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特許7019155ドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】ドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイス
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/10 20060101AFI20220207BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
A47J31/10
A47J31/46 117
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020203364
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2021176483
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054610
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0070827
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520483947
【氏名又は名称】ハンター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Hanter Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】(Anyang-dong)10, Jeonpa-ro 44beon-gil, Manan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チャンモク
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0188748(US,A1)
【文献】特表2012-524644(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173367(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324365(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0019466(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第104188516(CN,A)
【文献】米国特許第9808114(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆に対して液体を吐出するための吐出管を備える液体提供モジュールであって;
回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転する従動ギアと、前記従動ギアに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び
前記吐出管を並進軌跡内で一方向に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記弾性牽引部材により前記並進軌跡内で弾性的に偏向する前記吐出管の位置を前記並進軌跡内で前記一方向及び前記一方向に反対の他方向のいずれかに沿って調節するために前記ベースプレートに回転可能に設置され、その外周面には前記吐出管が接触される調節カムと、前記調節カムが前記吐出管に接触したまま回転されるように前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;を含み、
前記吐出管は、
前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら液体を吐出する、ドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項2】
前記アクチュエータは、
電気モータと、
前記モータの出力軸に設定され、前記従動ギアと噛み合う駆動ギアと、
を含み、
前記従動ギアは、
前記ベースプレートを囲むリング形状の回転胴体と、
前記回転胴体の外周面に形成される外周ねじ山と、
を含む、請求項1に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項3】
前記回転モジュールは、
貫通スロットをさらに含み、
前記吐出管は、
前記貫通スロットに挿入されて、前記ベースプレートの回転時に前記回転軌跡に沿って前記ベースプレートにより押されて移動する、請求項1に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項4】
前記媒介ユニットは、
前記ベースプレートの回転と無関係に固定された固定ギアと、
前記ベースプレートの回転に応じて前記固定ギアに噛み合って回転し、前記調節カムに連動する連動ギアと、
を含む、請求項1に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項5】
前記連動ギアは、
前記調節カムの回転速度を減速するために互いに順次噛み合われる複数の減速ギアを含む、請求項4に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項6】
前記回転モジュールは、
前記ベースプレートと異なるレベルに配置され、前記ベースプレートとともに前記調節カムを回転可能に支持する第1補助プレートと、
前記ベースプレートを基準に前記第1補助プレートの反対側に配置され、前記ベースプレートとともに前記連動ギアを回転可能に支持する第2補助プレートとをさらに含み、
前記吐出管は、
前記ベースプレート、前記第1補助プレート、及び前記第2補助プレートを貫通するように配置される、請求項4に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項7】
前記回転モジュールは、
前記従動ギア及び前記第2補助プレートをフレームに対して支持するための支持ベアリングと、
前記第1補助プレート及び前記第2補助プレートを前記ベースプレートに対して連結する連結棒と、をさらに含み、
前記支持ベアリングは、
前記従動ギア及び前記第2補助プレートと結合され、前記従動ギア及び前記第2補助プレートと共に回転するように配置される内輪と、
