(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-04
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】航空灯
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220207BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20220207BHJP
F21V 31/03 20060101ALI20220207BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220207BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20220207BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20220207BHJP
F21K 9/232 20160101ALI20220207BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20220207BHJP
B64F 1/20 20060101ALI20220207BHJP
F21W 111/06 20060101ALN20220207BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20220207BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220207BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220207BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20220207BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21S2/00 663
F21V23/06
F21V31/03
F21V19/00 510
F21V5/00 510
F21V5/00 310
F21V5/04
F21K9/232
B64F1/36
B64F1/20
F21W111:06
F21Y101:00 100
F21Y115:10 100
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2017254846
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100084261
【氏名又は名称】笹井 浩毅
(72)【発明者】
【氏名】菅原 忍
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-182434(JP,A)
【文献】特開2004-172100(JP,A)
【文献】特開2011-253628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯火により航空機の航行を支援する航空灯において、
設置箇所に固定される下部灯体と、該下部灯体に着脱自在に取り付けられる上部灯体とを有し、
前記上部灯体は、金属または樹脂で形成された灯体本体と、該灯体本体の外側に配設されて光源を包囲するプリズムとを有
し、
前記上部灯体は、ベース台上に関連部品を配設した上に、該関連部品を囲む状態に前記灯体本体が組み合わされてなり、
前記灯体本体は、前記関連部品を内側に収める容積のドーム状に形成され、
前記灯体本体の外周壁の頂部に、前記プリズムが配設され、
前記ベース台と前記灯体本体とは、互いに工具を用いずに着脱自在に構成されたことを特徴とする航空灯。
【請求項2】
前記下部灯体および前記上部灯体の各対接部位に、互いに電気的に接続する状態で係脱可能であり、前記下部灯体上に前記上部灯体を支持し得る取付状態に導きつつ固定するコネクタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の航空灯。
【請求項3】
前記プリズムは、前記光源を保護する外部カバーを兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載の航空灯。
【請求項4】
前記ベース台により区画された前記灯体本体の内側は、前記ベース台に設けられた孔および/または前記ベース台の外周縁と前記灯体本体との間の隙間を通じて、前記灯体本体の外側に連通していることを特徴とする請求項
1,2または
3に記載の航空灯。
【請求項5】
前記下部灯体は、異なる種類の光源用に構成された既存のものを流用可能としたことを特徴とする請求項1,2,
3または
4に記載の航空灯。
【請求項6】
前記上部灯体における前記光源は、光軸位置を既存の異なる種類の光源用に構成された上部灯体における光源の光軸位置の高さに合わせたことを特徴とする請求項
