(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
(51)【国際特許分類】
E04B 1/00 20060101AFI20220207BHJP
E03B 3/03 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
E04B1/00 502Z
E03B3/03 B
(21)【出願番号】P 2021145119
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2021-09-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502145830
【氏名又は名称】美藤 雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤町子
(72)【発明者】
【氏名】北村知世
(72)【発明者】
【氏名】横畑直世
【審査官】新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】特許第3771937(JP,B2)
【文献】特開2008-082037(JP,A)
【文献】特開平09-302770(JP,A)
【文献】特開昭53-148839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E04B 2/56
E04B 2/86
E03B 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクであって、構築物に沿って仮設の架台を成した架台の上で、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凹溝を設けた床盤成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、床盤成型板材の蟻溝に、両端に蟻ホゾ加工した複数の床盤用板セパを均等間隔に差し込んで、梯子状に組固定して成る梯子状の床盤成型部材を、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凸加工をした床盤連結板材を用いて、交互に連結固定して成る床盤型枠を、構築物の壁にビスで固定して成る雨水タンク下部の床盤型枠に排水管を取付けて、前記雨水タンク下部の床盤型枠の上に、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に複数のダボ穴を設けた壁の成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、壁の成型板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の壁用板セパを均等間隔に差し込み、梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材で、雨水タンクの枠組みをした梯子状の壁型枠枠を構築物の壁にビスで固定して、ダボ木を用いて複数段組積固定して成る雨水タンクの型枠躯体、該雨水タンクの型枠躯体に雨水導入管と給水管を取付けて成る、前記雨水タンクの型枠躯体の上に、前記梯子状の床盤成型部材の下部を、前記床盤連結板材で交互に連結固定して成る、コンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠に、点検マンホールを設けて、前記コンクリートの打設開口部からコンクリートを打設して、コンクリートの凝固養生後に、前記仮設の架台を解体してコンクリートの雨水タンクとすることを特徴とする構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
【請求項2】
請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを、雨水タンク上下の床盤型枠と壁型枠で包むことで、該雨水タンク上下の床盤型枠と雨水タンクの壁型枠が、雨水タンク躯体内外の断熱材となり、寒冷地にも適応できるコンクリートの雨水タンクとなることを特徴とする構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
【請求項3】
請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを構築物の壁に固定することで、雨水タンクの架台や設置場所が不要になることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
【請求項4】
請求項1記載のコンクリート
の雨水タンクの構築物から、吐出している3面に手摺又は落下防止柵を設けることで、コンクリート貯水タンク上がバルコニー又はフラワーボックスとして利用できることを特徴とする、請求項1~3
のいずれか1項に記載の構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅に設置する雨水タンクは、竪樋から雨水を採り入れる樹脂で成型した貯水容量の少ない、雨水タンクで地盤面の架台上に設置固定されている。他方、狭い敷地に雨水タンクを設置することで通路の機能を損なう設置が大半である。