前記内輪を囲むように配置され、前記フレームに固定される外輪と、を含む、請求項6に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項8】
前記並進駆動ユニットは、
前記並進軌跡に沿って配置されて、前記吐出管を前記並進軌跡に沿って案内するガイドをさらに含む、請求項1に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項9】
装着部と、前記装着部を床面から離隔させる離隔部とを備えるフレーム;
温水を提供するボイラー;
前記装着部に設置され、温水をコーヒー豆が収容されたフィルタに向かって吐出する温水吐出デバイス;及び
前記ボイラー及び前記温水吐出デバイスを制御するための制御器;を含み、
前記温水吐出デバイスは、
前記ボイラーから温水が供給される流入管と、前記流入管に連通し、供給された温水を吐出するための吐出管とを備える液体提供モジュール;
回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転する従動ギアと、前記従動ギアに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び
前記吐出管を並進軌跡内で一方向に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記弾性牽引部材により前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を前記並進軌跡内で前記一方向及び前記一方向に反対の他方向のいずれかに沿って調節するために前記ベースプレートに回転可能に設置され、その外周面には前記吐出管が接触される調節カムと、前記調節カムが前記吐出管に接触したまま回転されるように前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;を含み、
前記制御器は、
前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御して、前記吐出管が前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら温水を吐出するようにする、ドリップコーヒーマシン。
【請求項10】
前記温水吐出デバイスは、
設定位置において前記吐出管の存在有無を感知するように構成される感知モジュールをさらに含み、
前記制御器は、
前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御する時に前記感知モジュールの感知結果を利用するように構成される、請求項9に記載のドリップコーヒーマシン。
【請求項11】
コーヒー豆に対して液体を吐出するための吐出管を備える液体提供モジュール;
回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転するメインシャフトと、前記メインシャフトに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び
前記吐出管を並進軌跡に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記メインシャフトに対して回転可能に設置されて前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を調節する調節カムと、前記調節カムの回転のために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットと、を備える並進モジュール;
を含み、
前記吐出管は、
前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら液体を吐出する、ドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項12】
前記回転モジュールは、
前記メインシャフトに設置される第1従動部材をさらに含み、
前記アクチュエータは、
電気モータと、
前記モータの出力軸に設置され、前記第1従動部材と連動する第1駆動部材とを含み、
前記第1従動部材と前記第1駆動部材のそれぞれは、
プーリとして構成される、請求項11に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項13】
前記回転モジュールは、
前記ベースプレートに形成される貫通スロットをさらに含み、
前記吐出管は、
前記貫通スロットに挿入されて、前記ベースプレートの回転時に前記回転軌跡に沿って前記ベースプレートにより押されて移動する、請求項11に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項14】
前記媒介ユニットは、
前記メインシャフトを囲むように配置され、前記調節カムが設置される回転カバーと、
前記回転カバーを前記メインシャフトに対して回転可能に支持するカバーベアリングと、
を含む、請求項12に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項15】
前記媒介ユニットは、
前記電気モータの出力軸に設置される第2駆動部材と、
前記回転カバーに設置され、前記第2駆動部材と連動する第2従動部材と、をさらに含む、請求項14に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項16】
前記回転モジュールは、
前記メインシャフトが設置されるマウントと、
前記マウントに設置されて、前記メインシャフトを回転可能に支持するシャフトベアリングと、
をさらに含む、請求項11に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項17】
前記液体提供モジュールは、
前記吐出管に連結されて前記吐出管に液体を供給する連結管をさらに含み、
前記連結管は、前記メインシャフト内を延長するように構成される、請求項11に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項18】
前記並進駆動ユニットは、
前記並進軌跡に沿って配置されて、前記吐出管を前記並進軌跡に沿って案内するガイドをさらに含む、請求項11に記載のドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイス。
【請求項19】
装着部と、前記装着部を床面から離隔させる離隔部とを備えるフレーム;
温水を提供するボイラー;
前記装着部に設置され、温水をコーヒー豆が収容されたフィルタに向かって吐出する温水吐出デバイス;及び