5に記載の航空灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯火により航空機の航行を支援する航空灯に関し、特に空港に設置される飛行場灯火の一種である誘導路灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より航空灯として、例えば、空港において航空機の誘導路の両側に設置されて青色光を発する誘導路灯が知られている。誘導路灯は、路面上に固定する下部灯体と、光源を含み前記下部灯体に取り付ける上部灯体とからなり、両者の対接部位は締付バンドで固定されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記上部灯体における光源は、高出力のハロゲンランプ等の電球が用いられている。このような電球は、上部灯体の内部に配設されており、上部灯体の外郭をなす透光材質のグローブによって囲まれていた。ここで光源としての電球は、消費電力が大きいだけでなく、定格寿命も比較的短いため、断線による交換作業が度々発生するという問題があった。このような電球の欠点を解消し得る光源として、消費電力が低く定格寿命も長いLEDを採用した航空灯も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-172100号公報
【文献】特開2013-37964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の航空灯では、何れも光源である電球やLEDが透光材質のグローブの内部に配設されているため、次のような問題がある。すなわち、グローブは灯体全体の外郭をなす大きさであるが、透光材質として通常はガラス製であり、壊れやすく取り扱いが面倒であった。
【0006】
また、ガラス製であるグローブの取り付け構造として、グローブを壊れないように保持する特別な部品も必要となる。よって、部品点数が多くなりコストが嵩むだけでなく、整備・保守作業に際してグローブの取り外しないし取り付けも面倒であり、作業を容易かつ迅速に行うことができなかった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、取り扱いが容易になり、構成も簡素化することができ、部品点数を減らすことができると共に、整備・保守作業を極めて容易かつ迅速に行うことができる航空灯を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]灯火により航空機の航行を支援する航空灯(10)において、
設置箇所に固定される下部灯体(20)と、該下部灯体(20)に着脱自在に取り付けられる上部灯体(30)とを有し、
前記上部灯体(30)は、金属または樹脂で形成された灯体本体(35)と、該灯体本体(35)の外側に配設されて光源(50)を包囲するプリズム(60)とを有し、
前記上部灯体(30)は、ベース台(31)上に関連部品を配設した上に、該関連部品を囲む状態に前記灯体本体(35)が組み合わされてなり、
前記灯体本体(35)は、前記関連部品を内側に収める容積のドーム状に形成され、
前記灯体本体(35)の外周壁の頂部に、前記プリズム(60)が配設され、
前記ベース台(31)と前記灯体本体(35)とは、互いに工具を用いずに着脱自在に構成されたことを特徴とする航空灯(10)。
【0009】
[2]前記下部灯体(20)および前記上部灯体(30)の各対接部位に、互いに電気的に接続する状態で係脱可能であり、前記下部灯体(20)上に前記上部灯体(30)を支持し得る取付状態に導きつつ固定するコネクタ(40)を設けたことを特徴とする前記[1]に記載の航空灯(10)。
【0010】
[3]前記プリズム(60)は、前記光源(50)を保護する外部カバーを兼ねることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の航空灯(10)。
【0013】
[4]前記ベース台(31)により区画された前記灯体本体(35)の内側は、前記ベース台(31)に設けられた孔および/または前記ベース台(31)の外周縁と前記灯体本体(35)との間の隙間を通じて、前記灯体本体(35)の外側に連通していることを特徴とする前記[1],[2]または[3]に記載の航空灯(10)。
【0014】
[5]前記下部灯体(20)は、異なる種類の光源用に構成された既存のものを流用可能としたことを特徴とする前記[1],[2],[3]または[4]に記載の航空灯(10)。
【0015】
[6]前記上部灯体(30)における前記光源(50)は、光軸位置を既存の異なる種類の光源用に構成された上部灯体における光源の光軸位置の高さに合わせたことを特徴とする前記[5]に記載の航空灯(10)。
【0016】
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の航空灯(10)によれば、上部灯体(30)の灯体本体(35)は、ガラス等の透光材質ではなく金属または樹脂で形成するため、強度を持たせることができ壊れにくく取り扱いも容易となる。
【0017】
光源(50)を包囲するプリズム(60)は、灯体本体(35)の内部ではなく外側に配設するため、灯体本体(35)は透光材質である必要はなく、金属または樹脂で形成することができる。また、航空灯(10)では、従来の壊れやすいガラス製グローブを保持する特別な部品も不要となり、構成を簡素化することができ、部品点数を減らすことができると共に、整備・保守作業を極めて容易かつ迅速に行うことができる。
