(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】バレエ衣装
(51)【国際特許分類】
A41D 13/00 20060101AFI20220207BHJP
A41D 13/02 20060101ALI20220207BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20220207BHJP
【FI】
A41D13/00 105
A41D13/02
A41D1/00 Z
(21)【出願番号】P 2017189498
(22)【出願日】2017-09-29
【審査請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】513035461
【氏名又は名称】株式会社ジーマックス
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 夏海
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-089411(JP,U)
【文献】特開平03-260104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00
A41D 13/02
A41D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上半身に着用する上半身衣装部と、下半身に着用する下半身衣装部と、
前記下半身衣装部の表面を覆う下半身装飾衣装部と、を備え、
着用する人物の胴回りに位置する前記下半身衣装部の上端付近の外表面
に、接着部材である第1の接着部材と第2の接着部材とがそれぞれ環状に設けられており、前記第1の接着部材が前記第2の接着部材よりも上方に位置し、
前記第1の接着部材は、前記上半身衣装部の下端付近の内表面に設けられた接着部材に接着され、前記第2の接着部材は、前記下半身装飾衣装部の上端付近の内表面に設けられた下半身装飾衣装部用の接着部材に接着されるよう構成されている、
バレエ衣装。
【請求項2】
請求項
1に記載のバレエ衣装であって、
前記第1の接着部材の幅は、前記第2の接着部材の幅よりも広く形成されている、
バレエ衣装。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載のバレエ衣装であって、
前記上半身衣装部は、当該上半身衣装部の所定箇所を装飾する上半身装飾衣装部を備え、
前記上半身衣装部の所定箇所の外表面と、前記上半身装飾衣装部の装飾面とは反対側の裏面とに、それぞれ相互に接着される対となる上半身装飾用の接着部材を設けた、
バレエ衣装。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれかに記載のバレエ衣装であって、
前記下半身衣装部の内部で下半身に着用する肌着部をさらに備え、
着用する人物の胴回りに位置する前記下半身衣装部の上端付近の内表面と、着用する人物の胴回りに位置する前記肌着部の上端付近の外表面とに、それぞれ相互に接着される対となる肌着部用の接着部材を設けた、
バレエ衣装。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れかに記載のバレエ衣装であって、
前記接着部材は、面ファスナーにて構成されている、
バレエ衣装。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレエ衣装にかかり、特に、胴着とスカートとが分離したバレエ衣装に関する。
【背景技術】
【0002】
バレエを舞台で披露する際には、バレエ衣装と呼ばれる専用の衣装を着用する。通常、バレエ衣装は、激しい動作の中で着衣が乱れないようにするためと、素材やデザインの統一のために、上半身に着用する胴着と下半身に着用するスカートとが一体となったワンピース型のものが利用される。このため、ワンピース型のバレエ衣装は、通常、胴着とスカートとが、標準的な体型に基づいて同一のサイズで形成される。
【0003】
しかしながら、人間の体型は様々であり、上半身と下半身とでサイズが異なることが多々ある。このため、上述したワンピース型のバレエ衣装では、着用する人間にとって全身で適切なサイズではない場合があり、着用したときの外観が低下したり、動きづらい、といった問題が生じる。
【0004】
一方で、舞台用のバレエ衣装は、華やかなデザインや装飾が施されていることから高価であり、舞台のみで着用することから着用頻度がそれほど多くはない。このため、着用する人間の体系に合わせてオーダーメイドすることは困難な場合がある。
【0005】