前記ボイラー及び前記温水吐出デバイスの作動を制御するための制御器;
を含み、
前記温水吐出デバイスは、
前記ボイラーから温水が供給される流入管と、前記流入管に連通し、供給された温水を吐出するための吐出管とを備える液体提供モジュール;
回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転するメインシャフトと、前記メインシャフトに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び
前記吐出管を並進軌跡に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記メインシャフトに対して回転可能に設置されて、前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を調節する調節カムと、前記調節カムの回転のために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;
を含み、
前記制御器は、
前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御して、前記吐出管が前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら前記ボイラーから供給された温水を吐出させる、ドリップコーヒーマシン。
【請求項20】
前記温水吐出デバイスは、
設定位置において前記吐出管の存在有無を感知するように構成される感知モジュールをさらに含み、
前記制御器は、
前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御する時に前記感知モジュールの感知結果を利用するように構成される、請求項19に記載のドリップコーヒーマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動でドリップコーヒーを作るために使用されるドリップコーヒーマシンとそれに使用される液体吐出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ドリップコーヒー(Drip Coffee)とは、コーヒー抽出方式の1つであって、コーヒー豆をグラインドしてフィルタに入れた後、お湯をコーヒー豆の上からゆっくり注いでフィルタを通過させてコーヒーが一滴ずつ落下して(drip)抽出されるものである。
【0003】
ドリップコーヒーは、使用者が直接やかんを使用してコーヒー豆の入ったフィルタに温水を注ぐのが一般的であるが、最近は、大量のドリップコーヒーを素早く抽出するためのドリップコーヒーマシンが開発されている。
【0004】
ドリップコーヒーが製造される過程で、温水はスパイラル(spiral)な軌跡に沿ってコーヒー豆に対して吐出される。スパイラルな軌跡をマシンにおいて実現するためには、X軸及びY軸に沿った移動軌跡を組み合わせることが通常である。
【0005】
その場合、X軸モーションのためのモータ(第1モータ)とY軸モーションのためのモータ(第2モータ)などの2つ以上のモータが使われるので、2つ以上のモータに電気を供給することが複雑になる問題がある。その理由は、一部分が第1モータにより移動されるが、当該部分に設置されて他の部分を移動させる第2モータに対する電源供給に障害が発生するためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、外部入力が必要なアクチュエータを1つだけ使用してもスパイラルな液体吐出軌跡を作り出すことができる、ドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を実現するための本発明の一側面によるドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイスは、コーヒー豆に対して液体を吐出するための吐出管を備える液体提供モジュール;回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転する従動ギア、前記従動ギアに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び前記吐出管を並進軌跡に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を調節する調節カムと、前記調節カムの回転のために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;を含み、前記吐出管は、前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら液体を吐出することができる。
【0008】
本発明の他の一側面によるドリップコーヒーマシンは、装着部と、前記装着部を床面から離隔させる離隔部とを備えるフレーム;温水を提供するボイラー;前記装着部に設置され、温水をコーヒー豆が収容されたフィルタに向かって吐出する温水吐出デバイス;及び前記ボイラー及び前記温水吐出デバイスを制御するための制御器;を含み、前記温水吐出デバイスは、前記ボイラーから温水が供給される流入管と、前記流入管に連通され、供給された温水を吐出するための吐出管とを備える液体提供モジュール;回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転する従動ギアと、前記従動ギアに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び前記吐出管を並進軌跡内で一方向に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記弾性牽引部材により前記並進軌跡内で弾性的に偏向する前記吐出管の位置を前記並進軌跡内で前記一方向及び前記一方向に反対の他方向のいずれかに沿って調節するために前記ベースプレートに回転可能に設置され、その外周面には前記吐出管が接触する調節カムと、前記調節カムが前記吐出管と接触したまま回転するようにするために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;を含み、前記制御器は、前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御して、前記吐出管が前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら温水を吐出させる。
【0009】
