内容を記憶する。実績種別としては、管理員実績又は来訪実績が記憶される。管理員実績の場合には、対象の管理員を特定する管理員IDが記憶され、来訪実績の場合には、来訪者である業者を特定する来訪者IDが記憶される。
【0037】
端末装置2は、表示部21と、送信手段22と、認証手段23と、撮影手段24と、キーボックス25と、入力部26と、読取部27と、印刷部28と、を備える。端末装置2としては、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークへの接続手段や、種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0038】
表示部21は、データベースDBに登録された予定情報に基づいて、前記管理業務に関する予定を時系列に示すスケジュール画面を表示する。本実施形態では、表示手段11が送信した表示処理結果に基づいて、スケジュール画面やメニュー画面を表示する。
【0039】
送信手段22は、予定の実行を示す入力に基づいて実績情報をデータベースDBに登録する為に、入力された情報をサーバ装置1に送信する。本実施形態では、入場及び退場を示す情報の入力を受け付けてサーバ装置1に送信し、実績登録手段12がこれに基づいて実績情報をデータベースDBに登録する。
【0040】
認証手段23は、入場者を特定する情報の入力を受け付け、当該入場者が鍵の貸出対象者であると判定された場合に、キーボックス25のロックを解除する為の情報を送信する。本実施形態では、事前に予約者を特定して鍵の貸出予定を登録し、予約者と入場者が一致した場合に、キーボックス25のロックを解除する為のパスワードを表示部21に表示する。なお、認証手段23をサーバ装置1が備え、端末装置2からの要求に応じて認証を行う構成としてもよい。
【0041】
撮影手段24は、入場時又は退場時に来訪者を撮影し、サーバ装置1に送信する。撮影手段24によって撮影された来訪者の画像は、実績登録手段12によって、来訪者の入場又は退場を示す情報と共に実績情報としてデータベースDBに登録される。
【0042】
キーボックス25は、施設の鍵を収納する、ロック付きの収納庫である。端末装置2が設置される施設の1又は複数の鍵を収納し、鍵の貸出時にロックが解除され、無人で鍵の貸出を行う。本実施形態では、パスワードの入力によってロックが解除されるが、例えば認証手段23と連携し、鍵の貸出予定の予約者と入場者が一致した場合にロックが解除されるようにしてもよい。
【0043】
入力部26は、端末装置2に対する入力を行う為のものである。本実施形態では、タッチパネルディスプレイを表示部21として用い、表示部21と入力部26を兼ねる構成とする。本実施形態では更に、入力部26としてマイクを含む受話器を備える。この他にも、例えばキーボード等を入力部26として、端末装置2が備える構成としてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、入居者、管理員、来訪者がそれぞれICカードを所有し、ICカードを読み取ることで個人を特定する。読取部27は、ICカードの情報を読み取り、サーバ装置1に送信する。これにより、入場者や退場者を特定して、実績情報を登録することができる。なお、この他にも、例えばユーザごとにIDとパスワードを事前に設定して入力させる等、入場者や退場者を一意に特定できる情報を任意に用いることができる。
【0045】
印刷部28は、予定を印刷する。本実施形態では、スケジュール画面において表示される予定を印刷することができる。また、この他にも、例えば入居者向けのお知らせ等を印刷してもよい。
【0046】
総合管理端末3は、管理員の予定を登録したり、実績を確認したりするための、種々の入出力を行う為の、入力手段31及び出力手段32を備える。総合管理端末3としては、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークへの接続手段や、種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0047】