ここで、特許文献1には、胴着と、スカートと、パンツと、をそれぞれ分離した、3ピース構造のバレエ衣装が開示されている。このようにバレエ衣装を3ピースに分離して構成することで、着用する人間の体型に適切に対応したり、一部の交換を容易としてデザイン性や経済性を向上させることができ、さらには、着脱が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に開示のバレエ衣装では、胴着とスカートとが完全に分離してしまっているため、もともとワンピースとしていた目的が損なわれてしまう。つまり、胴着とスカートとが分離している場合には、激しい動作の中で着衣が乱れたり、着用したときの上下における一体性が損なわれて美観が低下する、といった問題が生じる。
【0008】
このため、本発明の目的は、様々な体型に対応したり、デザイン性や経済性の向上を図りつつ、上述した課題である、着衣が乱れたり、美観が低下する、といった問題を解決することができるバレエ衣装を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態であるバレエ衣装は、
上半身に着用する上半身衣装部と、下半身に着用する下半身衣装部と、を備え、
着用する人物の胴回りに位置する前記下半身衣装部の上端付近の外表面と、着用する人物の胴回りに位置する前記上半身衣装部の下端付近の内表面とに、それぞれ相互に接着される対となる接着部材を設けた、
という構成をとる。
【0010】
上記構成のバレエ衣装によると、まず、上半身衣装部と下半身衣装部とが分離しているため、上半身と下半身とでサイズやデザインの異なる衣装を組み合わせて着用することができる。このため、着用する人の体型に適切に対応させることができ、また、多様な上下の組み合わせの衣装を構成することができ、デザイン性の向上を図ることができ、さらには個々の衣装を分離できるため洗濯やクリーニングも容易となる。これに加え、上半身衣装部と下半身衣装部とを相互に接着して一体化することができるため、激しい動作を行っても着衣の乱れを抑制でき、また、上下の一体性が向上して美観の低下を抑制することができる。
【0011】
また、上記バレエ衣装では、
前記下半身衣装部の表面を覆う下半身装飾衣装部をさらに備え、
着用する人物の胴回りに位置する前記下半身装飾衣装部の上端付近の内表面に、下半身装飾衣装部用の接着部材を設け、当該下半身装飾衣装部用の接着部材は、前記下半身衣装部の上端付近の外表面に設けられた接着部材に接着されるよう構成されている、
という構成をとる。
【0012】
上記構成のバレエ衣装によると、下半身衣装部の表面を覆う下半身装飾衣装部をさらに備えており、下半身装飾衣装部を下半身衣装部に接着して装着することができる。このため、所望のデザインの下半身装飾衣装部を容易に着用することができ、また、全体的に衣装を一体化することができる。その結果、各衣装を多様な組み合わせで着用することができデザイン性の向上を図ることができると共に、また、個々の衣装を分離してクリーニング等も容易である。これに加え、各衣装を一体化できるため、着衣の乱れを抑制でき、一体性の向上による美観の低下を抑制することができる。
【0013】
また、上記バレエ衣装では、
前記下半身衣装部の上端付近の外表面に設けられている接着部材は、前記上半身衣装部の下端付近の内表面に設けられた接着部材に接着される第1の接着部材と、前記下半身装飾衣装部の上端付近の内表面に設けられた下半身装飾衣装部用の接着部材に接着される第2の接着部材と、を有する、
という構成をとる。
【0014】
また、上記バレエ衣装では、
前記下半身衣装部の上端付近の外表面に、前記第1の接着部材と前記第2の接着部材とがそれぞれ環状に設けられており、前記第1の接着部材が前記第2の接着部材よりも上方に位置して設けられている、
という構成をとる。
【0015】
また、上記バレエ衣装では、
前記第1の接着部材の幅は、前記第2の接着部材の幅よりも広く形成されている、
という構成をとる。
【0016】
上記構成のバレエ衣装によると、下半身衣装部に、上半身衣装部用の第1の接着部材と、下半身装飾衣装部用の第2の接着部材と、がそれぞれ設けられている。このため、上半身衣装部と下半身装飾衣装部とをそれぞれ下半身衣装部に接着する箇所が明確となる。その結果、接着作業が容易となると共に、適切な箇所に接着できることにより、着衣の乱れや美観の低下を抑制することができる。特に、上半身衣装部を接着する第1の接着部材の幅を広く形成することで、上半身と下半身の衣装をより強固に接着することができ、着衣の乱れを抑制することができる。
【0017】
また、上記バレエ衣装では、
前記上半身衣装部は、当該上半身衣装部の所定箇所を装飾する上半身装飾衣装部を備え、