本発明のまた他の一側面によるドリップコーヒーマシン用の液体吐出デバイスは、コーヒー豆に対して液体を吐出するための吐出管を備える液体提供モジュール;回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転するメインシャフトと、前記メインシャフトに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは、回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び前記吐出管を並進軌跡に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記メインシャフトに対して回転可能に設置されて前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を調節する調節カムと、前記調節カムの回転のために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットとを備える並進モジュール;を含み、前記吐出管は、前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら、液体を吐出する。
【0010】
本発明のまた他の一側面によるドリップコーヒーマシンは、装着部と、前記装着部を床面から離隔させる離隔部とを備えるフレーム;温水を提供するボイラー;前記装着部に設置され、温水をコーヒー豆が収容されたフィルタに向かって吐出する温水吐出デバイス;及び前記ボイラー及び前記温水吐出デバイスの作動を制御するための制御器;を含み、前記温水吐出デバイスは、前記ボイラーから温水が供給される流入管と、前記流入管に連通され、供給された温水を吐出させるための吐出管と、を備える液体提供モジュール;回転力を発生させるためのアクチュエータと、前記回転力を受けて回転するメインシャフトと、前記メインシャフトに連結されて回転するベースプレートとを備え、前記ベースプレートは回転時に前記吐出管を回転軌跡に沿って移動させるように構成される、回転モジュール;及び前記吐出管を並進軌跡に沿って弾性的に偏向させる弾性牽引部材を備える並進駆動ユニットと、前記メインシャフトに対して回転可能に設置されて前記並進軌跡内で弾性的に偏向される前記吐出管の位置を調節する調節カムと、前記調節カムの回転のために前記アクチュエータから発生した前記回転力を前記調節カムに伝達する媒介ユニットと、を備える並進モジュール;を含み、前記制御器は、前記回転モジュール及び前記並進モジュールを制御して、前記吐出管が前記回転軌跡及び前記並進軌跡が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら前記ボイラーから供給された温水を吐出させる。
【発明の効果】
【0011】
前記のように構成される本発明によるドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイスによれば、液体提供モジュールの吐出管は回転モジュールにより回転軌跡に沿って移動され、並進モジュールにより並進軌跡に沿って移動して最終的にそれらが組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら液体を吐出するが、回転モジュールにおいて回転力を発生させるアクチュエータは従動ギアを経てベースプレートを回転させ、並進モジュールは弾性的に吐出管を偏向させる並進駆動ユニットに加えて前記回転力により吐出管の並進軌跡内の位置が調節されるようにする調節カムと媒介ユニットを有するようになって、外部入力が必要な駆動源は1つのアクチュエータのみから構成されるようになる。
【0012】
また、他の実施形態においては、液体提供モジュールの吐出管は、回転モジュールにより回転軌跡に沿って移動され、並進モジュールにより並進軌跡に沿って移動して最終的にそれらが組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら液体を吐出するが、回転モジュールにおいて回転力を発生させるアクチュエータは、メインシャフトとそれに連結されたベースプレートを回転させ、並進モジュールは、弾性的に吐出管を偏向させる並進駆動ユニットに加えて前記回転力により吐出管の並進軌跡内の位置が調節されるようにする調節カムと媒介ユニットを有するようになって、外部入力が必要な駆動源は1つのアクチュエータのみから構成されるようになる。
【0013】
さらに、アクチュエータの回転力をメインシャフトや調節カムに伝達するための構成としてはプーリとベルトが利用され、その場合、それらの作動による騒音発生が最小化する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるドリップコーヒーマシン100に対する斜視図である。
図2図1のドリップコーヒーマシン100に対する制御ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による液体吐出デバイス200を一方向から見た斜視図である。
図4図3の液体吐出デバイス200を他の方向から見た斜視図である。
図5図3の液体吐出デバイス200を一方向から見た切断斜視図である。
図6図3の液体吐出デバイス200を他の方向から見た切断斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態による液体吐出デバイス300を一方向から見た斜視図である。
図8図7の液体吐出デバイス300を他の方向から見た斜視図である。
図9図7の液体吐出デバイス300を一方向から見た切断斜視図である。
図10図7の液体吐出デバイス300を他の方向から見た切断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態によるドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイスについて、添付の図面を参照して詳細に説明する。本明細書においては、異なる実施形態でも同一・類似の構成に対しては同一・類似の参照番号を付与し、その説明は最初の説明に代える。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるドリップコーヒーマシン100に対する斜視図であり、図2は、図1のドリップコーヒーマシン100に対する制御ブロック図である。
【0017】
本図面を参照すると、ドリップコーヒーマシン100は、フレーム110、液体吐出デバイス130、支持台150、制御器170、及びボイラー190を含む。
【0018】