【0003】
地盤面に設置する貯水容量の少ない雨水タンクは、水圧も小さいために使用範囲が限定されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
住宅に設置する雨水タンクには次の課題があった。
〇樹脂で成型した雨水タンクは凍結する地域が多くある課題。
〇狭い敷地に雨水タンクを設置することで通路の機能を損なう課題。
〇狭い敷地に大容量の雨水タンクを設置することが困難である課題。
〇地盤面に設置する貯水容量の少ない雨水タンクは、水圧が小さいため使用範囲が限定される課題。
【0007】
災害が多発する我が国に於いて水の蓄えは特に大切である。他方、洪水の抑制活用や雨水の有効活用、さらに、インフラ停止時でも水が使える備えとして、全ての住宅に大容量の雨水タンクが安価に設置できる新しい貯水タンクが求められている。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みて、雨水タンクの低価格化と全ての住宅に大容量の雨水タンクを備えることで、インフラ停止時でも大量に水が使える構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクであって、構築物に沿って仮設の架台を成した架台の上で、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凹溝を設けた床盤成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、床盤成型板材の蟻溝に、両端に蟻ホゾ加工した複数の床盤用板セパを均等間隔に差し込んで、梯子状に組固定して成る梯子状の床盤成型部材を、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凸加工をした床盤連結板材を用いて、交互に連結固定して成る床盤型枠を、構築物の壁にビスで固定して成る雨水タンク下部の床盤型枠に排水管を取付けて、前記雨水タンク下部の床盤型枠の上に、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に複数のダボ穴を設けた壁の成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、壁の成型板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の壁用板セパを均等間隔に差し込み、梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材で、雨水タンクの枠組みをした梯子状の壁型枠枠を構築物の壁にビスで固定して、ダボ木を用いて複数段組積固定して成る雨水タンクの型枠躯体、該雨水タンクの型枠躯体に雨水導入管と給水管を取付けて成る、前記雨水タンクの型枠躯体の上に、前記梯子状の床盤成型部材の下部を、前記床盤連結板材で交互に連結固定して成る、コンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠に、点検マンホールを設けて、前記コンクリートの打設開口部からコンクリートを打設して、コンクリートの凝固養生後に、前記仮設の架台を解体してコンクリートの雨水タンクとすることを特徴とする構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク(請求項1)を提供する。
【0010】
請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを、雨水タンク上下の床盤型枠と壁型枠で包むことで、該雨水タンク上下の床盤型枠と雨水タンクの壁型枠が、雨水タンク躯体内外の断熱材となり、寒冷地にも適応できるコンクリートの雨水タンクとなることを特徴とする構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク(請求項2)を提供する。
【0011】
請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを構築物の壁に固定することで、雨水タンクの架台や設置場所が不要になることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク(請求項3)を提供する。
【0012】
請求項1記載のコンクリート貯水タンクの構築物から、吐出している3面に手摺又は落下防止柵を設けることで、コンクリート貯水タンク上がバルコニー又はフラワーボックスとして利用できることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンク(請求項4)を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の特筆すべき大きな効果を列挙する。
イ)雨水タンクの架台が不要であるとともに設置場所を必要としない効果。
ロ)形状や寸法が自由設計によって容易に雨水タンクが造れる効果。
ハ)鉄筋を必要としないコンクリートの雨水タンクが造れる効果。
二)暖寒冷地対応可能なコンクリートの雨水タンクが造れる効果。
ホ)インフラ停止時に大量の水が使える雨水タンクが容易に造れる効果。