前記上半身衣装部の所定箇所の外表面と、前記上半身装飾衣装部の装飾面とは反対側の裏面とに、それぞれ相互に接着される対となる上半身装飾用の接着部材を設けた、
という構成をとる。
【0018】
上記構成のバレエ衣装によると、上半身衣装部は、さらに、上半身装飾衣装部を備えており、上半身装飾衣装部を上半身衣装部の所定箇所に接着して装着することができる。このため、所望のデザインの上半身装飾衣装部を容易に着用することができ、上半身の衣装を多様な組み合わせで着用することができ、デザイン性の向上を図ることができる。また、また、個々の衣装の分離が容易であり、クリーニング等も容易である。これに加え、全体的に衣装を一体化することができるため、着衣の乱れを抑制し、一体性の向上による美観の低下を抑制することができる。
【0019】
また、上記バレエ衣装では、
前記下半身衣装部の内部で下半身に着用する肌着部をさらに備え、
着用する人物の胴回りに位置する前記下半身衣装部の上端付近の内表面と、着用する人物の胴回りに位置する前記肌着部の上端付近の外表面とに、それぞれ相互に接着される対となる肌着部用の接着部材を設けた、
という構成をとる。
【0020】
上記構成のバレエ衣装によると、肌着部と下半身衣装部とを相互に接着して一体化することができるため、激しい動作を行っても着衣の乱れを抑制できる。
【0021】
また、上記バレエ衣装では、
前記接着部材は、面ファスナーにて構成されている、
という構成をとる。
【0022】
上記構成のバレエ衣装によると、各衣装部の接着を面ファスナーで行うため、衣装の着脱が容易となり、また、低コストで衣装を製造することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のバレエ衣装によると、上下の衣装それぞれで着用する人の体型に適切に対応することができると共に、また、各衣装を組み合わせて様々なデザインの衣装を構成することができ、デザイン性の向上を図ることができる。また、各衣装を分離して、容易にクリーニングなども行うことができる。これに加え、激しい動作を行っても着衣の乱れを抑制でき、また、上下の衣装の一体性が向上して美観の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるバレエ衣装の構成を示す図であり、各部位を分解して図示した図である。
【
図2】
図1に開示したバレエ衣装の着用に際し、各部位を接着したときの様子を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態におけるバレエ衣装の構成を示す図であり、各部位を分解して図示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図2を参照して説明する。
図1は、バレエ衣装の構成の分解図であり、
図3は、バレエ衣装の着用時の様子を示す図である。
【0026】
本発明の実施形態1におけるバレエ衣装は、
図1に示すように、まず、上半身に着用する衣装である胴着1(上半身衣装部)と、下半身に着用する衣装であるスカート2(下半身衣装部)と、を主に備えている。これに加え、本実施形態のバレエ衣装は、スカート2の表面を覆うスカート装飾部3(下半身装飾衣装部)と、胴着1の所定箇所を装飾する胴着装飾部4(上半身装飾衣装部)と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
【0027】
上記スカート2は、生地が複数積層されたチュチュスカートからなるスカート本体20aと、着用する人物の胴回りに位置する胴回り部20bと、が一体となって構成されている。つまり、スカート2は、上端付近が略円筒形状の胴回り部20bとなっており、下端側が下方に向かうにつれて広がるスカート本体20aとなっている。
【0028】
また、スカート2は、スカート本体20aの内部で人物が下半身に着用するパンツ部20c(肌着部)を備えている。パンツ部20cは、スカート本体20aの内部で、胴回り部20bの下端つまりスカート2の上端付近に縫い付けられており、スカート2と一体となっている。
【0029】
そして、スカート2の胴回り部20bには、その外表面に、2本の面ファスナー(接着部材)で構成された、第1の胴回り接着部21(第1の接着部材)及び第2の胴回り接着部22(第2の接着部材)が設けられている。具体的に、2本の胴回り接着部21,22は、それぞれが略筒状である胴回り部20bの外表面に沿って環状に形成されており、相互に上下方向に所定の距離だけ離れて配置されている。
【0030】
胴回り接着部21,22のうち、下方に位置する第2の胴回り接着部22は、胴回り部20bの下端であってスカート本体20aとの境目に位置している。この第2の胴回り接着部22は、後述するように、スカート装飾部3を接着するよう機能する。