また、上部灯体(30)は、ベース台(31)上に灯体本体(35)が組み合わされて、その内部に関連部品が収められている。ここで灯体本体(35)は、関連部品が内側に収まる容積のドーム状に形成して、灯体本体(35)の外周壁の頂部にプリズム(60)を配設する。
これにより、関連部品は灯体本体(35)で保護され、水や湿気の侵入を防ぐことができる。また、ドーム状の灯体本体(35)において、その外周壁の頂部にプリズム(60)を配設することで、何れの方向へも容易に配光することが可能となる。
さらに、ベース台(31)と灯体本体(35)とは、互いに工具を用いずに着脱自在である。これにより、ベース台(31)から灯体本体(35)を容易に取り外したり取り付けることが可能となり、関連部品の交換作業や整備・保守作業を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0018】
前記[2]に記載の航空灯(10)によれば、下部灯体(20)および上部灯体(30)の各対接部位に、互いに電気的に接続する状態で係脱可能であり、上部灯体(30)を下部灯体(20)上に支持し得る取付状態に導きつつ固定するコネクタ(40)を設ける。ここでコネクタ(40)の係合は、単に電気的な接続を行うだけではなく、下部灯体(20)に対する上部灯体(30)の取付構造上の主要部をなす。
【0019】
このようなコネクタ(40)の係脱関係により、上部灯体(30)を取り外す必要があるメンテナンスや清掃作業を行う時は、上部灯体(30)を下部灯体(20)から容易に取り外すことができる。また、上部灯体(30)を下部灯体(20)に簡易かつ迅速に取り付けることができると共に、取り付けと同時に電気的な接続も行うことができる。
【0020】
前記[3]に記載の航空灯(10)によれば、プリズム(60)は、それ自体が光源(50)を保護する外部カバーも兼ねるため、プリズム(60)とは別に外部を覆うグローブ等のカバーを設ける必要はなく、構造の簡素化のみならず小型化も可能となる。また、光源(50)をプリズムによって密閉することが可能となり、光源(50)の防水性や防湿性を実現することができる。
【0024】
前記[4]に記載の航空灯(10)によれば、ベース台(31)により区画された灯体本体(35)の内側を、ベース台(31)に設けた孔および/またはベース台(31)の外周縁と灯体本体(35)との間の隙間を通じて、灯体本体(35)の外側に連通させる。これにより、関連部品が発熱する部品であっても、この発熱による空気の対流の流路が多様に形成される。よって、航空灯(10)内部における熱による対流を促進することができ、関連部品からの熱を効率良く拡散させることができる。
【0025】
前記[5]に記載の航空灯(10)によれば、下部灯体(20)に関しては、異なる種類の光源用に構成された既存のものを流用可能とする。例えば、従来の航空灯では光源に電球を採用しているが、この電球用の既存の下部灯体に対して、光源(50)にLEDを採用した上部灯体(30)も組み合わせ可能に構成する。これにより、既設の下部灯体(20)をそのまま使用できるため、現場での下部灯体(20)に対する新たな各種調整作業が不要となり、設置作業を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0026】
前記[6]に記載の航空灯(10)によれば、上部灯体(30)における光源(50)の光軸位置を、既存の異なる種類の光源用に構成された上部灯体における光軸位置の高さに合わせる。これにより、新たなLED用の上部灯体(30)と、従来の電球用の上部灯体とが現場で混在しても、それぞれの光軸位置の高さが揃っているため、見た目の違和感を感じることなく視認することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る航空灯によれば、取り扱いが容易になり、構成も簡素化することができ、部品点数を減らすことができると共に、整備・保守作業を極めて容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施の形態に係る航空灯を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る航空灯を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る航空灯を示す縦断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る航空灯を示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る航空灯を示す分解側面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る航空灯の上部灯体を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1~
図6は、本発明の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る航空灯10は、灯火により航空機の航行を支援するものであり、その用途に応じて様々な種類が存在する。以下、航空灯10を飛行場灯火の一種である誘導路灯に適用した場合を例に説明する。