管理員端末4は、管理員によって携帯され、スケジュール画面の表示等を行う為の、入力手段41及び出力手段42を備える。管理員端末4としては、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークへの接続手段や、種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置を利用することができる。本実施形態では、スマートフォンを利用することを想定する。
【0048】
なお、本発明は
図2の構成に限られるものではなく、任意に構成を変更してよい。例えば端末装置2が備える各手段の一部をサーバ装置1が備えるようにする等、任意の設計変更を行うことが可能である。
【0049】
本実施形態では、入居者、管理員及び来訪者などが各施設に設置される端末装置2を操作し、種々の入力を行う。端末装置2を利用する者は事前にデータベースDBに登録されており、端末装置2を介して利用者を特定する情報を入力してログインすることで、端末装置2を利用できる。
【0050】
本実施形態では、管理員が施設への入場時に端末装置2を利用してログインし、入場時刻が登録される。そして、管理員は一度ログアウトして当該施設における管理業務を行い、退場時には再度ログインして実施業務の内容を示す業務報告情報の入力を行う。送信手段22は、入力された情報をサーバ装置1に送信し、業務報告手段13が実績情報としてデータベースDBに登録する。また、この際に実績登録手段12は、送信手段22による情報の送信時刻を退場時刻として実績情報を登録する。
図4は、本実施形態において管理員が入場時にログインした場合の処理の流れを示す図である。
【0051】
まずステップS11において、管理員が端末装置2を介して入力を行い、ログインする。本実施形態では、読取部27が管理員のICカードを読み取り、読み取り結果をサーバ装置1に送信することで、管理員を特定する。この際に、端末装置2が設置された施設への入場を示す情報の入力が受け付けられ、実績登録手段12が、入場を示す情報の入力時刻を入場時刻としてデータベースDBに登録する。なお、当該施設への前回の入場後に、退場を示す情報が入力されていない(退場時刻が登録されていない)場合には、入場を記録しない構成とすることが好ましい。
【0052】
次にステップS12では、サーバ装置1が、当該管理員のその日のログインが初めてか否かを判定する。初回ログインではない(2回目以降のログインである)場合には、ステップS16に進んで管理員用のメニュー画面を表示する。初回ログインの場合には、ステップS13に進む。
【0053】
ステップS13では、スケジュール確認を推奨する為の情報を表示手段11が表示処理して処理結果を端末装置2に送信し、
図5(a)に示すようなスケジュール確認推奨画面W1を表示部21に表示する。スケジュール確認推奨画面W1は、メニューボタンW11及びスケジュール確認ボタンW12を備え、メニューボタンW11が選択されるとステップS16に進み、表示手段11が表示処理を行って処理結果を端末装置2に送信し、
図5(b)に示すようなメニュー画面W2が表示部21に表示される。
【0054】
メニュー画面W2は、スケジュール確認W21、掲示板W22、業務日報W23及び月次報告W24のメニューを表示しており、これらを選択することで各種の画面が表示される。掲示板W22が選択されると、例えば工事や点検の日程、注意喚起やイベントの情報等、端末装置2が設置されている施設の入居者等を対象とした情報が表示される。また、業務日報W23や月次報告W24のメニューが選択されると、日ごと、又は月ごとの業務報告を行う為の画面が表示される。また、本実施形態では更に、メニュー画面W2が表示部21に表示された状態で、端末装置2が備える受話器を上げると、管理センターとビデオ通話を行うことができる。
【0055】
ステップS14において、スケジュール確認ボタンW12が選択された場合(ステップS15)、又はメニュー画面W2においてスケジュール確認W21が選択された場合には、表示手段11が予定情報及び実績情報を表示処理し、スケジュール画面を表示する。
【0056】
図6は、本実施形態におけるスケジュール画面の一例を示す図である。スケジュール画面W3は、スケジュール表示部W31と、日付選択部W32と、戻るボタンW33と、印刷ボタンW34と、二次元コードW35と、を備える。