へ)既存の木造住宅でも迅速且つ安価に雨水タンクが容易に造れる効果。
ト)地震・浸水災害時に転倒して使用できなくなることがない効果。
チ)自然環境に優しいコンクリートの雨水タンクが容易に造れる効果。
リ)全国の住宅や構築物に、コンクリートの雨水タンクを設置することで、豪雨災害や水不足が解消できる多大な効果と集中豪雨に備えた貯水池の役割効果。
【0014】
以上で説明したように、請求項1に係る発明によれば、構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクであって、構築物に沿って仮設の架台を成した架台の上で、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凹溝を設けた床盤成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、床盤成型板材の蟻溝に、両端に蟻ホゾ加工した複数の床盤用板セパを均等間隔に差し込んで、梯子状に組固定して成る梯子状の床盤成型部材を、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凸加工をした床盤連結板材を用いて、交互に連結固定して成る床盤型枠を、構築物の壁にビスで固定して成る雨水タンク下部の床盤型枠に排水管を取付けて、前記雨水タンク下部の床盤型枠の上に、板材の板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に複数のダボ穴を設けた壁の成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、壁の成型板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の壁用板セパを均等間隔に差し込み、梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材で、雨水タンクの枠組みをした梯子状の壁型枠枠を構築物の壁にビスで固定して、ダボ木を用いて複数段組積固定して成る雨水タンクの型枠躯体、該雨水タンクの型枠躯体に雨水導入管と給水管を取付けて成る、前記雨水タンクの型枠躯体の上に、前記梯子状の床盤成型部材の下部を、前記床盤連結板材で交互に連結固定して成る、コンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠に、点検マンホールを設けて、前記コンクリートの打設開口部からコンクリートを打設して、コンクリートの凝固養生後に、前記仮設の架台を解体してコンクリートの雨水タンクとすることで、低価格な雨水タンクが迅速に造れる大きな効果が得られる。さらに、国産木材の大量消費が可能になり疲弊する山村林業を活性化できる大きな効果が得られる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを、雨水タンク上下の床盤型枠と壁型枠で包むことで、該雨水タンク上下の床盤型枠と雨水タンクの壁型枠が、雨水タンク躯体内外の断熱材となり、寒冷地にも適応できるコンクリートの雨水タンクとなる効果は多大である。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、請求項1記載のコンクリートの雨水タンクを構築物の壁に固定することで、大容量の雨水タンクが狭い通路や路地の通行を、妨げることなく容易に構築できる効果は大きい。他方、壁に固定するコンクリートの雨水タンクを、全ての住宅や構築物に取付ければ水不足は解消できる効果は多大である。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、請求項1記載のコンクリート雨水タンクの構築物から、吐出している3面に手摺又は落下防止柵を設けることで、コンクリート貯水タンク上がバルコニー又はフラワーボックスとして利用できるなどによって、全国の新旧の住宅に大容量の雨水タンクの設置が推進できる効果は多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態は添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る壁に固定するコンクリートの雨水タンクの断面詳細図。
図2は、
図1に示したB部の横断面詳細図。
図3は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面詳細図。
図4は、
図3に示したC部の横断面詳細図。
図5は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面図。
図6は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の外観図。
図7は、雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の断面図。
図8は、雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の外観図。
図9は、床盤型枠の断面拡大図。
図10は、雨水タンクの床盤型枠の断面拡大図。
図11は、格子状の壁成型部材の断面拡大図。
図12は、格子状の壁成型部材の拡大鳥瞰図。