【0031】
また、胴回り接着部21,22のうち、上方に位置する第1の胴回り接着部21は、胴回り部20bの上端側に位置している。この第1の胴回り接着部21は、後述するように、胴着1を接着するよう機能する。そして、第1の胴回り接着部21は、その幅が、下方に位置する第2の胴回り接着部22よりも広く形成されている。
【0032】
上記スカート装飾部3は、例えば、装飾が施された1枚の生地でスカート状に形成されたスカート装飾本体30を有しており、上記スカート本体20aの表面を覆うよう着用されるものである。そして、スカート装飾部3が着用されたときに人物の胴回りに位置する当該スカート装飾本体30の上端付近の内表面には、面ファスナーで構成されたスカート装飾側接着部31(下半身装飾衣装部用の接着部材)が設けられている。このスカート装飾側接着部31は、スカート装飾本体30の上端に位置する胴回りの内周面に沿って環状に形成されている。そして、スカート装飾側接着部31の幅は、上記スカート2の胴回り部20bに形成された第2の胴回り接着部22とほぼ同じ幅に形成されている。
【0033】
上述した構成により、スカート装飾本体30の上端付近の内表面に形成されたスカート装飾側接着部31を、これと対となるスカート2の胴回り部20bに形成された第2の胴回り接着部22に接着することで、
図2に示すように、スカート装飾部3をスカート2に装着することができる。このとき、第2の胴回り接着部22は、スカート2の胴回り部20bの下端、つまり、スカート本体20aとの境目に形成されているため、スカート本体20aの上端付近にスカート装飾部3を装着することができる。その結果、スカート装飾部3をスカート2に一体化させることができ、所望のデザインのスカート装飾部3を取り付けることで、デザイン性の向上を図ることができると共に、着衣の乱れを抑制し、一体性の向上による美観の低下を抑制することができる。
【0034】
上記胴着1は、本実施形態では、人物の上半身のうち、腕を除いて胸部及び腹部の周りに着用可能なよう全体的に略筒状に形成された胴着本体10を備えている。具体的に、胴着本体10は、胸部周りあたりから上方に位置する上端付近は、首通し孔が形成されると共に当該首通し孔を挟んで肩掛け部が形成されており、その両側方には腕通し孔が形成されている。そして、腕通し孔の下方に位置し、胴着本体10の胸部周り及び腹部周りに位置する箇所は、ほぼ筒状に形成されている。なお、胴着本体10の背中側は、ホックにて開閉可能なよう構成されている。
【0035】
そして、胴着本体10の下端付近、つまり、着用する人物の胴回りに位置し、上述したスカート2の胴回り部20bに重なる箇所の内表面には、面ファスナーで構成された胴着側接着部11(接着部材)が設けられている。この胴着側接着部11は、胴着本体10の下端付近に位置する胴回りの内周面に沿って環状に形成されている。そして、胴着側接着部11の幅は、上記スカート2の胴回り部20bに形成された第1の胴回り接着部21とほぼ同じ幅に形成されている。つまり、胴着側接着部11の幅は、スカート装飾部3を接着するための対となるスカート装飾側接着部31及び第2の胴回り接着部22よりも広く形成されている。
【0036】
上述した構成により、胴着本体10の下端付近の内表面に形成された胴着側接着部11を、これと対となるスカート2の胴回り部20bに形成された第1の胴回り接着部21に接着することで、
図2に示すように、胴着1の下端付近をスカート2の上端付近に被せた状態で、相互に装着することができる。これにより、胴着1とスカート2とを一体化させることができ、激しい動作を行っても着衣の乱れを抑制できると共に、上下の一体性が向上して美観の低下を抑制することができる。
【0037】
上記胴着装飾部4は、本実施形態では、胴着本体10の胸部付近に装着されるものである。そして、胴着装飾部4は、表面が装飾面を形成しており、その反対側の裏面には、面ファスナーで構成された胴着装飾側接着部41(上半身装飾用の接着部材)が設けられている。
【0038】
また、上記胴着本体10の胸部付近には、上記胴着装飾側接着部41と対となり、当該胴着装飾側接着部41とほぼ同一形状の面ファスナーで構成された装飾用接着部12(上半身装飾用の接着部材)が設けられている。
【0039】
上述した構成により、胴着本体10の胸部付近に形成された装飾用接着部12に、これと対となる胴着装飾部4の裏面に形成された胴着装飾側接着部41に接着することで、
図2に示すように、胴着1を胴着装飾部4で装飾することができる。これにより、所望のデザインの胴着装飾部4を着用することで、デザイン性の向上を図ることができると共に、着衣の乱れを抑制し、一体性の向上による美観の低下を抑制することができる。