フレーム110は、全体的な骨組みをなす構成であって、それには液体吐出デバイス130などが設定される。フレーム110は、装着部111とサポート部115から構成される。サポート部115は、装着部111が床面から離隔するようにする構成であって、高さ方向に沿って配置される柱であり得る。サポート部115は、本実施形態において一対として例示されているが、1つだけで備えられてもよい。このような装着部111とサポート部115は、金属材質又はプラスチック材質などで製作されてもよい。
【0019】
液体吐出デバイス130は、フレーム110に内蔵されて、グラインドされたコーヒー豆に向かって液体を吐出する構成である。ここで、液体は水であり、より具体的にはコーヒー抽出に適した温度の温水であり得る。液体吐出デバイス130は、グラインドされたコーヒー豆を収容するフィルタF及びそのフィルタFを経て抽出されるコーヒーを収容する容器Cに対応して複数備えられてもよい。複数の液体吐出デバイス130はそれぞれ独立的に作動する。
【0020】
支持台150はフィルタFや容器Cを支持するための構成である。支持台150の1つである第1支持台151はフィルタFを支持するための構成である。容器Cは、第2支持台155により支持される。第2支持台155は、第1支持台151の下側に配置される。第1支持台151にはフィルタFを経てコーヒーが通過する貫通孔が形成されてもよい。また、フィルタFはその貫通孔に挿入配置されてもよい。第1支持台151と第2支持台155は、両方とも備えられないか、いずれか1つのみが備えられてもよい。支持台150が備えられていない場合は、床面に容器Cを置き、その上にフィルタFを置いて使用してもよい。
【0021】
制御器170は液体吐出デバイス130などを制御するための構成である。制御器170の作動に関しては、使用者入力部181、通信モジュール183、メモリ185などがさらに備えられてもよい。使用者入力部181は、フレーム110などに設置されて使用者の命令の入力のためのキーパッドやタッチスクリーン、又は音声認識モジュールなどであり得る。これとは異なり、通信モジュール183は、使用者のスマートフォンM又はタブレットなどの電子機器と通信して、電子機器を介して使用者の命令が入力される構成である。メモリ185は、コーヒー豆の種類や状態に応じて液体吐出デバイス130が液体を吐出するモードに関するプログラムを格納する構成である。
【0022】
ボイラー190は液体吐出デバイス130に提供するための温水を作る構成である。ボイラー190は、フレーム110に内蔵されてもよいが、フレーム110と分離して外部に備えられてもよい。フレーム110がカフェのテーブルの上に置かれている場合、ボイラー190はテーブルの下側に配置されてもよい。その場合、ボイラー190と液体吐出デバイス130を連結する液体管はサポート部115を介して装着部111に延長されてもよい。ドリップコーヒーマシン100が使用される環境に別途の温水供給施設があるか、温水でない冷水でドリップする場合であれば、ボイラー190はドリップコーヒーマシン100の構成から除外されてもよい。
【0023】
このような構成によれば、使用者は、使用者入力部181やスマートフォンMによりコーヒー豆の種類や状態を入力するか、それに合う作動モードを入力する。制御器170は、そのような入力に対応して、メモリ185に格納されたプログラムを参照して、ボイラー190及び液体吐出デバイス130を作動させる。
【0024】
具体的に、ボイラー190により設定温度の温水が用意されると、制御器170は、液体吐出デバイス130を作動させてその温水がフィルタFに向かって吐出されるようにする。その場合、液体吐出デバイス130は、ほぼスパイラル(spiral)な吐出軌跡に沿って移動しながらフィルタFに入ったコーヒー豆に対して温水を吐出する。
【0025】
グラインドされたコーヒー豆を濡らす温水はフィルタFを通過しながら容器Cに向かって一滴ずつ落下する。それにより、容器Cにはドリップコーヒーが集まる。
【0026】
以下、前述した液体吐出デバイス130について具体的に説明する。以下では、液体吐出デバイスの図面符号は便宜上200にする。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による液体吐出デバイス200を一方向から見た斜視図であり、図4は、図3の液体吐出デバイス200を一方向から見た切断斜視図であり、図5は、図3の液体吐出デバイス200を一方向から見た切断斜視図であり、図6は、図3の液体吐出デバイス200を他方向から見た切断斜視図である。
【0028】
本図面を参照すると、液体吐出デバイス200は、液体提供モジュール210、回転モジュール240、並進モジュール270、及び感知モジュール290を含む。
【0029】
液体提供モジュール210はボイラー(図2の190)から液体、具体的には水(温水)の供給を受けてフィルタF(図1を参照)に入ったコーヒー豆に提供する構成である。液体提供モジュール210は、具体的に、吐出管211、流入管213、連結管215、供給弁217、及び流量計219を有する。吐出管211は、液体提供モジュール210の末端に位置し、フィルタFに対面してそれに対して温水を吐出する部分である。流入管213は、吐出管211の反対側の末端に位置して、ボイラー190から生成された温水を受け入れる部分である。連結管215は、流入管213と吐出管211を連結して温水が流れる部分である。供給弁217と流量計219は連結管215に設置され、それぞれ温水を断続するか温水の流量を計測する構成である。このような供給弁217と流量計219は、制御器170(図2を参照)に連結されて、その制御を受けて作動する。
【0030】
回転モジュール240は、吐出管211を回転軌跡(R)に沿って移動させるための構成である。回転モジュール240は、アクチュエータ241、従動ギア245、ベースプレート251、及び支持ベアリング261などを含む。
【0031】
アクチュエータ241は外部から入力を受けて回転力を発生させる構成である。アクチュエータ241は具体的に電気モータ242を有する。電気モータ242は、電気的入力により作動し、その出力軸には駆動ギア243が装着される。さらに、電気モータ242はブラケット244に設置されるが、前記ブラケット244はフレーム110の装着部111(図1を参照)に設置されてもよい。それにより、電気モータ242はフレーム110に固定的に設置される。
【0032】
従動ギア245は、電気モータ242の回転力の伝達を受ける構成であり、具体的には、駆動ギア243と噛み合うギアである。従動ギア245は、リング形状の回転胴体246と、回転胴体246の外周面に形成される外周ねじ山247とから形成される。この外周ねじ山247が駆動ギア243のねじ山と噛み合われる。
【0033】