図13は、格子状の床盤成型部材の拡大鳥瞰図。
図14は、床盤連結部材の拡大鳥瞰図。
図15は、壁用板セパの拡大鳥瞰図。
図16は、床盤用板セパの拡大鳥瞰図。
図17は、
図1・
図3に示したA部の拡大断面図。
図18は、雨水タンクの壁躯体の断面拡大図である。
【0019】
本発明の実施形態を図面で説明すれば、
図1は、構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクであって、構築物に沿って仮設の架台15を成した架台の上で、板材1の板面中央に蟻溝2を設けて、両小端面中央に凹溝3を設けた床盤成型板材4を、間隔を開けて2枚を並置して、床盤成型板材4の蟻溝2に、両端に蟻ホゾ加工した複数の床盤用板セパ5を均等間隔に差し込んで、梯子状に組固定して成る梯子状の床盤成型部材6を、板材1の板面中央に蟻溝2を設けて、両小端面中央に凸加工をした床盤連結板材7を用いて、交互に連結固定して成る床盤型枠Aを、構築物の壁20にビス14で固定して成る雨水タンク下部の床盤型枠Bに排水管10を取付けて、前記雨水タンク下部の床盤型枠Bの上に、板材1の板面中央に蟻溝2を設けて、両小端面中央に複数のダボ穴11を設けた壁の成型板材12を、間隔を開けて2枚を並置して、壁の成型板材12の蟻溝2に両端に蟻ホゾ加工した複数の壁用板セパ13を均等間隔に差し込み、梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材28で、雨水タンクの枠組みをした梯子状の壁型枠枠Fを構築物の壁20にビス14で固定して、ダボ木29を用いて複数段組積固定して成る雨水タンクの型枠躯体G、該雨水タンクの型枠躯体Gに雨水導入管16と給水管9を取付けて成る、前記雨水タンクの型枠躯体Gの上に、前記梯子状の床盤成型部材6の下部を、前記床盤連結板材7で交互に連結固定して成る、コンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠Hに、点検マンホール17を設けて、前記コンクリートの打設開口部からコンクリート18を打設して、コンクリート18の凝固養生後に、前記仮設の架台15を解体してコンクリートの雨水タンクDを成す、本発明に係る壁に固定するコンクリートの雨水タンクの断面詳細図である。
【0020】
【0021】
図3は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面詳細図である。
【0022】
【0023】
図5は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面図である。
【0024】
図6は、雨水タンクをバルコニーに活用した場合の外観図である。
【0025】
図7は、雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の断面図である。
【0026】
図8は、雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の外観図である。
【0027】
【0028】
図10は、雨水タンクの床盤型枠の断面拡大図である。
【0029】
【0030】
【0031】
図13は、格子状の床盤成型部材の拡大鳥瞰図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
以上、図面について説明したが、本発明は、従来の樹脂やステンレス鋼板などで造る、地上へ設置する雨水タンクの欠点が改善できるとともに、高度な技能も必要としない大容量の雨水タンクが迅速且つ安価に構築できる。他方、全国の住宅や全ての構築物に、インフラ停止時でも水が使える大容量のコンクリートの雨水タンクを提供するものである。
【0038】
また、本発明で使用する板材やセパ材は我が国の木材を使用することから、全国市町村の疲弊する山村林業の活性化に貢献ができる。
梯子状の壁用成型部材の凡例(1)
【0039】
板材30mm×120mm×3,000mmの板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に凹溝を設けた床盤成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、床盤成型板材の蟻溝に、両端に蟻ホゾ加工した複数の床盤用板セパ30mm×120mm×60mmを均等間隔に差し込んで、梯子状に組固定して成る梯子状の床盤成型部材。
【床盤連結板材の凡例】
【0040】
板面中央に蟻溝を設け、両側面に凸加工をした
図16に示す30mm×120mm×3,000mmの床盤連結板材。
梯子状の壁用成型部材の凡例(2)
【0041】
板材30mm×120mm×3,000mmの板面中央に蟻溝を設けて、両小端面中央に複数のダボ穴を設けた壁の成型板材を、間隔を開けて2枚を並置して、壁の成型板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の壁用板セパ
図15に示す30mm×60mm×60mmを均等間隔に差し込み、梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材。
【実施例1】
【0042】
「壁に固定するコンクリートの雨水タンクの実施例」