【0057】
スケジュール表示部W31には、日付選択部W32において選択された日におけるログインした管理員の予定が表示される。なお、本実施形態では、当日の予定がスケジュール表示部W31に初期表示され、日付選択部W32において他の日付が選択された場合に、当該日付の予定を表示するように表示を更新する。
【0058】
スケジュール表示部W31においては、予定及び実績が並んで時系列に表示されている。本実施形態では、入場時刻を開始時刻、退場時刻を終了時刻として扱い、これらを予定の実行時刻として、入場時刻から前記退場時刻までの時間帯に、入場及び退場に対応する実績を表示する。また、管理員予定、管理員実績、来訪予定及び来訪実績は、それぞれ異なる形態で表示されており、管理員予定と管理員実績、来訪予定と来訪実績は、それぞれ対応付けられて並べて表示される。
【0059】
また、本実施形態では、管理員予定及び来訪予定の他に、タスク及びイベントの登録が可能であり、これらもスケジュール画面W3において併せて表示される。
【0060】
また、戻るボタンW33が選択されるとメニュー画面W2が再び表示され、印刷ボタンW34が選択されると、表示中の日付の予定を印刷部28が印刷する。
図7は、本実施形態における予定の印刷物の一例を示す図である。このように、印刷物には日付、管理員名及び予定が記載され、予定については対象の施設、時間帯及び内容が記載される。
【0061】
二次元コードW35は、管理員向けのスマートフォン用Webサイト等のURL等の情報を表し、管理員端末4で読み取ることで、スケジュール画面W3と同様の内容を表示するWebサイトにアクセスできる。これにより、表示手段11がスケジュール画面W3を表示処理して、処理結果を管理員端末4に送信することで、管理員端末4においてもスケジュール画面W3を確認できる。なお、二次元コードW35を選択すると、端末装置2の表示部21に二次元コードW35が拡大表示される。
【0062】
また、
図8は、スケジュール画面W3の他の表示例である。このようにスケジュール表示部W31においては管理員予定及び管理員実績を時間帯と対応させて表示し、来訪予定はリスト表示等、別の形態で表示してもよい。
【0063】
また、管理員に表示されるスケジュール画面W3では、当該管理員の予定のみを表示するが、総合管理端末3においてスケジュール画面W3を表示する場合、管理対象の複数の施設の全体について予定を確認できる形態で表示することが好ましい。例えば、施設ごとに列を分けて予定を表示したり、同一画面上で複数の管理員の予定を、管理員ごとに列を分けて表示したりしてもよい。
【0064】
入場時のスケジュール確認等を終えると、管理員は一度ログアウトして管理業務を実行する。そして、本実施形態では、業務の完了後に管理員が再びログインし、端末装置2を介して業務報告を受け付ける。
【0065】
メニュー画面W2において業務日報W23が選択されると、
図9に示すような業務報告画面が表示される。業務報告画面W4においては、当日の予定やタスクが表示され、各項目について実施の有無を選択できる。業務報告画面W4において表示されるスケジュール予定とは、予定情報における内容として登録された項目であり、各項目について実施済又は未実施から選択することができる。業務報告画面W4は日付選択部W41を備えており、報告を行う対象の日付を選択できるが、当日の日付が初期設定され、通常は日付の変更は行わない。
【0066】
また、本実施形態では、
図9(b)に示すように、日常的に行われる業務内容について詳細な報告を行う為の詳細画面W5を表示し、入力を受け付ける。ここでは、点検業務、清掃業務、巡回業務のそれぞれについて詳細な入力を受け付ける。点検業務については、項目ごとに異常の有無の入力を受け付け、清掃業務については、清掃を行った箇所の選択及び清掃時間の入力を受け付ける。また巡回業務については、巡回を行った時刻の入力及び異常の有無の選択を受け付け、異常がある場合にはその内容の入力を受け付ける。
【0067】
以上のようにして、管理員は管理業務の開始及び完了の報告を、端末装置2を介して行うことができ、入力された情報に基づいて実績登録手段12及び業務報告手段13が実績情報をデータベースDBに登録する。