ベースプレート251は、従動ギア245の回転に連動して回転するとともに、吐出管211を回転軌跡(R)に沿って移動させる構成である。ベースプレート251はほぼ円形に形成されて、従動ギア245により囲まれるように配置されてもよい。ベースプレート251はまた、従動ギア245と同一の平面をなすように、それと同一のレベルに位置してもよい。さらに、本図面の例示とは異なり、従動ギア245とベースプレート251は1つの単一部材として形成されてもよい。
【0034】
また、ベースプレート251に加えて、第1補助プレート253と第2補助プレート255がさらに備えられてもよい。それらは、それぞれベースプレート251と異なるレベルに配置されてもよい。具体的には、第1補助プレート253がベースプレート251の下側に配置され、第2補助プレート255はベースプレート251の上側に配置されてもよい。これらはベースプレート251と共に、後述する調節カム275又は連動ギア281を回転可能に支持する。
【0035】
これらのプレート251、253、255には貫通スロット257が形成される。貫通スロット257は、プレート251、253、255にそれぞれ形成されるもの257a、257b、257cであって、互いに対応する位置に形成される。貫通スロット257は、並進軌跡(D)に沿って配列される長孔状に形成されてもよい。吐出管211は、このような貫通スロット257に挿入されて、ベースプレート251、第1補助プレート253、及び第2補助プレート255を貫通するように配置される。このように吐出管211が貫通スロット257に挿入されることにより、ベースプレート251の回転時に吐出管211はそれに押されて回転軌跡(R)に沿って移動するようになる。しかしながら、貫通スロット257に挿入される方式でなくても、吐出管211はベースプレート251の回転に押されて移動されることができる。
【0036】
支持ベアリング261は、フレーム110(図1を参照)に対して従動ギア245とベースプレート251などを回転可能に支持するための構成である。支持ベアリング261は、互いに対して相対回転するように連結される内輪262と外輪263から構成される。内輪262はその上面により従動ギア245に連結され、その下面により第1補助プレート253に連結される。内輪262は従動ギア245及び第1補助プレート253と共に回転するようになる。それに対して、外輪263はフレーム110に結合されたまま固定された状態となる。ここで、内輪262が外輪263よりも高いレベルに位置して、回転する従動ギア245が外輪263と摩擦しなくなる。
【0037】
支持ベアリング261により従動ギア245と第1補助プレート253が連結されるとき、第1補助プレート253、ベースプレート251、第2補助プレート255間の連結は連結棒267、268により行われる。連結棒267、268は高さ方向に沿って配置されるロッド(rod)の形状であり、連結棒267は第1補助プレート253をベースプレート251に対して連結し、連結棒268はベースプレート251を第2補助プレート255に対して連結する。
【0038】
並進モジュール270は、並進駆動ユニット271、調節ユニット275、及び媒介ユニットを含む。
【0039】
並進駆動ユニット271は、吐出管211を並進軌跡(D)に沿って外部の入力、具体的に電気的入力なしで移動させる構成である。並進駆動ユニット271は、例えば、吐出管211を並進軌跡(D)に沿う一方向に弾性的に偏向させる弾性牽引部材272を有する。弾性牽引部材272は、一端部がベースプレート251に連結され、他端部が吐出管211に設置されたブラケット221に連結されるコイルばねであってもよい。弾性牽引部材272による吐出管211の移動は貫通スロット257内で行われ、また、ガイド273により案内される。ガイド273は、例えば、LMガイドであって、貫通スロット257aの側方に並進軌跡(D)に沿って配置されてもよい。
【0040】
調節ユニット275は、並進軌跡(D)内において一方向に偏向する吐出管211の位置を調節するための構成である。調節ユニット275は、具体的に、その回転軸がベースプレート251と第1補助プレート253にそれぞれ回転可能に支持されるカムであり得る。調節カム275は、その外周面が吐出管211、具体的にはそれに設置されたベアリング223と接触するように配置されてもよい。このために、吐出管211は、調節カム275がなす平面に交差する方向、具体的には、ベースプレート251に垂直な方向に沿って配置されてもよい。
【0041】
調節カム275は、自体的に外部入力を受けて作動するものではなく、例えば、電気モータ242により発生した回転力で作動する。これは、前記回転力を調節カム275に伝達する前記媒介ユニットにより可能となる。前記媒介ユニットは、固定ギア277と連動ギア281を有する。
【0042】
固定ギア277は従動ギア245の上側に離隔配置され、従動ギア245及びベースプレート251の回転と無関係に固定された構成である。固定ギア277はリング状に形成された固定胴体278と、その内周面に形成された内周ねじ山279とから構成される。固定胴体278は装着台265により支持され、その装着台265はフレーム110(図1を参照)に設置されてもよい。
【0043】
連動ギア281は固定ギア277と噛み合うギアである。具体的には、連動ギア281の回転軸は、ベースプレート251と第2補助プレート255に両端部が回転可能に支持される。連動ギア281のねじ山が固定ギア277の内周ねじ山279に噛み合われることにより、ベースプレート251の回転時に連動ギア281は固定ギア277と噛み合って回転する。この連動ギア281はまた、調節カム275に連動する。このために、連動ギア281の回転軸に設置されたプーリ282と調節カム275の回転軸に設置されたプーリ276はベルト283に連結される。
【0044】
ここで、連動ギア281は1つのギアではなく複数のギアからなり、調節カム275の回転速度を減速することができる。その場合、連動ギア281である減速ギアは、互いに順次噛み合われ、ギア比が相異なる複数のギアであり得る。
【0045】
感知モジュール290は設定位置に吐出管211が存在するか否かを感知する構成である。このために、感知モジュール290は、設定位置に位置するセンサ291と、センサ291が設置されるマウント295を有する。センサ291は吐出管211との距離を感知する距離センサであってもよい。マウント295は固定ギア277に設置される。センサ291により吐出管211が設定位置に位置していると把握される場合、制御器170(図2を参照)はそれを利用して回転モジュール240と並進モジュール270を制御する。