【0030】
航空灯10である誘導路灯は、所定の規格(航空局仕様)によれば、空港で航空機の誘導路の両側に沿って設置され、青色に発光することで誘導路の両端を示すものである。なお、誘導路灯と同形の航空灯として、光色の違いにより禁止区域灯がある。禁止区域灯は、赤色に発光することで、空港内における禁止区域を知らせるために設置されるものである。
【0031】
図1に示すように、航空灯10は、誘導路両側の設置箇所に固定される下部灯体20と、該下部灯体20に着脱自在に取り付けられる上部灯体30と、前記下部灯体20に前記上部灯体30を取り付けた際に両者の対接部位の外周を全周に亘って締結する締付バンド80とを有している。
【0032】
下部灯体20と上部灯体30の各対接部位には、互いに電気的に接続する状態で係脱可能であり、下部灯体20上に上部灯体30を支持し得る取付状態に導きつつ固定するコネクタ40が設けられている。コネクタ40は、下部灯体20の対接部位に突設されたプラグ仕様の係合凸部41と、上部灯体30の対接部位に凹設され、前記係合凸部41が嵌り込むソケット仕様のガイド凹部45とからなる。
【0033】
下部灯体20は、路面下に下端側を埋設して設置される台座21と、該台座21上に支持される調整座22とからなる。台座21や調整座22は、例えばアルミニウム合金等の金属で形成される。台座21は、下端側が円筒状の脚部となり、脚部の上側が上方に開口した椀状となっている。調整座22も、上方に開口した椀状に形成され、台座21の椀状部分に水平面に対する傾き角度(仰角)を調整可能に支持されている。なお、調整座22の固定は締結ネジ23によって行われる。
【0034】
調整座22の上端開口が、上部灯体30に対する下部灯体20の対接部位となる。調整座22の上端開口には、前記係合凸部41を取り付ける支持プレート27が開口直径方向に架設されている。なお、支持プレート27の下面側には、図示省略したが係合凸部41に接続する電源線やアース線が延ばされている。
【0035】
係合凸部41は、支持プレート27の略中央に固定され、調整座22の上端開口(対接部位)の略中央に位置する。詳しく言えば係合凸部41は、碍子(ステアタイト)で成形されたプラグ42の両側壁に、金属製の補強片43を周囲(側方)に所定範囲で展開した状態に固着してなる。なお、プラグ42の上端面には、図示省略したがガイド凹部45の内側にある電源端子やアース端子が差し込まれる端子孔が設けられている。
【0036】
このような下部灯体20は、従来の特開2004-172100号公報に記載のものと基本的な構成はほぼ共通しており、既設されている従来の下部灯体をそのまま流用することができる。一方、上部灯体30は、従来の特開2004-172100号公報に記載のものとは異なり、後述するが光源50としてハロゲンランプ等の電球ではなく、LED(発光ダイオード)が採用されている他、基本的な構成も従来の上部灯体とは異なる。
【0037】
上部灯体30は、金属または樹脂で形成された灯体本体35と、該灯体本体35の外側に配設されて光源50を包囲するプリズム60とを有する。ここで光源50を包囲するプリズム60は、灯体本体35の内部ではなく外側に配設するため、灯体本体35は透光材質である必要はなく、例えばアルミニウム合金等の金属で形成される。また、灯体本体35は、強度に優れたエンジニアリングプラスチック等の樹脂で形成しても良い。
【0038】
上部灯体30は、ベース台31上に関連部品を配設した上に、該関連部品を囲む状態に被さる灯体本体35が組み合わされ、該灯体本体35の外側に光源50を包囲するプリズム60が配設されて構成されている。ベース台31と灯体本体35とは、互いに工具を用いずに着脱自在に構成されている。ベース台31と関連部品は電源ユニットをなし、灯体本体35と光源50およびプリズム60は光源ユニットをなしている。
【0039】
ベース台31は、前記調整座22の上端開口に合致する円盤状に形成され、ベース台31の下面側が、前記下部灯体20に対する上部灯体30の対接部位となる。ベース台31上には、関連部品として、前記コネクタ40のガイド凹部45を形成するソケット45aの他、制御基板やトランス33等が配設されている。
【0040】
ソケット45aは、ベース台31上の略中央に配設され、その内側がガイド凹部45となり、ベース台31の略中央に開設された孔部を通じて下面側に開口している。
図6に示すように、ガイド凹部45は、前記係合凸部41が嵌り込む形状に凹設されている。なお、ガイド凹部45の内側には、図示省略したが電源端子やアース端子が下方に向けて突設されている。
【0041】
図4に示すように、ベース台31上にてソケット45aの一端側に、図示省略した制御基板を取り付ける放熱板32が配設されている。制御基板は、光源50を点灯制御するための回路である。また、係合凸部41の他端側に、光源50に供給する交流電力の電流を変換するトランス33が配設されている。なお、ソケット45a、制御基板、トランス33が、光源用の電源部品に相当し、これらはネジ止めを外すことで交換することができる。
【0042】