【0068】
次に、
図10を用いて、来訪者の入場時の流れについて説明する。まずステップS21において、来訪者がログインを行う。ログインは管理員と同様に行えばよく、本実施形態ではICカードの読み取りによってログインが行われる。
【0069】
来訪者のログインが完了すると、ステップS22において表示手段11が来訪人数の入力を受け付ける為の画面を表示処理して処理結果を端末装置2に送信し、表示部21において表示する。
【0070】
実績登録手段12が端末装置2を介して来訪人数の入力を受け付けると、ステップS23に進み、サーバ装置1が端末装置2を介して鍵の要否の選択を受け付ける。鍵が不要な場合にはステップS27に進んで撮影手段24が来訪者の撮影を行い、鍵が必要な場合にはステップS24で鍵の貸出予定の有無を確認する。本実施形態では、来訪予定の予定情報において鍵の要否が記憶されており、これを鍵の貸出予定として扱う。
【0071】
事前に当該来訪者による鍵の貸出予定がない場合にはステップS28に進み、管理センターとのビデオ通話が開始される。ここで端末装置2及び総合管理端末3を介してビデオ通話が行われ、管理センターにおいて鍵の貸出が認められると、キーボックス25のロックを解除する為の情報が送信され、来訪者に鍵が貸し出される。また、ビデオ通話の際には、撮影手段24による来訪者の撮影が行われる。
【0072】
ステップS24において鍵の貸出予定がある場合には、ステップS25において撮影手段24が来訪者を撮影し、撮影画像がサーバ装置1に送信される。そしてステップS26で、認証手段23がキーボックス25のロックを解除する為の情報を送信する。本実施形態では、認証手段23がキーボックス25のロックを解除する為のパスワードを表示部21に送信して表示部21においてパスワードが表示される。この他、例えば認証手段23がキーボックス25のロックを解除する為の情報をキーボックス25に送信し、ロックを解除する構成としてもよい。
【0073】
なお、ステップS25、S27及びS28においては、来訪者の人数分だけ撮影が行われる。例えば3名での来訪の場合には、撮影手段24が全員をそれぞれ撮影し、撮影画像がサーバ装置1に送信される。実績登録手段12は来訪者の画像を実績情報としてデータベースに登録する。これにより、実際に施設に来訪した人物の画像を記録することができ、防犯効果が期待できる。
【0074】
また、入場時の入力を終えると、来訪者は一度ログアウトして作業を実行する。そして、本実施形態では、作業の完了後に来訪者が再びログインし、端末装置2を介して退場を示す情報を受け付け、実績登録手段12が退場時刻を実績情報として登録する。この際に、鍵の貸出がある場合には、入場時と同様にキーボックス25のロックを解除する為のパスワードを表示部21に表示し、来訪者に鍵を返却させる。鍵が返却されたことを検知してサーバ装置1に送信し、データベースDBに登録することで、鍵の返却漏れや盗難が起きた際に、その原因となった来訪者を特定できる。
【0075】
以上のように、本発明によれば、管理業務に関する予定と、予定に対する実績を対比してスケジュール管理を行うことが出来る。特に本実施形態の不動産管理支援システムによれば、端末装置2を介して来訪者の受付及び記録を行うことができ、より効果的に巡回型管理を支援できる。
【符号の説明】
【0076】
1 サーバ装置
11 表示手段
12 実績登録手段
13 業務報告手段
2 端末装置
21 表示部
22 送信手段
23 認証手段
24 撮影手段
25 キーボックス
26 入力部
27 読取部
28 印刷部
3 総合管理端末
31 入力手段
32 出力手段
4 管理員端末
41 入力手段
42 出力手段
NW ネットワーク
DB データベース
W1 スケジュール確認推奨画面
W11 メニューボタン
W12 スケジュール確認ボタン
W2 メニュー画面
W21 スケジュール確認
W22 掲示板
W23 業務日報
W24 月次報告
W3 スケジュール画面
W31 スケジュール表示部
W32 日付選択部
W33 戻るボタン
W34 印刷ボタン
W35 二次元コード
W4 業務報告画面
W41 日付選択部
W5 詳細画面