【0046】
このような構成によれば、制御器170は、必要な量の温水を吐出するために供給弁217を開放する。また、制御器170は、電気モータ242を作動させて回転力を発生させ、その回転力が駆動ギア243と従動ギア245を経て、ベースプレート251、第1補助プレート253及び第2補助プレート255を回転させる。ベースプレート251が回転することにより、貫通スロット257に挿入された吐出管211はベースプレート251に押されて回転軌跡(R)に沿って移動する。
【0047】
また、弾性牽引部材272は、電気モータ242の作動と関係なく、自体の弾性力により吐出管211を貫通スロット257内で一方向に沿って偏向させる。このような状態で、調節カム275は、電気モータ242から発生した回転力により回転しながら、調節カム275の外周面に接触される吐出管211を並進軌跡(D)内で前記一方向、又は前記一方向に反対の他方向に位置を調節する。調節カム275の回転は、ベースプレート251の回転によりそれに設置された連動ギア281が固定ギア277に噛み合って回転し、その連動ギア281が調節カム275と連動することにより行われる。
【0048】
それにより、吐出管211は、回転軌跡(R)及び並進軌跡(D)が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら、コーヒー豆に温水を吐出する。前記吐出軌跡はスパイラルな形態を有し、前記設定位置から開始して外側に回転された後に再び内側に回転されて前記設定位置に戻る。吐出管211が前記設定位置に位置するか否かは、センサ291により制御器170に入力される。
【0049】
制御器170は、設定されたモーションにより設定された温水を吐出管211が吐出した場合、供給弁217を閉じる。設定流量の温水が吐出されているか否かは流量計219により把握される。
【0050】
以上とは異なる形態の液体吐出デバイスについて図7ないし図10を参照して説明する。
【0051】
図7は、本発明の他の実施形態による液体吐出デバイス300を一方向から見た斜視図であり、図8は、図7の液体吐出デバイス300を一方向から見た切断斜視図であり、図9は、図7の液体吐出デバイス300を一方向から見た切断斜視図であり、図10は、図7の液体吐出デバイス300を他方向から見た切断斜視図である。
【0052】
本図面を参照すると、液体吐出デバイス300は、液体提供モジュール310、回転モジュール340、並進モジュール370、及び感知モジュール390を含む。
【0053】
液体提供モジュール310は、ボイラー190(図2を参照)から温水の供給を受けてフィルタF(図1を参照)に入ったコーヒー豆に向かって吐出するための構成である。液体提供モジュール310は、具体的に、吐出管311、流入管313、連結管315、供給弁317、及び流量計319を有する。吐出管311は、液体提供モジュール310の末端に位置し、フィルタFを対面してそれに対して温水を吐出する部分である。流入管313は、吐出管311の反対側の末端に位置して、ボイラー190から提供される温水を受け入れる部分である。連結管315は、流入管313と吐出管311を連結して温水が流れる部分である。供給弁317と流量計319は連結管315に設置され、それぞれ温水を断続するか温水の流量を計測する。このような供給弁317と流量計319は、制御器170(図2を参照)に連結されて、その制御を受けて作動する。
【0054】
回転モジュール340は、吐出管311を回転軌跡(R)に沿って移動させるための構成である。回転モジュール340は、アクチュエータ341、メインシャフト345、ベースプレート351、及びマウント357などを含む。
【0055】
アクチュエータ341は外部から入力を受けて回転力を発生させる構成である。アクチュエータ341は具体的に電気モータ342を有する。電気モータ342は電気的入力により作動し、その出力軸には第1駆動部材343が装着される。
【0056】
メインシャフト345は、電気モータ342の出力軸とほぼ平行に配置され、また電気モータ342の回転力を受けて回転する構成である。このために、メインシャフト345には第1従動部材346が設置される。第1従動部材346は、第1駆動部材343と同様に、プーリとして構成されてもよい。その場合、これらは第1ベルト347により互いに連動される。これと異なり、第1駆動部材343及び第1従動部材346は、互いに回転力を伝達するための構成であれば他のものも可能であり、一例として、それぞれ互いに直接又は間接的に噛み合うギアであってもよい。
【0057】
ベースプレート351はメインシャフト345に接続されてそれと共に回転しながら、吐出管311を回転軌跡(R)に沿って移動させる構成である。ベースプレート351はほぼ円形の板で形成され、第1従動部材346とほぼ平行に配置される。さらに、ベースプレート351はメインシャフト345の下部に連結される。
【0058】
ベースプレート351には貫通スロット353が形成される。貫通スロット353は並進軌跡(D)に沿って配列される長孔状に形成されてもよい。吐出管311はこのような貫通スロット353に挿入されて、ベースプレート351を貫通するように配置される。このように吐出管311が貫通スロット353に挿入されることにより、ベースプレート351の回転時に吐出管311はそれに押されて回転軌跡(R)に沿って移動する。しかしながら、貫通スロット353に挿入される方式でなくても、吐出管311はベースプレート351の回転に押されて移動されることができる。
【0059】
マウント357は、メインシャフト345が回転可能に設置される構成である。このために、マウント357にはメインシャフト345を回転可能に支持するシャフトベアリング359が設置される。シャフトベアリング359はメインシャフト345の上部を囲むように配置される。
【0060】
メインシャフト345の中には連結管315が延長される。その場合、連結管315は、メインシャフト345の外側の固定部315aとメインシャフト345内に位置する回転部315bとに区分される。固定部315aと回転部315bとの間の相対回転可能な連結のために、マウント357には連結キャップ361が設置される。連結キャップ361は固定部315aの端部と回転部315bの端部が互いに当接するようにそれらを収容する。さらに、回転部315bの端部はシーリング部材315cにより囲まれて、固定部315aと回転部315bとの間から液体が漏れることを防止する。
【0061】
マウント357はフレーム110(図1を参照)に固定的に設置される。例えば、フレーム110に設置される柱(図示せず)が備えられ、そのような柱にマウント357が固定的に支持される。このようなマウント357にはアクチュエータ341の電気モータ342も固定設置される。