灯体本体35は、椀を逆さにしたドーム状であり、前記ベース台31上に被せた際に内側に前記関連部品を収める容積を有している。灯体本体35の外側には、光源50を包囲するプリズム60が配設されている。光源50は、前述したように従来の電球ではなく、電球に比べて小型化、軽量化、省電力化、および長寿命化を実現できるLEDが採用されている。
【0043】
光源50に採用したLEDは、例えば表面実装型のLEDチップであり、チップ1つ分の小さな基板上に実装されている。かかるLEDの構成は一般的であるので詳細な説明は省略するが、チップ表面と直交する光軸を中心に所定角度の放射範囲で光を出射する発光素子である。LEDの発光色は、適宜選択し得る設計事項であるが、本実施の形態では、誘導路灯の仕様(航空局仕様)に則り、青色光のものを採用している。
【0044】
光源50は、灯体本体35の外周壁の頂部に配設されている。ここで頂部は、略水平に形成されており、頂部の中央には、灯体本体35の外周と同心円形で上方に一段出っ張る取付座36が設けられている。光源50の基板は、取付座36に配設されており、光源50全体は、プリズム60によって包囲されている。
【0045】
光源50は、LEDチップの代わりに、発光素子を略砲弾型のモールドに埋め込んだLEDランプを採用してもかまわない。さらに、光源50は、LEDに限られることなく、電球に比べて優れた特性を有する他の半導体発光素子(有機EL、LD半導体レーザ)等から構成しても良い。なお、光源50は、図示省略した制御基板にコードを介して接続されている。
【0046】
灯体本体35は、前述したようにドーム状であるが、詳しく言えば、外周壁の頂部の水平部分の外縁より全周方向に所定角度で下方へ傾斜し、その途中からさらに急角度で下方へ傾斜した2段階の傾斜角度に形成されている。ここで上部灯体30における光源50は、光軸位置を既存の異なる種類の光源用に構成された上部灯体、例えば、従来の特開2004-172100号公報に記載の上部灯体における電球の光軸位置の高さに合わせている。
【0047】
プリズム60は、光源50を包囲した状態で、該光源50からの光を所定方向に屈折させて外部へ照射するものである。プリズム60は、例えば合成樹脂やガラス等の透光性材質によって図示した形状に一体成形されており、光源50に合わせて小型化することができる。プリズム60は、光源50を保護する外部カバーを兼ねており、その内側に光源50を密閉する状態で、灯体本体35の外周壁の頂部に配設されている。
【0048】
プリズム60は、光源50を上から包囲する状態で収納する中空部61と、凸レンズ状に成形された外壁部62とを備えている。プリズム60はこれ自体の形状により、光源50が光軸を中心として放射した光を、中空部61の内表面から入射させ、その光を導いて外壁部62の外表面から、少なくとも前記光軸と直交する放射方向(水平方向)へ収束させて出射する配光制御を行う。
【0049】
詳しく言えば、プリズム60は、中空部61の先端側の内表面から外壁部62の頂端周囲の外表面に至る断面部分により、光源50が光軸を中心とする所定角度範囲に放射した光を、中空部61の先端側の内表面から入射させて、その光を導いて外壁部62の頂端周囲の外表面から略均一な強度分布の光として出射する。
【0050】
また、プリズム60は、中空部61の先端側以外の内表面から外壁部62の頂端周囲より外周縁側の外表面に至る断面部分により、光源50が光軸を中心とする所定角度範囲よりも外側に放射した光を入射させ、その光を導いて外壁部62の頂端周囲より外周縁側の外表面から光軸と直交する略水平方向へ収束させて出射する。なお、プリズム60の下半部63は、外周側に拡がる円錐台状に形成され、下半部63の底面開口が、灯体本体35の取付座36に嵌るように固定され、光源50を密閉した状態に包囲している。
【0051】
このような上部灯体30において、ベース台31と灯体本体35とは、互いに工具を用いずに着脱自在に構成されている。ここでベース台31と灯体本体35とは、係脱機構70を介して互いに着脱自在に連結されている。係脱機構70により、灯体本体35の開口周縁側とベース台31の外周縁側とを、互いに固定したり取り外すことができる。
【0052】
図6に示すように、係脱機構70は、灯体本体35の開口周縁側に沿って複数のストライカ71を設け、ベース台31の外周縁側に沿って、各ストライカ71が露出する切欠部72を形成し、該切欠部72の傍らにフック73を設けてなる。本実施の形態でストライカ71は、灯体本体35の開口周縁の直径方向に対向するように一対設けられているが、全周方向に例えば等間隔に3つ、あるいは4つ設けるようにしても良い。個々のストライカ71に対応する切欠部72およびフック73の数や配置についても同様である。
【0053】
ストライカ71は、略U字形に屈曲した弾性線材の両端に巻バネを設けてなり、各巻バネが灯体本体35の開口周縁側に止着されている。切欠部72は、ストライカ71の位置に対応させて、ベース台31の直径方向に対向するように、外周縁から中心側に凹む形状に一対設けられている。各切欠部72は、指を入れてストライカ71を引っ張ることができる大きさに開口し、各切欠部72の内側には、前記ストライカ71を掛止可能なフック73が突設されている。
【0054】