【0040】
以上のように、本実施形態におけるバレエ衣装によると、まず、胴着1とスカート2とが分離しているため、上半身と下半身とでサイズやデザインの異なる衣装を組み合わせて着用することができる。このため、着用する人の体型に適切に対応することができ、また、デザイン性の向上を図ることができる。これに加え、胴着1とスカート2とを相互に接着して一体化することができるため、激しい動作を行っても着衣の乱れを抑制でき、また、上下の衣装の一体性が向上して美観の低下を抑制することができる。
【0041】
また、スカート2や胴着1をそれぞれ装飾するスカート装飾部3や胴着装飾部4を、それぞれのために設けられた接着部に接着して装着することができるため、衣装を容易に所望のデザインに装飾することができ、デザイン性の向上を図ることができる。さらには、接着して着用するため、着衣の乱れを抑制して、一体性の向上による美観の低下を抑制することができる。
【0042】
なお、上記では、スカート装飾部3を着脱可能に構成しているが、胴着本体10にスカート装飾部3を一体的に設けてもよい。つまり、胴着1(上半身衣装部)に予めスカート装飾部3を一体化して構成し、かかる胴着1をスカート2(下半身衣装部)と接着してもよい。
【0043】
なお、上記では、各接着部11,12,21,22,31,41を面ファスナーで構成する場合を例示したが、着脱可能な部材であれば、各接着部を他の部材で構成してもよい。
【0044】
また、上記では、女性用のバレエ衣装を一例に挙げて説明したが、男性用の衣装に適用してもよい。例えば、スカート2をズボンに替えてもよく、スカート装飾部3をズボンの表面側を装飾するものに替えてもよい。
【0045】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図3を参照して説明する。
図3は、バレエ衣装の構成の分解図である。
【0046】
本実施形態におけるバレエ衣装は、実施形態1とほぼ同様の構成であるが、スカート2の構成が異なる。以下、異なる構成について主に説明する。
【0047】
まず、上述した実施形態1におけるスカート2は、パンツ部20cがスカート本体20aと一体的に構成されていたが、本実施形態におけるスカート2は、
図3に示すように、パンツ部5(肌着部)がスカート本体20aと分離して構成されている。
【0048】
そして、パンツ部5を構成するパンツ本体50の着用されたときに人物の胴回りに位置する上端付近の外表面には、面ファスナーで構成されたパンツ側接着部51(肌着部用の接着部材)が設けられている。このパンツ側接着部51は、パンツ本体50の上端に位置する胴回りの外周面に沿って環状に形成されている。
【0049】
そして、スカート2の上端付近に位置する胴回り部20bには、その内表面に、上記パンツ本体50に形成されたパンツ側接着部51と対をなすパンツ用接着部(図示せず)が形成されている。このパンツ用接着部は、略筒状である胴回り部20bの下端付近の内表面に沿って環状に形成されており、また、パンツ用接着部の幅は、パンツ側接着部51とほぼ同じ幅に形成されている。
【0050】
なお、
図3では、パンツ部5の上端付近のみにパンツ側接着部51を設けているが、パンツ部5の上端付近をさらに上方に延設し、人物の胴回り(お腹周り)に位置する部位を設けてもよい。そして、パンツ部5の上方に延設した部位の外表面に、上記パンツ側接着部51を設けてもよい。これにより、パンツ側接着部51の接着面積を広く取ることができる。
【0051】
上述した構成により、パンツ部5をスカート2の上端付近の内表面に接着することで、これらを一体化した衣装として着用することができる。このため、パンツ部5の交換が容易であり、体型に合わせて着用することができ、また、衛生面の向上を図ることができると共に、一体化によって着衣の乱れを抑制することもできる。
【0052】
なお、上記では、パンツ部5をスカート2に対して着脱可能なよう構成する場合を例示したが、パンツ部5をスカート2やズボンの内部に着用するタイツや半ズボンなどの他の衣類に替えてもよい。
【0053】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 胴着
10 胴着本体
11 胴着側接着部
12 装飾用接着部
2 スカート
20a スカート本体
20b 胴回り部
20c パンツ部
21 第1の胴回り接着部
22 第2の胴回り接着部
3 スカート装飾部
30 スカート装飾本体
31 スカート装飾側接着部
4 胴着装飾部
41 胴着装飾側接着部
5 パンツ部
50 パンツ本体
51 パンツ側接着部