【0062】
並進モジュール370は、並進駆動ユニット371、調節ユニット375、及び媒介ユニットを含む。
【0063】
並進駆動ユニット371は、吐出管311を並進軌跡(D)に沿って別途の外部入力、具体的に電気的入力なしに移動させる構成である。並進駆動ユニット371は、例えば、吐出管311を並進軌跡(D)に沿う一方向に弾性的に偏向させる弾性牽引部材372を有する。弾性牽引部材372は、一端部がベースプレート351に連結され、他端部は吐出管311が設置されたブラケット321に連結されるコイルばねであってもよい。弾性牽引部材372による吐出管311の移動は貫通スロット353内で行われ、また、ガイド373により案内される。ガイド373は、例えば、LMガイドであり、貫通スロット353の側方に並進軌跡(D)に沿って配置される。
【0064】
調節ユニット375は、並進軌跡(D)内において一方向に偏向する吐出管311の位置を調節するための構成である。調節ユニット375は、具体的に、ベースプレート351とマウント357の間に配置される調節カムであり得る。調節カム375はメインシャフト345に相対回転可能に設置される。具体的には、メインシャフト345にはそれを囲むように回転カバー383が設置される。回転カバー383は、カバーベアリング385によりメインシャフト345に対して回転可能に支持される。このような回転カバー383が調節カム375の中心を貫通するように配置され、それらが互いに結合される。
【0065】
調節カム375は、その外周面が吐出管311、具体的には、それが連結されたブラケット321に設置された接触部材323と接触するように配置される。このために、接触部材323は、調節カム375がなす平面に交差する方向、具体的にはベースプレート351に垂直な方向に沿って配置される。
【0066】
調節カム375は、自体的に外部入力を受けて作動するものではなく、例えば、電気モータ342により発生した回転力で作動する。これは、前記回転力を調節カム375に伝達する前記媒介ユニットにより可能となる。前記媒介ユニットは、前述した回転カバー383及びカバーベアリング385に加えて、第2駆動部材377と第2従動部材381を有する。
【0067】
第2駆動部材377は、電気モータ342の出力軸に設けられるものであり、第1駆動部材343と同一の回転力を受けるようになる。
【0068】
第2従動部材381は、第2駆動部材377と連動し、回転カバー383に設置される。第2従動部材381は、第2駆動部材377と共にプーリとして形成されてもよい。その場合、それらは第2ベルト379により互いに連動する。さらに、第2駆動部材377は、第1駆動部材343より小さい直径を有する。それにより、第2ベルト379は第1ベルト347に比べて張力が不足する場合があり、これは張力調節ユニット380により調節される。張力調節ユニット380は第2ベルト379と接触される調節ローラ380aを有する。調節ローラ380aはマウント357に設置されたブラケット380bに回転可能に装着される。
【0069】
感知モジュール390は、設定位置に吐出管311、具体的には、それにブラケット321を介して連結された接触部材323が存在するか否かを感知する構成である。このために、感知モジュール390は、設定位置に位置するセンサ391と、センサ391が設置されるブラケット(図示せず)とを有する。センサ391は接触部材323との距離を感知する距離センサであってもよい。ブラケット(図示せず)はフレーム110(図1を参照)に設置されてもよい。センサ391により吐出管311が設定位置に位置していることが把握されると、制御器170(図2を参照)はそれを利用して回転モジュール340と並進モジュール370を制御する。
【0070】
このような構成によれば、制御器170は、必要な量の温水を吐出するために供給弁317を開放する。また、制御器170は、電気モータ342を作動させて回転力を発生させ、その回転力が第1駆動部材343と第1従動部材346を経て、また、メインシャフト345を介して、ベースプレート351を回転させる。ベースプレート351が回転することにより、貫通スロット353に挿入された吐出管311はベースプレート351に押されて回転軌跡(R)に沿って移動する。
【0071】
また、弾性牽引部材372は、電気モータ342の作動と関係なく、自体の弾性力により吐出管311を貫通スロット353内で設定位置に偏向させる。このような状態で、調節カム375は電気モータ342から発生した回転力により回転しながら、吐出管311を並進軌跡(D)内で位置調節する。調節カム375の回転は、電気モータ342の回転に応じてその出力軸に結合された第2駆動部材377が第2従動部材381を回転させ、その第2従動部材381が回転カバー383を介して調節カム375と連動することにより行われる。
【0072】
それにより、吐出管311は、回転軌跡(R)及び並進軌跡(D)が組み合わされた吐出軌跡に沿って移動しながら、コーヒー豆に温水を吐出する。前記吐出軌跡はスパイラルな形態を有し、前記設定位置から開始して外側に回転された後に再び内側に回転されて前記設定位置に戻る。吐出管311が前記設定位置に位置するか否かは、センサ391を介して制御器170(図2を参照)に入力される。
【0073】
制御器170は、吐出管311が設定されたモーションにより設定された温水を吐出した場合、供給弁317を閉じる。設定流量の温水が吐出されているか否かは流量計319により把握される。
【0074】
前記のようなドリップコーヒーマシン及びそれに使用される液体吐出デバイスは、前述した実施形態の構成と作動方式に限定されるものではない。前記実施形態は、各実施形態の全部又は一部が選択的に組み合わされて様々な変形ができるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100:ドリップコーヒーマシン
110:フレーム
130、200、300:液体吐出デバイス
150:支持台
170:制御器
190:ボイラー
210、310:液体提供モジュール
211、311:吐出管
240、340:回転モジュール
241、341:アクチュエータ
245:従動ギア
251:ベースプレート
270、370:並進モジュール
271、371:並進駆動ユニット
277:固定ギア
281:連動ギア
290、390:感知モジュール
345:メインシャフト
351:ベースプレート
375:調節カム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10