このような係脱機構70によれば、灯体本体35の開口周縁とベース台31の外周縁とを重ね合わせた状態で、切欠部72を臨むストライカ71に指を引っかけて引っ張れば、巻バネの弾性変形に伴いストライカ71が切欠部72より出没する。ここでストライカ71を、切欠部72の傍らにあるフック73に引っ掛ければ、ベース台31と灯体本体35とを一体に固定することができ、一方、ストライカ71をフック73から外せば、ベース台31と灯体本体35とを分離することができる。
【0055】
上部灯体30の対接部位であるベース台31の外周縁の外側に沿って、灯体本体35の下端側の開口周縁が取り囲むように配置されている。ベース台31の外周縁と灯体本体35の下端側の開口周縁との隙間に、前記下部灯体20の対接部位である調整座22の上端側の開口周縁に上向きに突設されたフランジ24が嵌るように設定されている。さらに、調整座22の上端側の開口周縁でフランジ24の外側には、その全周方向に亘る環状のパッキン25(
図3参照)が設けられている。
【0056】
下部灯体20および上部灯体30の対接部位の外周には、前記パッキン25を間にして両者を分ける隙間26が設けられている。隙間26は、下部灯体20から上部灯体30を取り外す際に、上下に分けるために指先を掛けるための部位である。この隙間26に関して、次述する締付バンド80の周方向に延びる側端縁81aが嵌入不能に構成されているが、詳しくは後述する。
【0057】
下部灯体20の係合凸部41を上部灯体30のガイド凹部45に嵌め込ませつつ、下部灯体20および上部灯体30の各対接部位を互いに嵌合させると、両者の対接部位の外周はそれぞれ凸状に出っ張る。かかる凸状の部位の上から略U字形断面の締付バンド80を周回させて締結することにより、下部灯体20と上部灯体30とは確実に固定されるように構成されている。
【0058】
図1~
図4に示すように、締付バンド80は、下部灯体20および上部灯体30の各対接部位の外周を全周に亘って取り囲むバンド本体81の両端に、互いに連結可能なロック部82を備える。また、バンド本体81の途中に、該バンド本体81の全長を伸縮調整する長さ調整部86を備えている。バンド本体81の周方向に延びる両側端縁81aは、内側に屈曲されており、略U字形断面に形成されている。
【0059】
ロック部82は、周知の構成のものであり、バンド本体81の一端部に固着されたフック83と、他端部に回動可能に支持された操作レバー84に、さらに回動可能に枢着されたストライカ85とからなる。フック83とストライカ85との係合点と、枢軸64aとを結ぶ直線が、ストライカ85の回動中心を越える前後でトグルを形成するように設定されている。
【0060】
長さ調整部86は、バンド本体81の途中分断された端部同士にそれぞれ互いに対向する一対のネジ止めブラケットを固着し、各ネジ止めブラケットに図示省略した1本の長さ調整ネジを螺合させたものである。長さ調整ネジを回して各ネジ止めブラケット間の距離を調整でき、それによりバンド本体81全体の長さを、長さ調整ネジの略全長の範囲で適宜調整することができるように構成されている。
【0061】
このような締付バンド80において、
図3に示すように、略U字形断面のバンド本体81の周方向に延びる両側端縁81aが、それぞれ前記対接部位の上下から囲むように内側に傾斜している。この傾斜分を含めたバンド本体81の側端縁81aの上下方向の寸法は、前記対接部位の隙間26に嵌入不能な大きさに設定されている。言い換えれば、隙間26の幅は、バンド本体81の側端縁81aが嵌入不能な寸法内に収められている。
【0062】
次に、本実施の形態に係る航空灯10の作用について説明する。
本航空灯10は誘導路灯であり、空港における誘導路の両側に設置して使用する。航空灯10を設置するには、下部灯体20の台座21の脚部を路面下に固設し、台座21上に調整座22を取り付けることで、先ず下部灯体20を設置箇所に固定する。次いで、下部灯体20に上部灯体30を着脱自在に取り付ける。上部灯体30にある光源50の灯光角度は、下部灯体20の台座21に対する調整座22の傾き角度によって調整する。
【0063】
上部灯体30にある光源50は、従来の電球の代わりにLEDを採用しており、上部灯体30はLED用に新たに構成されている。一方、下部灯体20は、既設されている従来の電球用に構成された下部灯体をそのまま流用している。すなわち、航空灯10の上部灯体30は、従来の異なる種類の光源用に構成された既存の下部灯体にも対応できるように構成する。具体的には、新たな上部灯体30の対接部位やガイド凹部45の形状を既存の下部灯体20に合わせ、関連部品をLED式のものに変更すれば良い。
【0064】
このように航空灯10では、既設の下部灯体20をそのまま使用できるため、現場での下部灯体20の新たな設置や、調整座22の傾き角度の調整作業が不要となる。よって、航空灯10の設置作業、特に、光源50を従来の電球から新たにLEDに更新する作業を簡易かつ迅速に行うことができる。ここで光源50をLEDに変更することにより、LED自体の特性として、小型化および軽量化が可能となり、消費電力も大幅に低減されてコストを抑えることができ、また、長寿命化により交換等の整備・保守作業も大幅に軽減される。
【0065】