壁に固定するコンクリートの雨水タンクであって、構築物に沿って仮設の架台15を成した架台の上で、梯子状の壁用成型部材6と床盤連結板材7を用いて、交互に連結して、雨水タンク下部の床盤型枠Bを成して排水管を取付ける、該雨水タンク下部の床盤型枠Bを構築物の壁20にビス14で固定して、前記雨水タンク下部の床盤型枠Bの上に、梯子状の壁用成型部材28をダボ木29で組積して、雨水タンクの壁型枠躯体Eを成す過程において、1段毎に構築物の壁20にビス14で固定して、雨水導入管と給水管9を取付けて成る雨水タンクの壁型枠躯体E、該壁型枠躯体Eの上に、前記梯子状の床盤成型部材6の下部を、前記床盤連結板材7で交互に連結固定して成る、コンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠Aに、点検マンホール17を設けて、前記コンクリートの打設開口部からコンクリート18を打設して、コンクリート18の凝固養生後に、前記仮設の架台15を解体して、コンクリートの雨水タンクDを成す、本発明に係る壁に固定するコンクリートの雨水タンク。
他方、
図1に示したコンクリートの雨水タンクDの上は、フラワーボックスとしての利用が可能である。
【実施例2】
【0043】
「
図3・4に示したコンクリートの雨水タンクの実施例」
図3・4に示したコンクリートの雨水タンクDの上は、手摺を設けてバルコニーとして、利用ができるようにしたものである。
【0044】
なお、この発明において、実施例や図面に示した寸法や各部材は、一例を示したものであり、同様の機能を果たす公知の他の寸法部材に置き換えることは可能である。例えば、成型用板材の板厚やセパ板の寸法は強度によって自由に設定できる。また、梯子状に固定した成型部材の大きさも自由に設定ができる。さらに、木材に代わる材料など強度が得られるものであれば発明を支障なく実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
伐採適齢期を迎えている戦後に植栽された杉や檜の植樹林は、外国産木材によって間伐放棄・森林放棄されて、国産木材の価値は下がり利用されていないのが現状である。しかしながら、国土の63%を占めている森林の木材は植栽と植樹を繰り返すことで、尽きることのない我が国の宝の資源であり、国産木材を消費拡大することは行政の重要課題であるとともに、地方創成の要であることは周知の通りである。本発明の構築物の壁に固定するコンクリートの雨水タンクに使用する板材は、国産木材を主材としたもので、壁に固定するコンクリートの雨水タンクが普及することによって、疲弊する山村林業の活性化に多大に貢献できる。さらに、壁に固定するコンクリートの雨水タンク普及によって、洪水の抑制や雨水の有効活用に繋がる効果など我が国の防災化にも大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明に係る壁に固定するコンクリートの雨水タンクの断面詳細図。
【
図3】雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面詳細図。
【
図5】雨水タンクをバルコニーに活用した場合の断面図。
【
図6】雨水タンクをバルコニーに活用した場合の外観図。
【
図7】雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の断面図。
【
図8】雨水タンクをフラワーボックスに活用した場合の外観図。
【符号の説明】
【0047】
1. 板材
2. 蟻溝
3. 凹溝
4. 床盤成型板材
5. 床盤用板セパ
6. 梯子状の床盤成型部材
7. 床盤連結板材
8. ビス
9. 給水管
10. 排水管
11. ダボ穴
12. 壁の成型板材
13. 壁用板セパ
14. ビス
15. 仮設の架台
16. 雨水導入管
17. 点検マンホール
18. コンクリート
19. 外壁
20. 壁
21. サッシ
22. 軒樋
23. 竪樋
24. 脱落防止板
25. 手摺
26. 屋根
27. 基礎
28. 格子状の壁成型部材
29. ダボ木
A、床盤型枠
B、雨水タンク下部の床盤型枠
C, 雨水タンクの壁型枠
D, コンクリートの雨水タンク
E, 壁型枠躯体
F, 壁型枠枠
G, 雨水タンクの型枠躯体
H, 雨水タンク上の床盤型枠
【要約】 (修正有)
【課題】雨水タンクが安価且つ容易に造れる、壁に固定するコンクリートの雨水タンクを提供する。
【解決手段】仮設の架台の上で、2枚の床盤成型板材と床盤用板セパで、梯子状の床盤成型部材をなし、床盤成型板材を用いて交互に連結固定して成る床盤型枠を、構築物の壁に固定して成る雨水タンク下部の床盤型枠に、給水管と排水管10を取付けて、前記雨水貯水タンク下部の床盤型枠の上に、蟻溝を設けて両小端面に複数のダボ穴を設けた壁の成型板材を並置して、壁用板セパで梯子状に組固定して成る梯子状の壁成型部材を、構築物の壁にビスで組積固定して成る雨水タンクの壁型枠の側面に雨水導入管を取付けて、梯子状の床盤成型部材と前記床盤成型板材で成るコンクリートの打設開口部を設けた雨水タンク上の床盤型枠に、点検マンホール17を設けてコンクリートを打設して凝固養生後に、前記仮設の架台を解体してコンクリートの雨水タンクとすることができる。
【選択図】
図1