上部灯体30では、従来の電球式のように光源がガラス製グローブの内部に配設されることなく、光源50を包囲するプリズム60は灯体本体35の外側に配設されている。これにより、灯体本体35は透光材質である必要はなく、金属または樹脂で形成することができる。従って、上部灯体30の灯体本体35に強度を持たせることができ、壊れにくく取り扱いも容易となる。また、航空灯10では、従来の壊れやすいガラス製グローブを保持する特別な部品も不要となり、構成を簡素化することができ、部品点数を減らすことができると共に、整備・保守作業を極めて容易かつ迅速に行うことができる。
【0066】
仮に、光源50やプリズム60の交換や保守点検を行う場合には、上部灯体30全体の外郭をなす灯体本体35をベース台31から取り外す作業は不要であり、灯体本体35の外側にある光源50とプリズム60だけを外部から容易に取り扱うことが可能である。ここでプリズム60は光源50を上から包囲する状態で、灯体本体35の外周壁の頂部にネジ止めされている。
【0067】
従って、ネジを緩めるだけでプリズム60を外すことができ、その内部の光源50も外すことができる。これにより、航空灯10の光源50やプリズム60の交換作業や整備・保守作業を簡易かつ迅速に行うことができる。特に、設置現場(誘導路上)で下部灯体20から取り外して持ち帰った上部灯体30を、整備所等の別場所で分解整備することで現場での作業時間を極力削減でき、空港運営に支障を来す虞はない。
【0068】
光源50はプリズム60によって包囲され、光源50からの光はプリズム60を通して外部へ照射される。このように光源50をプリズム60によって密閉することが可能となり、光源50の防水性や防湿性を実現することができる。ここでプリズム60は、それ自体が光源50を保護する外部カバーも兼ねるため、従来のようにプリズム60とは別に、外部を覆うグローブ等のカバーを設ける必要はなく、構造の簡素化のみならず小型化も可能となる。
【0069】
一方、従来の特開2004-172100号公報に記載の上部灯体では、ベース台と灯体本体との対接部位にも、内部の電球に対する防水性を高めるために、取付リングや押え金具、パッキン等の部品が備えられており、部品点数や組付工数が多かった。本航空灯10の上部灯体30では、ベース台31と灯体本体35との間にパッキンはなく、従来の取付リングや押え金具も不要としている。これにより、航空灯10の部品点数が削減されコストも低減されている。
【0070】
本航空灯10の灯体本体35は、トランス33や制御基板等の関連部品を内側に収める容積のドーム状に形成され、関連部品は灯体本体35で保護されており、水や湿気の侵入を防ぐことができる。また、ドーム状の灯体本体35において、その外周壁の頂部に光源50やプリズム60を配設することで、何れの方向へも容易に配光することが可能となる。さらに、
図3に示すように、灯体本体35は、外周壁の頂部はプリズム60で覆われ、プリズム60の下半部63の外周縁に続く周囲は下方へ傾斜しており、雪や塵等が積もらないように工夫されている。
【0071】
また、灯体本体35は、関連部品が内側に収まる容積があれば足り、その頂部の高さは設計事項であるが、本実施の形態では、光源50の光軸位置の高さを、既存の異なる種類の光源用に構成された上部灯体、例えば、従来の上部灯体における電球の光軸位置の高さに合わせられている。これにより、新たなLED用の上部灯体30と、従来の電球用の上部灯体とが現場で混在しても、それぞれの光軸位置の高さが揃っているため、見た目の違和感を感じることなく視認することができる。
【0072】
さらに、上部灯体30に関する工夫として、ベース台31により区画された灯体本体35の内側を、ベース台31に設けた孔および/またはベース台31の外周縁と灯体本体35との間の隙間を通じて、灯体本体35の外側に連通させている。ここで孔は、ベース台31の適所に設ければよく、その大きさや数は設計事項である。また、隙間は、前記切欠部72で足りるが、これとは別に隙間を設けても良い。
【0073】
このような孔および/または隙間の何れの構成であっても、要は灯体本体35の内外を連通させることにより、関連部品のうちトランス33や制御基板が発熱しても、これらの部品の発熱による空気の対流の流路が多様に形成される。よって、航空灯10内部における熱による対流を促進することができ、関連部品からの熱を効率良く拡散させることができる。
【0074】
図2において、下部灯体20から上部灯体30を取り外す場合は、最初に両者の対接部位の外周から締付バンド80を外す。すなわち、操作レバー84を引き起こすように回動させて、ストライカ85をフック83から離脱させればよい。このように締付バンド80は工具を使用することなく、ワンタッチで外すことが可能である。
【0075】
続いて、上部灯体30を上方に持ち上げて、下部灯体20から引き抜く。上部灯体30は、光源50を包囲するプリズム60が配設された灯体本体35と、下部灯体20に対接させるベース台31とが一体に組み合わされており、一ユニットとして扱われる。下部灯体20と上部灯体30との対接部位の隙間26(
図3参照)に指を掛けて、下部灯体20から上部灯体30を持ち上げることにより、互いに係合していたコネクタ40の係合凸部41からガイド凹部45が離脱する。
【0076】
コネクタ40の離脱と同時に、係合凸部41にある端子孔からプラグ42にある端子が外れて、電気的な接続やアースもそのまま自然に取り外すことができる。このようなコネクタ40の係脱関係により、上部灯体30を取り外す必要があるメンテナンスや清掃作業を行う時は、上部灯体30を下部灯体20から容易に取り外すことができる。取り外した上部灯体30は、別途用意された新たな上部灯体30と丸ごと交換したり、持ち帰り配光試験や電気系統の保守点検を行えば良い。
【0077】
ここで上部灯体30は、内部の関連部品が配設されたベース台31と、光源50を包囲するプリズム60が配設された灯体本体35とが、互いに工具を用いずに係脱機構70によって着脱自在である。これにより、ベース台31から灯体本体35を容易に取り外したり取り付けることも可能であり、上部灯体30内の関連部品の交換作業や整備・保守作業も簡易かつ迅速に行うことができる。
【0078】
詳しく言えば、
図6に示すように、灯体本体35の開口周縁とベース台31の外周縁とが重ね合わさる状態で、切欠部72を臨むストライカ71に指を引っかけて引っ張れば、巻バネの弾性変形に伴いストライカ71が切欠部72より出没する。ここでストライカ71を、切欠部72の傍らにあるフック73に引っ掛ければ、ベース台31と灯体本体35とを一体に固定することができ、一方、ストライカ71をフック73から外せば、ベース台31と灯体本体35とを分離することができる。
【0079】
一方、下部灯体20に上部灯体30を取り付ける場合は、前述した上部灯体30を取り外すときの逆の手順で上部灯体30を装着する。ここで下部灯体20と上部灯体30には方向性があり、互いに適正な取付方向でしか嵌り合わない構造にすると良い。そして、
図1に示すように、灯体本体35の適所に、下部灯体20に対する上部灯体30の適正な取付方向を示す案内37を設ければ、上部灯体30の適正な取付方向を容易に確認することができる。なお、適正な取付方向とは、コネクタ40の係合凸部41とガイド凹部45とが正しい極性ないし向きで対向する状態である。
【0080】
コネクタ40をなす係合凸部41とガイド凹部45とは、単に電気的な接続を行うだけではなく、下部灯体20に対する上部灯体30の取付構造上の主要部をなし、互いに係合させる過程で、下部灯体20に対して上部灯体30を適正な取付状態に導き、十分に支持しつつ位置決めする役目も担っている。このような係合凸部41とガイド凹部45との係合により、下部灯体20の対接部位に対して上部灯体30の対接部位を確実に固定することができる。しかも、取り付けと同時に電気的な接続も行うことができる。
【0081】
係合凸部41とガイド凹部45とが係合して、下部灯体20の対接部位上に上部灯体30が固定されたら、さらに両者の各対接部位の外周を取り囲むように締付バンド80を取り付ける。締付バンド80を締め付けるには、締付バンド80を各対接部位に被せるように周回させた後、操作レバー84を起こした状態でストライカ85をフック83に引っ掛けてから、再び操作レバー84を押し倒すように回動させて固定する。ここで下部灯体20と上部灯体30の対接部位の外周には、両者を上下に分けるために指先を掛ける隙間26がある。
【0082】
下部灯体20に上部灯体30を取り付けて締付バンド80で固定する際、従来の航空灯では前記隙間26に締付バンド80の側端縁81aが誤って嵌入する虞があったが、本航空灯10では、隙間26に対して締付バンド80の側端縁81aが嵌入不能に構成している。すなわち、隙間26の幅を、締付バンド80の側端縁81aの傾斜分を含めた上下方向の寸法よりも狭くしている。ここで締付バンド80の側端縁81aが、バンド本体81の主要部の外周面より直角に折曲している場合は、側端縁81a自体の厚みよりも隙間26を狭くする必要がある。
【0083】
これにより、締付バンド80の取り付けミスを未然に防ぐことが可能となり、下部灯体20と上部灯体30の取り付け作業を極めて容易かつ迅速に行うことができる。すなわち、締付バンド80を固定し直すような時間の無駄を省くことができ、また、取付不良による不具合や破損も防ぐことができる。なお、隙間26に締付バンド80の側端縁81aが嵌入不能な構成としては、前述した隙間26の幅を狭める他にも、例えば、隙間26を周方向における一部でも分断する凸部等を、灯体本体35の下端開口の外周縁または調整座22の上端側の開口周縁に設けるようにしても良い。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、航空灯として誘導路灯を例に説明したが、航空灯の種類は進入灯に限らず、他に各種の航空灯にも広く適用することができる。
【0085】
また、コネクタ40を構成する係合凸部41やガイド凹部45の構成は、図示した形状に限られるものではない。
さらに、光源50はLEDに限定されることはなく、他の半導体発光素子としてLD(半導体レーザ)等を備えた構成であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明に係る航空灯は、全方向を照らす誘導路灯に限られることなく、他の様々な航空灯にも幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
10…航空灯
20…下部灯体
21…台座
22…調整座
30…上部灯体
31…ベース台
35…灯体本体
40…コネクタ
41…係合凸部
45…ガイド凹部
50…光源
60…プリズム
70…係脱機構
80…締付バンド
81…バンド本体
81a…側端縁